JP4012443B2 - 屋根下地材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築材料の屋根下地材に関連し、透湿性、防水性、釘穴での止水性(釘穴止水性)、および施工時の滑り防止性を有する屋根下地材に関する。特に本発明は、不織布と透湿防水シート複合体の屋根下地材に関連する。
【0002】
【従来の技術】
一般の家屋等の勾配屋根は、瓦、スレート、および金属等の上ぶき材でふきあげられている。これらの上ぶき材を野地板の上面に施工する場合には、例えば現在主流であるアスファルトルーフィング、または合成高分子系シート等の、上ぶき材の施工に先立って野地板表面に防水機能を付与することを主目的とする下ぶき材を敷設することが一般的に行われている。
【0003】
防水性、透湿性、さらには釘穴止水性を向上させた屋根下地材については種々の提案がなされている。特に針穴止水性または防滑性については、例えば、実公平7−28282号公報には、合成繊維不織布に吸水性樹脂を分散させた非吸水性熱可塑性樹脂を積層し、その表面に撥水性を付与した透湿防水屋根下地材が提案されている。また、日本国特許第2656813号にはポリオレフィン不織布の表面に10〜80%の滑り止めを施したシート、特開2001−232710号公報には滑り抵抗係数0.1以上、撥水度が60点以上(旧JISL1092による測定)の滑り止め層、透湿防水水密層、保護層の3層構造体の技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法では、屋根下地材表面が乾燥している状態での施工性は確保できるが、露または雨水が付着するなどして屋根下地材表面が濡れた状態になると、その表面での摩擦抵抗が低下するばかりか、水膜を作るために、施工時の作業者が着用した靴底のゴムとの間で滑りやすくなり、安全が確保できない問題がある。
【0005】
特に、特開2001−232710号公報に記載されている屋根下地材表面での撥水度が高い構造体の場合は、一部の水は表面を流れ落ちるが、その他の水は水滴状となって表面に留まることとなる。このような状態になると摩擦抵抗の低下が大きくなるとともに、乾きにくくなり、長時間濡れた状態が続くこととなる。一般的に、作業者は雨天時や屋根下地材が濡れた状態では作業しないため、相対的に長期間にわたって屋根下地材が濡れた状態が続く場合は、施工上問題がある。
【0006】
そこで、本発明者は、上記課題について種々の検討を行った結果、特定の撥水性と防滑性を有する不織布を、透湿防水シートの透湿性を殆ど低下せしめないように、釘穴止水性を有する透湿防水シートの少なくとも片面に一体複合化することにより、該透湿防水シートの優れた防水性、釘穴止水性、透湿性を損なうことなく優れた防滑性を与えることを可能とした屋根下地材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討し、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本願の発明に従う屋根下地材は、釘穴止水性を有する透湿防水シートと、表面に防滑機能を施し、それぞれ後述の試験法による該面における摩擦係数が0.4以上で、撥水度が2以下である不織布と、前記透湿防水シートおよび前記不織布の間にあって、これらを一体複合化するための接着層とを具備し、透湿性が1000g/m/24hr以上である屋根下地材である。さらに、好ましくは、前述の不織布は、厚み0.1mm以上、空隙率が70%以上であり、スパンボンド法による合成繊維不織布であることを特徴とする。また、前記透湿防水シートは、ポリオレフィン樹脂を使用するフラッシュ紡糸法による不織布であることを特徴とする。ここで、該屋根下地材に使用する透湿防水シートは、ポリオレフィン樹脂を使用したフラッシュ紡糸法による不織布であることが好ましい。
【0009】
このように、フラッシュ紡糸不織布等の釘穴止水性を有する透湿防水シートに、特定の撥水度と防滑性を有する不織布を、透湿性を低下させずに一体複合化させた屋根下地材は、施工時の滑り防止性、防水性、透湿性および釘穴止水性を具備し、特に濡れた際の滑り防止性に優れ、さらに表面が乾きやすい特長も有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
本発明の屋根下地材は、釘穴止水性を有する透湿防水シートと、表面に防滑機能を有する不織布とからなり、前記透湿防水シートと前記不織布との間にある接着層によって一体複合化された構造を有する。
【0012】
以下各構成部分について説明する。
【0013】
第1に、釘穴止水性を有する透湿防水シートについて説明する。
本発明の屋根下地材に用いられる釘穴止水性を有する透湿防水シートとは、それぞれ後述の測定法により、耐水度が50cm以上、好ましくは100cm以上、透湿性が少なくとも1000g/m/24hr以上、好ましくは2000g/m/24hr以上であり、かつ、釘穴止水性試験の合格率が80%以上、好ましくは90%以上の物性を有するシートを示す。
【0014】
このような物性の釘穴止水性を有する透湿防水シートは、材質および製法により特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂を使用したフラッシュ紡糸法による不織布を使用することが好ましい。例としては、好ましくは旭・デュポンフラッシュスパンプロダクツから市販されている「タイベック(登録商標)」であり、さらに好ましくは特開平8−209867号公報に開示されている釘穴止水性の高い不織布である。上記の不織布は、透湿性、防水性および釘穴止水性に優れるだけでなく、単体でも優れた物理強度を有し、経年変化が起こりにくく耐久性に優れている。
【0015】
この他に釘穴止水性を有する透湿防水シートとして使用可能なものは、特開2001−232710号公報に開示されている微多孔質ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニールアルコール、ポリウレタン系から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーの合成樹脂フィルムである。これらを使用する場合は、厚みが50〜300μm、ヤング率が1〜30kg/mmからなるシート状のものを用いることができる。さらに釘穴止水性を向上させる場合は、ポリアクリル酸塩系あるいはマレイン酸塩系等の公知の高吸水性ポリマー、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム系樹脂等を表面に塗布または含浸したシート等を用いることができる。あるいはまた、撥水性や防水性を高める場合には、フッ素系、シリコン系やワックス系の薬剤を不織布や合成紙等の表面に塗布または含浸したシート等を用いることができる。さらに積層体として、公知の不織布、合成紙、微多孔質フィルム、透湿ゴムシート等を適当な接着剤で一体複合化したシート、またはその間に前述の高吸水ポリマーや高吸水性ポリマーを保持したシートを挟んで一体複合化した積層シート等を用いることも可能である。
【0016】
第2に表面に防滑性を有する不織布について説明する。
【0017】
本発明に使用される表面に防滑性を有する不織布は、施工時に作業者が歩行するため、歩行面となるシート表面上の摩擦係数が0.4以上、好ましくは0.5以上であることが好ましい。さらに歩行時に滑りにくくするためには、該不織布にクッション性を付加する必要があり、厚みは0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上であり、その空隙率は70%以上が好ましい。そして作業者が歩行するということは、靴底で擦られても損傷が生じにくい不織布を選定する必要がある。撥水性の条件としては、雨水や露による湿潤時に水膜ができないためには、撥水度が2以下であることが好ましい。防水性の観点からは、不織布面を水が通過しないことが好ましい。
【0018】
以上の性能を有する不織布は、靴底で損傷を受けにくいスパンボンド法による合成繊維不織布が好ましく、水分を殆ど吸収しないポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドを主成分とする不織布が好ましい。これらの不織布の表面に防滑加工処理を施すことによって、本発明に使用される表面に防滑性を有する不織布を作製する。
【0019】
次にこれらの不織布の防滑加工方法を具体的に述べる。
【0020】
表面に防滑性を有する不織布は、前述の不織布に公知の防滑加工を施す方法、あるいは不織布を構成する成分に防滑性を発現する物質を添加する方法で製造される。例えば、防滑加工剤としてバインダーを用いて骨材、発泡材、各種粉体等を接着させる方法、または、防滑加工剤として熱溶融すると接着性を発揮するホットメルト剤等を、ドット状、あるいは筋状に接着させる方法等のいずれの方法も用いることが可能である。
【0021】
以下にバインダーを用いる防滑加工方法について説明する。
【0022】
該防滑加工方法に用いられる骨材としては、砂等の鉱物粒、発泡材としては、芯物質にn―ブタン、i-ブタン、ペンタン、ネオペンタンのような低沸点の炭化水素を内包し、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートのような(メタ)アクリル酸エステル、スチレンのような芳香族ビニル化合物を主成分とする熱可塑性樹脂の壁膜剤とした発泡性マイクロカプセル、粉体としては、合成樹脂粒、金属粉、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、酸化チタン、プラスチックビーズ等を用いることが可能である。接着させるバインダーとしては、アクリル系、ウレタン系、スチレン・ブタジエン系、エチレン・酢酸ビニル系等を用いることが可能である。また、防滑加工方法としては、ナイフコーター、グラビアコーター、キスコーター、バーコーター等各種のコーティング方式や印刷方式が可能である。
【0023】
本発明に使用される不織布は繊維で構成されることで表面に充分な空隙が存在するため、用いる防滑加工剤や付着量を適宜選定することで、全面塗布しても透湿性を損なうことなく付与することができる。勿論ドット状や筋状に防滑加工剤を塗布することも可能である。
【0024】
次にホットメルト剤を用いる防滑加工方法について説明する。
【0025】
ホットメルト剤を用いて防滑加工する場合は、エチレン・酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリイミド系等の中で、その融点が不織布シートの融点以下であるホットメルト剤を用いて防滑加工を行う。具体的な方法は、パウダー状のホットメルト剤を散布、熱圧着する方法、ホットメルト剤を溶融、液状にしてドット状、ストライプ状にコーティングする方法等である。
【0026】
さらに、撥水度を2以下にするためには、親水性を示す界面活性剤を不織布全面に付与する必要がある。この場合には防滑加工で用いられる加工液と同時に付与することが好ましい。界面活性剤としては、撥水度が2以下になるいかなる界面活性剤を用いることができる。例えば防滑加工で用いる前記加工液に含ませた乳化剤、分散剤等の界面活性剤であっても良い。撥水度が2以下になれば、新たに親水剤等の界面活性剤を付着させる必要はない。
【0027】
また、歩行時に表面が傷ついたり破けにくくするために、表面強度を向上させるような公知の樹脂コーティングや含浸を施しても良い。表面強度はJIS−L0849摩擦に対する染色堅牢度(摩擦試験器2型の6.1(2)の条件で行い、JIS−L1096の6.17摩耗試験 c法(テーバー形法)による外観変化の判定)でA級が好ましい。
【0028】
次に表面に防滑性を有する不織布と透湿防水シートとの一体複合化について説明する。
【0029】
一体複合化は、表面に防滑性を有する不織布と釘穴止水性を有する透湿防水シートとの間に接着層を設けることにより行われる。該接着層には接着性樹脂が用いられる。釘穴止水性を有する透湿防水シートと表面に防滑性を有する不織布とを、防滑性を有する不織布の防滑性を有する表面が外側になるように接着させることにより一体複合化させる。
【0030】
用いられる接着性樹脂としては、種類においては溶剤系、エマルジョン系、ホットメルト系等特に限定されない。接着方法は、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ホットメルトを糸状にして吹き付けながら接着するカーテンスプレーやホットメルトパウダーを用いた熱ラミネート等公知の接着方法が用いられる。JIS−Z0208による180度剥離による接着強度が1.0N/cm以上になることが好ましく、さらに上記接着性樹脂により透湿が低下しないように、接着面積を実質的に50%以下にすることが好ましい。
【0031】
本発明の屋根下地材は、上記に述べたような材料および方法等により得ることができる。該屋根下地材は、防滑不織布面の摩擦抵抗が0.4以上、撥水度が50以下となる。その透湿性は1000g/m/24hr以上であり、好ましくは3000g/m/24hr以上(JIS A6111規定の透湿抵抗 約0.19m・s・Pa/μg以下)である。防水性については、耐水度が50cm(約5kpa)以上であり、釘穴止水性の合格率は80%以上である。
【0032】
本発明の屋根下地材は、野地板材に接触する釘穴止水性を有する透湿防水シートの裏面にも各種防滑処理を施すことが好ましい。この裏面の防滑加工は、屋根下地材と野地板との滑りを抑制することにより施工時に作業する人が滑りにくくするだけでなく、屋根下地材を固定しているつづら針及び釘部分での破れや穴の拡大を抑制する。この裏面の防滑処理は、本発明の防滑性を有する不織布を裏面に張り合わせる方法のみならず、前述の不織布への防滑加工手段等各種の方法を、直接釘穴止水性を有する透湿防水シートの裏面に用いることが可能である。さらに本発明の屋根下地材は、耐久性、耐候性および防水性を高める処理等の公知の処理(例えば、本願と同じ出願人による特開平10−280623号公報を参照)を施しても良い。
【0033】
また、施工時に目がくらまないように着色すること、および敷設される屋根下地材の重なり部分、つづら針の打ち込み場所や施工時の方法等を印刷または色づけすることが好ましい。
【0034】
(実施例)
以下に、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
実施例における屋根下地材の各物性は次の方法で測定した。
【0036】
(1)透湿性
JIS−L−1099透湿度試験方法A−1法(塩化カルシウム法)に基づき、n=5で測定し、その平均(g/m/24hr)で表す。
【0037】
(2)撥水度
JIS−L−1092(1998) 防水性試験方法6.2撥水度試験(スプレー試験)によって評価する。
この方法は、45度に傾斜した試料にシャワー状に水を散布し、水の付着状態を観察する試験である。本発明で規定した撥水度2以下とは、水滴状がなく、半分以上の面積で見かけ上、湿潤した状態になっていることを示す。
【0038】
(3)防水性(耐水度)
JIS−L−1092(1998) 防水性試験方法4.(1)耐水度試験A法(静水圧法)によって測定し、その平均(cm)で表す。
【0039】
(4)釘穴止水性
12mm厚の合板(JASに規定される普通合板1類1等品)の上に屋根下地材を乗せ、鉄丸釘穴N50(JIS−A−5508規定)で構造体を通過する程度打ち込み、JIS−A−5430 5.6(透水試験)に準じて、釘打ち込み部に塩ビのパイプを立てる。これに高さが150mmの高さまで水を注ぎ入れ、24時間後の減水高さを調べる。n=10で測定し、合格を1mm以内の減水高さとし、その合格率(%)を表す。
【0040】
(5)摩擦係数
野地材として、合板(JASに規定される普通合板1類1等品)を使用し、屋根下地材の裏面とを両面テープで動かないように固定し、ゴムシート(東洋ゴム社製 ウレタンゴム 厚み2mm)を平滑なステンレス板に貼り付け、ゴムシート面と屋根下地材を接触させた後、野地板の上に2kgの荷重を乗せ、野地材を100mm/分の速度で引張り、摩擦力(野地材が滑りだしたときの引張応力)をn(試料数)=5で測定し、その平均値で表す。
【0041】
【数1】
Figure 0004012443
【0042】
(6)歩行安定性
実施例および比較例で作成する屋根下地材において、実際の屋根のモデル(屋根勾配30゜)で作業者が歩行時やつづら針での固定時の作業の際のすべり感を評価する。なお湿潤状態は、じょうろで約100cc/m程度になるようほぼ均一になるように散水した状態を示す。
【0043】
(7)厚み(mm)
JIS−L−1096 6.5に規定される厚さとし、荷重は23.5kpaとする。
【0044】
(8)空隙率(気孔容積)(%)
JIS−L−1096 6.10.2で規定される気孔容積を空隙率として表す。
【0045】
(9)乾燥性
JIS−L−1092(1998) 防水性試験方法4.(1)耐水度試験A法(静水圧法)によって、屋根下地材の表面に散水し、20度 60%RHの恒温室に放置し、手触りで濡れを感じなくなるまでの時間(hr)を表す。
【0046】
(実施例1)
防滑性を有する不織布は、ポリエステル不織布(旭化成株式会社製 E5040 厚み0.17mm、空隙率77%)にグラビアコーティング法(版深60ミクロン、全面コート)により、親水性の発泡塗料(山文油化株式会社製 PS−2 発泡カプセル含有アクリル系ラテックス)を固型分付着量10g/mで塗布し、130度で約2分間乾燥し、防滑性を有する不織布を得た。この不織布の透湿度を測定したところ、8000g/m/24hrであった。次に、釘穴止水性を有する透湿防水シートとして、フラッシュ紡糸法によるポリエチレン不織布「タイベック(登録商標)1082B」(旭デュポンフラッシュスパンプロダクツ株式会社製 目付105g/m、厚み0.26mm、透湿度5500g/m、耐水度220cm、釘穴止水性:合格率100%)の裏面(野地板に接触する面)に水溶性加熱型発泡インキ(AQフォーム:エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン)をグラビア印刷機で点状(面積率15%、固形分付着量5g/m)に印刷した。上記の防滑性不織布と透湿防水シートの一体複合化は、フタル酸系ポリエステル樹脂を用いてドライラミネート法(固形分付着量5g/m、接着面積40%格子柄)により実施した。得られた屋根下地材の物性および評価結果を第1表に示す。
【0047】
(比較例1)
実施例1と同様にポリエステル不織布を使用し、親水剤としてポリアクリル酸ソーダーを含んだアクリル系エマルジョンをグラビアコーティング法により、固形分付着量8g/mを塗布し、後は実施例1と同様にフラッシュ紡糸法によるポリエチレン不織布とラミネートし、屋根下地材を作成した。この物性及び評価結果を第1表に示す。
【0048】
第1表からわかるように、摩擦係数が低いと歩行時に滑りやすく、急勾配の作業はできないと判断された。
【0049】
(比較例2)
実施例1で得られた屋根下地材の防滑性不織布の面に、フッ素系撥水剤であるアサヒガードAG−710(旭硝子株式会社製)の5%水溶液をグラビアロールにて10g/m付与し、乾燥し、屋根下地材を作成した。この結果を第1表に示す。
【0050】
第1表に示されるように、撥水度が高いため、散水すると屋根下地材が水をはじき、水滴状となり、歩行時に水膜となり滑りやすくなるだけでなく、長時間乾かないため作業が困難になる。
【0051】
(比較例3)
実施例1のフラッシュ紡糸法によるポリエチレン不織布の両面に、グラビアコーティング法(版深60ミクロン、全面コート)により、親水性の発泡塗料(山文油化株式会社製 PS−2 発泡カプセル含有アクリル系ラテックス)を固型分付着量10g/mで塗布し、130度で約2分間乾燥し、屋根下地材を作成した。この結果を第1表に示す。
【0052】
第1表に示されるように、透湿防水シートの表面の撥水度は低下するが、シート内部に水が浸入しないため、表面に水分を保持している状態となる。このため乾きにくく、湿潤時の歩行の際、水膜にができやすく滑りやすいことがわかる。さらに表面の親水性が影響し、釘穴止水性も低下することがわかる。
【0053】
(比較例4)
市販されている合成高分子系ルーフィングとしてハイトントン(松下電工社製塩ビ系ルーフィング)を比較例として、第1表に示した。
【0054】
第1表に示されるように、湿潤時の水膜のため滑りやすく、また乾きにくいことがわかった。
【0055】
【表1】
(第1表)
Figure 0004012443
【0056】
【発明の効果】
本発明の屋根下地材は、透湿防水シートの防水性、透湿性、釘穴止水性を損なうことなく、表面に特定の防滑度と撥水度を有する不織布をラミネートすることで晴天時は勿論のこと、雨や夜露により表面が濡れた際も、不織布の空隙に水を保持するので水膜ができにくく、作業者が安全に作業できる。また、屋根下地材の乾燥においても、不織布の空隙に拡散されるため、乾燥も有利となり、乾きにくい冬場の雨等でも素早く乾いた状態にすることができる。さらに、防滑層となる不織布が透湿防水シートの保護層となることから、上ぶき材(瓦)を施工するまでの日光の暴露に対する保護や異物の汚れ防止、さらには作業による傷つき(落下物による傷、靴底によるこすれ、破け等)防止の効果があり、屋根下地材としての物理強度も高める効果がある。

Claims (4)

  1. 屋根下地材であって、
    釘穴止水性を有する透湿防水シートと、
    表面に防滑機能を施し、該面における摩擦係数が0.4以上で、撥水度が2以下である不織布と、
    前記透湿防水シートおよび前記不織布の間にあって、これらを一体複合化するための接着層と
    を具備し、透湿性が1000g/m/24hr以上である屋根下地材。
  2. 前記不織布が、厚さが0.1mm以上であり、空隙率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の屋根下地材。
  3. 前記不織布が、スパンボンド法による合成繊維不織布であることを特徴とする請求項1または2に記載の屋根下地材。
  4. 前記透湿防水シートが、ポリオレフィン樹脂を使用するフラッシュ紡糸法による不織布であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の屋根下地材。
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