JP3014653B2 - 建築物用シート、屋根用防水シート及び壁用気密シート - Google Patents

建築物用シート、屋根用防水シート及び壁用気密シート

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JP3014653B2
JP3014653B2 JP9021436A JP2143697A JP3014653B2 JP 3014653 B2 JP3014653 B2 JP 3014653B2 JP 9021436 A JP9021436 A JP 9021436A JP 2143697 A JP2143697 A JP 2143697A JP 3014653 B2 JP3014653 B2 JP 3014653B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の
屋根、壁等に用いられる防水や気密のためのシートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅等の小型の建築物の屋根には、雨よ
けとして瓦やスレート等の屋根材が設けられるのが一般
的である。また、これら屋根材の隙間や割れ目から水が
侵入する場合もあるため、屋根材と屋根板との間等に防
水材が設けられている。防水材として従来より、杉皮、
ポリエチレンやポリ塩化ビニル等の樹脂シート、アスフ
ァルトルーフィング、アスファルトコンクリート、アス
ファルトにゴムチップを配合したゴムアスコン等が用い
られている。杉皮や樹脂シートやアスファルトルーフィ
ングは、釘やタッカー等の固定部材で屋根板等に打ち付
けられて用いられている。また、アスファルトコンクリ
ートやゴムアスコンは、屋根板上で硬化させられて用い
られている。
【0003】一方、住宅等の壁には、室内と室外との通
気を遮蔽するため、壁下地とこの壁下地の内側の壁板と
の間等に気密シートが設けられている。気密シートとし
て従来よりポリエチレンやポリエチレンテレフタレート
等の樹脂シート、樹脂シートにアルミニウムを蒸着した
もの、樹脂シートに不織布、樹脂クロス、ワリフ等を積
層したもの等が用いられている。これら気密シートは、
タッカー等の固定部材で壁下地等に打ち付けられて用い
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】屋根の防水材として用
いられている杉皮や樹脂シートやアスファルトルーフィ
ングは、上記したように釘やタッカー等の固定部材で屋
根板等に打ち付けられるため、固定部材が貫通した穴
(以下固定穴とも称す)が生じる。固定穴が生じると、
大雨のときや台風で瓦等があおられたときに屋根材の下
に大量に侵入した水がこの固定穴と固定部材との間に生
じた間隙を通じて防水材の下方にまで侵入し、雨漏りや
木材の腐敗を起こしてしまうことがある。また、従来の
樹脂シートは摩擦係数が小さいため、瓦やスレートの施
工時に作業者が足を滑らせてしまうおそれがある。作業
者のスリップを防止するには、樹脂シートの表面を例え
ばエンボス加工等して摩擦係数を高めなければならな
い。
【0005】また、屋根の防水材として用いられるアス
ファルトコンクリートやゴムアスコンは、固定穴は生じ
ないがそれ自体透水性を有するので水が下方にまで透過
・侵入し、雨漏りや木材の腐敗を起こしてしまうことが
ある。また、アスファルトコンクリートやゴムアスコン
は重量が大きいため、これに耐える強度が建築物に要求
される。
【0006】一方、気密シートは上記したようにタッカ
ー等の固定部材で壁下地等に打ち付けられるため、屋根
用の樹脂シートと同様、固定部材が貫通した固定穴が生
じてしまう。固定穴が生じると、この固定穴と固定部材
との間に生じた間隙を通じて室内と室外とが通気され、
冷暖房効率を低下させてしまうことがある。
【0007】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
のであり、釘やタッカー等の固定部材で打ち付けても固
定穴と固定部材との間隙から水や空気が侵入することが
なく、摩擦係数が大きく、非透水性であり、しかも軽量
な建築物用シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ため本発明は、メタロセン化合物を含む触媒にて重合さ
れたアタクチックポリプロピレンを主要成分とする樹脂
シート層を備えた建築物用シート、を提供するものであ
る。
【0009】本発明の建築物用シートによれば、メタロ
セン化合物を含む触媒にて重合されたアタクチックポリ
プロピレンを主要ポリマーとする樹脂シート層を備えて
いるため、後述するように固定部材で打ち付けてもこの
固定部材と固定穴との間に間隙が生じず、またシート自
体が非透水性であり、水や空気が侵入することがない。
従って、この建築物用シートを屋根用防水シートとして
屋根材と屋根板との間等に設けることにより、雨水の浸
入を防ぎ、雨漏りや木材の腐敗を防止することができ
る。また、この建築物用シートを壁用気密シートとして
壁下地と壁板との間等に設けることにより、室内と室外
との通気が遮蔽され、冷暖房の効率を高めることが可能
となる。
【0010】メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹
脂シート層は後述のように軽量であるため、作業者の取
り扱いが容易であり、また、建築物にさほどの強度が要
求されない。
【0011】また、メタロセン化合物を含む触媒にて重
合されたアタクチックポリプロピレンは摩擦係数が高い
ため、エンボス加工等の特別な加工を施さなくとも作業
者のスリップを防ぐことができる。
【0012】屋根用防水シートや壁用気密シートとして
用いる場合、メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹
脂シート層に熱可塑性樹脂製の不織布層又はポリエチレ
ンクロスやポリプロピレンクロス等樹脂クロスを積層す
れば、シートの厚みが増して強度を高めることができる
とともに、シートの巻き取り、巻き戻し等の取り扱いが
容易となる。特にポリプロピレン不織布層を積層したも
のは、露点現象で生じた水滴を不織布層中に含水して周
辺に分散させることができ、従って水滴のいわゆるボタ
落ちを防止することができて好ましい。
【0013】屋根用防水シートや壁用気密シートとして
用いる場合、メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹
脂シート層に熱可塑性樹脂製の発泡シート層を積層すれ
ば、この発泡シート層が断熱材として作用し冷暖房効率
が高まるとともに、シートの巻き取り、巻き戻し等の取
り扱いが容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明にかかる建築物用シート
を、図面を参照しつつ説明する。
【0015】図1に示す建築物用シートは、ポリプロピ
レンシート層1と不織布層2とを、接着層3を介して積
層したものである。
【0016】本建築物用シートのポリプロピレンシート
層1は、メタロセン化合物を含む触媒にて重合されたア
タクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹脂が
用いられる。アタクチックポリプロピレンとは、メチル
基が主鎖の上下に不規則に現れる形で配位した、立体化
学構造を持つポリマーである。アタクチックポリプロピ
レンは、一般的には結晶性が低く、工業用としての実用
価値の低いものが多いが、メタロセン化合物を含む触媒
で重合されたアタクチックポリプロピレンは分子量が5
万から10万程度(数平均)と大きく、伸縮性と強度に
優れるものである。
【0017】このように伸縮性と強度に優れるポリマー
を主要ポリマーとするシートは、形状復元力が高いもの
となる。本建築物用シートはこのメタロセン化合物を含
む触媒にて重合されたアタクチックポリプロピレンを主
要ポリマーとする樹脂シート層を含んでいるため、この
シートを釘やタッカー等の固定部材で打ち付けて固定穴
が生じても、固定穴近傍のシートの復元力により固定穴
の内周面と固定部材とが密接し、固定穴と固定部材との
間に間隙が生じない。また、この樹脂シートはそれ自体
非透水性である。従って、このシートを屋根用防水シー
トとして屋根材と屋根板との間等に設ければ、大雨のと
きや台風で瓦等があおられたときに屋根材の下に大量に
水が侵入した場合でも、水がシートの下方にまで侵入し
て雨漏りや木材の腐敗を起こしてしまうことがない。ま
た、このシートを壁用気密シートとして壁下地と壁板の
間等に設ければ、室内と室外との通気が遮蔽され、冷暖
房の効率を高めることが可能となる。
【0018】メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンの密度は約0.89g/
cm3であり、従来建築物用シートに用いられているポ
リ塩化ビニルの6〜7割程度である。このように軽量で
あるため、この樹脂を主要ポリマーとする樹脂シートを
建築物に用いた場合に作業者の取り扱いが容易となる。
また、メタロセン化合物を含む触媒にて重合されたアタ
クチックポリプロピレンはアスファルトコンクリートや
ゴムアスコンに比べて極めて軽量であるため、これを主
要ポリマーとする樹脂シートを屋根用防水シートに用い
た場合でも、建築物にさほどの強度が要求されない。
【0019】メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹
脂シートは、従来の樹脂シートに比べ摩擦係数が高い。
従って、従来の樹脂シートのようにエンボス加工等を施
さずとも、その上で作業をする作業者が足を滑らすこと
が少ない。もちろん、メタロセン化合物を含む触媒にて
重合されたアタクチックポリプロピレンを主要ポリマー
とする樹脂シートであっても、必要に応じエンボス加工
等を施すことができ、これによりさらに摩擦係数を高め
て安全性の向上を図ることができる。
【0020】メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹
脂シートは、ポリ塩化ビニルシートと同様柔軟性に優れ
るものである。従ってこれを建築物用として用いた場合
は、凹凸面にも容易にフィットし、施工が簡便となる。
【0021】メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹
脂シートは、ヒートシールが容易で、しかも接着強度に
優れるものである。従って複数のシートを打ち継いで使
用することが多い屋根用防水シートや壁用気密シートと
して好適である。
【0022】メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする樹
脂シートは、耐熱性、耐寒性に優れるものである。従っ
て、過酷な気象条件にさらされることの多い屋根用防水
シートや壁用気密シートとして好適である。
【0023】メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンシートは、通常のポリプ
ロピレンシートやポリエチレンシートと同様炭素原子と
水素原子とのみからなる。従って焼却処分をした場合で
も、従来より屋根用等に用いられているポリ塩化ビニル
にみられる有害物質発生という問題も生じない。
【0024】本建築物用シートのポリプロピレンシート
層1(図1参照)に用いられる樹脂は、メタロセン化合
物を含む触媒にて重合されたアタクチックポリプロピレ
ン単体でもいいし、これに適宜他の熱可塑性樹脂を混合
してもよい。混合される熱可塑性樹脂としては、例え
ば、アイソタクチックポリプロピレンやシンジオタクチ
ックポリプロピレンなどのポリプロピレン、低密度ポリ
エチレンや中密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンな
どのポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アク
リル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウ
レタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメチル
メタクリルレート共重合体、エチレンアクリル共重合
体、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これら
他の熱可塑性樹脂を混合する場合の混合比は特には限定
されないが、上記したメタロセン化合物を含む触媒にて
重合されたアタクチックポリプロピレンの優れた特性を
維持するためには、他の熱可塑性樹脂の混合比を30%
以下とすることが好ましい。
【0025】ポリプロピレンシート層1に用いられる樹
脂には、必要に応じ各種添加剤を添加してもよい。添加
される添加剤としては、例えば可塑剤、酸化防止剤や光
安定剤などの安定剤、顔料や染料などの着色剤、滑剤、
帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・防カビ
剤、紫外線遮蔽材等が挙げられる。
【0026】ポリプロピレンシート層1の厚みは特には
限定されないが、100μm以上300μm以下が好ま
しい。ポリプロピレンシート層1の厚みが100μm未
満であれば、シート強度、耐水圧性、施工性が劣る場合
がある。ポリプロピレンシート層1の厚みが300μm
を越えると、コストが上昇してしまい、又柔軟性が失わ
れてしまうことがある。
【0027】不織布層2(図1参照)に用いられる不織
布の繊維は、合成繊維であっても天然繊維であってもか
まわない。合成繊維としては、ポリアミド、ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリプロピレン等の繊維が挙げられ
る。
【0028】図1に示す建築物用シートはポリプロピレ
ンシート層1に不織布層2を積層しているため、シート
厚みをかせぐことができ、これによりシートの強度を高
めることができるとともに、シートの巻き取り、巻き戻
し等の取り扱いが容易となる。
【0029】不織布層2の厚みは特には限定されない
が、メートル秤量で80g/m2以上150g/m2以下
が好ましい。不織布層2の厚みが150g/m2を越え
ると、不織布の種類によっては柔軟性が損なわれ、重量
が大きくなって取り扱いが困難となってしまうことがあ
る。
【0030】本建築物用シートにおいては、ポリプロピ
レンシート層1と不織布層2とを接着層3を介して積層
している。接着層3に用いられる接着剤としては、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系熱可
塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、合成ゴ
ム、天然ゴム、にかわ、ウレタン系やポリエステル系や
アクリル系の溶液タイプ接着剤等が挙げられる。
【0031】本建築物用シートはポリプロピレンシート
層1と不織布層2とを接着層3を介して積層している
が、必要に応じポリプロピレンシート層1の上、不織布
層2の下又はポリプロピレンシート層1と不織布層2と
の間に、例えば樹脂シート層、アルミニウム蒸着層等を
設けてもよい。
【0032】図1に示した建築物シートはポリプロピレ
ンシート層に不織布層を積層したものであるが、不織布
層に変えてポリエチレンクロスやポリプロピレンクロス
等の樹脂クロスよりなる樹脂クロス層を積層しても良
い。また、積層される不織布層や樹脂クロス層にスリッ
プ防止加工を施せば、屋根用防水シートとして用いる場
合の安全性が向上する。
【0033】図2には、本発明にかかる建築物用シート
の他の実施形態が示されている。この建築物用シート
は、ポリプロピレンシート層1と発泡シート層4とを接
着層3を介して積層したものである。ポリプロピレンシ
ート層1、接着層3は、それぞれ図1に示した建築物用
シートのポリプロピレンシート層1、接着層3と同様の
ものである。
【0034】発泡シート層4は気泡を含む熱可塑性樹脂
からなる。発泡シート層4に用いられる熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリアミド、ポリウレタン、各種熱可塑性エ
ラストマー等が挙げられる。発泡シート層4の気泡は独
立気泡であっても連続気泡であってもかまわない。
【0035】図2に示す建築物用シートは、ポリプロピ
レンシート層1に発泡シート層4を積層しているため、
シート厚みを増すことができ、これによりシートの強度
を高めることができるとともに、シートの巻き取り、巻
き戻し等の取り扱いが容易となる。また、この発泡シー
ト層4は気泡を含んでおり断熱効果が高いので、建築物
の冷暖房効率を高めることができる。
【0036】発泡シート層4の厚みは特には限定されな
いが、1mm以上4mm以下が好ましい。発泡シート層
4の厚みが1mm未満であれば、発泡樹脂シートを積層
した効果が十分発揮されないことがある。発泡シート層
4の厚みが4mmを越えると、発泡面にしわが発生しや
すくなったり、製造時、流通時、施工時等の取り扱いが
困難となったりするおそれがある。
【0037】本建築物用シートにおいては、ポリプロピ
レンシート層1と発泡シート層4とを図1に示した建築
物用シートと同様に接着層3を介して積層している。接
着層3に用いられる接着剤としては、図1に示した建築
物用シートと同様ポリエチレンやポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱
硬化性樹脂、合成ゴム、天然ゴム、にかわ、ウレタン系
やポリエステル系やアクリル系の溶液タイプ接着剤等が
挙げられる。
【0038】本建築物用シートはポリプロピレンシート
層1と発泡シート層4とを接着層3を介して積層してい
るが、必要に応じポリプロピレンシート層1の上、発泡
シート層4の下又はポリプロピレンシート層1と発泡シ
ート層4との間に、例えば樹脂シート層、アルミニウム
蒸着層等を設けてもよい。
【0039】図1及び図2に示した建築物用シートは、
ポリプロピレンシート層1に不織布層2又は発泡シート
層4を積層したものであるが、この積層の方法として
は、いわゆるドライラミネーション法、ウエットラミネ
ーション法、押出ラミネーション法等の既知の方法を用
いることができる。押出ラミネーション法を用いる場合
は、接着層3は特に設ける必要はない。
【0040】図1及び図2に示した建築物用シートは、
ポリプロピレンシート層1に不織布層2又は発泡シート
層4を積層したものであるが、不織布層2や発泡シート
層4を設けず、ポリプロピレンシート層のみで建築物用
シートを構成することもできる。この場合、ポリプロピ
レンシートの厚みは特には限定されないが、150μm
以上2mm以下が好ましい。ポリプロピレンシートの厚
みが150μm未満であれば、シート自体の強度不足と
なってしまうことがある。ポリプロピレンシートの厚み
が2mmを越えると、板状となってしまい取り扱いが困
難となるおそれがある。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳説する。
【0042】[実施例1] メタロセン化合物を含む触媒にて重合されたアタクチッ
クポリプロピレンをTダイ付きの押出機で押し出し、平
均厚み150μmのポリプロピレンシート単体からなる
実施例1の建築物用シートを得た。なお、このときの押
出温度を摂氏200度、フィルム成形速度を20m/分
とした。
【0043】[実施例2] 上記のメタロセン化合物を含む触媒にて重合されたアタ
クチックポリプロピレンと黒色用着色マスターバッチ樹
脂(東洋インキ社製)とを重量比が80:20となるよ
うにブレンドして用いた他は実施例1と同様にして、実
施例2の建築物用シートを得た。
【0044】[実施例3] 上記のメタロセン化合物を含む触媒にて重合されたアタ
クチックポリプロピレンとシルバー色用着色マスターバ
ッチ樹脂(東洋インキ社製の商品名「TET903」)
とを重量比が95:5となるようにブレンドして用いた
他は実施例1と同様にして、実施例3の建築物用シート
を得た。
【0045】実施例4 実施例1で作成したシートと同様のシートをポリプロピ
レンシート層1とし、これに平均厚み30μmのポリエ
チレンからなる接着層3を介して、メートル秤量が80
g/m2のポリプロピレン製不織布(日本不織布株式会
社製の商品名「SP−1080E」)を不織布層2とし
て積層し、実施例4の建築物用シートを得た(図1参
照)。積層は押出ラミネーション法を用いて行った。
【0046】実施例5 実施例1で作成したシートと同様のシートをポリプロピ
レンシート層1とし、これに平均厚み30μmのポリエ
チレンからなる接着層3を介して、厚み2.0mmのポ
リエチレン製発泡シート(積水化学工業株式会社製の商
品名「ライトロン」)を発泡シート層4として積層し、
実施例5の建築物用シートを得た(図2参照)。積層
は、実施例4と同様押出ラミネーション法を用いて行っ
た。
【0047】比較例 平均厚み200μmの市販の低密度ポリエチレン樹脂シ
ート(タマポリ株式会社製)を、比較例1の建築物用シ
ートとした。また、平均厚み200μmの市販のポリ塩
化ビニルシート(住友ベークライト株式会社製)を、比
較例2の建築物用シートとした。
【0048】実験例 各実施例及び比較例の建築物用シートを、図3に示す装
置を用いて、直径5mmの釘で打ち付けたときに固定穴
から水が漏れ出すか否かの実験に供した。図3に示す装
置は、加圧容器10と水準容器11とこれらを連結する
連結管12とより成る。
【0049】まず、加圧容器10の本体13内を水で満
たし、この本体13上方にクランプ14により実施例又
は比較例の建築物用シートからなる試験片15を固定し
た。次に、クランプ14上方の開口部(図示せず)から
釘16を突き刺して試験片15を貫通させた。そして、
水準容器表面に打たれた目盛17で水頭18を確認しつ
つ水準容器11中に水を注入し、試験片の耐水圧性を確
認した。実験の結果、実施例1から5の建築物用シート
は、水頭100cmの水圧をかけた状態で約1ヶ月間保
持しても、固定穴からの水の漏れ出しは見られなかっ
た。これは、メタロセン化合物を含む触媒にて重合され
たアタクチックポリプロピレンの樹脂シートの高い復元
力により、固定穴の内周面と釘とが密着し、固定穴と釘
との間に間隙が生じないためである。これに対し、比較
例1及び2の建築物用シートにおいては、水圧をかけ始
めると瞬時に固定穴から水の漏れ出しが見られた。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、メタロセ
ン化合物を含む触媒にて重合されたアタクチックポリプ
ロピレンを主要ポリマーとする樹脂シート層を備えた建
築物用シートは、釘、タッカー等の固定部材で固定して
も固定穴から水や空気が漏れ出すことがない。従って、
この建築物用シートを、固定部材で打ち付けられる屋根
用防水シート、壁用気密シート等として用いれば、雨水
や外気の侵入、室内空気の流出等が防止できる。
【0051】また、メタロセン化合物を含む触媒にて重
合されたアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーと
する樹脂シートはそれ自体非透水性であり、軽量で、摩
擦係数が高く、柔軟性があり、ヒートシール性に優れ、
耐熱性や耐寒性に優れ、焼却によって有害物質が発生す
ることがない。従って、屋根裏材や床下防水シート等、
建築物一般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建築物用シートの一実施形態を示す断
面図である。
【図2】本発明の建築物用シートの他の実施形態を示す
断面図である。
【図3】本発明の建築物用シートの効果を確認するため
の実験装置を示す正面図である。
【符号の説明】 1・・・ポリプロピレンシート層 2・・・不織布層 3・・・接着層 4・・・発泡シート層 10・・・加圧容器 11・・・水準容器 12・・・連結管 13・・・本体 14・・・クランプ 15・・・試験片 16・・・釘 17・・・目盛 18・・・水頭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/18 E04D 12/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタロセン化合物を含む触媒にて重合さ
    れたアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする
    樹脂シート層を備えた建築物用シート。
  2. 【請求項2】 固定穴が生じるように、固定部材で下地
    に打ち付けられて用いられる請求項1に記載の建築物用
    シート。
  3. 【請求項3】 メタロセン化合物を含む触媒にて重合さ
    れたアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする
    樹脂シート層を備えた屋根用防水シート。
  4. 【請求項4】 上記樹脂シート層に積層される、熱可塑
    性樹脂製の不織布層又は樹脂クロス層をさらに備えた請
    求項3に記載の屋根用防水シート。
  5. 【請求項5】 上記樹脂シート層に積層される、熱可塑
    性樹脂製の発泡シート層をさらに備えた請求項3に記載
    の屋根用防水シート。
  6. 【請求項6】 メタロセン化合物を含む触媒にて重合さ
    れたアタクチックポリプロピレンを主要ポリマーとする
    樹脂シート層を備えた壁用気密シート。
  7. 【請求項7】 上記樹脂シート層に積層される、熱可塑
    性樹脂製の不織布層又は樹脂クロス層をさらに備えた請
    求項6に記載の壁用気密シート。
  8. 【請求項8】 上記樹脂シート層に積層される、熱可塑
    性樹脂製の発泡シート層をさらに備えた請求項6に記載
    の壁用気密シート。
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