JP2005225220A - 建築用複合シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと布帛とが複数の線状ポリエチレン樹脂溶融押出層により接合されていることを特徴とする建築用複合シートである。
【選択図】なし
Description
このような問題を解決するために、断熱材の通気層側に防風層が設けられる。この防風層に求められる特性として、(1)外壁層(室外)側から断熱層側への冷気の侵入を遮断する、(2)内壁層(室内)側から透過してくる湿気を通気層に逃がしてやること等が求められる。
しかしながら、かかる建築用シートは、まず長繊維スパンボンド不織布に接着剤をスプレー法やグラビアロールにより塗布し、次いで微多孔質ポリオレフィン樹脂シートをロール圧着することにより接着・積層するため生産性が低く、また、該シート施工時の強度と透湿性・通気性のバランスが不充分であるという問題があった。更に、耐薬品性や耐溶剤性にも問題があり、薬品や溶剤により接着面が剥がれるという欠点があった。
このようにして得られたフィルムは高い開孔率を有する。孔径としては0.05〜5μmが好ましい。孔径がこの範囲外では、本発明の目的とする透湿性、気体の透過度を満足することが困難である。このような微多孔質ポリオレフィン樹脂シートとしては、三井化学株式会社のエスポアール(商品名)、大化工業株式会社のタピレンMDF(商品名)等がある。
不織布の坪量は特に制限されないが、シートの強度と施工性の点から10〜100g/m2 が好ましい。
JIS A 6111に規定する試験方法に基づいて測定した。透湿抵抗値の基準として、0. 13m2 ・s・Pa/μg以下であれば実用的価値が高い。
JIS L 1092A法に規定する試験方法に基づいて測定した。測定値の基準として、1000mmH2 O以上であれば実用的価値が高い。
JIS A 6111に規定する試験方法に基づいて測定した。測定値の基準として縦方向、横方向ともに30N以上であれば実用的価値が高い。
JIS L 1096に規定する試験方法に基づいて測定した。測定値の基準として縦方向、横方向ともに100N/5cm以上であれば実用的価値が高い。
建築用複合シートを90℃で2週間加熱処理を行い、外観を確認した。
坪量45g/m2 の長繊維スパンボンドポリエステル樹脂系不織布(アクスター、東レ株式会社製商品名)と微多孔質ポリオレフィン樹脂シート(エスポアール、三井化学株式会社製商品名)をロールより繰り出し、微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと不織布との間に、Tダイ一軸押出ラミネート機(株式会社ムサシノキカイ製、スクリュー径90mm)を用い、規則性のあるジグザグ状に水平距離間隔(開孔の中心から中心までの水平距離)1.4mm に開孔(口径0.8mm )された金属プレートをTダイのリップ部分にあらかじめ固定し、取り付け、低密度ポリエチレン樹脂(ミラソン67、三井化学株式会社製商品名)をTダイ出口樹脂温度260℃、スクリュー回転数50rpmの条件で押出した。不織布の低密度ポリエチレン樹脂と接する面へは予めコロナ放電処理(30W・min/m2 )を施し、加工速度120m/min、樹脂厚さ30μmで樹脂幅0. 4mm、ピッチ幅1. 0mmとなるように線状にラミネート加工を行い、金属ロールとゴムロール(ハイパロン、デュポン社製商品名)で挟圧して、微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと不織布とを線状のポリエチレン樹脂溶融押出層(幅0.4mm、間隔1.4mm)により接合した積層体からなる建築用複合シートを得た。
表1のように、実施例1で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅35mm、間隔115mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例1と同様にして建築用複合シートを得た。
表1のように、実施例1、2で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅30mm、間隔30. 3mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例1と同様にして建築用複合シートを得た。
表1のように、実施例1〜3で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅0. 2mm、間隔0.6mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例1と同様にして建築用複合シートを得た。
表1のように、実施例1〜4で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅0. 3mm、間隔80.3mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例1と同様にして建築用複合シートを得た。
表1のように、低密度ポリエチレン樹脂を非接触部分がなく全面に押出したこと以外は実施例1と同様にして建築用複合シートを得た。
エチレン−酢酸ビニル(EVA)系ホットメルト接着剤(EV220、三井・デュポンポリケミカル製商品名)を200℃に加熱し、溶解したところで予め加熱しておいたマイヤーバーを使って実施例1〜5及び比較例1で使用した長繊維スパンボンドポリエステル樹脂系不織布の上に接着剤の幅0.6mm、間隔60mmとなるように線状に塗工し、直ちに実施例1〜5及び比較例1で使用した微多孔質ポリオレフィン樹脂シートとロールで挟圧して建築用複合シートを得た。
表1の結果から明かなように、実施例1〜5の建築用複合シートは、透湿抵抗、防水性(耐水度)及びつづり針保持強さのいずれにおいても実用性の面から求められる値を十分に満足している。
一方、比較例1ではポリエチレン樹脂を線状ではなく、全面に接合させているため透湿抵抗が大き過ぎ、また、比較例2では、EVA系ホットメルト接着剤を使用しているため、熱劣化試験で接着面から微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと不織布が剥離し、いずれも建築用複合シートとしては不適当である。
ポリエチレン樹脂のテープヤーンクロス(500デニール、5×5本/inch)を熱接着させた織布(森下化学工業株式会社製)と微多孔質ポリオレフィン樹脂シート(エスポアール、三井化学株式会社製商品名)をロールより繰り出し、微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと織布との間に、Tダイ二軸押出ラミネート機(株式会社ムサシノキカイ製、スクリュー径90mm)を用い、規則性のあるジグザグ状に水平距離間隔(開孔の中心から中心までの水平距離)1.5mm に開孔(口径0.7mm )された金属プレートをTダイのリップ部分にあらかじめ固定し、取り付け、低密度ポリエチレン樹脂(ミラソン67、三井化学株式会社製商品名)をTダイ出口樹脂温度260℃、スクリュー回転数50rpmの条件で押出した。織布の低密度ポリエチレン樹脂と接する面へは予めコロナ放電処理(30W・min/m2 )を施し、加工速度120m/min、樹脂厚さ30μmで幅0. 3mm、ピッチ幅1. 2mmとなるように線状にラミネート加工を行い、金属ロールとシリコーンゴムロールで挟圧して、微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと織布とを線状のポリエチレン樹脂溶融押出層(幅0.3mm、間隔1.5mm)により接合した積層体からなる建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅0.5mm、間隔60mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6、7で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅55mm、間隔150mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6〜8で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅0. 03mm、間隔0.4mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6〜9で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅55mm、間隔95mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6〜10で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅45mm、間隔115mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6〜11で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅35mm、間隔80mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6〜12で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅0. 03mm、間隔0.15mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、実施例6〜13で用いた金属プレートとは別の金属プレートを用いて低密度ポリエチレン樹脂を幅0.05mm、間隔110mmとなるように線状に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2のように、低密度ポリエチレン樹脂を非接触部分がなく全面に押出したこと以外は実施例6と同様にして建築用複合シートを得た。
表2の結果から明かなように、実施例6〜14の建築用複合シートは、透湿抵抗、防水性(耐水度)及び引張強さのいずれにおいても実用性の面から求められる値を十分に満足している。
一方、比較例3ではポリエチレン樹脂を線状ではなく、全面に接合させているため透湿抵抗が大き過ぎ、建築用複合シートとしては不適当である。
Claims (8)
- 微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと布帛とが複数の線状のポリエチレン樹脂溶融押出層により接合されていることを特徴とする建築用複合シート。
- ポリエチレン樹脂が低密度ポリエチレン樹脂である請求項1記載の建築用複合シート。
- 布帛が長繊維スパンボンドポリエステル樹脂系不織布又はポリプロピレン樹脂系不織布である請求項1又は2記載の建築用複合シート。
- 布帛がポリオレフィン樹脂のテープヤーンクロスである請求項1又は2記載の建築用複合シート。
- ポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂である請求項4記載の建築用複合シート。
- ポリエチレン樹脂溶融押出層の間隔が0.2 〜100 mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の建築用複合シート。
- ポリエチレン樹脂溶融押出層の幅が0.1 〜50mmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の建築用複合シート。
- ポリエチレン樹脂を微多孔質ポリオレフィン樹脂シートと布帛との間に複数の線状に溶融押出しして複数の線状のポリエチレン樹脂溶融押出層を形成し、該ポリエチレン樹脂溶融押出層が粘着性を有する間に、前記微多孔質ポリオレフィン樹脂シート、ポリエチレン樹脂溶融押出層及び布帛を共に挟圧して接合することを特徴とする建築用複合シートの製造方法。
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