JP7117731B2 - 防水下地用目地テープおよびそれを用いた防水工法 - Google Patents

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Description

本発明は、防水工法等において用いられる通気緩衝シートの重ね合わせ部分または突き合わせ部分に貼着する防水下地用目地テープおよび該防水下地用目地テープを用いた防水工法に関するものである。
建築物の屋上等の防水工法の1つとして、下地に防水塗料を塗布して防水層を形成する塗膜防水工法がある。この塗膜防水工法としては、密着工法、通気緩衝工法等がある。
このうち通気緩衝工法は、建築物の屋上等の下地に、複数枚の通気緩衝シート(通常、幅1m、長さ5~50m程度)を隣接して敷設することにより通気緩衝シートの層を形成し、この通気緩衝材シートの層の上から防水材を塗布して防水層を形成するものである。
該通気緩衝シートは、防水層の上を人が歩行する等により加えられる力や、コンクリート等の収縮・膨張により生じる応力等を緩衝する機能を有すると共に、下地等から発生する水蒸気等の気体を通気緩衝シートの平面方向に通気させる機能を有する。例えば、建築物の屋上等に敷設される下地コンクリートは、夏場は約60℃、冬場は約-20℃という激しい温度変化にさらされる。そのため、温度が高くなると、コンクリートに含有される水蒸気等の気体が大量に外部へ放出される。
通気緩衝工法は、通気緩衝シートの上から防水材を塗布して防水層を形成する必要性から、該通気緩衝シートの上面基材には液体や気体が透過しにくい層が用いられている。従って、コンクリートから放出された気体は、該通気緩衝シートや該防水層を厚み方向に抜けて、その上面から大気中に放出されることはあり得ないので、通常、該通気緩衝シートには気体を平面方向に逃すために、主に不織布等から構成される通気層が上面基材の下に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
また、通気緩衝シートの中には、コンクリート下地に接着するために通気緩衝シートの最下面に形成される粘着層には通気性がないので、粘着層を下面全面ではなく一部にのみ形成し、該粘着層が形成されていない部分と下地との間の空間を気体の通気路として確保した通気緩衝シートも知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
該通気緩衝工法においては、通気緩衝シートを下地に敷き詰めて通気緩衝シートの層を形成する際に、隣接して敷設される複数枚の通気緩衝シートの端部同士を重ね合わせる、または突き合わせて、この重ね合わせ部分または突き合わせ部分の上に防水下地用目地テープを貼り付けて、該複数枚の通気緩衝シートを接合させて一体化させることが一般に行われている。防水下地用目地テープは、通気緩衝シート同士がずれたり、通気緩衝シートの重ね合わせ部分または突き合わせ部分の隙間に防水材等が入り込んだりすることを防止している。
しかしながら、均一基材と均一粘着層を有する通常の粘着テープを、上記した防水下地用目地テープとして使用した場合、防水工事終了後、経時と共に、下地の湿気や昼夜の温度差の影響で動きが生じる等によって、防水層やトップコート層の下で該防水下地用目地テープが剥離したり、防水下地用目地テープの幅方向の両端部の真上近傍の防水層やトップコート層にクラックが入ったりすることや、防水下地用目地テープの幅方向両端部の上部の防水層の厚さが他の部分より薄くなり、強度的に劣ったりする等の問題点があった。このような問題を解消するため、両脇に粘着層のない延出部分を設ける防水下地用目地テープがある(例えば、特許文献4参照)。
また、通気緩衝シート同士の接合ではないが、板同士の接合や目地開口部の補強テープとして、種々の特性を上げたテープが知られている。不織布基材を有し強度を向上させた主に板同士の接合のためのテープ(例えば、特許文献5参照)や、フラットヤーンからなる開口体である基材を有する目地開口部の補強テープ等がある(例えば、特許文献6参照)。
特開2011-057807号公報 特開2004-036324号公報 特開2010-248757号公報 特開2006-083560号公報 特表2010-512478号公報 特開2014-190152号公報
しかしながら、特許文献4のような防水下地用目地テープを用いたとしても、防水層やトップコート層の下で該防水下地用目地テープが剥離したり、防水下地用目地テープの幅方向の端部の真上近傍の防水層やトップコート層にクラックが入ったり、防水下地用目地テープの幅方向両端部上部の防水層の厚さが他の部分より薄くなり、強度的に劣ったりするという問題の完全な解決にはならなかった。
また、特許文献5、6のような単に開口体を基材に用いたテープを通気緩衝シート同士の接合に応用した場合、以下のような問題点がある。通気緩衝工法では、下地の上に複数枚の通気緩衝シートを隣接して敷設するが、その際、隣接した通気緩衝シートの突き合わせ部分の隙間に、開口体を通過した防水塗料が入り込んで、通気緩衝シート間での気体の流通が妨げられる場合があった。
このような場合、極端には、1枚の通気緩衝シート(通常、幅1m、長さ5~50m程度)毎に脱気筒を設けなければ、下地から放出される気体の圧力は局部的に高くなり、通気緩衝シートのみならず、その上の防水層も含めて局所的な浮き上がり(以下、「膨れ」と称することがある)が生じる等と言った障害が起こることもあった。1枚の通気緩衝シート毎に脱気筒を設けるのは、多数の脱気筒を必要とするため、コスト的に採算が合わず、屋上等の外観や安全性を損なうおそれがある。脱気筒は50m~100m程度ごとに1個設けることが一般社団法人日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事」の第273項に規定されており、一般的である。
近年、防水の重要性が上がってきているが、防水下地用目地テープの幅方向の両端部の真上近傍の防水層やトップコート層にクラックが生じる、厚みが薄くなるといった問題を生じさせずに防水下地用目地テープ自身が剥離せず、隣接する通気緩衝シート同士の間で下地から発生する気体の流通を確保し、防水層やトップコート層の局所的な浮き上がりが生じないようにした、通気緩衝シート同士の接合に用いる防水下地用目地テープに関する技術はなかった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通気緩衝工法において、防水下地用目地テープの上付近、特に防水下地用目地テープの幅方向両端部の近傍の防水層やトップコート層にクラックが生じたり厚みが薄くなったりすることを防止でき、防水下地用目地テープの通気緩衝シート上への密着および固着を強固にし、隣接する通気緩衝シート同士の間で下地から発生する気体の流通を確保して、防水層やトップコート層の局所的な浮き上がりを防ぐ、通気緩衝シート同士の接合に用いる防水下地用目地テープを提供することにあり、また、該防水下地用目地テープを用いた防水工法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、防水下地用目地テープの基材の一部であるフィルム状物が、フィルム状物の中央部に第1領域と、第1領域の幅方向の両側に第2領域とを含み、第2領域に開口部を有することで、防水材による防水下地用目地テープの通気緩衝シート上への強固な固定性と、隣接する通気緩衝シート間での気体の流通性を確保できることを見出して、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決することができた本発明の防水下地用目地テープは、複数の通気緩衝シートの端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分に貼着される防水下地用目地テープであって、フィルム状物と、フィルム状物の一方側面に積層されている補強布と、フィルム状物の他方側面に粘着層と、を有し、フィルム状物は、フィルム状物の中央部に第1領域と、第1領域の幅方向の両側に第2領域とを含み、第2領域に開口部を有することを特徴とするものである。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、補強布は、開口部を有するメッシュ状の織物または編物であることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、第2領域の開口部の中に、補強布の開口部を2個以上36個以下有していることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、第2領域の開口部は、境界の全体にフィルム状物を有している開口と、境界の一部にフィルム状物を有していない開口とを含むことが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、補強布は、フィルム状物の開口部を覆っていることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、フィルム状物の開口率は、5%以上70%以下であることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、フィルム状物の前記粘着層に離型紙を有しておらず、ロール状に巻かれた状態であることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、粘着層は、第1領域および第2領域に設けられていることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、粘着層は、フィルム状物の他方側面において第2領域の開口部から露出している補強布に設けられていることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、補強布は、経糸と緯糸を含む織物であり、経糸および前記緯糸の少なくとも一方の糸条数は、複数であることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、経糸および緯糸の少なくとも一方は、フィルム状物の一方側面に引き揃えて配されていることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、フィルム状物は、引張弾性率が1000MPa以上であることが好ましい。
上記発明の防水下地用目地テープにおいて、フィルム状物は、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレートの少なくとも一方を含むことが好ましい。
前記課題を解決することができた本発明の防水工法は、上記発明の防水下地用目地テープを貼着する工程と、通気緩衝シートおよび防水下地用目地テープの上に、補強布の厚みよりも厚く防水材を塗工する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明の防水下地用目地テープは、複数の通気緩衝シートの端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分に貼着される防水下地用目地テープであって、フィルム状物と、フィルム状物の一方側面に積層されている補強布と、フィルム状物の他方側面に粘着層と、を有し、フィルム状物は、フィルム状物の中央部に第1領域と、第1領域の幅方向の両側に第2領域とを含み、第2領域に開口部を有することにより、防水下地用目地テープの幅方向の両端部の真上近傍の防水層やトップコート層にクラックが生じることや厚みが薄くなることを防ぎ、防水下地用目地テープを通気緩衝シート上へ長期間にわたり強固に密着および固着させることができ、隣接する通気緩衝シート同士の間で下地から発生する気体の流通を確保して防水層やトップコート層の局所的な浮き上がりを防止することができる。
本発明の実施の形態における防水下地用目地テープを通気緩衝シートの端部に貼着した状態の上面図を表す。 本発明の実施の形態における防水下地用目地テープを用いて施工した防水構造の断面図を表す。 本発明の実施の形態における防水下地用目地テープの上面図を表す。 本発明の実施の形態における防水下地用目地テープの断面図を表す。
以下、本発明に係る防水下地用目地テープに関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
図1および図2に示すように、本発明に係る防水下地用目地テープ1は、複数の通気緩衝シート2の端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分に貼着されるものである。防水下地用目地テープ1を複数の通気緩衝シート2の端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分に貼着することにより、下地3に敷き詰めた複数枚の通気緩衝シート2を接合させて一体化させることができ、通気緩衝シート2がずれたり、通気緩衝シート2の重ね合わせ部分または突き合わせ部分の隙間から防水層4を構成する防水材やトップコート層5を構成するトップコート等が入ったりすることを防止している。
図3および図4に示すように、防水下地用目地テープ1は、フィルム状物10と、フィルム状物10の一方側面10aに積層されている補強布20と、フィルム状物10の他方側面10bに粘着層30とを有している。補強布20は、防水下地用目地テープ1と防水層4との固着性を高める効果を有している。粘着層30は、防水下地用目地テープ1を通気緩衝シート2に貼着するために設けられている。
フィルム状物10は、フィルム状物10の中央部に第1領域11と、第1領域11の幅方向両側に第2領域12とを含んでいる。つまり、フィルム状物10の幅方向の両端部に第2領域12を有している。
フィルム状物10は、第2領域12にフィルム状物10の開口部13を有している。防水下地用目地テープ1がこのように構成されていることにより、防水層4を構成する防水材がフィルム状物10の開口部13に入り、この防水材が防水下地用目地テープ1の下にある通気緩衝シート2の上面にまで達し、防水下地用目地テープ1を通気緩衝シート2に強固に固定することができる。
また、防水下地用目地テープ1が前述のように構成されていることにより、防水下地用目地テープ1に柔軟性を付与することができ、防水下地用目地テープ1の伸び縮みが可能となる。
従来の防水下地用目地テープは、開口部を有しておらず、連続的で均一な紙、布、樹脂フィルム等を基材として使用した粘着テープである。塗膜防水工法に用いられるコンクリート等によって構成される下地3や、その上の通気緩衝シート2は、温度変化や長期の経時によって互いにその相対位置がずれる。そのため、通常の粘着テープのような従来の防水下地用目地テープでは、2つの通気緩衝シート2の端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分において、従来の防水下地用目地テープが強固に固着している方の通気緩衝シート2の方に引っ張られ(例えば、右側の通気緩衝シート2の方に強固に固着していたときは、右側の通気緩衝シート2の方に引っ張られ)、固着が弱い方の通気緩衝シート2からは剥離してしまう(例えば、左側の通気緩衝シート2の方に弱く固着していたときは、左側の通気緩衝シート2からは剥離してしまう)場合がある。その結果、従来の防水下地用目地テープの近傍において、防水層やトップコート層にクラックが入ったり剥離が生じたりすることがある。
本発明の防水下地用目地テープ1は、フィルム状物10がフィルム状物10の開口部13を有しているので、柔軟性があって伸び縮みが可能であり、通気緩衝シート2等の相対的なずれが発生した場合でも、防水下地用目地テープ1が貼着している両方の通気緩衝シート2に追従し、防水下地用目地テープ1の近傍において、防水層4やトップコート層5にクラックが入ったり剥離が生じたりすることを防ぐことができる。
また、第2領域12は、防水層4内に取り込まれることとなるため、本発明の防水下地用目地テープ1が防水層4と一体となり、防水下地用目地テープ1の通気緩衝シート2への固定性の向上と、防水層4の強度向上が図れる。
フィルム状物10を構成する素材は特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の単独または共重合樹脂からなる合成樹脂フィルム、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属薄膜、前述の合成樹脂フィルムに前述の金属を蒸着した金属蒸着フィルム等が挙げられる。中でも、フィルム状物10は、合成樹脂フィルムであることが好ましく、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレートの少なくとも一方を含むことがより好ましい。フィルム状物10がこのように構成されていることにより、フィルム状物10に十分な強度をもたせることができ、さらに、フィルム状物10に剛性を付与することができるため、防水下地用目地テープ1をロール状に巻いた状態とした際に防水下地用目地テープ1のブロッキングを防ぐことが可能となる。
フィルム状物10の厚みは、8μm以上であることが好ましく、16μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。フィルム状物10の厚みの下限値をこのように設定することにより、フィルム状物10の強度および剛性を十分なものとすることができ、扱いやすい防水下地用目地テープ1とすることができる。また、フィルム状物10の厚みは、125μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。フィルム状物10の厚みの上限値をこのように設定することにより、フィルム状物10に柔軟性を与えることができ、防水下地用目地テープ1を通気緩衝シート2へ強固に貼着することが容易となる。
フィルム状物10は、引張弾性率が1000MPa以上であることが好ましく、1500MPa以上であることがより好ましく、2000MPa以上であることがさらに好ましい。フィルム状物10の引張弾性率は、JIS K7127:1999に基づいて測定することができる。フィルム状物10の引張弾性率の下限値をこのように設定することにより、フィルム状物10の剛性を十分なものとすることができ、複数の防水下地用目地テープ1を重ね合わせた状態や、防水下地用目地テープ1をロール状に巻いた状態としたときに、防水下地用目地テープ1が互いに接する接触面積を減少させることができる。そのため、防水下地用目地テープ1が互いに接着しあって分離しにくくなる現象であるブロッキングを防止することができる。フィルム状物10の引張弾性率の上限値は特に限定されないが、例えば、15GPa以下、13GPa以下、または10GPa以下とすることができる。
フィルム状物10は、第2領域12にフィルム状物10の開口部13を有していればよく、第1領域11にはフィルム状物10の開口部13を有していても、有していなくてもよい。中でも、第1領域11にはフィルム状物10の開口部13を有していないことが好ましい。フィルム状物10がこのように構成されていることにより、通気緩衝シート2の重ね合わせ部分または突き合わせ部分の上部に位置する第1領域11に防水材が通過しにくくなり、隣接する通気緩衝シート2同士の間で、下地3から発生する水蒸気等の気体の流通を確保し、防水層4やトップコート層5の局所的な浮き上がりを防ぐことができる。
通常、1枚の通気緩衝シートは、幅1m、長さ5~50m程度であるが、気体の流通が1枚の通気緩衝シートの中のみに限定されるのでは、1枚の通気緩衝シート毎に脱気筒を設けなくてはならず、コスト的にも外観的にも、危険防止の上でも問題がある。フィルム状物10の幅方向の両端部である第2領域12にフィルム状物10の開口部13を有しており、第1領域11にフィルム状物10の開口部13を有していない構成であれば、通気緩衝シート2の端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分の上にはフィルム状物10の開口部13がないため、防水材が防水下地用目地テープ1を通過しにくく、その結果、隣接する通気緩衝シート2同士の間で気体の流通が遮断されにくいため、脱気筒は規定に則って100mに1個または2個設ければよく、防水層4やトップコート層5の浮き上がりを好適に防止できる。
フィルム状物10の開口部13の形状は特に限定されず、円形、半円形、楕円形、多角形等が挙げられる。中でも、フィルム状物10の開口部13は、境界の全体にフィルム状物10を有している開口13aと、境界の一部にフィルム状物10を有していない開口13bとを含むことが好ましい。境界の全体にフィルム状物10を有している開口13aとは、図3に示すように、開口の形状の全体が途切れることなくフィルム状物10に設けられているものであり、開口の境界全体にフィルム状物10が存在しているものを指す。境界の一部にフィルム状物10を有していない開口13bとは、フィルム状物10の幅方向の端部へ切り欠き状に、開口の形状が一部途切れた状態で設けられており、開口の境界の一部にはフィルム状物10が存在しているが、一部にはフィルム状物10が存在していないものを指す。つまり、境界の一部にフィルム状物10を有していない開口13bは、境界の全体にフィルム状物10を有している開口13aよりも、フィルム状物10の幅方向の端部側に設けられている。フィルム状物10の開口部13がこのように構成されていることにより、防水下地用目地テープ1の幅方向の両端部にかかる応力の集中を軽減し、防水層4やトップコート層5の下で防水下地用目地テープ1が剥離することや、防水下地用目地テープ1の幅方向両端部の上部の防水層4やトップコート層5にクラックが入ることを防ぐことができる。
フィルム状物10の開口部13は、フィルム状物10の長さ方向および幅方向にそれぞれ複数設けられていることが好ましい。即ち、フィルム状物10は、フィルム状物10の幅方向の両端部に、境界の全体にフィルム状物10を有している開口13aおよび境界の一部にフィルム状物10を有していない開口13bを、フィルム状物10の長さ方向にそれぞれ複数有していることが好ましい。フィルム状物10の開口部13がこのように構成されていることにより、防水下地用目地テープ1の幅方向両端部にかかる応力をより軽減することが可能となる。
フィルム状物10の幅方向の両端部において、境界の全体にフィルム状物10を有している開口13aは、フィルム状物10の幅方向に1列有していてもよく、複数列有していてもよい。境界の全体にフィルム状物10を有している開口13aがフィルム状物10の幅方向の両端部に1列ずつあれば、フィルム状物10の強度をより高くすることができる。境界の全体にフィルム状物10を有している開口13aがフィルム状物10の幅方向の両端部に複数列ずつあれば、フィルム状物10の柔軟性をより高めることができる。
フィルム状物10の開口部13の配置は、特に限定されず、格子状であってもよく、千鳥状であってもよく、ランダムであってもよい。中でも、格子状または千鳥状であることが好ましい。フィルム状物10の開口部13の配置がこのようになっていることにより、フィルム状物10の柔軟性をフィルム状物10全体において、一定とすることができる。また、フィルム状物10の開口部13の配置が格子状となっていれば、強度と柔軟性を両立したフィルム状物10とすることができる。フィルム状物10の開口部13の配置が千鳥状となっていれば、フィルム状物10の柔軟性をさらに高めることができる。
フィルム状物10の開口部13の長径は、3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口部13の長径の下限値をこのように設定することにより、フィルム状物10に適度な柔軟性を与えて伸び縮みを可能にし、通気緩衝シート2への追従性を高めて防水層4およびトップコート層5にクラックが生じることや剥離することを防止できる。また、フィルム状物10の開口部13の長径は、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口部13の長径の上限値をこのように設定することにより、フィルム状物10の第2領域12の強度を十分なものとすることができる。
隣り合う複数のフィルム状物10の開口部13の間隔は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましく、3mm以上であることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口部13の間隔の下限値をこのように設定することにより、フィルム状物10の第2領域12の強度を高めることができる。また、隣り合う複数のフィルム状物10の開口部13の間隔は、30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましく、15mm以下であることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口部13の間隔の上限値をこのように設定することにより、フィルム状物10に十分な柔軟性を与えることができる。なお、フィルム状物10の開口部13の間隔とは、一つのフィルム状物10の開口部13の端部から、隣接する他のフィルム状物10の開口部13の端部までの最短距離を示す。
フィルム状物10の開口率は、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口率の下限値をこのように設定することにより、フィルム状物10の開口部13を防水材が十分に通過することができ、防水下地用目地テープ1と通気緩衝シート2との固定を強固なものとすることができる。また、フィルム状物10の開口率は、70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口率の上限値をこのように設定することにより、防水下地用目地テープ1の強度を高めることができ、防水下地用目地テープ1が扱いやすくなる。
補強布20を構成する素材は特に限定されず、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂等の単独または共重合体からなる合成繊維、2種以上の合成樹脂からなる複合繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、これらの繊維を混繊したものを用いた織物、編物、不織布等が挙げられる。
中でも、補強布20は、補強布20の開口部21を有するメッシュ状の織物または編物であることが好ましい。補強布20がこのように構成されていることにより、防水層4を構成する防水材が補強布20の開口部21に入り込み、防水材が補強布20およびフィルム状物10に接して、防水下地用目地テープ1と防水層4との接合がより強固なものとなる。また、補強布20は、ポリエステル系樹脂からなる繊維を含むことが好ましい。補強布20がこのように構成されていることにより、強度と柔軟性を両立した補強布20とすることができる。
補強布20のメッシュ密度は、4個/平方インチ以上であることが好ましく、10個/平方インチ以上であることがより好ましく、20個/平方インチ以上であることがさらに好ましい。補強布20のメッシュ密度の下限値をこのように設定することにより、補強布20が防水層4内に取り込まれて防水層4の強度を向上することができ、防水下地用目地テープ1の上部の防水層4の強度を十分に高めることができる。また、補強布20のメッシュ密度は、300個/平方インチ以下であることが好ましく、200個/平方インチ以下であることがより好ましく、150個/平方インチ以下であることがさらに好ましい。補強布20のメッシュ密度の上限値をこのように設定することにより、防水材が補強布20の開口部21を十分に通過してフィルム状物10まで達することができ、防水層4と防水下地用目地テープ1との接合を強固なものとすることができる。
補強布20の目付は、10g/m以上であることが好ましく、20g/m以上であることがより好ましく、30g/m以上であることがさらに好ましい。補強布20の目付の下限値をこのように設定することにより、補強布20の強度を十分なものとすることができ、補強布20が防水層4に取り込まれた際に防水層4を十分に補強することができる。また、補強布20の目付は、100g/m以下であることが好ましく、90g/m以下であることがより好ましく、80g/m以下であることがさらに好ましい。補強布20の目付の上限値をこのように設定することにより、補強布20に柔軟性を与えることができ、取り扱いやすい防水下地用目地テープ1とすることができる。
また、補強布20は、経糸22と緯糸23を含む織物であることがより好ましい。補強布20がこのように構成されていることにより、厚みを補強布20全体において一定としやすく、防水下地用目地テープ1の厚みを一定なものとすることができる。
経糸22を構成する糸条数は、1本であってもよく、複数であってもよい。また、緯糸23を構成する糸条数も、1本であってもよく、複数であってもよい。中でも、経糸22および緯糸23の少なくとも一方の糸条数は、複数であることが好ましい。経糸22および緯糸23の少なくとも一方の糸条数は、例えば、2本以上であることが好ましく、3本以上であることがより好ましく、また、7本以下であることが好ましく、5本以下であることがより好ましい。補強布20がこのように構成されていることにより、補強布20と防水層4との接合強度を高めることができ、防水下地用目地テープ1と防水層4との接合を強固なものとすることができる。防水下地用目地テープ1と防水層4との接合強度をさらに高めるために、経糸22および緯糸23の糸条数は、複数であることがより好ましい。
経糸22および緯糸23の少なくとも一方を構成する糸条の繊度(繊維径)は、50dtex以上であることが好ましく、100dtex以上であることがより好ましく、150dtex以上であることがさらに好ましい。経糸22および緯糸23の少なくとも一方を構成する糸条の繊度の下限値をこのように設定することにより、補強布20の強度を十分なものとすることができる。また、経糸22および緯糸23の少なくとも一方を構成する糸条の繊度(繊維径)は、500dtex以下であることが好ましく、400dtex以下であることがより好ましく、300dtex以下であることがさらに好ましい。経糸22および緯糸23の少なくとも一方を構成する糸条の繊度の上限値をこのように設定することにより、補強布20を柔らかいものとすることができ、防水下地用目地テープ1の柔軟性を高めることができる。
経糸22は、複数の糸条を引き揃えて配された引き揃え糸であってもよく、複数の糸条を撚り合わせた撚糸であってもよい。緯糸23も、引き揃え糸であってもよく、撚糸であってもよい。中でも、経糸22および緯糸23の少なくとも一方は、フィルム状物10の一方側面10aに引き揃えて配されていることが好ましい。補強布20がこのように構成されていることにより、補強布20とフィルム状物10とが接する面積を増加させることができ、補強布20とフィルム状物10との積層における接合強度を高めることが可能となる。
経糸22および緯糸23の少なくとも一方の打ち込み本数は、2本/インチ以上であることが好ましく、4本/インチ以上であることがより好ましく、6本/インチ以上であることがさらに好ましい。経糸22および緯糸23の少なくとも一方の打ち込み本数の下限値をこのように設定することにより、補強布20による防水層4の補強効果をより高めることができる。また、経糸22および緯糸23の少なくとも一方の打ち込み本数は、55本/インチ以下であることが好ましく、45本/インチ以下であることがより好ましく、40本/インチ以下であることがさらに好ましい。経糸22および緯糸23の少なくとも一方の打ち込み本数の上限値をこのように設定することにより、防水材が補強布20を十分に通過することができ、防水下地用目地テープ1の通気緩衝シート2への接合強度を高めることができる。
補強布20とフィルム状物10との積層の方法は特に限定されず、例えば、補強布20の片面に粘着加工を施してフィルム状物10の一方側面10aと接合する、フィルム状物10の一方側面10aに粘着加工を施して補強布20を接合する、フィルム状物10の一方側面10aに補強布20を積層して溶着すること等が挙げられる。中でも、補強布20の片面に粘着加工を施してフィルム状物10の一方側面10aと接合することが好ましい。補強布20とフィルム状物10との積層がこのように行われていることにより、補強布20とフィルム状物10との積層を容易に強固に行うことができる。また、防水下地用目地テープ1をロール状に巻いた状態としたときに、防水下地用目地テープ1のブロッキングも防ぐことができる。
補強布20は、フィルム状物10の開口部13を覆っていることが好ましい。また、補強布20は、フィルム状物10の幅方向の全体を覆っていることがより好ましい。補強布20がこのように構成されていることにより、防水下地用目地テープ1の強度を高めることができ、また、防水下地用目地テープ1と防水層4とを強固に接合することができる。
フィルム状物10の開口部13の中に、補強布20の開口部21を2個以上有していることが好ましく、6個以上有していることがより好ましく、9個以上有していることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口部13の中の、補強布20の開口部21の数の下限値をこのように設定することにより、防水下地用目地テープ1の幅方向の両端部における防水層4の厚みを確保することができ、防水下地用目地テープ1の幅方向両端部の上部の防水層4やトップコート層5にクラックが入ることや厚みが薄くなって強度が低下することを防ぐことができる。また、フィルム状物10の開口部13の中に、補強布20の開口部21を36個以下有していることが好ましく、25個以下有していることがより好ましく、16個以下有していることがさらに好ましい。フィルム状物10の開口部13の中の、補強布20の開口部21の数の上限値をこのように設定することにより、フィルム状物10の開口部13を通過してフィルム状物10の下に配置されている通気緩衝シート2にまで達する防水材の量を十分なものとすることができ、防水下地用目地テープ1を通気緩衝シート2へより強固に固定することが可能となる。
粘着層30を構成する素材は特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着層30がこのように構成されていることにより、複数の通気緩衝シート2の重ね合わせ部分または突き合わせ部分の目止め性を高めて、隣接する通気緩衝シート2同士の隙間に防水材が入り込んで通気緩衝シート2間の気体の流通を妨げにくくすることができる。また、防水下地用目地テープ1をロール状に巻いた状態にして、このロールから防水下地用目地テープ1を引き出した際に、ブロッキングを起こりにくくすることが可能となる。
粘着層30は、粘着剤をフィルム状物10の他方側面10bに塗布することによって形成していてもよい。粘着剤の塗布量は、分散媒留去後の粘着剤の固形分の質量がフィルム状物1mに対して、5g以上であることが好ましく、7g以上であることがより好ましく、10g以上であることがさらに好ましい。粘着剤の塗布量の下限値をこのように設定することにより、防水下地用目地テープ1の通気緩衝シート2への仮止め力を十分なものとすることができる。また、粘着剤の塗布量は、分散媒留去後の粘着剤の固形分の質量がフィルム状物1mに対して、35g以下であることが好ましく、30g以下であることがより好ましく、25g以下であることがさらに好ましい。粘着剤の塗布量の上限値をこのように設定することにより、通気緩衝シート2への仮止めが可能である程度の粘着力に抑えることができ、粘着層30に離型紙を有さずに、例えばロール状に巻かれた状態の防水下地用目地テープ1とすることが可能となる。
粘着層30は、第1領域11および第2領域12に設けられていることが好ましい。粘着層30がこのようになっていることにより、防水下地用目地テープ1を通気緩衝シート2の重ね合わせ部分または突き合わせ部分の上に設置した際に、防水下地用目地テープ1を通気緩衝シート2へ仮止めすることができ、防水材を塗布する前に防水下地用目地テープ1が剥離したり移動したりすることを防止できる。また、粘着層30は、フィルム状物10の幅方向の全体に設けられていることが好ましい。粘着層30がこのようになっていることにより、防水下地用目地テープ1の通気緩衝シート2へ仮止めする際の接着を十分なものとすることができる。
粘着層30は、フィルム状物10の他方側面10bにおいてフィルム状物10の開口部13から露出している補強布20に設けられていることが好ましい。即ち、粘着層30は、フィルム状物10の他方側面10bと、フィルム状物10の開口部13から露出している補強布20に設けられていることが好ましい。粘着層30がこのようになっていることにより、防水材を塗布する前において、通気緩衝シート2の重ね合わせ部分または突き合わせ部分の上に設置した防水下地用目地テープ1の仮止めの接着力をさらに高めることができ、防水下地用目地テープ1の剥離や位置ずれがより起こりにくくなる。
粘着層30は、フィルム状物10の開口部13または補強布20の開口部21を封止しないように設けることが好ましい。粘着層30がこのように設けられていることにより、フィルム状物10の開口部13または補強布20の開口部21から防水材が下部へ通過することによって、通気緩衝シート2上への防水下地用目地テープ1の強固な固着性を確保しつつ、防水下地用目地テープ1の十分な仮止め効果を得ることができる。
なお、粘着層30による防水下地用目地テープ1自身の粘着性によって、通気緩衝シート2同士を強固に接合しなくても、防水下地用目地テープ1の上から防水材を塗布してなる防水層4が通気緩衝シート2同士を強固に接合できる。そのため、防水下地用目地テープ1のフィルム状物10の幅方向両端部である第2領域12にフィルム状物10の開口部13を有していることによる粘着層30の粘着力の低下は欠点にならず、防水下地用目地テープ1の幅方向両端部にかかる応力の集中を軽減し、防水層4やトップコート層5の下で防水下地用目地テープ1が剥離することや、防水下地用目地テープ1の幅方向両端部の上部の防水層4やトップコート層5にクラックが入ることを防ぐことができるという長所のみが発現される。
防水下地用目地テープ1は、粘着層30に離型紙を有しておらず、ロール状に巻かれた状態であることが好ましい。フィルム状物10の一方側面10aに、表面に凹凸を有している補強布20が積層され、さらにフィルム状物10の第2領域12にフィルム状物10の開口部13を有しているため、フィルム状物10の他方側面10bに設けられている粘着層30の粘着力が低下していることにより、防水下地用目地テープ1の十分なブロッキング防止効果を得ることができる。
本発明に係る防水工法は、防水下地用目地テープ1を貼着する工程と、通気緩衝シート2および防水下地用目地テープ1の上に、補強布20の厚みよりも厚く防水材を塗工する工程を含むことを特徴とする。防水工法の具体例としては、まず、図2に示すように、コンクリート等の下地3の上に通気緩衝シート2を敷き詰め、複数の通気緩衝シート2同士の端部の突き合わせ部分の上に防水下地用目地テープ1を貼着する。その後、防水層4を構成する防水材を、補強布20の厚みよりも厚くなるように通気緩衝シート2および防水下地用目地テープ1の上に塗布する。このように防水加工を施すことにより、防水層4の厚みが薄くなっていた防水下地用目地テープ1の幅方向両端部の上部においても防水層4の厚みを十分なものとすることができ、防水性能の高い防水層4となる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
屋上の既存ウレタン防水層の改修工事を行った。屋上には、数箇所の膨れが発生しており、下地調整マット(埋めパッチ)で下地調整した。
旧防水層部にプライマーを塗り、養生した後に自着型通気緩衝シート(横浜ゴム社製、アーバンルーフ(登録商標)UMシート)を敷き詰めた。隣接するシート同士の端部は、80mmずつ重ね合わせて敷き詰めた。
本発明の防水下地用目地テープを、通気緩衝シートの重ね合わせ部分の上に貼着した。防水下地用目地テープは離型フィルムを有しておらず、ロール状に巻かれた状態であるが、補強布の凹凸面があり、ロールからの防水下地用目地テープの離型性に問題はなかった。
使用した防水下地用目地テープは、幅が90mmであり、フィルム状物の第2領域の開口部は、φ13mmの円形の穴およびφ13mmの半円の穴を複数、フィルム状物の幅方向の間隔が5mmとなるように格子状に設けた。フィルム状物の材質はポリエステルであり、厚みは50μmとした。補強布は、フィルム状物の一方側面に積層され、ポリエステル長繊維のメッシュ織物であって、打ち込み本数は24本/インチ、目付は50g/mである。粘着層は水系エマルジョンのアクリル系粘着剤をフィルム状物の他方側面に直接塗布することによって形成した。粘着剤の塗布量は、分散媒留去後の固形分の質量がフィルム状物1mに対して20.0gとなった。
屋上は風が強かったが、防水下地用目地テープには粘着層が設けられていたため、防水下地用目地テープが剥離して風に飛ばされることや、移動して防水下地用目地テープおよび通気緩衝シートの位置がずれることはなかった。
また、防水下地用目地テープの水密性が良好であり、施工途中の降雨による雨水の侵入は見られなかった。
次いで、防水材(横浜ゴム社製、二液型ウレタン防水塗料)を、平均膜厚が3mmになるように金コテにて塗布し、硬化させて防水層を形成した。その後、トップコート層(横浜ゴム社製、トップコート)を防水層の上部に塗布して形成した。
防水下地用目地テープの開口部を通過した防水材が通気緩衝シートに直接接着し、防水下地用目地テープを通気緩衝シートへ強固に固着させることができた。防水下地用目地テープの中央部分である第1領域からは防水材が下部に通過せず、隣接する通気緩衝シートの重ね合わせ部分の隙間にも防水塗料が流れ込まず、通気緩衝シートの通気が確保された。また、補強布、およびフィルム状物の第2領域が防水層内に取り込まれ、防水層を補強することができ、防水層の強度を高めた。
防水下地用目地テープの幅方向の両端部には段差が殆どないため、防水下地用目地テープの幅方向両端部の上部の防水層は、防水下地用目地テープの幅方向両端部に沿って局部的に薄くなることがなかった。
防水層やトップコート層の経時変化は少なく、通気緩衝シートにずれが生じても防水下地用目地テープは剥離せず、防水下地用目地テープの幅方向両端部の上部の防水層やトップコート層にクラックが入ることはなかった。
(比較例)
基材に粘着層を付与しロール状に回巻してある、通常の粘着テープタイプの防水下地用目地テープ(市販品)を用いて、実施例と同様に評価した。防水下地用目地テープの平均厚さは0.3mmであった。
防水材が防水下地用目地テープの全面において、下部へ全く通過しなかったので、通気緩衝シートに防水下地用目地テープを強固に固着させることができなかった。また、防水下地用目地テープが防水層の内部に取り込まれず、防水下地用目地テープの上の防水層は補強されなかった。
防水下地用目地テープの幅方向両端部には段差があるため、防水下地用目地テープの幅方向両端部の上部の防水層は、防水下地用目地テープの幅方向両端部に沿って局部的に薄くなった。その結果、防水下地用目地テープの幅方向両端部の上部の防水性が劣った。さらに、防水下地用目地テープに柔軟性がなく、伸び縮みしないので、隣接する通気緩衝シートが経時で互いにずれたとき、その一方から剥がれ、その上の防水層やトップコート層にクラックが入った。
以上のように、本発明は、複数の通気緩衝シートの端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分に貼着される防水下地用目地テープであって、フィルム状物と、フィルム状物の一方側面に積層されている補強布と、フィルム状物の他方側面に粘着層と、を有し、フィルム状物は、フィルム状物の中央部に第1領域と、第1領域の幅方向の両側に第2領域とを含み、第2領域に開口部を有することにより、防水下地用目地テープの幅方向の両端部の真上近傍の防水層やトップコート層にクラックが生じることや厚みが薄くなることを防ぎ、防水下地用目地テープを通気緩衝シート上へ長期間にわたり強固に密着および固着させることができ、隣接する通気緩衝シート同士の間で下地から発生する気体の流通を確保して防水層やトップコート層の局所的な浮き上がりを防止することができる。
1:防水下地用目地テープ
2:通気緩衝シート
3:下地
4:防水層
5:トップコート層
10:フィルム状物
10a:一方側面
10b:他方側面
11:第1領域
12:第2領域
13:フィルム状物の開口部
20:補強布
21:補強布の開口部
22:経糸
23:緯糸
30:粘着層

Claims (13)

  1. 複数の通気緩衝シートの端部同士の重ね合わせ部分または突き合わせ部分に貼着される防水下地用目地テープであって、
    フィルム状物と、前記フィルム状物の一方側面に積層されている補強布と、前記フィルム状物の他方側面に粘着層と、を有し、
    前記フィルム状物は、前記フィルム状物の中央部に第1領域と、前記第1領域の幅方向の両側に第2領域とを含み、
    前記第2領域に開口部を有 し、
    前記粘着層は、前記フィルム状物の他方側面において前記第2領域の開口部から露出している前記補強布に設けられてい ることを特徴とする防水下地用目地テープ。
  2. 前記補強布は、開口部を有するメッシュ状の織物または編物である請求項1に記載の防水下地用目地テープ。
  3. 前記第2領域の開口部の中に、前記補強布の開口部を2個以上36個以下有している請求項2に記載の防水下地用目地テープ。
  4. 前記第2領域の開口部は、境界の全体に前記フィルム状物を有している開口と、境界の一部に前記フィルム状物を有していない開口とを含む請求項1~3のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  5. 前記補強布は、前記フィルム状物の開口部を覆っている請求項1~4のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  6. 前記フィルム状物の開口率は、5%以上70%以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  7. 前記フィルム状物の前記粘着層に離型紙を有しておらず、ロール状に巻かれた状態である請求項1~6のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  8. 前記粘着層は、前記第1領域および前記第2領域に設けられている請求項1~7のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  9. 前記補強布は、経糸と緯糸を含む織物であり、
    前記経糸および前記緯糸の少なくとも一方の糸条数は、複数である請求項1~のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  10. 前記経糸および前記緯糸の少なくとも一方は、前記フィルム状物の一方側面に引き揃えて配されている請求項に記載の防水下地用目地テープ。
  11. 前記フィルム状物は、引張弾性率が1000MPa以上である請求項1~10のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  12. 前記フィルム状物は、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレートの少なくとも一方を含む請求項1~11のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープ。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の防水下地用目地テープを貼着する工程と、
    前記通気緩衝シートおよび前記防水下地用目地テープの上に、前記補強布の厚みよりも厚く防水材を塗工する工程を含むことを特徴とする防水工法。
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