JP6465581B2 - 透湿防水性養生シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、養生シートに関するものであり、詳しくは、住宅施工工程中に床材などの木材を覆い、雨水や土泥による汚れ、作業による損傷などから保護するために使用し、かつ床材などの木材に、水分によるシミや変形、カビなどの発生を抑制することが可能な透湿防水性養生シートに関するものである。
従来、住宅の施工の際、特に2×4工法などのプレハブ建築において、床材を雨水などの水分や作業者の土足汚れから保護するために、養生シートが用いられている。例えば特許文献1には、シートの裏面に木材との密着性が良く再剥離性がある粘着樹脂が塗工されてなる養生シートが開示されている。
前記のような養生シートは床材との密着性も良く、防水性に優れているため、雨水などの水分の浸入を防ぐ性能を有している。しかしながら、シートに破れや剥れが生じ、雨水などの水分がシートと床材の間に浸入してしまうと、シートに透湿性がないため、水分が長期間滞留し続けることでシミや変形、カビなどによる腐食などが発生するという問題がある。
そこで、近年では、養生シートの透湿性に着目した提案もなされている。例えば特許文献2及び特許文献3には、透湿性を有する基材に非塗工部(非粘着部)を設けるように粘着樹脂を配置させることで、シートと床材の間に浸入してきた水分を外部に放出させる透湿防水性養生シートが開示されている。しかしながら、透湿性を確保するために非塗工部を設けているため、部分的に床材との密着性が不十分となり、さらにはシートとシートの重ね代断面の非粘着部や、破れたシート部位などから水分が浸入してきた場合、非塗工部が水分の通り道となり、床材全体に拡散し易く、シミや変形、カビなどから床材を保護する効果が損なわれるという問題がある。また、粘着樹脂からなる層は従来、透湿性がなく透湿性のある基材の全域に形成してしまうと、基材の透湿性を阻害するものであった。
特開2006−009250号公報 特開2006−143867号公報 特開2009−007896号公報
本発明の透湿防水性養生シートは、上記課題を解決しようとするものであり、床材を傷や汚れから保護し、床材との密着性に優れ、さらには養生シートと床材との間に水分が浸入した場合でも、水分の拡散を防ぎ、かつ浸入した水分を外部に放出できる透湿防水性養生シートを提供することを目的とする。
本発明は、次のような構成を有するものである。
即ち、本発明は、透湿基材層、多孔フィルム層、および、粘着樹脂(但しホットメルト粘着剤を除く)からなる透湿粘着層が積層された少なくとも3層からなる透湿防水性養生シートであって、前記透湿基材層が、芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布であり、前記透湿粘着層が多孔フィルム層の全域に形成され、かつ前記透湿粘着層内に透湿路が分布していることを特徴とする透湿防水性養生シートである。
ここで、前記透湿防水性養生シートの透湿度が300g/m・24h以上であることが好ましい。
また、前記透湿防水性養生シートの透過色差ΔEが20以上であることが好ましい。
また、前記透湿防水性養生シートの自背面粘着力が0.5〜5.0N/2.5cmであることが好ましい。
また、本発明の透湿防水性養生シートの製造方法は、芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布である透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程と、透湿粘着層組成物(但しホットメルト粘着剤を除く)を多孔フィルム層の全域に塗工し透湿粘着層を積層する工程と、粘着樹脂を乾燥させる乾燥工程とを含み、透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程が、サーマルラミネート法によることを特徴とする。

本発明の透湿防水性養生シートは、床材を保護し、床材との密着性に優れ、さらには水分がシートと床材との間に浸入した場合でも、水分の拡散を防ぎ、かつ浸入した水分を外部に放出できる効果を奏する。
本発明の透湿防水性養生シート1の断面の一実施例を示す断面模式図である。 他の実施例を示す断面模式図である。
本発明の透湿防水性養生シート1は例えば図1,2に示すように、鉛直方向下側から順に粘着層2、多孔フィルム層3、透湿基材層4が少なくとも積層されてなるものであり、前記透湿粘着層2には透湿路5を設けた透湿防水性養生シート1である。
前記透湿粘着層2は層内に透湿路5を有する。尚、本明細書で用いる「透湿路」とは、前記透湿粘着層2を貫通しており、水蒸気の通り道となる微空隙や微孔穴のことを指す。前記透湿粘着層2は、粘着層内に前記透湿路5を有することで、シートと床材の間の水蒸気を外部に放出することが可能となる。つまり、粘着層内に分布した透湿路によって、粘着層自体が透湿性を有するため、前記多孔フィルム層3および前記透湿基材層4を積層した場合でも透湿性が阻害されることはない。
前記透湿粘着層2は、前記多孔フィルム層3の全域に形成されている必要がある。多孔フィルム層3の全域に粘着層を設けるにより、床材との密着性が向上し、さらには水が浸入しても拡散を防ぐことができる。また、自背面との密着性も向上することで、重ね代からの水分の浸入を防止することができる。
前記透湿粘着層2で用いられる透湿粘着層組成物としては、球状粒型粘着樹脂、気泡発生材含有の粘着樹脂のいずれかから選択されることが好ましい。
図1は球状粒型粘着樹脂を積層させた透湿防水性養生シート1を示す。
球状粒型粘着樹脂は、球状の粘着樹脂の集合体であり、例えばアクリル酸エステル共重合物などが挙げられる。球状粒型粘着樹脂としては、球状の平均粒径が直径20〜100μmであることが好ましい。この範囲であれば、球状粒型粘着樹脂が前記透湿粘着層2を形成する際に、隣り合う粘着樹脂が収縮することにより粘着樹脂間に1〜100μmの前記透湿路5が形成させることができ、透湿性を有する前記透湿粘着層2が得られる。
また、図2は気泡発生材含有の粘着樹脂を積層させた透湿防水性養生シート1を示す。
気泡発生材含有の粘着樹脂に用いられる気泡発生材としては吸水性樹脂が挙げられる。
また、気泡発生材含有の粘着樹脂に用いられる粘着樹脂としては、例えばポリオレフィン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、シリコーン系などの溶剤系樹脂、天然系ゴム、合成系ゴムなどが挙げられる。なかでも添加剤が混入し易く、加工性にも優れる点で溶剤系アクリル樹脂が好ましく用いられる。
前記粘着樹脂として溶剤系アクリル樹脂を用いる場合には、溶剤系アクリル樹脂100部に対して吸水性樹脂を20〜50部添加することが好ましい。この範囲であれば、水分を吸収させた吸水性樹脂を溶剤系アクリル樹脂に添加および分散させ、前記透湿粘着層2を形成する際に、吸水性樹脂内の水分が揮発することで平均内径10μm〜150μmの透湿路5を形成させることができ、透湿性を有する透湿粘着層2を得ることができる。
また、気泡発生材として、水や気泡そのものを粘着樹脂に分散させて、透湿路5を形成してもよい。
前記透湿粘着層組成物には、さらに必要に応じて、フィラー、マイクロカプセルなどを添加および分散させてもよく、添加、分散させることで、透湿性が向上する。
前記透湿粘着層2は、JIS G 4305に規定するSUS304鋼板で、表面仕上げがBA(冷間圧延後、光輝処理)の鋼板を使用して測定した際の粘着力が1.0〜10.0N/2.5cmであることが好ましい。SUS板との粘着力が1.0N/2.5cm以上であれば、例えば合板などに養生施工した際の養生対象物との粘着性を維持することができる。また、10.0N/2.5cm以下であれば、例えば合板から引き剥がす際に、合板の表面が毛羽立つなどの養生対象物表面の傷みを抑えることができる。さらに、養生対象物から引き剥がす際に発生するシートの破れを軽減することができる。
また、前記透湿粘着層2は、本発明の自背面に対する粘着力(シートを重ね貼りした際に接触する透湿基材層4と透湿粘着層2との粘着力、以下、「自背面粘着力」と示す)が0.5〜5.0N/2.5cmであることが好ましい。自背面粘着力が0.5N/2.5cm以上であれば、シート同士を重ねて貼り合せた部分(重ね代)の密着性が向上し、雨水などの水の浸入を抑えることができる。また、5.0N/2.5cm以下であれば、巻状態からのシートの展開が容易となり、施工性が向上する。
前記多孔フィルム層3に用いられる多孔フィルムは、透湿防水性を有していれば特に限定されるものではないが、例えば無機充填材、有機充填材または可塑剤などを含有する合成樹脂からなるフィルムから充填材や可塑剤などを溶剤で溶出させる方法や、無機充填材又は有機充填材または金属粒子を含有する合成樹脂からなるフィルムを一軸或いは二軸に延伸する方法によって製造される多孔性のフィルムが挙げられる。
前記多孔フィルムの素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂などの熱可塑性樹脂が使用可能である。なかでも、経済性、生産性の点でポリオレフィン系樹脂が好ましい。さらには、加工性の点でポリエチレンが好ましく用いられる。
前記多孔フィルム層3は、透湿度が4000g/m・24h以上であることが好ましい。4000g/m・24h以上であれば、充分な透湿性を発揮でき、床材の腐食を抑えることができる。
また、前記多孔フィルムは、耐水度が4.0kPa以上が好ましい。4.0kPa以上であれば、床材に対して充分な防水性能を発揮することができる。
また、前記多孔フィルム層3の濡れ張力は、34dyne/cm以上が好ましい。34dyne/cm以上であれば、前記多孔フィルム層3と前記透湿粘着層2との馴染みが良く、養生期間を終えてシートを剥がす際に、床材などの養生対象物に透湿粘着層組成物が転移する、いわゆる糊残りの発生を軽減する。濡れ張力を改善する方法として、前記多孔フィルム層3の表面の粗面化や親水化処理、活性化処理が挙げられるが、なかでも放電処理などによる活性化処理することが量産性、品質安定性の面で好ましく用いられる。
前記透湿基材層4に用いられる基材は、透湿性を有し、シートを補強、支持できるものであれば特に限定されないが、例えば不織布、割繊維不織布、織物、編物などが挙げられる。なかでも経済性、生産性の点から不織布が好ましく用いられる。
前記透湿基材層4の素材は特に限定されるものではなく、ポリオレフィン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系の合成繊維、セルロース系、タンパク質系や、その他の半合成繊維、再生繊維などが挙げられ、これらを単独または複数で用いることができる。また、芯鞘構造を有する繊維を用いてもよい。
また、前記透湿基材層4として不織布を用いる場合、不織布の製法としては特に限定されず、ケミカルボンド、サ−マルボンド、ニードルパンチ、ステッチボンド、スパンレース、スパンボンド、メルトブロー、湿式法など公知の製法を用いることができる。
また、前記透湿基材層4は、引張強度が縦方向80N/5cm以上、かつ横方向30N/5cm以上であることが好ましく、引裂強度が縦方向4N以上、かつ横方向2N以上であることが好ましい。ロール状に巻き取られた基材の長手方向の長さを縦方向とし、幅方向を横方向とする。この強度以上であれば、施工時の裂けや、施工後にシート上を歩行する際に破れや裂けが発生することを抑制することができる。
また、前記透湿基材層4は、目付が25〜100g/mであることが好ましい。25g/m以上であれば、充分な強度を得ることができ、また基材のハリ感やコシ感が得られることにより展開がしやすくなる。100g/m以下であれば、シート自体が柔軟性を持ち、軽量であるため、作業性が向上する。
前記透湿防水性養生シート1は、巻状態からのシートの展開をより容易にするために、必要に応じて前記透湿基材4の最表面(自背面を示す)に離型層を設けてもよい。離型層としては自背面に離型性を付与できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば離型樹脂、離型パウダーなどが挙げられる。なかでも生産性、加工性に優れる点で離型樹脂が好ましく、離型樹脂としては、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アクリル樹脂などが用いられる。
自背面に離型層を設けない場合には、シートをロール状に巻き取る際に、前記透湿粘着層2の表面に離型基材を積層させながらシートを巻き取ってもよい。離型基材としては、例えば離型紙、離型フィルムなどが挙げられる。
前記透湿防水性養生シート1は、総重量が50〜200g/mであることが好ましく、60〜100g/mがより好ましい。この範囲であれば、ハリ感やコシ感のあるシートが得られ展開しやすく、また軽量であるため作業性が向上する。
また、前記透湿防水性養生シート1は、総厚みが80μm以上であることが好ましい。80μm以上であれば、養生シートとしての強度が維持でき、施工時に破れを軽減できる。
また、前記透湿防水性養生シート1は、引張強度が縦方向100N/5cm以上、かつ横方向40N/5cm以上であることが好ましい。この強度以上であれば、施工後にシート上を歩行した際にシート破れが発生することを軽減できる。
また、前記透湿防水性養生シート1は、引裂強度が縦方向4N以上、かつ横方向2N以上であることが好ましい。この強度以上であれば、施工する際に裂けたり、施工後にシート上を歩行する際にシート破れや裂けが発生することを軽減できる。また、剥離の際に発生するシート破れを軽減することができる。
また、前記透湿防水性養生シート1は、透湿度が300g/m・24h以上であることが好ましい。300g/m・24h以上であれば、シートと床材との間に水分が浸入した場合でも、充分な透湿性を発揮でき、床材の腐食を抑えることができる。
また、前記透湿防水性養生シート1は、耐水度が10kPa以上であることが好ましい。10kPa以上であれば、施工されたシート表面が雨水などで濡れたとしても、床材に対して充分な防水性能を発揮することができる。
また、前記透湿防水性養生シート1は、透過色差ΔEが20以上であることが好ましい。20以上であれば、目印や文字などが付与された床材などに対してシートを施工する場合においても、それらを目視で記載内容が認識でき、作業性が向上する。
次に、前記透湿防水性養生シート1の製造方法について説明する。
前記透湿防水性養生シート1の製造方法は、前記透湿基材層4に前記多孔フィルム層3を積層する工程と、前記透湿粘着層組成物を、前記多孔フィルム層3の全域に塗工し前記透湿粘着層2を積層する工程と、を含む。
前記透湿基材層4に前記多孔フィルム層3を積層する方法としては、サーマルラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、押出ラミネート法などが挙げられる。なかでも、界面の密着性、シートの耐摩耗性により優れる点で、サーマルラミネート法を用いることが好ましい。
積層方法としてサーマルラミネート法を採用する場合、前記透湿基材層4で用いられる基材は芯鞘構造の繊維(以下、芯鞘繊維と示す)で構成された不織布であることが好ましい。
芯鞘繊維で構成された不織布を用いることで、サーマルラミネート法により不織布の鞘部同士が融着し、シートの耐摩耗性が向上する。ここで、芯部の素材の融点は鞘部の素材の融点よりも高温であることが好ましい。これにより、鞘部の素材の融点付近の温度でサーマルラミネートした場合に、鞘部は融着するが、芯部は溶けずにラミネート後もシートの補強、支持を維持することができる。
さらに、前記多孔フィルム層3としては、多孔フィルムの素材の融点が鞘部の素材の融点と同程度であることが好ましい。多孔フィルムと鞘部の素材の融点が同程度であれば、鞘部及び多孔フィルムの素材の融点付近の温度でサーマルラミネートをすることによって、透湿性を維持しながら、互いに融着させることができ、界面の密着性が向上する。
芯鞘繊維の素材の具体例としては、例えば芯部としては融点260℃以上のポリエステル系樹脂が挙げられ、鞘部としては融点90〜130℃のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。また、前記多孔フィルム層3に用いられる多孔フィルムの素材の具体例としては、例えば融点90〜130℃のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
次いで、前記透湿粘着層組成物を前記多孔フィルム層3の全域に塗工し前記透湿粘着層2を積層する。
前記透湿粘着層組成物に球状粒型粘着樹脂を用いた場合には、図1に示すように、前記多孔フィルム層3の全域に前述した球状粒型粘着樹脂を塗工する。
前記球状粒型粘着樹脂の前記多孔フィルム層3への塗工方法としては、ナイフコーティング法、グラビアロールコーティング法、ロールコーティング法、フレキソコーティング法、スプレー吹き付けコーティング法などの公知方法を用いることができる。
前記球状粒型粘着樹脂の塗工量は、5〜30g/mが好ましい。5g/m以上であれば、床材との密着性を維持することができる。また、30g/m以下であれば、養生後にシートを剥がす際、前記球状粒型粘着樹脂が床材に残りにくく、また透湿性も向上する。
次いで、塗工した前記球状粒型粘着樹脂を乾燥させる。乾燥温度としては、60〜110℃が好ましい。この範囲であれば、前記球状粒型粘着樹脂が前記透湿粘着層2を形成する際に、隣り合う粘着樹脂が収縮することにより粘着樹脂間に1〜100μmの前記透湿路5が形成され、これにより透湿性を有する前記透湿粘着層2が得られる。
また、前記透湿粘着層組成物に気泡発生材含有の粘着樹脂を用いた場合には、図2に示すように、前記多孔フィルム層3の片面全域に前述した気泡発生材含有の粘着樹脂を塗工する。
前記気泡発生材含有の粘着樹脂の前記多孔フィルム層3への塗工方法としては、ナイフコーティング法、グラビアロールコーティング法、ロールコーティング法、フレキソコーティング法、スプレー吹き付けコーティング法などの公知方法を用いることができる。
また、前記気泡発生材含有の粘着樹脂の塗工量は、5〜30g/mが好ましい。5g/m以上であれば、床材との密着性を維持することができる。また、30g/m以下であれば、養生後にシートを剥がす際、前記気泡発生材含有の粘着樹脂が床材に残りにくく、また透湿性も向上する。
次いで、塗工した前記気泡発生材含有の粘着樹脂を乾燥させる。乾燥温度としては80〜120℃が好ましい。この範囲であれば前記気泡発生材含有の粘着樹脂が前記透湿粘着層2を形成する際に、気泡発生材が揮発することで平均内径10μm〜150μmの前記透湿路5を形成させることができ、透湿性を有する透湿粘着層2を得ることができる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各物性値は以下の方法により測定した。また各測定は標準環境下(温度22℃、湿度65%)にて行った。
(1)透湿度
JIS L 1099 A−1法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、300g/m・24h以上のものを透湿度ありと判断した。
(2)透過色差
シート裏側に白(L値96.880,a値−0.801,b値−0.005)および黒(L値23.763,a値0.074,b値−0.536)のアクリル板(2mm厚)をそれぞれあて実施例、比較例の各シートの色差(ΔE)を測定し、透過色差ΔEとした。そして、20以上のものをシートの透け感ありと判断した。測色器は、X−Rite社製「Color i5」を使用した。
(3)耐水度
JIS L 1092 B法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、10kPa以上のものを耐水度ありと判断した。
(4)引張強度
JIS L 1096 A法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、100N/5cm以上かつ横方向40N/5cm以上のものを引張強度ありと判断した。
(5)引裂強度
JIS L 1096 A−1法に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、縦方向4N以上、横方向2N以上のものを引裂強度ありと判断した。
(6)粘着力(SUS板、自背面)
JIS Z 0237に準じて実施例および比較例の各シートを測定した。そして、SUS板で1.0〜10.0N/2.5cmかつ自背面で0.5〜5.0N/2.5cmのものを粘着力ありと判断した。
(7)乾燥性
水道水に24時間浸漬させた30cm角の厚さ12mmの針葉樹合板を65cm角の実施例および比較例の各シートで梱包し、水分の浸入がないようにシート端部を防水テープにてシールした後、40℃の乾燥機に入れ、1週間後に合板の乾燥率を計測した。そして、下記の評価基準に基づき、乾燥性を評価した。
乾燥率(%)=(乾燥後の針葉樹合板の重さ/乾燥前の針葉樹合板の重さ)×100
<評価基準>
○:50%以上,△:10%以上50%未満,×:10%未満
(8)密着性
30cm角、厚さ12mmの針葉樹合板に20×30cm角の実施例および比較例の各シートを2枚、シート同士が10×30cmずつ重なるように並べて貼付した。次に1カ月間屋外に放置し、その後、合板に直接貼付した部分とシート同士が重なる部分のそれぞれについて風雨によるシートの剥離の有無を目視にて評価した。そして、下記の評価基準に基づき、密着性を評価した。
<評価基準>
○:剥離なし,△:やや剥離あり,×:大部分に剥離が見られる
(9)水分拡散防止性
30cm角、厚さ12mmの針葉樹合板に30cm角の実施例および比較例の各シートを貼付し、合板の端部から雨水が浸入することを防止するために、合板の周囲を防水テープでシールした。次にシートの中央にタテ1cm,ヨコ1cmのクロスラインを引き、ラインに沿って、カッターで切り込みを入れた。次に、降雨量70mm/時間を想定したシャワー試験を24時間継続して行い、切り込みから浸入した雨水の拡散面積を下記の評価基準に基づき、評価した。
<評価基準>
○:10cm未満,△:10cm以上20cm未満,×:20cm以上
(10)文字認識性
白(L値96.880,a値−0.801,b値−0.005)のアクリル板に、油性マジックで文字を書き、その上に実施例および比較例の各シートを1枚重ねた時の文字の認識レベルを目視にて評価した。
<評価基準>
○:ハッキリ認識できる,△:わずかに認識できる,×:全く認識できない
(11)展開性
ロール状にした実施例および比較例の各シート(巾100cm×長50m)を準備し、針葉樹合板にシートを貼付する際の巻き出しやすさを実際に貼付することにより評価した。
<評価基準>
○:容易に巻き出せる,△:シートをやや強く引っ張れば巻き出せる(シートに歪み、裂けはなし),×:シートを強く引っ張れば巻き出せるが、シートに歪み、裂けが発生する
〔実施例1〕
透湿基材層(ユニチカ株式会社製、鞘ポリエチレン芯ポリエステル不織布、エルベスII、T0303WEO、目付30g/m、鞘部融点100℃、芯部融点266℃)と、多孔フィルム層(大和川ポリマー株式会社製、ポリエチレンフィルム、YP2618、厚み18μm、融点122℃)をサーマルラミネート法(温度条件125℃)によって貼り合わせた。次に多孔フィルム層に球状粒型粘着樹脂(株式会社村山化学研究所製、アクリル酸エステル共重合物、サンアクリルSP−414)をコンマコーターにて14g/m塗工し、透湿粘着層を設けて、厚さ128μm、目付62g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
球状粒型粘着樹脂の塗工量を28g/mに変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ132μm、目付76g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
透湿基材層および多孔フィルム層の貼り合わせについて、実施例1と同様に行った後、透湿基材層に離型樹脂(アクリル系離型用樹脂)をグラビアコーターにて0.1g/m塗工し、離型層を設けた。次に多孔フィルム層に球状粒型粘着樹脂(株式会社村山化学研究所製、アクリル酸エステル共重合物 サンアクリルSP−414)をコンマコーターにて14g/m塗工し、透湿粘着層を設けて、厚さ130μm、目付62g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
離型樹脂の塗工量を0.5g/mに変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ130μm、目付63g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔実施例5〕
離型樹脂の塗工量を1.0g/mに変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ130μm、目付63g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔実施例6〕
球状粒型粘着樹脂の塗工量を7.0g/m、離型樹脂の塗工量を1.0g/mに変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ128μm、目付59g/mのシートを得た。
〔実施例7〕
多孔フィルムの目付を25g/m、離型樹脂の塗工量を0.5g/mに変更した以外は、実施例3と同様にして、厚さ143μm、目付70g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔実施例8〕
透湿基材層および多孔フィルム層の貼り合わせについて、実施例1と同様に行った後、透湿基材層に離型樹脂(アクリル系離型用樹脂)を、グラビアコーターにて0.5g/m塗工し、離型層を設けた。次に多孔フィルム層に、気泡発生材含有の粘着樹脂(ビッグテクノス株式会社製、アクリル系主剤リキダインAR−2404を100部に吸水性樹脂リキダインAR739Mを30部、架橋剤サンパスターHD−739Dを1部添加)をコンマコーターにて10g/m塗工し、透湿粘着層を設けて、厚さ128μm、目付59g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
透湿基材層(JX日鉱日石ANCI株式会社、ポリオレフィン系割繊維不織布、目付48g/m、融点105℃)と、多孔フィルム層(大和川ポリマー株式会社製、ポリエチレンフィルム、目付55g/m、融点122℃)をサーマルラミネート法(温度条件125℃)によって貼り合わせた。次に多孔フィルム層に縦方向に塗工幅6mm,非塗工幅4mmの連続縞状に、アクリル系樹脂の粘着層を20g/m塗工し、厚さ190μm、目付123g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
透湿基材層(ユニチカ株式会社製、鞘ポリエチレン芯ポリエステル不織布、エルベスII T0303WEO、目付30g/m、鞘部融点100℃、芯部融点266℃)と、多孔フィルム層(大和川ポリマー株式会社製、ポリエチレンフィルム、YP2618、厚み18μm、融点122℃)をサーマルラミネート法(温度条件125℃)によって貼り合わせた。次に多孔フィルム層に溶剤系粘着剤(サイデン化学株式会社製、アクリル系樹脂、ATR−1)をコンマコーターにて14g/m塗工し、厚さ100μm、目付62g/mのシートを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 0006465581
1 透湿防水性養生シート
2 透湿粘着層
3 多孔フィルム層
4 透湿基材層
5 透湿路

Claims (5)

  1. 透湿基材層、多孔フィルム層、および、粘着樹脂(但しホットメルト粘着剤を除く)からなる透湿粘着層が積層された少なくとも3層からなる透湿防水性養生シートであって、
    前記透湿基材層が、芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布であり、
    前記透湿粘着層が多孔フィルム層の全域に形成され、
    かつ前記透湿粘着層内に透湿路が分布していることを特徴とする透湿防水性養生シート。
  2. 前記透湿防水性養生シートの透湿度が300g/m・24h以上であることを特徴とする請求項1に記載の透湿防水性養生シート。
  3. 前記透湿防水性養生シートの透過色差ΔEが20以上である請求項1または2に記載の透湿防水性養生シート。
  4. 前記透湿防水性養生シートの自背面粘着力が0.5〜5.0N/2.5cmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の透湿防水性養生シート。
  5. 芯部がポリエステル系樹脂、鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘構造の繊維で構成された不織布である透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程と、透湿粘着層組成物(但しホットメルト粘着剤を除く)を多孔フィルム層の全域に塗工し透湿粘着層を積層する工程と、粘着樹脂を乾燥させる乾燥工程とを含み、透湿基材層に多孔フィルム層を積層する工程が、サーマルラミネート法によることを特徴とする透湿防水性養生シートの製造方法。
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