JP2001311227A - ハウスラップ材 - Google Patents

ハウスラップ材

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JP2001311227A
JP2001311227A JP2000131585A JP2000131585A JP2001311227A JP 2001311227 A JP2001311227 A JP 2001311227A JP 2000131585 A JP2000131585 A JP 2000131585A JP 2000131585 A JP2000131585 A JP 2000131585A JP 2001311227 A JP2001311227 A JP 2001311227A
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wall
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Seiichi Amano
整一 天野
Masahiro Wada
政弘 和田
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DuPont Asahi Flash Spun Products Co Ltd
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DuPont Asahi Flash Spun Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外壁構造内および/または内壁と外壁構造と
の間に通気構造を設けることができ、それによって外気
から内壁を遮熱し、漏水の侵入を防止でき、結露の問題
も生じないという機能を有するとともに、施工が簡単で
地域の気候に応じた厚みの通気層を有する外壁構造を形
成できるハウスラップ材を提供すること。 【解決手段】 ハウスラップ材が、透湿防水性シートの
少なくとも片面全面にわたって、ほぼ均一に分布する、
樹脂からなる凸部を備え、その凸部によって外壁材と透
湿性シートとの間に0.3mm以上の通気構造を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外壁構造の構成部
材であるハウスラップ材に関し、さらに詳しくは外壁構
造内に通気構造を形成できるハウスラップ材に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅等の壁構造は、柱と、柱の内側に配
された内壁と、柱の外側に配された外壁構造とから基本
的に形成され、外壁構造は、柱の外側に配されたハウス
ラップ材と、ハウスラップ材の外側に配され、最外側に
外壁仕上層を備えた外壁材から基本的に形成されてい
る。
【0003】そして、このような外壁構造は、外壁材か
ら内壁内部への漏水を防止するとともに、特に、寒冷地
で冬季に起こる現象である、室内で発生する湿気が内壁
を通過し、外壁構造内部に入り込み、冷たい外気の影響
で結露する現象を防止することを目的として、ハウスラ
ップ材と外壁材との間に、通常約18mm程度の幅を有
する通気層が形成されている。
【0004】ハウスラップ材の外面に棒材を用いて形成
された横方向に適宜間隔を有する複数列の胴縁を介して
外壁材を取り付けることによって、通気層を形成するこ
とが広く行われていた(例えば、実開昭63−5341
2号公報参照)。
【0005】この他にも、外壁構造内部に通気層を形成
する方法がいろいろ提案されている。例えば、実開昭6
3−53412号公報および実公平6−27400号公
報には、通気防水シート表面に網材を取付したハウスラ
ップ材が記載されている。また、実開昭60−1527
09号公報には、通気性を有する壁シートの表面に通気
孔を設けたホットメルト樹脂層を形成した壁シートが記
載されている。
【0006】このように外壁構造内に通気層を形成する
ことによって、1)外気と内壁とを断熱し、2)空気
(室内から発生する湿気を含む)の流通を可能にし、
3)漏水の内壁内部への侵入を防ぐことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
通気層を備えた外壁構造にあっては、外壁材とハウスラ
ップ材との間に所定の間隔を設けるために、その間隔に
応じた突起部材をハウスラップ材に別個に取り付けなけ
ればならず、したがって施工性が悪いという問題があっ
た。
【0008】また、結露の防止に関しては、地域によっ
ては結露による実害が生じないことや、例えばJISA6930
に従った防湿シートを使用することによって対処可能で
あるなど、どの程度の通気層を設けるかは工法および/
または地域に応じて変化する。したがって、工法および
/または地域に応じて、簡単な施工で、しかも要求され
る機能を効率的かつ効果的に達成できる通気構造を有す
る外壁構造が強く望まれている。
【0009】本発明の課題は、外壁構造内および/また
は内壁と外壁構造との間に通気構造を設けることがで
き、それによって外気から内壁を遮熱し、漏水の侵入を
防止でき、結露の問題も生じないという機能を有すると
ともに、施工が簡単で地域の気候に応じた厚みの通気層
を有する外壁構造を形成できるハウスラップ材を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するために、透湿防水性を有するシートを使
用して、その少なくとも片面の全面にわたって樹脂から
なる凸部を所定の間隔で設けることにより、外壁構造内
に通気構造を形成できるハウスラップ材を提供でき、こ
のようなハウスラップ材を用いることにより、外気から
内壁を遮熱し、漏水の侵入を防止でき、結露の問題も生
じないという機能を有するとともに、施工が簡単で地域
の気候に応じた厚みの外壁構造を形成できることを見出
した。
【0011】すなわち、本発明のハウスラップ材は、透
湿防水性シートの少なくとも片面全面にわたって、ほぼ
均一に分布する、樹脂からなる凸部を備えるハウスラッ
プ材であって、その凸部によって外壁材とその透湿性シ
ートとの間に0.3mm以上の通気構造が提供されるこ
とを特徴とする。
【0012】また、他の形態のハウスラップ材は、上記
凸部の高さが0.3mm以上であることを特徴とする。
【0013】さらに、他の形態のハウスラップ材は、凸
部によって占められる総面積は透湿防水性シートの面積
に対して5〜30%であり、かつ凸部の高さ方向におけ
る変形保持率は50%以上であることを特徴とする上記
いずれかのハウスラップ材である。
【0014】さらにまた、他の形態のハウスラップ材
は、透湿防水性シートは、フラッシュ紡糸法による不織
布であることを特徴とする上記いずれかのハウスラップ
材である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のハウスラップ材に用いら
れる透湿防水性シートは、防水性、透湿性、および通気
性を兼ね備えたシートであれば、特に限定されるもので
はない。防水性とは、雨水等の水分が外壁から侵入する
のを防止できる特性であり、透湿性とは、室内で発生
し、内壁を透過して通気構造内に入り込む湿気を放出で
きる特性であり、そして通気性とは、建築材から発生す
るホルムアルデヒド等のガスなどを放出できる特性であ
る。
【0016】また、上記機能を有するものとして、透湿
防水層の単体からなるシート、または透湿防水層と、そ
の透湿防水層に機械的強度を付与する補強材との複合体
からなるシートなども使用することができる。
【0017】上記の機能を有する透湿防水性シートとし
ては、具体的に、不織布、微多孔性熱可塑性フィルム
(有孔フィルム)、合成繊維紙、樹脂含浸された織物、
編物、不織布などの樹脂含浸繊維体が挙げられる。
【0018】不織布としては、短繊維を用いて抄紙し、
エマルジョンタイプの結合剤または熱カレンダーによる
熱接着によって繊維同士を結合した化合繊維、ポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリア
ミド、ポリアクリロニトリル等の合成繊維、レーヨン、
アセテート等の化学繊維、および綿、麻等の天然繊維な
どからなるステープルから製造された乾式不織布および
紡糸直結不織布のいずれも本発明において使用すること
ができる。乾式不織布は、ステープルからウエブを形成
し、形成されたウエブを樹脂接着、ニードルパンチ、ス
テッチボンド、サーマルボンドまたはスパンレース法の
いずれかによって接着して布帛とした不織布である。紡
糸直結不織布は、ステープルを形成すると同時に不織布
を作る直接紡糸法によって押し出されたフィラメントや
フィルムを延伸あるいはフラッシュしながらウエブとし
た不織布であり、その具体的な方法としては、スパンボ
ンド法、フラッシュ法、メルトブロー法を挙げることが
できる。
【0019】スパンレース不織布としては、例えば、ポ
リエステル短繊維を用いて、高圧水流で繊維を絡み合わ
せて機械的に結合させた、引張強度、引裂強度および耐
水圧は小さいが、吸水性、透湿性および柔軟性に優れた
特徴を有するスパンレース不織布が特公平3−73665号に
記載されている。
【0020】スパンボンド不織布としては、例えば、ポ
リプロピレンフィラメントを用いた自己接着で結合され
た、引張強度、引裂強度および透気性が大きいが、耐水
圧、吸水性および柔軟性について他の不織布と比べ相対
的に劣る特徴を有するスパンポンド不織布が特公昭55-4
21175号に記載されている。
【0021】フラッシュ紡糸不織布としては、例えば、
繊維形成性ポリマーのポリオレフィンと紡糸時にガス化
する溶剤を用いて、ポリマーを延伸しながら固化するこ
とにより極細の繊維要素からなる網状の連続繊維を結合
した、高強度で強靭、高耐水圧、透湿性、通気性を有す
るフラッシュ紡糸不織布が特公昭40-28125号、特公昭41
-6215号、特公昭42-19520号および特公昭43−21112号に
記載されている。
【0022】メルトブロー紡糸不織布の具体例は、疎水
性重合体組成物を通常のメルトブロー紡糸装置を用いて
溶融し、溶融重合体の一定量をダイから吐出させ、その
溶融重合体を高圧気体流で平均繊維直径約0.1〜5.0μm
の極細繊維流として紡出・搬送し、その繊維流を捕集体
に集積することにより製造されたメルトブロー極細繊維
不織布である。この不織布の重量は、単一不織布で使用
する場合は平均重量30〜500g/m2であり、他の高通気
性シートと積層して使用する場合は平均重量15〜200g
/m2である。得られた不織布は少なくとも一面をカレ
ンダー掛け、プレスあるいは熱プレスなどの処理を施し
て緻密化あるいは部分融着し、必要に応じて耐水度を高
めるための処理剤を付与して高耐水性不織布シートとす
る。
【0023】本発明において、透湿防水性シートとして
使用される微多孔性熱可塑性フィルムは、熱可塑性樹脂
から製膜する際に、例えば炭酸カルシウム等の微粉末を
添加してフィルム化し、その延伸時に微細な空孔をフィ
ルム内に多数形成するものであって、透湿性・透気性を
有し、かつ防水性を兼ね備えるフィルムである。
【0024】微多孔性熱可塑性フィルムの形成には、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリアクリレート系樹脂などの熱可
塑性樹脂が使用可能である。
【0025】熱可塑性樹脂フィルム中に微細な空孔を設
ける方法としては、熱可塑性樹脂の製膜時に例えば炭酸
カルシウム等の各種微粉末体を同時添加する上記の方法
以外にも、非相溶性の樹脂を添加する方法、可塑剤を添
加する方法等があり、製膜後にフィルムを延伸すること
により内部に微細な空孔を有する透気性フィルムを製造
することが可能である。
【0026】また、特公平5-75010号公報に記載されて
いる特定割合の熱可塑性樹脂とフィラーからなり、且つ
カレンダー加工で形成された微細孔を有する通気性防水
膜なども透湿防水性シートとして使用可能な微多孔性熱
可塑性フィルムに含まれる。
【0027】好ましい微多孔性熱可塑性フィルムは、透
湿度が2000〜10000g/m2・24Hr、耐水圧が2000mm以
上、透気度が50〜400秒以下である。
【0028】本発明において、透湿防水性シートとして
使用される合成繊維紙とは、直径0.1〜5.0mmの極細短繊
維あるいはパルプ状物と合成繊維とからなるものであっ
て、抄紙後、熱圧カレンダー加工により製造されたシー
ト材である。さらに、合成繊維紙には、そのようなシー
ト材に、防水性を向上させる撥水剤および樹脂剤、耐候
性を向上させる紫外線吸収剤および光安定剤、耐久性を
向上させる酸化防止剤、表面保護剤等の薬剤や樹脂を塗
布してなるもの、およびシート材を構成する成分にこの
ような添加剤を含有させて製造したシート材も含まれ
る。
【0029】本発明において、透湿防水性シートとして
使用される樹脂含浸繊維体の例としては、特公昭60-479
55号公報に透湿性、防水性コーティング生地が、特公平
5-85672号公報には不織布にフィラーを含んだ熱可塑性
樹脂をコーティングし、成膜後カレンダー加工して得ら
れる通気性防水性不織布が開示されている。
【0030】また、透湿防水性シートとして、透湿防水
層と、透湿防水層に機械的強度を付与する補強材との複
合体からなるシートを使用することができるが、補強材
は、不織布、織物、編物、フェルト、フィルムスリット
ヤーン、ネットなどから選択される少なくとも1種類か
ら構成され、透湿防水層の機能を阻害しないものが使用
できる。これらの補強材は、透湿防水層の少なくとも片
面に公知の方法によって接合される。接合の一般的方法
としては、縫製、ドット接着、全面接着、超音波接着、
熱融着等がある。接合方法は、透湿防水層と補強材の具
体的な組合せに応じて、これら一般的方法から適宜選択
される。
【0031】本発明において使用可能な透湿防水性シー
トであって市販されているものとしては、フラッシュ紡
糸法によって高密度ポリエチレンの3次元網目状繊維を
熱圧着した不織布であるデュポン社製のタイベック(登
録商標)、微多孔フイルムと補強材からなる複合体シー
トである三井化学(株)製タフシート(登録商標)、お
よび化繊紙と補強層とからなる複合シートである東海パ
ルプ(株)製イレブン(登録商標)等が挙げられる。
【0032】透湿防水性シートとして、好ましいのは、
フラッシュ紡糸法により製造された不織布であり、さら
に好ましくは、高密度ポリエチレンから製造されたフラ
ッシュ紡糸不織布である。
【0033】本発明のハウスラップ材は、透湿防水性シ
ートの少なくとも片面全体にわたって樹脂からなる凸部
を備える。透湿防水性シートの凸部が設けられた面が、
外壁材に対向するように配置される。凸部をシートの両
面に設けてもよい。
【0034】凸部は、外壁材と透湿性シートとの間に
0.3mm以上の通気構造を提供するものでなければな
らない。通気構造は、好ましくは0.8mm以上であ
る。0.3mm未満の場合、外壁材とハウスラップ材と
の空間が狭く、凸部が形成されていない透湿防水シート
基材の領域で外壁材とハウスラップ材とが接触する不都
合が生じるとともに、通気層の形成が不十分となるため
に遮熱効果が低下するという問題を生じることが考えら
れる。
【0035】0.3mm以上の通気構造を提供するため
には、凸部の高さが少なくとも0.3mmでなければな
らず、0.8mm以上の通気構造を提供するためには、
凸部の高さが少なくとも0.8mmでなければならな
い。本明細書中では、凸部の高さは、ピーコック直読デ
ジタルリニアゲージ(尾崎製作所製PD―2型)と一緒
に、XS―4アダプター(接圧面8mmφ、重量120
g)を用いて、2.4g/m2の加圧下で測定した凸部の最
高点(透湿防水シート基材の厚みを含む)を10ヶ所測
定したときの平均値から透湿防水シート基材の厚みを除
いた値である。
【0036】凸部は透湿防水性シート上に均一に分布す
る。その分布および形状は、外壁材と透湿性シートとの
間に0.3mm以上の通気構造を提供するように、透湿
防水シートの表面に沿って所定の広がりを持ち、且つ所
定の盛り上がり(高さ)があれば、特に制限されない。
したがって、完全に均一に規則的に分布していなくて
も、外壁材と透湿性シートとの間に0.3mm以上の通
気構造を確保することができる程度であればよい。
【0037】凸部の形状および分布は、独立して点在す
る、例えば円形、だ円形、多角形断面を有するスポット
状の凸部、または所定のピッチで規則的に配列したドッ
ト状、格子状、ストライプ状、筋状あるいは線条の凸部
などである。
【0038】具体的な凸部の形状および配列は、凸部を
形成する樹脂の種類、および所望の通気構造の間隔によ
って適宜決定される。
【0039】凸部によって占められる面積は、凸部を形
成する前の透湿防水シートの面積に対して5〜80%で
あり、好ましくは10〜50%であり、さらに好ましく
は10〜30%である。5%未満では所望の通気構造を
確保することができず、一方、80%を超えると透湿防
水シートの透湿性および通気性が損なわれてしまう。
【0040】本発明においては、凸部が樹脂からなるた
め、凸部の高さおよび分布を決定するに際しては、凸部
の高さ方向における変形を考慮することが好ましい。透
湿防水シートの表面に設けられた凸部が外壁材と接触し
ながらも所定の間隔の通気層を維持するために、さら
に、外壁材を釘打ちする時の圧力や風圧によって外壁材
が押圧されたときでも所定間隔の通気層を維持するため
には、凸部が高さ方向において変形した場合でも、一定
の高さを保持することが必要となる。本発明のハウスラ
ップ材の凸部は、凸部の高さ方向における変形保持率
(加重に対する凸部の軸方向の変形による高さ保持変化
率)が、好ましくは50%以上である。
【0041】本明細書において、高さ方向における変形
保持率とは、透湿防水シート表面に形成された凸部につ
いて、凸部全体を覆うように10cm四方の硬質のアクリ
ル板をのせ、50℃で1分間、10kgの荷重を加えたと
きの、凸部の高さを測定することにより次の式により表
された値である。
【0042】
【数1】
【0043】凸部の変形保持率は凸部の形状および分布
によって変化するものであるが、一般的に変形保持率が
大きい凸部を形成できる樹脂として、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、およびホットメルト系樹
脂などの熱可塑性樹脂などを挙げることができ、さらに
具体的には、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、ブチルゴム、スチ
レン−ブタジエン(ブロック)共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、およびメタクリル酸−ブタジエン樹
脂などを挙げることができる。凸部を形成する樹脂は、
エマルジョンとして、または溶剤に溶解して使用できる
ものであればよく、これらに特に限定されるものではな
い。
【0044】さらに、これらの樹脂に、砂に代表される
鉱物粒などの骨材、芯物質にn−ブタン、i−ブタン、
ネオペンタンのような低沸点の炭化水素を内包し、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート
のような(メタ)アクリル酸エステル、スチレンのよう
な芳香族ビニル化合物を主成分とする熱可塑性樹脂を膜
材とする発泡性マイクロカプセルなどの発泡材、プラス
チックビーズなどの合成樹脂粒、酸化アルミなどの金属
紛、またはガラスビースなどの各種粉体を混合した樹脂
組成物から凸部を形成してもよい。
【0045】透湿防水性シート上の凸部の形成は、各種
コーティング、ラミネート法など慣用のいかなる方法を
用いてもよい。例えば、加熱溶融状態の樹脂を彫刻ロー
ル(グラビアロール)にて液状樹脂を持ち上げ、ドクタ
ーナイフでかき取り、凹部に残った樹脂を透湿防水シー
トに部分的に付着させ、冷却固化させる方法がある。
【0046】上記のいずれかの樹脂のホットメルトエマ
ルジョンをシルクスクリーン印刷法により透湿防水シー
トに部分的に付着させ、乾燥する方法をとることもでき
る。
【0047】また、ホットメルトガン方式(例えばノー
ドソン株式会社製)のような加熱したホットメルト剤を
ポンプでガン本体まで送り、コンプレッサーなどの圧力
でガンのノズル先端から任意の大きさ、長さのホットメ
ルト剤を押出、透湿防水シートに付着させ、冷却固化さ
せる方法も可能である。
【0048】その他にも、水系ラテックスまたは溶剤樹
脂を用いて、シルクスクリーンコーター、ロータリース
クリーンコーター、グラビアコーター、バーコーターな
どのコーティングまたは印刷方法によっても形成するこ
とができる。具体的には、アクリル系エマルジョンに適
度な発泡剤を混ぜ、ロータリースクリーンコーターで塗
布し、熱風乾燥を施し、発泡剤の膨張を利用して、所望
の高さを有する凸部を形成することができる。
【0049】本発明によるハウスラップ材は、JIS-
L-1092(静水圧法)に基づき、n=5で測定し、
その平均で表される耐水圧が200mmH2O以上、好
ましくは1000mmH2O以上であり、JIS-A-6
111(透湿性試験(塩化カルシウム)法)に基づき、
n=5、20℃×60%RHの条件で測定される透湿抵
抗が、0.19m2sPa/Kg以下、好ましくは0.
13m2sPa/Kg以下である。
【0050】
【実施例】本発明を以下に実施例を挙げて説明するが、
本発明は本実施例にのみ限定されるものではない。
【0051】実施例における物性測定方法は、以下に示
す実際の住宅等の外壁構造における遮熱性評価および透
湿性評価を除き、上記に説明したと同じ測定方法による
ものである。
【0052】A.遮熱性評価(遮熱、すなわち断熱効
果) 90cm四方、針葉樹タイプの厚みが9mmである構造
用合板に試料のハウスラップ材をタッカーで打ち止め、
その上からサイジングボード(三井木材工業(株)製、
センチュリーボード SW01BG(グレイ))を釘で
固定し、試験サンプルを作製した。凸部を備えるハウス
ラップ材は、凸部がサイジングボードに対向するように
配置された。
【0053】次に、試験サンプルを赤外線(1500
W)でサイジングボード側から照射し、サイジングボー
ドの裏面が約50℃である一定温度となるように照射す
る。その後、試験サンプルの裏面が50℃になってから
1時間後、合板とハウスラップ材との間の温度を測定
し、サイジングボード裏面温度と合板とハウスラップ材
との間の温度差を求める。実験室の温度は、23℃で殆
ど無風(0.1m/s以下)であった。
【0054】B.透湿性評価(結露防止効果) 遮熱性評価と同様の試験サンプルを作製する。但し、構
造用合板は予め水に浸したものを使用し、ハウスラップ
材の付着面以外の裏面および厚み面はポリ塩化ビニリデ
ンフイルムとポリエチレンテープで覆い水分が蒸発しな
いようにする。
【0055】構造用合板の初期水分率を約80%とし
て、水分率計(株式会社ケット科学研究所製)を使用し
て、試験サンプルを23℃、約65%RHの条件下で2
40時間放置した後の水分率の変化を測定し、下記の式
に従って透湿度(木材乾燥性)を求めた。
【0056】
【数2】
【0057】C.防水性評価(漏水の防止効果) 外壁構造体について慣用的に行われている防水性評価方
法に基づいて、試験サンプルについて防水性(漏水の防
止効果)を観察した。
【0058】(実施例1)フラッシュ紡糸法ポリオレフ
イン系不織布(デュポン製タイベック(登録商標)10
60Bタイプ、目付61g/m2)の表面に、ホットメ
ルト樹脂(山文油化社製ファインタックE−3C(主成
分:アクリル系ポリマー・水添石油樹脂/ワックス、軟
化点:約120℃))を用いて、ホットメルト付着量6
0g/m2、凸部が占める面積が塗布前の不織布面積に
対して10%となるように、高さ1.0mm、直径13
mm、円状断面を有する凸部をグラビアロール法によっ
て、ピッチ27mm、約600個/m2で形成し、本発明
によるハウスラップ材を得た。得られたハウスラップ材
の凸部変形保持率および高さ、ハウスラップ材とサイジ
ングボードとにより形成された間隔(通気層)、ハウス
ラップ材の耐水圧とともに、上記A、B、Cの評価結果
をそれぞれ表に示す。
【0059】(実施例2)ポリエチレン系微多孔フィル
ムとフィルムスリットヤーンで構成されるシート(三井
化学工業株式会社製タフシート(登録商標)、目付75
g/m2)の表面に、アクリル−スチレン系エマルジョ
ンおよび水酸化アルミの混合液(固形分比率1:3)を
機械攪拌し増粘させた後、発泡させた液を塗工液にし、
ロータリスクリーンコーターで塗布し、120℃、約1
分間熱乾燥を行い、樹脂付着量約40g/m2、凸部が
占める面積が塗布前の不織布面積に対して15%となる
ように、高さ0.8mm、長さ20mm、巾5mmの線
条パターンの凸部を、長さ方向の間隔20mm、巾方向
の間隔30mmで形成し、本発明によるハウスラップ材
を得た。得られたハウスラップ材の凸部変形保持率およ
び高さ、ハウスラップ材とサイジングボードとにより形
成された間隔(通気層)、ハウスラップ材の耐水圧とと
もに、上記A、B、Cの評価結果をそれぞれ表に示す。
【0060】(比較例1)実施例1と同様のフラッシュ
紡糸法ポリオレフイン系不織布(デュポン製タイベック
(登録商標)1060Bタイプ、目付61g/m2)の
表面に凸部を設けずにハウスラップ材として使用した。
得られたハウスラップ材の凸部変形保持率および高さ、
ハウスラップ材とサイジングボードとにより形成された
間隔(通気層)、ハウスラップ材の耐水圧とともに、上
記A、B、Cの評価結果をそれぞれ表に示す。
【0061】(比較例2)実施例2のポリエチレン系微
多孔フィルムとフィルムスリットヤーンで構成されるシ
ート(三井化学工業株式会社製タフシート(登録商
標)、目付75g/m 2)の代わりに、ポリエチレンフ
イルム(厚み100μm)を用い、他の条件は実施例2
と同様にしてハウスラップ材を得た。得られたハウスラ
ップ材の凸部変形保持率および高さ、ハウスラップ材と
サイジングボードとにより形成された間隔(通気層)、
ハウスラップ材の耐水圧とともに、上記A、B、Cの評
価結果をそれぞれ表に示す。
【0062】
【表1】
【0063】実施例1、2および比較例1、2につい
て、A.遮熱性評価(遮熱、すなわち断熱効果)、B.透
湿性評価(結露防止効果)およびC.防水性評価(漏水
の防止効果)を測定した結果を表に示した。
【0064】通気層の幅は、(凸部の高さ×凸部の変形
保持率)の理論値を基準にして、外装材のサイジングボ
ードを釘止めする方法、またはその釘止め圧力の変化あ
るいは下側に位置するハウスラップ材の平面上の位置に
応じて変化した値となるが、実施例1、2および比較例
2のいずれも0.3mm以上であった。
【0065】表1からわかるように、本発明によるハウ
スラップ材(実施例1および2)は、比較例1または2
に比べ、外壁の外側の熱を実効的に遮熱でき、特にフラ
ッシュ紡糸法によって製造される不織布を用いた本発明
のハウスラップ材(実施例1)は外壁からの輻射熱をも
遮熱でき、優れた遮熱性を示すことが分かる。
【0066】次に、本発明のハウスラップ材は、木材か
ら水分を移行させることができ、よって室内または内壁
内部からの水分を外気に放出することができる。それに
対して、比較例においては、透湿性が得られないことか
らサイジング裏面に結露を観察した。更に、本発明のハ
ウスラップ材は、外壁を構成するサイジングから浸入し
た水によって、その表面が殆ど濡れなかったことから、
タッカー部やシートのつなぎ目からの漏水の危険性を低
減できることが確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明によるハウスラップ材は、外壁構
造内に通気層を設けることにより、内壁と外壁との間に
通気層ができ、それによって外気から内壁内部を遮熱
し、漏水の侵入を防止でき、結露の問題も生じないとい
う優れた特性を備えるとともに、施工が簡単で地域の気
候に応じた厚みの通気層を有する外壁構造を形成できる
という効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 政弘 東京都目黒区下目黒1丁目1番1号 旭・ デュポン フラッシュスパン プロダクツ 株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DA01 DB02 DB04 DB05 DD01 DH00 FA04 GA03 GA17 GA23 GA24 GA28 GA47 GA81 HD11 HE01 JA07 JC06 JC07 JD04 LA04 4F100 AA19B AK01B AK03A AK04A AK12B AK12J AK25B AK25J AL01B AR00A BA02 BA32 DD04B DG10A DG12A DG13A DG15A DJ00A DJ01B EH46B GB07 JD04 JD04A JD05 JD05A JM01B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透湿防水性シートの少なくとも片面全面
    にわたって、ほぼ均一に分布する、樹脂からなる凸部を
    備えるハウスラップ材であって、前記凸部によって外壁
    材と前記透湿性シートとの間に0.3mm以上の通気構
    造が提供されることを特徴とするハウスラップ材。
  2. 【請求項2】 前記凸部の高さが0.3mm以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載のハウスラップ材。
  3. 【請求項3】 前記凸部によって占められる総面積は前
    記透湿防水性シートの面積に対して5〜30%であり、
    かつ凸部の高さ方向における変形保持率は50%以上で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のハウス
    ラップ材。
  4. 【請求項4】 前記透湿防水性シートは、フラッシュ紡
    糸法による不織布であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載のハウスラップ材。
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