JP3870720B2 - 屋根下葺材 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建物の勾配を有する屋根の施工に用いられる屋根下葺材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋根の施工においては、例えば屋根下葺材を野地材に釘やステープルを用いて固定し、屋根材をその上に乗せる。屋根下葺材としては、一般に、アスファルトを含浸させた紙や布等から成るアスファルトルーフィング材が用いられている他、ポリ塩化ビニルシートやポリエチレン樹脂シートが用いられている。そして、これらの屋根下葺材を用いることによって、屋根の防水性を高めている。
【0003】
アスファルトルーフィング材は、屋根材の裏側に進入した雨水を遮断する優れた防水性を有しているが、湿気や水蒸気を自由に通過させる透湿性を有していない。従って、屋根裏の換気が不十分な場合や、寒冷地等における建物にて使用した場合、屋根材とアスファルトルーフィング材との間、あるいはアスファルトルーフィング材と野地材との間に結露が生じるという問題を有する。
【0004】
また、アスファルトルーフィング材には、作業者がその上を歩行するとき、滑り易いといった問題もある。更には、夏場には高温のためアスファルトが軟化し、作業者の靴裏にべとつきが生じるといった問題もある。
【0005】
また、アスファルトルーフィング材は、その性能が劣化し易く、長期間にわたって防水性を保持することが困難である。加えて、アスファルトルーフィング材を野地材に釘やステープルを用いて固定するが、アスファルトルーフィング材は寸法安定性が悪く収縮し易いので、釘穴やステープル穴が大きくなる傾向にあり、かかる釘穴やステープル穴から雨水等が屋根裏に侵入し、野地材や屋根材が腐食するといった問題がある。
【0006】
ポリ塩化ビニルシートやポリエチレン樹脂シートを屋根下葺材として用いた場合にも、これらの材料は寸法安定性が悪く収縮し易いので、釘穴が大きくなる傾向にあり、かかる釘穴から雨水等が屋根裏に侵入するといった問題があるし、これらの材料は滑り易い。また、これらの材料は、湿気や水蒸気を自由に通過させる透湿性を有していないという問題もある。
【0007】
また、特開平4−309649号公報には、アスファルトを用いない屋根下葺材として、フラッシュ紡糸法による不織布を用いて、釘穴シール性、特に釘軸廻り水密シール性を改善することを目的として、不織布の表面の釘打ち込み部分に伸縮性、粘着性の樹脂を塗布することが記載されている。しかしながら、この特許に開示された屋根下葺材は、樹脂を塗布し、乾燥する工程が煩雑であるとともに、樹脂の塗布量の低減化とそのコントロールに難点があり、得られた下地材も作業者が特に降雨時に滑り易いといった問題点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであって、その目的は、優れた防水性および透湿性を兼備し、かつ釘孔シール性に優れ、しかも防滑性に優れるとともに作業者の靴裏にべとつきが生じ難い屋根下葺材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために次の構成とするものである。すなわち、(1)粒径が0.1〜1000μmの粒状無機物を含有する防水性および透湿性を有する透湿防水層の少なくとも一層と、はっ水度が3以上で、かつ繊度が0.01〜10dtexの繊維からなる不織布層の少なくとも一層とが積層されてなることを特徴とする屋根下葺材。
【0010】
(2)前記粒状無機物が、前記透湿防水層を形成する樹脂固形分100質量部に対して100〜5000質量部含有することを特徴とする前記(1)に記載の屋根下葺材である。
(3)前記透湿防水層のはっ水度が3以上であることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかに記載の屋根下葺材である。
(4)前記不織布層の見かけ密度が0.15g/cm3以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の屋根下葺材である。
(5)耐水圧が300mmH2O以上で、かつ透湿度が500g/m2/24hrs以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の屋根下葺材である。(6)片面もしくは両面に防滑層が積層されてなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の屋根下葺材である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記課題、すなわち防水性および透湿性、釘孔シール性に優れ、しかも防滑性や作業者の靴裏にべとつきが生じ難い屋根下葺材を提供するために鋭意検討したところ、透湿防水層に粒状無機物を含有させることによって、釘孔シール性を改善できることを見出した。以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明で透湿防水層中に含有させる粒状無機物としては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、酸化チタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、粒状有機物等と併用してもよい。粒状無機物の粒径は、0.1〜1000μmの範囲内にあることが好ましい。0.1μmより小さくなると、そのような粒状無機物を得ること自体が困難となる。1000μmより大きくなると、所望の釘孔シール性を得ることができないので好ましくない。
【0013】
本発明における粒状無機物の含有量は、透湿防水層を形成する樹脂固形分100質量部に対して100〜5000質量部であることが好ましい。100質量部より小さくなると、所望の釘孔シール性を得ることができないので好ましくない。5000質量部より大きくなると、該透湿防水層に均一に分散させることが難しくなるので好ましくない。粒状無機物を含有させる方法としては、例えば、炭酸カルシウム等をウレタン系やアクリル系樹脂等に均一分散したものを、ナイフコーティング等によってコーティング加工を行えばよい。
【0014】
本発明の屋根下葺材を構成する不織布の繊度は、0.01〜10dtexである。繊度が0.01dtexより小さくなると、所望の力学特性が得られなかったり、不織布製造時に紡糸安定性の低下を招いたりするので好ましくない。一方10dtexより大きくなると、所望の釘孔シール性を得るためには目付をかなり大きくする必要があり、コスト高を招くので好ましくない。
【0015】
本発明における不織布は、短繊維不織布あるいは長繊維不織布のどちらでもよいが、力学的特性の観点から長繊維不織布の方が好ましい。また、その製造法も特に限定されないが、好ましい方法としては、例えば短繊維不織布であれば、カーディング法やエアレイ法等が挙げられ、長繊維不織布であれば、スパンボンド法やメルトブロー法等が例示される。
【0016】
本発明における不織布を構成する繊維は、熱可塑性樹脂からなる合成繊維が好ましいが、必要に応じて天然繊維や再生繊維、半合成繊維、無機繊維等を混綿あるいは混繊したものであってもよい。また、合成繊維についても繊維形成能を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸を共重合した低融点ポリエステル等のポリエステル類、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二〜三元共重合体等のポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類、もしくはこれらの混合物や共重合体などを用いることができる。また、単一成分系の合成繊維に限定される理由もなく、芯鞘型や偏心芯鞘型、並列型、海島型等の多成分系であってもよく、繊維断面の形状にも格別の制限はない。また、必要に応じて、例えば、艶消し剤や顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、結晶核剤、難燃剤などの各種添加剤を併用することも可能である。更に、釘孔シール性の改善を目的として、繊維に吸水性樹脂等を担持させてもよい。
【0017】
本発明における不織布のはっ水度は、3以上である。より好ましくは、4以上である。はっ水度が2以下となると、所望の釘孔シール性を得ることができない。
【0018】
不織布のはっ水度を3以上とするためには、フッ素系やシリコン系、ワックス系などのはっ水剤を含浸法やスプレー法等の加工法を用いて処理した後、乾燥およびキュアリングを行えばよい。
【0019】
本発明における透湿防水層を形成する方法としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等の透湿防水性樹脂を公知のコーティング法やラミネート法、あるいは含浸法によって形成することができるが、これらに何ら限定されるものではない。また、必要に応じて、例えば、艶消し剤や顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤などの各種添加剤を樹脂と併用することも可能である。更に、吸水性樹脂等を含有させ、その吸水時膨潤によって釘孔シール性を改善することも可能である。
【0020】
透湿防水層のはっ水度は、3以上であることが好ましい。より好ましくは、4以上である。はっ水度が2以下となると、釘孔シール性の低下を招く恐れがあるので好ましくない。
【0021】
透湿防水層のはっ水度を3以上とするためには、フッ素系やシリコン系、ワックス系などのはっ水剤を含浸法等の加工法を用いて処理した後、乾燥およびキュアリングを行えばよい。
【0022】
本発明における不織布の見かけ密度は、0.15g/cm3以上であることが好ましい。より好ましくは、0.20g/cm3以上である。更に好ましくは、0.25g/cm3以上である。見かけ密度が0.15g/cm3より小さくなると、所望の釘孔シール性を得ることが難しくなるので好ましくない。
【0023】
不織布の見かけ密度を0.15g/cm3以上とするためには、紡糸・延伸・開繊・捕集によって得られた不織ウェブをエンボスカレンダーやプレーンカレンダーで部分あるいは全面熱圧着した不織布を用いる方法や、不織ウェブにニードルパンチ加工および/または樹脂含浸加工を施したものを前記と同様にして部分あるいは全面熱圧着した不織布を用いる方法等が挙げられるが、これらに何ら限定されるものではない。
【0024】
本発明の屋根下葺材は、耐水圧が300mmH2O以上で、かつ透湿度が500g/m2/24hrs以上であることが好ましい。より好ましくは、耐水圧が500mmH2O以上で、かつ透湿度が700g/m2/24hrs以上である。耐水圧が300mmH2Oより小さくなると、屋根下葺材としての防水性に劣るので好ましくないし、また、透湿度が500g/m2/24hrsより小さくなると、結露を充分に抑えることが難しくなるので好ましくない。
【0025】
本発明の屋根下葺材は、片面もしくは両面に防滑層が存在していることが好ましい。これによって勾配屋根の下葺材または上葺材の施工時に滑ることがなく、雨などで下葺材表面が濡れていても作業者が滑って事故となるようなことを防ぐことができる。具体的な防滑加工としては、例えば、骨材や発泡材、各種粉体などをバインダーを用いて接着させる方法、ホットメルト材等を熱溶融して接着性を発揮するものをドット状、あるいは筋状に接着させる方法等が挙げられるが、これらに何ら限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、下記実施例および比較例で用いた評価法は下記の通りである。
(1)ポリエチレンテレフタレートの極限粘度[dl/g]
フェノールとテトラクロロエタンの6:4質量混合溶液を溶媒として、溶媒25mlに試料0.1gを溶解し、温度30℃の条件で常法によって測定した。
(2)繊度[dtex]
走査型電子顕微鏡で撮影した表面写真を用いて繊維径をn=20で測定し、密度補正を行って算出した。
【0027】
(3)目付[g/m2
JIS L 1906に準拠して測定した。
(4)厚さ[mm]
JIS L 1906に準拠し、荷重2kPaで測定した。
(5)見かけ密度[g/cm3
上記(3)、(4)で測定した目付および厚さを用いて、下記の式から算出した。
見かけ密度=目付/(厚さ/103)/106
【0028】
(6)はっ水度
JIS L 1092 はっ水度試験(スプレー試験)に準拠して測定した。
(7)耐水圧
JIS L 1092 耐水度試験(静水圧法)A法(低水圧法)に準拠して測定した。
(8)透湿度
JIS L 1099 塩化カルシウム法に準拠して測定した。
【0029】
(9)釘孔シール性
図1に模式的に示すように、12mm厚の合板上に直径100mmの円形のろ紙を置き、このろ紙上に測定試料を置く。そして、特殊釘(直径3mm,長さ25mm)を測定試料とろ紙の上から釘の頭が10mm程度残るように合板に打ち込んだ後、内径40mm、高さ100mmの塩化ビニル樹脂製パイプを測定試料の上に置く。そして、塩化ビニル樹脂製パイプの底部と測定試料との間から水が漏れないように接着剤でシーリングを行う。その後、塩化ビニル樹脂製パイプ内に高さ30mmまで着色水を注入し、24時間放置する。そして、塩化ビニル樹脂製パイプ内の水位低下およびろ紙の着色状態を観察する。
【0030】
(10)引張強さ[N/5cm]
JIS L 1906に準拠して測定した。
(11)引裂強さ[N]
JIS L 1906に準拠して測定した。
【0031】
実施例1
極限粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートをスパンボンド法によって紡糸、冷却、延伸、開繊、捕集し、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付100g/m2の不織ウェブを製造し、これをエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着し、長繊維不織布を製造した。次に、該長繊維不織布に明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)を用いてパッド、ドライ、キュア処理を行い、撥水加工を行った。この時の撥水剤の付着量は3g/m2であった。さらに、該長繊維不織布に透湿防水層として25質量%が日本ゼオン社製のアクリル系樹脂バインダー(商品名:Nipol LX811)、70質量%が日東粉化工業社製の炭酸カルシウム(商品名:NCC−110,平均粒径2μm)、5質量%が明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)となるように調合し、均一分散させて得られたコーティング剤を、ナイフコーティングにより塗布量が400g/m2となるように加工を行った。この時、炭酸カルシウムは280g/m2塗布されたことになる。得られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
【0032】
実施例2
実施例1と同様の方法で、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付100g/m2の不織ウェブを製造し、これをエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着し、長繊維不織布を製造した。次に、該長繊維不織布に明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)を用いてパッド、ドライ、キュア処理を行い、撥水加工を行った。この時の撥水剤の付着量は3g/m2であった。さらに、該長繊維不織布に透湿防水層として5質量%が日本ゼオン社製のアクリル系樹脂バインダー(商品名:Nipol LX811)、94質量%が日東粉化工業社製の炭酸カルシウム(商品名:NCC−110,平均粒径2μm)、1質量%が明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)となるように調合し、均一分散させて得られたコーティング剤を、ナイフコーティングにより塗布量が400g/m2となるように加工を行った。この時、炭酸カルシウムは376g/m2塗布されたことになる。得られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
【0033】
実施例3
実施例1と同様の方法で、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付105g/m2の不織ウェブを製造し、これにニードルパンチ加工を行って三次元的に交絡させ、さらに、二組のフラットロールからなる熱圧着装置を用いて全面的に熱圧着し、目付100g/m2の長繊維不織布を製造した。次に、該長繊維不織布に明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)を用いてパッド、ドライ、キュア処理を行い、撥水加工を行った。この時の撥水剤の付着量は3g/m2であった。さらに、該長繊維不織布に透湿防水層として25質量%が日本ゼオン社製のアクリル系樹脂バインダー(商品名:Nipol LX811)、70質量%が日東粉化工業社製の炭酸カルシウム(商品名:NCC−110,平均粒径2μm)、5質量%が明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)となるように調合し、均一分散させて得られたコーティング剤を、ナイフコーティングにより塗布量が400g/m2となるように加工を行った。この時、炭酸カルシウムは280g/m2塗布されたことになる。得られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
【0034】
比較例1
実施例1と同様の方法で、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付100g/m2の不織ウェブを製造し、これをエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着し、長繊維不織布を製造した。次に、該長繊維不織布に透湿防水層として90質量%が日本ゼオン社製のアクリル系樹脂バインダー(商品名:Nipol LX811)、9質量%が明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)、1質量%が東亜合成社製の増粘剤(商品名:アロンA−20L)となるように調合し、均一分散させて得られたコーティング剤を、ナイフコーティングにより塗布量が110g/m2となるように加工を行った。得られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
【0035】
比較例2
実施例1と同様の方法で、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付100g/m2の不織ウェブを製造し、これをエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着し、長繊維不織布を製造した。次に、該長繊維不織布に透湿防水層として50質量%が日本ゼオン社製のアクリル系樹脂バインダー(商品名:Nipol LX811)、45質量%が日東粉化工業社製の炭酸カルシウム(商品名:NCC−110,平均粒径2μm)、5質量%が明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)となるように調合し、均一分散させて得られたコーティング剤を、ナイフコーティングにより塗布量が200g/m2となるように加工を行った。この時、炭酸カルシウムは90g/m2塗布されたことになる。得られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003870720
【0037】
表1から明らかなように、実施例1〜3はいずれも本発明の請求範囲内にあるので、防水性および透湿性に優れ、しかも優れた釘孔シール性を有していた。それに対し、比較例1および2は粒状無機物が含有されていない、あるいは本発明の請求範囲外の量しか含有されていないので、釘孔シール性において劣るものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも片面に、粒状無機物を含有する透湿防水層と、はっ水性に優れた不織布層とが存在することにより、優れた防水性と透湿性とを兼備し、かつ優れた釘孔シール性を有する屋根下葺材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】釘孔シール性の測定装置の概略を示す模式図である。
【符号の説明】
1…塩化ビニル樹脂製パイプ
2…着色水
3…釘
4…接着剤
5…測定試料(屋根下葺材)
6…円形ろ紙
7…合板

Claims (5)

  1. 粒径が0.1〜1000μmの粒状無機物と撥水剤を含有する防水性および透湿性を有するはっ水度が3以上の透湿防水層と、はっ水度が3以上で、かつ繊度が0.01〜10dtexの繊維からなる不織布層をそれぞれ少なくとも一層積層することを特徴とする屋根下葺材。
  2. 前記粒状無機物が、前記透湿防水層を形成する樹脂固形分100質量部に対して100〜5000質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の屋根下葺材。
  3. 前記不織布層の見かけ密度が0.15g/cm3以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の屋根下葺材。
  4. 耐水圧が300mmH2O以上で、かつ透湿度が500g/m2/24hrs以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の屋根下葺材。
  5. 片面もしくは両面に防滑層が積層されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の屋根下葺材。
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