JP5570093B2 - 建築下地用防水シート - Google Patents

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Description

本発明は、建築用の防水シートに関し、更に詳しくは、住宅建築の際に、窓回り開口部分やベランダ笠木上部、ひさし部分の下地シートであり、主にこれらの水切りに用いられ、施工の際の釘等の穴からの止水性や耐久性と作業性に優れた建築下地用防水シートに関するものである。
従来、住宅の水切り用防水シートは、原紙にストレートアスファルトやピッチを含浸することでフェルト状に形成されたシートや、合成繊維の不織布や織布にゴム成分をコーティング又はラミネートしたシートなどが主なものである。
水切り用の防水シートは長期間にわたる防水性や釘やタッカーなどで固定された部分の穴に対する止水性などが求められる。特に釘穴に対する止水性が重視され、シートに大きな形状変化が生じると、釘によって開けられた穴が更に拡大し、そこから雨水等が侵入し、所謂漏水の要因になる。更に漏水により、漏水部周辺が腐食したり、カビが発生する虞もある。
従来は、上記のアスファルト系や合成ゴム系の止水材料を用いたシートが多く使用されている。
しかし、アスファルト系の止水材料を用いたシートの場合は、釘穴の問題だけでなく、特に冬場などの低温環境下では折り曲げにより亀裂(クラック)が入りやすく、この部分から漏水などの問題が発生することがある。更に重量目付が約700g/mと重いため、取り扱いにくく、特に高所での作業において安全性に問題もでている。
また、合成ゴム系の止水材料を用いたシートの場合は、長期使用により合成ゴムが熱や光などで次第に変質・劣化し、硬化あるいは収縮したりするため、釘やタッカーにより生じた穴とシートの隙間が拡大して止水性が損なわれる。
また、特許文献1には、塩化ビニル樹脂のフィルムもしくはシートを、吸水性樹脂を含有した不織布の片面または両面に貼付してなる遮水シートが開示されているが、塩化ビニル樹脂は長期間熱が加わることで可塑剤が溶出して柔軟性が失われて十分な止水性が得られない虞や、低温時に衝撃が加わると、シート表面に亀裂が生じて止水性が得られない虞がある。また、焼却廃棄時に多くのダイオキシン類を発生することが懸念されており、環境問題に発展する虞ある。また、環境ホルモンを含む可塑剤の溶出で人体への影響も懸念される。
更に、特許文献2には、透湿性と止水性を得るためにポリエチレンフィルムと膨潤層と不織布を接着した建築用防水シートが開示されているが、不織布の厚みの薄い部分が敷設施工時に損傷しやすく、損傷した不織布部分から膨潤剤がしみ出し、止水性が損なわれる虞がある。
特開平5−162258号公報 特開2002−316373号公報
本発明は、釘やタッカーなどによる穴の止水性に優れ、耐久強靱性を有し、かつ軽量で取り扱いやすい建築下地用防水性シートを提供することを課題とするものである。
上記の課題を達成すべく鋭意検討した結果、効果の顕著な本発明に到達した。
即ち、本発明は(1)に、二層の合成樹脂フィルムの間に、吸水性高分子樹脂からなる膨潤層を有する不織布が狭持された多層構造体であって、該膨潤層として吸水膨張倍率が200倍より大きい吸水性高分子樹脂が5〜40g/m形成され、かつ該膨潤層の該不織布に対する占有面積が40〜100%で形成されており、一方の該合成樹脂フィルムの膜厚は50〜300μm、他方の該合成樹脂フィルムの膜厚は5〜60μmであり、かつ、二層のフィルム同士の静摩擦係数が0.2以上であることを特徴とする建築下地用防水シートである。
また、(2)に、不織布と合成樹脂フィルムの接着面積割合が30〜100%である(1)記載の建築下地用防水シートである。
また、()に、不織布は目付が30〜300g/mの合成繊維で形成されている(1)又は(2)に記載の建築下地用防水シート。
また、()に、二層の合成樹脂フィルムの少なくとも一方が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含んでいる(1)〜()のいずれかに記載の建築下地用防水シートである。
また、()に、JIS S6030規定の3号Uステープラ用つづり針で合板に固定し、JIS A 5430 10.6(透水試験)に準じて、管内に50mmの高さまで水を入れ24時間放置した時の合板への水漏れ面積が1cmを越えないことを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の建築下地用防水シートである。


本発明の建築下地用防水シートは、二層の合成樹脂フィルムの間に、吸水性高分子樹脂からなる膨潤層を有する不織布が狭持された多層構造体であって、該膨潤層として吸水膨張倍率が200倍より大きい吸水性高分子樹脂が5〜40g/m形成され、かつ該膨潤層の該不織布に対する占有面積が40〜90%で形成されていることを特徴とする建築下地用防水シートである。本発明の建築下地用防水シートは、防水性で釘穴止水性が良好な合成樹脂フィルムと吸水膨張倍率が200倍より大きい吸水性高分子樹脂による膨潤層を有するため、該シートに釘等を打ち付けても、釘穴の周囲から水が侵入しにくく、更に、釘穴の周囲から浸入した水分は、吸水性高分子樹脂により吸収され、該樹脂は膨潤し釘周りの微空間を充填して水の浸透を防止し、優れた止水性を発揮することが出来るのである。また、本発明では膨潤層を二層の合成樹脂フィルムで挟み込む構造であるため、吸水性高分子樹脂が吸水しゲル化した場合でも、吸水性高分子樹脂がシートの表面や裏面に染み出す不具合も低減でき、更に、ゲル化した吸水性高分子樹脂の上下方向(シートの厚み方向)への膨潤が抑制されることで、効率よく迅速に釘穴部の空隙に充填される。また、二層の合成樹脂フィルムで不織布を狭持された構造のため軽量かつ強靱で、優れた耐久性のあるシートが得られる。
本発明の建築下地用防水シートは、図1に示すように、二層の合成樹脂フィルムの間に不織布が狭持された多層構造体であって、該不織布の表面、裏面または不織布内に吸水膨張倍率が200倍より大きい吸水性高分子樹脂5〜40g/mで形成された膨潤層が付与され、かつ該膨潤層の該不織布に対する占有面積が40〜100%で形成されていることを特徴とする建築下地用防水シートである。
本発明に用いる合成樹脂フィルムは融点が100℃以上であることが好ましく、更に110℃以上のが好ましい。融点が100℃未満の合成樹脂フィルムは、窓枠サッシが日射により高温になったときに、熱によりシート自体が溶解したり変形する虞ある。
使用できる素材としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸コポリマー、ポリビニルアルコールエチレン酢酸ビニルコポリマーエチレン酢酸ビニルコポリマーなどの酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系などのポリウレタン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を挙げることができる。これらの樹脂のなかでも、融点、柔軟性、引裂強さ、耐候性の点で直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。
一方の合成樹脂フィルムの厚みは50〜300μmが好ましく、さらに、80〜250μmが好ましい。厚さが50μm未満ではシート上にサッシ枠をはめ込む際にサッシ枠が当ることでフィルム破れ、裂けることがあり防水性を出せなくなるばかりか膨潤層からの浸み出しも抑制されにくくなり、シート自体の引裂強度を保てない虞がある。また、300μmより厚くなると建築下地用防水シートが硬くなると共に、巻きにくく、更には目付重量が重くなるため取り扱いにくくなる虞がある。
また、表層に用いる合成樹脂フィルムの表面は、防滑性を付与する目的で、エンボス加工等を施すこともできる。エンボス加工等によるフィルム表面の凸凹の差は20〜200μmが好ましく、より好ましくは50〜100μmである。フィルム表面の凹凸の差が20μmより小さいと防滑性が得られない虞がある。また、フィルム表面凸凹の差が200μmより大きいと製品の厚みが増し、巻径が太くなり取り扱いが困難になる虞がある。フィルム表面の柄としては、丸形ドットやダイヤ形ドット、亀甲形ドットなどが挙げられ、防滑性があれは特に形状や凹凸数、接触面積など限定されるものではない。
また、他方の合成樹脂フィルムの厚みは5〜60μmが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。5μmより薄いと敷設下地との摩耗でフィルムが破損し、吸水性高分子樹脂の浸み出しが起こり防水性がなくなる虞がある。60μmより厚くなると、強度などは十分であるが重量が増加するため取り扱いが困難となる虞があり、かつ、経済的ではない。
裏層に用いる合成樹脂フィルムは、上記の様に吸水性高分子樹脂が吸水時のゲル化した時における該樹脂の浸み出しを防ぎ、更に建築下地用防水シート全体の補強をも目的に構成しているものである。
また、二層の合成樹脂フィルム同士の静摩擦係数(JIS K7125 8.1の測定法に基づく)を0.2以上にすることが好ましく、より好ましくは0.3以上である。静摩擦係数が0.2未満ではシートをロール状に巻いた場合に、滑りにより巻ズレが発生し、持ち運びや施工等での作業性に支障が出る虞がある。
合成樹脂フィルム同士の静摩擦係数が0.2以上を得るには、フィルム表層の凹凸の凸部分面積が、二層それぞれの面積の90%以上であることが好ましい。凸部の面積が90%より小さいと二層の接触面積が少なくなり静摩擦係数が0.2を下回る虞がある。また、合成樹脂フィルム同士の静摩擦係数が0.2未満の合成樹脂を用いる場合は、合成樹脂フィルム表面を型押しなどで凹凸にすることで静摩擦係数を0.2以上にすることができる。また、ゴム系樹脂を付与し凹凸を形成する方法もあるが、ゴム系樹脂は高温時に変質して、フィルムに密着して解体時にシートを分別出来ない虞がある。
また、二層の合成樹脂フィルムに用いる合成樹脂のガラス転移温度は0℃以下が好ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合、シート表面に氷結が発生した場合にシートの柔軟性が損なわれ、低温時施工の折り曲げなどで、シートに亀裂が発生する虞がある。ガラス転移温度0℃以下の合成樹脂の具体例としてはポリブタジエン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
また、本発明に用いる不織布は、100℃の温度下で外観の変化がなく寸法変化が1%以下で、100N/5cm以上の引張強度を有する、長繊維からなる不織布が好ましく用いられる。引張強度が100N/5cmより小さいと、製品を施工するときの外力で破損する虞がある。このような不織布としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ポリオレフィン系などの合成樹脂製長繊維フィラメントが高密度かつ無方向に堆積接合された不織布であり、紡糸、延伸、開繊、接着の工程を連続的に行なう直接紡糸法により、長繊維をランダムに堆積しボンディングして得られるものである。具体的には、紡糸可能な合成樹脂を押出機に投入して溶融状態とし、紡糸ノズルから押し出された繊維をローラー法またはエアジェット法で延伸繊維化するスパンボンド法による不織布、溶融状態の樹脂を高圧ガス流と共に紡糸ノズルから噴射して延伸繊維化するメルトブロー法による不織布や、紡糸可能な合成樹脂を溶媒に高温高圧化で溶解した溶液を紡糸ノズルを通して大気中に放出し、溶媒を気化させて繊維化するフラッシュ紡糸法による不織布などが挙げられる。
また不織布の目付は30〜300g/mが好ましく、より好ましくは40〜100g/mである。30g/mより小さいとシート全体の強度が十分に確保できない虞があり、また300g/mより大きいと不織布が厚く、重いため、持ち運びや施工時の作業性が悪くなる。
不織布の厚みは0.2〜1.5mmが好ましく、より好ましくは0.4〜0.8mmである。厚みが0.2mmより小さいと不織布のコシが無くなり施工性が悪くなる虞がある。また、1.5mmより大きいと巻き径が大きくなるなど取り扱い性が悪くなる。
また、該不織布は融点が100℃以上の合成繊維で形成されていることが好ましく、更に好ましくは110℃以上である。天然繊維で形成された不織布は水が染みこんだときに強度が低下し、シート自体が破損する虞があり、また、融点100℃未満の合繊繊維で形成された不織布は、窓枠サッシが日射により高温になったときに熱によりシート自体が溶解や変形する虞ある。
本発明に用いる吸水性高分子樹脂は、セルロース・アクリロニトリル重合体、デンプン・アクリロニトリル重合体、アクリル酸・ビニルアルコール共重合体、アクリル酸ソーダ重合体、アクリル酸ソーダ・アクリルアミド重合体、ポリエチレンオキサイド変性体、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体などが挙げられるが、熱に対する安定性と、吸水膨張倍率の点からポリアクリル酸共重合体やビニルアルコール共重合体などの合成吸水性高分子樹脂系が好ましく用いられる。また、これらの樹脂を複数組み合わせて使用することもできる。
吸水性高分子樹脂の吸水膨張倍率は200倍より大きいことが必要で、より好ましくは400倍以上である。吸水膨張倍率が200倍以下では釘の周囲から浸入する水分を吸収しても、釘周りの微空間を完全に充填することが困難なため、水の浸透を防止出来ない虞がある。
本発明における吸水膨張倍率の測定方法は、乾燥した吸水性高分子樹脂に過剰な蒸留水を加え、20℃で24時間静置した後、吸水前後の重量変化から吸水量を求め下記式1より吸水膨張倍率を算出した。
〔式1〕 吸水膨張倍率=吸水量/乾燥重量
これらの吸水性高分子樹脂は微粉末状態でバインダーを使用し不織布の表面又は裏面に固着させるか、または不織布層内に含浸するため、粒径は小さいほど良く、100μm以下が好ましい。100μmより大きいと不織布に対して均一に塗布することが難しくなるため、安定した止水性が得られにくくなる。使用するバインダーとしては、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂などが使用でき、中でも加工時の取り扱い性の良さ、およびコストの面から、アクリル系樹脂が好ましく使用される。吸水性高分子樹脂の付与方法としては、コーティング法、グラビア法、スクリーン捺染法、含浸法、スプレー法などが挙げられる。
吸水性高分子樹脂の付与量としてはドライ状態で5〜40g/mであり、好ましくは10〜30g/mである。付与量が5g/mより少ないと、充分に釘穴の隙間を充填出来ないため止水性を維持できない虞があり、また、40g/mより多く付与しても、膨張した樹脂が釘穴の隙間から浸み出してしまい、性能向上しにくいばかりか、コスト的に無駄となる。
また、吸水性高分子樹脂からなる膨潤層の不織布に対する占有面積は40〜100%であり、好ましくは50〜100%である。占有面積が40%未満であると、吸水性高分子樹脂が塗布されていない面積の方が広くなり釘穴における釘の周囲に吸水性高分子樹脂が存在しない部分が発生し、止水性を発揮できない虞がある。
二層の合成樹脂フィルムの間に不織布を狭持する方法としては、合成樹脂を押出しラミネートにより不織布に溶融ラミネートする方法が挙げられる。用いるフィルム素材としては、Tダイなどで押出しラミネートできる樹脂でかつ、不織布との接着性が良好であれば特に限定されるものではない。好ましい樹脂としては、ポリオレフィン系、ポリ酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリスチレン系等の合成樹脂が溶融押し出しが容易で、接着性が良好であり経済的に好ましい。これらのなかから、使用する不織布素材の種類や樹脂フィルムとの接着性を考慮して適宜のものを選択することができる。
また、合成樹脂フィルムが既にフィルム状に成形されたものを使用する場合は、不織布との接着性が良好なTダイなどで押出しラミネートできる樹脂による熱ラミネーションする方法が挙げられ、合成樹脂フィルムの素材としては上記に挙げた合成樹脂の中から適宜選択することができる。また、使用される接着剤は、方法や目的等により溶剤系、エマルジョン系を選定すれば良く特に限定はされない。
他法として、通常のドライラミネート、ウェットラミネート等の方法を用いることもできるが、経済的観点から溶融ラミネート法が好ましく用いられる。
また、二層の合成樹脂フィルムと膨潤層を含む不織布との接着面積の割合は30%以上が好ましい。接着面積が30%より低いと、吸水性高分子樹脂が水分を吸収し膨潤した際に、十分な接着強度が得られず、合成樹脂フィルムと不織布が剥離する虞があり、樹脂流れ、漏水、染み出しする虞がある。
本発明の建築下地用防水シートの総重量は100〜600g/mが好ましく、より好ましくは200〜400g/mである。100g/mより軽いと、施工の際、風の影響を受けシートが煽られやすく、施工性が悪くなる虞があり、また、600g/mより重いと高所の運搬がしにくく、施工性が悪くなる虞がある。
また、本発明の建築下地用防水シートの総厚みは200〜1000μmが好ましい。総厚みが200μm未満であると、防水シートとしての十分な強度が得られない虞がある。また1000μmより大きいと、防水シートが曲げにくくなり、施工性が悪くなる虞がある。
また、本発明の建築下地用防水シートの強度は、JIS L 1096に基づく引裂強さ測定においてタテ(長さ方向)およびヨコ(ロールの巾方向)共20N以上であることが好ましい。引裂強さが20N未満であると、建築下地用防水シート敷設の釘打ち施工後、建築下地用防水シート上を歩行移動する際、釘穴部分(周囲)の強度が維持できず、釘穴が拡大することあり、この部分からの漏水する虞がある。
本発明における建築下地用防水シートを構成する不織布及び合成樹脂フィルムのそれぞれの重量は、建築下地用防水シートのトータル重量及びトータル強度が上記規定の範囲に入るように適宜選択され、また、100℃以上の融点を有する不織布及び樹脂フィルムと、熱安定性に優れた吸水性高分子樹脂を適宜に組み合わせることで、熱劣化しにくい耐久性に優れた建築下地用防水シートが得られるものである。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、特に実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各特性値は、以下の方法により測定したものである。
〔釘穴止水性〕
室温(20〜25℃)の環境において、12mm厚の合板と作製した防水シート(試料)の間に濾紙を挟み、試料の表面からJIS S6030規定の3号Uステープラ用つづり針(肩幅12mm、足長10mm、MAX社製 T3−10MB)を打ち込む。その後、JIS A 5430 10.6(透水試験)に基づき、試料面に立てた管内に50mmの高さまで水を入れ、24時間放置後の濾紙への水漏れ状態を下記にて評価した。
○:濾紙への漏水跡面積が1cm以下
×:濾紙への漏水跡面積が1cmより大きい
〔釘穴止水・耐久性〕
シート施工表面を照射面としてJIS A1415(表4)の日射促進暴露試験を行い、その後、JIS K7271に準じて80℃±2℃にて14週間の加熱処理をしたシートを試験体として、釘穴止水性試験を行い、24時間放置後の濾紙への水漏れ状態を下記にて評価した。
○:濾紙への漏水跡面積が1cm以下
×:濾紙への漏水跡面積が1cmより大きい
〔耐久引裂強度〕
シート施工表面を照射面としてJIS A1415(表4)の日射促進暴露試験を行い、その後、JIS K7271に準じて80℃±2℃にて14週間の加熱処理をしたシートを試験体として、JIS L1096(8.15.2 A−2法)における引裂強さと日射促進暴露前の引裂強さに対する保持率にて下記にて評価した。
○:引裂強さ15N以上かつ日射促進前の50%以上の保持率
×:引裂強さ15N未満又は日射促進前の50%未満の保持率
〔経時安定性〕
シート施工表面を照射面としてJIS A1415(表4)の日射促進暴露試験を行い、その後、JIS K7271に準じて80℃±2℃にて14週間の加熱処理後の寸法変化(収縮率)を測定した。
○:収縮率が1%以下
×:収縮率が1%より大きい
〔巻きズレ防滑性〕
二層のシート同士の静摩擦係数をJIS K7125 8.1に基づき測定し、下記にて評価した。
○:静摩擦係数0.2以上で巻きズレが発生しにくい。
×:静摩擦係数0.2より小さく巻きズレが発生しやすい。
〔作業性〕
下記のように持ち運びのしやすさで判断した。
○:重量600g/m未満の製品1本(300mm巾で20m巻)を片手で容易に持ち運びが可能。
×:重量600g/m以上の製品1本(300mm巾で20m巻)を片手では持ち運びが困難。
〔実施例1〕
目付が60g/mのポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡績株式会社製)に、吸水膨張倍率が600倍の澱粉−ポリアクリル酸塩よりなる吸水性高分子樹脂(三洋化成工業株式会社製)をグラビアロールコーターにより、該不織布面積の80%に、固形分として20g/m付着するように塗布した。この不織布の吸水性高分子樹脂を塗布した面に、重量が25g/mの溶融した低密度ポリエチレンをTダイより押し出しながら、厚みが100μmで密度0.95g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(酒井化学工業株式会社製)を加圧ロールにより熱ラミネーションし、さらに熱ラミネートした反対面にTダイから低密度ポリエチレンを50μmの厚みとなる様に押し出し、加圧ロールにより圧着することにより目的とする厚み350μmで重量250g/mの建築下地用防水シートを得た。得られた建築下地用防水シートの表層と裏層の合成樹脂フィルム間の静摩擦係数は0.3で、直鎖低密度ポリエチレンフィルム面を表層にして使用した。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
重量が100g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(出光ユニテック株式会社製)に、吸水膨張倍率が400倍の橋かけポリビニルアルコールからなる吸水性高分子樹脂(日本合成化学株式会社製アクアリザーブGP)をグラビアロールコーターにより、該不織布面積の50%に、固形分として30g/m付着するように塗布した。この不織布の吸水性高分子樹脂を付与した面に実厚み100μmで菱形エンボスを施して凹凸を含めた全体の厚みが350μmで、密度0.95g/cmの低密度ポリエチレンフィルム(酒井化学工業株式会社製)をドライラミネート法により接着し、更に吸水性高分子樹脂を塗布していない面にも、厚み50μmのポリエチレン酢酸ビニルフィルムをドライラミネート法により接着して目的とする厚み650μmで重量280g/mの建築下地用防水シートを得た。得られた建築下地用防水シートの表層と裏層の合成樹脂フィルム間の静摩擦係数は0.5で、低密度ポリエチレンフィルム面を表層にして使用した。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
吸水膨張倍率が200倍の吸水性高分子樹脂(荒川化学工業(株)社製 ポリアクリル酸系吸水性高分子樹脂 アラソープ)を不織布面積の90%に固形分として40g/m付着するように塗布する以外は実施例1と同様な方法により、厚み350μmで重量250g/mの建築下地用防水シートを得た。得られた建築下地用防水シートの表層と裏層の合成樹脂フィルム間の静摩擦係数は0.3で、直鎖低密度ポリエチレンフィルム面を表層にして使用した評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
吸水膨張倍率が600倍の吸水性高分子樹脂(三洋化成工業株式会社製 脂澱粉−ポリアクリル酸塩系吸水性高分子樹脂)を不織布面積の35%に固形分として40g/m付着するように塗布する以外は実施例1と同様な方法により、厚み650μmで重量280g/mの建築下地用防水シートを得た。得られた建築下地用防水シートの表層と裏層の合成樹脂フィルム間の静摩擦係数は0.3で、直鎖低密度ポリエチレンフィルム面を表層にして使用した評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
ゴム改質アスファルトシートをアスファルト含浸不織布とアスファルト含浸紙で挟んだ状態で積層して、厚み850μmで重量750g/mの建築下地用防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
〔比較例4〕
ポリプロピレン不織布とポリエチレンシートを積層し、厚み300μmで重量220g/mの建築下地用防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 0005570093
本発明の建築下地用防水シートの断面を示す概略図例である。
符号の説明
1.表層の合成樹脂フィルム
2.膨潤層(吸水性高分子樹脂)
3.不織布
4.裏層の合成樹脂フィルム

Claims (5)

  1. 二層の合成樹脂フィルムの間に、吸水性高分子樹脂からなる膨潤層を有する不織布が狭持された多層構造体であって、該膨潤層として吸水膨張倍率が200倍より大きい吸水性高分子樹脂が5〜40g/m形成され、かつ該膨潤層の該不織布に対する占有面積が40〜100%で形成されており、一方の該合成樹脂フィルムの膜厚は50〜300μm、他方の該合成樹脂フィルムの膜厚は5〜60μmであり、かつ、二層のフィルム同士の静摩擦係数が0.2以上であることを特徴とする建築下地用防水シート。
  2. 不織布と合成樹脂フィルムの接着面積割合が30〜100%である請求項1記載の建築下地用防水シート。
  3. 不織布は目付が30〜300g/mの合成繊維で形成されている請求項1又は2記載の建築下地用防水シート。
  4. 二層の合成樹脂フィルムの少なくとも一方が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含んでいる請求項1〜のいずれかに記載の建築下地用防水シート。
  5. JIS S6030規定の3号Uステープラ用つづり針で合板に固定し、JIS A 5430 10.6(透水試験)に準じて、管内に50mmの高さまで水を入れ24時間放置した時の合板への水漏れ面積が1cmを越えないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の建築下地用防水シート。
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