JP3701387B2 - 防水下地用目地テープおよびそれを使用した防水施工法 - Google Patents

防水下地用目地テープおよびそれを使用した防水施工法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は陸屋根、ベランダ、廊下、室内床などを対象とした塗膜防水材と脱気機能を有する防水シートを使用した複合防水工法において、該防水シート同志を接合するための防水シート用接合テープおよびそれを使用した防水施工法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
塗膜防水材と防水シートを併用した防水工法、いわゆる複合防水工法には種々の方法があるが、下地全面に防水シートを貼り、その上面に塗膜防水材を塗布する方法が一般的である。しかし、防水層の美観が要求されるようになってから、下地に含まれる水分の気化膨張によるふくれ現象などが問題になり、これを防止するために、脱気機能を有する防水シートを使用した工法が多くなった。この脱気機能を有する防水シートを使用した工法(脱気工法)は脱気のための連通した通気路を作るために、防水シートの下地側に通気路用の凹部が設けられる。このため下地に対して防水シートの凸部のみが部分的に接着されることになる。
施工手順として、必要に応じてプライマーを塗布した下地に接着剤を用いて下地に凹部を有する防水シートを互いに突き合わせて貼り、該突合わせ部分に接合テープを貼り重ねる。次いで、この上面に塗膜防水材の塗布が行われる。
この工法における該防水シートの接合目地の接合テープによる処理は防水シート接合目地部分における塗膜防水材の補強と同時に塗膜防水材が接合目地から下地へ浸入して脱気のための通気路を塞がないような浸入防止を目的としたものである。
【0003】
この種の接合テープとしては、▲1▼網状シートの下面に粘着剤を塗布したもの、▲2▼目のつんだ布の下面に粘着剤を塗布したもの、▲3▼不織布と網状シートを組み合わせた基材の下面に粘着剤を塗布したものが使用されている。
しかしながら、▲1▼は網状シートの目から塗膜防水材が浸入し、通気路を塞ぐので、浸入防止のため、施工時に目止め処理工程、即ち、高粘度の塗膜防水材を網状シートの表面に塗布して網目を塞ぐ作業が必要となり、そのため施工能率が低下してしまうという問題がある。▲2▼および▲3▼は塗膜防水材の接合テープを通しての浸入はないが、反面、塗膜防水材の防水シート表面への浸入がないので、該塗膜防水材による防水シートと接合テープの接着一体化が不充分となり、下地の動きや亀裂が発生したとき、これによって防水層に作用する外力を受け、接合テープ面にずれが生じ、接合テープの縁部で塗膜防水材が伸ばされ劣化が促進し、塗膜防水材の破断で、しばしば漏水を起している。
本出願人は先に「幅40〜200mmの網状シート、その一面全体に設けられた第1粘着剤層、さらにその上面かつ中央部分にのみ設けられた幅10〜50mmのフィルム、前記フィルムの上面全体に設けられた第2粘着剤層および第1、第2粘着剤層を覆う剥離紙より構成されていることを特徴とする防水シート用接合テープ」および該テープを使用した防水施工法を提案しており、この発明の接合テープは網状シートを用いているので、塗膜防水材が防水シート面まで十分に浸入して、防水シート、接合テープ、そして塗膜防水材が完全に接着一体化し、接合テープのずれは起きず、接合テープの縁部での塗膜防水材の破断はなかった。施工においても網状シートの中心部にフィルムを積層したことにより、目止め処理工程の必要がなくなり、施工能率を向上させ前記従来技術の問題点を解消し、優れた効果を有するものであった。しかしながら、この発明の防水シートは、網状シート層の中央部のみに幅10〜50mmのフィルムを積層したので製造工程が多数かかりコストが高くなってしまった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明は上記の問題点を改善した脱気機能付き複合防水工法に有用な防水下地用目地テープおよびそれを使用した防水施工法を提供するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明の第1は、幅40〜200mmの合成樹脂フィルム基材の表面全体に、接着剤層を介して防水層との付着性向上層として不織布層および/または織布層(以下、網状シート層とも言う。)が積層された防水下地用目地テープにおいて、前記基材の中央部分の幅10〜50mm以外の部分に所定の間隔をもって少なくとも前記防水層との付着性向上層から粘着剤層に貫通した直径1〜40mmの穴を有し、かつ該基材の下面に粘着剤層および該粘着剤層を覆う剥離体を有することを特徴とする防水下地用目地テープに関する。
本発明の第2は、前記第1の防水下地用目地テープにおいて、防水層との付着性向上層が不織布層および/または織布層(以下、網状シート層とも言う。)、エチレン−PVA共重合体フィルムおよびアクリルウレタン系塗料を塗布した合成樹脂フィルムよりなる群から選ばれた少なくとも1つの層である防水下地用目地テープに関する。
本発明の第3は、防水を必要とする下地上に、必要に応じてプライマーを塗布し、ついで接着剤を塗布後、脱気機能を有する防水シートを互いに突き合せて接着し、該防水シートの突き合せ部分に前記第1および第2の防水下地用目地テープを剥離体を除去し該テープの中心がつぎ目部分に対応するように接着し、ついで塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水施工法に関する。
【0006】
本発明の防水下地用目地テープを図1を参照して説明する。
図1の防水下地用目地テープは、合成樹脂系フィルム基材(以下、基材とも言う。)11の上面全体に接着剤層12を介して防水層との付着性向上層として網状シート層13を積層し、さらに基材11の下面に粘着剤層16および該粘着剤層16の下面に剥離体17を積層して構成されたものである。
本発明の防水下地用目地テープを構成する前記網状シート層13は、下地の動きや亀裂の発生によって生じる防水下地用目地テープのずれを防止するために、該網状シート層13に開いている穴から塗膜防水材を防水シート表面まで到達させ、本発明の防水下地用目地テープ、防水シート及び塗膜防水材を接着一体化させることができるものである。
前記目的を達成させるために、前記網状シート層13は機械的特性、寸法安定性に優れていることが必要である。
このような網状シート層13は、汎用の無機または有機質繊維からなるものが使用できるが、なかでも有機質繊維、特に機械的特性の理由からポリエステル樹脂系繊維が好ましい。
さらに前記網状シート層13の繊維及び繊維束の太さ、あるいは繊維の密度などは特に限定しないが、防水シートの接合部を強力にするため、その強度が防水シート強度と同等ないしそれより高いことが好ましい。
前記基材11および網状シート層13の幅は、各防水シート間のすき間、必要とされる強度、施工時の扱い易さ等によって決められるが、通常40〜200mm、好ましくは50〜150mmである。
本発明の防水下地用目地テープにおいては、防水層との付着性向上層としては、前記網状シート層13の代りに、エチレン−PVA共重合体フィルムおよび/またはアクリルウレタン系塗料を塗布した合成樹脂フィルムを用いて、網状シート層13に設けたと同様の穴を形成したものであってもよい。
【0007】
ただし、前記エチレン−PVA共重合体フィルムおよび/またはアクリルウレタン系塗料を塗布した合成樹脂フィルムを使用した場合でも、前記接着一体化を行うことができる。
粘着剤層16は防水シートへの仮接着、即ち塗膜防水材を塗布するまでに風に飛ばされたり、塗膜防水材の塗布時に動かないようにすることを主な目的とするためのものであり、この分野で一般的に用いられている粘着剤をすべて利用できる。本発明の防水下地用目地テープにおいて、接着剤層12の網状シート層13への塗布状態は、網状シート13のすき間を塞がずに、繊維束表面のみに塗布する。
すなわち、接着剤が網状シート層13の目にすき間なく連続的に塗布されていると塗膜防水材と防水下地用目地テープの接着一体化が強固になされない。
【0008】
また、前記防水下地用目地テープは、基材11の中央部分の幅10〜50mm以外の部分に所定の間隔をもって、少なくとも前記防水層との付着性向上層から剥離体層に貫通した直径1〜40mmの穴15を有している。前記のような位置に穴15を設けることにより、塗膜防水材が防水シートの接合目地から下地へ浸入し脱気のための通気路を塞がない。
基材11の中央部分の幅10〜50mmの穴非形成部の幅が10mm未満では、塗膜防水材が防水シートの接合目地から下地へ浸入し脱気のための通気路を塞がないようにするために有効ではなく、また50mmを越えると、塗膜防水材により下地、防水シートおよび本発明の防水下地用目地テープを接着一体化させるための塗膜防水材の含浸領域が狭くなる。
また、前記穴15の直径が1mm未満では塗膜防水材の進入が不十分であり、40mmを越えると十分な補強効果が得られない。
穴15の形状は特に制限されるものではないが、通常直径4mmであるので円形状あるいは楕円形状のものが好ましい。
そして、同一基材11上に設ける穴15は必ずしも同一形状あるいは同一寸法である必要はなく、異なった形状の穴の組み合わせおよび/または異なった寸法の穴の組み合わせであっても良い。
さらに、穴形成部における穴部の面積と穴部以外の面積の割合は30%〜50%程度である。30%未満では防水シートと塗膜防水材との十分な接着力が得られない。50%を越えると補強効果が得られない。
【0009】
基材11は塗膜防水材が防水シートの接合目地から下地へ浸入し脱気のための通気路を塞がないようにする役目をするものであればどんな材料でも使用できるが、特に塗膜防水材の中に含まれている溶剤におかされない材料が好ましい。このような材料として、熱可塑性合成樹脂系や合成ゴム系が使用されるが、なかでもフィルムの加工性から合成樹脂系、特に機械的強度と寸法安定性の理由から、ポリエステル系樹脂が好ましい。
基材11の幅は塗膜防水材の防水シートへの未含浸部分を少なくするために、できるだけ狭い方が好ましく、40〜200mm、好ましくは50〜150mmである。
基材11が合成樹脂フィルムである場合、該合成樹脂フィルムは網状シート13を通過して含浸した塗膜防水材と強固に接着一体化させるために、フィルム面を表面処理するか、または接着媒体としての15〜20g/m2程度の薄い不織布を接着積層させることが好ましい。表面処理については、塗膜防水材との接着性が向上できれば、いずれの処理方法でもよいが、例えば、一般に行われるコロナ放電処理あるいはコロナ放電処理とアンカーコート材との併用などが挙げられる。
該合成樹脂フィルムの下面に塗布する粘着剤は防水シートに接着させるためのもので、通常、アクリル系、ブチル系のようなものが使用される。
本発明に用いる剥離体17としては、各種紙、合成樹脂フィルム等を剥離処理した剥離体として一般に用いられているものが特に制限なく利用できるが、施工性を考慮すると、透明な合成樹脂フィルムが好ましい。すなわち、透明なフィルムは接合テープに積層された状態でも透けて見えるので、施工するとき接合目地の位置がわかり貼りやすい。また、前記剥離処理は片面でも両面であってもよい。
【0010】
本発明の防水下地用目地テープを用いた防水施工法により得られた脱気機能付き複合防水層は図2に示した通りである。
前記複合防水層は、防水を必要とするコンクリート等の下地25上に、必要に応じてプライマーを塗布し、ついで接着剤24を塗布後、脱気機能を有する積層構造物23を互いに突き合せて接着し、該積層構造物23の突き合せ部分に本発明の防水下地用目地テープ22の剥離体を除去しながら防水下地用目地テープの中心が突き合せ部分に対応するように接着し、ついで塗膜防水材21を塗布することにより得ることができる。
また、前記積層構造物23としては、図3に示す積層構造物を使用することが好ましい。
該積層構造物23は、弾性シート31の上面にフィルム層32および不織布層33を設けて構成されたものであり、前記フィルム層32および不織布層33は、積層構造物23の上面に塗布される塗膜防水材21と一体化させ、併わせて防水層全体の寸法安定性を得るためのものである。この目的を達成するためには、塗膜防水材が容易にフィルム層32および不織布層33内にまで浸透するように形成されているものが好ましい。このような背景から本発明の工法では不織布層とフィルム層とを併用することが好ましい。不織布層があることにより塗膜防水材21と積層構造物23を一体化させる。またフィルム層によって必要な機械的強度を得、更には寸法安定性の向上をも図ることができる。フィルム層32としては、ポリエステル樹脂系のような合成樹脂で作製されたものが好ましい。
【0011】
前記フィルム層32および不織布層33の積層体において、不織布層33は不織布層と網状シートからなる積層体が好ましい。該積層体の各層の材料は同一あるいは異なっていてもよく、これら材料には、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリオレフィン系繊維などの汎用有機合成繊維やガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維などの汎用無機繊維を単一もしくは複数混合した状態で用いることができる。しかし、必要とする特性と経済性を考慮すると、網状シートにはガラス繊維の使用が特に好ましく、不織布層にはポリエステル繊維、ポリビニルアルコール系繊維などの使用が特に好ましい。ただし、不織布層で用いられる合成繊維および/またはガラス繊維は1〜20デニール、好ましくは2〜10デニールで1平方メートル当り10〜200g、好ましくは10〜100g程度が適当である。不織布層32の厚さは密度のちがいにより一概に決められないが、平均して0.1〜2mm程度である。網状シートは100〜5000デニール、好ましくは200〜1000デニール程度の繊維束を1〜50本/インチ、好ましくは5〜25本/インチ程度に縦横に配して編んだシートであるが、この編み方は適宜なされてよい。また編んでない組布のようなものであってもよい。
【0012】
これら不織布層と網状シートとの接合は選択された繊維の種類に合わせて適合する接着剤を用いるか、不織布層または網状シートの繊維の中に低融点の繊維を混合し、加熱融着させる等によって行うこともできる。網状シートにガラス繊維を用い、かつ不織布層にポリエステル繊維を用いたときの接合の一例としては、溶剤タイプのアクリル系樹脂接着剤を用いて接合しうる。更には刺子縫いなどにより不織布層と網状シートとを一体化させてもよい。つまり、不織布層と網状シートとで構成される繊維シートは、その上から塗膜防水材を塗布した際、これらの繊維シート内に塗膜防水材が浸透しにくくならなければ、その接合手段は何であってもかまわない。
不織布層33と弾性シート31との接合は、材質に合った接着剤による接着、あるいは接着フイルムを押出機を用いて成型しながら双方に融着、また、あらかじめ接着フイルムを押出機を用いて成型しながら不織布に融着し、これをゴムシート層の成型時に融着させてもよい。こうした接着方法はいずれも特別な技術を要するものでなく通常広く行われている積層技術によって達成できる。
【0013】
弾性シート31は下地の凹凸部の緩衝および塗膜防水材の膜厚の不均一で塗膜の薄い部分で起る破断、損傷などを補い防水層としての機能を長期間にわたって維持させ、さらに下地の水分による膨れを防止するための通気層を設けるためで、その特性として、透水、透湿性が低く、耐熱性、耐紫外線性、耐オゾン性、耐水性、耐薬品性などの物理・化学的耐久性に富み、また建物の躯体の動きなど機械的劣化要因に充分耐え得るものでなければならない。さらに本発明の防水シートは異種材料が組み合わされているので剛性が高くなりがちで、下地へのなじみ性に問題がでてくる場合があるので、この辺も考慮に入れ、下地へなじみやすい材料の選択が必要である。そこで使用される材料はブチルゴム、再生ブチルゴム、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリクロロプレン、アタクチックポリプロピレン(APP)、ポリエチレン、エチレン−酢ビ共重合体等のポリオレフィン系のものが好ましい。これらは単独あるいは2種以上を任意に混合して使用してもさしつかえない。天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム等は耐オゾン性がよくないので、主原料としては好ましくないが、若干の添加はさしつかえない。また塩化ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体の熱可塑性合成樹脂は剛性が高くなりがちで、巻きぐせがつくと下地へのなじみがわるくなり、施工上に問題をきたすので注意しなければならない。これらの熱可塑性合成樹脂に可塑剤を多量に添加し剛性を改善することも可能ではあるが、可塑剤の移行により層間の接着に問題をきたすので好ましくない。
ゴム材料には必要に応じて充填剤、老化防止剤、軟化剤、補強剤、加工助剤などを均一に分散するよう混練し、シート状に成型されるゴムシートとしては加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤を添加し熱処理して加硫ゴムシートとしてもよく、また、加硫ゴムシート層と非加硫ゴムシート層の複層にしてもよい。複層の場合には各層の材質は同一でも、また異なっていても前記した特性を付与したものであればよい。これらの層の積層はそれらの材質に応じて適切な接着剤を用いたり、自着、加硫接着などいづれでもよく、要は強固に接着していればよい。
【0014】
前記弾性シート31の厚みは特に限定はないが、長期間にわたっての防水性、経済性、下地へのなじみ性を考慮すると1〜5mm、好ましくは1〜3mmである。該弾性シートの下面には凹溝をつけ、下地へ部分接着して通気層を設け、下地に含まれた水分が太陽熱により温められてできた水蒸気を拡散ないし防水層の外へ出すことが行われる。凹溝の形には特に限定はなく、連通した凹みがあればよい。一方、凸部の面積即ち、下地へ接着する面積は接着剤の接着強度によって、決められるゆえ、これらをもとに凸部の面積、そして模様を決めればよい。なお、下地に対する防水層の接着力は条件によって異なるが、少なくとも1000kg/m2以上、好ましくは2000kg/m2以上必要であることが知られている。
塗膜防水材は通常使用されている材料すなわち、代表的なものとしては、JIS A 6022に表示されているすべての材料が例示できる。また、これら以外の塗膜防水材であっても、施工時に液状を呈していて、塗布後比較的短時間で硬化被膜を形成し、この被膜が防水層として必要な性能を具備するものであればすべて適用できる。塗膜防水層の塗布厚はその材料の有する性質により決められる。しかし、前記のように少なくとも下層にある繊維質複合シート(不織布層)または表面の網状シートが完全に埋め込まれるだけの塗布厚が必要となる。更に、時には露出防水層であっても施工後ある程度の耐歩行性が要求されるときがあり、その場合にはそうした要求に応じた塗布厚が必要となる。
前記JIS A 6022に規定された材料のうちウレタンゴム1類により軽度の耐歩行性の要求を満たす場合を例にとると、この塗膜防水材を約2.0kg/m2の割合で一度全面に塗布し、硬化後、更にその上面に約1.5kg/m2の割合で全面に塗布するようにすればよい。塗膜防水材の塗布は、スプレー、ローラー、刷毛、スクイジー等通常用いられている器具を用いて行うことができる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0016】
実施例1
(a) 防水シート用接合テープの製造
厚さ0.1mm、幅100mm、繊維束の太さ5デニールの不織布層の下面にポリエステルフィルムを積層し、さらに下面に厚み0.05mmのアクリル系粘着剤を網状シートの繊維束表面のみに塗布し、次いで該粘着剤面の下面に前記網状シートと同一寸法の厚さ100μ、幅25mmのポリエステル系フィルムの上面に単位面積当りの重量が20g/m2の不織布を積層した積層物をウレタン系接着剤で接着積層し、ついで前記積層物の下面に0.05μ厚のアクリル系粘着剤を全面に塗布したテープを積層した後、粘着剤側に剥離紙として両面剥離処理をほどこした厚さ50μのポリエチレン系フィルムを積層し、防水下地用目地テープ22を得た。
(b) 防水シートの製造
網状シート(ガラス繊維束300デニール、密度は経20本/25mm、緯10本/25mm)にアクリル系溶剤型接着剤を塗布し、不織布(ポリエステル繊維3デニール、50g/m2)を重ねて接着し、不織布層33をつくる。この不織布層33の不織布面に接着フイルムを押出ラミネートにより一体化する。一方、下面にシート1m2当り3500cm2程度の面積に相当する連通凹溝を有する厚さ2mmのポリオレフィン系シート31をカレンダー法により成形し、成形の最終ロールにおいて前記ラミネート化物と一体化することにより積層構造物23を得る。
(c) 防水施工法
コンクリート下地25の上に必要に応じてプライマーを塗布し、ついで接着剤24を塗布後、前記積層構造物23の縁部を互いに突き合わせて貼り、前記防水シートの接合目地上に前述の防水下地用目地テープの中心部がくるよう剥離紙を剥がしながら貼る。次いで、ポリウレタン系塗膜防水材(商品名プロタイト)を塗布し、脱気機能付き複合防水層を得た。
このようにして得られた防水層における防水下地用目地テープは、ずれはなく、接合テープの縁部での塗膜防水材の破断は起きなかった。また、施工において、目止め処理工程が省略できたので施工能率も向上した。
【0017】
【効果】
本発明の防水下地用目地テープは、塗膜防水材が防水シート面まで十分に浸入して、防水シート、防水下地用目地テープ、そして防水下地用目地テープおよび塗膜防水材が完全に接着一体化し、防水下地用目地テープのずれは起きず、接合テープの縁部での塗膜防水材の破断はなかった。施工においても、目止め処理工程がなくなり、施工能率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防水下地用目地テープの拡大断面図である。
【図2】本発明施工法により形成された防水構造体の断面図である。
【図3】本発明の実施例で用いた防水シートの拡大断面図である。
【符号の説明】
11 合成樹脂系フィルム
12 接着剤層
13 防水層との付着性向上層(網状シート層)
14 穴非形成部
15 穴
16 粘着剤層
17 剥離体
21 塗膜防水材
22 防水下地用目地テープ
23 積層構造物
24 粘着剤層
25 下地
26 すき間
31 弾性シート
32 フィルム層
33 不織布層

Claims (3)

  1. 幅40〜200mmの合成樹脂フィルム基材の表面全体に、接着剤層を介して防水層との付着性向上層が積層された防水下地用目地テープにおいて、前記基材の中央部分の幅10〜50mm以外の部分に所定の間隔をもって少なくとも前記防水層との付着性向上層から粘着剤層に貫通した直径1〜40mmの穴を有し、かつ該基材の下面に粘着剤層および該粘着剤層を覆う剥離体を有することを特徴とする防水下地用目地テープ。
  2. 請求項1記載の防水下地用目地テープにおいて、防水層との付着性向上層が不織布層および/または織布層(以下、網状シート層とも言う。)、エチレン−PVA共重合体フィルムおよびアクリルウレタン系塗料を塗布した合成樹脂フィルムよりなる群から選ばれた少なくとも1つの層である防水下地用目地テープ。
  3. 防水を必要とする下地上に、必要に応じてプライマーを塗布した後、接着剤を塗布後、脱気機能を有する防水シートを互いに突き合せて接着し、該防水シートの突き合せ部分に請求項1または2記載の防水下地用目地テープを剥離体を除去して接合テープの中心がつぎ目部分に対応するように接着し、ついで塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水施工法。
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