JP6465581B2 - 透湿防水性養生シート及びその製造方法 - Google Patents
透湿防水性養生シート及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6465581B2 JP6465581B2 JP2014150445A JP2014150445A JP6465581B2 JP 6465581 B2 JP6465581 B2 JP 6465581B2 JP 2014150445 A JP2014150445 A JP 2014150445A JP 2014150445 A JP2014150445 A JP 2014150445A JP 6465581 B2 JP6465581 B2 JP 6465581B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- moisture
- permeable
- layer
- sheet
- curing sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
前記のような養生シートは床材との密着性も良く、防水性に優れているため、雨水などの水分の浸入を防ぐ性能を有している。しかしながら、シートに破れや剥れが生じ、雨水などの水分がシートと床材の間に浸入してしまうと、シートに透湿性がないため、水分が長期間滞留し続けることでシミや変形、カビなどによる腐食などが発生するという問題がある。
即ち、本発明は、透湿基材層、多孔フィルム層、および、粘着樹脂(但しホットメルト粘着剤を除く)からなる透湿粘着層が積層された少なくとも3層からなる透湿防水性養生シートであって、前記透湿基材層が、芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布であり、前記透湿粘着層が多孔フィルム層の全域に形成され、かつ前記透湿粘着層内に透湿路が分布していることを特徴とする透湿防水性養生シートである。
ここで、前記透湿防水性養生シートの透湿度が300g/m2・24h以上であることが好ましい。
また、前記透湿防水性養生シートの透過色差ΔEが20以上であることが好ましい。
また、前記透湿防水性養生シートの自背面粘着力が0.5〜5.0N/2.5cmであることが好ましい。
また、本発明の透湿防水性養生シートの製造方法は、芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布である透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程と、透湿粘着層組成物(但しホットメルト粘着剤を除く)を多孔フィルム層の全域に塗工し透湿粘着層を積層する工程と、粘着樹脂を乾燥させる乾燥工程とを含み、透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程が、サーマルラミネート法によることを特徴とする。
また、気泡発生材として、水や気泡そのものを粘着樹脂に分散させて、透湿路5を形成してもよい。
さらに、前記多孔フィルム層3としては、多孔フィルムの素材の融点が鞘部の素材の融点と同程度であることが好ましい。多孔フィルムと鞘部の素材の融点が同程度であれば、鞘部及び多孔フィルムの素材の融点付近の温度でサーマルラミネートをすることによって、透湿性を維持しながら、互いに融着させることができ、界面の密着性が向上する。
なお、実施例および比較例における各物性値は以下の方法により測定した。また各測定は標準環境下(温度22℃、湿度65%)にて行った。
JIS L 1099 A−1法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、300g/m2・24h以上のものを透湿度ありと判断した。
(2)透過色差
シート裏側に白(L値96.880,a値−0.801,b値−0.005)および黒(L値23.763,a値0.074,b値−0.536)のアクリル板(2mm厚)をそれぞれあて実施例、比較例の各シートの色差(ΔE)を測定し、透過色差ΔEとした。そして、20以上のものをシートの透け感ありと判断した。測色器は、X−Rite社製「Color i5」を使用した。
(3)耐水度
JIS L 1092 B法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、10kPa以上のものを耐水度ありと判断した。
(4)引張強度
JIS L 1096 A法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、100N/5cm以上かつ横方向40N/5cm以上のものを引張強度ありと判断した。
(5)引裂強度
JIS L 1096 A−1法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、縦方向4N以上、横方向2N以上のものを引裂強度ありと判断した。
(6)粘着力(SUS板、自背面)
JIS Z 0237に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、SUS板で1.0〜10.0N/2.5cmかつ自背面で0.5〜5.0N/2.5cmのものを粘着力ありと判断した。
(7)乾燥性
水道水に24時間浸漬させた30cm角の厚さ12mmの針葉樹合板を65cm角の実施例および比較例の各シートで梱包し、水分の浸入がないようにシート端部を防水テープにてシールした後、40℃の乾燥機に入れ、1週間後に合板の乾燥率を計測した。そして、下記の評価基準に基づき、乾燥性を評価した。
乾燥率(%)=(乾燥後の針葉樹合板の重さ/乾燥前の針葉樹合板の重さ)×100
<評価基準>
○:50%以上,△:10%以上50%未満,×:10%未満
(8)密着性
30cm角、厚さ12mmの針葉樹合板に20×30cm角の実施例および比較例の各シートを2枚、シート同士が10×30cmずつ重なるように並べて貼付した。次に1カ月間屋外に放置し、その後、合板に直接貼付した部分とシート同士が重なる部分のそれぞれについて風雨によるシートの剥離の有無を目視にて評価した。そして、下記の評価基準に基づき、密着性を評価した。
<評価基準>
○:剥離なし,△:やや剥離あり,×:大部分に剥離が見られる
(9)水分拡散防止性
30cm角、厚さ12mmの針葉樹合板に30cm角の実施例および比較例の各シートを貼付し、合板の端部から雨水が浸入することを防止するために、合板の周囲を防水テープでシールした。次にシートの中央にタテ1cm,ヨコ1cmのクロスラインを引き、ラインに沿って、カッターで切り込みを入れた。次に、降雨量70mm/時間を想定したシャワー試験を24時間継続して行い、切り込みから浸入した雨水の拡散面積を下記の評価基準に基づき、評価した。
<評価基準>
○:10cm2未満,△:10cm2以上20cm2未満,×:20cm2以上
(10)文字認識性
白(L値96.880,a値−0.801,b値−0.005)のアクリル板に、油性マジックで文字を書き、その上に実施例および比較例の各シートを1枚重ねた時の文字の認識レベルを目視にて評価した。
<評価基準>
○:ハッキリ認識できる,△:わずかに認識できる,×:全く認識できない
(11)展開性
ロール状にした実施例および比較例の各シート(巾100cm×長50m)を準備し、針葉樹合板にシートを貼付する際の巻き出しやすさを実際に貼付することにより評価した。
<評価基準>
○:容易に巻き出せる,△:シートをやや強く引っ張れば巻き出せる(シートに歪み、裂けはなし),×:シートを強く引っ張れば巻き出せるが、シートに歪み、裂けが発生する
透湿基材層(ユニチカ株式会社製、鞘ポリエチレン芯ポリエステル不織布、エルベスII、T0303WEO、目付30g/m2、鞘部融点100℃、芯部融点266℃)と、多孔フィルム層(大和川ポリマー株式会社製、ポリエチレンフィルム、YP2618、厚み18μm、融点122℃)をサーマルラミネート法(温度条件125℃)によって貼り合わせた。次に多孔フィルム層に球状粒型粘着樹脂(株式会社村山化学研究所製、アクリル酸エステル共重合物、サンアクリルSP−414)をコンマコーターにて14g/m2塗工し、透湿粘着層を設けて、厚さ128μm、目付62g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
球状粒型粘着樹脂の塗工量を28g/m2に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ132μm、目付76g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
透湿基材層および多孔フィルム層の貼り合わせについて、実施例1と同様に行った後、透湿基材層に離型樹脂(アクリル系離型用樹脂)をグラビアコーターにて0.1g/m2塗工し、離型層を設けた。次に多孔フィルム層に球状粒型粘着樹脂(株式会社村山化学研究所製、アクリル酸エステル共重合物 サンアクリルSP−414)をコンマコーターにて14g/m2塗工し、透湿粘着層を設けて、厚さ130μm、目付62g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
離型樹脂の塗工量を0.5g/m2に変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ130μm、目付63g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
離型樹脂の塗工量を1.0g/m2に変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ130μm、目付63g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
球状粒型粘着樹脂の塗工量を7.0g/m2、離型樹脂の塗工量を1.0g/m2に変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ128μm、目付59g/m2のシートを得た。
多孔フィルムの目付を25g/m2、離型樹脂の塗工量を0.5g/m2に変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ143μm、目付70g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
透湿基材層および多孔フィルム層の貼り合わせについて、実施例1と同様に行った後、透湿基材層に離型樹脂(アクリル系離型用樹脂)を、グラビアコーターにて0.5g/m2塗工し、離型層を設けた。次に多孔フィルム層に、気泡発生材含有の粘着樹脂(ビッグテクノス株式会社製、アクリル系主剤リキダインAR−2404を100部に吸水性樹脂リキダインAR739Mを30部、架橋剤サンパスターHD−739Dを1部添加)をコンマコーターにて10g/m2塗工し、透湿粘着層を設けて、厚さ128μm、目付59g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
透湿基材層(JX日鉱日石ANCI株式会社、ポリオレフィン系割繊維不織布、目付48g/m2、融点105℃)と、多孔フィルム層(大和川ポリマー株式会社製、ポリエチレンフィルム、目付55g/m2、融点122℃)をサーマルラミネート法(温度条件125℃)によって貼り合わせた。次に多孔フィルム層に縦方向に塗工幅6mm,非塗工幅4mmの連続縞状に、アクリル系樹脂の粘着層を20g/m2塗工し、厚さ190μm、目付123g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
透湿基材層(ユニチカ株式会社製、鞘ポリエチレン芯ポリエステル不織布、エルベスII T0303WEO、目付30g/m2、鞘部融点100℃、芯部融点266℃)と、多孔フィルム層(大和川ポリマー株式会社製、ポリエチレンフィルム、YP2618、厚み18μm、融点122℃)をサーマルラミネート法(温度条件125℃)によって貼り合わせた。次に多孔フィルム層に溶剤系粘着剤(サイデン化学株式会社製、アクリル系樹脂、ATR−1)をコンマコーターにて14g/m2塗工し、厚さ100μm、目付62g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示す。
2 透湿粘着層
3 多孔フィルム層
4 透湿基材層
5 透湿路
Claims (5)
- 透湿基材層、多孔フィルム層、および、粘着樹脂(但しホットメルト粘着剤を除く)からなる透湿粘着層が積層された少なくとも3層からなる透湿防水性養生シートであって、
前記透湿基材層が、芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布であり、
前記透湿粘着層が多孔フィルム層の全域に形成され、
かつ前記透湿粘着層内に透湿路が分布していることを特徴とする透湿防水性養生シート。 - 前記透湿防水性養生シートの透湿度が300g/m2・24h以上であることを特徴とする請求項1に記載の透湿防水性養生シート。
- 前記透湿防水性養生シートの透過色差ΔEが20以上である請求項1または2に記載の透湿防水性養生シート。
- 前記透湿防水性養生シートの自背面粘着力が0.5〜5.0N/2.5cmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の透湿防水性養生シート。
- 芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布である透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程と、透湿粘着層組成物(但しホットメルト粘着剤を除く)を多孔フィルム層の全域に塗工し透湿粘着層を積層する工程と、粘着樹脂を乾燥させる乾燥工程とを含み、透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程が、サーマルラミネート法によることを特徴とする透湿防水性養生シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014150445A JP6465581B2 (ja) | 2014-07-24 | 2014-07-24 | 透湿防水性養生シート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014150445A JP6465581B2 (ja) | 2014-07-24 | 2014-07-24 | 透湿防水性養生シート及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016023521A JP2016023521A (ja) | 2016-02-08 |
JP6465581B2 true JP6465581B2 (ja) | 2019-02-06 |
Family
ID=55270542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014150445A Active JP6465581B2 (ja) | 2014-07-24 | 2014-07-24 | 透湿防水性養生シート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6465581B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017175753A1 (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | サンスター技研株式会社 | 滑り止め施工用粘着シート |
JP7023292B2 (ja) | 2017-10-02 | 2022-02-21 | クラレプラスチックス株式会社 | 多数の貫通孔を有する制振性シート |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4943646B2 (ja) * | 2004-11-19 | 2012-05-30 | 大倉工業株式会社 | 透湿性床養生用粘着シート |
JP2009007896A (ja) * | 2007-06-29 | 2009-01-15 | Okura Ind Co Ltd | 透湿性床養生用シート |
-
2014
- 2014-07-24 JP JP2014150445A patent/JP6465581B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016023521A (ja) | 2016-02-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6067389B2 (ja) | 透湿性養生シート | |
RU2625879C2 (ru) | Многослойное поверхностное покрытие | |
JP5934096B2 (ja) | 屋根下地シート及びその製造方法 | |
JP6465581B2 (ja) | 透湿防水性養生シート及びその製造方法 | |
JP2006328879A (ja) | 建材用透湿防水シート | |
JP5683504B2 (ja) | コンクリート養生用粘着テープ及び養生方法 | |
JP5570093B2 (ja) | 建築下地用防水シート | |
KR101702124B1 (ko) | 고정부재를 사용하지 않는 투습방수시트 및 이의 제조방법, 시공방법 | |
JP2006143867A (ja) | 透湿性床養生用粘着シート | |
JP4639080B2 (ja) | 止水性屋根下葺材 | |
JP2006299717A (ja) | 防水工事用シート及び防水工事方法 | |
JP7026445B2 (ja) | 野地養生シート | |
JP2012026150A (ja) | 塗膜防水シート | |
JP6979508B2 (ja) | 防水シートおよびその使用方法 | |
JP3779685B2 (ja) | 防水施工用シート状物および防水施工法 | |
JP6715008B2 (ja) | 建築用防水シート | |
JP2006022609A (ja) | 防水施工用シート状物および防水施工法 | |
KR200433849Y1 (ko) | 방습 및 방냉 기능을 갖는 단열 벽지 | |
JP6411760B2 (ja) | 建築下地用防水シート | |
WO2016027799A1 (ja) | 粘着層付屋根下葺材 | |
US20200407972A1 (en) | Permeable water-resistive self adhesive underlayment/air barrier building membrane | |
JP7149717B2 (ja) | 型枠保護シート | |
JP5067987B2 (ja) | コンクリート養生用粘着テープ及び養生方法 | |
KR101693153B1 (ko) | 방수 보강재 및 이를 이용한 방수 시공 방법 | |
JP2023132222A (ja) | 住宅下地用止水シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170721 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180423 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180510 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180705 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181210 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6465581 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |