JP2001064881A - 屋根用下葺材 - Google Patents

屋根用下葺材

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Rikuo Himeno
陸男 姫野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防水性、可撓性及び耐候性に加えて優れた透湿
性を有する屋根用下葺材の提供。 【解決手段】多孔性繊維質シート基材の一面または両面
に、セメント、ポリマー成分、骨材及び水を含む組成物
塗布して形成される屋根用下葺材あって、セメント10
0重量部に対して骨材を1〜300重量部及びポリマー
成分(固形換算)を15〜100重量部の割合で含有
し、且つ上記骨材が細骨材と微粉骨材との混合物からな
るものであることを特徴とする屋根用下葺材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種建築物、特に
家屋の屋根用下葺材に関する。より詳細には所望の防水
性に加えて高い透湿性を備えることを特徴とする屋根用
下葺材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋根瓦等の下に使用されている屋
根用下葺材は、アスファルト・フェルトが主流である。
しかしながら、アスファルト・フェルトは防水性に優れ
るものの、透湿性に乏しいため、家屋内の湿気や屋根の
野地板に含まれる湿気を排出することができない。この
ため、家屋内に湿気がこもり、結露やカビの発生を招
き、衛生上よくないばかりか、家屋自体にも悪影響を与
えるという問題がある。またアスファルトは、時間の経
過とともに次第に老化して脆くなり、収縮や亀裂を生じ
て浸水や断水を生じやすいという大きな欠点を有してい
る。特に、屋根瓦や屋根板の下は夏期には70℃以上の
高温になることもあるため、アスファルト・フェルトが
受けるダメージは大きい。
【0003】更に、屋根用下葺材の施工においてもアス
ファルト・フェルトは通常1kg/m2以上と重く家屋
に対する負担が大きいとともに、下葺材を施工する作業
員の負担も大きく、作業性がよくないという問題があ
る。
【0004】また、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、合成
ゴム等を利用した屋根用下葺材も開発検討されている
が、これら有機高分子を主剤とした素材は耐候性に弱い
という欠点を有し、更にこれらは製造に際して溶剤を使
用したり加熱溶融が行なわれるため、作業衛生や安全性
の問題がある。
【0005】このため、防水性、透湿性、耐候性及び軽
量性といった特性を兼ね備えた屋根下葺材が求められて
いるのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、防水性、耐
候性、可撓性及び軽量性に加えて、優れた透湿性を有し
ており、そのため家屋に貯留した湿気や結露を速やかに
放出できる屋根下葺材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、多孔性繊維
質シート基材の表面をセメント、骨材及びポリマー成分
からなる組成物で被覆してなるシートが、1mm前後と
いう薄さに調製しても十分な防水性を発揮し、しかも耐
候性、可撓性、軽量性並びに透湿性に優れていることを
見出して、既に特許出願している(特願平10−164522
号)。かかる知見に基づいて、本発明者は引き続き優れ
た屋根用下葺材を求めて研究を続けていた過程で、上記
シートにおいて骨材が透湿性の向上に深く関わっている
ことを見出したものの、(i) 透湿性と耐水性は相反する
性質であり、透湿性向上を目して骨材の配合量を増大す
ると耐水性が低下し、また釘穴シール性も低下して屋根
用下葺材として所望の防水機能が得られなくなること、
(ii)また骨材の配合量を増大すると、可撓性が低下して
ひび割れを生じやすくなること、等の種々の問題に突き
当たった。かかる問題を解決すべき、更に研究を重ねて
いたところ、骨材として細骨材と微細骨材の混合物を用
いることによって、高い透湿性を得るべく骨材の配合割
合を増しても、屋根用下葺材として要求される防水性、
可撓性及び釘穴シール性を十分に備えた透湿性防水シー
トが調製できることを見出した。さらに本発明者は、多
量の骨材を配合した上記透湿性防水シートによれば、実
際に屋根下葺材として屋根の野路板に施工して用いた場
合に、家屋や野路板に貯留した湿気や結露が速やかに放
出されることをも見出した。この理由は定かではない
が、上記透湿性防水シートは多量の骨材を配合すること
によって表面がエンボス状となっており、このため屋根
の野路板に密着しないで点接触することにより野路板と
該シートとの間に空気層が形成されることを理由の一つ
として挙げることができる。すなわち、野路板と上記シ
ートとの間に形成された空気層が太陽熱で暖められるこ
とによって、またシートの優れた透湿機能と相俟って、
野路板や家屋に貯留した湿気や結露が水蒸気として空気
層中に速やかに放出され、透湿性防水シート(屋根用下
葺材)を介して外部に放散されると考えられる。また空
気層中の空気の対流によって、家屋や野路板から湿気が
水蒸気として放散され乾燥し易い状態になっていること
も理由の1つと考えられる。
【0008】また、本発明者は、骨材を大量に配合しな
い場合であっても、骨材として細骨材と微細骨材との混
合物を使用することによって、さらに一層可撓性並びに
釘穴シール性を向上させることができ、機能性に優れた
シート状屋根用下葺材が調製できることを確認した。本
発明はかかる新たな知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0009】すなわち、本発明は下記に示す屋根用下葺
材である: (1)多孔性繊維質シート基材の一面または両面にポリ
マー成分、セメント、骨材及び水を含む組成物を塗布し
て形成される屋根用下葺材であって、骨材が細骨材と微
細骨材の混合物からなるものであることを特徴とする屋
根用下葺材。 (2)多孔性繊維質シート基材の一面または両面にポリ
マー成分、セメント、骨材及び水を含む組成物を塗布し
て形成される屋根用下葺材であって、セメント100重
量部に対して骨材を1〜300重量部及びポリマー成分
(固形換算)を15〜100重量部の割合で含有し、且
つ上記骨材が細骨材と微細骨材の混合物からなるもので
あることを特徴とする屋根用下葺材。 (3)骨材100重量部あたりに含まれる微細骨材の割
合が10〜50重量部である(1)又は(2)記載の屋
根用下葺材。
【0010】かかる本発明の屋根用下葺材は、所望の防
水性並びに耐久性(耐候性)を備えていることに加え
て、顕著に優れた透湿性を有するため、家屋内部で発生
する湿気や降雨により家屋内に蓄えられた湿気を当該下
葺材を通じて、大気中に放出することができ、家屋に悪
影響を与えることなく、またよりよい住環境を与えるこ
とができる。また、当該下葺材は軽量であるため家屋へ
の負荷や施工作業員の施工負担を軽減でき、また可撓性
に優れるため外的要素に柔軟に適用できるほか、ロール
状にして配送や運搬するのにも便利である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、多孔性繊維質シート基
材の両面又はその片面にセメント、ポリマー成分、骨材
及び水を含む組成物が塗布されることによって、多孔性
繊維質シート基材表面にいわゆるセメント被覆層が形成
されてなるセメント製屋根用下葺材を提供するものであ
る。
【0012】本発明で用いられるセメントは、特にその
種類によって制限されず、ポルトランドセメント、高炉
セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントの
いずれであってもよい。好ましくはポルトランドセメン
トである。またポルトランドセメントには、普通セメン
ト、白色セメント、早強セメント、超早強セメント、中
庸熱セメントのいずれもが包含され、その種の別を問わ
ないが、好ましくは普通ポルトランドセメントが例示で
きる。
【0013】本発明で用いられるポリマー成分は、セメ
ントと混和性があり、弾力性、耐水性及び透湿性を有す
るものであればよい。好ましくは更に耐候性を備えるも
のである。セメントと混和性のあるポリマー成分には、
制限はされないが、ポリアクリル系、ポリオレフィン
系、ウレタン系、ネオプレン系、酢酸ビニル系、スチレ
ンブタジエン系等のポリマーが含まれる。これらのポリ
マー成分は上記性質を有するものであれば、その分子
量、重合度、粘度等を特に制限するものではなく、上記
性質を備えるように適宜選択して用いることができる。
またこれらは1種単独で、または2種以上を任意に組み
合わせて用いることができる。またセメントに配合され
るポリマー成分の形態は特に制限されず、水性ポリマー
ディスパージョン、再乳化形粉末樹脂、液状ポリマーの
いずれの形態であってもよい。
【0014】好ましいポリマー成分としてはゴム又は合
成樹脂からなるものを挙げることができ、これらは好適
にはゴムエマルジョン(ラテックス)又は樹脂エマルジ
ョンの形態で用いられる。好ましくは樹脂エマルジョン
である。樹脂エマルジョンは、一般に、水に難不溶性の
合成樹脂が乳化剤の助けによって水の中に一定の大きさ
の粒子として均一分散しているものである。
【0015】本発明で用いられる樹脂エマルジョンとし
ては、前述するように、形成されるセメント被覆層が弾
力性、耐水性及び透湿性を有し、より好ましくは更に耐
候性を備えるものであれば、特に制限されない。例え
ば、樹脂エマルジョンにはアクリル系エマルジョン、酢
酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョ
ン、塩化ビニル系エマルジョン、SBR系エマルジョ
ン、エポキシ系エマルジョン等が含まれる。なお、これ
らの樹脂の分子量や重合度等は、形成されるセメント被
覆層が上記特性を有するものであれば特に制限されず、
適宜選択することができる。
【0016】アクリル系エマルジョンは、アクリル酸又
はアクリル酸エステルを主成分とするものであればよ
く、例えばメタクリル酸メチルとの共重合体、アクリル
/スチレン系エマルジョン、アクリル/酢酸ビニル系エ
マルジョン等が含まれる。酢酸ビニル系ポリマー成分と
しては、酢酸ビニル単独重合体エマルジョン、バーサチ
ック酢酸ビニル(ベオバ)やエチレンとの共重合体等が
含まれる。塩化ビニリデン系ポリマー成分としては、塩
化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体エマルジョンが
含まれる。塩化ビニル系ポリマー成分には塩化ビニルと
酢酸ビニルとの共重合体エマルジョンが含まれる。
【0017】樹脂エマルジョンとして好ましくはアクリ
ル系エマルジョンを挙げることができる。これには、好
適なものとしてアニオン性のアクリル系エマルジョンが
含まれる。尚、かかるアクリル系エマルジョンとして、
簡便には市販のエマルジョンを使用することもできる。
これらの樹脂エマルジョンは、1種単独で用いてもまた
必要に応じて2種以上を任意に組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0018】本発明で用いられるポリマー成分は、その
粘度、pH、不揮発分含量(固形含量)等によって制限
されるものではない。例えば1500〜3500cp
s、2000〜3000cps又は2200〜2800
cpsの範囲の粘度を有するように調整されたポリマー
成分(粘度測定条件:BM型、ローター#2使用、12
rpm/25℃);またpH7〜10又はpH8〜9のp
H範囲にあるポリマー成分;不揮発分(固形分)を20
〜80重量%、30〜70重量%、30〜60重量%又
は50〜60重量%の含量範囲で含むポリマー成分のい
ずれもが本発明で用いられるポリマー成分に包含され
る。
【0019】セメント被覆層に含まれるポリマー成分の
配合割合は、厚さ0.4〜2mmを有する本発明の屋根
用下葺材を調製した場合に、透湿度が少なくとも150
g/m2・24h(JIS Z 0208-1976)であり、かつ耐水
圧が少なくとも100cm/cm2(JIS L 1092)とい
う条件を満たすようなものであれば、特に制限されず、
使用するポリマー成分やセメントの種類や骨材の割合等
に応じて適宜選択調整することができる。かかる条件を
満たすポリマー成分(固形換算)の配合割合として、セ
メント100重量部に対して10〜200重量部、好ま
しくは15〜150重量部、より好ましくは15〜10
0重量部、さらに好ましくは20〜100重量部の割合
を挙げることができる。
【0020】本発明において用いられる骨材の種類は特
に制限されず、通常使用されるものを広く使用すること
ができる。例えば珪砂,寒水砂,川砂等の天然骨材;陶
磁器片やガラス粒等の着色骨材や、パーライト,バーミ
キュライト,シラス球等の軽量骨材等を含む人工骨材等
を挙げることができる。但し、これらに限定されること
はなく、骨材と同様な機能を担う骨材相当物を使用する
こともできる。またこれらの骨材は、一種単独で使用し
てもまた2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
経済的観点からは、主として珪砂、寒水砂等の天然砂が
採用される。
【0021】骨材は細骨材と微細骨材との混合物からな
ることが好ましく、かかる混合物を採用することによっ
て、所望の耐水性並びに可撓性を備えながら顕著に優れ
た透湿性を発揮する屋根用下葺材を調製することができ
る。
【0022】なお、ここで細骨材とは、5mm篩いを8
5重量%以上の割合で通過し、0.6mm篩いに85重
量%以上留まる骨材を意味し、また微細骨材とは、0.
6mm篩いを85重量%以上の割合で通過する骨材を意
味する。なお、本発明で用いる微細骨材の概念には、
0.3mm篩いを85重量%以上の割合で通過する微粉
骨材も包含される。
【0023】細骨材と微細骨材の混合割合並びにセメン
ト被覆層に配合する骨材の割合は、例えば約0.4〜2
mm厚の本発明の屋根用下葺材を調製した場合に、少な
くとも透湿度が150g/m2・24h(JIS Z 0208-19
76)、好ましくは少なくとも300g/m2・24h(J
IS Z 0208-1976)であり、かつ耐水圧が少なくとも10
0cm/cm2(JIS L 1092)という条件を満たすよう
な割合であれば、特に制限されない。
【0024】かかる条件を満たす細骨材と微細骨材の混
合割合としては、骨材100重量部あたりの微細骨材の
割合が5〜90重量部となるような範囲から適宜選択す
ることができるが、一例として10〜70重量部、又は
10〜60重量部を挙げることができる。好ましくは1
0〜50重量部の割合である。また、上記条件を満たす
骨材の配合割合としては、セメント100重量部に対す
る骨材の割合が1〜300重量部となるような範囲から
適宜選択することができるが、一例として60〜300
重量部、又は10〜250重量部、又は60〜250重
量部、又は10〜200重量部、又は60〜200重量
部、又は10〜150重量部、又は10〜100重量部
の範囲を挙げることができる。なお、本発明において
は、上記微細骨材として微粉骨材を用いることもでき
る。
【0025】本発明においてシート基材の塗布に使用さ
れるいわゆる被覆用組成物は、例えば、上記セメントに
前述する樹脂エマルジョン等のポリマー成分及び骨材を
添加、混合して、水と共に混練りして調製することがで
きる。なお、上記成分の配合の順番は特に制限されな
い。
【0026】このような被覆用組成物から調製される本
発明の屋根用下葺材は、拘束されないがとりわけ骨材の
組成並びに配合割合に基づいて、好適には300g/m
2・24h(JIS Z 0208-1976)以上の透湿度、より好ま
しくは400g/m2・24h以上の透湿度、更に好ま
しくは500g/m2・24h以上の透湿度を備えるこ
とができる。
【0027】なお、本発明で用いる被覆用組成物には、
本発明の効果を損なわない限り、上記成分に加えて他の
成分を配合してもよく、例えばベントナイト、珪藻土、
酸性白土、カオリン、イソライト等の無機充填材;アル
ミニウムステアレート、メチルセルローズ、ポリビニル
アルコール、ケイ酸系、カゼイン酸ソーダ等、建築用吹
付材や塗料などに一般に使用される増粘剤やシックナ
ー;リグニン系、ナフタレン系、メラニン系、カルボン
酸系などの一般にセメントに使用される減水剤又は流動
化剤;群青、二酸化チタン、セラミック顔料等の顔料;
炭酸カルシウム等、その他の添加剤を挙げることができ
る。また、電磁波吸収材も配合することができる。電磁
波吸収材としては、例えば炭素粉末等が挙げられるが、
これらに限定されない。かかる電磁波吸収材の配合割合
は、本発明の屋根用下葺材の可撓性等の特性を損なわな
い割合であれば特に制限されない。また制限はされない
が、一例としてセメント100重量部に対して炭素粉末
を10〜30重量部程度配合する例を挙げることができ
る。
【0028】本発明で用いられる被覆用組成物は、前述
するように各種成分を水とともに混練りして調製するこ
とができる。この際、セメントは水と反応してセメント
水和物を形成し、その一方で、ポリマー成分に含まれる
樹脂はセメント中のカルシウムイオン及び鉄イオンによ
って架橋し、また水と反応して接着性を有するポリマー
を形成する。当該組成物は水との混練状態で流動性が増
大して高いワーカビリティーを有する。
【0029】このような適度な粘度を有する組成物は、
次いで多孔性繊維質シート材に塗布して硬化させる。そ
の結果、セメント水和物と骨材とが樹脂から形成される
ポリマーを介して強固に結合し、曲げ強度、引張り強度
が増大し、防水性が向上する。また樹脂成分の働きによ
って、被塗布材である多孔性繊維質シート材に対する接
着力、固着力が増加するとともに、耐磨耗性が増加し、
更に耐候性、耐熱性が大幅に改善される。
【0030】本発明で用いる多孔性繊維質シート基材
は、それ自体可撓性を有するものであって、ポリマー成
分、セメント及び骨材から構成されるセメント被覆層が
有する透湿性を妨げないものであれば特に制限されな
い。好ましくは、被覆層とシート基材との接着強度、及
びシート基材を中間層として両側面に配される被覆層同
士の接着強度をより高めるために、シート基材は多孔性
の繊維質のものを例示することができる。
【0031】かかるシート基材としては、例えば、ガラ
ス繊維、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリアミド、ビニロン等の合成繊維などを構成
素材として得られる多孔性の織布や不織布、編み物等を
挙げることができる。なお、上記素材は、1種単独で用
いられても、また2種以上を任意で組み合わせて用いる
こともできる。2種以上の素材を組み合わせる例として
は、不飽和ポリエステル樹脂をガラス繊維で補強した繊
維(FRP)、ポリプロピレン樹脂をガラス繊維で補強
した繊維、エポキシ系樹脂をガラス繊維で補強した繊維
を挙げることができる。好ましくは、ガラス繊維を含む
不織布、より好ましくはポリプロピレン樹脂をガラス繊
維で補強した繊維からなる不織布である。
【0032】これらのシート基材の坪量(単位面積あた
りの重量)は、特に制限されないが、通常10〜100
g/m2であり、好ましくは30〜80g/m2、より好
ましくは50〜70g/m2である。繊維密度が小さす
ぎると得られる屋根用下葺材の強度が実用上不十分で好
ましくなく、また坪量が大きくなると繊維密度が大きく
なりすぎて被覆用組成物の繊維孔への均一な含浸、被着
が期待できず、得られる防水シートの防水性が不十分な
ものとなる。また、坪量の増大に伴って得られる防水シ
ートが厚くなってしまうという問題がある。
【0033】シート基材の厚さは特に制限されないが、
通常0.1〜0.5mm、好ましくは0.15〜0.4
mm、より好ましくは0.2〜0.3mmを例示するこ
とができる。またシート基材は、適度な引張強度、引張
伸度及び引裂強度を有していることが好ましい。
【0034】シート基材の大きさや形状は適宜選択する
ことができ、例えば幅1m程度の反物を用いることがで
きる。
【0035】本発明の屋根用下葺材は、上記シート基材
の一面又は両面に被覆用組成物を、水の通過を防止する
とともに透湿性を確保する厚さに塗布・含浸することに
よって得ることができる。屋根用下葺材の軽量化という
観点からは、塗膜の厚さはできるだけ薄く、しかも所望
する防水性、好ましくは少なくとも耐水圧100g/m2・2
4hの防水性を備えているものが望ましい。
【0036】通常最終製品としての屋根用下葺材の厚さ
は上記条件を満たすものであれば特に制限されないが、
通常0.4〜3mm、好ましくは0.4〜2mm、好ま
しくは0.4〜1.4mm、好ましくは0.4〜1.2
mm、より好ましくは0.5〜1mm、更に好ましくは
0.5〜0.7mmの範囲にあることが望ましい。また
本発明の屋根用下葺材の重量は、1kg/m2以下と軽
量であるほど好ましい。例えば0.9kg/m2以下、
好ましくは0.7kg/m2以下であり、例えば0.4
〜0.8kg/m2、場合によっては0.5〜0.8k
g/m2、好ましくは0.6〜0.75kg/m2の範囲
のものを例示することができる。
【0037】シート基材への被覆用組成物の塗布・含浸
方法は、特に制限されず、ロールコーター、スプレー、
フローコーター等を用いる方法を挙げることができる。
【0038】一例として圧縮空気を用いた吹き付け法に
よれば、例えば、まず適量の水で適当な粘度に調製した
被覆用組成物を多孔性繊維質シート基材の一面に吹き付
ける。この吹き付けによって、被覆用組成物はシート基
材の表面に塗膜を形成するとともに、シート基材の繊維
間や孔を介して内部に含浸され、一定時間後にシート基
材と一体化する。その際、被覆用組成物がシート基材の
繊維間や孔内に浸透・含浸することが本発明をより有用
なものとする。この場合、組成物に含まれる樹脂成分が
セメントと骨材を強固に結合するとともに、繊維を抱合
して、塗膜層(被覆層)とシート基材を一体化して層間
剥離を確実に防止する。
【0039】次いで、シート基材の反対面に同様に被覆
用組成物を吹き付け、一定時間放置する。これにより、
被覆用組成物から形成される塗膜(被覆層)がシート基
材という中間層を介して一体化形成されて本発明のシー
ト状の屋根用下葺材が形成される。また、シート基材の
両面から同時に被覆用組成物を吹き付けて、一定時間放
置して硬化させて本発明の屋根用下葺材を調製すること
もできる。
【0040】なお、シート基材に塗布した被覆用組成物
を乾燥、硬化させる方法は、特に制限されないが、シー
ト基材に被覆用組成物を塗布後、適度な湿度下で陰干し
するか又はそれに準じた条件下での乾燥方法を挙げるこ
とができる。生産性の観点からは、シート基材に被覆用
組成物を塗布した後、高湿度条件下に置き、かかる環境
下でセメント被覆層に含まれる水分を除く工程(除湿工
程)を採用することが好ましい。その後、適宜加温処
理、風乾処理及び冷却処理等の各種工程を組み合わせて
行うことができる。なお、上記除湿工程は冷却しながら
行ってもよく、また室温下で行うこともできる。本発明
の屋根用下葺材は、上記の如く、多孔性繊維質シート基
材に被覆用組成物を塗布後、高湿度下で除湿して乾燥さ
せることによって、より可撓性及び柔軟性の高いシート
として調製される。
【0041】本発明の屋根用下葺材は、セメント被覆層
(塗膜層)(2)を多孔性繊維質シート基材(3)の一
面側だけに有するものであってもよいし、また両面とも
に有するものであってもよい(図1参照)。屋根下葺材
として使用される場合には、シート基材の両面にセメン
ト被覆層を有するものが好ましい。この場合、組成物に
含まれる骨材により、その両表面は多数の突起が形成さ
れて粗れており、これによって滑り止め機能が発揮され
る。このため施工者は該シート上での下葺き乃至は瓦葺
き作業を極めて安全に行うことができる。
【0042】本発明の屋根下葺材は、1例として厚さ
0.4〜2mm、好ましくは0.4〜1.4mm、幅1
m、長さ20〜40mのものをロール状に巻いた状態で
提供することができる(図2参照)。
【0043】本発明の屋根下葺材(1)は、例えば図3
及び図4に示すように、屋根の野地板(4)の上に、野
地板に釘(6)打ちすることによって屋根材に固定され
る。シートの端は、シート同士を重ね合わせるように敷
設することが好ましい。尚、下葺材の屋根材への固定
は、下葺材の上に桟木を配し、その桟木の上から釘打ち
することによっても可能であり、図4の例に制限されな
い。
【0044】被覆層をシート基材の一面側にのみに有す
る屋根下葺材の場合、予め建築物の施工面に接着剤を付
しておき、該面に貼付・被着することもできるが、貼付
・被着施工時の作業効率や薄物の取り扱い性を考慮し
て、予めセメント被覆層とは反対側のシート基材表面に
所望の接着剤を塗布して接着層を設けておくこともでき
る。なお当該接着層の接着部は、シート基材の一面全部
に形成されても、またその一部に形成されてもよい。ま
たかかる場合、屋根用下葺材が使用されるまで接着層が
剥離フィルム等の剥離層で保護されていることが好まし
い。
【0045】なお接着層に使用される接着剤は特に制限
されず、屋根用下葺材を適用する建築物の施工面に適し
た接着剤のいずれもが使用できる。剥離フィルムとして
は、制限はされないが、例えばポリエチレンフィルムや
表面加工した紙類を挙げることができる。
【0046】本発明の屋根用下葺材は、十分な防水機能
を有する一方で、優れた通気性並びに透湿性を有する。
このため、雨水等が屋根材を通じて構造物内部に侵入す
ることを確実に防止することができるとともに、屋根材
の内部から水分を水蒸気として速やかに通過させて大気
中に放出することができる。このため、家屋の湿気によ
る傷みを防止できるとともに、衛生的な住環境を提供す
ることができる。
【0047】更に、本発明の屋根用下葺材によれば、上
から釘打ちしても、セメント被覆層に配合されるセメン
ト、ポリマー成分及び骨材の相互作用並びに骨材中に含
まれる細骨材と微粉骨材の相互の働きに基づいて、屋根
用下葺材が釘に弾性的に絡まり釘穴シール性が向上する
ため、釘打付部からの水の侵入を更に一層確実に防止す
ることができる。
【0048】また本発明の屋根用下葺材は実用上好まし
い強度と可撓性を有している。このため、施工面が局面
をなしている場合であっても、容易に該面に沿って屋根
用下葺材を施工することができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例等を用い
て具体的に説明する。ただし、これらの実施例等は本発
明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例に何ら限定さ
れるものではない。実施例1 多孔性繊維質シート基材として、ポリプロピレン熱圧着
タイプ・スパンボンド不織布(ジオテキスタイル「テク
トン」#3201:蝶理株式会社製)を用いた。なお、
かかるシート基材は下記の物性を有している。
【0050】 引張強度 タテ×ヨコ 25×25 kgf/2.5cm(試験方法JIS L-1096) 引張伸度 タテ×ヨコ 60×60% (試験方法JIS L-1096) 引裂強度 タテ×ヨコ 15×15 kgf (試験方法JIS L-1096) 坪量 60 g/m2 (試験方法JIS L-1096) 厚み 0.26 mm (試験方法JIS L-1085) 透水係数 2.8×10-2cm/sec(試験方法JIS A-1218) 下記の処方からなる原材料を混練りして被覆用組成物を
調製し、上記シート基材の一表面に、塗布乾燥重量が3
20g/m2となる割合で、スプレーガンを用いて吹き
付け塗布した。次いで塗布表面に水蒸気をあてながら除
湿し(20℃)、80℃の温風のもとで数分間乾燥させ
た。
【0051】 <被覆用組成物処方> 普通ポルトランドセメント 100重量部 アクリル−スチレン系樹脂エマルジョン 100重量部 [粘度1900±500cp(BM型,12rpm/25℃)、固形分54±2%] 細骨材 48重量部 微細骨材(0.6mm篩85%以上通過) 32重量部 水 適 量 次いで、その裏面に同じ処方の組成物を同様にスプレー
塗布し、蒸気存在下で除湿、乾燥して、本発明のシート
状屋根用下葺材(重さ700g/m2:試験方法JIS L-1
096)を調製した。得られた屋根用下葺材の厚さは、1
mm(試験方法JIS L-1085)であった。また該下葺材
は、上記シート基材が有する引張強度及び引裂強度以上
の強度を保有していた。更に上記シート基材の引張伸度
も殆ど損なわれず、また可撓性に優れており、引張った
り折り曲げてもひび割れや亀裂がみられなかった。
【0052】実施例2 下記の処方からなる原材料を混練りして調製した被覆用
組成物を用いて、上記シート基材の一表面の塗布乾燥重
量が300g/m2となる割合で、シート基材にスプレ
ー塗布する以外は、実施例1と同じ方法で屋根用下葺材
(重さ660g/m2:試験方法JIS L-1096)を調製し
た。
【0053】 <被覆用組成物処方> 普通ポルトランドセメント 100重量部 アクリル−スチレン系樹脂エマルジョン 150重量部 [粘度1900±500cp(BM型,12rpm/25℃)、固形分54±2%] 細骨材 70重量部 微細骨材(0.3mm篩85%以上通過) 30重量部 水 適 量 得られた屋根用下葺材は、厚さが1.4mm(試験方法
JIS L-1085)であり、また実施例1と同様に優れた引張
強度、引張伸度、引裂強度及び可撓性を有していた。
【0054】実施例3 下記の処方からなる原材料を混練りして調製した被覆用
組成物を用いて、実施例1で使用するシート基材と同じ
シート基材の一表面に、塗布乾燥重量が600g/m2
となる割合でスプレーガンを用いて吹き付け塗布し、塗
布表面に水蒸気をふき当てながら、20℃下で除湿器を
使用して乾燥させた。次いで、その裏面のシート基材上
にアクリル系の接着剤を塗布した。更に該接着層をポリ
エチレン製の剥離フィルムで覆って、片面のみにセメン
ト被覆層を有する本発明の屋根用下葺材(重さ650g
/m2:試験方法JIS L-1096)を調製した。 <被覆用組成物処方> 普通ポルトランドセメント 100重量部 アクリル−スチレン系樹脂エマルジョン 80重量部 [粘度1900±500cp(BM型,12rpm/25℃)、固形分54±2%] 細骨材 60重量部 微細骨材(0.6mm篩85%以上通過) 10重量部 水 適 量 得られた屋根用下葺材は、厚さが0.8mm(試験方法
JIS L-1085)であり、また実施例1と同様に優れた引張
強度、引張伸度、引裂強度及び可撓性を有していた。
【0055】実施例4〜10 表1記載の処方からなる原材料に水を適量入れて混練り
して調製した被覆用組成物を用いて、実施例1で使用す
るシート基材と同様のシート基材の一表面に、塗布乾燥
重量が320g/m2となる割合で、フローコーターを
用いて塗布し、25℃で湿度30〜80%の下で数分乾
燥させた。次いで、80℃の温風をかけ、適宜冷却し
た。次いで、その裏面に同じ処方の被覆用組成物を同様
にフローコーターを用いて塗布し、同様に除湿処理後、
乾燥させて、本発明の屋根用下葺材を得た。なお表中、
ポリマー成分の配合割合は、ポリマー成分に含まれる固
形分の配合割合を示す。
【0056】
【表1】
【0057】得られた屋根用下葺材(実施例4〜10)
はいずれも、実施例1と同様に優れた引張強度、引張伸
度、引裂強度及び可撓性を有していた。
【0058】<試験例>上記実施例1〜10で調製した
屋根用下葺材について、下記の試験を行った。試験例1 耐水圧試験 屋根用下葺材の防水性(耐水性)は、JIS L 1092「繊維
製品の防水性試験法」(A法(低水圧法)静水圧法)に
基づいて評価した。具体的には、試験は屋根用下葺材か
ら約20cm×20cmの試験片を4枚ずつ切り取り、
耐水試験器(WP−5P、株式会社大栄化学精器製作所
製)に試験片の表面が水にあたるように取り付け、1分
間に60±3cm/分の割合で水圧を加え、試験片の裏
面側に3箇所から水が出たときの水圧を測ることによっ
て行った。なお、水滴が現れてから大きくならない非常
に小さい水滴は計算にいれない。屋根用下葺材の耐水性
は4回試験を行った結果の平均値から、下記の基準に従
って評価した。 <評価基準> ◎:200cm/cm2・24h以上の耐水圧がある ○:100〜200cm/cm2・24h以上の耐水圧
がある ×:耐水圧が100cm/cm2・24hを満たない。
【0059】試験例2 透湿性試験 屋根用下葺材の透湿性は、JIS Z 0280-1976「防湿包装
材料の透湿試験方法(カップ法)」に基づいて評価し
た。具体的には、試験はまず透湿カップ内に吸湿剤(塩
化カルシウム)を入れ、この透湿カップの口に直径70
mmに裁断した屋根用下葺材(試料)をのせて、パッキ
ン及びリングを蝶ナットで固定した後、透湿カップと試
料の接合部をビニル粘着テープでシールして試験体とし
た。この試験体を40±2℃、90±5%RHの恒温恒
湿装置内に所定時間放置した。1時間後に試験体を取り
出し、質量を測定し、測定後再び恒温恒湿装置内に置
き、4時間後に取り出して、質量を測定し、次式によ
り、透湿度を、下葺材(1m2当たり)を通過した水蒸
気の質量(g)として求めた。
【0060】<式> 透湿度(g/m2・24h)=240×(a2−a1)/
4h×s a2−a1:試験を行った最後の2つの秤量間隔・増加質
量の合計(g) 4h :4時間 s :透湿面積(cm2)。
【0061】<評価基準> ++++:600g/m2・24h以上の透湿度がある +++:400g/m2・24h以上の透湿度がある ++:300g/m2・24h以上の透湿度がある +:150g/m2・24h以上の透湿度がある −:透湿度が150g/m2・24hを満たない。
【0062】試験例3 耐沸騰水試験 屋根用下葺材の耐久性の評価指標の1つとして、耐沸騰
水試験を行った。具体的には、試験片(100mm×1
00mm)を沸騰水の中に1時間浸し、その後取り出し
て外観上の変化(膨れや浮き、亀裂やチェッキング、被
覆層の剥離、層間剥離など)をみた。 <評価基準> ○:膨れや浮き、亀裂やチェッキング、被覆層の剥離、
層間剥離のいずれも見られない △:膨れや浮き、亀裂やチェッキング、被覆層の剥離又
は層間剥離の傾向が見られる ×:膨れや浮き、亀裂やチェッキング、被覆層の剥離又
は層間剥離が認められる。
【0063】試験例4 耐温水試験 屋根用下葺材の耐久性の評価指標の1つとして、耐温水
試験を行った。具体的には、試験片(100mm×10
0mm)を70℃の温水の中に12時間浸し、その後取
り出して外観上の変化(膨れや浮き、亀裂やチェッキン
グ、被覆層の剥離、層間剥離など)をみた。 <評価基準> ○:膨れや浮き、亀裂やチェッキング、被覆層の剥離、
層間剥離のいずれも見られない △:膨れや浮き、亀裂やチェッキング、被覆層の剥離又
は層間剥離の傾向が見られる ×:膨れや浮き、亀裂やチェッキング、被覆層の剥離又
は層間剥離が認められる。
【0064】試験例5 釘穴シール性試験 屋根用下葺材の使用において、釘穴シール性が実用面で
の防水性(耐漏水性)を評価する1つの指標となる。釘
穴シール性試験は、具体的には次のようにして行った。
9mm厚さのベニヤ板に屋根用下葺材を貼り、これに直
径2mm、長さ38mmの真ちゅう製釘を板を貫通して
20mm出るように打ち付けた。この釘を中心として内
径40mmの透明塩化ビニル製パイプを置いて周囲をシ
ールした後、高さ150mmまで水を入れ21±1℃の
条件で24時間静置し、釘穴からの漏水の有無を目視に
よって観察した。この試験を試料10個について行っ
た。 <評価基準> ◎:試料10個のいずれも漏水が見られなかった ○:試料10個中、1個の試料に漏水が見られた △:試料10個中、2〜5個の試料に漏水が見られた ×:試料10個中、5個以上の試料に漏水が見られた。
【0065】<結果>実施例1〜10について、上記の
試験(試験例1〜5)を行った結果を表2に示す。また
表3に、比較例として、実施例1〜10において微細骨
材の代わりに細骨材を用いて同様に調製した屋根用下葺
材(骨材として細骨材単品使用)を試験片として用いて
試験を行った結果を示す。なお、各屋根用下葺材の可撓
性についても併せて示す。 <可撓性の評価基準> ◎:鋭角に繰り返し折り曲げてもひび割れを生じない ○:鋭角に折り曲げてもひび割れしない △:折り曲げるとひび割れを生じる ×:筒状に巻くとひび割れを生じる
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】表3からわかるように、セメント被覆層中
に配合する骨材の割合を増すことによって透湿性の向上
が認められたが、同時に、透湿性と相反する性質である
耐水性が著しく低下し、更に釘穴シール性も著しく低下
して、屋根用下葺材としての機能を全く果たさなくなっ
た。また、骨材を多量に配合して調製したシート(屋根
用下葺材)は可撓性が著しく低下することによってロー
ル状にすることも困難であった。しかしながら、骨材と
して細骨材と微細骨材の混合物を配合することによっ
て、骨材の増量による透湿性の増大はそのままに、耐水
性、釘穴シール性並びに可撓性が顕著に向上し、屋根用
下葺材として望ましい機能を備えたシートが調製できる
ことが判明した(表2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】両面にセメント被覆層を有する本発明の屋根用
下葺材の断面図である。
【図2】両面にセメント被覆層を有する本発明の屋根用
下葺材(ロール状に調製)の斜視図である。
【図3】本発明の屋根用下葺材の施工例を示す図であ
る。
【図4】本発明の屋根用下葺材の屋根材への取り付け状
態を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の屋根用下葺材 2 セメント被覆層 3 多孔性繊維質シート基材 4 野地板 5 瓦 6 釘
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA10 BA12 BA16 EA22 EA23 EA24 FA21 FA40 4F100 AE01B AE01C AK01B AK01C AK07 AK12J AK25J AL01 BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 CA24B CA24C DG01A DG15 DJ00A EH46B EH46C GB07 GB90 JD04 JD05 JK07 JK13 YY00B YY00C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性繊維質シート基材の一面または両面
    にポリマー成分、セメント、骨材及び水を含む組成物を
    塗布して形成される屋根用下葺材であって、骨材が細骨
    材と微細骨材の混合物からなるものであることを特徴と
    する屋根用下葺材。
  2. 【請求項2】多孔性繊維質シート基材の一面または両面
    にポリマー成分、セメント、骨材及び水を含む組成物を
    塗布して形成される屋根用下葺材であって、セメント1
    00重量部に対して骨材を1〜300重量部及びポリマ
    ー成分(固形換算)を15〜100重量部の割合で含有
    し、且つ上記骨材が細骨材と微細骨材の混合物からなる
    ものであることを特徴とする屋根用下葺材。
  3. 【請求項3】骨材100重量部あたりに含まれる微細骨
    材の割合が10〜50重量部である請求項1又は2記載
    の屋根用下葺材。
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