JPH0735033U - 透湿性防水シート - Google Patents

透湿性防水シート

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JPH0735033U
JPH0735033U JP6657793U JP6657793U JPH0735033U JP H0735033 U JPH0735033 U JP H0735033U JP 6657793 U JP6657793 U JP 6657793U JP 6657793 U JP6657793 U JP 6657793U JP H0735033 U JPH0735033 U JP H0735033U
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JP
Japan
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moisture
waterproof sheet
porous film
permeable waterproof
nonwoven fabric
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JP6657793U
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俊郎 高野
通博 大江
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 家屋等の建築物の壁面に内設される断熱材を
保護する防水シートとして使用するのに十分な強度を有
し、防水、防風機能を有すると共に、断熱材層内の水蒸
気等の気体を容易に透過させることができ、断熱材の性
能を十分に発揮させる透湿性防水シートを提供する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂に粒子状充填材が配合
されてなる樹脂組成物(a)を溶融成形してなるシート
を延伸処理して得られた多孔性フィルム11の少なくと
も片面に熱可塑性樹脂(b)よりなる割繊維不織布12
が積層されてなる透湿性防水シートであって、前記割繊
維不織布12は目付が20〜100g/m 2の範囲、厚
さが0.07〜0.3mmの範囲であり、多孔性フィル
ム11と割繊維不織布12とが、互いに交差しない複数
条の接着面13により接着されてなることを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、透湿性防水シートに関する。さらに詳しくは、水蒸気等の気体は容 易に透過させるが液滴状の水の浸透を防ぐことができ、家屋等の建築物の壁面に 内設される断熱材を覆い、断熱性能を十分に発揮させる透湿性防水シートに関す るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、木造家屋等の建築物の壁体には、グラスウール等の断熱材を内設するの が普通になっている。そして、グラスウール等の断熱材は、水分を吸収するとそ の断熱性能が急激に低下するため、断熱材層への水蒸気の流入および結露水等の 浸透を可能な限り避ける状態で使用し、かつ壁体は、その内部全体を極力乾燥状 態に保ち結露水等による構造部材の腐食を防止するように設計されている。例え ば木造家屋を例に挙げると、その壁体は室内側より順次、内装材/防湿シート/ 断熱材層/防水シート/通気層(空間)/外装材が設けられた構造とされている 。
【0003】 上記構造の壁体において、防湿シートは室内の水蒸気が断熱材層へ流入するの を抑制するためのものであり、通常はポリエチレンフィルム等のプラスチックフ ィルムが用いられており、防水シートは通気層側で発生する結露水等が断熱材層 へ浸透するのを防ぐ防水機能を果たすとともに、通気層から断熱材層への空気( 風)の自由な出入りを遮断する防風機能を果たすものであり、従来よりアスファ ルトフェルトやシージングボード等が用いられてきた。また、通気層は、文字ど おり通風空間であり、壁体の内部に取り込まれた水分を水蒸気の状態で壁の外へ 放散させるための通風路となっている。
【0004】 上記構造の壁体に使用される防湿シートは、水蒸気の透過を抑制する機能は有 しているものの、壁面に設置される電気配線用コンセントボックス、水道配管等 との継ぎ目から、またはこの防湿シート自体を通して、室内の水蒸気(湿気)が 経時的に断熱材層へ流入するのを完全に遮断することはできない。経時的に断熱 材層へ流入した水蒸気は、温度の変化によって結露し、この結露水は断熱材層の 断熱効果を大幅に低下させるのみならず、断熱材を伝って移動し柱、土台などの 構造部材や内装材を濡らし、ついにはこれらを腐食させ建物の寿命を縮める原因 となっていた。
【0005】 また、従来より防水シートとして用いられているアスファルトフェルトやシー ジングボード等は、防水性が不十分であるうえ、透湿性が極めて悪いため満足で きるものではなかった。 すなわち、従来の防水シートを使用した場合には、(1)防水性が不十分なた め、通気層側で発生した結露水や工事途中の雨水等が断熱材層へ浸透するのを十 分に遮断することができず、(2)透湿性が極めて悪いため、一旦断熱材層に吸 収された水分(水蒸気や結露水)を水蒸気として外部に逃がすことができず、熱 材層内に閉じ込めてしまい断熱材層内での結露水の発生を助長する、等の問題が あり、また強度面においても満足できるものではなかった。 上記のような背景から、断熱材層の防水シートとして使用するのに十分な強度 を有し、かつ透湿性および防水性に優れた防水シートの開発が熱望されていた。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、家屋等の建築 物の壁面に内設される断熱材を保護する防水シートとして使用するのに十分な強 度を有し、防水、防風機能を有すると共に、断熱材層内の水蒸気等の気体を容易 に透過させることができ、断熱材の性能を十分に発揮させる透湿性防水シートを 提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは、従来より使用されていた防水シートの上記問題点の解決を目的 として鋭意検討を重ねた結果、粒子状充填材を配合したポリオレフィン系樹脂組 成物より得られる透湿性フィルムに、特定の割繊維不織布を部分的な接着により 積層した複合シートにより、その目的が容易に達せられることを知得しこの知見 に基づき本考案を完成したものである。 しかして、本考案は、ポリオレフィン系樹脂に粒子状充填材が配合されてなる 樹脂組成物(a)を溶融成形してなるシートを延伸処理して得られた多孔性フィ ルム11の少なくとも片面に熱可塑性樹脂(b)よりなる割繊維不織布12が積 層されてなる透湿性防水シートにおいて、前記割繊維不織布12は目付が20〜 100g/m2の範囲、厚さが0.07〜0.3mmの範囲であり、多孔性フィ ルム11と割繊維不織布12とが、互いに交差しない複数条の接着面13により 接着されてなることを特徴とする。
【0008】 次に、本考案を、図面を参照しつつ詳細に説明する。 図1〜図3は、本考案に係る透湿性防水シート1の一実施態様例を示し、図1 は透湿性防水シート1の平面略図であり、図2は図1に示す透湿性防水シート1 に配置された接着面13を示す平面略図であり、図3は図1に示す透湿性防水シ ート1のA−A’矢視断面略図である。 図4は、本考案に係る透湿性防水シート1の使用状態の一例を示す断面略図で ある。 図中、1は透湿性防水シート、11は多孔性フィルム、12は割繊維不織布、 12aは割繊維不織布を構成する縦繊維、12bは割繊維不織布を構成する横繊 維、12cは割繊維不織布を構成する斜繊維、13は接着面、2は内装材、3は 防湿シート、4は断熱材層、5は通気層、6は外装材をそれぞれ示す。
【0009】 本考案に係る透湿性防水シート1は、ポリオレフィン系樹脂に粒子状充填材が 配合されてなる樹脂組成物(a)を溶融成形してなるシートを延伸処理して得ら れた多孔性フィルム11の少なくとも片面に熱可塑性樹脂(b)よりなる割繊維 不織布12が積層された構造のものである。
【0010】 上記ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ ン、線状低密度ポリエチレン、およびポプロピレンを挙げることができる。これ らは単独でも、2種類以上の混合物であってもよいが、延伸処理する前のシート を得る際の溶融成形性が優れている点から、通常はメルトインデックス(MI) が0.01〜2.0g/10分(JIS K−6760の引用規格であるJIS K−7210の表1の条件4に準拠して測定した値)の範囲のものが好ましい 。
【0011】 上記粒子状充填材としては、無機および有機の充填材を用いることができ、無 機充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻 土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸 カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシ ウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、ガラ ス粉、シラスバルーン、ゼオライト、珪酸白土等が挙げられ、有機充填材として は、木粉、パルプ粉などのセルロース粉末等が挙げられる。 これらの粒子状充填材は、単独でも2種類以上の混合物のいずれであってもよ い。粒子状充填材の平均粒子径の好ましい範囲は30μm以下であり、さらに好 ましい範囲は10μm以下であり、最も好ましい範囲は5μm以下である。粒子 径が大きすぎると、この充填材を配合してなる樹脂組成物(a)より得られる多 孔性フィルム11の微細孔の緻密性が悪くなるからである。
【0012】 前記樹脂組成物(a)は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し粒子状充 填材25〜400重量部、好ましくは60〜150重量部の範囲で配合されてな るものが望ましい。ポリオレフィン系樹脂に対する粒子状充填材の配合割合が少 なすぎると、多孔性フィルム11における微細孔の形成が不十分となり、また配 合割合が多すぎると、ポリオレフィン系樹脂への分散が悪いうえ樹脂組成物(a )の溶融成形性が低下し、いずれも好ましくない。 粒子状充填材は、特別の表面処理をすることなく使用できるが、脂肪酸もしく はその金属塩または脂肪酸エステル等で表面処理されたものを使用すると、ポリ オレフィン系樹脂への分散性が向上し、さらに溶融成形して得られたシートを延 伸する際の延伸性にも好ましい結果を与える。
【0013】 樹脂組成物(a)には、粒子状充填材のほか、必要に応じ可塑剤やラジカル発 生剤等を配合することができる。 配合できる可塑剤としては、ジオクチルフタレート、トリオクチルトリメリテ ート、トリイソデシルトリメリテート、ジイソデシルフタレート、オレイン酸ア ミドおよびステアリン酸アミド等が挙げられ、これらをポリオレフィン系樹脂1 00重量部に対し1〜100重量部、好ましくは5〜40重量部配合することに より、得られる多孔性フィルム11の柔軟性等を向上させることができる。 配合できるラジカル発生剤としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチ ル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5 −ビス(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチル ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチ ルペルオキシドの過酸化物が挙げられ、これらをポリオレフィン系樹脂100重 量部に対し0.0001〜0.1重量部配合することにより、得られる多孔性フ ィルム11の引裂き強度等を向上させることができる。 さらに、樹脂組成物(a)には、熱安定剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤な どの公知の添加剤を、多孔性フィルムの物性を損なわない範囲で配合することが できる。
【0014】 多孔性フィルム11は、前記樹脂組成物(a)を溶融成形して未延伸のシート を得、これを延伸処理して得られたものである。 多孔性フィルム11を得るには、先ずポリオレフィン系樹脂、粒子状充填材、 および所望により配合可能な可塑剤等の添加剤を、ドラム型混合機、タンブラー 型混合機、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の通常 使用される混合機を用いて均一に混合して乾式混合された樹脂組成物(a)を得 、次いでこれを一軸または二軸スクリュー押出機、ミキシングロール、バンバリ ーミキサー、二軸混練機などを用いてペレット状の樹脂組成物(a)とするのが よい。
【0015】 ペレット状の樹脂組成物(a)を溶融成形して未延伸のシートとし、これを延 伸処理して目的とする多孔性フィルム11を得るには、通常のインフレーション 成形法またはTダイ押出し成形法が使用できる。 インフレーション成形法による場合には、円形ダイより円筒状の未延伸シート を押出し、常法により一軸延伸または二軸延伸される。Tダイ押出し成形法によ る場合には、Tダイより平板状の未延伸シートを押出し、常法により一軸延伸ま たは二軸延伸される。これらの一軸延伸、二軸延伸は、一段でも二段以上の多段 処理でも差し支えなく、二軸延伸は同時二軸延伸でも逐次二軸延伸のいずれであ ってもよいが、この際の延伸処理は、面積倍率で1.2〜8倍の範囲であること が好ましい。また延伸処理後に熱固定処理を施すことにより、多孔性フィルム1 1の寸法安定性を向上させることができる。さらに熱固定処理後の多孔性フィル ム11には、本考案の目的を損なわない限り、コロナ処理、フレーム処理等の表 面処理を施すこともできる。
【0016】 このようにして得られる多孔性フィルム11には、延伸処理によりフィルムの 全面に亘り粒子状充填材の各粒子を核とした微細孔が形成されており、多孔性フ ィルム11は、このような微細孔が形成されていることにより、水蒸気等の気体 は透過させるが液滴状の水の浸透を防ぐという性質を有し、透湿性と防水性とを 発揮するのである。 多孔性フィルム11の厚さは特に限定されず、原料として使用する樹脂組成物 (a)の種類や多孔性フィルム11自体の目標強度によって変えることができる が、通常は10〜200μmの範囲とするのが好ましい。
【0017】 多孔性フィルム11は、透湿度500gH2O/m2・24hr.以上、好まし くは1000〜10000gH2O/m2・24hr.の範囲であり、耐水圧50 0mmH2O以上、好ましくは1500mmH2O以上のものであるものが望まし い。ここで、透湿度とはJIS Z−0208に準拠し、温度30℃、相対湿度 90%にて測定した値をいい、耐水圧とはJIS L−1092に準拠して測定 した値をいう。 透湿度が500gH2O/m2・24hr.以上である多孔性フィルム11は、 これに後記の割繊維不織布12を積層して透湿性防水シート1となしたとき、こ の透湿性防水シート1は水蒸気を良好に透過させることができ好適であり、多孔 性フィルム11の耐水圧が500mmH2O以上であると、良好な防水性を示す 透湿性防水シート1が得られ、好適である。
【0018】 本考案に係る透湿性防水シートは、上記多孔性フィルム11に熱可塑性樹脂( b)よりなる特定の割繊維不織布12が、特定の接着面13により接着された構 造の複合シートである点に大きな特徴を有する。 本考案において割繊維不織布12とは、熱可塑性樹脂(b)を原料とする延伸 フィルムに細かな割目を入れて引き裂いた割繊維を素材とし、図1に示すように 、この割繊維を縦方向に約1〜5mmの間隔で配列された縦繊維12a、これと ほぼ直角方向に約1〜5mmの間隔で配列された横繊維12b、および好ましく は斜め方向に適宜な間隔で配列された斜繊維12cより構成され、これら各繊維 同士の重ね合わさった部分が熱融着により接合されてなるネット状の不織布をい う。
【0019】 割繊維不織布12を構成する熱可塑性樹脂(b)は、特に限定されず、多孔性 フィルム11用のポリオレフィン系樹脂のほか、ポエチレンテレフタレート等で あってもよいが、多孔性フィルム11と割繊維不織布12との接着性の観点から は、多孔性フィルム11を構成するポリオレフィン系樹脂と同種のものであるの が好ましい。
【0020】 割繊維不織布12は、その目付が20〜100g/m2 の範囲、かつ厚さが0 .07〜0.3mmの範囲のものである。目付および厚さが上記範囲の下限値よ りも小さいものは、腰が弱く補強効果に乏しく実用的でなく、また上記範囲の上 限値を超えるものは、柔軟性に欠けるうえコスト的にも不利である。
【0021】 このような割繊維不織布12は、厚さが25〜200μmの範囲の延伸フィル ムより得られた幅約0.2〜2mm程度の割繊維を原料とし、これらの割繊維を 上記のように縦方向および横方向に、好ましくはこれに加えて斜め方向にも重ね 合わせて積層し、重ね合わさった部分を熱融着させることによって製造できる。 このような割繊維不織布12は、使用する素材および特異なネット状構造に基 づき引裂き強度や耐変形性が極めて優れており、多孔性フィルム11の性能を阻 害することなくその補強材として有効に機能する。
【0022】 本考案に係る透湿性防水シート1は、多孔性フィルム11と上記特定の割繊維 不織布12とが、互いに交差しない複数条の接着面13により接着されたもので ある。 多孔性フィルム11と割繊維不織布12とを接着する複数条の接着面13は、 互いに交差しない複数条に形成されている限り特に制限はなく、例えば複数の直 線状、複数の曲線状または折線状等に形成されていることができる。また、各接 着面の幅や相互の間隔は特に限定されるものではなく、目的とする接着強度に応 じ適宜決定することができる。通常は幅1〜4mmの範囲、間隔5〜20mmの 範囲とされるが、多孔性フィルム11と割繊維不織布12の材質、接着方法、用 いる接着剤の種類等により適宜変更することができる。
【0023】 多孔性フィルム11と割繊維不織布12との接着は、接着剤を用いてなされて いてもよいし、接着剤を用いず熱圧着によりなされていてもよい。 いずれの接着方法により積層されたものであっても、接着面13においては多 孔性フィルム11の透湿能が犠牲になるので、所望の接着強度が確保される限り 、透湿性防水シート1の全面積に対する接着面13の面積割合は、極力小さい方 が好ましい。好ましい接着面の面積割合は、透湿性防水シート1の全面積の10 〜40%の範囲であり、接着面の割合がこの範囲である透湿性防水シートは、良 好な接着強度を有し、かつ優れた透湿性を発揮する。 本考案に係る透湿性防水シート1は、前記多孔性フィルム11の片方の面また は両方の面に上記割繊維不織布12が接着された構造を有するものであるが、通 常は割繊維不織布12が多孔性フィルム11の片方の面だけに接着されたもので も十分な強度を有する。
【0024】 本考案に係る透湿性防水シート1は、多孔性フィルム11と割繊維不織布12 とを、押出コーティング法、ホットメルト法、接着剤ラミネーション法、または 熱圧着法等の従来より公知の積層方法によって接着することにより容易に製造す ることができる。
【0025】 押出コーティング法による場合には、押出機の先端に設けられたTダイから複 数の細いストランド状に押出された溶融状態の接着性樹脂を、例えば多孔性フィ ルム11の接着面にコーティングし、直ちに割繊維不織布12を重ね合わせて圧 着すればよい。この場合の接着性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン 、またはこれらの混合物等のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。 特に、多孔性フィルム11がポリエチレンを基材とするものであり割繊維不織 布12がポリプロフピレンよりなるものであるときには、接着性樹脂としてポリ エチレンとポリプロピレンとの混合物を用いて接着するのが、強度に優れ好まし い。
【0026】 ホットメルト法による場合には、複数のノズルから細いストランド状に押し出 された溶融状態のホットメルト接着剤を、例えば多孔性フィルム11の接着面に コーティングし、直ちに割繊維不織布12を重ね合わせて圧着すればよい。この 場合のホットメルト接着剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソ ブチレン、および酢酸ビニル−エチレン共重合体等の各種の熱可塑性樹脂が挙げ られる。
【0027】 また、接着剤ラミネーション法による場合には、ウェットラミネーション法ま たはドライラミネーション法のいずれも採用できる。接着剤としては、ウェット ラミネーション法には酢酸ビニルエマルションや各種の水系接着剤が使用でき、 ドライラミネーション法にはポリウレタン系またはイソシアネート系等の溶剤型 の接着剤が使用できる。これらの接着方法においては、表面に接着面の形状に対 応する凹部が設けられ、凹部に保持された接着剤を例えば多孔性フィルム11の 接着面13となる位置に転写できるグラビアロールを使用すればよい。
【0028】 さらに、熱圧着法による場合には、熱圧着ロールとして表面に接着面の形状に 対応する凸部が設けられた一対のロールを使用し、割繊維不織布12に接する方 のロールを高温とし、多孔性フィルム11に接する方のロールを低温にするのが よい。多孔性フィルム11に接する方のロールを低温にするのは、熱圧着ロール からの加熱による多孔性フィルム11のダメージを避けるためである。 いずれの接着方法による場合であっても、多孔性フィルム11の重要特性であ る透湿性を最大限に生かすため、所望の接着強度が確保される限り、接着面13 の面積を極力小さくすることは、前記のとおりである。
【0029】 本考案に係る透湿性防水シート1の使用方法としては、図4に示すように、家 屋等の建築物の壁面に内設される断熱材を保護する防水シートとして、断熱材層 4の通気層5の側に断熱材を覆うように設ける。家屋等の壁体の内部においてこ のように配置して使用すると、室内の水蒸気(湿気)が、経時的に内装材2や防 湿シート3を通して、またはコンセントボックスや水道配管との継目の隙間から 断熱材層4へ流入しても、断熱材層内の水蒸気は、透湿性防水シート1を迅速に 透過し、直ちに通気層5の空気流の中へ放散されるので、断熱材層内では結露の 恐れがないばかりか、断熱材が常に乾燥状態に保たれるので、断熱材の性能が十 分に発揮され、勿論結露水による壁体の構造部材等が腐食する心配も解消される 。
【0030】 また、本考案に係る透湿性防水シート1に用いている多孔性フィルム11には 、水蒸気は透過させるが液滴状の水の浸透を防ぐ程度の微細孔しか設けられてい ないので、通気層5が結露する条件になり透湿性防水シート1の表面で結露水が 発生してもこれが断熱材層4の中へ浸透することはない。さらに、外装材6を施 工する前の工事途中に、透湿性防水シート1が外表面として風雨に曝されても、 雨水を浸透させず、また優れた強度を有するので強風を受けても破損する心配が ない。
【0031】
【作用】
本考案に係る透湿性防水シート1は、優れた透湿性と防水性とを有する多孔性 フィルム11と引裂き強度に優れ耐変形性に強い割繊維不織布12とが、互いに ほぼ平行な複数条の接着面13により部分的に接着された構造を有するので、多 孔性フィルム11の特性である透湿性と防水性とを十分に活かすことができると ともに、補強材として積層されている割繊維不織布12の作用により、引裂き強 度や耐変形性に強いものとなっている。 また、多孔性フィルム11と割繊維不織布12が、両者の全面で接着されてお らず、本考案に規定するような部分的な接着により積層されているので、両者の 収縮率に差異があっても剥離する心配がない。
【0032】
【考案の効果】
本考案に係る透湿性防水シートは、次のような優れた効果を奏し、その利用価 値は極めて大である。 (1)本考案に係る透湿性防水シートは、割繊維不織布によって補強されている ので、引裂き強度等が優れ、かつ適度な柔軟性を有し、取扱いが容易であるばか りでなく、優れた耐久性を有する。 (2)本考案に係る透湿性防水シートは、すべてプラスチックを素材としており 、軽量である。 (3)本考案に係る透湿性防水シートは、カッター(ナイフ)による切断加工が 簡単にできるので、施工が容易である。 (4)本考案に係る透湿性防水シートは、優れた透湿性を有するので、断熱材の 覆いとして使用したときに、経時的に断熱材層の中に流入した水蒸気を通気層側 へ容易に放散させることができ、断熱材の吸湿や断熱材層での結露現象を起こさ せず、断熱材の性能低下を防止できる。 (5)本考案に係る透湿性防水シートは、防水性にも優れているので、断熱材の 覆いとして使用したときに、通気層側からの結露水や工事途中の雨等が断熱材層 へ浸透するのを防止できる。 (6)本考案に係る透湿性防水シートは、防風性にも優れており、断熱材の覆い として使用したときに、通気層中を流れる通気(風)の断熱材層への自由な出入 りを遮断するので、断熱材の機能を十分に発揮させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案に係る透湿性防水シートの一実
施態様例を示す平面略図である。
【図2】図2は、図1に示す透湿性防水シートに配置さ
れた接着面の平面略図である。
【図3】図3は、図1に示す透湿性防水シートのA−
A’矢視断面略図である。
【図4】図4は、本考案に係る透湿性防水シートの使用
状態の一例を示す断面略図である。
【符号の説明】
1: 透湿性防水シート 11: 多孔性フィルム 12: 割繊維不織布 12a: 割繊維不織布を構成する縦繊維 12b: 割繊維不織布を構成する横繊維 12c: 割繊維不織布を構成する斜繊維 13: 接着面 2: 内装材 3: 防湿シート 4: 断熱材層 5: 通気層 6: 外装材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 Z 8115−4F E04B 1/70 D 1/80 Q // B29K 105:04 B29L 7:00

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂に粒子状充填材が
    配合されてなる樹脂組成物(a)を溶融成形してなるシ
    ートを延伸処理して得られた多孔性フィルム11の少な
    くとも片面に熱可塑性樹脂(b)よりなる割繊維不織布
    12が積層されてなる透湿性防水シートにおいて、前記
    割繊維不織布12は目付が20〜100g/m2の範
    囲、厚さが0.07〜0.3mmの範囲であり、多孔性
    フィルム11と割繊維不織布12とが、互いに交差しな
    い複数条の接着面13により接着されてなることを特徴
    とする透湿性防水シート。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物(a)が、ポリオレフィン系
    樹脂100重量部に対し粒子状充填材25〜400重量
    部が配合されてなる組成物であることを特徴とする請求
    項1記載の透湿性防水シート。
  3. 【請求項3】 延伸処理が、一軸または二軸延伸であ
    り、延伸倍率が面積倍率1.2〜8倍の範囲であること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の透湿性防水
    シート。
  4. 【請求項4】 多孔性フィルム11が、透湿度500g
    2O/m2・24hr.以上、耐水圧500mmH2
    以上のものであることを特徴とする請求項1〜請求項3
    のいずれかに記載の透湿性防水シート。
  5. 【請求項5】 接着面13の面積割合が、透湿性防水シ
    ート1の全面積の10〜40%の範囲であることを特徴
    とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の透湿性防
    水シート。
  6. 【請求項6】 多孔性フィルム11と割繊維不織布12
    とが、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合物よりな
    る接着剤により接着されてなることを特徴とする請求項
    1〜請求項5のいずれかに記載の透湿性防水シート。
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