JPH05220897A - アモルファス金属積層シート - Google Patents

アモルファス金属積層シート

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JPH05220897A
JPH05220897A JP3238166A JP23816691A JPH05220897A JP H05220897 A JPH05220897 A JP H05220897A JP 3238166 A JP3238166 A JP 3238166A JP 23816691 A JP23816691 A JP 23816691A JP H05220897 A JPH05220897 A JP H05220897A
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勉 大林
Manabu Imoto
学 井本
Shinobu Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アモルファス金属を利用して、静電気および
電磁波に対する保護および遮蔽性にすぐれ、強靱で防水
性の高い積層シートを提供する。 【構成】 アモルファス金属を含有する芯層に繊維シー
ト補強層を結着して基層を形成し、この基層の少なくと
も1面に可撓・防水性樹脂被覆層が被覆され、それによ
ってアモルファス金属積層シートが構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維シート補強層を有す
るアモルファス金属積層シートに関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は繊維シート補強層によ
り補強され、強靱で防水性があり、かつ、電磁波に対し
シールド効果を有するアモルファス金属積層シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シート状基体の少くとも1面を可
撓・防水性樹脂で被覆して得られる防水シートは天幕
地、構造物膜体、或は被覆用シート材料などとして知ら
れている。
【0003】近年エレクトロニクス機器の発達および普
及に伴い、これらの機器を、静電気および/又は電磁波
の悪影響から保護するためのシート材料が必要になって
きた。従来、エレクトロニクス機器を静電気から保護す
るためには、カーボン粉末又は繊維、或は金属箔又は粉
を含有する導電性材料を含有する導電性シートが用いら
れているが、このような従来の導電性シートは、電磁波
からエレクトロニクス機器を保護するためには十分に効
果的であるとは云えないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アモルファ
ス(非晶質)金属を利用して静電気および電磁波の両方
に対して十分な遮蔽および保護効果を有し、かつ強靱で
防水性のすぐれた積層シート材料を提供しようとするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアモルファス金
属積層シートは、アモルファス金属含有芯層と、この芯
層の少なくとも1面上に結着されている繊維シート補強
層とからなる基層と、この基層の少なくとも1面を被覆
している可撓・防水性樹脂被覆層とを含んでなることを
特徴とするものである。
【0006】
【作用】最近アモルファス金属が、その特性に基いて種
種の用途に利用することが試みられている。一般にアモ
ルファス金属は巾2.54〜10.16cmのリボン状材
料として供給されており、近い将来、巾20.32cmの
ものが供給されることが期待されているが、このような
リボン状、又は小巾材料を、被覆用シート材料に利用す
ることは殆んど不可能と考えられていた。
【0007】本発明においては、リボン状、又は小巾の
アモルファス金属材料を所望の巾のシート状体として使
用するものである。
【0008】本発明に用いられるアモルファス金属の種
類については、それが、静電気および電磁波から、エレ
クトロニクス機器を保護する効果を有している限り、格
別の限定はなく、市販材料から選択することができるが
一般には鉄を主成分とし、これにホウ素、硅素、炭素、
ニッケル、コバルト、およびモリブデンなどから選ばれ
た1種以上を添加して得られるアモルファス合金から選
ばれることが好ましい。例えば、アライド社の商品名M
ETGLASNo. 2605SC(Fe:81%、B:1
3.5%、Si:3.5%、C:2%のアモルファス合
金)、No. 2605S−2(Fe:78%、B:13
%、Si:9%のアモルファス合金)、No. 2605−
CO(Fe:87部、B:14部、Si:1部、Co:
18部のアモルファス合金)、No. 2826−MB(F
e:40%、Ni:38%、Mo:4%、B:18%の
アモルファス合金)などを用いることができる。
【0009】これらのアモルファス金属材料は、前述の
ようにリボン又は小巾シートの形状で供給されているの
で、本発明の積層シートに、これらを使用するために
は、複数個のリボン状又は小巾シート状アモルファス金
属材料を互に並列に配列し、それらの対向する側縁部を
接着剤または半田接着して、所望の巾を有するシート状
体とする。また、アモルファス金属シートは、アモルフ
ァス金属の粉末を利用して形成してもよい。或は、アモ
ルファス金属からなる細線から編織物状、又は不織布状
シートとして、これをアモルファス金属シートとして用
いてもよい。
【0010】前述のようなアモルファス金属は磁性体で
あって、磁界に対しすぐれたシールド効果を有してい
る。
【0011】本発明の積層シートにおいて、アモルファ
ス金属含有芯層は、100μm以下の厚さを有すること
が好ましく、1〜50μmの厚さを有することがより好
ましく、5〜30μmの厚さを有することが更に好まし
い。アモルファス金属含有芯層の厚さが100μmより
大きくなると、芯層の剛性が過大となり、変形しにく
く、ドレープ性が不十分となり、鋭利な切断面を形成し
て作業上危険を生ずることがある。
【0012】また、アモルファス金属の表面に防錆その
他の目的で薄い重合体保護膜が形成されたものであって
もよい。
【0013】本発明の積層シートにおいて、アモルファ
ス金属含有芯層の片面、または、両面上に可撓・防水性
樹脂からなる被覆層が形成される。このような可撓・防
水性樹脂としては、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロ
プレンゴム、シリコーンゴム、ハイパロンその他の合成
ゴム、またはPVC樹脂、エチレン−酢酸ビニールコポ
リマー(EVA)樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプ
ロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂
その他の合成樹脂を用いることができる。
【0014】このような材料からなる防水層は、得られ
る積層シートに所望の防水性並びに難燃性や機械的強度
を与えるのに十分な厚さ、例えば、0.05mm以上の、
好ましくは0.05〜1.0mmの厚さを有する。
【0015】これらの防水層は、上記の如きゴム又は樹
脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレートなどを用
い、公知の方法、例えば、トッピング、カレンダリン
グ、コーティング、ディッピングなどの方法によって、
アモルファス金属含有芯層の表面上に形成することがで
きる。これらのゴム又は樹脂中には、可塑剤、安定剤、
着色剤、紫外線吸収剤などや他の機能付与剤、例えば防
炎剤、難燃化剤などが含まれていてもよい。
【0016】従来、金属箔の表面に対し、防錆、および
腐食防止の目的で1〜10μm程度の厚さの樹脂層を形
成することが知られているが、本発明の積層シートにお
いては、可撓・防水性樹脂被膜層は一般に50μm以上
の厚さに形成され、この厚さは、好ましくは50〜50
00μmであり、更に好ましくは100〜3000μ
m、より一層好ましくは200〜2000μmである。
従って、本発明の可撓・防水樹脂被膜層は、従来の金属
箔上に形成される防錆、腐食防止被膜層とは明確に異る
ものである。また、本発明に用いられる可撓・防水性樹
脂被覆層は、上記の厚さを有していても使用上十分な可
撓性を示すことができる。
【0017】可撓・防水性樹脂被覆層は、可撓・防水性
樹脂の単一層から形成されていてもよいが、可撓・防水
性樹脂からなる基礎層と、この基礎層の上に形成され、
防汚・耐候性合成樹脂からなる表面層とを含んでなるも
のであってもよい。
【0018】本発明に用いられる防汚・耐候性合成樹脂
としては、弗素含有樹脂およびアクリル樹脂を用いるこ
とができる。すなわち防汚・耐候性樹脂表面層は、基礎
層上を、弗素含有樹脂、又は、アクリル樹脂からなるフ
ィルムを貼着することによって形成される。一般に弗素
含有樹脂は、難燃性かつ防汚、耐候性であるが、通常の
プラスチック接着剤になじまないためそのままでは、基
礎層の表面に貼着することは著しく困難である。
【0019】そこで、弗素含有樹脂フィルムの表面をコ
ロナ放電又は低温プラズマ処理等を施して、これをでき
るだけ活性化することにより、例えばポリ塩化ビニル、
ポリエポキシ、ポリアクリル、およびポリエステル樹脂
などの接着剤との親和性を増加せしめている。通常上記
の処理によって、弗素含有樹脂フィルムの表面部分につ
いて活性化が行われることとなる。このために、例えば
100〜200V、40〜100μF、短絡電流1〜2
Aの条件でコロナ放電処理が行われる。かかる放電処理
により、弗素含有樹脂フィルムに所望の接着能が与えら
れるが、本発明に用いられる弗素含有樹脂フィルムの表
面処理はこれに限定されるものではなく、他の表面処理
等により同等以上の効果を奏するものであればよい。
【0020】弗素含有樹脂フィルムを構成する樹脂とし
ては、エチレンの水素原子の1個以上が弗素原子と置換
されている単量体から合成される各種のポリフルオルエ
チレン、例えば、ポリテトラフルオルエチレン、又は一
部塩素を含む各種のポリフルオルクロルエチレン、例え
ばポリトリフルオルクロルエチレン等があるが、このほ
かポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリジクロル
ジフルオルエチレン、その他も包含される。フィルムの
厚みは一般0.001mm〜0.5mm、好ましくは5〜5
0ミクロン程度であるが、耐候性・防汚性並びに耐久性
の目的を達成するものであれば、より厚く、又は、より
薄くすることができ特に限定はない。また、弗素含有樹
脂フィルムには、他の樹脂例えばMMA等が混合又は貼
着複合される等混用されていても本発明の目的を達成す
るものであれば差支えない。本発明に使用される弗素含
有樹脂フィルムの市販品としては、テドラ−フィルム
(デュポン商標)、アフレックスフィルム(旭硝子商
標)、KFCフィルム(呉羽化学)等がある。
【0021】本発明において、表面が実質的に平滑なフ
ィルム状の弗素含有樹脂が、基礎層の上面に貼着される
のが好ましいが、弗素含有樹脂溶液、又はエマルジョン
等を塗布する方法もある。本発明に用いられる弗素含樹
脂フィルムは、100kg/cm 2 以上の引張強度を有する
ことが好ましい。
【0022】本発明において防汚・耐候性樹脂表面層
は、ポリアクリル樹脂によって形成されてもよい。この
ために一般にはアクリル樹脂フィルムを用いるが、アク
リル樹脂の溶液又は、エマルジョンを、基礎層の上に塗
布し乾燥する方法を用いてもよい。本発明に用いられる
アクリル樹脂フィルムは、100kg/cm2 以上の引張強
度を有することが好ましく、1〜50g/m2 、好まし
くは3〜30g/m2 の重量、又は、3ミクロン以上
(通常は3〜50ミクロン)の、更に好ましくは4〜3
0ミクロンの厚さを有するものであることが好ましい。
【0023】本発明に適用されるアクリル樹脂フィルム
は、Tダイ法又はインフレーション法その他いずれの方
法で製造されたものでもよい。また、延伸フィルム、未
延伸フィルムのいずれでもよいが、フィルムの伸度は1
00〜300%程度のものが好ましい。また、前述のよ
うに厚みは通常3μ〜50μ程度であるが、十分な耐候
性・防汚性を達成するならば多少厚く又は薄くしてもよ
い。フィルム素材は、ポリアルキルメタクリレート系フ
ィルム例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート
等を主材料とするもの、又は、アクリレート、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等をホモモノマ又はコモノマ成分とするホ
モポリマ又はコポリマをフィルム状に成型したものがよ
い。かかるフィルムは基礎層の表面に接着剤を用いて接
着するか又はその他の方法により貼着される。
【0024】本発明において、可撓・防水性樹脂基礎層
上に形成される防汚・耐候性樹脂表面層は、上述のよう
な弗素含有樹脂およびアクリル樹脂の他に、ポリ弗化ビ
ニリデン樹脂層とアクリル樹脂層との積層体、又はポリ
弗化ビニリデン樹脂層と、アクリル樹脂層と、ポリ塩化
ビニル樹脂層との積層体からなるものであってもよい。
これら積層体においては、ポリ弗化ビニリデン樹脂層の
厚さは2〜3ミクロン、アクリル樹脂層の厚さは2〜4
ミクロンおよび、ポリ塩化ビニル樹脂層の厚さは40〜
45ミクロンであることが好ましいが、これらの数値に
限定されるものではない。
【0025】本発明の積層シートにおいて、前述のよう
にアモルファス金属含有芯層と、この芯層の少なくとも
1面上に結着された繊維シート補強層とにより基層が形
成されている。この繊維シート補強層は、複数枚のアモ
ルファス金属リボン又は小巾シートから接着剤接合また
は半田接合により形成されたアモルファス金属含有芯層
に対し、その引張強度における方向性や、強度不均一性
および、引裂強力の低い欠点をカバーするために有効な
ものである。この基層シートの片面又は両面に可撓・防
水性樹脂被覆層が形成される。
【0026】本発明の積層シートに用いられる繊維シー
ト補強層は天然繊維、例えば、木綿、麻など、無機繊
維、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維な
ど、再生繊維、例えば、ビスコースレーヨン、キュプラ
など、半合成繊維、例えば、ジ−およびトリ−アセテー
ト繊維など、及び合成繊維、例えば、ポリアミド(ナイ
ロン6、ナイロン66等)繊維、ポリエステル(ポリエ
チレンテレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊
維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリオレフィ
ン繊維など、から選ばれる少なくとも1種からなるもの
である。
【0027】繊維シート中の繊維は、短繊維紡績糸条、
長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのい
ずれの形状のものであってもよく、またシートは、織
物、絹物、不織布又はこれらの複合布のいずれであって
もよい。一般には、本発明の積層シートに用いられる繊
維はポリエステル繊維であるのが好ましく、この繊維は
長繊維(フィラメント)の形状にあるのが好ましく、か
つ平織布を形成しているのが好ましい。また、平行に並
べたたて糸とよこ糸とを交差するように重ね、これらを
からみ糸で押えて構成された織物は、特に好ましい。繊
維シートは、得られる積層シートの機械的強度を高いレ
ベルに維持するために有用である。また、得られる積層
シートが柔軟であることを必要とする場合は、繊維シー
ト補強層が比較的目の粗い編織物で形成することが好ま
しく、また強度の高いことを必要とする場合は、比較的
密度の高い編織物をもって形成することが好ましい。
【0028】更に、アモルファス金属含有芯層は比較的
低い伸度を有するため、繊維シート補強層も比較的伸度
の低いガラス繊維シートによって形成されることが好ま
しい場合もある。更にまた、アモルファス金属含有芯層
の高い剛性をカバーするために繊維シート補強層が粗目
軽量の編織物で形成することが好ましい場合もある。
【0029】アモルファス金属含有芯層と繊維シート補
強層とは、任意の方法によって結着される。例えば、繊
維シートの表面部分を熱溶融して、これをアモルファス
金属含有芯層に接着してもよいが、一般には、接着剤、
又は接着性重合体材料を介して両者を結着する。この目
的に用いられる接着材料の種類には格別の限定はなく、
イソシアネート系接着材料、エポキシ系接着材料、ポリ
アクリル系接着材料、ポリウレタン系接着材料、ポリア
ミド系接着材料、ゴム系(特に合成ゴム系)接着材料な
どのいずれを用いてもよい。また、アミノ基、イミノ
基、エチレンイミン残基、アルキレンジアミン残基を含
むアクリレート、アジリジニル基を含有するアクリレー
ト、アミノエステル変性ビニル重合体−芳香族エポキシ
接着剤、アミノ窒素含有メタクリレート重合体、なども
好ましい接着材料であるがその他の接着剤を併用しても
よい。
【0030】本発明の積層シートにおいて、その用途
や、要求される性能に応じて繊維シート補強層、可撓・
防水性樹脂被覆層、およびこれらを結着するための接着
剤などの1つ以上を、導電性、又は半導電性化してもよ
く、或は、絶縁性にしてもよい。或は、各層に異る導電
性ないし絶縁性を付与して、これらを組合せてもよい。
このようにすることによって種々特性又は性能を有する
製品を得ることができる。
【0031】
【実施例】本発明の積層シートを実施例により更に説明
する。
【0032】実施例1 アモルファス合金(Fe:81%、B:13.5%、S
i:3.5%、C:2%、商標:METGLASNo. 2
605SC、アライド社製、巾7.62cm、厚さ25μ
mのリボン状体)リボンの13枚を、互に並列に配列
し、それぞれの側縁端を半田接合して巾約1mの広巾シ
ートを作成した。
【0033】この広巾アモルファス合金シートの両面に
合成ゴム系接着剤(商標:SC12N、ソニーケミカル
社製)を塗布し、その一面にガラス繊維寒冷紗(商標:
KS−5210、カネボウ硝子繊維社製、厚さ0.12
mm、日付52g/m2 、組織からみ織経(10+10)
本/25.4mm、緯10本/25.4mm)を貼着し、他
の一面に下記組織のポリエステルフィラメント平織粗
布:
【数1】 を貼着し、基層シートを作成した。
【0034】上記基層シートを下記組成の可撓・防水性
樹脂被覆液に浸漬した。 ポリ塩化ビニル樹脂 80重量部 ブチルベンジルフタレート 68 〃 エポキシ化大豆油 7 〃 炭酸カルシウム 20 〃 カドミウムバリウム系安定剤 3 〃 顔 料 8 〃 トルエン(溶剤) 130 〃 被覆液含浸基層シートをニップローラーで絞り、被覆液
の付着量を100%に調節し、乾燥機中で90℃で1分
間乾燥した。次に、この被覆層を180℃で1分間熱処
理してポリ塩化ビニルをゲル化固着した。得られた可撓
・防水性樹脂基礎層の厚さは0.3mmであった。
【0035】この積層シートの一面上に防汚・耐候性樹
脂フィルム(商標:KFCシート、呉羽化学工業社製、
ポリ弗化ビニリデン樹脂層(2〜3μm)/ポリアクリ
ル樹脂層(2〜4μm)/ポリ塩化ビニル樹脂層(45
μm)の積層シート)のポリ塩化ビニル樹脂層面を加熱
貼着し、他の一面にポリアクリル樹脂フィルム(三菱レ
イヨン社製、25μm)を加熱貼着した。得られたアモ
ルファス合金積層シートは良好な、電磁波に対するシー
ルド性と、すぐれた防水性、防汚性および耐候性を有
し、また、熱融着接合の可能なものであった。このよう
な熱融着接合性は、アモルファス金属膜をシート材料
(例えば大型テント用シート)に使用する際、専ら縫合
を用いる場合にくらべて、アモルファス金属膜の利用を
簡易化し、かつ利用分野を拡大することができるように
なった。このようなアモルファス金属膜の利用は、従来
は全く考えられなかったことである。
【0036】上記本実施例の積層シートにおいて、ポリ
エステルフィラメント平織粗布又は、ガラス繊維寒冷紗
の使用を省略したものおよびアモルファス合金シートの
両面にポリエステルフィラメント平織粗布又はガラス繊
維寒冷紗を貼着したものを作成したが、いづれも良好な
電磁波シールド性、防水性、防汚性、耐候性を示した。
【0037】実施例2 実施例1と同様の操作を行った。但し、可撓・防水樹脂
被覆層は下記のようにして作成された。基層シートを下
記組成の樹脂組成物を含む塗工液に浸漬した。 ポリ塩化ビニル樹脂ペースト 100重量部 D.O.P(可塑剤) 70 〃 ホウ酸バリウム(減煙剤) 20 〃 水酸化アルミニウム(難燃剤) 100 〃 硫酸バリウム(難燃剤) 200 〃 バリウム−亜鉛系安定剤 2 ケチンブラックEC 10 絞り率100%に樹脂液含浸シートを絞り、150℃で
2分間乾燥して希釈剤を除去し、次に185℃で1分間
の熱処理を施し、70g/m2 の樹脂組成物を基層シー
トに被覆固着した。
【0038】次に得られた積層シートの片面上に、上記
と同一組成(但し、ポリ塩化ビニル樹脂ストレートを使
用し、ケチンブラックECの使用量を30重量部とし
た。)の樹脂組成物からなるフィルムを、カレンダーで
貼着し、基層シートに被覆された樹脂含量を200g/
2 とした。
【0039】得られた積層シートは良好な電磁波シール
ド性、および防水性を示した。また、積層シートの樹脂
フィルム貼着面および、その反対面は、それぞれ3.2
×10Ω−cm、および5.8×108 Ω−cmの体積固有
抵抗値を示した。
【0040】上記積層シートの樹脂フィルム貼着面上
に、実施例1記載と同一のKFCフィルムを貼着したと
ころ、この貼着面は良好な防汚性および耐候性を示し
た。
【0041】
【発明の効果】本発明のアモルファス金属積層シートは
良好な電磁波シールド効果および防水性を有するのみな
らず、繊維シートにより補強されているため高強力を示
し、かつ強靱であるので、簡易シールドルームの形成に
有用である。また、本発明は、アモルファス金属がその
高剛性、他の材料に対する低い適応性、および縫製、続
合の困難性などから利用できないとされていた分野、す
なわち、テント、シートハウス等の屋外構造物用、エレ
クトロニクス機器を備えた部屋の床シート等の床材、壁
紙、ブラインド等の屋内内装材、各種被覆シート、包装
材、梱包材などの用途にアモルファス金属の利用を可能
にするものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス金属含有芯層と、この芯層
    の少なくとも1面上に結着された繊維シート補強層とか
    らなる基層と、この基層の少なくとも1面を被覆してい
    る可撓・防水性樹脂被覆層とを含んでなる、アモルファ
    ス金属積層シート。
  2. 【請求項2】 前記繊維シート補強層が、ガラス繊維、
    カーボン繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、脂肪族ポ
    リアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル
    繊維、ポリアクリル繊維、およびポリオレフィン繊維か
    ら選ばれた少なくとも1種からなる、請求項1に記載の
    積層シート。
  3. 【請求項3】 前記アモルファス金属含有芯層が、互に
    並列に配置された複数個のアモルファス金属リボンを、
    それらの側縁部において互に半田接着して形成されたシ
    ート状体である、請求項1に記載の積層シート。
  4. 【請求項4】 前記可撓・防水性樹脂被覆層と前記アモ
    ルファス金属含有芯層とが接着剤接合されている、請求
    項1に記載の積層シート。
  5. 【請求項5】 前記可撓・防水性樹脂被覆層が、前記ア
    モルファス金属含有芯層に接合されており、かつ、可撓
    ・防水性樹脂よりなる基礎層と、この基礎層の上に形成
    され、かつ、防汚・耐候性合成樹脂よりなる表面層とを
    含んでなる、請求項1に記載の積層シート。
  6. 【請求項6】 前記可撓・防水性樹脂被覆層中の防汚・
    耐候性合成樹脂表面層が、弗素含有合成樹脂およびポリ
    アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種により形成さ
    れている、請求項5に記載の積層シート。
  7. 【請求項7】 前記アモルファス金属含有芯層が100
    μm以下の厚さを有する、請求項1に記載の積層シー
    ト。
  8. 【請求項8】 前記可撓・防水性樹脂被覆層が少なくと
    も50μmの厚さを有する、請求項1に記載の積層シー
    ト。
  9. 【請求項9】 前記アモルファス金属が、Feを主成分
    とし、これに、B,Si,C,Co,NiおよびMoか
    ら選ばれた少なくとも1種が添加されたアモルファス合
    金から選ばれる、請求項1に記載の積層シート。
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