JP7429917B2 - ルーフィングシート用表皮シートおよび表皮シート付きルーフィングシート - Google Patents

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Description

本発明は、ルーフィングシート用表皮シートおよび表皮シート付きルーフィングシートに関する。
屋上などの屋根には、防水性を付与するために、アスファルトルーフィングシートが用いられている。
アスファルトルーフィングシートには種々のタイプが知られているが、紙や化学繊維不織布などの基材にアスファルトを含浸被覆したアスファルトルーフィングシートが主として用いられている。アスファルトとしては、耐久性の観点から、改質アスファルトを用いることが好ましいと言われている。
例えば、特許文献1には、基材層上に改質アスファルト層を積層し、改質アスファルト層上に、砂粒層を設けたシート状の改質アスファルトルーフィングが記載されている。特許文献1では、改質アスファルト層の劣化を防止し耐久性を向上させるため、改質アスファルト層の表面に砂粒層を設けている。
特開平11―336266号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
アスファルトルーフィングシートや改質アスファルトルーフィングシートにおいて、特に陸屋根に用いられる露出防水用ルーフィングは、直接、太陽の光や雨、風、雪などにさらされるため、より優れた耐久性が求められている。一方で露出防水用ルーフィングは、人々の目に止まりやすいため、意匠性の向上も求められている。
特許文献1に記載の技術では、表面に鉱物質粒子が密集した砂粒層を設けることで耐久性を向上している。このため、表面に暗色の砂粒層が露出しており、意匠性を向上できないという問題がある。
砂粒層の表面に耐候性樹脂を塗布し、耐候性樹脂において意匠性を向上することも考えられる。しかし、砂粒層に用いられる鉱物質粒子は、例えば、ストレートチップや砕石などからなり、粒径は1500μm程度である。このような鉱物質粒子は、比重が大きいので、ルーフィングシートの重量が重くなり、持ち運びや施工の際に取り扱いにくいという問題がある。
さらに近年、温暖化の影響でルーフィングシートの表面の温度が上昇傾向にある。この影響で露出防水用ルーフィングの表層にひび割れや砂落ち、マッドカーリング現象などの不具合が生じ易くなっているという問題もある。
マッドカーリング現象とは、特に露出防水用ルーフィングシートにおいて、水溜り部に泥土や花粉などが堆積した堆積物が乾燥湿潤を繰り返し、乾燥時に体積収縮することによって堆積物が表層に食い付いてルーフィングの表面をめくり上げる現象のことである。露出防水用ルーフィングシートにおいて、表層に砂粒層があると、砂粒に堆積物が食い付きやすくなるため、マッドカーリング現象が起こりやすいと考えられる。
マッドカーリングのような不具合は意匠性も低下させる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、軽量で耐久性に優れるとともに、意匠性を向上できるルーフィングシート用表皮シートおよび表皮シート付きルーフィングシートを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の態様を備える。
[1]樹脂膜と、繊維シートと、前記樹脂膜の表面上の少なくとも一部に付与された、光輝性が低い熱線反射物質を含む熱線反射層と、を含み、前記樹脂膜の表面上に前記熱線反射層を付与する量が、12g/m 以上、100g/m 以下である、ルーフィングシート用表皮シート。
[2]前記熱線反射物質は、無機酸化物、セラミックバルーン、シラスバルーン、中空ビーズ、アンチモンドープ錫である、[1]に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[3]前記繊維シートは、不織布である、[1]または[2]に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[4]前記繊維シートの材料は、ポリプロピレンを含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[5]厚みが、50μm以上、5000μm以下である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[6]目付が、200g/m以下である、[1]~[5]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[7]JIS L1092 耐水圧試験(静水圧法)A法(低水圧法)にて測定した耐水度が2000mmHO以上である、[1]~[6]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[8]前記樹脂膜は、前記繊維シートの片面に積層されており、5μm以上、500μm以下の厚みを有する、[1]~[7]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[9]前記樹脂膜の耐熱温度が180℃以上である、[1]~[8]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[10]前記樹脂膜の材料は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂を含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[11]JIS K5602に準じて測定した近赤外域の日射反射率が40%以上である、[1]~[10]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
[12]アスファルト層と、前記アスファルト層に積層された、[1]~[11]のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シートと、を備える表皮シート付きルーフィングシート。
[13]厚みが、1.5mm以上、5.0mm以下である、[12]に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[14]目付が、1500g/m以上、5500g/m以下である、[12]または[13]に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[15]前記アスファルト層中に、不織布製の芯材が配置されている、[12]~[14]のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[16]前記芯材の目付は、50g/m~200g/mである、[15]記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[17]前記芯材は、高分子系化学繊維材料およびガラス繊維材料の少なくとも一方からなる繊維材料を含む、[15]または[16]に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[18]前記芯材には、改質アスファルトおよびブローンアスファルトの少なくとも一方からなる浸透用アスファルトが含浸されている、[15]~[17]のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[19]前記アスファルト層は、前記芯材上にコーティング用アスファルトが積層された構成を有しており、前記コーティング用アスファルトは、改質アスファルトおよび防水工事用3種アスファルトの少なくとも一方からなる、[15]~[18]のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[20]前記アスファルト層における、前記ルーフィングシート用表皮シートが積層されたのと反対側の表面に、鉱物質細砕物が付着している、[12]~[19]のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[21]前記アスファルト層における、前記ルーフィングシート用表皮シートが積層されたのと反対側の表面に、粘着層および剥離性保護フィルムがこの順に積層されている、[12]~[19]のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
[22]前記アスファルト層における、前記ルーフィングシート用表皮シートが積層されたのと反対側の表面に、鉱物質細砕物と、島状または帯状に形成された粘着層と、が配置されており、前記鉱物質細砕物は、少なくとも、前記粘着層の間に露出する前記アスファルト層の下層部上に散布された状態で、前記アスファルト層の下層部の表面に固定されており、前記鉱物質細砕物および前記粘着層を覆うように、前記粘着層に積層された剥離性保護フィルムをさらに備える、[12]~[19]のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
本発明のルーフィングシート用表皮シートおよび表皮シート付きルーフィングシートは、軽量で耐久性に優れるとともに、意匠性を向上できる。
本発明の第1の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートの一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第2の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートの一例を示す模式的な縦断面図である。 図2におけるA-A断面図である。 本発明の第3の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートの一例を示す模式的な縦断面図である。 接着強度試験における試験体を示す模式的な斜視図である。 接着強度試験に用いる試験装置を示す模式的な正面図である。
以下では、本発明の実施形態のルーフィングシート用表皮シートおよび表皮シート付きルーフィングシートについて添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態のルーフィングシート用表皮シートおよび表皮シート付きルーフィングシートについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートの一例を示す模式的な縦断面図である。
図1に示すように、本実施形態のルーフィングシート10(表皮シート付きルーフィングシート)は、本実施形態の表皮シート11(ルーフィングシート用表皮シート)、アスファルト層12、粘着材層5(粘着層)、および剥離性保護フィルム6を備えるシート状の積層体である。
表皮シート11、アスファルト層12、粘着材層5、および剥離性保護フィルム6は、ルーフィングシート10の層厚方向(図示上下方向)において、この順に配置されている。表皮シート11、アスファルト層12、および粘着材層5は、ルーフィングシート本体10Aを構成する。
ルーフィングシート10は、剥離性保護フィルム6が剥がされた後、粘着材層5を屋根などの施工部の表面に貼り付けることによって、施工部に取り付けられる。このため、施工部に配置されるのは、ルーフィングシート10のうち、ルーフィングシート本体10Aのみである。
ルーフィングシート10は、陸屋根および傾斜屋根のいずれにも用いることができる。後述するように、ルーフィングシート10は、優れた防水性および耐久性を有することから陸屋根に用いることがより好ましい。ルーフィングシート10は、施工部に防水性を付与するものであって、露出防水用、非露出防水用のいずれにも用いることができる。
ルーフィングシート10の形状は、例えば、長尺の帯状である。ルーフィングシート10は、長手方向にロール巻きされていてもよい。
図1は、ルーフィングシート10の長手方向に沿う断面の一部を示す。ルーフィングシート10は、短手方向においても図1と同様の断面を有する。
<ルーフィングシート用表皮シート>
表皮シート11は、ルーフィングシート10において、剥離性保護フィルム6と反対側のアスファルト層12の表面に配置される(積層される)。このため、表皮シート11は、ルーフィングシート10が屋根に取り付けられた態様において、ルーフィングシート10の表面部を構成する。
表皮シート11の厚みは、取り付け時のルーフィングシート10に必要な耐久性が得られれば特に限定されない。例えば、表皮シート11の厚みは、50μm以上、5000μm以下であってもよい。
厚みが50μm以上の場合、表皮シート11が自立可能になり、後述するアスファルト層12に積層する工程における取り扱いが容易になる。さらに厚みが50μm以上であると、ルーフィングシート10の耐久性が良好になる。
厚みが5000μm以下の場合、厚みがさらに厚い場合に比べて軽量になるので、ルーフィングシート10の取り扱いが容易になる。
表皮シート11の厚みは、耐久性をより向上できる点で、100μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。
表皮シート11の目付は、ルーフィングシート10に必要な耐久性が得られれば特に限定されない。例えば、表皮シート11の目付は、10g/m以上、200g/m以下であってもよい。
目付が10g/m以上の場合、耐久性および強度が良好となる。これにより、経時劣化等による意匠性の低下が抑制される。
目付が200g/m以下の場合、目付がさらに大きい場合に比べて軽量になるので、ルーフィングシート10の取り扱いが容易になる。
表皮シート11の目付は、より軽量化できる点で、150g/m以下であることがより好ましく、100g/m以下であることがさらに好ましい。
表皮シート11は、防水性の観点から、JIS L1092 耐水度試験(静水圧法)A法(低水圧法)にて測定した耐水度が2000mmHO以上であることがより好ましい。
表皮シート11は、耐候性の観点から、JIS K5602に準じて測定した近赤外域の日射反射率が40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが特に好ましい。
図1に示す例では、表皮シート11は、樹脂膜1と、繊維シート2と、を含む。図1に示す例では、樹脂膜1は、表皮シート11の最表面を構成しているが、樹脂膜1上に、後述する熱線反射物質を含む熱線反射層を付与するなどにより、表皮シート11の最表面を構成していなくてもよい。
<樹脂膜>
樹脂膜1は、後述する繊維シート2の少なくとも一方の表面の全面を覆う樹脂層である。
図1に示す例では、樹脂膜1は、繊維シート2の片面を覆っている。具体的には、樹脂膜1は、アスファルト層12と反対側の繊維シート2の表面の全面を覆っている。
ただし、樹脂膜1は、層厚方向における繊維シート2の両方の表面を覆っていてもよい。
樹脂膜1の厚みは、後述する繊維シート2と合わせて表皮シート11に必要な強度、厚みが得られれば、特に限定されない。
ここで、樹脂膜1の厚みとは、樹脂膜1の材料によって繊維シート2の外部に形成された層状部の厚みを指す。樹脂膜1の材料のうち、繊維シート2に含浸された部分の厚みは除外する。
例えば、樹脂膜1の厚みは、表皮シート11の断面を電子顕微鏡にて観察することによって測定されてもよい。この場合、繊維シート2上に形成されている樹脂の任意の5か所の厚みを測定し、その平均値を用いることが好ましい。
例えば、樹脂膜1の厚みは、5μm以上、500μm以下であってもよい。
厚みが5μm以上の場合、例えば、樹脂膜1内により多くの色材を分散させやすくなるので、樹脂膜1を適宜の色に着色することが容易となる。これにより、表皮シート11およびルーフィングシート10の意匠性が良好になる。
さらに、樹脂膜1の耐候性が良好になるので、表皮シート11およびルーフィングシート10の耐久性、表面強度が良好になる。
厚みが500μm以下の場合、表皮シート11において後述する繊維シート2が占める厚みを厚くできるので、後述する繊維シート2の種類に応じて表皮シート11としての耐久性および耐熱性を向上することができる。
さらに、厚みが500μm以下の場合、厚みが500μmを超える場合に比べて表皮シート11の重量を低減できる。
樹脂膜1の厚みは、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。樹脂膜1の厚みは、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。
樹脂膜1の材料としては、可撓性を有する樹脂材料であることがより好ましい。
樹脂膜1に好適な樹脂材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの単体または2種以上の複合体が挙げられる。樹脂膜1が複数種類の樹脂材料の複合体からなる場合、ポリマーアロイからなる複合体でもよいし、混練による複合体でもよいし、積層構造を有する複合体でもよい。
耐熱性および耐久性の観点からは、樹脂膜1の材料には、ポリカーボネート樹脂が含有されることがより好ましい。柔軟性および伸縮性の観点からは、樹脂膜1の材料には、ウレタン樹脂が含有されることがより好ましい。樹脂膜1の材料には、ポリカーボネート系ウレタン樹脂が用いられることが特に好ましい。
また、前記樹脂は、防汚性やリワーク性、耐溶剤性、耐熱性等を向上させるため、シリコン変性や架橋剤の添加による架橋反応等の改質処理をされていてもよい。
樹脂膜1の材料は、耐熱性が高い材料であることがより好ましい。
本明細書における「耐熱性」は、以下に述べる測定方法で測定される「耐熱温度」で表される。
測定装置としては、NM-1形防融試験機(商品名;株式会社大栄科学精器製作所製)が用いられる。試料としては、樹脂膜1の材料からなり、幅5cm以上の短冊状の測定用サンプルが準備される。
防融試験機における試験用の金属製の芯材(直径7mm)を150℃に設定した後、試料が芯材からずれない程度に手で軽く試料を持ちながら、試料の樹脂膜面に芯材を5秒間接触させる。試料の溶融による貫通孔が生じるかを確認し、貫通孔が生じなかった場合には、引き続き芯材の温度を10℃上昇させ、同様の作業を試料の先ほどとは別の場所にて行う操作を繰り返す。試料に貫通穴が発生したときの温度の一回前の試験時の温度を耐熱温度とする。
例えば、樹脂膜1の材料は、180℃以上の耐熱温度を有していてもよい。
耐熱温度が180℃以上であれば、表皮シート11と後述するアスファルト層12との積層時の加熱による孔あきなどを防止できる。
耐熱温度は高いほど好ましいので、耐熱温度の上限値は、特に限定されるものでないが、例えば、300℃程度であってもよい。
樹脂膜1の耐熱温度は、200℃以上であることがより好ましく、220℃以上であることがさらに好ましい。
樹脂膜1には、上述のような樹脂材料の他に種々の添加物が含まれていてもよい。
例えば、樹脂膜1には、ルーフィングシート10に意匠性を付与するため、顔料などの色材、畜光性材料、ガラスビーズ等の反射、再帰反射、散乱等の光学作用を有する材料などが添加されてもよい。これにより、例えば、表皮シート11を着色、発光させたり、表皮シート11の反射輝度を変えたり、再帰反射性を付与したりすることで、表皮シート11およびルーフィングシート10の意匠性を向上できる。
図1では、樹脂膜1の層厚が一定に描かれているが、これは一例である。樹脂膜1の表面には凹凸形状が形成されてもよい。凹凸形状は、例えば、樹脂膜1の製造時に、適宜の凹凸柄を有する離型紙を用いたり、エンボスロールを用いたりすることによって形成できる。
凹凸形状のパターン、模様などを適宜選択することによって、表皮シート11の表面に、意匠性に富んだ表面感、柄などが付与できる。これにより、表皮シート11およびルーフィングシート10の意匠性を向上できる。
樹脂膜1に添加可能な他の添加物の例としては、酸化チタン等の無機酸化物やセラミックバルーン等の中空粒子、アルミニウム、アンチモンドープ錫等の熱線反射物質、酸化チタン光触媒や酸化亜鉛などの各種抗菌剤、消臭剤、防汚剤、平滑剤、スリップ防止材、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
特に図示しないが、樹脂膜1の表面には、適宜の熱線反射物質を含む熱線反射層を付与することが好ましい。
従来のルーフィングシートのアスファルト層は、熱線を吸収して温度が上昇し、アスファルト層の熱膨張、収縮によるひび割れ、劣化が発生する欠点を有している。この欠点を軽減するため、従来では屋上などにルーフィングシートを施工した後に、ルーフィングシート上に人の手で熱線反射性塗料を塗布していた。
しかし、樹脂膜1の表面上の少なくとも一部に熱線反射物質を含む熱線反射層を付与した表皮シートを用いることによって、表皮シートにて太陽光中の赤外線を反射させ、表皮シートの下層に積層されるアスファルト層の温度上昇を緩和し、上記欠点が軽減されたルーフィングシートを得ることができる。
上記の表皮シート付きルーフィングシートは、製造設備を用いて表皮シートに予め熱線反射層を付与しているため、人手による塗料の塗布工程を省略でき、労力の削減と生産性を向上させる効果を有する。
熱線反射物質としては上記のものが使用できるが、光輝性の金属を用いた場合には可視光の反射光がまぶしく、近隣への光害をもたらしてしまうため、光輝性の比較的低い酸化チタンなどの無機酸化物やセラミックバルーン、シラスバルーン、シリカやアクリルの中空ビーズ、アンチモンドープ錫等が好ましく用いられる。
熱線反射層を形成する材料としては、上記の熱線反射物質をバインダー樹脂に分散させたものが好適に用いられる。バインダー樹脂としては、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタン樹脂等が好ましい。
熱線反射層は、樹脂膜1の表面上の全面ベタ状、または格子状、ドット状、市松模様、亀甲模様、線状、任意の意匠など、任意の柄に付与される。具体的には、樹脂膜1の表面上に塗布、吐出、転写、印刷、堆積などを含む適宜の付与方法で付与すればよい。
付与する量は、12~100g/mが好ましい。12g/m以上であれば、アスファルト層を熱線から守る効果を十分に発揮させやすい。100g/m以下であれば、熱線反射層のマッドカーリング発生を抑制でき、かつ表皮シート11の軽量化、薄層化が可能になる。
特に図示しないが、樹脂膜1の表面には、適宜のインクを用いた印刷層が設けられてもよい。印刷層の絵柄は特に限定されない。
印刷層の形成方法は特に限定されない。例えば、印刷層は、インクの塗布、吐出、転写、積層、堆積などを含む適宜の印刷によって形成されてもよい。
樹脂膜1に印刷層が設けられることによって、表皮シート11およびルーフィングシート10の意匠性をさらに向上できる。
また、印刷層に前記熱線反射物質を添加してもよいし、印刷層は前記熱線反射層上に積層してもよい。
上述した樹脂膜1の形成方法は、特に限定されない。例えば、樹脂膜1は、後述する繊維シート2の表面に、樹脂フィルムを接合して形成されてもよい。例えば、樹脂膜1は、樹脂材料を繊維シート2の表面に、塗工、堆積などして形成されてもよい。
<繊維シート>
繊維シート2は、樹脂膜1と積層可能な適宜の繊維で形成されたシート状部材である。例えば、繊維シート2は、適宜の繊維で形成された織物、編物、不織布などであってもよい。製造コストおよびハンドリングの良さの点からは、繊維シート2は不織布であることがより好ましい。
繊維シート2に好適な繊維としては、例えば、無機繊維、有機繊維、金属繊維、または、これらの繊維を2種以上複合した複合繊維などが挙げられる。
無機繊維の具体例としては、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイト繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などが挙げられる。
有機繊維の具体例としては、例えば、ナイロン、ビニロン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリプロピレン、塩化ビニル、アラミド、セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、超高分子量ポリエチレン、ポリアリレート、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)などの樹脂繊維が挙げられる。
金属繊維の具体例としては、例えば、ステンレス繊維、鉄繊維などが挙げられる。
水などの湿気に対する形態安定性、耐熱性、強度、質量、コスト等の観点からは、繊維シート2には、ポリプロピレン繊維が用いられることがより好ましい。ポリプロピレンを用いる場合、後述するアスファルト層12との積層時にポリプロピレンが熱溶融するので、表皮シート11とアスファルト層12との剥離強度が向上する。
繊維シート2の厚みは、樹脂膜1とともに、表皮シート11に必要な強度、厚みを形成できれば、特に限定されない。例えば、繊維シート2の厚みは、100μm以上、5000μm以下であってもよい。
加工前の繊維シート2の厚みは、例えば、織物、編物、不織布などの厚み測定用のダイヤルシックネスゲージなどを用いて測定される。例えば、ダイヤルシックネスゲージ型式H―30(商品名;株式会社尾崎製作所製)などの測定器が用いられる。後述する芯材の厚さも同様である。
繊維シート2の目付は、樹脂膜1とともに、表皮シート11に必要な目付、強度を形成できれば特に限定されない。繊維シート2の目付は、樹脂膜1の樹脂材料が内部に含浸保持可能な目付であることがより好ましい。
例えば、繊維シート2の目付は、10g/m以上、100g/m以下であってもよい。
目付が10g/m以上の場合、繊維シート2上に樹脂膜1を積層する際、繊維シート2の繊維中に含浸した樹脂が繊維シート2の裏面に突き抜けてしまうことを防止できる。 目付が100g/m以下の場合、表皮シート11およびルーフィングシート10の軽量化、薄厚化が可能になる。
<アスファルト層>
図1に示すように、本実施形態におけるアスファルト層12は、表皮シート11から粘着材層5に向かう層厚方向において、上層部3A、芯材部4、および下層部3Bをこの順に備える。ただし、図1に示すアスファルト層12は一例である。アスファルト層12としては、例えば、改質アスファルトルーフィングシートなどに用いられている公知の適宜構成が用いられてもよい。
芯材部4は、化学繊維不織布からなる芯材に浸透用アスファルトを含浸させて形成された層状部である。
芯材部4の厚みは、アスファルト層12として必要な可撓性、防水性、および強度が得られれば特に限定されない。例えば、芯材部4の厚みは、0.3mm以上、0.9mm以下であってもよい。
厚みが0.9mmを超える場合、可撓性が失われるおそれがある。
厚みが0.3mm未満の場合、防水性および強度が不十分となるおそれがある。
芯材部4の厚みは、0.4mm以上、0.8mm以下であることがより好ましい。
芯材部4における芯材としては、ルーフィングシート10として十分な強度および伸びなどの性能が得られる材料が選ばれる。芯材の材料としては、化学繊維材料が用いられてもよいし、天然繊維材料が用いられてもよい。また、芯材の材料としては、有機系繊維材料が用いられてもよいし、無機系繊維材料が用いられてもよい。芯材の材料としては、例えば、高分子系化学繊維材料およびガラス繊維材料の少なくとも一方からなる繊維材料が用いられてもよい。高分子系化学繊維材料の例としては、ポリエステル、ビニロン、ナイロンなどが挙げられる。
例えば、芯材として、ポリエステル、ビニロン、ナイロン、ガラスからなる群から選ばれた1種以上の繊維材料を含む不織布が用いられてもよい。すなわち、芯材は、単独の繊維材料で形成された不織布でもよいし、複数の繊維材料の混合体で形成された不織布であってもよい。
芯材部4における芯材としては、ポリエステルを用いた不織布が用いられることがより好ましい。
芯材の目付は、浸透用アスファルトが含浸できれば特に限定されない。例えば、芯材の目付は、50g/m以上、200g/m以下であってもよい。
目付が50g/m以上の場合、浸透用アスファルトを含浸することで、芯材部4に必要な優れた防水性および耐久性が得られる。
目付が200g/m以下の場合、芯材の可撓性が良好になるので、ルーフィングシート10として、しなやかさを保持できる。これにより、施工時のシート端部の反り等を抑制できる。
芯材の目付は、70g/m以上、170g/m以下であることが、より好ましい。
芯材部4における浸透用アスファルトの例としては、SBS、SEBS、APAO、APPなどの改質材を用いた改質アスファルト、またはJIS K 2207 石油アスファルトに規定されているブローンアスファルトが挙げられる。
上層部3Aは、コーティング用アスファルトからなり、芯材部4において表皮シート11に対向する表面に密着する層状部である。上層部3Aにおいて芯材部4と反対側の表面には、表皮シート11の繊維シート2が積層している。
上層部3Aに用いるコーティング用アスファルトの例としては、SBS、SEBS、APAO、APPなどの改質材を用いた改質アスファルト、またはJIS K 2207 石油アスファルトに規定されている防水工事用3種アスファルトが挙げられる。
下層部3Bは、芯材部4において上層部3Aと反対側の表面に密着する以外は、上層部3Aと同様に構成される。
アスファルト層12の厚みは、アスファルト層12として必要な可撓性、防水性、および強度が得られれば特に限定されない。例えば、アスファルト層12の厚みは、1.0mm以上、4.0mm以下であってもよい。
厚みが4.0mmを超える場合、可撓性が失われるおそれがある。
厚みが1.0mm未満の場合、防水性および強度が不十分となるおそれがある。
アスファルト層12の厚みは、1.5mm以上、3.0mm以下であることがより好ましい。
このような構成により、上述のコーティング用アスファルトおよび浸透用アスファルトを含むアスファルト層12の内部には、層厚方向の中間部において、不織布製の芯材が配置されている。
<粘着層>
粘着材層5は、ルーフィングシート本体10Aを屋根などの施工部に固定する粘着材からなる層状部である。
粘着材層5は、下層部3Bにおいて芯材部4と反対側の表面に密着している。
粘着材層5は、ルーフィングシート本体10Aを施工部に必要な接合強度で固定できれば、下層部3Bの表面の一部に設けられていてもよい。ただし、図1に示す例では、粘着材層5は、下層部3Bの表面の全面に設けられている。
粘着材層5の厚みは、必要な接合強度が得られれば特に限定されない。例えば、粘着材層5の厚みは0.1mm以上、0.8mm以下であってもよい。
粘着材層5の材料としては、施工部に固定できれば特に限定されない。例えば、粘着材層5の例としては、スチレン・ブタジエン系、ブチルゴム系、再生ゴム系などの合成ゴム粘着材、クロロプレン系粘着材、アクリル系粘着材、ニトリル系粘着材、アスファルト系粘着材などが挙げられる。
<剥離性保護フィルム>
剥離性保護フィルム6は、ルーフィングシート10において、粘着材層5の表面を被覆するフィルム部材である。剥離性保護フィルム6の材料は、粘着材層5に剥離可能に密着できれば、特に限定されない。
例えば、剥離性保護フィルム6の材料の例としては、紙、ポリプロピレンフィルム、ポリエステル系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリオレフィン系フィルムなどが挙げられる。
<表皮シート付きルーフィングシート>
次に、ルーフィングシート10全体として構成について説明する。
ルーフィングシート10の目付は、例えば、1500g/m以上、5500g/m以下であることがより好ましい。
目付が1500g/m以上の場合、優れた防水性および耐久性を維持することができる。
目付が5500g/m以下の場合、耐久性を向上するために鉱物質粒子が密集した層状部(砂粒層)が表面に設けられた従来のルーフィングシート(以下、単に、従来のルーフィングシートと称する)に比べ、運搬や施工時の負担を軽減することができる。
ルーフィングシート10の目付は、2000g/m以上、4500g/m以下であることがさらに好ましい。
ルーフィングシート10の厚みは、例えば、1.5mm以上、5.0mm以上であることがより好ましい。
厚みが1.5mm以上の場合、優れた防水性および耐久性を維持することができる。 厚みが5.0mm以下の場合、従来のルーフィングシートに比べ、運搬や施工時の負担を軽減することができる。
ルーフィングシート10の厚みは、2.0mm以上、4.0mm以下であることがさらに好ましい。
<ルーフィングシート用表皮シートの製造方法>
次に、上述した表皮シート11の製造方法の例について説明する。
表皮シート11は、樹脂膜1と繊維シート2とが互いに積層されて製造される。
例えば、表皮シート11は、樹脂膜1を形成する樹脂フィルムと繊維シート2とが重ねられた状態で互いに接合されること(以下、第1方法と称する)によって製造されてもよい。
例えば、表皮シート11は、繊維シート2上に、樹脂膜1の材料の層を直接形成すること(以下、第2方法と称する)によって製造されてもよい。
このように、繊維シート2の片面に樹脂膜1を形成して、繊維シート2の反対側の表面に繊維シート2を露出させておくと、繊維シート2が露出した表面と、後述するアスファルト層12と、の接合力が向上する利点がある。
樹脂膜1を繊維シート2の両面に形成するには、上述の第1方法、第2方法を、繊維シート2の反対側の表面にも適用すればよい。
第1方法を用いる場合、樹脂フィルムとしては、少なくとも、樹脂膜1の本体を形成する表皮フィルムと、繊維シート2と接合するバインダー層と、を含む2層以上の層構成を有することがより好ましい。
表皮フィルムおよびバインダー層の材料としては、上述した樹脂膜1として好適な樹脂材料であれば特に限定されない。表皮フィルムおよびバインダー層の材料は、同一種類の樹脂からなっていてもよいし、異なる種類の樹脂からなっていてもよい。
表皮フィルムおよびバインダー層の材料としては、いずれもポリカーボネート系ウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。
樹脂膜1の表面の質感の良さと、繊維シート2に対する剥離強度と、の観点からは、表皮フィルムには一液型のウレタン樹脂を、バインダー層には二液型のウレタン樹脂を用いることがより好ましい。
第2方法を用いる場合、樹脂膜1の材料は、上述した樹脂膜1として好適な樹脂材料であれば特に限定されないが、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を用いることがより好ましい。この場合、樹脂膜1の表面の質感の良さの観点から、樹脂膜1の材料としては、一液型のウレタン樹脂を用いることがさらに好ましい。
ここで、第1方法の具体例について説明する。
まず、第1方法に用いる樹脂フィルムを製造する。
例えば、離型基材上に、表皮フィルムを形成するための樹脂溶液(以下、表皮フィルム用樹脂溶液と称する)を塗布する。
離型基材としては、樹脂膜1に必要な表面性に応じて、平坦な、または凹凸形状を有する適宜の離型紙または離型フィルムが用いられる。
使用される表皮フィルム用樹脂溶液としては、表皮フィルム用の樹脂材料を適宜の溶剤で溶解、希釈した溶液が用いられる。この樹脂溶液には、適宜の添加物、例えば、架橋剤、触媒、上述した顔料、消臭剤、抗菌剤、平滑剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の薬剤などを添加することができる。
表皮フィルム用樹脂溶液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、ナイフコーター、バーコーター、ロータリースクリーン等を用いられる。
この後、必要に応じて熱処理や活性エネルギー線の照射などを行うことによって、表皮フィルム用樹脂溶液を乾燥または硬化させる。ただし、生産性の観点からは、乾燥による溶剤の除去にて樹脂が硬化されることがより好ましい。
これにより、表皮フィルムが形成される。
乾燥工程における温度は、表皮フィルム用樹脂溶液に用いる溶剤や架橋剤の種類に応じて適宜の温度とすればよい。例えば、樹脂としてウレタン樹脂を用い、溶剤としてメチルエチルケトンを用いる場合には、70℃~130℃程度で、30秒~5分程度乾燥すればよい。また、架橋剤を併用する場合には、140℃~200℃程度で20秒から5分程度、熱処理をおこなうとよい。
この後、離型基材上に形成した表皮フィルムの上に、バインダー層を形成するための樹脂溶液(以下、バインダー層用樹脂溶液と称する)を塗布する。バインダー層用樹脂溶液の塗布方法としては、上述した表皮フィルム用樹脂溶液の塗布方法と同様の塗布方法が用いられる。
この後、必要に応じてバインダー層用樹脂溶液の乾燥を行う。これにより、表皮フィルムとバインダー層とが積層された樹脂フィルムが形成される。
この後、繊維シート2を樹脂フィルムのバインダー層の上に重ねあわせ、必要に応じ加熱しながらニップすることにより樹脂フィルムと繊維シート2とを接合させる。バインダー層の樹脂が繊維シート2の繊維の間に入り込むことによって、バインダー層と繊維シート2とが強固に接合される。
この後、必要に応じて、熱処理、エージング処理などが行われてもよい。
このようにして、第1方法による表皮シート11が製造される。
次に、第2方法の具体例について説明する。
第2方法では、繊維シート2上に直接、樹脂膜1を形成する樹脂溶液(以下、樹脂膜用樹脂溶液と称する)を塗布する。樹脂膜用樹脂溶液は、第1方法における表皮フィルム用樹脂溶液と同様の溶液が用いられる。樹脂膜用樹脂溶液の塗布方法も、第1方法における塗布方法と同様である。
上述したように、繊維シート2の目付を、重量が問題にならない範囲で大きくしておくことによって、塗工した樹脂膜用樹脂溶液を繊維シート2中に適度に含浸させ、かつ樹脂膜用樹脂溶液が繊維シート2の裏面側を突き抜けないようにすることができる。これにより、樹脂膜用樹脂溶液は、繊維シート2の塗工面において、適宜の厚さを有する層状部を形成する。
ただし、目付の大きさを必要な大きさにできない場合などには、樹脂膜用樹脂溶液が繊維シート2の裏面側に突き抜けないようにするために、必要に応じて、繊維シート2にカレンダー加工、撥油加工などを施してもよい。
この後、樹脂膜用樹脂溶液を乾燥させて溶剤を除去する。この乾燥工程における温度は、第1方法における表皮フィルム用樹脂溶液の乾燥工程と同様の温度が用いられる。
必要に応じて、加熱や活性エネルギー線の照射による重合や架橋反応の促進、凝固液への浸漬などが行われてもよい。ただし、生産性の観点からは、乾燥による溶剤の除去にて樹脂が硬化されることがより好ましい。
このようにして、繊維シート2に含浸した樹脂と、繊維シート2の外部で層状部を形成する樹脂と、が硬化することによって、表皮シート11が製造される。
樹脂膜1の表面上の少なくとも一部に、さらに熱線反射物質を含む熱線反射層を付与してもよい。
熱線反射物質をバインダー樹脂に分散させたものを用いる場合、ナイフコーターやバーコーター等を用いて樹脂膜1の表面上の全面ベタ状に直接塗布する、グラビアコーターを用いて樹脂膜1上に直接樹脂分散液を転写する、離型基材上に作製した樹脂分散液によるパターンを樹脂膜1上に転写する、ロータリースクリーンやインクジェット等により任意の意匠を樹脂膜1上に印刷する等で付与する。耐候性の観点から、熱線反射層は樹脂膜1の全面を被覆していることが好ましい。この後、必要に応じて熱処理や活性エネルギー線の照射などを行うことによって、熱線反射層を硬化させ、樹脂膜1の表面上の少なくとも一部に、熱線反射層が形成される。
<表皮シート付きルーフィングシートの製造方法>
次に、上述したルーフィングシート10の製造方法について説明する。
ルーフィングシート10を製造するには、まず芯材となる不織布に浸透用アスファルトを含侵させる。これにより、芯材部4が形成される。
この後、芯材部4の層厚方向における両面に、コーティング用アスファルトが均一に塗布される。コーティング用アスファルトの塗布には、例えば、コーターロールや上引ロールなどが用いられる。このようにして、アスファルト層12が形成される。
この後、アスファルト層12の一方の表面に、表皮シート11を貼り合わせる。このとき、表皮シート11におけるアスファルト層12との貼り合わせ面と反対側の表面には、表皮シート11の保護のためにラップ用剥離紙が貼り付けられていてもよい。
アスファルト層12において表皮シート11を貼り合わせる表面と反対側の表面には、粘着材が塗布されることによって粘着材層5が形成される。粘着材の塗布方法としては、例えば、コーターロールなどが用いられてもよい。この後、粘着材層5の表面に、剥離性保護フィルム6を貼り合わせる。
ただし、表皮シート11の貼り合わせと、粘着材層5および剥離性保護フィルム6の形成とは、いずれが先に行われてもよい。表皮シート11の貼り合わせと、粘着材層5および剥離性保護フィルム6の形成とは、同時並行的に行われてもよい。
このようにして、本実施形態のルーフィングシート10が製造される。
次に、表皮シート11およびルーフィングシート10の作用について説明する。
以上、説明したように、ルーフィングシート10は、アスファルト層12に表皮シート11が積層されて構成される。
アスファルト層12を有することによって、ルーフィングシート10は防水性を有し、さらに耐水圧性を有する表皮シート11を被覆することによってより高い防水能力を有する。アスファルト層12は、表皮シート11によって被覆されるので、アスファルト層12が外部から受ける光、風雨などの環境負荷が表皮シート11によって軽減される。この結果、アスファルト層12の耐久性が向上するので、ルーフィングシート10としての耐久性が向上する。
表皮シート11は、樹脂膜1および繊維シート2からなるので、従来のルーフィングシートにおける砂粒層と比べると、軽量である。
表皮シート11は、繊維シート2に樹脂膜1が積層された構成を有するので、繊維シート2の強度、耐候性に応じた耐久性を有する。
さらに、表皮シート11の樹脂膜1には、例えば、適宜の添加物の添加、印刷層の形成などによって、任意の色、柄を付与できる。さらに、樹脂膜1の表面に凹凸形状を形成する場合には、凹凸模様を付与できる。このため、表皮シート11に、種々の意匠性を付与することができる。
表皮シート11として、種々の意匠性を有する製品を用意しておけば、アスファルト層12に貼り合わせる表皮シート11を変えるだけで、異なる意匠性を有するルーフィングシート10を容易に製造できる。このため、顧客の好みに応じた意匠性を有するルーフィングシート10を、小ロットで提供できる。この結果、在庫リスクの軽減や顧客の要望に早期に対応することが可能になる。
ルーフィングシート10は、従来のルーフィングシートの砂粒層に代えて、砂粒層に比べて軽量な表皮シート11を備えるので、軽量で耐久性に優れる。
以上説明したように、本実施形態の表皮シート11およびルーフィングシート10によれば、軽量で耐久性に優れるとともに、意匠性を向上できる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートについて説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートの一例を示す模式的な縦断面図である。図3は、図2におけるA-A断面図である。
図2、3に示すように、本実施形態のルーフィングシート20(表皮シート付きルーフィングシート)は、第1の実施形態のルーフィングシート10におけるルーフィングシート本体10Aに代えて、ルーフィングシート本体20Aを備える。ルーフィングシート本体20Aは、ルーフィングシート本体10Aにおける粘着材層5に代えて、粘着材層25(粘着層)および鉱物質破砕物27を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1の実施形態における粘着材層5は、下層部3Bの全面に形成されているのに対して、本実施形態における粘着材層25は、下層部3Bの表面の一部に設けられている点が異なる。
粘着材層25の形成範囲は、施工部に対してルーフィングシート20に必要な接合強度が得られれば特に限定されない。
図2、3に示す例では、粘着材層25は、ルーフィングシート20の長手方向および短手方向において互いに離間する複数の島状に形成されている。島状の粘着材層25の平面視形状は特に限定されない。例えば、島状の粘着材層25の平面視形状は、矩形状、円状(ドット状)などであってもよい。
粘着材層25の配列は、例えば、矩形格子、千鳥格子などの格子状であってもよいし、規則性を有しない配列でもよい。
図示は省略するが、粘着材層25の平面視形状は、延在方向の交差する方向において互いに離間した帯状であってもよい。ここで、「帯状」とは、略一定の幅を有し、直線または曲線に沿って延びる形状を意味する。帯状の粘着材層25の延在方向は、ルーフィングシート20の長手方向であってもよいし、短手方向でもよい。帯状の粘着材層25の延在方向は、ルーフィングシート20の長手方向と斜めに交差する方向でもよいし、放射状でもよい。帯状の粘着材層25の配置間隔は、一定でもよいし、一定でなくてもよい。
鉱物質破砕物27は、裏面のコーティング用アスファルトのベタつきを防止するために設けられる。
鉱物質破砕物27としては、例えば、珪砂、珪砂に重油等で撥水処理を施した黒砂などが使用できる。
鉱物質破砕物27の粒径は、下地と下層部3Bとの接着を阻害しない程度の粒径であれば特に限定されない。例えば鉱物質破砕物27の粒径は、50μm~500μmであってもよい。
鉱物質破砕物27は、少なくとも、粘着材層25の間に露出する下層部3B上に散布された状態で、下層部3Bの表面に固定されている。
鉱物質破砕物27の散布密度は、下地と下層部3Bとの間に、通気可能な隙間を形成できれば特に限定されない。図2、3は模式図のため、鉱物質破砕物27が密集して描かれているが、鉱物質破砕物27は互いに離間していてもよい。
本実施形態のルーフィングシート20は、粘着材層25を形成する粘着材を島状等の必要な平面視形状に塗布し、粘着材層25の間に鉱物質破砕物27を散布する以外は、第1の実施形態と同様にして製造できる。
粘着材層25の塗布と、鉱物質破砕物27との散布の順序は特に限定されない。ただし、粘着材を汚す事による接着力低下リスクの観点では、鉱物質破砕物27の散布を粘着材の塗布よりも先に行うことがより好ましい。
本実施形態のルーフィングシート20によれば、第1の実施形態と同様の表皮シート11を有するので、第1の実施形態と同様、軽量で耐久性に優れるとともに、意匠性を向上できる。
特に本実施形態では、粘着材層25の間の下層部3Bの表面に、鉱物質破砕物27を散布するので、粘着材層25で覆われた下層部3Bを除く下層部3Bと下地との間に、鉱物質破砕物27が介在する。これにより、互いに隣り合う粘着材層25の間には、鉱物質破砕物27同士の隙間あるいは鉱物質破砕物27と下地との間の隙間を有する通気層が形成される。
下地からの湿気等による水蒸気などは、通気層内に分散し、互いに連通する通気層を通して外部に漏洩する。このため、下地全体が粘着剤層に覆われている場合に比べると、施工後のルーフィングシート本体20Aの膨れが抑制される。これにより、ルーフィングシート本体20Aの耐久性をさらに向上できる。さらに、膨れが抑制されることによって、ルーフィングシート本体20Aの意匠性が損なわれることも抑制できる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートについて説明する。
図4は、本発明の第3の実施形態の表皮シート付きルーフィングシートの一例を示す模式的な縦断面図である。
図4に示すように、本実施形態のルーフィングシート30(表皮シート付きルーフィングシート)は、第1の実施形態のルーフィングシート10における粘着材層5、剥離性保護フィルム6に代えて、鉱物質破砕物27を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態における鉱物質破砕物27は、第2の実施形態と散布範囲のみが異なる。 本実施形態における鉱物質破砕物27は、下層部3Bにおいて芯材部4と反対側の表面の全面に散布された状態で、下層部3Bの表面に固定されている。
本実施形態における鉱物質破砕物27の散布密度は、第2の実施形態と同様である。ただし、本実施形態において下層部3Bの表面が露出する場合には、ルーフィングシート30をロール巻きした場合に、下層部3Bと表皮シート11とが互いにくっつかない程度の露出量であることがより好ましい。
本実施形態のルーフィングシート30は、下層部3Bに粘着材層5および剥離性保護フィルム6を貼り合わせる代わりに、鉱物質破砕物27を散布する以外は、第1の実施形態と同様にして製造できる。
鉱物質破砕物27が散布された後、アスファルト層12は、例えば、冷却ロールによって冷却される。ただし、アスファルト層12の冷却方法はこれには限定されない。例えば、アスファルト層12は、ミスト吹きつけによって冷却されてもよい。
アスファルト層12の下層部3Bが冷却されると、鉱物質破砕物27が下層部3B上に強固に固定される。
本実施形態のルーフィングシート30は、粘着層を有しないので、施工に際しては、溶融した防水工事用アスファルトを塗布することによって、施工部に取り付ける。
本実施形態のルーフィングシート30によれば、第1の実施形態と同様の表皮シート11を有するので、第1の実施形態と同様、軽量で耐久性に優れるとともに、意匠性を向上できる。
特に本実施形態は、下層部3Bの表面の全面に鉱物質破砕物27が散布されているので、施工後に、下地と下層部3Bとの間に通気層が形成される。このため、第2の実施形態と同様、施工後のルーフィングシート30の膨れが抑制される。これにより、ルーフィングシート30の耐久性をさらに向上できる。さらに、膨れが抑制されることによってルーフィングシート30の意匠性が損なわれることも抑制できる。
次に、上述した第1の実施形態の表皮シート11およびルーフィングシート10の実施例について、比較例とともに説明する。
下記[表1]に、実施例1~6、比較例1、2の構成および評価結果を示す。
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[実施例1]
実施例1の表皮シート11およびルーフィングシート10は、以下のようにして製造された。
まず、本実施例の表皮シート11が第1方法によって製造された。
<表皮フィルム用樹脂溶液>
表皮シート11の樹脂膜1の本体を構成する表皮フィルムを形成するため、下記の組成を有する表皮フィルム用樹脂溶液が準備された。なお、以下の「部」は、いずれも「質量部」を表す。
一液型ウレタン樹脂溶液(ポリカーボネート系ウレタン樹脂。固形分25%)100部 トルエン 30部 DMF(N,N-ジメチルホルムアミド) 10部 白色顔料(酸化チタン) 10部
表皮フィルム用樹脂溶液を離型紙上にパイプコーターを用いて塗布した後、110℃で1分間乾燥した。表皮フィルム用樹脂溶液の塗布量は、乾燥時の厚みが28μmになる塗布量とされた。これにより、ポリカーボネート系ウレタン樹脂を含む白色の表皮フィルムが形成された。
<バインダー層用樹脂溶液>
この後、表皮フィルムの表面にバインダー層用のウレタン樹脂膜を形成するため、下記の組成を有するバインダー層用樹脂溶液が準備された。
二液型ウレタン樹脂溶液(ポリカーボネート系ウレタン樹脂。固形分70%)100部 トルエン 30部 DMF 10部 イソシアネート系架橋剤 10部 触媒 0.5部 白色顔料(酸化チタン) 10部
バインダー層用樹脂溶液を、表皮フィルム上にグラビアコーター用いて塗布した。バインダー層用樹脂溶液の塗布量は、乾燥時に樹脂フィルムとしての厚みが40μmになる塗布量とされた。これにより、表皮フィルムおよびバインダー層を有する樹脂フィルムが作製された。
本実施例における繊維シート2としては、ポリプロピレン製不織布(目付 30g/m2、厚み360μm)が準備された。
作製された樹脂フィルムのバインダー層の上に、ポリプロピレン製不織布を重ね合わせ、ニップロールでニップし、100℃で1分乾燥させた。
この後、150℃で1分熱処理を行い、60℃で72時間エージングした。このようにして、本実施例の表皮シート11が製造された。
<アスファルト層>
本実施例のルーフィングシート10におけるアスファルト層12を形成するため、下記の芯材、浸透用アスファルト、およびコーティング用アスファルトが準備された。ただし、以下では、「%」は「質量%」を表す。
芯材: ポリエステル不織布(目付 140g/m~156g/m
浸透用アスファルト: ブローンアスファルト 100%
コーティング用アスファルト:
ストレートアスファルト 65% SBS 10% 樹脂 4% 充填材 21%
<粘着層>
実施例1のルーフィングシート10における粘着材層5を形成するため、下記の組成を有するアスファルト系粘着材が準備された。
ストレートアスファルト 30% SB(スチレン・ブタジエン)系エラストマー 22% 充填材 2% ブチルゴムと鉱物油との混合物 30% 粘着樹脂 16%
芯材に浸透用アスファルトを含浸させ、コーティング用アスファルトを、上引ロールを用いて、両面に均一に塗布した。コーティング用アスファルトの塗布量は、アスファルト層12の厚さが2.0mmになる塗布量とした。これにより、アスファルト層12を得た。
この後、ラップ用剥離紙を樹脂膜1の表面に貼り合わせた本実施例の表皮シート11を、作製したアスファルト層12の一方の面に貼り付けた。さらに、アスファルト層12において、表皮シート11が貼り付けられたのと反対側の表面の全面に、上述のアスファルト系粘着材を塗布して、粘着材層5を形成した。粘着材層5上に、ポリプロピレン製フィルムからなる剥離性保護フィルム6を貼り合わせた。このようにして、本実施例のルーフィングシート10が製造された。
[実施例2]
実施例2の表皮シート11およびルーフィングシート10は、以下のようにして製造された。
まず、本実施例の表皮シート11が第2方法によって製造された。
<樹脂膜用樹脂溶液>
表皮シート11の樹脂膜1を形成するため、下記の組成を有する樹脂膜用樹脂溶液が準備された。
ポリ塩化ビニル 100部 フタル酸ジオクチル 70部 白色顔料(酸化チタン) 10部
本実施例における繊維シート2としては、ポリエステル製のタフタ(目付 72g/m2、厚み150μm)が準備された。
樹脂膜用樹脂溶液をタフタ上にロータリースクリーンを用いて塗布した。樹脂膜用樹脂溶液の塗布量は、乾燥時にタフタ上の厚みが100μmになる塗布量とした。
この後、樹脂膜用樹脂溶液が塗布されたタフタを180℃で1分間加熱し、樹脂膜用樹脂溶液を固化させた。このようにして、本実施例の表皮シート11が製造された。
この後、実施例1と同様のアスファルト層12に、実施例1と同様にして、本実施例の表皮シート11と、実施例1と同様の粘着材層5および剥離性保護フィルム6とを貼り合わせた。このようにして、本実施例のルーフィングシート10が製造された。
[実施例3]
<熱線反射層用樹脂組成物>
樹脂膜1上に熱線反射層を付与するため、下記の組成を有する熱線反射層用樹脂組成物が準備された。
キクスイSPパワーサーモSi 主剤(Y-152 グリーン) 100部
(酸化チタン系熱線反射剤を含むフッ素樹脂塗料)
キクスイSPパワーサーモSi 硬化剤 10部
(上記いずれも商品名;菊水化学工業株式会社製)
熱線反射層用樹脂組成物を、実施例1と同様の表皮シート11の樹脂膜1上にグラビアコーターを用いて格子状に塗布した後、120℃で3分間熱処理した。熱線反射層用樹脂組成物の塗布量は、熱処理後の重量として24g/mとされた。また、熱線反射層用樹脂組成物がレベリングすることにより、樹脂膜1の全面を被覆する厚み3μmの熱線反射層が形成された。
このようにして、熱線反射物質を含む緑色の熱線反射層が樹脂膜1上に付与された本実施例の表皮シート11が製造された。
この後、実施例1と同様のアスファルト層12に、実施例1と同様にして、本実施例の表皮シート11と、実施例1と同様の粘着材層5および剥離性保護フィルム6とを貼り合せた。このようにして、本実施例のルーフィングシート10が製造された。
[実施例4]
熱線反射層用樹脂組成物として以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にして、熱線反射物質を含む青色の熱線反射層が樹脂膜1上に付与された本実施例の表皮シート11、およびルーフィングシート10が製造された。熱線反射層用樹脂組成物の塗布量は、熱処理後の重量として23g/mであり、熱線反射層用樹脂組成物がレベリングすることにより、樹脂膜1の全面を被覆する厚み3μmの熱線反射層が形成された。
キクスイSPパワーサーモSi 主剤(Y-110 ベネチアブルー) 100部
(酸化チタン系熱線反射剤を含むフッ素樹脂塗料)
キクスイSPパワーサーモSi 硬化剤 10部
(上記いずれも商品名;菊水化学工業株式会社製)
[実施例5]
熱線反射層用樹脂組成物として以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にして、熱線反射物質を含むグレー色の熱線反射層が樹脂膜1上に付与された本実施例の表皮シート11、およびルーフィングシート10が製造された。熱線反射層用樹脂組成物の塗布量は、熱処理後の重量として22g/mであり、熱線反射層用樹脂組成物がレベリングすることにより、樹脂膜1の全面を被覆する厚み3μmの熱線反射層が形成された。
プレノカラー遮熱 (シルバーグレー) 100部
(酸化チタン系熱線反射剤を含むシリコン樹脂塗料。商品名;日新工業株式会社製)
[実施例6]
熱線反射層用樹脂組成物として以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にして、熱線反射物質を含むグレー系の熱線反射層が樹脂膜1上に付与された本実施例の表皮シート11、およびルーフィングシート10が製造された。熱線反射層用樹脂組成物の塗布量は、熱処理後の重量として22g/mであり、熱線反射層用樹脂組成物がレベリングすることにより、樹脂膜1の全面を被覆する厚み3μmの熱線反射層が形成された。
ハイクール (ライトグレー) 100部
(セラミックバルーン等熱線反射剤を含むシリコン樹脂塗料。商品名;日新工業株式会社製)
[比較例1]
比較例1のルーフィングシートとしては、粘着層付き改質アスファルトシート(砂付)「カスタムサンドAF」(商品名;日新工業株式会社製)が用いられた。カスタムサンドAFにおいては、改質アスファルト層の表面に、鉱物質粉粒からなる砂粒層が積層している。砂粒層と反対側の表面には、粘着層が積層されている。
[比較例2]
比較例2のルーフィングシートは、砂粒層の表面に水系アクリルシリコンからなるトップコートが施されている以外は、比較例1と同様である。
[評価]
実施例1、2、比較例1、2のルーフィングシートの評価としては、[表1]に示すように、厚み測定、屋外暴露試験、マッドカーリング試験、接着試験、引張試験、へこみ試験、および耐衝撃試験が行われた。さらに、実施例1、2に関しては、耐熱温度、耐水度が測定された。
<厚み測定>
各実施例の樹脂膜の厚みは、表皮シートの断面を電子顕微鏡にて観察し、繊維シート上に形成されている樹脂の任意の5か所の厚みを測定し、その平均値を用いた。
ただし、バインダー層が繊維シートの表面の一部に存在しない場合、または付着量が場所によって大きく異なる場合には、例えば、バインダー層がドット状や格子状に付与されている場合には、バインダー層用樹脂が付与されている任意の5か所を選択し、そのバインダー層用樹脂が付与されている部分の最も厚い箇所の厚みを測定し、その平均値を用いた。
<屋外暴露試験>
各実施例および各比較例のルーフィングシートを、コンクリート製の試験用屋根に貼り付けて、180日間、屋外に曝露した。試験後の評価としては、ルーフィングシート表面の錆、ルーフィングシートのひび割れ、および砂落ちが発生したかを、目視で確認した。
<マッドカーリング試験>
本試験の試験体としては、13cm×13cmの正方形にカットされた各実施例および各比較例のルーフィングシートが用いられた。
ベントナイト、炭酸カルシウム、および水(水道水)が混合されてなるベントナイト試薬が調製された。ベントナイト試薬におけるベントナイト:炭酸カルシウム:水の質量比は、100:200:800とした。
この後、試験体における表面(施工後に外部に向く表面)の中央部に、30gのベントナイト試薬を10cm×10cmの正方形の範囲に塗布した。この後、80℃に調整された乾燥機中で試験体を養生した。
養生の際、3時間毎に、霧吹きを用いて試験体におけるベントナイト試薬の塗布部に水道水を散布した。水道水の散布を10回繰り返した後、試験体を乾燥器から取り出し、試験体の表面状態を観察し、マッドカーリングの有無を評価した。
<接着強度>
ルーフィングシートにおいて、表皮シート、砂粒層、トップコートなどからなる表面層と、アスファルト層と、の接着強度は、以下のようにして測定した。
図5は、接着強度試験における試験体を示す模式的な斜視図である。図6は、接着強度試験に用いる試験装置を示す模式的な正面図である。
各実施例および各比較例のルーフィングシートの測定サンプルSの形状は、9cm×21cmの細長い矩形とされた。
図5に示すように、試験体としては、測定サンプルSの粘着層を同形状の矩形板からなるフレキシブル板101の表面に貼り合わせた積層板が用いられた。フレキシブル板101としては、厚み8mmのフレキシブル板が用いられた。
試験体における測定サンプルSの表面には、試験用治具102がエポキシ系接着剤を用いて接着した。試験用治具102は、4cm×4cm×5cmの板状の固定部102aと、固定部102aに立設され後述する引張試験に連結する連結部102bとを備える鉄製の部材が用いられた。試験用治具102は、長手方向に6cmピッチで3箇所に固定された。各試験用治具102は、短手方向においては、測定サンプルSの中央に固定された。
図6に示すように、試験体における各試験用治具102は、固定用治具103を介して、引張試験機100の上部クランプ105に固定された。試験体は、引張試験機100の下部クランプ106に固定された荷重印加治具104の内部に配置された。荷重印加治具104には、試験体の短手幅よりも狭く、試験用治具102の固定部102aの幅よりも広い間隔を空けて対向する係止部104aが設けられた。
このような構成により、上部クランプ105および下部クランプ106を移動させて引張を行うと、係止部104aが試験体の短手方向の端部に係止され、試験体は、各試験用治具102の固定部102aから層厚方向における上方に向かって荷重を受ける。
引張試験機100としては、自動記録式引張試験機ストログラフVE10D(商品名;東洋精機株式会社製)が用いられた。測定条件は、温度が20℃、引張速度が50mm/minとした。
本試験においては、測定サンプルSが破壊した時の破壊状態で接着強度を評価した。 破壊状態が、フレキシル板と粘着材の剥離の場合に「良」、測定サンプル表面の凝集破壊の場合に「可」、測定サンプル表面の界面剥離の場合に「不可」と判定した。
<引張試験>
実施例1、2および比較例1のルーフィングシートの引張試験は、JIS A 6013 改質アスファルトルーフィングシートに記載の引張強さに準拠して行われた。なお、ルーフィングシートの区分は「露出単層防水層及び非露出単層防水用R種」として、基準値を設けた。
比較例2に関しては、比較例1と同等の結果が得られることは明らかであるため、本試験は行われなかった。
<へこみ試験、耐衝撃試験>
実施例1、2および比較例1のルーフィングシートを粘着層付き改質アスファルトシート(非露出複層防水用)「EEルーフBF」(商品名;日新工業株式会社製)と貼り合わせたものを試験体とし、2014年改訂版 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事(一般社団法人 日本建築学会編)のなかのメンブレン防水層の性能評価試験方法に記載に準拠したへこみ試験と、耐衝撃試験とが行われた。[表1]には、比較例1の結果を基準として、比較例1と比較した場合の実施例1、2の評価結果が記載されている。
比較例2に関しては、比較例1と同等の結果が得られることは明らかであるため、本試験は行われなかった。
<耐熱温度>
実施例1、2のルーフィングシートの耐熱温度は、第1の実施形態において定義された測定方法によって測定された。
比較例1、2のルーフィングシートは、耐熱性を評価すべき表皮シートを有しないため、本試験は行われなかった。
<耐水度>
実施例1、2の表皮シートの耐水度は、JIS L1092 耐水度試験(静水圧法)A法(低水圧法)に準拠して測定された。なお、耐水度測定時における表側(水に当たる試験片の面)は、ルーフィングシートとして使用した際に、雨などの水と接触する樹脂膜側とした。
<近赤外域の日射反射率>
各実施例および各比較例の近赤外域の日射反射率は、JIS K5602 塗膜の日射反射率の求め方に準拠して測定された。具体的には、分光光度計には日立分光光度計U-4100(商品名;株式会社日立ハイテクサイエンス製)に積分球ユニットを設置した装置を用い、光の入射角度:4°にて測定した780~2500nmの反射率に対し、重価係数を掛け、積算した値を用いた。
<温度低減効果確認>
厚さ50mmの断熱材に各実施例1、3~6のルーフィングシート10、および比較例1のルーフィングシートを被せ、屋外における断熱材と試験体であるルーフィングシート10の間の温度を測定した(測定場所:日新工業株式会社 埼玉工場敷地内)。測定機器にはおんどとりJr. TR-52i(商品名:株式会社ティアンドデイ製)を用いた。
評価方法は各実施例と比較例との測定日の最高温度の差とした。
[評価結果]
実施例1の表皮シート11の厚みは260μm、目付は75g/mであった。特に樹脂膜1の厚みは40μmであった。
実施例1のルーフィングシート10の厚みは2mm、目付は2215g/mであった。
実施例2の表皮シート11の厚みは243μm、目付が212g/mであった。特に樹脂膜1の厚みは100μmであった。
実施例2のルーフィングシート10の厚みは2mm、目付は2352g/mであった。
このように、実施例1、2では、砂粒層に比べて格段に軽量な樹脂製の表皮シート11を有するので、目付が小さくなっていた。特に、実施例1の表皮シート11は、実施例2に比べて、さらに軽量化されていた。
これに対して、比較例1、2のルーフィングシート10は、目付が3620g/mであったので、実施例1、2に比べて格段に重くなっていた。具体的には、8mのロール巻製品で比較すると、実施例1の方が約10kg軽量であった。このため、実施例1、2のルーフィングシートは、運搬や施工が行いやすかった。
実施例1、2の表皮シート11と、表皮シート11を有するルーフィングシート10とは、いずれも表面がフラットであり、白色であるので、美観に優れていた。
実施例1、2のルーフィングシート10は、例えば、比較例1、2のように鉱物質粒子を用いることで暗色となる従来のルーフィングシートとは異なり、明色のため気温の上昇に伴う温度上昇も抑制できるので、作業員の作業労力の低減に貢献できる。さらに、明色であることによって、明るい雰囲気を出すことができる点で、意匠性に優れていた。
[表1]に示すように、実施例1、2の屋外暴露試験おいては、錆、ひび割れのいずれも発生せず、特に異常は見られなかった。実施例1、2では、表面に砂粒層を有しないため砂落ちが発生せず、異常は見られなかった。
これに対して、比較例1では、錆、ひび割れ、および砂落ちが発生した。比較例2では、トップコートを有するため、砂落ちは発生しなかったが、錆、ひび割れは発生した。これらの異常によって、比較例1、2における試験後の意匠性は、試験前に比べてさらに劣っていた。
実施例1、2のマッドカーリング試験においては、マッドカーリングは発生しなかった。
これに対して、比較例1、2では、マッドカーリングが発生した。マッドカーリングの発生によって、比較例1、2における試験後の意匠性は、試験前に比べてさらに劣っていた。
接着試験の評価は、実施例1が「良」、実施例2、比較例1、2が「可」であった。 このため、実施例2は、比較例1、2と同等の接着強度を有していたが、実施例1は、実施例2に比べると、さらに良好な接着強度を有していた。
実施例1、2、比較例1の引張試験においては、いずれも基準値を上回ったため、「合格」であった。
実施例1、2のへこみ試験の評価は、いずれも比較例1と「同等」であった。
実施例1、2の耐衝撃試験の評価は、いずれも比較例1と「同等」であった。
このため、引張試験、へこみ試験、および耐衝撃試験においては、実施例1、2は、比較例1と同等の評価であった。
実施例1の表皮シート11の耐熱温度は、220℃以上であった。このため、表皮シート11をアスファルト層12に貼り合わせる際に、高温となったアスファルト層12と表皮シート11とを重ねわせたが、表皮シート11が、溶融したり、穴が開いたりするトラブルは発生しなかった。
実施例2の表皮シート11の耐熱温度は、170℃であった。実施例2の表皮シート11は、長尺で加工する際に重量があり多少の扱いにくさがあり、かつアスファルト層12との貼り合わせの直後には樹脂膜1が軟化していたが、冷却ロールを用いた冷却工程により樹脂膜1が再び硬化した。この結果表皮シート11に、穴が開くことはなく、取り扱い上のトラブルも特に発生しなかった。
実施例1、2の表皮シート11の耐水度は、いずれも2000mmHO以上であった。
近赤外域の日射反射率が23%である実施例1のルーフィングシート10は、近赤外域の日射反射率が19%である比較例1のルーフィングシートと比較して、約5℃の温度低減効果が確認された。
近赤外域の日射反射率が43%である実施例3のルーフィングシート10は、近赤外域の日射反射率が19%である比較例1のルーフィングシートと比較して、7℃の温度低減効果が確認された。
近赤外域の日射反射率が52%である実施例4のルーフィングシート10は、近赤外域の日射反射率が19%である比較例1のルーフィングシートと比較して、9℃の温度低減効果が確認された。
近赤外域の日射反射率が65%である実施例5のルーフィングシート10は、近赤外域の日射反射率が19%である比較例1のルーフィングシートと比較して、13℃の温度低減効果が確認された。
近赤外域の日射反射率が80%である実施例6のルーフィングシート10は、近赤外域の日射反射率が19%である比較例1のルーフィングシートと比較して、17℃の温度低減効果が確認された。
以上、本発明の各実施形態を、各実施例とともに説明したが、本発明は各実施形態および各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 樹脂膜
2 繊維シート
3A 上層部
3B 下層部
4 芯材部
5、25 粘着材層(粘着層)
6 剥離性保護フィルム
10、20、30 ルーフィングシート(表皮シート付きルーフィングシート)
10A、20A ルーフィングシート本体
11 表皮シート(ルーフィングシート用表皮シート)
12 アスファルト層
27 鉱物質破砕物

Claims (22)

  1. 樹脂膜と、
    繊維シートと、
    前記樹脂膜の表面上の少なくとも一部に付与された、光輝性が低い熱線反射物質を含む熱線反射層と、
    を含み、
    前記樹脂膜の表面上に前記熱線反射層を付与する量が、12g/m 以上、100g/m 以下である、ルーフィングシート用表皮シート。
  2. 前記熱線反射物質は、無機酸化物、セラミックバルーン、シラスバルーン、中空ビーズ、アンチモンドープ錫である、
    請求項1に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  3. 前記繊維シートは、不織布である、
    請求項1または2に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  4. 前記繊維シートの材料は、ポリプロピレンを含む、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  5. 厚みが、50μm以上、5000μm以下である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  6. 目付が、200g/m以下である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  7. JIS L1092 耐水圧試験(静水圧法)A法(低水圧法)にて測定した耐水度が2000mmHO以上である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  8. 前記樹脂膜は、
    前記繊維シートの片面に積層されており、
    5μm以上、500μm以下の厚みを有する、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  9. 前記樹脂膜の耐熱温度が180℃以上である、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  10. 前記樹脂膜の材料は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  11. JIS K5602に準じて測定した近赤外域の日射反射率が40%以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シート。
  12. アスファルト層と、
    前記アスファルト層に積層された請求項1~11のいずれか1項に記載のルーフィングシート用表皮シートと、
    を備える、表皮シート付きルーフィングシート。
  13. 厚みが、1.5mm以上、5.0mm以下である、
    請求項12に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  14. 目付が、1500g/m以上、5500g/m以下である、請求項12または13に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  15. 前記アスファルト層中に、不織布製の芯材が配置されている、請求項12~14のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  16. 前記芯材の目付は、
    50g/m~200g/mである、
    請求項15に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  17. 前記芯材は、
    高分子系化学繊維材料およびガラス繊維材料の少なくとも一方からなる繊維材料を含む、
    請求項15または16に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  18. 前記芯材には、
    改質アスファルトおよびブローンアスファルトの少なくとも一方からなる浸透用アスファルトが含浸されている、
    請求項15~17のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  19. 前記アスファルト層は、
    前記芯材上にコーティング用アスファルトが積層された構成を有しており、
    前記コーティング用アスファルトは、
    改質アスファルトおよび防水工事用3種アスファルトの少なくとも一方からなる、請求項15~18のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  20. 前記アスファルト層における、前記ルーフィングシート用表皮シートが積層されたのと反対側の表面に、鉱物質細砕物が付着している、
    請求項12~19のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  21. 前記アスファルト層における、前記ルーフィングシート用表皮シートが積層されたのと反対側の表面に、粘着層および剥離性保護フィルムがこの順に積層されている、請求項12~19のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
  22. 前記アスファルト層における、前記ルーフィングシート用表皮シートが積層されたのと反対側の表面に、鉱物質細砕物と、島状または帯状に形成された粘着層と、が配置されており、
    前記鉱物質細砕物は、少なくとも、前記粘着層の間に露出する前記アスファルト層の下層部上に散布された状態で、前記アスファルト層の下層部の表面に固定されており、
    前記鉱物質細砕物および前記粘着層を覆うように、前記粘着層に積層された剥離性保護フィルムをさらに備える、
    請求項12~19のいずれか1項に記載の表皮シート付きルーフィングシート。
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