JP4497710B2 - 透湿性フィルム・不織布積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透湿性フィルム・不織布積層体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、不織布と透湿性フィルムとが、接着性樹脂を介して積層された透湿性フィルム・不織布積層体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパンボンド不織布に代表される不織布は、近年さまざまな用途に使用されてきている。そして、その用途に応じて各種特性の向上が要求される。例えば、紙おむつのギャザー、生理用ナプキン等の衛生材料の一部、湿布材の基布等に用いられる不織布は、耐水性があり透湿性に優れることが要求される。また使用される箇所によっては加えて伸縮性にも優れることが要求される。
【0003】
例えば紙おむつ等の衛生材料は、体液を吸収して保持する吸収材を、吸収性物品の内側のフェーシング材と、外側のバックシートとで包み、内包する構造を有する。フェーシング材は、肌と接触し排出される体液を透過させて内部の吸収材に吸収させるとともに吸収材から体液を逆戻りさせない機能が求められる。一方、バックシートは内部の吸収材に吸収された体液を外部に漏らさない耐水性とともに、内側に生じる湿気によるムレを防止し吸収性物品の内部の湿気を透過させて外部に散逸させるために適度な透湿性を有することが求められる。さらに、このバックシートは衛生材料の外表面を構成するため、風合いに優れ良好な触感を有することが求められる。
【0004】
風合いや触感に優れ、耐水性と透湿性を有する不織布としては、メルトブロー法によって紡糸した不織布や、それにスパンボンド不織布を積層して強度をあげたものなどがあるが、衛生材料等の用途では耐水性が不充分である。そのため、外表面として不織布を、内側の層に多孔質のポリエチレンフィルムを使用した複層シートが用いられている。しかし、従来のバックシートに用いられる複層シートは、ポリエチレンフィルムの多孔化工程や、不織布と多孔質ポリエチレンフィルムをホットメルト接着剤で接着する接着工程が加わるなど多くの工程を要し、製造工程が煩雑となってコストアップの要因になっていた。また、従来のバックシートに用いられる複層シートは、伸縮性にも劣っている。
【0005】
現在、主として使い捨ておむつ等のウェスト部材、サイドパネル、サイドギャザー等の伸縮性シートに使用されているのは、伸長させたゴムひもに不織布を接着して襞を形成した伸縮性不織布である。これには、硬さ感があり風合いに劣るとともに、接着にホットメルト型接着剤が用いられるので加工工程が複雑になり高コストとなるという問題点があった。
【0006】
伸縮性を有する不織布としては、これまで、熱可塑性エラストマーまたはオレフイン重合体を含む熱可塑性エラストマー組成物を用いメルトブロー法によって成形した不織布や、潜在捲縮繊維からなる不織布が知られている。前者の不織布は、一般的なオレフイン重合体からなる不織布に比べて、目付量当たりの破断強度が弱いため、所要の強度のものを得るためには高目付量にしなければならず、高コストとなる。また、後者の潜在捲縮繊維からなる不織布では、その伸縮性は繊維の捲縮・伸長にともなう構造変化によって発現するため、伸縮性には限界があり小さい伸びのものにとどまり、さらに所要の強度を得るためには、高目付化が必要となり高コストにならざるを得ない。そして、両者とも耐水性は不十分なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、強度、風合いに優れるとともに、耐水性に優れ、製造加工が容易な透湿性フィルム・不織布積層体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、横方向の伸長率が100%以上の不織布と、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマーから選ばれるいずれかの重合体であって透湿係数が0.02g/m/day以上である重合体からなる透湿性フィルムとが、ストランド状に押出された接着性樹脂を介して接着されてなる透湿性フィルム・不織布積層体が提供される。
【0009】
本発明に係る透湿性フィルム・不織布積層体では、前記透湿性フィルムが無孔フィルムであることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記ストランド状に押出された接着性樹脂が、不織布の流れ方向に平行に、複数本の筋状に配置されており、ストランドの径が、0.01mm以上、0.5mm以下であり、配置されたピッチ間隔が0.02mm以上、10mm以下である態様は、本発明の好ましい態様である。
【0011】
また、前記不織布がオレフィン重合体からなり、接着性樹脂が極性基含有エチレン系重合体である態様は、本発明の好ましい態様である。
【0012】
また、前記極性基含有エチレン系重合体が、エチレンとアクリル酸エチルの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとメタクリル酸の共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンとアクリル酸エチルの共重合体を不飽和カルボン酸で変性した変性樹脂、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンを共重合して得られる低結晶性共重合体を不飽和カルボン酸で変性した変性樹脂から選ばれる少なくとも一種である態様は、本発明の好ましい態様である。
【0013】
本発明によれば、透湿度が1000g/m2・day以上であり、耐水圧が1000mmAq以上である前記の透湿性フィルム・不織布積層体提供される。
【0014】
さらに本発明によれば、前記不織布上に、同一ダイより押出されるストランド状の接着性樹脂と透湿性フィルムとがこの順に押出しラミネートされた後、チルロールによって冷却し積層一体化することからなる前記の透湿性フィルム・不織布積層体の製造方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る透湿性フィルム・不織布積層体は、不織布と透湿性フィルムとが、ストランド状に押出された接着性樹脂を介して積層されている。
以下に、不織布、透湿性フィルム、接着性樹脂およびそれらを積層した透湿性フィルム・不織布積層体について具体的に説明する。
【0016】
不織布
本発明で用いることのできる不織布は、熱可塑性樹脂からなるものであり、成形・加工性の点で好ましくはオレフイン重合体からなるものである。オレフイン重合体としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどの炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンの単独重合体、または他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。他のα−オレフィンとしては、上記ものと同じオレフィンを挙げることができる。
【0017】
具体的には、エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどの他のα−オレフィンとの共重合体などのエチレン重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンなどの他のα−オレフィンとの共重合体などのプロピレン重合体、ポリブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンなどを挙げることができる。
【0018】
エチレン重合体としては、エチレン単独重合体および他のα−オレフィンを10モル%以下程度含有する共重合体などが好ましく使用される。またプロピレン重合体としては、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。これらの中でも、プロピレンと少量のエチレンとからなり、エチレンに由来する構造単位含有量が5モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体がとくに好ましく使用される。
これらのオレフイン重合体は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
本発明に係る不織布の製造法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法などのいずれでも良いが、生産性が良く、高強度のものが得られる点でスパンボンド法が好ましい。
本発明において、不織布がスパンボンド法不織布である態様は、本発明の好ましい態様の一つである。
【0020】
本発明では、不織布として横伸長性不織布が好ましい。横伸長性不織布とは、横方向の伸長率が100%以上、好ましくは150%以上のものである。伸長率が100%以上とは、引張試験において不織布が破断するまでの伸び率が100%以上ということである。横伸長性不織布の好ましい製造方法としては、スパンボンド法で製造した不織布を、樹脂の融点より20〜40℃低い温度で縦方向に延伸処理する方法が挙げられる。これにより、横方向の大きな伸長度を得ることができる。
なお、本発明において「縦方向」とは、不織布の形成時にウェブの流れ方向に平行な方向(MD)であり、「横方向」とは、ウェブの流れ方向に垂直な方向(CD)である。
【0021】
また、本発明において不織布として好ましく用いられるのは、上記オレフィン重合体の単繊維からなる不織布、および芯鞘型またはサイドバイサイド型などの複合繊維からなる不織布である。複合繊維とは、一つの樹脂と、それとは性質の異なる他の樹脂とから構成されるものである。なかでも、一つの樹脂からなる鞘部と、他の樹脂からなる芯部とから構成される芯鞘型複合繊維、または一つの樹脂部と他の樹脂部との二つの樹脂部から構成されるサイドバイサイド型複合繊維を好適な例として挙げることができる。
本発明において、不織布が、芯鞘型複合繊維、またはサイドバイサイド型複合繊維である態様は、本発明の好ましい態様である。
【0022】
芯鞘型複合繊維としては、繊維断面において、円形状の芯部が中心を同じくするドーナツ状の鞘部に包まれる同芯型でもよいし、また、芯部の中心と鞘部の中心が一致しない偏芯型でもよい。また、芯部が繊維表面に部分的に露出した偏芯の芯鞘型複合繊維であってもよい。これらの中では、伸長性に優れる偏芯芯鞘型の捲縮複合繊維が好ましい。
【0023】
芯鞘型複合繊維の鞘部を形成する樹脂としては、上記オレフィン重合体から適宜選択できるが、不織布の風合いの点でエチレン系重合体が好ましい。本発明で用いられるエチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体、またはエチレンと、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
【0024】
芯鞘型複合繊維の芯部を形成する樹脂も、上記オレフィン重合体から適宜選択できるが、プロピレン系重合体が好ましい。プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。これらの中でも、プロピレンと少量のエチレンとからなり、エチレンに由来する構造単位含有量が5モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体がとくに好ましい。この共重合体を用いると、紡糸性が良好で、複合繊維の生産性に優れ、良好な柔軟性を有し触感に優れる不織布が得られる。
【0025】
また、芯鞘型複合繊維の芯部を形成する樹脂が、メルトフローレート(ASTM D1238に準拠した温度230℃、荷重2.16kgにおける測定値;MFRaと示す)0.5〜100g/10分のプロピレン系重合体である場合に、鞘部を形成する樹脂として、メルトフローレート(ASTM D1238に準拠した温度230℃、荷重2.16kgにおける測定値;MFRbと示す)の異なるプロピレン系重合体であって、両者のメルトフローレートの値が、MFRa/MFRb≧1.2、またはMFRa/MFRb≦0.8の関係を満足するプロピレン系重合体であると好ましい。このメルトフローレートの差によって伸長性に優れる捲縮複合繊維が得られ易くなる。
【0026】
鞘部の樹脂と芯部の樹脂との重量構成比(鞘部/芯部)は、2/8〜8/2の範囲にあることが好ましい。
また、芯鞘型複合繊維の繊度は、通常4d(デニール)以下であり、より柔軟性に優れた不織布が得られる点で、3d以下であることが望ましい。
【0027】
サイドバイサイド型複合繊維は、一つの樹脂部と、それとは性質の異なる他の樹脂部とから構成されている。このサイドバイサイド型複合繊維を形成する各樹脂は、それぞれ上述した芯鞘型複合繊維を形成する鞘部を形成する樹脂および芯部を形成する樹脂と同じである。
【0028】
サイドバイサイド型複合繊維は、各樹脂部の重量構成比は、2/8〜8/2の範囲にあることが好ましく、特に捲縮複合繊維が得られ易い点で、3/7〜7/3の範囲にあることが好ましい。
またサイドバイサイド型複合繊維の繊度は、通常4d以下であり、より柔軟性に優れた不織布が得られる点で、3d以下であることが望ましい。
【0029】
本発明に好適に用いられる不織布は、好ましくは上記のような芯鞘型またはサイドバイサイド型複合繊維からなる不織布であり、例えばスパンボンド法により製造される。すなわち、芯鞘型複合繊維の芯を構成する樹脂と、鞘を構成する樹脂とを、それぞれ別個に押出機等で溶融し、各溶融物を所望の芯鞘構造を形成して吐出するように構成された複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、芯鞘型の複合繊維を紡出させる。紡出された複合繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによって複合繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させて複合繊維のウェブを得る。これにより、高強度の不織布が得られるとともに、偏心芯鞘型にすることにより伸長性の捲縮複合繊維とすることができる。
【0030】
その後、エンボスロールを用いた熱エンボス加工で繊維を交絡させることによって調製する。熱エンボス加工におけるエンボス面積率(刻印面積率:不織布における熱圧着部分の占める割合)は、用途に応じて適宜決定することができる。通常、エンボス面積率を5〜40%の範囲内にすると、柔軟性、通気度および摩擦堅牢度がバランス良く優れる複合繊維不織布が得られる。
【0031】
また、上記芯鞘型複合繊維用複合紡糸ノズルに代えて、サイドバイサイド型複合繊維用複合紡糸ノズルを用いれば、本発明に係るサイドバイサイド型複合繊維からなる不織布を得ることができる。これにより、高強度の不織布が得られるとともに、伸長性の捲縮複合繊維とすることができる。
本発明において、不織布が捲縮複合繊維である態様もまた、本発明の好ましい態様である。
【0032】
本発明に係る不織布は、通常、目付が30g/m2以下の不織布が柔軟性を必要とする用途には適しているが、用途に応じては30g/m2を超える高目付の不織布であってもよい。
【0033】
透湿性フィルム
本発明の透湿性フィルム・不織布積層体に積層される透湿性フィルムの成形材料として用いられるのは、透湿性を有する無孔のフィルムを形成できる熱可塑性の重合体である。なかでも、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマーから選ばれるいずれかの重合体であって、JIS Z0208のカップ法に準拠して測定される透湿係数が0.02g/m/day以上のものが好ましい。
【0034】
ポリウレタン系エラストマーとして熱可塑性のものは、ハードセグメントとして短鎖ポリオール(分子量60〜600)とジイソシアナートの反応で得られるポリウレタンと、ソフトセグメントとして長鎖ポリオール(分子量600〜4000)とジイソシアナートの反応で得られるポリウレタンとのブロックコポリマーが例示される。ジイソシアナートとしては、トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナートなどがあげられ、短鎖ポリオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ビスフェノールAなどがあげられる。
【0035】
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリカプロラクトングリコールなどのポリラクトンエステルポリオールに短鎖ポリオールの存在下ジイソシアナートを付加重合したもの(ポリエーテルポリウレタン);ポリ(エチレン-1,4-アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン-1,4-アジペート)グリコールなどのアジピン酸エステルポリオールに短鎖ポリオールの存在下ジイソシアナートを付加重合したもの(ポリエステルポリウレタン);テトラヒドロフランの開環で得られたポリテトラメチレングリコールに短鎖ポリオールの存在下ジイソシアナートを付加重合したものなどが例示される。
市販品としては、ブルコラン(バイエル社製)、ケミガムSL(グッドイヤー社製)、アジプレン(デュポン社製)、バルカプレン(ICI社製)〔いずれも商標名〕などが挙げられる。
【0036】
ポリエステル系エラストマーとしては、芳香族ポリエステルに由来する下記式(I)で表される構造単位をハードセグメントに、脂肪族ポリエーテルに由来する下記式(II)で表される構造単位をソフトセグメントにし、それらがブロック共重合したブロックコポリマーが例示される。
【0037】
【化1】
【0038】
上記式中、Dは分子量が約250以下のジオールから2つのヒドロキシル基を除いた2価の残基であり、Rは分子量が約300以下のジカルボン酸から2つのカルボキシル基を除いた2価の残基であり、Gは平均分子量が約400〜約3500のポリ(アルキレンオキサイド)グリコールから両末端のヒドロキシル基を除いた2価の残基である。ここで、ポリ(アルキレンオキサイド)グリコールのコポリエーテルエステルである式(II)で表される構造単位に挿入されるエチレンオキシド基の量は、コポリエーテルエステルの全重量に対して約25〜68重量%である。本発明において特に前記芳香族ポリエステルがテトラメチレンテレフタレートであり、前記脂肪族ポリエーテルがアルキレンエーテルテレフタレートであると好ましい。具体的にはポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレンエーテルグリコールブロック共重合体などが挙げられる。
市販品としては、ハイトレル(デュポン社製、登録商標)がある。
【0039】
ポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミドをハードセグメントに、ガラス転移温度の低いポリエステルまたはポリオールのジオールをソフトセグメントに用いたマルチブロックコポリマーが例示される。ここで、ポリアミド成分としては、ナイロン6、66、610、11、12などがあげられる。これらの中では、ナイロン6、ナイロン12が好ましい。ポリエーテルジオールとしては、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールなどがあげられ、ポリエステルジオールとしては、ポリ(エチレン-1,4-アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン-1,4-アジペート)グリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。具体例として、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体などが挙げられる。
市販品としては、ダイアミド(ダイセルヒュルス社製)、PEBAX(アトケム社製)〔いずれも商標名〕などがある。
【0040】
アイオノマーは、疎水性の高分子主鎖に、少量のイオン基を側鎖、末端鎖又は主鎖にもつ熱可塑性樹脂を言い、透湿性を有するアイオノマーであれば、種々のものを用いうる。
【0041】
本発明において好ましいアイオノマーとしては、不飽和カルボン酸の構造単位の含量が8〜30重量%であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体をベースポリマーとし、その中和度が50%以上のアルカリ金属アイオノマーが好ましい。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを代表例として例示することができる。これらの中ではアクリル酸またはメタクリル酸が最も好ましい。
【0042】
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の中和に用いられる、アルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムがあげられる。ここで、中和度とは、ベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体中に存在するカルボキシル基うち、アルカリ金属イオンとの反応によって失われる度合(カルボキシル基のモル数を基準とする%で表す。)を示す。
【0043】
これらの中では、透湿性に優れる点で、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーが好ましく、とりわけ伸縮性を兼ね備えたポリウレタン系エラストマーが特に好ましい。
また、本発明においては、必要に応じて、エラストマー材料に、本発明の目的を損なわない範囲で、着色剤、耐熱安定剤、滑剤、核剤、他の重合体などを配合することができる。
【0044】
接着性樹脂
本発明において、不織布と透湿性フィルムとの間に形成されるストランド状に押出された接着性樹脂は、押出し成形のできる接着性を有する重合体であれば、特に制限されないが、本発明においては、極性基含有エチレン系重合体からなるものが好ましい。この極性基含有エチレン系重合体は、不織布と透湿性フィルムとの接着剤として機能するとともに、好ましくは、透湿性フィルム及び不織布の伸縮に追従する伸縮性を有するものである。
【0045】
本発明で使用される極性基含有エチレン系重合体は、エチレンと極性基を含有するモノマーとの共重合体であってもよいし、エチレン重合体を極性基を含有する不飽和化合物で変性した重合体であってもよい。
【0046】
エチレンと極性基を含有するモノマーとの共重合体は、例えば、エチレンと極性基を含有するモノマーとを高温高圧下、有機過酸化物または酸素の存在下にラジカル重合反応させて得ることができる。
【0047】
本発明では極性基含有モノマーとして、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、塩化ビニルなどが挙げられる。これらの中では、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、酢酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に耐熱性に優れ高温加工ができる点で、アクリル酸エチルが好ましい。
【0048】
本発明では極性基含有エチレン系重合体として、エチレンとアクリル酸エチルの共重合体(以後EEAと略することがある)を使用することができる。該共重合体において、アクリル酸エチルの含有量は、接着性、コストおよび透湿性の点で通常は10〜40重量%であるが、好ましくは15〜30重量%である。またメルトフローレート(ASTM D1238に準拠した温度190℃、荷重2.16kgにおける測定値)は、通常は5〜500g/10分、好ましくは10〜100g/10分である。アクリル酸エチル含有量とメルトフローレートがこの様な範囲にあれば、成形性と接着性に優れた共重合体が得られる。
市販品としては、三井・デュポンポリケミカル社製のエバフレックスTM−EEA(例えば銘柄A−707)などが挙げられる。
【0049】
本発明では極性基含有エチレン系重合体として、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体(以後EVAと略することがある)を使用することができる。該共重合体において、酢酸ビニルの含有量は、接着性、コストおよび透湿性の点で、通常は10〜50重量%であるが、好ましくは10〜40重量%である。またメルトフローレート(ASTM D1238に準拠した温度190℃、荷重2.16kgにおける測定値)は、通常は5〜500g/10分、好ましくは10〜100g/10分である。酢酸ビニル含有量とメルトフローレートが、この様な範囲にあれば、成形性と接着性に優れた共重合体が得られる。
市販品としては、三井・デュポンポリケミカル社製のエバフレックスTM(例えば銘柄P−2807)などが挙げられる。
【0050】
本発明では極性基含有エチレン系重合体として、エチレンとメタクリル酸との共重合体を使用することができる。該共重合体において、メタクリル酸の含有量は、接着性、コストおよび透湿性の点で、通常は10〜40重量%、好ましくは10〜20重量%である。またメルトフローレート(ASTM D1238に準拠した温度190℃、荷重2.16kgにおける測定値)は、通常は5〜100g/10分、好ましくは10〜80g/10分である。メタクリル酸含有量とメルトフローレートが、この様な範囲にあれば、成形性と接着性に優れた共重合体が得られる。
市販品としては、三井・デュポンポリケミカル社製のニュ−クレルTMなどが挙げられる。
【0051】
本発明では極性基含有エチレン系重合体として、エチレン系アイオノマー樹脂を使用することができる。本発明にかかわるエチレン系アイオノマー樹脂とは、エチレンと不飽和カルボン酸の共重合体の金属塩である。
市販品としては、メタクリル酸を酸モノマーとするハイミランTM(三井・デュポンポリケミカル社製)などが挙げられる。
【0052】
本発明では、極性基含有エチレン系重合体として、極性基を含有する不飽和化合物で変性した重合体を使用することができる。エチレン重合体としては、前記したと同様の例を挙げることができるが、比較的多量のα−オレフィンを含有するエチレンとα−オレフィンとの共重合体も例として挙げることができる。これらのエチレン重合体は、高結晶性であっても、低結晶性であってもよい。エチレン重合体の変性に使用されうる極性基含有不飽和化合物としては、上記したエチレンと共重合させる極性基含有モノマーであってもよいし、その他の極性基含有不飽和化合物であってもよい。好ましい極性基含有不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸およびその酸無水物を挙げることができる。
【0053】
不飽和カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸の登録商標)、アクリル醸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、または、その誘導体、例えば上記不飽和カルボン酸の酸無水物、イミド、アミド、エステル等を挙げることができ、具体的には、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、グリシジルマレート等を例示することができる。これらの中では、不飽和カルボン酸またはその酸無水物が好ましく、特に、マレイン酸、ナジック酸、それらの酸無水物が好ましい。
【0054】
本発明では極性基含有エチレン系重合体として、エチレンと極性基含有モノマーとの共重合体を、上記極性基含有不飽和化合物で変性したものを用いてもよい。例えば、前記のアクリル酸エチルの共重合体を不飽和カルボン酸で変性した変性樹脂を使用することができる。このように変性した樹脂を使用した場合には、未変性の樹脂を使用した場合に比べて透湿性フィルムおよび不織布との接着強度を向上できるので好ましい。本発明で使用される変性樹脂は、その変性割合を示すグラフトモノマー含量は通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
具体的には、EEAを無水マレイン酸で変性した樹脂が市販されている。
【0055】
本発明では必要に応じて、極性基含有エチレン系重合体に、前記した透湿性エラストマーや、粘着性樹脂、あるいは無機フィラーを添加して使用することもできる。
【0056】
該粘着性樹脂としては脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン樹脂などを例示できる。又、無機フィラーとしては炭酸カルシウム、タルク、クレイ、硫酸バリウムなどを例示できる。
【0057】
この場合の添加量は、接着性樹脂の100重量部に対して、透湿性エラストマーは通常5〜50重量部、好ましくは5〜20重量部であり、粘着性樹脂は通常0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部であり、無機フィラーは通常10〜60重量部、好ましくは20〜40重量部である。本発明の目的を損なわない範囲で、更に上記の添加剤以外に着色剤、耐熱安定剤、滑剤、核剤、他の樹脂などの添加剤を配合することができる。
【0058】
透湿性フィルム・不織布積層体
本発明に係る透湿性フィルム・不織布積層体は、前記透湿性フィルムの片面または両面に、前記の不織布が上述したストランド状に押出された接着性樹脂を介して積層されたものである。
【0059】
本発明において、ストランド状に押出された接着性樹脂は、不織布の流れ方向(縦方向)に平行に、複数本の筋状に配置されていることが好ましい。押出されるストランドの径は、0.01mm以上、0.5mm以下であり、筋状に配置された接着性樹脂のピッチ間隔は0.02mm以上、10mm以下であることが好ましい。このようにすることにより、透湿性フィルムと不織布との実用上十分な接着強度が得られ、接着透湿性に劣る接着性樹脂の積層面積を減らして、透湿性を確保するとともに、横方向への伸長または伸縮に追随することも可能となる。
【0060】
不織布と透湿性フィルムを積層する方法として、予め不織布上に、接着性樹脂をストランド状に押出して、不織布の縦方向に平行に筋状に配置した後、透湿性フィルムを接着性樹脂の上に重ね、加熱ロール等で圧着することもできるが、この場合、接着樹脂が一旦固化するため透湿フィルムを押出ラミネートしても接着強度を得にくい。
【0061】
本発明において不織布と透湿性フィルムを積層する好ましい方法は、予め形成した不織布に、透湿性フィルムと接着性樹脂を共押出しラミネーションして接着する方法である。この押出しラミネーションの方法によれば、従来行われている上記したようなホットメルト型接着剤による貼りあわせ工程がなくなり、またフィルムの成形と同時に不織布との接着が行えるなど加工工程が簡略化されるので、コストダウンが計れる。
【0062】
押出しラミネーションによる方法を図1にしたがって説明する。押出機1に透湿性フィルム材料を供給し、押出機2に接着性樹脂を供給する。それぞれの押出機で溶融された溶融樹脂をダイ3に導き、同一のダイ3から、透湿性フィルム材料からなるフィルムと、接着性樹脂からなる多条のストランドを押出し成形する。一方、予め例えばスパンボンド法で製造された不織布に必要により延伸処理して得られた不織布を、繰り出しロール4からニップロール6に導く。その間、不織布にコロナ放電処理5を行って接着性向上のための表面改質をすることができる。ニップロールはフラットロールが好ましい。
【0063】
多層フィルムダイ3から押出された透湿性フィルム材料からなるフィルムと、接着性樹脂からなる多条のストランドは、それが冷却固化する前にニップロール6とチルロール7の間に導かれ、ストランド状の接着性樹脂が不織布に接するようにして両ロール間を通されて加圧接着される。同時に積層体はチルロールにより冷却固化され、接着一体化された透湿性フィルム・不織布積層体は巻き取りロール8に巻き取られる。
【0064】
図2は、得られた透湿性フィルム・不織布積層体の断面該略図を示しており、bが不織布、aが透湿性フィルムの層で、両層がcのストランド状接着性樹脂を介して積層されている。
【0065】
図3は、透湿性フィルムとストランド状接着性樹脂を押出すダイ3の断面図(a)及び吐出口の部分図(b)を示す。
【0066】
発明においては、透湿性フィルムの目付は、用途により、その必要強度に応じて選ばれるが、たとえば、使い捨ておむつ等に用いられるバックシートの場合、5〜30g/m2、さらには8〜15g/m2であることが好ましい。透湿性フィルムのフィルムの目付は、大きくなり過ぎると透湿性が不十分となり、一方目付が小さくなり過ぎると低強度となり使用上問題となる恐れが有る。
【0067】
以上により得られた透湿性フィルム・不織布積層体は、層間接着強度が好ましくは20g/inch以上であり、さらに好ましくは40g/inch以上であり、透湿度が好ましくは1000g/m2・day以上であり、かつ耐水圧が1000mmAq以上、さらに好ましくは1500mmAq以上であることが望ましい。この透湿性フィルム・不織布積層体は、透湿度と耐水性に優れるとともに、層間接着強度も大きいので、医療材用、衛生材用、産業資材用などに好適に使用できる。特に、衛生材料用素材、包装材としての用途に好適で、具体的には、保護カバー、包装材、パップ材、上着、下着、生理用品、使い捨ておむつ、ルーフィング材、壁紙等に使用することができる。
【0068】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で得られた不織布の引張試験特性、伸長時の残留歪、層間接着強度の測定は、次の方法により行なった。
【0069】
(1)層間接着強度
幅25mmの短冊状に切り取ったフィルム・不織布積層体試料の端から長手方向に一部分予め不織布と透湿性フィルムとに剥離しておき、その剥離した両端を試験機(イソテスコ社製 MODEL2005型)の治具にチャック間距離50mmとなるように装着してT字状態にし(180度剥離)、剥離速度100mm/分の条件で、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で剥離してフィルム、不織布層間の接着強度(ドライ条件)を求めた。併せて、積層体試料を37℃湯浴中に24時間浸漬したものについても同様な条件で剥離して接着強度(ウェット条件)を求めた。
【0070】
(2)透湿度
JIS Z0208のカップ法に準じて行った。温度40℃、相対湿度90%の雰囲気から、透湿面積25cm2以上のサンプルを通して30分間で透過する水蒸気の質量を測定し、24時間、サンプル1m2当たりに換算して求めた。なお、水蒸気透過側の雰囲気は吸湿剤で乾燥状態にした。
【0071】
(3)耐水圧
JIS L1072A法(低水圧法)に準じて行った。約15×15cmの試験片を4枚ずつ採取し、耐水度試験装置(テスター産業(株)製)に試験片の表面が水に当てられるように取り付け、常温水が入れられた水準装置を60±3cm/分の速さで上昇させて試験片に水圧をかけ、試験片の反対側の3箇所から水が漏れたときの水位を測定し、その時の圧力から耐水圧を求めた。
(4)メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238準拠して、2.16kg荷重下に、温度190℃または230℃で測定した。
【0072】
(不織布の製造例)
密度が0.90g/cm2、MFR(230℃)が50g/10分、エチレン成分含量が4.7モル%のプロピレン・エチレンランダム共重合体と、密度が0.948g/cm2、MFR(190℃)が30g/10分、1-ブテン成分含量が4.0モル%のエチレン・1-ブテンランダム共重合体とを用い複合溶融紡糸を行って、芯部がプロピレン・エチレンランダム共重合体、鞘部がエチレン・1-ブテンランダム共重合体(芯部:鞘部の重量比=1:4)の同芯芯鞘型複合繊維を捕集面上に堆積させ目付量が18g/m2であるスパンボンド不織布(構成繊維の繊度2.7d、引張強度(MD)=1500g/25mm、引張強度(CD)=500g/25mm)を製造した。
【0073】
(実施例1)
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(ポリエステル系TPE、デュポン社製ハイトレルTM 3548、密度1.15g/cm3、融点154℃、MFR(190℃)10g/10分、透湿係数0.1g/m/day)を第1の押出機(成形温度パターン180℃/220℃/250℃)で押出し、接着性樹脂としてエチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA、三井・デュポンポリケミカル(株)製エバフレックスTM -EEA A-709)と前記EEAの無水マレイン酸変性物(MFR(190℃)7g/10分)とを重量比で9対1の割合でペレットブレンドしたものを、第2の押出機(成形温度パターン160℃/220℃/250℃)で押出し、同一ダイ(温度250℃)より、膜厚20μmのエラストマーフィルムと、ストランド径(平均値)0.05mmφ、ピッチ0.38mm、目付5g/m2の多数のストランド状EEA/変性EEA混合物を押出し成形した。
【0074】
一方上記製造例で得られたスパンボンド不織布を30m/分で繰り出し、30W/m2でコロナ放電処理したのちニップロール、チルロール間に導き、上記押出されたポリエステルエラストマーフィルム、ストランド状EEA/変性EEA混合物、スパンボンド不織布の順にラミネートし透湿性フィルム・不織布積層体を製造した。ロール条件は、温度40℃、速度30m/分である。このものの評価結果を表1に示す。
【0075】
(実施例2)
接着性樹脂として、エチレン・α−オレフィン共重合体(三井化学(株)製タフマーTMA)と低密度ポリエチレン(LDPE、三井化学(株)製ミラソンTM11P)との重量比92対8でのブレンド樹脂の無水マレイン酸変性物(酸変性量0.1重量%、MFR(190℃)28g/10分)100重量部に対して、粘着剤として脂環式飽和炭化水素系樹脂(荒川化学(株)製アルコンTMP125)15重量部を混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、透湿性フィルム・不織布積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0076】
(比較例)
接着性樹脂としてエチレン・α−オレフィン共重合体(三井化学(株)製タフマーTMA−20090)を用いた以外は、実施例1と同様にして、透湿性フィルム・不織布積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】
本発明の透湿性フィルム・不織布積層体は、透湿度と耐水性に優れるとともに、層間接着強度も大きいので、医療材用、衛生材用、産業資材用などに好適に使用できる。特に、衛生材料用素材、包装材としての用途に好適で、具体的には、保護カバー、包装材、パップ材、上着、下着、生理用品、使い捨ておむつ、ルーフィング材、壁紙等に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透湿性フィルム・不織布積層体の押出しラミネーション工程を示す模式図である。
【図2】図1に示す押出しラミネーション工程で得られた本発明に係る透湿性複合不織布の断面模式図である。
【図3】図1で用いた透湿性フィルムとストランド状接着性樹脂を押出すダイ3の断面図(a)及び吐出口の部分図(b)である。
【符号の説明】
1、2 押出機
3 ダイ
4 繰り出しロール
5 コロナ放電処理装置
6 ニップロール
7 チルロール
8 巻き取りロール
a 透湿性フィルム
b 不織布
c 接着性樹脂
Claims (10)
- 横方向の伸長率が100%以上の不織布と、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマーから選ばれるいずれかの重合体であって透湿係数が0.02g/m/day以上である重合体からなる透湿性フィルムとが、ストランド状に押出された接着性樹脂を介して接着されてなる透湿性フィルム・不織布積層体。
- 前記透湿性フィルムが無孔フィルムである請求項1に記載の透湿性フィルム・不織布積層体。
- 前記ストランド状に押出された接着性樹脂が、不織布の流れ方向に平行に、複数本の筋状に配置されており、ストランドの径が、0.01mm以上、0.5mm以下であり、配置されたピッチ間隔が0.02mm以上、10mm以下である請求項1または2に記載の透湿性フィルム・不織布積層体。
- 前記不織布がオレフィン重合体からなり、接着性樹脂が極性基含有エチレン系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の透湿性フィルム・不織布積層体。
- 前記極性基含有エチレン系重合体が、エチレンとアクリル酸エチルの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとメタクリル酸の共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンとアクリル酸エチルの共重合体を不飽和カルボン酸で変性した変性樹脂、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンを共重合して得られる低結晶性共重合体を不飽和カルボン酸で変性した変性樹脂から選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載の透湿性フィルム・不織布積層体。
- 前記透湿性フィルムとストランド状の接着性樹脂が同一ダイより吐出され、前記不織布に押出しラミネートされてなる請求項1〜5のいずれかに記載の透湿性フィルム・不織布積層体。
- 透湿度が1000g/m2・day以上であり、耐水圧が1000mmAq以上である請求項1〜6のいずれかに記載の透湿性フィルム・不織布積層体。
- 前記不織布上に、同一ダイより押出されるストランド状の接着性樹脂と透湿性フィルムとがこの順に押出しラミネートされた後、チルロールによって冷却し積層一体化することからなる請求項1〜7のいずれかに記載の透湿性フィルム・不織布積層体の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の透湿性フィルム・不織布積層体からなる衛生材料用素材。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の透湿性フィルム・不織布積層体からなる包装材。
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