JPH0767781B2 - アモルファス金属積層シート - Google Patents

アモルファス金属積層シート

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JPH0767781B2
JPH0767781B2 JP3238166A JP23816691A JPH0767781B2 JP H0767781 B2 JPH0767781 B2 JP H0767781B2 JP 3238166 A JP3238166 A JP 3238166A JP 23816691 A JP23816691 A JP 23816691A JP H0767781 B2 JPH0767781 B2 JP H0767781B2
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勉 大林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維シート補強層を有す
るアモルファス金属積層シートに関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は複数枚のアモルファス
金属リボンから形成されたアモルファス金属含有芯層が
繊維シート補強層により補強され、強靱で防水性があ
り、かつ、電磁波に対しすぐれたシールド効果を有する
アモルファス金属積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シート状基体の少なくとも1面を
可撓・防水性樹脂で被覆して得られる防水シートは天幕
地、構造物膜体、或は被覆用シート材料などとして知ら
れている。
【0003】近年エレクトロニクス機器の発達および普
及に伴い、これらの機器を、静電気および/又は電磁波
の悪影響から保護するためのシート材料が必要になって
きた。従来、エレクトロニクス機器を静電気から保護す
るためには、カーボン粉末又は繊維、或は金属箔又は粉
を含有する導電性材料を含有する導電性シートが用いら
れているが、このような従来の導電性シートは、電磁波
からエレクトロニクス機器を保護するためには十分に効
果的であるとは云えないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アモルファ
ス(非晶質)金属を利用して静電気および電磁波の両方
に対して十分な遮蔽および保護効果を有し、かつ強靱で
防水性のすぐれたアモルファス金属積層シート材料を提
供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアモルファス金
属積層シートは、アモルファス金属含有芯層と、この芯
層の少なくとも1面上に結着されている繊維シート補強
層とからなる基層と、この基層の少なくとも1面を被覆
している可撓・防水性樹脂被覆層とを含み、前記アモル
ファス金属含有芯層が、互に並列に配置された複数個の
アモルファス金属リボンを、その側縁部において、互に
半田又は接着剤により接合して形成されたシート状体で
あることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】最近アモルファス金属を、その特性に基いて種
種の用途に利用することが試みられている。一般にアモ
ルファス金属は幅2.54〜10.16cmのリボン状材
料として供給されており、近い将来、幅20.32cmの
ものが供給されることが期待されているが、このような
リボン状、又は小幅材料を、被覆用シート材料に利用す
ることは殆んど不可能と考えられていた。
【0007】本発明においては、リボン状、又は小幅の
アモルファス金属材料を所望の幅のシート状体として使
用するものである。
【0008】本発明のアモルファス金属積層シートにお
いて、そのアモルファス金属含有芯層は複数個のアモル
ファス金属リボンから構成される。このような複数個の
アモルファス金属リボンは、互に並列に配置され、且つ
それらの側縁部において重ね合わされ、又は突き合わさ
れ、接着剤、又は半田により、互に接合されて、広幅シ
ート状のアモルファス金属含有芯層を形成しているもの
である。このとき、図1(A)に示されているように、
広幅シート状アモルファス金属含有芯層1において、複
数個のアモルファス金属リボン2は、上記芯層1の長手
方向Aに平行に配列されていてもよく、或は、図1
(B)に示されているように、上記芯層1の幅方向Bに
平行に配列されていてもよい。これら複数個のアモルフ
ァス金属リボン2は、その側縁部において、接着剤又は
半田3により互に接合されている。
【0009】本発明に用いられるアモルファス金属の種
類については、それが、静電気および電磁波から、エレ
クトロニクス機器を保護する効果を有している限り、格
別の限定はなく、市販材料から選択することができるが
一般には鉄を主成分とし、これにホウ素、硅素、炭素、
ニッケル、コバルト、およびモリブデンなどから選ばれ
た1種以上を添加して得られるアモルファス合金から選
ばれることが好ましい。例えば、アライド社の商品名M
ETGLASNo. 2605SC(Fe:81%、B:1
3.5%、Si:3.5%、C:2%のアモルファス合
金)、No. 2605S−2(Fe:78%、B:13
%、Si:9%のアモルファス合金)、No. 2605−
CO(Fe:87部、B:14部、Si:1部、Co:
18部のアモルファス合金)、No. 2826−MB(F
e:40%、Ni:38%、Mo:4%、B:18%の
アモルファス合金)などを用いることができる。
【0010】これらのアモルファス金属材料は、前述の
ようにリボン又は小幅シートの形状で供給されているの
で、本発明のアモルファス金属積層シートに、これらを
使用するためには、複数個のリボン状又は小幅シート状
アモルファス金属材料を互に並列に配置し、それらの対
向する側縁部を接着剤または半田により接合して、所望
の幅を有するシート状体とする。
【0011】前述のようなアモルファス金属は磁性体で
あって、電界および磁界に対しすぐれたシールド効果を
有している。
【0012】本発明のアモルファス金属積層シートにお
いて、アモルファス金属リボンは、100μm以下の厚
さを有することが好ましく、1〜50μmの厚さを有す
ることがより好ましく、5〜30μmの厚さを有するこ
とが更に好ましい。アモルファス金属含有芯層の厚さが
100μmより大きくなると、芯層の剛性が過大とな
り、変形しにくく、ドレープ性が不十分となり、鋭利な
切断面を形成して作業上危険を生ずることがある。
【0013】また、アモルファス金属の表面に、防錆そ
の他の目的で薄い重合体保護膜が形成されたものであっ
てもよい。
【0014】本発明のアモルファス金属積層シートにお
いては、アモルファス金属含有芯層と、この芯層の少な
くとも一面上に結着された繊維シート補強層とにより基
層が形成されている。すなわち図2(A)に示されてい
るように、アモルファス金属含有芯層1の片面上に繊維
シート補強層4が結着されて、基層5が形成されていて
もよく、また図2(B)に示されているように、アモル
ファス金属含有芯層1の両面上に繊維シート補強層4が
結着されて、基層5が形成されていてもよい。
【0015】この基層の片面、または、両面上に可撓・
防水性樹脂からなる被覆層が形成される。すなわち、図
3(A),(B)および(C)に示されているように基
層5が、アモルファス金属含有芯層1と、その片面に結
着された繊維シート補強層4とからなる場合、可撓・防
水性樹脂被覆層6は、図3(A)に示されているよう
に、基層5の繊維シート補強層4上に形成されていても
よく、また図3(B)に示されているように、基層5の
アモルファス金属含有芯層1上に形成されていてもよ
く、或は、図3(C)に示されているように基層5の両
面上に形成されていてもよい。
【0016】また、図4(A)および(B)に示されて
いるように、基層5がアモルファス金属含有芯層1と、
その両面に結着された繊維シート補強層4とからなる場
合、可撓・防水性樹脂被覆層6は、図4(A)に示され
ているように基層5の片面上のみに形成されていてもよ
く、或は、図4(B)に示されているように、基層5の
両面上に形成されていてもよい。
【0017】本発明のアモルファス金属積層シートにお
いて、基層の片面、または、両面上に可撓・防水性樹脂
からなる被覆層が形成される。このような可撓・防水性
樹脂としては、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレ
ンゴム、シリコーンゴム、ハイパロンその他の合成ゴ
ム、またはPVC樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマ
ー(EVA)樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレ
ン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素含有樹脂そ
の他の合成樹脂を用いることができる。
【0018】このような材料からなる防水層は、得られ
るアモルファス金属積層シートに所望の防水性並びに難
燃性や機械的強度を与えるのに十分な厚さ、例えば、
0.05mm以上の、好ましくは0.05〜1.0mmの厚
さを有する。
【0019】これらの防水層は、上記の如きゴム又は樹
脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレートなどを用
い、公知の方法、例えば、トッピング、カレンダリン
グ、コーティング、ディッピングなどの方法によって、
アモルファス金属含有芯層の表面上に形成することがで
きる。これらのゴム又は樹脂中には、可塑剤、安定剤、
着色剤、紫外線吸収剤などや他の機能付与剤、例えば防
炎剤、難燃化剤などが含まれていてもよい。
【0020】従来、金属箔の表面に対し、防錆、および
腐食防止の目的で1〜10μm程度の厚さの樹脂層を形
成することが知られているが、本発明のアモルファス金
属積層シートにおいては、可撓・防水性樹脂被覆層は一
般に50μm以上の厚さに形成され、この厚さは、好ま
しくは50〜5000μmであり、更に好ましくは10
0〜3000μm、より一層好ましくは200〜200
0μmである。従って、本発明の可撓・防水性樹脂被覆
層は、従来の金属箔上に形成される防錆、腐食防止被膜
層とは明確に異るものである。また、本発明に用いられ
る可撓・防水性樹脂被覆層は、上記の厚さを有していて
も使用上十分な可撓性を示すことができる。
【0021】可撓・防水性樹脂被覆層は、可撓・防水性
樹脂の単一層から形成されていてもよいが、可撓・防水
性樹脂からなる基礎層と、この基礎層の上に形成され、
かつ防汚・耐候性合成樹脂からなる表面層とを含んでな
るものであってもよい。
【0022】すなわち図5に示されているように、可撓
・防水性樹脂被覆層は、可撓・防水性樹脂基礎層7と、
その上に形成された防汚・耐候性合成樹脂表面層8とを
有する複合可撓・防水性樹脂被覆層6aであってもよ
い。このような複合構造を有する複合可撓・防水性樹脂
被覆層6aを基層の片面、又は両面に結着する場合、当
然のことながらその防汚・耐候性合成樹脂表面層8が、
得られるアモルファス金属積層シートの最外側の一表
面、又は二表面を形成するように配置される。例えば図
6(A)に示されているように、基層5の片面上に、複
合可撓・防水性樹脂被覆層6aを、その可撓・防水性樹
脂基礎層7が基層5に結着され、防汚・耐候性合成樹脂
表面層8が最外側に位置するように結着される。或は、
図6(B)に示されているように、基層5の両面上に複
合可撓・防水性樹脂被覆層6aが結着されていてもよ
い。この場合、2層の複合可撓・防水性樹脂被覆層のう
ちのいづれか一つが単一層からなる可撓・防水性樹脂被
覆層であってもよい。図7において、基層5の片面に複
合構造を有する複合可撓・防水性樹脂被覆層6aが形成
され、他の面上に単一層からなる可撓・防水性樹脂被覆
層6bが形成されている。
【0023】本発明に用いられる防汚・耐候性合成樹脂
としては、弗素含有樹脂およびアクリル樹脂を用いるこ
とができる。すなわち防汚・耐候性合成樹脂表面層は、
基礎層上に、弗素含有樹脂、又は、アクリル樹脂からな
るフィルムを貼着することによって形成される。一般に
弗素含有樹脂は、難燃性かつ防汚、耐候性であるが、通
常のプラスチック接着剤になじまないためそのままで
は、基礎層の表面に貼着することは困難である。
【0024】そこで、弗素含有樹脂フィルムの表面をコ
ロナ放電又は低温プラズマ処理等を施して、これをでき
るだけ活性化することにより、例えばポリ塩化ビニル、
ポリエポキシ、ポリアクリル、およびポリエステル樹脂
などの接着剤との親和性を増加せしめている。通常上記
の処理によって、弗素含有樹脂フィルムの表面部分につ
いて活性化が行われることとなる。このために、例えば
100〜200V、40〜100μF、短絡電流1〜2
Aの条件でコロナ放電処理が行われる。かかる放電処理
により、弗素含有樹脂フィルムに所望の接着能が与えら
れるが、本発明に用いられる弗素含有樹脂フィルムの表
面処理はこれに限定されるものではなく、他の表面処理
等により同等以上の効果を奏するものであればよい。
【0025】弗素含有樹脂フィルムを構成する樹脂とし
ては、エチレンの水素原子の1個以上が弗素原子と置換
されている単量体から合成される各種のポリフルオルエ
チレン、例えば、ポリテトラフルオルエチレン、又は一
部塩素を含む各種のポリフルオルクロルエチレン、例え
ばポリトリフルオルクロルエチレン等があるが、このほ
かポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリジクロル
ジフルオルエチレン、その他も包含される。フィルムの
厚みは一般に0.001mm〜0.5mm、好ましくは5〜
50μm程度であるが、耐候性・防汚性並びに耐久性の
目的を達成するものであれば、より厚く、又は、より薄
くすることができ特に限定はない。また、弗素含有樹脂
フィルムには、他の樹脂例えばMMA等が混合又は貼着
複合される等混用されていても本発明の目的を達成する
ものであれば差支えない。本発明に使用される弗素含有
樹脂フィルムの市販品としては、テドラ−フィルム(デ
ュポン、商標)、アフレックスフィルム(旭硝子、商
標)、KFCフィルム(呉羽化学、商標)等がある。
【0026】本発明において、表面が実質的に平滑なフ
ィルム状の弗素含有樹脂が、基礎層の上面に貼着される
のが好ましいが、弗素含有樹脂溶液、又はエマルジョン
等を塗布する方法もある。本発明に用いられる弗素含有
樹脂フィルムは、100kg/cm2 以上の引張強度を有す
ることが好ましい。
【0027】本発明において防汚・耐候性合成樹脂表面
層は、ポリアクリル樹脂によって形成されていてもよ
い。このためには、一般にアクリル樹脂フィルムを用い
るが、アクリル樹脂の溶液又は、エマルジョンを、基礎
層の上に塗布し乾燥する方法を用いてもよい。本発明に
用いられるアクリル樹脂フィルムは、100kg/cm2
上の引張強度を有することが好ましく、1〜50g/m
2 、好ましくは3〜30g/m2 の重量、又は、3μm
以上(通常は3〜50μm)の、更に好ましくは4〜3
0μmの厚さを有するものであることが好ましい。
【0028】本発明に適用されるアクリル樹脂フィルム
は、Tダイ法又はインフレーション法その他いずれの方
法で製造されたものでもよい。また、延伸フィルム、未
延伸フィルムのいずれでもよいが、フィルムの伸度は1
00〜300%程度のものが好ましい。また、前述のよ
うに厚みは通常3μm〜50μm程度であるが、十分な
耐候性・防汚性を達成するならば多少厚く又は薄くして
もよい。フィルム素材は、ポリアルキルメタクリレート
系フィルム例えばメチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート等を主材料とするもの、又は、アクリレート、酢酸
ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等をホモモノマー又はコモノマー成分
とするホモポリマー又はコポリマーをフィルム状に成型
したものがよい。かかるフィルムは基礎層の表面に接着
剤を用いて接着するか又はその他の方法により貼着され
る。
【0029】本発明において、可撓・防水性樹脂基礎層
上に形成される防汚・耐候性合成樹脂表面層は、上述の
ような弗素含有樹脂およびアクリル樹脂の他に、ポリ弗
化ビニリデン樹脂層とアクリル樹脂層との積層体、又は
ポリ弗化ビニリデン樹脂層と、アクリル樹脂層と、ポリ
塩化ビニル樹脂層との積層体からなるものであってもよ
い。これら積層体においては、ポリ弗化ビニリデン樹脂
層の厚さは2〜3μm、アクリル樹脂層の厚さは2〜4
μmおよび、ポリ塩化ビニル樹脂層の厚さは40〜45
μmであることが好ましいが、これらの数値に限定され
るものではない。
【0030】本発明のアモルファス金属積層シートにお
いて、前述のようにアモルファス金属含有芯層と、この
芯層の少なくとも1面上に結着された繊維シート補強層
とにより基層が形成されている。この繊維シート補強層
は、複数枚のアモルファス金属リボン又は小幅シートか
ら接着剤接合または半田接合により形成されたアモルフ
ァス金属含有芯層に対し、その引張強度における方向性
や、強度不均一性および、引裂強力の低い欠点をカバー
するために有効なものである。この基層シートの片面又
は両面に可撓・防水性樹脂被覆層が形成される。
【0031】本発明のアモルファス金属積層シートに用
いられる繊維シート補強層は天然繊維、例えば、木綿、
麻など、無機繊維、例えば、ガラス繊維、カーボン繊
維、金属繊維など、再生繊維、例えば、ビスコースレー
ヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−および
トリ−アセテート繊維など、及び合成繊維、例えば、ポ
リアミド(ナイロン6、ナイロン66等)繊維、ポリエ
ステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、芳香族
ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、
ポリオレフィン繊維など、から選ばれる少なくとも1種
からなるものである。
【0032】繊維シート補強層中の繊維は、短繊維紡績
糸条、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンな
どのいずれの形状のものであってもよく、またシート
は、織物、編物、不織布又はこれらの複合布のいずれで
あってもよい。一般には、本発明のアモルファス金属積
層シートに用いられる繊維はポリエステル繊維であるの
が好ましく、この繊維は長繊維(フィラメント)の形状
にあるのが好ましく、かつ平織布を形成しているのが好
ましい。また、平行に並べたたて糸とよこ糸とを交差す
るように重ね、これらをからみ糸で押えて構成された織
物は、特に好ましい。繊維シート補強層は、得られるア
モルファス金属積層シートの機械的強度を高いレベルに
維持するために有用である。また、得られるアモルファ
ス金属積層シートが柔軟であることを必要とする場合
は、繊維シート補強層が比較的目の粗い編織物で形成す
ることが好ましく、また強度の高いことを必要とする場
合は、比較的密度の高い編織物をもって形成することが
好ましい。
【0033】更に、アモルファス金属含有芯層は比較的
低い伸度を有するため、繊維シート補強層も比較的伸度
の低いガラス繊維シートによって形成されることが好ま
しい場合もある。更にまた、アモルファス金属含有芯層
の高い剛性をカバーするために繊維シート補強層が粗目
軽量の編織物で形成することが好ましい場合もある。
【0034】アモルファス金属含有芯層、繊維シート補
強層、可撓・防水性樹脂被覆層、および防汚、耐候性合
成樹脂表面層などは、任意の方法によって互に結着され
る。例えば、繊維シート補強層、又は前記樹脂層の表面
部分を熱溶融して、これをアモルファス金属含有芯層に
接着してもよいが、一般には、接着剤、又は接着性重合
体材料を介して両者を結着する。この目的に用いられる
接着材料の種類には格別の限定はなく、イソシアネート
系接着材料、エポキシ系接着材料、ポリアクリル系接着
材料、ポリウレタン系接着材料、ポリアミド系接着材
料、ゴム系(特に合成ゴム系)接着材料などのいずれを
用いてもよい。また、アミノ基、イミノ基、エチレンイ
ミン残基、アルキレンジアミン残基を含むアクリレー
ト、アジリジニル基を含有するアクリレート、アミノエ
ステル変性ビニル重合体、芳香族エポキシ接着剤、アミ
ノ窒素含有メタクリレート重合体、なども好ましい接着
材料であるがその他の接着剤を併用してもよい。
【0035】本発明のアモルファス金属積層シートにお
いて、その用途や、要求される性能に応じて繊維シート
補強層、可撓・防水性樹脂被覆層、およびこれらを結着
するための接着剤などの1つ以上を、導電性、又は半導
電性化してもよく、或は、絶縁性にしてもよい。或は、
各層に異る導電性ないし絶縁性を付与して、これらを組
合せてもよい。このようにすることによって種々の特性
又は性能を有する製品を得ることができる。
【0036】
【実施例】本発明のアモルファス金属積層シートを実施
例により更に説明する。
【0037】実施例1 アモルファス合金(Fe:81%、B:13.5%、S
i:3.5%、C:2%、商標:METGLASNo. 2
605SC、アライド社製、幅7.62cm、厚さ25μ
mのリボン状体)リボンの13枚を、互に並列に配列
し、それぞれの側縁端を半田接合して幅約90cmの広幅
シートを作成した。
【0038】この広幅アモルファス金属シートの両面に
合成ゴム系接着剤(商標:SC12N、ソニーケミカル
社製)を塗布し、その一面にガラス繊維寒冷紗(商標:
KS−5210、カネボウ硝子繊維社製、厚さ:0.1
2mm、目付:52g/m2 、組織:からみ織、経(10
+10)本/25.4mm、緯10本/25.4mm)を貼
着し、他の一面に下記組織のポリエステルフィラメント
平織粗布:
【数1】 を貼着し、基層シートを作成した。
【0039】上記基層シートを下記組成の可撓・防水性
樹脂被覆液に浸漬した。 ポリ塩化ビニル樹脂 80重量部 ブチルベンジルフタレート 68 〃 エポキシ化大豆油 7 〃 炭酸カルシウム 20 〃 カドミウムバリウム系安定剤 3 〃 顔 料 8 〃 トルエン(溶剤) 130 〃 被覆液含浸基層シートをニップローラーで絞り、被覆液
の付着量を100%に調節し、乾燥機中で90℃で1分
間乾燥した。次に、この被覆層を180℃で1分間熱処
理してポリ塩化ビニルをゲル化固着した。得られた可撓
・防水性樹脂基礎層の厚さは0.3mmであった。
【0040】この積層シートの一面上に防汚・耐候性合
成樹脂フィルム(商標:KFCシート、呉羽化学工業社
製、ポリ弗化ビニリデン樹脂層(2〜3μm)/ポリア
クリル樹脂層(2〜4μm)/ポリ塩化ビニル樹脂層
(45μm)の積層シート)のポリ塩化ビニル樹脂層面
を加熱貼着し、他の一面にポリアクリル樹脂フィルム
(三菱レイヨン社製、25μm)を加熱貼着した。得ら
れたアモルファス金属積層シートは良好な、電磁波に対
するシールド性と、すぐれた防水性、防汚性および耐候
性を示し、また、アモルファス金属積層シート同志の熱
融着接合の可能なものであった。このような熱融着接合
性は、アモルファス金属膜をシート材料(例えば大型テ
ント用シート)に使用する際、専ら縫合を用いる場合に
くらべて、アモルファス金属膜の利用を簡易化し、かつ
利用分野を拡大することができるようになった。このよ
うなアモルファス金属膜の利用は、従来は全く考えられ
なかったことである。
【0041】上記本実施例のアモルファス金属積層シー
トにおいて、ポリエステルフィラメント平織粗布又は、
ガラス繊維寒冷紗の使用を省略したものおよびアモルフ
ァス合金シートの両面にポリエステルフィラメント平織
粗布又はガラス繊維寒冷紗を貼着したものを作成した
が、いづれも良好な電磁波シールド性、防水性、防汚
性、耐候性、熱融着接合性を示した。
【0042】実施例2 実施例1と同様の操作を行った。但し、可撓・防水性樹
脂被覆層は下記のようにして作成された。基層シートを
下記組成の樹脂組成物を含む塗工液に浸漬した。 ポリ塩化ビニル樹脂ペースト 100重量部 D.O.P(可塑剤) 70 〃 ホウ酸バリウム(減煙剤) 20 〃 水酸化アルミニウム(難燃剤) 100 〃 硫酸バリウム(難燃剤) 200 〃 バリウム−亜鉛系安定剤 2 ケチンブラックEC 10 絞り率100%に樹脂液含浸シートを絞り、150℃で
2分間乾燥して希釈剤を除去し、次に185℃で1分間
の熱処理を施し、70g/m2 の樹脂組成物を基層シー
トに被覆固着した。
【0043】次に得られた積層シートの片面上に、上記
と同一組成(但し、ポリ塩化ビニル樹脂ストレートを使
用し、ケチンブラックECの使用量を30重量部とし
た。)の樹脂組成物からなるフィルムを、カレンダーで
貼着し、基層シートに被覆された樹脂含量を200g/
2 とした。
【0044】得られたアモルファス金属積層シートは良
好な電磁波シールド性、および防水性を示した。また、
アモルファス金属積層シートの樹脂フィルム貼着面およ
び、その反対面は、それぞれ3.2×10Ω−cm、およ
び5.8×108 Ω−cmの体積固有抵抗値を示した。
【0045】上記アモルファス金属積層シートの樹脂フ
ィルム貼着面上に、実施例1記載と同一のKFCフィル
ムを貼着したところ、この貼着面は良好な防汚性および
耐候性を示した。
【0046】
【発明の効果】複数個のアモルファス金属リボンを用い
て形成された本発明のアモルファス金属積層シートは良
好な電磁波シールド効果および防水性を有するのみなら
ず、繊維シートにより補強されているため高強力を示
し、かつ強靱であるので、簡易シールドルームの形成に
有用である。また、本発明は、アモルファス金属がその
高剛性、他の材料に対する低い適応性、および縫製、縫
合の困難性などから利用できないとされていた分野、す
なわち、テント、シートハウス等の屋外構造物用、エレ
クトロニクス機器を備えた部屋の床シート等の床材、壁
紙、ブラインド等の屋内内装材、各種被覆シート、包装
材、梱包材などの用途にアモルファス金属の利用を可能
にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)および(B)は、それぞれ、本発明
に用いられるアモルファス金属含有芯層におけるアモル
ファス金属リボンの配列状況の一例を示す平面説明図。
【図2】図2(A)および(B)は、それぞれ、本発明
に用いられる基層の構成の一例を示す断面説明図。
【図3】図3(A),(B)および(C)は、それぞ
れ、本発明に用いられる2層構造の基層と、可撓・防水
性樹脂被覆層との積層構造の一例を示す断面説明図。
【図4】図4(A)および(B)は、本発明に用いられ
る3層構造の基層と、可撓・防水性樹脂被覆層との積層
構造の一例を示す断面説明図。
【図5】図5は、本発明に用いられる2層構造の複合可
撓・防水性樹脂被覆層の構造を示す断面説明図。
【図6】図6(A)および(B)は、それぞれ、基層と
複合可撓・防水性樹脂被覆層との積層構造の一例を示す
断面説明図。
【図7】図7は、基層と、その一面上に形成された単一
層からなる可撓・防水性樹脂被覆層と、他の一面上に形
成された複合可撓・防水性樹脂被覆層とからなる本発明
のアモルファス金属積層シートの構成を示す断面説明
図。
【符号の説明】 1…アモルファス金属含有芯層 2…アモルファス金属リボン 3…接着剤又は半田 4…繊維シート補強層 5…基層 6…可撓・防水性樹脂被覆層 6a…複合可撓・防水性樹脂被覆層 6b…単一層からなる可撓・防水性樹脂被覆層 7…可撓・防水性樹脂基礎層 8…防汚・耐候性合成樹脂表面層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス金属含有芯層と、この芯層
    の少なくとも1面上に結着された繊維シート補強層とか
    らなる基層と、この基層の少なくとも1面を被覆してい
    る可撓・防水性樹脂被覆層とを含み、前記アモルファス
    金属含有芯層が、互に並列に配置された複数個のアモル
    ファス金属リボンを、それらの側縁部において、互に半
    田、又は、接着剤により接合して形成されたシート状体
    であることを特徴とする、アモルファス金属積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記繊維シート補強層が、ガラス繊維、
    カーボン繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、脂肪族ポ
    リアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル
    繊維、ポリアクリル繊維、およびポリオレフィン繊維か
    ら選ばれた少なくとも1種からなる、請求項1に記載の
    アモルファス金属積層シート。
  3. 【請求項3】 前記可撓・防水性樹脂被覆層と前記アモ
    ルファス金属含有芯層とが接着剤接着されている、請求
    項1に記載のアモルファス金属積層シート。
  4. 【請求項4】 前記可撓・防水性樹脂被覆層が、前記ア
    モルファス金属含有芯層に接着されており、かつ、可撓
    ・防水性樹脂よりなる基礎層と、この基礎層の上に形成
    され、かつ、防汚・耐候性合成樹脂よりなる表面層とを
    含んでなる、請求項1に記載のアモルファス金属積層シ
    ート。
  5. 【請求項5】 前記可撓・防水性合成樹脂被覆層中の防
    汚・耐候性樹脂表面層が、弗素含有樹脂およびポリアク
    リル樹脂から選ばれた少なくとも1種により形成されて
    いる、請求項4に記載のアモルファス金属積層シート。
  6. 【請求項6】 前記アモルファス金属含有芯層が100
    μm以下の厚さを有する、請求項1に記載のアモルファ
    ス金属積層シート。
  7. 【請求項7】 前記可撓・防水性樹脂被覆層が少なくと
    も50μmの厚さを有する、請求項1に記載のアモルフ
    ァス金属積層シート。
  8. 【請求項8】 前記アモルファス金属が、Feを主成分
    とし、これに、B,Si,C,Co,NiおよびMoか
    ら選ばれた少なくとも1種が添加されたアモルファス合
    金から選ばれる、請求項1に記載のアモルファス金属積
    層シート。
  9. 【請求項9】 前記アモルファス金属含有芯層と、前記
    繊維シート補強層とが接着剤結着されている、請求項1
    に記載のアモルファス金属積層シート。
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