JPH0677686A - 電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート - Google Patents

電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート

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JPH0677686A
JPH0677686A JP5062195A JP6219593A JPH0677686A JP H0677686 A JPH0677686 A JP H0677686A JP 5062195 A JP5062195 A JP 5062195A JP 6219593 A JP6219593 A JP 6219593A JP H0677686 A JPH0677686 A JP H0677686A
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metal thin
thin film
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wave shielding
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の厚さおよび幅のアモルファス金属薄膜
リボンを用いて、機械的強度および可撓性にすぐれた広
幅電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートを
得る。 【構成】 積層一体化された複数のアモルファス金属薄
膜からなる積層体と、2個以上の可撓性被覆層とを含
み、この被覆層が少なくとも1層の補強用繊維布帛層
と、少なくとも1層の可撓性重合体樹脂層とを有する電
磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波シールド性アモ
ルファス金属薄膜積層シートに関するものである、更に
詳しく述べるならば、本発明は、積層一体化された複数
のアモルファス金属薄膜からなる積層体を含み、電磁波
に対しすぐれたシールド効果を有するアモルファス金属
薄膜積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年エレクトロニクス機器の発達および
普及に伴い、これらの機器および、磁気記録体などを、
静電気、および電磁波の悪影響から保護することが必要
になり、この保護材料として、シート材料、例えば、被
覆用シート材料および包装用シート材料の需要が大きく
なってきている。
【0003】従来エレクトロニクス機器を静電気の影響
から保護するために、カーボン粉末、カーボン繊維、金
属箔、又は金属粉末を含有する導電性材料を含む導電性
シートが用いられている。しかし、このような従来の導
電性シートは、エレクトロニクス機器を電磁波の影響か
ら保護する目的には十分に効果があるとは云えないもの
である。例えば、MRI(核磁気共鳴診断装置)などに
おいては、外部の電磁波によって強い障害を受けやす
く、このためMRIは厚さ2cmの鉄板でシールドされて
いる。このような厚いシールド材料を用いると、装置の
重量が極めて大きなものとなり、かつ、その製作や加工
に困難を生ずる。更に、上記鉄板シールドの最も重大な
欠点は、鉄板自身が磁気を帯び易いという点にある。
【0004】上記のような従来の電磁波シールド材料の
欠点を解消するためにアモルファス金属の利用が試みら
れた。アモルファス金属は、すぐれた電磁波に対するシ
ールド効果を有し、かつ負荷を除くと、直ちにもとの状
態に復帰し、磁気を帯びることがないという利点を有し
ている。
【0005】しかしながら、アモルファス金属は、従来
の電磁波シールド材料(例えば鉄板)に対し、下記のよ
うな問題点を有している。 (イ)一般にアモルファス金属材料の厚さは、100μ
m以下(市販アモルファス金属薄膜の大部分は50μm
以下の厚さを有する)に限定され、これ以上の厚さを有
するアモルファス金属材料を得ることが困難である。 (ロ)一般にアモルファス金属材料は、100mm以下の
幅(最も一般には20mm以下)で供給されており、これ
以上に広い幅を有するものを入手することが困難であ
る。 (ハ)従って、広幅の、かつかなりの厚さ、例えば、1
00μmより大きな厚さを有するアモルファス金属材料
を得ることは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の厚
さ、および、幅の小さなアモルファス金属薄膜リボンを
用いて、電磁波シールド性にすぐれ、実用上十分な機械
的強度および屈曲性を有し、かつ所望の幅と厚さを有す
る電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートを
形成しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド
性アモルファス金属薄膜積層シートは、積層一体化され
た複数のアモルファス金属薄膜からなる少なくとも1個
の積層体と、この積層体に積層されており、かつ可撓性
材料からなる少なくとも2個の被覆層とを含み、前記可
撓性材料からなる被覆層の少なくとも1層が補強用繊維
布帛層であり、かつ他の少なくとも1層が可撓性重合体
樹脂層であることを特徴とするものである。
【0008】最近アモルファス金属を、その特性に基い
て、種々の用途に使用することが試みられている。一般
にアモルファス金属薄膜は、幅2.54〜10.16cm
のリボン状材料として供給されており、その幅の拡大に
関しては近い将来、幅20.32cmの小幅シートが、供
給されることが期待されている程度である。また、供給
されているアモルファス金属薄膜は、一般に5〜50μ
mの厚さを有するもので、極く稀に100μm程度の厚
さを有するものがあるに過ぎない。
【0009】従来は、上述のようなリボン状、又は小
(細)幅材料は、カードケース、或は小物用包装収納材
料としてのみ使用可能であって、これを100〜300
cmの広幅が要求される被覆シートなどに利用することは
殆んど不可能と考えられていた。
【0010】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいては、アモルファス金属薄膜
は、その供給幅のまゝ、または、必要に応じ、これを所
望の幅に接合して使用される。
【0011】上述のエレクトロニクス機器の保護効果と
は、電磁波シールド手段により電磁波エネルギーを吸収
したり、或は反射したりして、エレクトロニクス機器に
電磁波エネルギーの影響が及ばないようにする効果を云
う。この電磁波シールド手段による電磁波エネルギー減
衰の程度は単位デシベル(dB)で表わされ、電磁波シー
ルド材料としてはこの数値が大きい程減衰効果が大き
く、好ましいことになる。
【0012】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、その電磁波シールド効果
は、それに含まれている金属薄膜のシールド効果にほぼ
依存し、一般に、30dB以上であることが好ましく、6
0dB以上であることが更に好ましく、90dB以上である
ことがより一層好ましい。
【0013】本発明において有用なアモルファス金属薄
膜としては、一般には鉄を主成分とし、これにホウ素、
珪素、炭素、ニッケル、コバルト、および、モリブデン
などから選ばれた1種以上を添加して得られるアモルフ
ァス合金から選ばれることが好ましい。例えば、アライ
ド社の商品名METGLAS No.2605SC(F
e:81%,B:13.5%,Si:3.5%,C:2
%のアモルファス合金)、No.2605S−2(F
e:78%,B:13%,Si:9%のアモルファス合
金)、No.2605−Co(Fe:87部、B:14
部、Si:1部、Co:18部のアモルファス合金)、
No.2826−MB(Fe:40%,Ni:38%,
Mo:4%,B:18%のアモルファス合金)などを用
いることができる。
【0014】また、上記の鉄を主成分とする合金系の外
に、コバルトを主成分とする合金系(例えばCo90Zr
10,Co78Si1012,Co56Cr2618,CO44Mo
36 20,Co34Cr28Mo2018)、ニッケルを主成分
とする合金系(例えばNi90Zr10,Ni78Si
1012,Ni34Cr24Mo2418およびその他の金属を
主成分とする合金系(例えばPd80Si20,Cu80Zr
20,Nb50Ni50,Ti50Cu50)等も利用できる。
【0015】また、アモルファス金属薄膜は、その電磁
波シールド性に実質的な影響のない範囲内で、有孔薄膜
であってもよい。
【0016】これらのアモルファス金属薄膜は、前述の
ようにリボン又は細幅シートの形状で供給されている場
合が多いので、本発明の電磁波シールド性アモルファス
金属薄膜積層シートに、これらを使用するとき、必要に
応じて複数のリボン状、又は、細幅シート状のアモルフ
ァス金属薄膜を互に並列に配列して、広幅シート状体と
するか、または、必要によりそれらの対向する側縁部を
導電性接着剤又は半田により接着して、所望の幅を有す
る広幅シート状体とする。複数のリボンから広幅薄膜を
作成するとき、リボンは、得られる積層シートの長手軸
方向に平行に伸びるように配置されてもよいし、或は、
これに直角な方向に伸びるように配置されていてもよ
い。また、アモルファス金属薄膜は、アモルファス金属
の粉末を利用して形成してもよい。或は、アモルファス
金属からなる細線から編織物状、又は不織布状シートと
して、これをアモルファス金属薄膜として用いてもよ
い。
【0017】アモルファス金属薄膜は電界に対するシー
ルド効果を有するが、特に磁界に対しすぐれたシールド
効果を有している。
【0018】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいてアモルファス金属薄膜は、ア
モルファス金属薄膜単独から形成されたものであっても
よいし、或は、アモルファス金属薄膜からなる基体と、
その少なくとも一面を被覆している導電性金属メッキ層
とからなるものであってもよい。メッキ用導電性金属と
しては、例えば銅、ニッケル、コバルト、鉄、アルミニ
ウム、金、銀、錫、亜鉛およびこれらから選ばれた2種
以上の合金などを用いることができる。このようにし
て、アモルファス金属薄膜からなる基体の少なくとも一
面上に導電性金属をメッキすると、得られるメッキ層付
きアモルファス金属薄膜は前記磁界シールド性に、メッ
キ層による電界シールド性が加算され、アモルファス金
属薄膜全体として、低周波から高周波までの広範囲の電
磁波に対して、すぐれたシールド効果を示すことができ
る。また、導電性金属メッキ層は、アモルファス金属薄
膜の半田接着性を向上させ、アモルファス金属薄膜リボ
ンから、広巾薄膜の形成を容易にする効果もある。
【0019】また、アモルファス金属薄膜中に含まれる
導電性金属メッキ層は、0.1μm以上の厚さを有する
ことが好ましく、0.1〜5μm程度の厚さを有するこ
とがより好ましい。またアモルファス金属薄膜又はその
金属メッキ層表面に、防錆剤その他の薄い保護膜を形成
してもよい。
【0020】アモルファス金属薄膜は前述のようにそれ
ぞれ5〜50μmの厚さを有するものであるが、本発明
に用いられるアモルファス金属薄膜積層体は全体として
50μm以上の厚さを有することが好ましく、100〜
5,000μmの厚さを有することがより好ましい。こ
のために、本発明に用いられる電磁波シールド性アモル
ファス金属薄膜積層体においては好ましくは2〜200
枚のアモルファス金属薄膜が厚さ方向に積層一体化され
ている。積層シートのシールド効果を強化し、安定化さ
せるためには、多数のアモルファス金属薄膜を積層する
ことが望ましい。すなわち、アモルファス金属薄膜を広
く大きな面積に接合して使用する場合、面積が大きくな
ればなる程、シールド効果に不均一を生じ、効果が低下
し、或は不安定になるおそれがある。このような問題点
を解消し、安定したシールド効果を得るためには、多数
の薄膜を積層することが望ましい。
【0021】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シート中のアモルファス金属薄膜積層体は、
少なくとも1個のメッキ層付きアモルファス金属薄膜
と、少なくとも1個のメッキ層を有しないアモルファス
金属薄膜とを含むものであってもよい。このようにアモ
ルファス金属薄膜の一部からメッキ層を省略することに
より製品コストを低下させながら、所要の電磁波シール
ド性を得ることができる。
【0022】多数のアモルファス金属薄膜を積層し接合
する場合、接着剤又は粘着剤による接合域が互に重複し
て、得られる積層体中に局部的に厚さの異なる部分が形
成されないように、接着剤又は粘着剤接合域が互に重複
しないように、積層体中にほゞ均一に分布させ、それに
よって厚さ、風合の均一性を維持することが好ましい。
【0023】接着剤又は粘着剤は、積層された複数のア
モルファス金属薄膜を電機的に互に連結させるために、
導電性、又は半導電性であることが好ましく、更にそれ
が防錆性を有することができる。このような接着剤、又
は粘着剤の種類には格別の限定はなく使用目的に応じ
て、既存のものから、任意に選択して使用することがで
きる。例えば、使用環境に応じて耐寒性の高いもの或は
耐熱性の高いものなどを選択して使用すればよい。
【0024】一般に、積層体中における複数のアモルフ
ァス金属薄膜は互に接着剤又は粘着剤により接着又は粘
着されていてもよい。この接着又は粘着において、互に
上下に隣接し、重なり合うアモルファス金属薄膜の全体
に接着剤又は粘着剤が塗布固着されていてもよい。しか
し、この場合、積層体が折曲げられたとき、互に接着又
は粘着されたアモルファス金属薄膜間の相互変位の自由
度が不十分となる。この問題は、特に接着剤が用いられ
たときに顕著である。このような問題点を解決するため
には、複数のアモルファス金属薄膜が互に接着又は粘着
されていないことが好ましいが、この場合複数のアモル
ファス金属薄膜の一体化が困難になる。
【0025】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層体内において、各アモルファス金属薄膜がそ
の上下に隣接し重なり合っている層に部分的に接着又は
粘着され、接着又は粘着部分以外の部分で、互に相対的
変位が可能であることが好ましい。このため各アモルフ
ァス金属薄膜がその上下に隣接し重なり合っている層に
対し、少なくとも1個の線状、又は点状に配置された接
着剤又は粘着剤の層により接着又は粘着されていること
が好ましい。例えば複数のアモルファス金属薄膜からな
る積層体中において、その構成アモルファス金属薄膜
は、少なくとも1個の線状又は点状に或は、これらの混
合状態に分布させた接着剤又は粘着剤の層により接着又
は粘着されることが好ましい。このような態様の接着又
は粘着により複数のアモルファス金属薄膜は、互に接合
され一体化される。しかしアモルファス金属薄膜の非接
合部分は屈曲に応じて互に相対的に変位することがで
き、これにより積層体屈曲が容易になり、また屈曲に伴
う積層体の破断が防止される。
【0026】接合部分の形状は、1個以上の直線、曲
線、又はこれらの混合であってもよく、或は1個以上の
点からなるものであってもよく、これらの接合部分の合
計は、当該アモルファス金属薄膜の接合面積に対し90
%以下であることが好ましく、1〜90%の範囲内にあ
ることがより好ましい。
【0027】アモルファス金属薄膜の積層体に含まれる
点状、又は線状の接着剤又は粘着剤の塗布域は、積層体
に局部的に厚さの不均一を生じないように、互に重複し
ないよう、ほゞ均一に分布させることが好ましく、これ
によってほゞ均一の充実度を有する積層体が得られる。
【0028】本発明に用いられるアモルファス金属薄膜
積層体において、複数のアモルファス金属薄膜が積層さ
れ、この積層体が互に対向する2枚の可撓性重合体樹脂
シート(フィルム)の間にパックされ、一体化されてい
てもよい。また、これらのパックされ一体化されたもの
を複数個重ね合わせてもよい。
【0029】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートは、積層一体化された複数のアモルフ
ァス金属薄膜からなる少なくとも1個の積層体と、この
積層体に積層されており、かつ可撓性材料からなる少な
くとも2個の被覆層とを含み、前記可撓性材料からなる
被覆層の少なくとも1層が補強用繊維布帛層であり、か
つ他の少なくとも1層が可撓性重合体樹脂層である。
【0030】上記可撓性材料からなる被覆層は、複数の
アモルファス金属薄膜積層体の間に形成されていてもよ
く、また任意の間隔をおいて形成されていてもよく、或
は積層体の少なくとも一つの最外表面上に配置されてい
てもよい。この可撓性材料からなる被覆層が導電性又は
半導電性であることが望ましい。複数のアモルファス金
属薄膜積層体の間に導電性又は半導電性可撓性材料から
なる被覆層が設けられると、複数のメッキされた又はメ
ッキされていないアモルファス金属薄膜積層体の全体が
導電性となり好ましい結果が得られる。特に、メッキし
ていないアモルファス金属薄膜が用いられる場合、積層
体間に導電性又は半導電性可撓性材料からなる被覆層を
設けることにより、磁界シールド性とともに電界シール
ド性も改善され、性能の良好な電磁波シールド性アモル
ファス金属薄膜積層シートが得られる。
【0031】上記可撓性材料からなる被覆層のうち、前
記可撓性重合体樹脂層が、可撓性重合体樹脂からなるフ
ィルム、又はシートにより形成されていてもよく、この
ようなフィルム又はシートは多孔質であってもよく、或
は非多孔質であってもよい。
【0032】可撓性材料からなる被覆層は、本発明の電
磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートに、所
望の柔軟性、圧縮弾性、および衝撃や押圧に対する緩衝
性、耐破断性などを与えることができる。
【0033】すなわち、電磁波シールド性アモルファス
金属薄膜積層シートに屈曲などの外力が作用したとき、
この可撓性材料からなる被覆層が、変形することによっ
てこの外力を吸収し、アモルファス金属薄膜の伸びおよ
び圧縮を少なくし、これによってアモルファス金属薄膜
の裂断や折損を防止し、かつ永久変形(折れ目の形成)
を防止するという緩衝作用を発揮する。このような電磁
波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートは、核磁
気共鳴診断装置(MRI)などの磁気シールドシート、
エレクトロニクス機器の被覆シート、包装収納用シー
ト、床シート、壁シート、或は建築用シート等として有
用なものである。
【0034】可撓性重合体樹脂層を形成するために、可
撓性重合体樹脂を用いることができる。このような可撓
性重合体樹脂としては、天然ゴム、ネオプレンゴム、ク
ロロプレンゴム、シリコーンゴム、ハイパロンその他の
合成ゴム、又はPVC樹脂、エチレン−酢酸ビニールコ
ポリマー(EVA)樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポ
リプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素
含有樹脂その他の合成樹脂を用いることができる。この
ような材料は、また、良好な防水性を有し、得られる電
磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートに所望
の防水性並びに難燃性や機械的強度を与えることができ
る。可撓性重合体樹脂層は、0.05mm以上の、より好
ましくは0.05〜1.0mmの厚さを有することが好ま
しく、また導電性物質を含んでいることが好ましい。
【0035】これらの可撓性重合体樹脂層は、上記の如
きゴム又は樹脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレ
ートなどを用い、公知の方法、例えば、トッピング、カ
レンダリング、コーティング、ディッピングなどの方法
によって、アモルファス金属薄膜積層体の表面上に形成
することができる。これらのゴム又は樹脂中には、可塑
剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤などや他の機能付与
剤、例えば防炎剤、難燃化剤などが含まれていてもよ
い。
【0036】従来、金属箔の表面に対し、防錆、および
腐食防止の目的で1〜10μm程度の厚さの樹脂層を形
成することが知られているが、本発明の電磁波シールド
性アモルファス金属薄膜積層シートにおいては、可撓性
重合体樹脂層は一般に50μm以上の厚さに形成され、
この厚さは、好ましくは50〜5000μmであり、更
に好ましくは100〜3000μmであり、より一層好
ましくは200〜2000μmである。また、本発明に
用いられる可撓性重合体樹脂層は、上記の厚さを有して
いても使用上十分な可撓性を示すことができる。
【0037】これらの可撓性重合体樹脂層は、多孔質、
すなわち発泡層であってもよい。このような発泡多孔質
層は所望の可撓性を有する限り硬質フォームであっても
よいが、一般には軟質フォームであることが好ましい。
【0038】発泡多孔質層の気孔率は、50〜99%
(発泡倍率:2〜100倍)であることが好ましく、8
0〜98%(発泡倍率:5〜50倍)であることがより
好ましい。通常は発泡倍率20〜60倍のものが用いら
れる。また、発泡多孔質シート材料層の圧縮抵抗は、2
5%圧縮において、10kg/cm2 以下であれば用途によ
っては実用可能であるが、一般に0.5kg/cm2 以下で
あることが好ましく、0.1kg/cm2 以下であることが
より好ましい。
【0039】発泡多孔質層の厚さには、格別の制限はな
く、電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート
の用途に応じて任意に設定することができるが、一般
に、0.5〜100mmの範囲内にあることが好ましく、
1〜50mmの範囲内にあることがより好ましい。
【0040】発泡多孔質層は、アモルファス金属薄膜積
層体に結着されているが、発泡多孔質シートを予じめ作
成しておき、これを接着剤を用いて結着してもよく、或
は、発泡多孔質シートの接合表面部分を熱溶融して、融
着してもよい。また、発泡多孔質層は、アモルファス金
属薄膜積層体上で化学発泡させて形成してもよいし、或
は、気泡を含有する重合体塗料をアモルファス金属薄膜
積層体上に塗布し、これを固化する、所謂、機械発泡法
により形成してもよい。
【0041】上述のような可撓性重合体発泡多孔質層を
含む被覆層は、アモルファス金属薄膜積層体の両面に形
成されてもよく、或は、その片面のみに、或は中間に形
成されてもよい。片面のみに形成された場合、アモルフ
ァス金属薄膜積層体の他の片面に、或は任意の部分に、
前述のような可撓性重合体樹脂の非多孔質層を含む被覆
層が結着されていてもよい。
【0042】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、アモルファス金属薄膜積層
体に積層される可撓性材料からなる被覆層の少なくとも
1層は、繊維布帛よりなる補強層である。この補強用繊
維布帛層は、アモルファス金属薄膜の、引張り強度にお
ける方向性、強度不均一性、低引裂強度性などをカバー
するのに有効である。
【0043】補強用繊維布帛層は、天然繊維、例えば、
木綿、麻など、無機繊維、例えば、ガラス繊維、カーボ
ン繊維、金属繊維など、再生繊維、例えば、ビスコース
レーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジーお
よびトリーアセテート繊維など、及び合成繊維、例え
ば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)繊維、
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、
芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル
繊維、ポリオレフィン繊維など、から選ばれる少なくと
も1種からなるものである。繊維布帛中の繊維は、短繊
維紡績糸条、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤ
ーンなどのいずれの形状のものであってもよく、また布
帛は、織物、編物、不織布又はこれらの複合布のいずれ
であってもよい。また補強用繊維布帛層を形成する布帛
として、平行に並べた経糸と緯糸とを交差するように重
ね、これらをからみ糸で押えて構成された織物が特に好
ましい。また、得られる電磁波シールド性アモルファス
金属薄膜積層シートが特に柔軟であることを必要とする
場合は、補強用繊維布帛層が比較的目の粗い編織物で形
成することが好ましく、また強度の高いことを必要とす
る場合は、比較的密度の高い編織物をもって形成するこ
とが好ましい。更に、補強用繊維布帛層は導電性又は半
導電性であることが好ましい。
【0044】この場合、補強用繊維布帛層を形成する繊
維自体が導電性又は半導電性であってもよく、また、こ
れらの繊維を混用したものであってもよい。或は、非導
電性布帛に導電性又は半導電性加工剤を施したものでも
よく、更に布帛が不織布であって、導電性又は半導電性
のバインダーが用いられているものであってもよい。
【0045】一般にアモルファス金属薄膜の引裂き強さ
は殆んど0に等しい程低く、低い負荷で容易に裂断す
る。またこのようなアモルファス金属薄膜は引張り強さ
においても比較的弱く、かつ、強度のバラツキが大き
い。例えば厚さ25μmのアモルファス金属薄膜の引張
り強さをJIS−L−1096(1979).「一般織
物試験方法」の6.12、引張り強さ及び伸び率6.1
2.1(1)A法(ストリップ法)に準拠し、巾:3c
m、把み間隔:20cm、引張りスピード:200mm/分
での条件で測定すると、その引張り強さは、65〜12
5kg/3cm、平均100kg/3cm程度の比較的弱いもの
であり、また測定値にバラツキが大きい、また、アモル
ファス金属薄膜は、一般に巾の狭いリボン状で提供され
ているので、これらを並列に配列してシート状にする
と、たとえ、これらを、その対向している側縁部で、半
田により、或は接着剤で接着しても、このシートの横方
向の引張り強さは不十分であり、しかもそのバラツキが
大きいという問題がある。しかし、重包装用、重被覆用
に、或は局部的に摩擦されたり、局部的に外力が作用す
る用途に用いられる場合、本発明の電磁波シールド性ア
モルファス金属薄膜積層シートは、繊維布帛からなる可
撓性補強用繊維布帛層により補強されているため、十分
な実用性を有している。
【0046】この補強層用繊維布帛層の引張り強さは、
アモルファス金属薄膜の引張り強さよりも高いことが好
ましい。補強用繊維布帛層の引張り強さは、積層体中の
アモルファス金属薄膜の引張り強さの最低値よりも高い
ことが好ましい。このような補強用繊維布帛層は、アモ
ルファス金属薄膜の引張り強さを補強し、かつ、そのば
らつきを少なくすることができる。
【0047】また、補強用繊維布帛層として破断伸度が
5%以下のものを用いると、積層体と補強用繊維布帛層
との伸長性の差が小さくなり、従って、両者のS−S荷
重曲線は近似し、このため電磁波シールド性アモルファ
ス金属薄膜積層シートは、比較的大きな引張り強さを示
すことができる。また破断伸度がアモルファス金属薄膜
のそれと等しいか、或は、5%以下の繊維シートを補強
用繊維布帛層として積層体と合体すると、このような積
層シートの形成に当り、アモルファス金属薄膜リボンを
並列に配置しただけでよく、半田による、或は接着剤に
よるリボンの接着は必ずしも必要ではない。このような
接着目のない広幅アモルファス金属薄膜は、継ぎ目が目
立たず良好な外観を示す。
【0048】このような補強用繊維布帛層を構成する繊
維としては、130kg/mm2 以上の引張り強さと5%以
下の破断伸度を有するものが好ましい。このような性能
を有する繊維の種類に格別な限定はないが下記のものが
例示される。
【0049】 引張り強さ 破断伸度 繊 維 (kg/mm2) (%) ガラス繊維 350〜600 3〜4 カーボン繊維 200〜300 1.5〜0.5 金属(スチール)繊維 240 1.7 芳香族アラミド繊維 285 2.0〜5.0
【0050】これらの高強度繊維布帛は、上記の効果を
達成するのに有効なものであるが、低伸度を有し、屈曲
強度の低いものである。従って、電磁波シールド性アモ
ルファス金属薄膜積層シートの用途に耐屈曲性の高いこ
とを要求される場合は、上記高強度繊維布帛に高伸度
の、屈曲強度の高い他の繊維、又はそれらからなる糸条
又は布帛を混用することが好ましい。このような高伸度
繊維の種類に格別の限定はないが、それらを例示すれば
下記の通りである。
【0051】 引張り強さ 破断伸度 繊 維 kg/mm2 ポリエステル繊維 約115 約13 脂肪族ポリアミド(ナイロン)繊維 約100 約19
【0052】上記の他に、ポリ塩化ビニル繊維、ポリア
クリル繊維、およびポリオレフィン繊維も使用すること
ができる。
【0053】また補強用繊維布帛層の表面は、電磁波シ
ールド性アモルファス金属薄膜積層シートの用途に応じ
て、必要な平滑性、又は、滑り防止性、或は、所望の色
彩、模様などを有していてもよく、この補強用繊維布帛
層の上に、上記特性を付与する処理を施してもよいし、
或は、被覆を施してもよい。
【0054】補強用繊維布帛層として、130kg/mm2
以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有する繊
維を含む布帛を用いることが好ましい。
【0055】また、アモルファス金属薄膜積層体の一面
に、130kg/mm2 以上の引張り強さと5%以下の切断
伸度とを有する高強度繊維を含んでなる補強用繊維布帛
層を積層し、かつ、その他の面に、130kg/mm2 より
低い引張り強さと、5%より高い切断伸度とを有する高
伸度繊維を含んでなる補強用繊維布帛層を積層してもよ
い。
【0056】また、補強用繊維布帛層が130kg/mm2
以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有する高
強度繊維と、130kg/mm2 より低い引張り強さと、5
%より高い切断伸度とを有する高伸度繊維との混用物を
含んでなるものであってもよい。
【0057】更に、補強用繊維布帛層が、130kg/mm
2 以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有する
高強度繊維を含む少なくとも1個の補強用繊維布帛層
と、130kg/mm2 より低い引張り強さと、5%より高
い切断伸度とを有する高伸度繊維を含む少なくとも1個
の補強用繊維布帛層とを含むものであってもよい。
【0058】更にまた、アモルファス金属薄膜積層体の
少なくとも一面上に補強用繊維布帛層が積層されてお
り、このようにして形成された基層の少なくとも一面上
に、他の可撓性材料からなる被覆層が配置されていても
よい。
【0059】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、可撓性材料層はカーペット
の上表部を構成する繊維布帛層、例えばパイル布帛層で
あってもよく、或は、壁紙シートを構成する壁紙状シー
ト層であってもよい。前者の場合、得られる電磁波シー
ルド性アモルファス金属薄膜積層シートは、電磁波シー
ルド性敷物として有用であり、後者の場合、得られる電
磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートは電磁
波シールド性壁紙として有用である。
【0060】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、その最外表面層の少なくと
も1つが、補強用繊維布帛層、又は可撓性重合体樹脂層
により形成されていてもよい。
【0061】以下に本発明の電磁波シールド性アモルフ
ァス金属薄膜積層シートを実施例により更に説明する。
【0062】参考例1 アモルファス合金(Fe:81%,B:13.5%,S
i:3.5%,C:2%、商標:METGLAS N
o.2605SC、アライド社製、巾7.62cm、厚さ
25μm)のリボン状体の全表面に、厚さ1μmの銅メ
ッキを施した。このメッキ層付きアモルファス金属薄膜
リボンを13枚並列し、それぞれの側縁端を半田接合し
て巾約1mの広巾薄膜を作成した。このようにして作成
した3枚のメッキ層付きアモルファス金属薄膜を積層
し、上下に対向する薄膜の一つの全面に合成ゴム系接着
剤(商標:SC12N、ソニーケミカル社製)を塗布
し、これらを接着した。得られたアモルファス金属薄膜
積層体は40dBの電磁波シールド性を有していた。
【0063】上記のアモルファス金属薄膜積層体の一面
上に、発泡倍率40倍(気孔率:97.5%)、厚さ5
mmのポリウレタンフォームを貼着して包材とした。この
積層シートを用いて、鋭角のコーナーを有する機器を包
み込んだところ発泡多孔質シート層は、機器の形状に応
じて圧縮変形し、アモルファス金属薄膜が伸長したり折
損することは全くなかった。
【0064】実施例1 アモルファス合金(Fe:81%,B:13.5%,S
i:3.5%,C:2%、商標:METGLAS N
o.2605SC、アライド社製、巾:7.62cm、厚
さ:25μm)のリボン状体の全表面に、厚さ1μmの
銅メッキを施した。このアモルファス金属薄膜リボンを
13枚並列し、それぞれの側縁端を半田接合して巾約1
mの広巾シートを作成した。半田接合部の引張り強さは
40〜86kg/3cm、平均68.6kg/3cmで半田接合
部の引張り強さはかなり低いものであった。
【0065】この広巾アモルファス金属薄膜5枚を積層
し、上下に対向する薄膜の一面上に合成ゴム系接着剤
(商標:SC 12N、ソニーケミカル社製)を、直径
3mmの円型スポット状に1cm2 当り2個の密度で塗布
し、これらを一体に接着した。この接着剤の塗布面積率
は14.13%であった。得られた積層体は80dBの高
電磁波シールド効果を示した。
【0066】上記アモルファス合金薄膜積層体の一面の
全面に、上記接着剤を塗布し、これにガラス繊維布帛
(商標:KS−2671、カネボウ硝子繊維社製、厚
さ:0.22mm、目付:210g/m2 、平織、径密
度:19本/25.4mm、緯密度:19本/25.4m
m、繊維引張り強さ:350kg/mm2 、繊維破断伸度:
3%、布帛引張り強さ、経緯両方向共に111.6kg/
3cm、布帛破断伸度、経緯両方向ともに3.0%)を貼
着し、他の一面も同様にして下記組織のポリエステルフ
ィラメント平織粗布:
【数1】 を貼着し、基層シートを作成した。この平織布帛は、厚
さ:0.3mm、目付:40kg/m2 、布帛引張り強さ:
経、緯ともに25kg/3cm、布帛破断伸度:経緯両方向
ともに15%、繊維引張り強さ:110kg/mm2 、繊維
破断伸度13%であった。
【0067】上記基層シートを下記組成の可撓・防水性
重合体樹脂被覆液に浸漬した。 ポリ塩化ビニル樹脂 80重量部 ブチルベンジルフタレート 68 〃 エポキシ化大豆油 7 〃 炭酸カルシウム 20 〃 カドミウムバリウム系安定剤 3 〃 顔料 8 〃 トルエン(溶剤) 130 〃
【0068】被覆液含浸基層シートをニップローラーで
絞り、被覆液の付着量を100%に調節し、乾燥機中で
90℃で1分間乾燥した。次に、この被覆層を180℃
で1分間熱処理してポリ塩化ビニルをゲル化固着した。
得られた可撓性重合体樹脂層の厚さは0.35mmであっ
た。
【0069】得られたアモルファス金属薄膜積層シート
は良好な、電磁波に対するシールド性(80dB)と、す
ぐれた防水性を有し、また、熱融着接合の可能なもので
あった。このようなすぐれた熱融着接合性によって、従
来考えられなかったアモルファス金属薄膜をシート材料
(例えば大型テント用シート)に使用することを可能に
し従来縫合出来なかったアモルファス金属薄膜を使用し
た積層シートの縫合を可能にし、その利用を簡易化し、
かつ利用分野を拡大することが出来るようになった。
【0070】このような電磁波シールド性アモルファス
金属薄膜積層シートは複数のアモルファス金属薄膜から
なる積層体を含んでいるにも拘らず、実用上十分な強度
と屈曲性を示し、かつ、80dBの極めて高い電磁波シー
ルド効果を示した。また、実用上十分な作業性、取り扱
い容易性を有していた。
【0071】実施例2 実施例1と同様の操作を行った。但し、接着剤として、
導電性を有するドータイトFE−102(藤倉化成社
製、Ag−Cu含有電磁波シールド用アクリル系樹脂接
着剤、体積抵抗:10-4Ω・cm)を使用した。更に、可
撓・防水性重合体樹脂被覆液に、10重量部のケチエン
ブラックを添加した。得られた電磁波シールド性アモル
ファス金属薄膜積層シートの電磁波シールド性は93dB
であった。
【0072】
【発明の効果】本発明の電磁波シールド性アモルファス
金属薄膜積層シートは、複数のアモルファス金属薄膜か
らなる積層体を含むものであるが、実用上十分な柔軟
性、屈曲性、強度、衝撃緩衝性、および作業性を有し、
更に、すぐれた電磁波シールド性を有しているので、電
磁波シールド性の被覆、又は、包装シート、敷物、或は
壁紙シートなどとして有用なものである。また、本発明
の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートは
上記用途における中間体製品又は完成製品のいづれに組
み合わせて使用することもできる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 45/00 H01F 1/00 C 1/18

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層一体化された複数のアモルファス金
    属薄膜からなる少なくとも1個の積層体と、この積層体
    に積層されており、かつ可撓性材料からなる少なくとも
    2個の被覆層とを含み、 前記可撓性材料からなる被覆層の少なくとも1層が補強
    用繊維布帛層であり、かつ他の少なくとも1層が可撓性
    重合体樹脂層であることを特徴とする電磁波シールド性
    アモルファス金属薄膜積層シート。
  2. 【請求項2】 前記積層された複数のアモルファス金属
    薄膜が互に接着剤又は粘着剤により接着一体化されてい
    る、請求項1に記載の電磁波シールド性アモルファス金
    属薄膜積層シート。
  3. 【請求項3】 前記接着剤、又は粘着剤が導電性又は半
    導電性を有する、請求項2に記載の電磁波シールド性ア
    モルファス金属薄膜積層シート。
  4. 【請求項4】 前記接着されたアモルファス金属薄膜の
    接着面上において、前記接着剤又は粘着剤が1本以上の
    線状、又は1個以上の点状に分布している、請求項2又
    は3に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積
    層シート。
  5. 【請求項5】 前記接着剤又は粘着剤の分布面積の合計
    が、前記アモルファス金属薄膜の接着面の面積に対し
    1.0〜90%の範囲内にある、請求項4に記載の電磁
    波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  6. 【請求項6】 前記積層された複数のアモルファス金属
    薄膜上の接着剤又は粘着剤の塗布域が互に重複しない位
    置に形成されている、請求項4に記載の電磁波シールド
    性アモルファス金属薄膜積層シート。
  7. 【請求項7】 前記アモルファス金属薄膜積層体が、互
    に対向する2枚の可撓性重合体樹脂シートの間にパック
    され、一体化されている、請求項1に記載の電磁波シー
    ルド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  8. 【請求項8】 前記アモルファス金属薄膜積層体中の、
    少なくとも1個のアモルファス金属薄膜が、このアモル
    ファス金属薄膜と、その少なくとも一面上に形成され、
    かつ少なくとも1種の導電性金属からなるメッキ層とを
    含むものである、請求項1に記載の電磁波シールド性ア
    モルファス金属薄膜積層シート。
  9. 【請求項9】 前記アモルファス金属薄膜積層体が、少
    なくとも1個のメッキ層付きアモルファス金属薄膜と、
    少なくとも1個のメッキ層を有しないアモルファス金属
    薄膜とを含む、請求項1に記載の電磁波シールド性アモ
    ルファス金属薄膜積層シート。
  10. 【請求項10】 前記導電性金属メッキ層が、銅、ニッ
    ケル、コバルト、鉄、アルミニウム、金、銀、錫、亜鉛
    および上記金属から選ばれた少なくとも1種を含む合金
    から選ばれた少なくとも1種を含んでなる、請求項8に
    記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シー
    ト。
  11. 【請求項11】 前記アモルファス金属薄膜が互に平行
    に配置された複数枚のアモルファス金属薄膜リボンを含
    んでなる、請求項1に記載の電磁波シールド性アモルフ
    ァス金属薄膜積層シート。
  12. 【請求項12】 前記アモルファス金属薄膜リボンが、
    その長手縁端部において、互に導電性接着剤又は半田に
    より接合され、所望の巾を有する1体の薄膜に形成され
    ている、請求項11に記載の電磁波シールド性アモルフ
    ァス金属薄膜積層シート。
  13. 【請求項13】 前記アモルファス金属薄膜リボンが、
    その長手縁端部において、互に接着剤又は粘着剤により
    接着一体化され、所望の巾を有する一体の薄膜に形成さ
    れている、請求項11に記載の電磁波シールド性アモル
    ファス金属薄膜積層シート。
  14. 【請求項14】 前記アモルファス金属薄膜が、Fe,
    Co,Ni,Pd,Cu,NbおよびTiから選ばれた
    少なくとも1員からなる主成分と、B,Si,C,C
    o,Ni,Cr,Zr,Nb,Cu,Ti、およびMo
    から選ばれた少なくとも1員からなり、但し、前記主成
    分に含まれる金属を含まない添加成分とを含んでなる、
    請求項1に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄
    膜積層シート。
  15. 【請求項15】 前記アモルファス金属薄膜の各々が、
    5〜100μmの厚さを有する、請求項1に記載の電磁
    波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  16. 【請求項16】 前記アモルファス金属薄膜積層体が5
    0〜5,000μmの合計厚さを有する、請求項1に記
    載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シー
    ト。
  17. 【請求項17】 前記アモルファス金属薄膜積層体内に
    おいて、積層された複数の薄膜が互に重複しない接合域
    で接合されている、請求項1に記載の電磁波シールド性
    アモルファス金属薄膜積層シート。
  18. 【請求項18】 前記導電性金属メッキ層が、0.1μ
    m以上の厚さを有する、請求項8に記載の電磁波シール
    ド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  19. 【請求項19】 前記可撓性材料からなる被覆層が、複
    数の前記アモルファス金属薄膜積層体の間に形成されて
    いる、請求項1に記載の電磁波シールド性アモルファス
    金属薄膜積層シート。
  20. 【請求項20】 前記可撓性材料からなる被覆層が前記
    積層体の少なくとも1つの最外表面に配置されている、
    請求項1に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄
    膜積層シート。
  21. 【請求項21】 前記可撓性材料からなる被覆層が導電
    性又は半導電性である、請求項1に記載の電磁波シール
    ド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  22. 【請求項22】 前記可撓性重合体樹脂層が、50μm
    以上の厚さを有する、請求項1に記載の電磁波シールド
    性アモルファス金属薄膜積層シート。
  23. 【請求項23】 前記補強用繊維布帛層が、ガラス繊
    維、カーボン繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、脂肪
    族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリ塩化ビ
    ニル繊維、ポリアクリル繊維およびポリオレフィン繊維
    から選ばれた少なくとも1種の繊維を含んでなる、請求
    項1に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積
    層シート。
  24. 【請求項24】 前記補強用繊維布帛層が、前記アモル
    ファス金属薄膜の少なくとも1枚よりも高い引張り強さ
    を有する、請求項1に記載の電磁波シールド性アモルフ
    ァス金属薄膜積層シート。
  25. 【請求項25】 前記補強用繊維布帛層が、前記積層体
    中のアモルファス金属薄膜の少なくとも1枚の引張り強
    さの最低値よりも高い引張り強さとを有する、請求項1
    に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シ
    ート。
  26. 【請求項26】 前記補強用繊維布帛層が、5%以下の
    破断伸度を有する、請求項1に記載の電磁波シールド性
    アモルファス金属薄膜積層シート。
  27. 【請求項27】 前記補強用繊維布帛層が、130kg/
    mm2 以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有す
    る繊維を含んでなる、請求項1に記載の電磁波シールド
    性アモルファス金属薄膜積層シート。
  28. 【請求項28】 前記アモルファス金属薄膜積層体が、
    その1面において、130kg/mm2 以上の引張り強さと
    5%以下の切断伸度とを有する高強度繊維を含んでなる
    補強用繊維布帛層により積層され、かつ、その他の面に
    おいて、130kg/mm2 より低い引張り強さと、5%よ
    り高い切断伸度を有する高伸度繊維を含んでなる補強用
    繊維布帛層により積層されている、請求項1に記載の電
    磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  29. 【請求項29】 前記補強用繊維布帛層が130kg/mm
    2 以上の引張り強さと5%以下の切断伸度とを有する高
    強度繊維と、130kg/mm2 より低い引張り強さと、5
    %より高い切断伸度とを有する高伸度繊維との混用物を
    含んでなる、請求項1に記載の電磁波シールド性アモル
    ファス金属薄膜積層シート。
  30. 【請求項30】 前記補強用繊維布帛層が、130kg/
    mm2 以上の引張り強さと、5%以下の切断伸度とを有す
    る高強度繊維を含む少なくとも1個の繊維層と、130
    kg/mm2 より低い引張り強さと、5%より高い切断伸度
    とを有する高伸度繊維を含む少なくとも1個の繊維層と
    を含む、請求項1に記載の電磁波シールド性アモルファ
    ス金属薄膜積層シート。
  31. 【請求項31】 前記アモルファス金属薄膜積層体と、
    その少なくとも一面上に積層された補強用繊維布帛層と
    によって、基層が形成されており、この基層の少なくと
    も一面上に前記可撓性重合体樹脂層が配置されている、
    請求項1に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄
    膜積層シート。
  32. 【請求項32】 前記可撓性重合体樹脂層の少なくとも
    1層が多孔質である、請求項1に記載の電磁波シールド
    性アモルファス金属薄膜積層シート。
  33. 【請求項33】 前記補強用繊維布帛層が、積層シート
    の少なくとも1つの最外表面層を形成している、請求項
    1に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層
    シート。
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