JP2000079654A - 積層体及び接合方法 - Google Patents

積層体及び接合方法

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JP2000079654A
JP2000079654A JP11181042A JP18104299A JP2000079654A JP 2000079654 A JP2000079654 A JP 2000079654A JP 11181042 A JP11181042 A JP 11181042A JP 18104299 A JP18104299 A JP 18104299A JP 2000079654 A JP2000079654 A JP 2000079654A
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Toshiaki Kobayashi
利章 小林
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的にかつ強固に接合可能な積層体及び効
率的な接合方法を提供する。 【解決手段】 熱軟化性物質(A成分)を含むX層に、
難熱軟化性物質(B成分)からなるY層が少なくとも積
層されてなる積層体であって、該Y層に加熱により軟化
したA成分が滲出可能な亀裂が形成されている積層体と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被接着体との接合が容
易な積層体、さらに該積層体を用いた接合部及び接合方
法に関し、さらに該積層体からなる建築部材、またさら
に被接着体との接着に有効な亀裂の効率的な形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質塩化ビニル(PVC)樹脂、
ウレタン樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体等の熱軟
化性樹脂からなるフィルムは、建築部材(屋根材等)な
どの様々な用途に用いられている。特に近年は、耐久性
(耐候性、防汚性、耐摩耗性等)を付与するために、フ
ッ素樹脂等の難熱軟化性樹脂を表面層としてさらに積層
した積層体が広く使用されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】一般に製造装置及び
工程性の点から製造可能な積層体の大きさには限界があ
ることから、複数の積層体を接合することにより所望の
大きさの面状体が形成されている。しかしながら、積層
体2枚を重ねあわせて熱融着や接着剤により強固に接合
することは通常困難であり、また手間がかかって効率的
に積層体を接合できない問題があった。たとえば特開平
9―88253号公報には感圧接着剤により複数のシー
トを接合する方法、特開平6―155668号公報には
特定の接着層を設けるとともに熱融着により複数のシー
トを接合する方法が開示されている。しかしながら、か
かる方法では工程上及びコスト上不利であるのみでな
く、熱軟化性樹脂と難熱軟化性樹脂との親和性が低い場
合には十分な接着強力が得られないために実用化できな
い。
【0004】なかでも積層体の表面層として広く用いら
れているフッ素樹脂(特にフッ化ビニル)は、耐熱性、
耐久性、防汚性等の諸性能に優れているものの、一般に
用いられている熱軟化性樹脂との親和性が低い。よって
2枚重ねて接着剤により強固に接合したり、一成分等を
溶融させて強固に接合することは実質的に困難である。
また積層体にプラズマ処理等を施せば複数の積層体を強
固に接合することが可能になるが、施工現場等でかかる
処理を施すには大規模な装置、多大な労力及び時間が必
要となる。さらに積層体を構成する熱軟化性樹脂層同志
を互いに接触させれば強固に接合することができるが、
得られる面状体にフッ素樹脂が存在しない部分ができる
ために耐久性の点で問題が生じる。
【0005】以上のことから、ミシン縫製により積層体
を接合する方法が検討されているが、施工現場で縫製を
行うことが困難であり、しかも縫目から空気、水等が漏
れるため膜材として十分な効果が得られない可能性があ
る。また、2枚の積層体を重ねることなく平行に並べ、
別に用意した熱融着性シートを介して積層体を接合させ
る方法や、表面のフッ素樹脂層を除去して接合する方法
等も検討されているが、かかる方法では多大な時間を要
し作業効率が低い問題がある。本発明の目的は、接合を
容易に行い得る積層体及び建築部材、さらには積層体の
効率的な接合方法、またさらに積層体の亀裂の効率的な
形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 熱軟
化性物質(A成分)を含むX層に、難熱軟化性物質(B
成分)からなるY層が少なくとも積層されてなる積層体
であって、該Y層に加熱により軟化したA成分が滲出可
能な亀裂が形成されていることを特徴とする積層体、
(2) 180℃の熱処理後の亀裂巾増大率が105%
以上である(1)に記載の積層体、(3) 亀裂がスト
ライプ状又は格子状に形成されている(1)又は(2)
に記載の積層体,(4) 難熱軟化性物質(B成分)と
して少なくともフッ素樹脂が用いられている(1)〜
(3)のいずれかに記載の積層体,(5) X層が少な
くとも繊維布帛及び熱軟化性物質(A成分)により構成
されている(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体,
(6) 熱軟化性物質(A成分)を含むX層に難熱軟化
性物質(B成分)からなるY層が少なくとも積層されて
なる積層体、および被接着体から構成された接合部であ
って、Y層及び被接着体が接触しており、かつY層に形
成された亀裂から滲出したA成分と被接着体が接着する
ことにより該積層体と被接着層が一体化していることを
特徴とする接合部,(7) 熱軟化性物質(A成分)を
含むX層に難熱軟化性物質(B成分)からなるY層が少
なくとも積層されてなり、かつ該Y層に加熱により軟化
したA成分が滲出可能な亀裂が形成されている積層体と
被接着体を接合する方法であって、被接着体を該Y層に
接するように重ねあわせて加熱加圧し、A成分を溶融軟
化させるとともに該Y層に形成された亀裂から積層体表
面に滲出させ、該滲出させたA成分と被接着体を接着さ
せることにより積層体と被接着体を接合する接合方法,
(8) (1)〜(5)のいずれかに記載の積層体から
なる建築部材,(9) 熱軟化性物質(A成分)を含む
X層に難熱軟化性物質(B成分)からなるY層が少なく
とも積層されてなる積層体に、刃状物が設置されたロー
ラーを該Y層と接するように接触させ、該ローラーを回
転させることにより該Y層にA成分が滲出可能な亀裂を
形成させる方法,に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に使用できる熱軟化性物質
(A成分)は特に限定されないが、たとえばポリオレフ
ィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、塩化
ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル
ーブタジエンースチレン(ABS)系樹脂、メタクリル
酸メチル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニリデン系樹脂等の熱可塑性樹脂が
好適に使用できる。もちろん2種以上の素材を併用して
もよく、可塑剤、難燃剤、光安定剤等の添加剤を含んで
いてもかまわない。加工性及びコストの点では少なくと
も塩化ビニル系樹脂、特に軟質塩化ビニル系樹脂を用い
るのが好ましい。該A成分を用いてX層を形成させれば
よいが、A成分のみからX層を形成させる必要はなく、
A成分により被接着体との接合が可能な範囲であれば他
の素材を併用してもかまわない。他の素材はA成分に混
合されていても、またA成分に積層されていてもかまわ
ない。
【0008】取扱性、機械的性能等の点からは、金属、
繊維布帛、硬質フィルムなどから選ばれる硬質物質及び
熱軟化性物質(A成分)を少なくとも用いてX層を構成
するのが好ましい。かかる硬質物資は機械的性能に優れ
ていることから、亀裂を形成させても積層体の機械的性
能が損われにくく、耐久性等の点で顕著な効果が得られ
る。しかも硬質物質層をA成分に積層した場合、硬質物
質層は刃物等により亀裂が形成されにくいため、所望の
部分に硬質物質層を形成させることにより微妙な設定を
行わなくても所望の深さの亀裂を形成できる。なかでも
軽量で柔軟性に優れていることから、少なくとも繊維布
帛及び熱軟化性物質(A成分)を用いてX層を構成する
のが好ましい。
【0009】繊維布帛としては、たとえば平織、絡み
織、模紗織等の織物、挿入ラッセル編等の編物、湿式不
織布及び乾式不織布などの不織布などが使用できる。な
かでも機械的性能、取扱性等の点から織編物、特に平織
物もしくは引張伸度の等方性が高い経緯挿入ラッセルを
用いるのがより好ましい。繊維布帛は、軽量性、機械的
性能、柔軟性等の点から目付100〜500g/m
度とするのが好ましい。
【0010】繊維布帛を構成する繊維の形態は特に限定
されず、たとえば長繊維糸条、短繊維、紡績糸、テープ
状ヤーン、スリットヤーン等を用いればよい。繊維布帛
が織編物である場合には、機械的性能の点からフィラメ
ント糸、特に柔軟性及びA成分との接着性の点からマル
チフィラメント糸を使用するのが好ましい。フィラメン
ト糸の総デニールは1〜3000d,特に3〜2000
d程度であるのが好ましい。繊維布帛を構成する繊維と
しては、たとえば天然繊維(木綿、麻等)、無機繊維
(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等)等が挙げられる
が、機械的性能及び取扱性等の点からは有機合成繊維を
用いるのが好ましい。具体的には、ポリエステル系繊維
(全芳香族ポリエステル繊維を含む)、ポリアミド繊維
(ナイロン6、ナイロン66)、ポリオレフィン系繊
維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリビニルアルコール系繊
維、アセテート系繊維、ビスコースレーヨン繊維等が挙
げられる。勿論、これら2種以上の繊維を併用して布帛
としてもよく、又2種以上の成分からなる芯鞘型複合繊
維、海島繊維、ブレンド繊維等を用いても構わない。ま
た適宜、酸化チタン、カオリン、シリカ、硫酸バリウ
ム、カ−ボンブラック、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤等を含んでいても良い。コスト、機械的性
能、耐候性等の点からはポリエステル系繊維を用いるの
が好ましい。
【0011】繊維布帛及び熱軟化性物質(A成分)を含
むX層は、たとえば繊維布帛にA成分を含浸させること
により容易に形成できる。勿論、布帛(A成分を含浸し
てなる布帛を含む)の片面または両面にA成分からなる
層を積層してもかまわない。たとえばトッピング加工、
ラミネート加工、ロ−ルコ−タ−法、ナイフコ−タ−
法、ディッピング法等により一体化することができる。
工程性等の点からは押出ラミネート法を採用するのが好
ましい。布帛に対するA成分の全付与量は50〜500
重量%、特に100〜300重量%程度であるのが好ま
しい。またX層の目付は100〜2000g/m、特
に300〜1500g/m程度であるのが好ましく、
厚さは0.1〜5mm程度であるのが好ましい。
【0012】また建築材等に用いる場合、少なくともX
層が難燃性を有しているのが好ましい。難燃性を有する
ポリマーを用いたり、さらに難燃効果を高めるために難
燃剤を配合することによりX層に難燃性を付与すること
ができる。難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難
燃剤、アンチモン系難燃剤(三酸化アンチモン、五酸化
アンチモン等)、無機水和物等が好適に使用できる。な
お無機水和物としては結晶水(配位水、陰イオン水、格
子水、ゼオライト水)等を含有する無機物が使用でき、
具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、ハイドロタルサイト類化合物等が好適に挙げられ
る。難燃剤の配合割合は目的に応じて適宜変更すれば良
いが、難燃効果及び機械的性能等の点から、難燃剤を3
重量%以上、特に5〜50重量%含有するA成分を用い
るのが好ましい。なお難燃剤は複数の化合物を併用して
もよく、またA成分には難燃剤以外の添加物が含まれて
いてもかまわない。
【0013】またY層を構成する難熱軟化性物質(B成
分)は、X層を構成する熱軟化性物質(A成分)に比し
て流動開始温度の高い物質が使用できる。したがって、
使用可能なB成分は用いるA成分により異なるが、たと
えばフェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、
アルキド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、
シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や、アミド系樹脂、
アセタール系樹脂、カーボネート系樹脂、変性フェニレ
ンエーテル系樹脂、ブチレンテレフタレート系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート系樹脂、超高分子量ポリエチ
レン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリ
スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエ
ーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂
(溶融液晶性樹脂等)、ポリアミドイミド系樹脂、ポリ
エーテルイミド系樹脂、フッ素樹脂等のA成分に比して
流動開始温度の高い熱可塑性樹脂、さらにアルミニウム
に代表される金属等が挙げられる。勿論、これら2種以
上を併用してY層を構成してもよく、これらは混合され
ていても積層されていてもかまわない。また本発明の効
果が損われない範囲であれば、Y層に難熱軟化性物質以
外の成分が含まれていても構わない。
【0014】なかでも、はっ水効果、防汚性、耐摩耗性
等の諸性能に優れる点からB成分として少なくともフッ
素樹脂を用いるのが好ましく、Y層の30重量%以上、
特に50重量%以上、さらに80重量%以上をフッ素樹
脂により構成するのが好ましい。本発明に好適なフッ素
樹脂としては、フッ化ビニリデン系樹脂、フッ化ビニル
系樹脂、テトラフルオロエチレン系樹脂、エチレン−テ
トラフルオロエチレン系樹脂、クロロトリフルオロエチ
レン系樹脂、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系
樹脂、パーフルオロアルコキシ系樹脂、パーフルオロエ
チレンプロピレン系樹脂、クロロトリフルオロエチレン
−フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。なかでも
フッ化ビニル系樹脂が軽量(比重約1.38程度)でコ
スト的にも比較的有利であり、また防汚性等の諸性能に
より優れている点から好適に使用される。
【0015】本発明は、A成分及びB成分の親和性が低
い場合、特にA成分とB成分のSP値の差が1以上、特
に2以上である場合に顕著な効果が得られる。従って、
多くの熱軟化性樹脂との親和性の低いフッ素樹脂、特に
フッ化ビニル系樹脂をB成分とした場合に顕著な効果が
得られ、なかでもA成分が塩化ビニル系樹脂、B成分が
フッ素樹脂である場合に優れた効果が得られる。フッ素
樹脂は、はっ水効果、防汚性、耐摩耗性等に優れている
ことから表層材として好適であり現在広く使用されてい
るものの、多くの熱軟化性樹脂との接着性が極めて低く
シート間の接合に大きな問題があったが、本発明によれ
ばかかる問題は解決される。両層の接着性の点からはA
成分及びB成分のSP値の差は5以下であるのが好まし
い。なお、本発明にいうSP値とは一般に広く知られて
いるパラメーターであり、構成原子団により算出される
溶解度パラメーターである。たとえば昭和48年3月1
日に発行された「可塑剤―その理論と応用」(編者 村
井孝一、発行 幸書房)の第15〜16頁に記載のSm
allにより提案された方法により算出することができ
る。
【0016】また接着性等の点からは熱軟化性物質の流
動開始温度は、難熱軟化性物質の流動開始温度よりも2
0℃以上、さらに50℃以上、特に80℃以上低温であ
るのが好ましい。接着性、寸法安定性、耐熱性等の点か
らは、難熱軟化性物質の流動開始温度は150℃以上、
さらに180℃以上、特に200℃以上であるのが好ま
しく、熱軟化性物質の流動開始温度は150℃未満、さ
らに140℃以下80℃以上であるのが好ましい。な
お、該流動開始温度は実施例に記載の方法で測定するこ
とができる。またA成分又はB成分が複数の成分により
構成されている場合には、X層又はY層の性質、接着性
に最も大きな影響を与えていると考えられる成分のSP
値、流動軟化温度等を検討すればよい。さらにX層の両
面にY層を積層してなる3層構造体としてもよく、この
とき場合によってはY層からなる両表面に亀裂を形成し
てもかまわない。
【0017】積層体の接着性、耐久性などの点からは、
X層の一方の面に積層されるY層の目付は5〜100g
/m、特に10〜50g/m程度とするのが好まし
く、厚さは1μm以上3mm以下程度、特に10〜10
0μm程度とするのが好ましい。またX層と一方の面に
積層されるY層の重量比は特に限定されるものではない
が、取扱性及び機械的性能等の点から100:1〜1:
1程度、特に100:1〜10:1程度とするのが好ま
しく、X層の両面にY層を積層する場合には100:2
〜1:2程度、特に100:2〜10:2程度とするの
が好ましい。
【0018】熱軟化性物質(A成分)を含む層と難熱軟
化性物質(B成分)からなる層の積層方法は特に限定さ
れず、たとえば必要に応じてX層及び/又はY層に接着
層を設けてもかまわない。製造された積層体と被接着層
を接着剤により接合する場合には、新たに接着剤層付与
工程、接着工程を設ける必要があり、また大規模な装置
が必要となるため多大な労力、時間及びコストを要する
こととなるが、積層体の製造工程において接着剤を付与
する場合、積層体の製造工程に接着工程を効率的に取込
むことができるために、労力、時及びコスト等に与える
影響は少なく効率的に接着させることができる。たとえ
ばA成分として軟質ポリ塩化ビニル、B成分としてポリ
フッ化ビニルを用いている場合にはアクリル系樹脂等が
接着剤として好適に使用でき、5〜50g/m程度の
フィルム接着層として貼りあわせることによって一層効
率的に接着できる。
【0019】さらに両層の接着性が低い場合にはプラズ
マ処理、コロナ放電処理等の接着性改善処理を施すのが
好ましい。積層体の製造工程においてはかかる処理を行
う場合には、上記の場合と同様に積層体の製造工程に取
り込めるために比較的容易に処理を行うことができる。
なお、製造された積層体と被接着体を接合するためにか
かる処理を行うためには新たに大規模な設備を設ける必
要があり、多大な労力、時間及びコストを要することと
なる。また急こう現場での接合はきわめて困難である。
よって、該積層体と被接着体を効率的かつ強固に接合す
るためには本発明を適用する必要がある。本発明の積層
体全体の厚さは適宜設定すればよいが、機械的性能等の
点から0.05mm以上とするのが好ましく、目付は取
扱性等の点から1500g/m2以下、特に200g/
以上1200g/m2以下とするのが好ましい。。
【0020】本発明の特徴は、Y層に溶融軟化したA成
分が滲出可能な亀裂が形成されていることにある。かか
る亀裂を形成させることにより、積層体を加熱加圧する
と亀裂からA成分が滲出するため、該積層体と被接着層
との接着性を顕著にかつ効率的に高めることができる。
【0021】亀裂の深さはX層を構成するA成分の存在
する部分まで到達していれば問題はないが、積層体の強
度が不十分とならない程度に亀裂を形成させるのが好ま
しい。機械的性能等の天からは積層体の厚さの50%以
下、特に30%程度以下となるような深さにするのが好
ましい。なおX層をA成分とともに硬質物質層(特に繊
維布帛層)を用いて構成し、かつ該硬質物質とY層の間
にA成分が存在するように形成している場合には、積層
体の機械的性能を損うことなく所望の深さの亀裂を効率
的に形成できることからより優れた効果が得られる。
【0022】亀裂の形状は特に限定されず、たとえば、
亀裂状、円、四角形、三角形等の非連続形態や、波状、
直線状等の線状などが挙げられる。均一に優れた接着力
を得る点からは亀裂の形態を線状にするのが好ましい。
亀裂巾は適宜設定すればいいが、接着性及び効率的に亀
裂を付与できる点から0.01mm以上1mm以下とす
るのが好ましく、特に0.02mm以上0.5mm以下
とするのが好ましい。また1つの亀裂の長さは不連続状
(特定の長さを有する亀裂)であってもかまわないが、
接着力の点からは5mm以上、特に10mm以上、さら
に20mm以上であるのが好ましく、特に実質的にエン
ドレスであるのが好ましい。勿論、亀裂巾及び亀裂長さ
は積層体において均一である必要はなく、部位によって
変更してもかまわない。なお亀裂巾とは亀裂部の最大内
接円の直径であり、亀裂長さとは亀裂の最大径を示す。
たとえば真円の場合には亀裂巾と亀裂長さは同値とな
る。
【0023】また同理由から、亀裂はストライプ状又は
格子状、なかでも格子状に形成させるのが好ましい。こ
のとき、たとえば円状等の非連続形状の亀裂を格子状又
はストライプ状に多数形成させてもかまわないが、より
優れた接着力を得る点からは実質的に線状の亀裂をスト
ライプ状又は格子状に形成させるのが好ましく、接着性
等の点からは線状亀裂は1〜10mm程度、特に1〜8
mm程度の間隔で形成させるのが好ましい。
【0024】接着力を一層高める点からは、亀裂を格子
状に形成させるのがより好ましい。具体的には積層体の
長さ方向および該長さ方向の垂直方向(巾方向)に格子
状に亀裂を設けるのが好例として挙げられ、亀裂により
形成された格子の両辺が同程度の長さとなるようにする
のがより好ましい。勿論、さらに他の部分に線状又は非
連続状の亀裂を形成させてもかまわないし、また部位に
よって亀裂の形態、密度等が異なっていてもよい。亀裂
は積層体全面に形成されている必要はなく、接合に必要
な部分、たとえば端部のみに形成させてもかまわない。
亀裂形成部分は積層体の厚さ、接着力等に応じて適宜変
更すれば良いが、たとえば積層体の端から1cm〜30
cm程度の部分に亀裂を形成させればよい。積層体の機
械的性能、耐久性の点からは実質的に必要部分のみに亀
裂を形成させるのが好ましい。
【0025】さらに接着性の点からは180℃の熱処理
後の亀裂巾増大率を105%以上、さらに150%以
上、特に200%以上、さらに300%以上、またさら
に500%以上とするのが好ましい。この場合、予め亀
裂巾の小さい亀裂を形成させるのみで加熱接着時にY層
の亀裂が増大するため、熱軟化性樹脂が容易にかつ広範
囲に滲出して強固に接着させることができる。
【0026】積層体を強固に接合するには、A成分が表
面に滲出可能な十分な亀裂巾を有している必要があり、
このような亀裂を最初から形成させるには多大な労力が
必要となる。しかしながら、亀裂巾の小さい亀裂はナイ
フ等で容易に形成させることができると同時に機械的性
能等の諸性能に与える影響が小さく、次いで接合時に亀
裂巾のサイズが広がればA成分が容易に積層体表面に滲
出して強固にかつ効率的に接合できる。寸法安定性等の
点からは1000%以下であるのが好ましい。
【0027】なお本発明にいう亀裂巾増大率とは、積層
体に設けられた亀裂部の巾(亀裂部の最大内接円の直
径)をL、同積層体を180℃×10分間熱処理した際
の同部分の亀裂部の巾(熱処理後の亀裂部の最大内接円
の直径)をL1としたとき、L1/L×100により算
出される値である。亀裂巾増大率はX層、Y層を構成す
る物質の熱収縮率、X層及びY層の親和性、亀裂巾のサ
イズ、形状、間隔等により調整できる。180℃×10
分間熱処理を施した後の亀裂巾は10μm〜20mm程
度、特に1〜10mm程度であるのが好ましい。
【0028】亀裂巾増大率の大きい積層体を形成させる
点からは、Y層の熱収縮率をX層の熱収縮率の1.01
倍以上、さらに1.10倍以上、特に1.15倍以上、
さらに1.20倍以上とするのが好ましく、同理由から
Y層の収縮率は1%以上、特に1.5%以上とするのが
好ましく、寸法安定性の点から5%以下、さらに3%以
下であるのが好ましい。このときX層が熱収縮率の小さ
い硬質性物質、たとえば繊維布帛を含んでいる場合、A
成分の熱収縮率が高い場合であってもX層の熱収縮率は
小さくなり、亀裂巾増大率を高める点で好ましい結果が
得られる。特に収縮率の高いA成分を用いている場合、
加熱加圧すると繊維布帛等によりX層の寸法安定性が保
持されると同時に、A成分が収縮して亀裂から滲出しや
すくなることから、接合性の点で一層優れた効果が得ら
れる。繊維布帛を用いている場合のようにX層の熱収縮
率が低く保たれている場合には、A成分の熱収縮率は3
%以上、特に5〜20%程度であるのが好ましい。なお
熱収縮率は実施例に記載の方法により測定できる。
【0029】亀裂を形成させる方法は特に限定されな
い。たとえば、研磨材(研磨紙、研磨布、バフ、サンド
ブラスト、グラインダー等)、カッター等の刃物、針等
により付与してもよいが、効率的に多数の亀裂を形成さ
せる点からは、ローラーの表面にストライプ状等に刃状
物を取付け、積層体の上で該ローラーを回転させること
により所望の亀裂を形成させるのがより好ましい。複数
のローラーに刃状物を取付けて回転させてもよく、たと
えば図2のように異なった亀裂パターンを有する複数の
ローラーが設置された装置を用いることができる。この
場合、所望の亀裂を効率的に形成させることができるの
で好適に使用できる。なおここにいう刃状物とは積層体
に亀裂を形成させ得るものであれば特に限定されず、た
とえばカッター状物、針状物、突起状物などが挙げられ
る。なお予め亀裂を形成させておく必要はなく、施工現
場等で必要部位に亀裂を形成させ、次いで接合加工を行
ってもかまわない。かかる方法によれば簡便に接合処理
を行うことができ、工程上極めて優れた効果が得られ
る。
【0030】本発明の積層体を被接着層と接合するため
の加熱方法は特に限定されないが、効率的に接着処理を
行う点からは熱風式溶着処理(たとえばカールタイスタ
ー社製「ライスター」を用いる)又は高周波ウエルダー
処理を行うのが好ましい。高周波ウエルダーの好ましい
条件としては、周波数40〜50MHzの汎用高周波ウ
エルダーを用い、接圧1kgf/m以上、陽極電流値
30〜200A/m、通電時間3〜15秒間で溶着
後、同接圧下で2〜10秒間冷却する方法が挙げられ
る。A成分が高周波ウエルダーにより溶融しない樹脂で
あっても、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
ハイドロタルサイト類化合物等の無機水和物を配合する
ことにより高周波発熱性を改善できるので、場合によっ
ては無機水和物を配合するのが好ましい。無機剤の配合
割合はA成分の1〜70重量%、特に3〜40重量%と
するのが好ましい。
【0031】被接着体はフィルム(単層フィルム、積層
フィルム)、ターポリン等特に限定されないが、接着性
の点からは少なくとも本発明の積層体と接合する側の表
面がA成分に対して親和性の高い成分から構成されてい
るのが好ましい。具体的にはA成分のSP値との差が
0.8以下、特に0.5以下の成分であるのが好まし
い。より顕著な効果を得る点からは、少なくともX層及
びY層を有する積層体を被接着体とするのが好ましい。
被接着体に用いられるA成分及びB成分は、接合する積
層体の各成分と必ずしも同一である必要はないが、少な
くとも両A成分の親和性は高い方が好ましく、同種のA
成分を用いるのがより好ましい。
【0032】接着性の点からは、本発明の積層体の亀裂
部の表面に、被接着体のA成分が接するように重ねあわ
せて接合するのが好ましく、接合されたシートの片面に
実質的にX層が存在しないように接合するのが、耐久
性、防汚性等の点で好ましい(図1参照)。接合巾は目
的に応じて適宜設定すればよく、場合によっては積層体
の実質的全面を接合部としてもかまわないが、一般には
接合巾を1cm以上1m以下程度が広く適用できる。ま
た接合部の引張強度及び剥離強力は、2枚の積層体のX
層同志を接合した際の接着部の引張強力及び剥離強力の
それぞれ50%以上、さらに70%以上とするのが好ま
しい。
【0033】本発明の積層体はあらゆる用途に使用でき
るが、防水材(特に建築部材)として特に好適である。
たとえばトラック用幌シート、野積シート、各種ライナ
ー、各種テント類(テント倉庫等)、ポンドライナー、
各種土木・遮水シート及び貯水タンク用ライナー等に好
適に使用でき、なかでも建築部材、特に屋根材として用
いた場合に優れた効果が得られる。
【0034】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】[流動開始温度 ℃]室温で真空乾燥した試
料に、荷重を100kg/cmをかけた状態で50℃
から300℃まで昇温(昇温速度5℃/分)し、島津製
作所製「高化式フローテスタCFT―500C型」を用
いて流動開始温度(試料が流れ出す温度)を測定した。
なお試料の熱膨張によるピストンのわずかな上昇が行わ
れた後、再びピストンが明らかに降下しはじめる温度を
流動開始温度とする。
【0035】[熱収縮率 %]各種サンプル(10cm
×10cm)を20℃65%RHで24時間放置した後
のサイズを計測し(タテScm×ヨコTcm)、次
いで150℃の乾燥機に10分間放置した後のサイズを
測定し(タテScm×ヨコTcm)、{(S―S
)/S1+(T―T)/T}・1/2・100
により算出した。
【0036】[SP値]昭和48年3月1日に発行され
た「可塑剤―その理論と応用」(編者 村井孝一、発行
幸書房)の第15〜16頁に記載のsmallにより
提案された成分の構成原子団により算出される溶解度パ
ラメーターであり、化合物の構造式及び密度から下式に
より算出した(Small法)。
【0037】
【数1】
【0038】[亀裂巾増大率 %]0.01mmスケー
ルまで読み取り可能な顕微鏡を用いて積層体の亀裂巾L
を測定し、次いで180℃×10分間熱処理後室温まで冷
却したのちの積層体の亀裂巾L1を測定して(L1/
L)×100により算出し、10箇所以上の亀裂巾増大
率を求めてこれらの平均値を亀裂巾増大率とした。なお
亀裂巾とは、亀裂部の最大内接円の直径である。
【0039】[引張強度 kg/3cm]JIS L1
096 6.12(1)法(ストリップ法)に準じて測
定した。 [接合部引張強度 kg/3cm]JIS L1096
6.12(1)法(ストリップ法)に準じて測定し
た。 [接合部の剥離強度 kg/2cm]JIS L632
8に準じて測定した。 [接合部の耐クリープ性]JIS K6859に準じて
測定した。 1)20℃雰囲気中、積層体の引張強度の1/4荷重を
負荷させ、24時間以内に接合部が切断しないものを○
(良好)、切断するものを×(不良)とした。 2)60℃雰囲気中、積層体の引張強度の1/10荷重
を負荷させ、6時間以内に接合部が切断しないものを○
(良好)、切断するものを×(不良)とした。
【0040】[参考例1]1000d/200fのポリ
エステルマルチフィラメントからなる目付280g/m
の経緯挿入ラッセル生機に、A成分として難燃性軟質
ポリ塩化ビニル樹脂(流動開始温度114.4℃、熱収
縮率10.5%、SP値9.6,可塑剤DOP37重量
%含有、三酸化アンチモン8.5重量%含有)を両面コ
ーテイングしてなる目付845g/mのターポリン
(樹脂付与量220重量%/繊維重量、厚さ0.7m
m)をX層とした。かかるX層の熱収縮率は実質的に0
%であった。このX層の片面に、接着剤分の目付25g
/mとなるようにアクリル系樹脂接着剤(Du po
nt社製「68080」)を付与後、コロナ放電処理が
施された目付25g/mのポリフッ化ビニルフィルム
(流動開始温度219.2℃、熱収縮率3%、SP値
7.0,厚さ25μm、Du Pont社製)を貼りあ
わせてY層を設け、目付895g/mの積層体(株式
会社クラレ製「大型テントFV―E6200(C種膜
材)」)を得た。
【0041】[参考例2]厚さ0.04mmの軟質ポリ
塩化ビニルフィルム(流動開始温度114.4℃、熱収
縮率10.5%、SP値9.6,可塑剤DOP37重量
%含有)をX層とし、このX層の片面に、接着剤分の目
付25g/mとなるようにアクリル系樹脂接着剤(D
u pont社製「68080」)を付与後、厚さ0.
04mmのポリエステルフィルム(流動開始温度253
℃、熱収縮率1.5%、SP値10.7、東洋紡社製
「PETフィルム」)を貼りあわせてY層を設け、厚さ
0.47mmの積層体を製造した。
【0042】[実施例1]参考例1の積層体のY層側の
端部巾4cm部分に、カッターナイフにより、3mmピ
ッチ、深さ約0.1mmの直線状連続亀裂を積層体の長
さ方向及び該長さ方向の直角方向(巾方向)に形成し格
子状亀裂を形成した。このとき亀裂巾は約0.05mm
であり、亀裂巾増大率は650%であった。次に該亀裂
部の上に被接着体(クラレ製「大型テントFV―E62
00(C種膜材)」)のポリ塩化ビニル面側が接触する
ように端部を重ねあわせ、高周波ウエルダー(67A/
、0.15kg/cm、15秒間)で熱融着させ
て2枚の積層体を接合した(図1参照)。接合部ではY
層の亀裂から表面に滲出したA成分と、被接着体のポリ
塩化ビニルが強固に接着していた。結果を表1に示す。
【0043】[実施例2]積層体の長さ方向に対して4
5℃及び135℃の2方向に直線状亀裂(3mmピッ
チ)を形成して格子状亀裂を形成した以外は実施例1と
同様に行った。亀裂巾は約0.05mmであり、亀裂巾
増大率は650%であった。該積層体と被接着体を実施
例1と同様に接合したところ、接合部ではY層の亀裂か
ら表面に滲出したA成分と、被接着体のポリ塩化ビニル
が強固に接着していた。結果を表1に示す。
【0044】[実施例3]参考例2の積層体のポリエス
テルフィルム表面にカッターナイフにより実施例1と同
様の亀裂を形成した。このとき亀裂巾は約0.05mm
であり、亀裂巾増大率は543%であった。次に該亀裂
部の上に被接着体(参考例2の積層体)のポリ塩化ビニ
ル面側が接触するように端部を重ねあわせ、実施例1と
同様に2枚の積層体を接合した。接合部ではY層の亀裂
から表面に滲出したA成分と、被接着体のポリ塩化ビニ
ルが強固に接着していた。結果を表1に示す。
【0045】[比較例1]積層体に亀裂を設けない以外
は、実施例1と同様に2枚の積層体を接合した。両積層
体は実質的に接着していなかった。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】[実施例4]図2に記載の亀裂形成装置
(異なった亀裂パターンを有する2つのローラを有する
装置;亀裂巾約0.05mm,ピッチ4mm、深さ0.
1mm)を積層体に接触させ、ローラーを回転させるこ
とにより亀裂を形成した以外は実施例1と同様に行っ
た。この方法では亀裂を容易にかつ効率的に形成させる
ことができ、また得られた積層体の接着性等も実施例1
と同様に良好であった。
【0048】[実施例5〜8]実施例1〜4において用
いた亀裂を有する積層体を建築部材として用い、各積層
体を実施例1と同様の方法でそれぞれ接合して簡易建築
物の屋根を形成したが、接合作業は簡便かつ効率的であ
り、しかも接合部は十分に接着されており、またはっ水
性、耐久性等の諸性能に優れたものであった。特に実施
例1、2及び実施例4において用いられた積層体は布帛
により補強されており、しかもフッ素樹脂が用いられて
いることから機械的性能及び耐久性等に一層優れたもの
であり、さらに難燃性の高いものであった。なかでも実
施例1及び実施例4の積層体は接合部の接着性により優
れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体と被接着体により形成された好
適な接合部の状態を示した模式図。
【図2】積層体に亀裂を形成させるのに好適な装置の1
例を示した模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 7/12 B32B 7/12 27/18 27/18 F 27/32 27/32 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱軟化性物質(A成分)を含むX層に、
    難熱軟化性物質(B成分)からなるY層が少なくとも積
    層されてなる積層体であって、該Y層に加熱により軟化
    したA成分が滲出可能な亀裂が形成されていることを特
    徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 180℃の熱処理後の亀裂巾増大率が1
    05%以上である請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 亀裂がストライプ状又は格子状に形成さ
    れている請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 難熱軟化性物質(B成分)として少なく
    ともフッ素樹脂が用いられている請求項1〜3のいずれ
    かに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 X層が少なくとも繊維布帛及び熱軟化性
    物質(A成分)により構成されている請求項1〜4のい
    ずれかに記載の積層体。
  6. 【請求項6】 熱軟化性物質(A成分)を含むX層に難
    熱軟化性物質(B成分)からなるY層が少なくとも積層
    されてなる積層体、および被接着体から構成された接合
    部であって、Y層及び被接着体が接触しており、かつY
    層に形成された亀裂から滲出したA成分と被接着体が接
    着することにより該積層体と被接着層が一体化している
    ことを特徴とする接合部。
  7. 【請求項7】 熱軟化性物質(A成分)を含むX層に難
    熱軟化性物質(B成分)からなるY層が少なくとも積層
    されてなり、かつ該Y層に加熱により軟化したA成分が
    滲出可能な亀裂が形成されている積層体と被接着体を接
    合する方法であって、被接着体を該Y層に接するように
    重ねあわせて加熱加圧し、A成分を溶融軟化させるとと
    もに該Y層に形成された亀裂から積層体表面に滲出さ
    せ、該滲出させたA成分と被接着体を接着させることに
    より積層体と被接着体を接合する接合方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体
    からなる建築部材。
  9. 【請求項9】 熱軟化性物質(A成分)を含むX層に難
    熱軟化性物質(B成分)からなるY層が少なくとも積層
    されてなる積層体に、刃状物が設置されたローラーを該
    Y層と接するように接触させ、該ローラーを回転させる
    ことにより該Y層にA成分が滲出可能な亀裂を形成させ
    る方法。
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