JP3174894B2 - 建築用下地材 - Google Patents
建築用下地材Info
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Description
特に屋根下地材として使用される防水性、透湿性、防滑
性を有する建築用下地材に関する。
トルーフィングに代表されるように防水性を有し、寸法
安定性が良く、物理的強度が大きく、滑り難く、釘を打
った時の釘軸回り水密シール性が良い等が必要とされ、
実際の使用においてはアスファルト含浸をした布帛が主
流となっている。また、壁下地材では、防水性を有し、
透湿性を持つ不織布、微多孔膜が使用されている。
は、アスファルトを含浸しているために、20m程度の
巻物では20kgを越す重量を有し、施工時の取扱い性
が非常に悪い。また、透湿性が殆ど無いために、施工後
屋根下部分の湿気が抜けず野地板を傷め易い。その上、
施工後の寒暖の温度差によりアスファルトルーフィング
の劣化及び伸縮が生じ、釘軸回り、タッカー部分の水密
シール性が低下するという問題点があった。また、壁下
地材でも同様にタッカー部分の防水性がなくなり、その
部分から水漏れが発生するという問題点があった。
は、布帛の表面に、伸縮性、粘着性を有する樹脂を塗布
し、さらにその上に粘着性を有する樹脂を塗布した防水
性の優れた屋根下葺材を開示しているが、この屋根下葺
材は複数の樹脂層を有しているため、透湿性に欠ける上
に釘を打った時の水密シール性も改善の余地を残してい
る。
の解決のために、先に特願平3−73077号におい
て、熱可塑性樹脂からなり、耐水性200mmH2 O以
上、ガーレ式透気度0.01〜10,000秒/100
ml及び引張強度5kg/5cm巾以上であるシートの
表面に釘軸回り水密シール性(以下、単に水密シール性
と略称する)の塗膜を設けてなる建築用下地材、及び熱
可塑性樹脂からなり、耐水圧200mmH2 O以上、ガ
ーレ式透気度0.01〜10,000秒/100ml及
び引張強度5kg/5cm巾以上であるシートの表面全
体に気体透過性を有するゴム系樹脂が塗布されている建
築用下地材を提案し、優れた防水性、物理的強度、水密
シール性、透湿性を有する軽量な建築用下地材、特に屋
根下地材を得た。
く、特に施工時に、屋根野地材上に該下地材を張りつめ
て釘打ちする際に所定の位置から滑ってずれることによ
る取り扱いの問題や、ずれによる釘穴部のシートの破れ
の問題、或いは雨天などで下地材シート表面が濡れてい
て屋根上での作業者の足が滑るなど、施工上の各種トラ
ブルを招くなどの問題点がある。
ついて種々検討した結果、上記建築用下地材シートの少
なくとも片面に防滑加工を施すことにより、その下地材
の優れた防水性、物理的強度、水密シール性、透湿性を
損なうことなく、優れた防滑性を与えることが可能とな
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
ガーレ式透気度0.01〜10,000秒/100ml
及び引張強度5kg/5cm巾以上であるシートの表面
に釘軸回り水密シール性の樹脂層を設けてなる建築用下
地材において、さらにそのシートの少なくとも片面に防
滑加工を施してなることを特徴とする、建築用下地材で
ある。
下地材とは、防水、養生、滑り止め等を目的として、壁
等の構造体の内部に配置されるものであり、具体的には
屋根下地材、壁下地材、床面下地材、壁紙下地材、内装
下地材、天井裏下地材等が挙げられる。
圧200mmH2 O以上、好ましくは1,000mmH
2 O以上であり、気体透過性としてはガーレー式透気度
が0.01〜10,000秒/100ml、好ましくは
0.5〜1,000秒/100ml、更に好ましくは1
0〜500秒/100mlであり、引張強度5kg/5
cm巾以上、好ましくは8kg/5cm巾、更に好まし
くは15kg/5cm巾以上を有することが必要であ
り、このようなシートはフラッシュ紡糸法等で得られた
三次元網目状不織布(登録商標「ルクサー」、登録商標
「タイベック」等)や、微多孔膜等が挙げられる。
樹脂、好ましくは融点が120℃〜300℃の熱可塑性
樹脂であればよく、具体的には、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レンテレフタレートなどを挙げることができる。ここで
云う耐水圧は、JIS−L 1092 における耐水度
試験方法A法(低水圧法)静水圧法に準ずる。また、ガ
ーレー式透気度(秒/100ml)はJIS−P 81
17 により測定されるシートの気体透気度である。
法に準ずる。目付けは、20g/m2 以上が好ましく、
更に好ましくは30〜120g/m2 特に50〜100
g/m2 が好ましい。
ことにより、防水性と共に透湿性をも持つことから、施
工後シート基材の下の部分を傷めることを防止する。特
に、施行後使用する釘、タッカー打ち部分などの水密シ
ール性が大幅にアップするものである。
面の少なくとも釘打ち込み部分に、すなわち釘軸周りに
水密シール性の樹脂層が施こされていることを特徴とす
る。
使用する場合、屋根を支える垂木と瓦を引っ掛ける瓦桟
の交点であり、一般的には横方向に1尺5寸、縦(上
下)方向に7寸のピッチで存在する。屋根材として新生
瓦を使用する場合は、釘はランダムに打たれるため、場
所は限定されない。釘については、一般的な釘だけでな
く、新生瓦(スレート瓦)用のスパイラル釘、タッカー
等も含む。
は、 シート基材の表面の少なくとも釘打ち込み部分
に、伸縮性、粘着性を有する樹脂を塗布することによる
か、或いは シート基材の表面全体に気体透過性を有
するゴム系樹脂を塗布することにより形成される。ま
た、ラミネート法等によっても形成することができる。
を有する樹脂としては、ゴム系樹脂や熱可塑性エマルジ
ョン等であり、好ましくはブチルゴム、スチレン−ブタ
ジエン(ブロック)共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体等であり、天然ゴム、ブ
タジエンゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム等でも良い。
をシート基材の表面の少なくとも釘打ち込み部分に塗
布することにより、本発明の建築用下地材が得られる。
該樹脂の塗布量は、施工後使用する釘、タッカー部分の
水密シール性、加工性の点から5g/m2 以上、更には
10〜120g/m2 、特に20〜60g/m2 である
ことが好ましい。
あれば特に制限されないが、所定の幅で垂直状に或いは
斜めにストライブ状に塗布することが好ましい。塗布の
寸法は、釘打ち込み部分の水蜜性を確保できる範囲で適
宜選択されるが、例えば巾40〜80mm程度、間隔1
20〜450mm、厚み200〜600μmであり、斜
めにする場合にその塗布角度30〜50°である。上記
の構成により、施工後使用する釘、タッカー部分の水密
シール性が更に良くなる。
過性を有するゴム系樹脂が塗布されたものは、防水性、
釘、タッカー部分の水密シール性、透湿性も共に優れた
効果を示す。塗布されるゴム系樹脂は、気体透過性を有
することを要し、酸素透過率が好ましくは0.01×1
0-9〜100×10-9ml・cm-1・sec-1・cmH
g(25℃)、更に好ましくは1.0×10-9〜100
×10-9ml・cm-1・sec-1・cmHg(25℃)
を有する天然ゴム若しくは合成ゴム若しくは熱可塑性エ
ラストマーである。好ましくは天然ゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、ブタジエンゴム、シリコンゴム、エチレ
ン−プロピレンゴム等が挙げられる。
密シール性の点で5g/m2 以上、更には10〜120
g/m2 、特に20〜60g/m2 が好ましい。塗布
は、コーティング、ラミネート等で行われる。上記、
の塗膜の形成方法は、例えば以下の方法で行われる。
すなわち、加熱溶融状態の樹脂を彫刻ロール(グラビア
ロール)にて液状樹脂を持ち上げ、ドクターナイフでか
きとり、凹部に残った樹脂をシート基材に付着させ、冷
却固化させて建築用下地材を得る。
ールにて液状樹脂を持ち上げ、ドクターナイフでかきと
り、凹部に残った樹脂をシート基材に付着させるか或い
は樹脂の水系エマルジョンをシルクスクリーン印刷法を
用いて部分的にシート基材に樹脂を付着させ、乾燥して
建築用下地材を得る。また、樹脂の水系エマルジョンを
ナイフコーター又はロールコーターにてシート基材の全
面に塗布し、熱風乾燥或いはシリンダー乾燥を経て建築
用下地材を得る。
面に防滑加工を施すものである。勿論、該防滑加工は、
前述の水密シール性塗膜の施工の前後を問わない。本発
明は、この防滑加工により、その下地材の優れた防水
性、物理的強度、水密シール性、透湿性を損なうことな
く、優れた防滑性を与えることができる。従って、屋根
下地材を張りつめて釘打ちする際に所定の位置から滑っ
てずれることがなく、釘穴部での破れといった問題もな
くなり、及び/又は雨天などで下地材シート表面が濡れ
ていても施工人の足が滑べり事故などを惹起する恐れが
ない。
なくとも片面、すなわち表面又は裏面、好ましくは両面
に施される。さらに、該防滑加工は、建築用下地材、特
に屋根下地材シートに要求される所定の透湿性を損なわ
ない範囲内で、施工面の全面もしくは部分的に施しても
良い。また、この防滑加工は、屋根仕上げ材の使用目的
などに応じて、前記水密シール性樹脂層の施工の前後の
何れの時期を選択して施工しても構わない。
られれば特に技術的に限定されないが、大別して、(i)
シート基材面に凹凸を形成することによるか、或いは(i
i)シート基材面の粘着性を高めることによる方法が代表
的である。具体的に、(i) の手段としては、例えば
ポリエチレン粉末等の熱可塑性樹脂粉体を散布して後に
加熱ロールなどで熱融着させるか、無機性粉体を適当な
バインダーでシート基材面に点状に付着させるか、又は
シリコンレジンの溶剤溶液を散布して後に乾燥させるか
等の方法、或いは
宜手段で点状に印刷し、加熱発泡させて後に乾燥する方
法、或いは 予め所定の間隔でガラス繊維等の糸状物
をストライブ状(筋状)に或いは格子状にシート面にバ
インダー等により添着させる方法などがある。
又は樹脂をシート基材面に施こす方法がある。例えば、
アタクテックポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等のようなホットメルト系粘着剤を用いて、溶融
状態の粘着剤をロールコーター等でシート面に少なくと
も部分塗工するか、或いはアクリル系の粘着剤やゴム系
粘着剤等を用いて、グラビアロールで少なくとも部分的
にコーティングする方法がある。
れらは、本発明の範囲を制限しない。なお、本発明の建
築用仕上げ材の性能は、下記の方法により測定した。 防水性: JIS−L1092における耐水度試験A法(低水圧
法)静水圧法により耐水圧を測定した。 透湿性: JIS−L1099A−1法に準じて温度30℃、湿度
90%RHの条件にて透湿度を測定した。
を、屋根を想定して45°の勾配に設置し、各試験サン
プルの施工テストを行った。各サンプルは、タッカー及
びスパイラル形状のスレート釘を用いて固定した。その
後、3人の試験者がサンプル上に登り、歩行して滑りに
ついて評価した。また、水をかけ、表面を湿潤状態にし
た際の滑りについても評価した。判定は、シート上で釘
打ち作業が可能であるかどうかによって行った。判定結
果の表示は、以下の通りである。 釘打ち作業可能 ・・・・○ 釘打ち作業不可能 ・・・・×
ル形状のスレート釘及びタッカーを水密シール性樹脂塗
布部に打ち、その上に高さ150mmの水柱を塩ビパイ
プで作成し、24時間放置後の水中の高さの減少の有無
にて評価した。なお、試験体は、スレート釘及びタッカ
ーを滑り性試験と同様の試験方法で打ち、3人の試験者
がサンプル上を歩行した後のものを取り出して試験体と
した。
(登録商標)」H2080ZZ(目付け100g/
m2 、引張強度43kg/5cm巾)を使用し、図1の
ように、裏面にポリエチレン粉体3を5g/m2 散布し
て加熱ロールで熱融着し、更に表面に加熱溶融状態のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体2をロールコーターで巾4
5mm、間隔124mm、角度35°で35g/m2 塗
布し、冷却固化させて、建築用下地材を得た。
(登録商標)」H2040ZZ(目付け60g/m2 、
引張強度30kg/5cm巾)を使用し、図2のよう
に、表裏両面に加熱溶融状態のアタクテックポリプロピ
レン4をロールコーターで巾2cmで筋状に塗布し、冷
却固化させ、次にその表面に加熱溶融状態のスチレン−
ブタジエンブロック共重合体2をロールコーターで巾4
5mm、間隔124mm、角度35°で120g/m2
塗布し、冷却固化させて、建築用下地材を得た。
態のエチレン−酢酸ビニル共重合体2をロールコーター
で、図1のように巾45mm、間隔124mm、角度3
5°で35g/m2 塗布し、冷却固化させて、建築用下
地材を得た。
状建築用下地材の防水性、透湿性、水密シール性及び滑
り性についてまとめて表1に示す。
(登録商標)」H2040ZZ(目付け60g/m2 、
引張強度30kg/5cm巾)を使用し、図3のよう
に、裏面に発泡インキ5をグラビア印刷機で点状に印刷
し、110℃×2分で発泡させ、次いで表面にエマルジ
ョン系シリコンゴム2をナイフコーターでシート全面に
60g/m2 塗布して乾燥し、次にこの上にゴム揮発油
にシリコンレジン3を50%溶解させた溶液をスプレー
にて散布して30g/m2 塗布し、乾燥して建築用下地
材を得た。
(登録商標)」100(目付け59g/m2 、引張強度
6.5kg/5cm巾)を使用し、図4のように、表面
に2液型シリコンゴム2をナイフコーターで表面全体に
50g/m2 塗布し、次に表裏両面にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ホットメルト型接着剤の塗布されたガラス
繊維(500デニール、マルチフィラメント)からなる
糸6を熱ロールにて筋状に圧着し、建築用下地材を得
た。
に、エマルジョン系シリコンゴム2をナイフコーターで
シート全面に60g/m2 塗布して乾燥し、建築用下地
材を得た。
状建築用下地材の防湿性、透湿性、水密シール性及び滑
り性についてまとめて表2に示す。
(登録商標)」H2040XX(目付け60g/m2 、
引張強度30kg/5cm巾)とH2080XZ(目付
け100g/m2 、引張強度43kg/5cm巾)を使
用し、図5に示されるように、表裏両面に水溶性加熱型
発泡インキ(AQフォーム;エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂系エマルジョン)5をグラビア印刷機で点状に印
刷し、次いで表面にエマルジョン系シリコンゴム(日華
化学(株)製「ネオステッカーSA−28」)2をナイ
フコーターでシート全面に、それぞれ20g/m2 、4
0g/m2 塗布して、110℃で1分間乾燥と同時に発
泡インキを発泡させて、計4種のサンプルを得た。この
サンプルは図5のような構造であった。
00mmH2 O以上、透湿性1,000g/m2 /24
hr以上であった。また、表面側から釘打ちした水密シ
ール性は釘0、タッカー0であり、滑り性も良好であっ
た。
は、従来のアスファルトルーフィング材に比して軽量で
あり、かつ防水性、釘を打った時の水密シール性が向上
し、更に透湿性を有するために下地材の下部分(野地板
等)を傷めず、しかも防滑性をも備えていて、作業性が
向上すると共に作業中の事故も生じない。
である。
である。
である。
である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなり、耐水性200m
mH2 O以上、ガーレ式透気度0.01〜10,000
秒/100ml及び引張強度5kg/5cm巾以上であ
るシートの表面に釘軸回り水密シール性の樹脂層を設け
てなる建築用下地材において、さらにそのシートの少な
くとも片面に防滑加工を施してなることを特徴とする、
建築用下地材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24894292A JP3174894B2 (ja) | 1991-09-20 | 1992-08-26 | 建築用下地材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-268557 | 1991-09-20 | ||
JP26855791 | 1991-09-20 | ||
JP24894292A JP3174894B2 (ja) | 1991-09-20 | 1992-08-26 | 建築用下地材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05202580A JPH05202580A (ja) | 1993-08-10 |
JP3174894B2 true JP3174894B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=26539019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24894292A Expired - Lifetime JP3174894B2 (ja) | 1991-09-20 | 1992-08-26 | 建築用下地材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3174894B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2009007896A (ja) * | 2007-06-29 | 2009-01-15 | Okura Ind Co Ltd | 透湿性床養生用シート |
JP2012077535A (ja) * | 2010-10-04 | 2012-04-19 | Nishinaka Orimono Kk | 畳 |
JP7026445B2 (ja) * | 2017-03-29 | 2022-02-28 | セーレン株式会社 | 野地養生シート |
JP7429917B2 (ja) * | 2019-03-28 | 2024-02-09 | 日新工業株式会社 | ルーフィングシート用表皮シートおよび表皮シート付きルーフィングシート |
-
1992
- 1992-08-26 JP JP24894292A patent/JP3174894B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05202580A (ja) | 1993-08-10 |
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