JP3173145B2 - 防汚性、溶接性に優れた防水布及びその製造方法 - Google Patents

防汚性、溶接性に優れた防水布及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用部材あるいはト
ラック用の幌などの産業用資材として用いられている防
水布の防汚性改善技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維性基布の表面または表裏両面
に熱可塑性樹脂層をカレンダー法やコーティング法等に
より形成した防水布は、その具備された加工性や、経済
性、設計の自由度が大きいなどのメリットを有し、ター
ポリン、テント倉庫、耐油性エプロン等に用いられてき
た。また、近年各種イベントなどで膜構造体物が多くみ
られるようになり、その部材として用いられたりするこ
とで、その需要は年々拡大されている。しかしながら長
期間の暴露によって、表面の劣化や、場合によっては熱
可塑性樹脂層に含有されていた可塑剤などの助剤が表面
へ移行してきてその上に粉塵等が付着し易くなりまた拭
っても除去できず、その美観を損ねるという重大な欠点
を有し、その改善が切望されてきた。
【0003】そのため、従来より酢酸ビニル−塩化ビニ
ル共重合樹脂あるいはアクリル樹脂等を有機溶剤に溶か
した表面処理剤を基布に塗布し表面を保護する方法が提
案されてきた。また他にも各種の方法が提案されてい
る。例えば、特開昭59−171649号公報にはPV
C樹脂の表面に接着剤樹脂層を介してフッ素樹脂を圧着
積層したものや、特開昭56−167445号公報に記
載のごとくPVCシートにポリメタクリル酸系フィルム
をラミネートしたものや、実開昭50−101684号
公報には基布にアクリル系樹脂またはフィルム、シート
を固着積層したもの等が提案されている。
【0004】しかしながら、ポリメチルメタクリレート
をはじめとするアクリル樹脂系フィルムを用いても本質
的に可塑剤などの助剤の浸透は防ぎ得ず、そのため、か
なりの厚みあるフィルムを用いなければならなくなり、
よって、防水布全体が硬い風合いとなる上に耐寒性、熱
風溶接性を困難にする。
【0005】また、例えばアクリル樹脂などの熱可塑性
樹脂を直接コーティングする方法は多くの場合有機溶剤
中に溶解した樹脂を用いるので、塗工時に可塑剤が大量
にコーティング樹脂層に移行してしまい、その防汚効果
は僅少かあるいは全く見られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような防水布が基本的に抱える汚れ易いという問題を
解決し、なおかつ、耐候性、熱風接着性を確保できた優
れた防水布及びその製造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような本発明の目的
は、繊維性基布の表面または表裏両面に防水性樹脂を配
した防水布において、片面あるいは表裏両面に、最外層
として熱可塑性樹脂層、第二層として接着性樹脂層、第
三層として金属及び/または金属化合物蒸着層を配し、
さらに接着性樹脂層を介して防水布上に形成されてなる
ことを特徴とする防汚性に優れた防水布により達成され
る。
【0008】また、繊維性基布の表面または表裏両面に
防水性樹脂を配した防水布において片面あるいは表裏両
面に、最外層として熱可塑性樹脂層、第二層として接着
性樹脂層、第三層として金属及び/または金属化合物蒸
着層を配し、さらに接着性樹脂層を介して防水布上に形
成せしめることを特徴とする防汚性に優れた防水布の製
造方法により達成される。
【0009】
【作用】以下、本発明の実施例を示した図面等に基づき
本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明で言う繊維性基布1は天然繊維ある
いは合成繊維であってもまたそれらが有機繊維、無機繊
維であっても構わない。このような目的に沿う繊維とし
ては例えば木綿、麻、ガラス繊維、炭素繊維、アスベス
トなどの鉱物系繊維、金属繊維、ナイロン66、ナイロ
ン6、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエ
ステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル系繊維、
ポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニ
ルアルコール繊維、アセテート繊維、ビスコースレーヨ
ン等が挙げられ、これらの一種あるいは数種の繊維を複
合させて用いても構わない。また、繊維は長繊維糸条、
短繊維紡績糸、テープヤーン、スリットヤーン等のいず
れであってもよく、特にその形状を限定されるものでは
ない。さらに、織物、編物、不織布あるいはこれらの複
合物など布形状を限定されるものではない。本発明の防
水布用繊維性基布としては、繊維としてポリエステル繊
維あるいはガラス繊維がその耐候性、耐水性、機械的特
性、経済性から好ましく、また、外部応力に対する抵抗
性から長繊維形状であり、平織り布であることが望まし
い。
【0011】また、繊維製基布の表面あるいは表裏両面
に形成される防水性樹脂層2、2′は同一でも異なって
いてもよく、天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂に化学的処
理を行ったものなどを用いることができ、例えば、天然
ゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、シリコーン
ゴム、ハイパロン等のゴム類や、塩化ビニル樹脂、酢酸
ビニル樹脂、エチレン酢ビ共重合樹脂、アクリル樹脂、
シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、その他の合成樹
脂、エラストマーなど一種あるいは複数種を用いること
ができる。また、必要に応じ共重合やグラフト重合、各
種変性を行ってもよい。かかる防水層に対しては、防水
性以外にも難燃性、耐候性などの機能付与のために、各
種公知の可塑剤、顔料、難燃剤、安定剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤等の機能付与剤が含まれていても構わな
い。また、この防水層の厚みとしては目的に応じて任意
の厚みを採ることができるが、厚みとしては0.05〜
2.0mmが望ましい。厚みが0.05mm以下である
と肝心の防水性、難燃性や機械的強度が十分でなく、
2.0mm以上だと防水布が重くなりすぎ不経済である
割にさらなる性能改善は望めない。
【0012】次に、本発明にかかる防水布上に形成され
る構造について説明する。
【0013】本発明の目的である防汚性を改善するため
の手段は、最外層として熱可塑性樹脂層3、第二層に接
着性樹脂層4、第3層に金属及び/または金属化合物蒸
着層5が接着性樹脂層6を介して繊維性基布1と防水性
樹脂2、2′からなる防水布の表面あるいは表裏両面上
に形成せしめることを特徴とする。最外層である熱可塑
性樹脂層3として用いられる樹脂としては熱可塑性樹脂
であればよく、特に限定はされないが、例えば、天然ゴ
ム、クロロプレンゴム、クロルスルホン化ポリエチレ
ン、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アク
リル系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、ウレタン系樹脂等の天然樹脂、合成樹脂、
各種エラストマーを用いることができ、またそれらは単
独で用いても、相溶する範囲において混合物とすること
も多層化あるいはIPN化などの複合を行って用いるこ
ともできる。これらの中では、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのジオー
ル成分単位の炭素数が2から8、ジカルボン酸成分が6
から40までの範囲であるポリエステル系樹脂、ポリト
リフルオロクロルエチレン、ポリヘキサフルオロプロピ
レン、ポリフッ化ビニル、エチレンテトラフルオロエチ
レン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム、や
これら単位をグラフト重合等で含有せしめた樹脂などの
フッ素系樹脂、アルキルオキシ基の炭素数が1から6ま
でのアクリル酸エステル樹脂またはメタクリル酸樹脂や
アクリロニトリルなどのアクリル系樹脂は樹脂それ自体
の耐候性、耐水性、熱接着性が良好であり、本発明の目
的を良好に発現する性能を有するのでとりわけ好ましく
用いられる。
【0014】さらに、必要に応じ熱可塑性樹脂層3に対
しては安定剤、滑剤、耐候剤等の助剤を用いてもよい。
特に耐候剤の添加はその下の接着性樹脂層4及び6の劣
化を防ぎ、熱可塑性樹脂層3あるいは蒸着層5における
接合面を保護できる観点からみて非常に望ましい。その
量としては熱可塑性樹脂層3との均一な相溶性あるいは
分散性を確保できる範囲で使用できる。
【0015】熱可塑性樹脂層3の形成方法については溶
剤に溶解して接着性樹脂層4の上に塗布し乾燥する方
法、キャスティングや溶融押し出し法、インフレーショ
ン法などの公知のフィルム化方法を用いてフィルム化す
る方法等結果として平面を得ることができれば特に制限
はなく、方法の差により性能に影響の出るものではな
い。
【0016】次に、熱可塑性樹脂層3の厚みとしては防
水布の表面及び/または裏面の表層部の機能化のためで
あるから、任意に設定できるが、2から200ミクロン
程度が望ましく用いられる。2ミクロン以下であると工
程通過性に支障をきたすほか、十分な性能をうることが
できないし、200ミクロン以上であってはさらなる性
能向上を期待できない上、経済的に不利であるばかりか
難燃性を損なうこともあり、また重量化により用途に限
定を受けかねない。
【0017】次に、第三層として形成される金属及び/
または金属化合物蒸着層5に用いられる材料には、蒸着
法がその材料に適用できればよく、特に限定はされな
い。例えば、アルミ、ホウ素、珪素、錫、チタン、イン
ジウム、タングステン、金、銀、銅、白金、クロム、
鉛、マグネシウム、亜鉛、ニッケル等の金属及びその酸
化物、窒化物、炭化物等の化合物を挙げることができ、
また各種合金も用いることができるし、二種以上の材料
を同時あるいは別個に用いることもできる。中でもアル
ミ、珪素、クロム及びそれら酸化物は蒸着膜が安定かつ
緻密に形成できるので目的を達するに有利な上、その蒸
着速度が非常に速く経済性から見て非常に好ましく用い
られる。
【0018】また、各種金属蒸着層やある種の金属化合
物を用いることは非常に審美性に優れた製品を与え、各
種酸化物をはじめとする金属化合物蒸着層を用いること
は概ね透明な蒸着層を与えるので透光性に優れた製品を
与えるといった二次的な利得を享受することができ、そ
の点からみても本発明の有用性が推測できる。ハロゲン
化物も本発明の目的を果たすことはできるが経済的にみ
れば不利であったり、耐水性に劣ったりするので本発明
には不向きである。
【0019】蒸着方法としては各種公知の蒸着法を用い
ることが可能である。例えば真空蒸着法、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の物理的加工法の他、CV
D法などの化学的蒸着法を用いることもできる。一例に
は差動排気システムを具備した連続式蒸着装置を用い約
10-3から10-5Torrのアルゴンまたはアルゴン−
酸素雰囲気下電子ビームにより目標金属を気化させ70
度前後に温度管理された連続的に送られてくる被着体上
に蒸着させる方法をあげることができる。
【0020】こうして蒸着層5が形成され、他の構成要
素である熱可塑性樹脂層3と複合されるわけであるが、
この複合にあたっては、接着性樹脂層4が介しているこ
とが必要である。また、接着性樹脂層6も必要である。
これら接着性樹脂層が存在しない場合ストレスがかかる
と蒸着層界面で容易に剥離してしまう。これらは使用に
当たり多層化ができる。
【0021】接着性樹脂層4は熱可塑性樹脂でも熱硬化
性樹脂でも光硬化性樹脂でも構わないし複合に供する際
に溶液状、フィルム状などいずれの形状も採りうる。そ
のような樹脂には例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系
樹脂、クロロプレン系樹脂、ニトリルゴム系樹脂、フッ
素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂などの有機系樹脂化合物やホスファゼ
ン化合物等の無機化合物を用いることができる。形成方
法としては例えば、接着性樹脂層は蒸着層5と熱可塑性
樹脂層3を複合化させる際に同時に付与することもでき
るが、蒸着層5あるいは、熱可塑性樹脂層3のいずれか
あるいは両方の層に予め形成し、その後に接着操作を行
う方法などを挙げることができる。
【0022】また、別の方法として蒸着層5を接着性樹
脂層6を介して防水層2上に形成ししかるのち蒸着層5
上に接着性樹脂層4を付与した後、熱可塑性樹脂層3と
複合せしめて防水布を得る方法を挙げることができる。
【0023】次に接着性樹脂層6については、基本的に
接着性樹脂層4と同じ性質が要求されるので同じく熱可
塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも光硬化性樹脂を用いても
構わない。接着性樹脂層4と同じ組成でもまた違った組
成でも本発明の効果に対し悪影響を及ぼすものではな
い。
【0024】上記のごとく、最外層として熱可塑性樹脂
層3、第二層として接着性樹脂層4、第三層として金属
及び/または金属化合物蒸着層5を配し、さらに接着性
樹脂層6を介して防水布上に形成させる方法には、さま
ざまな方法を採り得るが、とりわけ熱可塑性樹脂層3と
蒸着層5間の接合が強固かつ確実にかつ均一にでき、ま
た工程通過性が非常に良好であることから、予め熱可塑
性樹脂層3を溶融押しだし法などでフィルムまたはシー
ト化してロールに巻きとっておき、また一方、易剥離性
をもつ平面上に対し蒸着層5を形成しておき、これらを
接着性樹脂層4を用いて、ドライラミネーションあるい
はウェットラミネーション等の方法を用いて複合化させ
て複合フィルムを得、しかる後に繊維性基布と防水性樹
脂層からなる防水性樹脂層に接着性樹脂層6を介して防
水布上に形成せしめる方法を用いることが望ましい。
【0025】このとき易剥離性をもつ平面を得るものと
しては、例えばシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、
ポリエステル樹脂、フッ素樹脂などの化成品からなる剥
離剤を表面に形成されたものや、これら樹脂そのもので
形成された例えばフィルムまたはシート状物を例示でき
る。
【0026】こうした防水布は使用に当たって加工され
る際複数枚の防水布のそれぞれ表面と裏面を熱風溶接
や、高周波溶接等の溶接接合法を用いて接合することが
多い。本発明においては、接着性樹脂層7はそれぞれの
防水布間の接合強力を向上せしめる目的ために必要に応
じまた、防水布の裏面の機能化を目的として設けること
ができるのである。例えば、熱風溶接性を可能ならしめ
る目的で用いるならば、熱可塑性樹脂、とりわけ防水層
2′や熱可塑性樹脂層3に対して相溶性のある樹脂を用
いることが重要である。そのような樹脂にはアクリル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シア
ノエチル化エチレンビニルアルコール共重合体等を挙げ
ることができ、これらは適宜共重合体、変性体、混合体
などさまざまな形で、また、熱可塑性樹脂層3、防水層
2′の材料種によって選択され用いられる。
【0027】上記に述べた接着性樹脂層4、6、7の付
与にはグラビアコートやバーコーティング、ナイフコー
ティング、ラミネートなどの方法を例示でき、方法には
制限はない。こうして形成された接着性樹脂層は必要に
応じ乾燥等行い、複合化に供される。複合化の方法には
公知の方法例えばラミネート装置を用いる方法等を挙げ
ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明にかかる防汚性を有する防水布
は、最外層として熱可塑性樹脂層3と第2層として接着
性樹脂層4、第3層として金属及び/または金属化合物
蒸着層5を配し接着性樹脂層6を介して防水布上に形成
せしめた構造を有しており、それによって従来問題とさ
れてきた防水布における汚れやすいという問題を解決
し、なおかつ他の特性を損なうことなく用いることがで
きる。従って、広く産業用資材や、建築用材料としての
利用が可能で、その工業的価値はきわめて大きいもので
ある。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
説明する。
【0030】次に示す組織を有するポリエチレンテレフ
タレート製布を繊維性基布として用い、水洗し乾燥し
た。
【0031】目付: 350 g/m2 織組織: 平織り 次いで、この基布に下記の組成からなる加工剤をカレン
ダリングによって繊維性基布上に加工し防水布を作成し
た(試料1)。
【0032】 塩化ビニル樹脂: 80重量部 ジオクチルフタレート: 75重量部 酸化チタン: 10重量部 カドミウムバリウム系安定剤: 3重量部 紫外線吸収剤: 0.5重量部 顔料: 7重量部 一方、厚み25ミクロンのポリエステルフィルム(東レ
株式会社製、商品名“ルミラー”)上にシリコーン系処
理剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、
商品名“SD7223”)を塗布、乾燥キュアして作製
した易剥離性フィルム上に10−4Torrのアルゴン
雰囲気下3kWの抵抗加熱式ボードを用いて10秒間真
空蒸着法によりアルミ蒸着膜を作成した。そのときの蒸
着層の厚みは、250オングストロームであった(試料
2)。
【0033】実施例1、2、3、4、比較例1 次に、熱可塑性樹脂層3(厚みは25ミクロン)として
別のポリエステルフィルム(東レ株式会社製)、アクリ
ル樹脂フィルムフィルム(三菱レイヨン株式会社製)、
フッ素系熱可塑性エラストマー(セントラル硝子株式会
社製)を用いその上に接着剤(ソニーケミカル株式会社
製SC−210、接着性樹脂層4)を塗布により形成し
試料2からアルミ蒸着膜を転写した。これを熱キュア
し、複合フィルムをえた。次にこの複合フィルムのアル
ミ蒸着面側に接着剤(ソニーケミカル社製SC−21
0、接着性樹脂層6)を塗布し試料1の表面に貼着し
た。
【0034】一方、先の試料2において酸化を行い酸化
アルミ蒸着膜を得た。これを同じくポリエステルフィル
ムに対し先述と同様の方法で転写し、同様に上述の試料
1上に接着剤を用いて貼着した。
【0035】一方、比較例として、試料1そのものを用
いた。
【0036】このようにして得られた防水布を一年間屋
外にて南面に45度傾いた暴露架台上におくことにより
汚染し、汚染状況を観察後汚染されたサンプルに対して
汚染面を濡れた布で軽く拭ってその付着した汚れが除去
できたかどうかを調べ5段階で評価した。その結果を表
1に示すが、ここで汚れ付着性とは一年間の屋外暴露に
よる汚染での汚れの付き難さを示し、汚れ除去性とはそ
の汚れの拭き取り除去後の汚れの残留難さを示す。
【0037】 表1 熱可塑性樹脂層3 蒸着層5 汚れ付着性 汚れ除去性 実施例1 ポリエステル樹脂 アルミ 〇 〇〇〇 実施例2 アクリル樹脂 アルミ 〇〇 〇〇 実施例3 フッ素系熱可塑 アルミ 〇〇〇 エラストマー 実施例4 ポリエステル樹脂 酸化アルミ 〇 〇〇〇比較例1 なし なし × × 〇〇〇:特に効果あり、〇〇:非常に効果あり、〇:効果あり、 △:やや効果あり、×:従来品レベル この表1からわかるように、本発明よりなる防水布は優
れた防汚性を有する。
【0038】実施例5、6、比較例2、3 上述した実施例1、実施例4及び比較例1の防水布の裏
面にアクリル樹脂系接着剤(東亜合成化学株式会社製)
をコーティングし接着性樹脂層7を形成した。続いてこ
れらシートそれぞれに対し、幅40mmでもって熱風溶
接法により防水布の表面と裏面を(すなわち、熱可塑性
樹脂層3あるいはコーティング樹脂層2と接着性樹脂層
7との間を)接合した(それぞれ試料3、試料4、試料
5)。
【0039】また、先述の試料2をそのまま用いアルミ
蒸着面に先の実施例で用いた接着剤を塗工して、試料1
の表面にラミネートを行い防水布を得た。そしてこの防
水布に対しても同様に裏面に接着性樹脂層7を形成し、
同様に防水布の裏面と表面が重なるように熱風溶着を行
った(試料6)。
【0040】こうして得られた熱融着防水布の接合部分
の平均剥離強度を測定したところ、結果は表2の通りで
あった。
【0041】 表2 試料 剥離強度(kg/cm) 実施例5 試料3 >2.0 実施例6 試料4 >2.0 比較例2 試料5 >2.0 比較例3 試料6 0.4 )防水布の材料破壊により剥離強度が測定できない。
【0042】以上のことから、蒸着層5と熱可塑性樹脂
層3との間に接着性樹脂層4、6を配することによっ
て、従来のものと変わらない強固な剥離強力が得られ、
熱風溶接性を損なうことなく防汚性を獲得できることが
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防水布の例を模式的に示した断面
図である。
【図2】本発明に係る防水布の他の例を模式的に示した
断面図である。
【図3】本発明に係る防水布間の接合の一例を示した断
面図である。
【符号の説明】
1:繊維基布層、 2、2′:防水性樹脂層、 3:熱可塑性樹脂層、 4:接着性樹脂層、 5:蒸着層、 6:接着性樹脂層、 7:接着性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 14/20 C23C 14/20 D06M 15/507 E04H 15/54 E04H 15/54 D06M 15/507 11/00 C

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維性基布の表面または表裏両面に防水性
    樹脂を配した防水布において、片面あるいは表裏両面
    に、最外層として熱可塑性樹脂層、第二層として接着性
    樹脂層、第三層として金属及び/または金属化合物蒸着
    層を配し、さらに接着性樹脂層を介して防水布上に形成
    されてなることを特徴とする防汚性に優れた防水布。
  2. 【請求項2】第三層の金属及び/または金属化合物蒸着
    層が、アルミ、クロム、珪素からなる一群の少なくとも
    一種の元素を含有してなることを特徴とする請求項1に
    記載の防汚性に優れた防水布。
  3. 【請求項3】最外層の熱可塑性樹脂層が、アクリル樹脂
    系化合物、フッ素樹脂系化合物またはポリエステル樹脂
    系化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の防
    汚性に優れた防水布。
  4. 【請求項4】繊維性基布の表面または表裏両面に防水性
    樹脂を配した防水布を製造するにあたり、片面あるいは
    表裏両面に、最外層として熱可塑性樹脂層、第二層とし
    て接着性樹脂層、第三層として金属及び/または金属化
    合物蒸着層を配し、さらに接着性樹脂層を介して防水布
    上に形成せしめることを特徴とする防汚性に優れた防水
    布の製造方法。
  5. 【請求項5】最外層として熱可塑性樹脂層、第二層とし
    て接着性樹脂層、第三層として金属及び/または金属化
    合物蒸着層を配し、さらに接着性樹脂層を介して防水布
    上に形成せしめるにあたり、易剥離性を有する平面上に
    金属及び/または金属化合物層を蒸着し、ついで接着性
    樹脂を用いて熱可塑性樹脂からなるフィルムまたはシー
    トに蒸着層を転写し、そうして得られた複合フィルムを
    繊維性基布と防水層から成る防水布の片面あるいは両面
    に接着性樹脂層を介して形成せしめることを特徴とする
    請求項4に記載の防汚性に優れた防水布の製造方法。
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