JPH07120868B2 - 電気、および電磁波障害防止フレキシブルシート - Google Patents

電気、および電磁波障害防止フレキシブルシート

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JPH07120868B2
JPH07120868B2 JP2000017A JP1790A JPH07120868B2 JP H07120868 B2 JPH07120868 B2 JP H07120868B2 JP 2000017 A JP2000017 A JP 2000017A JP 1790 A JP1790 A JP 1790A JP H07120868 B2 JPH07120868 B2 JP H07120868B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気および電磁波障害を効果的に防止するこ
とができるのみならず、更にまた透視性および採光性に
おいてもすぐれている電気、および電磁波障害防止フレ
キシブルシートに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、機器カバーその他のフレキシブルな被覆用材料と
して、各種合成樹脂又は合成もしくは天然ゴムからなる
フレキシブルシートが使用されており、これらは繊維材
料で補強されているものも多い、しかし、これらのシー
トは、本質的には電気的に絶縁性であり、一般に1010
1017Ω・cm、多くは1012Ω・cm以上の固有抵抗値を有す
るものであった。このため、これら従来のシートは、表
面摩擦により静電気を発生し、帯電する傾向が強かっ
た。
近来種々の電気機器が開発され、普及するにつれて、上
記フレキシブルシートの静電気発生および帯電に伴う電
気および電磁波障害の発生が多くなり、この問題の抜本
的解決が強く要求されるようになってきた。
このようなフレキシブルシートの場合、通常の非導電性
シートの表面に導電性塗料等を塗布することにより目的
を達成することも考えられるのであるが、その場合には
導電性塗料等のシート表面への接着性が問題となり、フ
レキシブルシートでは屈曲が激しいために容易に剥離し
てしまい、十分な実用的使用寿命を有するシートを得る
ことは困難である。また、導電性塗料を塗布する場合に
は、色相上も限定が多く、カラフルなシートは得られに
くいなどの問題点があり、更に塗布技法や塗布膜の性能
などにおいても、厚さの多きな導電性膜を形成すること
が困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、静電気の発生および帯電がなく、従って、電
気および電磁波障害を発生することのない電気、および
電磁波障害防止フレキシブルシートを提供しようとする
ものである。
〔課題を解決するための手段・作用〕
本発明の電気、および電磁波障害防止フレキシブルシー
トは、少なくとも1層の電気絶縁性を有するフレキシブ
ルシート部と、その少なくとも一面上に結着された導電
性、又は半導電性フレキシブルシート部とを含んでな
り、前記電気絶縁性フレキシブルシート部が、少なくと
もそれぞれ互いに糸間間隙をおいて平行に配置された経
糸、および緯糸を含む糸条により構成された粗目織物状
基布と、可撓性重合体材料を主成分として含む電気絶縁
性被覆層と、を有し、かつ前記電気絶縁性被覆層が、前
記基布を構成している糸条の少なくとも露出表面を被覆
し、かつ前記糸条の交差点を包み込んで一体に結着して
いる、電気絶縁性粗目シートにより構成されている、こ
とを特徴とするものである。
本発明の電気、および電磁波障害防止フレキシブルシー
ト(以下本発明のフレキシブルシートと記す)は、電気
絶縁性フレキシブルシート部(以下絶縁性シート部と記
す)と、その少なくとも一面状に積層接着されている導
電性又は半導電性フレキシブルシート(以下導電性又は
半導電性シート部と記す)とを有するものである。上記
絶縁性シート部の両面側が導電性又は半導電性シート部
によって被覆されていることが好ましい。
一般に絶縁性シート部の抵抗値は108Ω・cm以上である
のが好ましく、1010Ω・cm以上であるのが更に好まし
く、特に1010〜1018Ω・cm以上であることが一層好まし
い。
また、一般に、導電性又は半導電性シート部の固有抵抗
値は108Ω・cm以下であることが好ましく、特に105Ω・
cm以下の固有抵抗値を有する導電性シート部が好まし
く、この場合、その固有抵抗値は必要に応じて、101Ω
・cm以下であってもよい。
本発明のフレキシブルシートにおいては、絶縁性シート
部、および導電性又は半導電性シート部の各々がフレキ
シブルシートであることを要する。
添付図面において、第1図は、本発明のフレキシブルシ
ートの一例を模式的に示す断面図である。第1図(イ)
に示す本発明のフレキシブルシートは、絶縁性シート部
1の両面に導電性又は半導電性シート部2が形成されて
なるものであり、第1図(ロ)に示す本発明のフレキシ
ブルシートでは、絶縁性シート部1の片面にのみに導電
性又は半導電性シート部2が形成されている。本発明の
フレキシブルシートの製造において、絶縁性粗目シート
の少なくとも1面上に、導電性又は半導電性シート(又
はフィルム)を積層し、合体させてもよいし、絶縁性粗
目シート上に、導電性又は半導電性被膜形成液を塗布
し、これを固化してもよい。
本発明のフレキシブルシートの絶縁性フレキシブルシー
ト部は、粗目織物状基布と、その糸条を被覆している電
気絶縁性被覆層とを有するものである。電気絶縁性被覆
層は、粗目織物状基布に、電気絶縁性可撓性重合体材料
を含む溶液又はエマルジョンを含浸し、これを固化して
形成することができる。このとき、電気絶縁性可撓性重
合体材料を含有する溶液又はエマルジョンは、粗目基布
の色条間隔を通って糸条の露出表面を被覆し、かつ糸条
の交差点を包み込むように分布し、これを固化した電気
絶縁性樹脂は糸条の露出表面を被覆し、かつ糸条の交差
点を包み込んでこれらを一体に結着する。
本発明の一実施態様において上記のようにして作製され
た電気絶縁性粗目シートの片面又は両面に、必要に応じ
て前記電気絶縁性可撓性重合体材料からなるフィルムを
貼着してもよい。
本発明に用いられる粗目織物状基布としては、天然繊
維、例えば、木綿、麻など、無機繊維、例えば、ガラス
繊維など、再生繊維、例えば、ビスコースレーヨン、キ
ュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−およびトリアセ
テート繊維など、および合成繊維、例えば、ナイロン
6、ナイロン66、ポリエステル(ポリエチレンテレフタ
レート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊
維、ポリ塩化ビニル繊維およびポリオレフィン繊維な
ど、から選ばれた少なくとも1種からなるものがある。
基布中の繊維は短繊維紡績糸条、長繊維糸条、スプリッ
トヤーン、テープヤーンなどのいずれの形状のものでも
よい。一般には、本発明のフレキシブルシートに用いら
れる繊維はポリエステル繊維が好ましく、この繊維は長
繊維(フィラメント)の形状のものが好ましい。粗目織
物状基布は、得られる本発明のフレキシブルシートの機
械的強度を高いレベルに維持するために有用である。
一般に、製品の引裂強力、多方面への折曲げ柔軟性、導
電性又は半導電性フレキシブルシート部及び絶縁性フレ
キシブルシート部材料の基布への密着耐久性、寒冷時の
樹脂又はゴム層の耐亀裂性、軽量性等を考慮すれば、後
に述べる如き特殊構造織物が特に好ましく用いられる。
また、導電性又は半導電性フレキシブルシート部の導電
性物質の含量が多い場合、得られるシート全体が硬くな
る。このような場合、後に述べる特殊構造織物基布を使
用すれば、硬さをカバーでき、適当に柔軟なシートが得
られるので、極めて好ましい。
この特殊構造織物基布は、互いに平行に配列された多数
の経糸からなる経糸層と、前記経糸と直交するように、
互いに平行に配列された多数の緯糸からなる緯糸層と、
前記経糸と緯糸とを、それらの交差点でからみ結合する
からみ糸とからなるものである。すなわち経糸および緯
糸は、それぞれ互いに並列に配置され、それにより形成
される経糸層と緯糸層とが互いに交差するように積層さ
れ、経緯糸条の交差点で長いからみ糸によりゆるく結合
される。前記からみ糸は、前記経糸及び緯糸よりも長
く、従って、経糸と緯糸とをゆるく結合しておりかつ、
その引張強度、引張伸度および破断仕事量のうち少なく
とも1つが前記経糸および緯糸のそれよりも大きく、及
び/又は、樹脂材料に対する接着力が前記経糸および緯
糸のそれよりも小さいことが好ましい。からみ糸として
は、特に下記に示す特性を有する糸条が好ましい。
即ち、 (i)基布を構成する経糸および緯糸より、その強力
が、単位デニール当り10%以上大なるからみ糸。
(ii)基布を構成する経糸および緯糸より、その破断仕
事量が10%以上大なるからみ糸。
(iii)基布を構成する経糸および緯糸より、その破断
伸度が5%以上大なるからみ糸。
(iv)基布を構成する経糸および緯糸より、樹脂被覆物
に対する接着力が小さくなるからみ糸。
このうち、単位デニール当りの強力が、経糸および緯糸
よりも10%以上大なるからみ糸としては、好ましくは20
〜30%以上大きいものが使用され、経糸および緯糸に生
ずる引裂きの進行を実質的に10%以上強力の大なるから
み糸で阻止しようとするものであり、しかもからみ糸は
経緯糸条より長く、従って経緯糸条よりも変化及び変形
の自由度が大であるので、連続してシートに作用する引
裂力に柔軟に対処しこれを吸収しうるものである。即
ち、引裂力がシートに働いて経緯糸条が変位しやがて切
断しても、からみ糸は切断することなく引裂力に追随し
て変位、変形し、やがて引裂のエネルギーを吸収して引
裂を停止させることができる。
次に、からみ糸として、経緯糸条より破断仕事量が好ま
しくは10%以上、より好ましくは20〜30%高い糸条を使
用することができる。ここでいう破断仕事量とは、糸条
の切断時の強力と切断時の伸度との積により近似的に表
される値である。
破断仕事量=破断引張強力×破断引張伸度 いま、例えば、経緯糸条として、単位デニール当り破断
引張強度8.0g、破断引張伸度13%のポリエステルフィラ
メントヤーンを使用し、からみ糸としては、単位デニー
ル当り7.0g、破断引張伸度18%のポリアミド繊維糸が使
用される。このとき、からみ糸の破断仕事量は、経緯糸
条のそれよりも約21%大となっている。また、加工容易
性を考慮すれば同一素材の糸条を使用することが望まし
い。
さらに、経緯糸条より破断伸度が、好ましくは5%以上
大なるからみ糸を編組結合に使用することもできる。ポ
リエステルフィラメントヤーンを使用する場合、経緯糸
条の破断伸度は15%以下、特に8〜12%が好ましいが、
一方、からみ糸の破断伸度は、15%以上、特に20%以上
で、両者間に少なくとも5%以上の差を有するものが良
い結果を与える。からみ糸が合成繊維である場合には、
製造時、重合体材料の重合度を調節して所定の強度を保
持しつつ、所望の大なる破断伸度を有せしめるか、又
は、製造時のフィラメントの延伸倍率を小さくしたも
の、例えば、未延伸糸、又は、二次加工時に捲縮を付与
することにより所望の破断伸度を有するからみ糸を得る
ことができる。
さらに、経緯糸条より、被覆樹脂材料に対する接着力が
小さなからみ糸を使用することもできる。この場合、か
らみ糸は、その表面にシリコン加工等が施されたもので
あってもよい。この場合は、経緯糸条は、被覆樹脂材料
との接着により、その変位、変形の自由度が減少する
が、からみ糸の自由度は経緯糸条よりも大であって、引
裂力が基布に作用したとき、からみ糸はスリップして変
位、変形することができ、従って基布の引裂きを阻止し
うるものである。
接着力を小にするためには、からみ糸の表面に、シリコ
ン処理、油剤処理の如き非接着処理を施すか、又は、ポ
リエチレン糸およびポリプロピレン糸の如く、本質的
に、接着性の小さな糸条を用いればよい。
以上の如く、本発明に有用な粗目基布においては、好ま
しくは、経緯方向に並列に配置された経緯糸条を結合す
るためのからみ糸が、実質的に経緯糸より長く、しか
も、からみ糸が経緯糸条が切断又は変位した状態にあっ
ても、少なくともその一部が切断しない程度に長尺であ
るか、強力、破断仕事量、および/又は破断伸度が大で
あるか、又は接着力が小であるなどの物理的性状を備え
て構成されており、その引張力は経緯糸条により高強力
が保持され、からみ糸をもって、引裂時の衝撃力に対抗
し、又は引裂エネルギーを吸収し、さらに、からみ糸を
切断せすに残存することにより、引裂きに伴う樹脂被覆
とシートとの層間剥離を防止し得るものである。
上記のようなからみ糸はポリエステル、ナイロン、芳香
族ポリアミドその他の公知の合成繊維、ガラス繊維、そ
の他の公知の無機繊維等から選定されるが、特にポリア
ミドフィラメント糸が好適である。
いま、例えば、経緯糸条として、引張単糸強力1.3kgの
ビニロン10S/1紡績糸が使用される場合には、からみ糸
として単位デニール当り引張強力20gの芳香族ポリアミ
ドフィラメントヤーンを使用することが好ましい。ま
た、シートの加工容易性を考慮して同一素材の糸条を使
用する場合には、例えば、経緯糸条として単位デニール
当り引張強力8gのポリエステルフィラメントヤーンを、
また、からみ糸としては、10gのポリエステルフィラメ
ントヤーンを使用することが好ましい。
本発明に有用な特殊構造織物については、更に、本出願
人の先の出願に係る 実公昭52−50234号(実開昭50−1668号)、 特公昭57−30381号(特開昭55−67446号)、 特公昭55−24415号(特開昭54−139688号)、 実開昭55−134242号、 特開昭56−159165号、 特開昭57−14031号、及び 特開昭57−14032号 等に記載の織物が好適に使用できる。そして、これらの
織物は、典型的には第2図に示す如き構成を有する。第
2図において、2は経糸、4は緯糸、そして5はからみ
糸を表す。
即ち、本発明に用いられる粗目織物状基布は、本発明の
フレキシブルシートの機械的強度を高いレベルに維持す
るために有用である。
絶縁性シート部の電気絶縁性被覆層は、電気絶縁性可撓
性重合体材料を主成分として含むものである。この重合
体材料は、一般に電気絶縁性ゴムおよび合成樹脂から選
ばれた少なくとも1種によりなるものである。
前記絶縁性ゴムは、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム
(SBR)、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリウ
レタンゴム、ブチルゴム、およびイソプレンゴムなどか
ら選ぶことができる。
また、前記絶縁性合成樹脂は、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエステル、およびポリアミドから選ぶことがで
きる。
これらの絶縁性ゴムおよび合成樹脂は、導電性、又は半
導電性シート部との接着性向上に効果的に作用する。
本発明のフレキシブルシートにおいて、導電性又は半導
電性シート部には、合成樹脂、合成ゴム又は天然ゴムか
らなるマトリックスを使用するのが好ましく、好ましい
合成樹脂の例としてはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウ
レタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイソタクチ
ックポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニト
リル、ポリエステル及びポリアミドやその他公知の材料
がある。また、好ましい合成ゴムの例としては、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)、クロルスルホン化ポリエ
チレンゴムポリウレタンゴム、ブチルゴム及びイソプレ
ンゴムやその他公知の材料がある。最も好ましい合成樹
脂はPVCであり、これは可塑剤、充填剤、着色剤、安定
剤、発泡剤および/又はその他の変性剤を含んでいても
よい。また、用途や目的により、これらマトリックスは
透明であることが好ましく、また、気泡を有していても
よく、あるいは多孔質であってもよい。
導電性又は半導電性シート部のマトリックス中に配合さ
れて、各シート部の抵抗値をコントロールするための導
電性材料としては、液状、粉末状、繊維状、箔状、線状
又はシート状の導電性物質、例えば、カーボンブラッ
ク、金属、例えばAl,Au,Ag,Pt,Cu,Cr,Ni,Zn,Ti,Pb,Sn,P
bやこれらの化合物又はNi−Cr合金、又はその他の導電
性化合物、例えば、酸化インジウムがある。これらの導
電性物質のうち、白色、又は透明性を与える物質が好ま
しい。導電性物質の配合量は、その物質に固有の導電
性、性状や所望の導電性の程度を勘案して定められる
が、少なくとも5重量%であるのが好ましく、10〜70重
量%であるのが更に好ましい。勿論、導電性物質の配合
量は、70重量%以下に限定されるものではなく、特に導
電性シート部の場合には、所望のフレキシブルシート性
状(強度、屈曲性、外観など)を有している限り、70重
量%より多くてもよい。参考のため、各種材料の固有抵
抗値を示すと下記の如くである。
絶縁性シート部、および導電性、又は、半導電性シート
部の各々の厚さについては、シートのフレキシビリティ
を損なわない限り特に限定はないが、一般に1μm以上
であることが好ましく、10〜1000μmであることがより
好ましいが、勿論これより厚くてもよい。
本発明のフレキシブルシートは、少なくとも一方の最外
側表面層が導電性又は半導電性シート部からなり(両外
側表面層が導電性シート部からなるのが特に好まし
い)、その下部層又は中間層が全体として絶縁性シート
部からなるか又は絶縁性シート部を一部に含む層から構
成されているシートであってよい。
導電性又は半導電性シート部は静電気帯電防止および、
貫通電磁波を遮蔽する効果があり、この場合絶縁性シー
ト部と導電性シート部とが隣接していなくともよく、そ
の他の層がそれらの層の間に介在していてもよい。しか
し、他の層が介在しない方がより多目的ではある。特
に、両外表面に導電性又は半導電性シート部を有する本
発明のフレキシブルシートの場合には、中間層として少
なくとも1層の絶縁性シート部を有するものであって
も、大なる効果が得られる。また、このような本発明の
フレキシブルシートは、いうまでもなく、その任意の個
所に1又はそれ以上の他の材料の層を有していてもよ
い。また、第1図(ロ)に示す如く、外表面を導電性又
は半導電性フレキシブルシート部2により形成し、その
下に絶縁性フレキシブルシート部1を配置することもで
きる。この場合、得られる本発明のフレキシブルシート
は上面、下面の使用時の要求性能に適合した構成を有
し、上下面を、所望の面に任意に接触させることができ
るから、取扱い時のまとわり付き等の問題を生じないと
いう利点を有する。第1図(ロ)に示す構成を有する本
発明のフレキシブルシートの場合には、前述の効果の他
に、表裏両面を、それぞれ異なる目的の用途に用いるこ
とができ、またその内部に他の材料の層を区切って構成
すれば電気的に異なる性能を部分的に要求される用途に
用いることもできる。
以下に、本発明を実施例により説明する。
〔実施例〕
本発明のフレキシブルシートの1例を示すと、経糸およ
び緯糸に1000デニールのポリエステルフィラメント糸を
それぞれ11本/2.54cmの密度で用い、かつからみ糸に110
デニールのナイロンフィラメント糸を用いて、第2図に
示されている構造を有する粗目織物状基布を用意し、こ
の基布を、100重量部のポリ塩化ビニル樹脂、60重量部
のジオクチルフタレート、および所定量の安定剤とを含
む絶縁加工液に浸漬含浸し、加工液のピックアップ率10
0%に絞り、乾燥し、180℃でゲル化加熱を施して樹脂を
固着させた。これによって糸条表面に樹脂被覆層が形成
され、従って糸条間隙は閉塞されていない絶縁性粗目シ
ートが形成された。この絶縁性粗目シートの固有抵抗値
は1016Ω・cmであった。
次に、100重量部のポリ塩化ビニル樹脂と10重量部の酸
化インジウム粉末とを含み、0.1mmの厚さと104〜106Ω
・cmの固有抵抗とを有する透明なフレキシブル導電性シ
ートを形成した。
前記絶縁性粗目シートの両面に、上記透明フレキシブル
導電性シートを、カレンダーを用いて加熱貼着して本発
明のフレキシブルシートを製造した。
得られた本発明のフレキシブルシート全体の厚さは約0.
5mmであった。上記本発明のフレキシブルシートはそれ
を通して透視可能であり、かつ採光性のすぐれたもので
あって、しかも軽量で取扱いの容易なものであった。
上記本発明のフレキシブルシートを用いて実験室内に簡
易ボックスを作り、その中で高周波ミシンによる縫製作
業を行ったところ、すぐ外側において点灯されていたテ
レビ画面に全くノイズが発生しなかった。比較のため、
従来のPVCシートを用いて同様のテストを行ったとこ
ろ、テレビ画面に乱れを生じた。また、帯電防止加工の
みを施した従来のPVCシートによって行ったテストにお
いても同様にテレビ画面の乱れを生じた。また、繊維性
基布として同様目付の平織布を使用した所、帯電防止お
よび電磁波障害防止効果は全く同様であったが、でき上
ったシートは先の実施例シートに較べて硬く、カバーフ
ィット性等の面でやや難点がみられた。
〔発明の効果〕
本発明のフレキシブルシートは、粗目織物状シートを基
布として用い、表面における静電気帯電を防止し、電磁
波障害を生ぜず、かつ、表面摩擦のはげしい用途に使用
しても上記の電気特性を耐久性よく保持することがで
き、しかも導電性又は半導電性フレキシブルシート部を
透明なものから選ぶことによって、透視性および採光性
にすぐれたものにすることができるなどの極めて画期的
な複合的効果を奏するものである。従って、上記本発明
のフレキシブルシートにおいて、導電性、又は半導電性
フレキシブルシート部は、絶縁性フレキシブルシート部
に強固に接着され、しかもフレキシブルで軽量であるか
ら、どのような物品に対してもその有する形状のまま被
覆することができ、任意の形状物に縫製して使用するこ
ともできるから、極めて多種の製品を簡易に供給するこ
とを可能にする。
このため、本発明の電気、および電磁波障害防止フレキ
シブルシートは、多目的の用途にすぐれた適合性を有
し、実用上、極めて価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)および(ロ)は、本発明のフレキシブルシ
ートの一例を模式的に示す断面図であり、第2図は本発
明のフレキシブルシートに用いる粗目織物状基布の一例
を示す模式図である。 1……絶縁性フレキシブルシート部 2……導電性又は半導電性フレキシブルシート部 3……経糸 4……緯糸 5……からみ糸

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層の電気絶縁性を有するフレ
    キシブルシート部と、その少なくとも一面上に形成され
    た導電性、又は半導電性フレキシブルシート部とを含ん
    でなり、 前記電気絶縁性フレキシブルシート部が、少なくともそ
    れぞれ互いに糸間間隙をおいて平行に配置された経糸、
    および緯糸を含む糸条により構成された粗目織物状基布
    と、可撓性重合体材料を主成分として含む電気絶縁性被
    覆層とを有し、かつ前記電気絶縁性被覆層が、前記粗目
    織物状基布を構成している糸条の露出表面を被覆し、か
    つ前記糸条の交差点を包み込んで一体に結着している、
    電気絶縁性粗目シートにより構成されている、ことを特
    徴とする、電気、および電磁波障害防止フレキシブルシ
    ート。
  2. 【請求項2】前記導電性又は半導電性フレキシブルシー
    ト部の固有抵抗値が108Ω・cm以下である、特許請求の
    範囲第1項記載の電気、および電磁波障害防止フレキシ
    ブルシート。
  3. 【請求項3】前記導電性フレキシブルシート部の固有抵
    抗値が105Ω・cm以下である、特許請求の範囲第2項記
    載の電気、および電磁波障害防止のフレキシブルシー
    ト。
  4. 【請求項4】前記絶縁性フレキシブルシート部の固有抵
    抗値が108Ω・cm以上である、特許請求の範囲第1項記
    載の電気、および電磁波障害防止のフレキシブルシー
    ト。
  5. 【請求項5】前記絶縁性フレキシブルシート部の固有抵
    抗値が1010Ω・cm以上である、特許請求の範囲第4項記
    載の電気、および電磁波障害防止のフレキシブルシー
    ト。
  6. 【請求項6】前記絶縁性フレキシブルシート部の固有抵
    抗値が1010〜1018Ω・cmである、特許請求の範囲第5項
    記載の電気、および電磁波障害防止のフレキシブルシー
    ト。
  7. 【請求項7】前記絶縁性フレキシブルシート部の両面側
    に前記導電性又は半導電性フレキシブルシート部が積層
    接着されている、特許請求の範囲第1項記載の電気、お
    よび電磁波障害防止のフレキシブルシート。
  8. 【請求項8】前記可撓性重合体材料が電気絶縁性ゴムお
    よび合成樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる、特
    許請求の範囲第1項記載の電気、および電磁波障害防止
    のフレキシブルシート。
  9. 【請求項9】前記絶縁性ゴムが、天然ゴム、スチレンブ
    タジエンゴム(SBR)、クロルスルホン化ポリエチレン
    ゴム、ポリウレタンゴム、ブチルゴム、およびイソプレ
    ンゴムから選ばれる、特許請求の範囲第8項記載の電
    気、および電磁波障害防止のフレキシブルシート。
  10. 【請求項10】前記絶縁性合成樹脂がポリ塩化ビニル
    (PVC)、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合
    体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニト
    リル、ポリエステル、およびポリアミドから選ばれる、
    特許請求の範囲第8項記載の電気、および電磁波障害防
    止のフレキシブルシート。
  11. 【請求項11】前記導電性又は半導電性フレキシブルシ
    ート部が、ゴムおよび合成樹脂より選ばれた少なくとも
    1種からなるマトリックス成分と、このマトリックス成
    分中に含有されている導電性物質とを含んでなる、特許
    請求の範囲第1項記載の電気、および電磁波障害防止の
    フレキシブルシート。
  12. 【請求項12】前記導電性物質の含有量が前記導電性又
    は半導電性フレキシブルシート部に対し少なくとも5重
    量%である、特許請求の範囲第11項記載の電気、および
    電磁波障害防止のフレキシブルシート。
  13. 【請求項13】前記導電性物質の含有量が、10〜70重量
    %である、特許請求の範囲第12項記載の電気、および電
    磁波障害防止のフレキシブルシート。
  14. 【請求項14】前記導電性物質が、カーボンブラック、
    導電性金属、導電性合金および導電性金属化合物から選
    ばれる、特許請求の範囲第11項記載の電気、および電磁
    波障害防止のフレキシブルシート。
  15. 【請求項15】前記粗目織物状基布が、互いに平行に配
    列された多数の経糸からなる経糸層と、前記経糸と直交
    するように、互いに平行に配列された多数の緯糸からな
    る緯糸層と、前記経糸と緯糸とを、それらの交差点にお
    いてからみ結合するからみ糸とからなる、特許請求の範
    囲第1項記載の電気、および電磁波障害防止のフレキシ
    ブルシート。
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