JPH06260790A - 電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート - Google Patents

電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート

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JPH06260790A
JPH06260790A JP5184119A JP18411993A JPH06260790A JP H06260790 A JPH06260790 A JP H06260790A JP 5184119 A JP5184119 A JP 5184119A JP 18411993 A JP18411993 A JP 18411993A JP H06260790 A JPH06260790 A JP H06260790A
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Tsutomu Obayashi
勉 大林
Manabu Imoto
学 井本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種形状に対しすぐれたドレープ性および柔
軟な適応性を有する電磁波シールド性アモルファス金属
薄膜積層シートを提供する。 【構成】 複数枚のアモルファス金属薄膜リボンを並列
して形成された薄膜層と、これに結着され、かつ厚さ
0.5〜100mmの可撓性重合体発泡多孔質シート材料
層を含む被覆層とから形成された電磁波シールド性アモ
ルファス金属薄膜積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波シールド性アモ
ルファス金属薄膜積層シートに関するものである。更に
詳しく述べるならば、本発明は、柔軟でかつ適度な圧縮
弾性を有する表面を有し、かつ、電磁波シールド性にす
ぐれたアモルファス金属薄膜積層シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年エレクトロニクス機器の発達および
普及に伴い、これらの機器および、磁気記録体などを、
静電気、および電磁波の悪影響から保護することが必要
になり、この保護材料として、シート材料、例えば、被
覆用シート材料および包装用シート材料の需要が大きく
なってきている。
【0003】従来エレクトロニクス機器を静電気の影響
から保護するために、カーボン粉末、カーボン繊維、金
属箔、又は金属粉末を含有する導電性材料を含む導電性
シートが用いられている。しかし、このような従来の導
電性シートは、エレクトロニクス機器を電磁波の影響か
ら保護する目的には十分に効果があるとは云えないもの
であり、かつ、その変形(柔軟)性が不十分で、保護す
べき機器の形状にフィットしにくいものであった。
【0004】また、電磁波シールド性を有する金属薄膜
に、フィルムを貼着した積層シートが、本発明の発明者
らによって既に開発されたが、従来の金属薄膜積層シー
トは、表面が硬く弾性に乏しく、このため、この積層シ
ートをエレクトロニクス機器の被覆包装用に用いても、
これらの機器にフィットせず、また、ドレープ性やクッ
ション性も不十分であり、しかも屈曲、折り曲げにより
金属薄膜が容易に折損したり、折り目が残留したり、積
層成分層が互に他から剥離したり、或は、部分的白化、
筋むらを発生するなどの問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の電磁
波シールド性金属薄膜積層シートの問題点、すなわち、
表面の柔軟性および弾性の不足、そのために発生する屈
曲による金属薄膜の裂断・折損、および折れ目、折れ筋
の形成、成分層間の剥離に伴う白化、筋むらの発生など
の問題点を解消し、形状変形に対する柔軟な適応性、良
好なドレープ性、表面の良好な柔軟性および圧縮弾性を
有し、機器被覆包装用として有用な電磁波シールド性ア
モルファス金属薄膜積層シートを提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の電磁
波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートは、上述
の問題点を解消できるものであって、電磁波シールド性
アモルファス金属薄膜層と、このアモルファス金属薄膜
層の少なくとも1面上に結着され、かつ可撓性シート材
料からなる被覆層とを含んでなり、前記アモルファス金
属薄膜層が、複数枚のアモルファス金属薄膜リボンを互
に並行に配列して形成されたものであって、前記被覆層
の少なくとも1層が、0.5〜100mmの厚さを有する
可撓性重合体発泡多孔質シート材料層を含んでいること
を特徴とするものである。
【0007】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、アモルファス金属薄膜層の
両面に可撓性シート材料からなる被覆層が結着され、こ
の被覆層の少なくとも1層を形成する可撓性シート材料
が、可撓性重合体発泡多孔質シート材料を含むものであ
ってもよい。
【0008】また、本発明の電磁波シールド性アモルフ
ァス金属薄膜積層シートは、アモルファス金属薄膜層の
1面上に結着された被覆層が、可撓性重合体発泡多孔質
シート材料層を含み、かつ、アモルファス金属薄膜層の
他の1面上に結着された被覆層が、可撓性重合体の非多
孔質シート材料層を含むものであってもよい。本発明の
電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートに
は、アモルファス金属薄膜が使用される。
【0009】最近アモルファス金属を、その特性に基い
て、種々の用途に使用することが試みられている。一般
にアモルファス金属薄膜は、幅2.54〜10.16cm
のリボン状材料として供給されており、その幅の拡大に
関しては近い将来、幅20.32cmの小幅シートが、供
給されることが期待されている程度である。
【0010】従来は、上述のようなリボン状、又は小
(細)幅材料は、カードケース、或は小物用包装収納材
料としてのみ使用可能であって、これを100〜300
cmの広幅が要求される被覆シートなどに利用することは
殆んど不可能と考えられていた。
【0011】上述のエレクトロニクス機器の保護効果と
は、電磁波シールド手段により電磁波エネルギーを吸収
したり、或は反射したりして、エレクトロニクス機器に
電磁波エネルギーの影響が及ばないようにする効果を云
う。この電磁波シールド手段による電磁波エネルギー減
衰の程度は単位デシベル(dB)で表され、電磁波シール
ド材料としてはこの数値が大きい程減衰効果が大きく、
好ましいことになる。
【0012】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、その電磁波シールド効果
は、それに含まれているアモルファス金属薄膜のシール
ド効果にほぼ依存し、一般に、10dB以上であることが
好ましく、30dB以上であることがより好ましく、60
dB以上であることが更に好ましい。
【0013】本発明に用いられるアモルファス金属薄膜
としては、一般には鉄を主成分とし、これにホウ素、硅
素、炭素、ニッケル、コバルト、およびモリブデンなど
から選ばれた1種以上を添加して得られるアモルファス
合金から選ばれることが好ましい。例えば、アライド社
の商品名METGLAS No. 2605SC(Fe:8
1%,B:13.5%,Si:3.5%,C:2%のア
モルファス合金)、No. 2605S−2(Fe:78
%,B:13%,Si:9%のアモルファス合金)、N
o. 2605−CO(Fe:87部、B:14部、S
i:1部、Co:18部のアモルファス合金)、No. 2
826−MB(Fe:40%,Ni:38%,Mo:4
%,B:18%のアモルファス合金)などを用いること
ができる。
【0014】また、上記の鉄を主成分とするアモルファ
ス合金系の外に、コバルトを主成分とするアモルファス
合金系(例えばCo90Zr10,Co78Si1012,Co
56Cr2618,Co44Mo3620,Co34Cr28Mo20
18)、ニッケルを主成分とするアモルファス合金系
(例えばNi90Zr10,Ni78Si1012,Ni34Cr
24Mo2418)、およびその他の金属を主成分とするア
モルファス合金系(例えばPd80Si20,Cu80
20,Nb50Ni50,Ti50Cu50)等も利用できる。
【0015】また、アモルファス金属薄膜は、その電磁
波シールド性に実質的な影響のない範囲内で、有孔薄膜
であってもよい。
【0016】これらのアモルファス金属薄膜材料は、前
述のようにリボン又は細幅シートの形状で供給されてい
るので、本発明の電磁波シールド性アモルファス金属薄
膜積層シートに、これらを使用するとき、複数個のリボ
ン状、又は、細幅シート状のアモルファス金属薄膜材料
を互に並列に配列して、広幅シート状体として使用す
る。この場合、必要によりそれらの対向する側縁部を重
ね合わせてもよく、また接着剤又は半田により接着し
て、所望の幅を有する広幅シート状体としてもよい。ま
た、アモルファス金属薄膜は、アモルファス金属の粉末
を利用して形成してもよい。或は、アモルファス金属か
らなる細線から編織物状、又は不織布状シートとして、
これをアモルファス金属薄膜として用いてもよい。前述
のようなアモルファス金属薄膜は磁界に対し特にすぐれ
たシールド効果を有している。
【0017】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいてアモルファス金属薄膜層は、
アモルファス金属薄膜単独から形成されたものである
が、低周波から高周波までの広範囲の電磁波に対して、
実用上十分なシールド効果を示すことができる。
【0018】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、アモルファス金属薄膜層
は、100μm以下の厚さを有することが好ましく、1
〜70μmの厚さを有することがより好ましく、5〜5
0μmの厚さを有することが更に好ましく、10〜30
μmの厚さを有することが更に一層好ましい。
【0019】アモルファス金属薄膜層の厚さが100μ
mより大きくなると、芯層の剛性が過大となり、変形し
にくく、ドレープ性が不十分となり、鋭利な切断面を形
成して作業上危険を生ずることがある。またアモルファ
ス金属薄膜層の表面に、防錆剤その他の薄い保護膜を形
成してもよい。
【0020】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、アモルファス金属薄膜層の
少なくとも1面に、可撓性重合体の発泡多孔質シート材
料層を含む被覆層が結着される。この発泡多孔質シート
材料層を含む被覆層で被覆された電磁波シールド性アモ
ルファス金属薄膜積層シートは、好ましい柔軟性、圧縮
弾性、および衝撃や押圧に対する緩衝性を示す。
【0021】すなわち、電磁波シールド性アモルファス
金属薄膜積層シートに屈曲などの外力が作用したとき、
発泡多孔質シート材料層が、変形することによってこの
外力を吸収し、アモルファス金属薄膜の伸びおよび圧縮
を少なくし、これによってアモルファス金属薄膜の裂断
や折損を防止し、かつ永久変形(折れ目の形成)を防止
するという緩衝作用を発揮する。このような電磁波シー
ルド性アモルファス金属薄膜積層シートは、エレクトロ
ニクス機器の被覆用シート、或は、包装収納用シートと
して有用なものである。
【0022】発泡多孔質シート材料を形成するに適した
可撓性重合体材料は、天然ゴム、合成ゴム(例えばSB
R,NBR、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム、ポ
リイソブチレンゴム、フッ素含有ゴム、およびシリコー
ンゴムなど、これらはラテックス状態で用いられること
が多い)、および可撓性合成樹脂(例えば、ポリエチレ
ン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、およびポリスチレ
ン)などから、任意に選択することができる。この発泡
多孔質シート材料は、可撓性である限り硬質フォームで
あってもよいが、一般に軟質フォームであることが好ま
しい。
【0023】発泡多孔質シート材料層の気孔率は、50
〜99%(発泡倍率:2〜100倍)であることが好ま
しく、80〜98%(発泡倍率:5〜50倍)であるこ
とがより好ましい。通常は発泡倍率20〜60倍のもの
が用いられる。また、発泡多孔質シート材料層の圧縮抵
抗は、25%圧縮において、10kg/cm2 以下であれば
用途によっては実用可能であるが、一般に0.5kg/cm
2 以下であることが好ましく、0.1kg/cm2 以下であ
ることがより好ましい。
【0024】発泡多孔質シート材料層の厚さは、電磁波
シールド性アモルファス金属薄膜積層シートの用途に応
じて0.5〜100mmの範囲内にあり、1〜50mmの範
囲内にあることが好ましい。このような厚さを有する発
泡多孔質シート材料層は、アモルファス金属薄膜層の屈
曲の際に曲率を大きくして、それが局部的に伸長され、
裂断又は折損することを防止し、かつ、本発明の電磁波
シールド性アモルファス金属薄膜積層シートが全体とし
てすぐれた柔軟性、圧縮弾性および緩衝性を示すことが
できるようにする。
【0025】被覆層の発泡多孔質シート層は、アモルフ
ァス金属薄膜層に直接、又は可撓性シート材料を介して
結着されているが、発泡多孔質シートを予じめ作成して
おき、これを接着剤を用いて結着してもよく、或は、発
泡多孔質シート材料層の接合表面部分を熱溶融して、融
着してもよい。また、発泡多孔質シート材料層は、アモ
ルファス金属薄膜上で化学発泡させて形成してもよい
し、或は、気泡を含有する重合体塗料をアモルファス金
属薄膜上に塗布し、これを固化する、所謂、機械発泡法
により形成してもよい。
【0026】上述のような可撓性重合体発泡多孔質シー
ト材料層を含む被覆層は、アモルファス金属薄膜の両面
に形成されてもよく、或は、その片面のみに形成されて
もよい。後者の場合、アモルファス金属薄膜層の他の片
面に、前述のような可撓性重合体の非多孔質シート材料
層を含む被覆層が結着されていてもよい。
【0027】上述の可撓性重合体発泡多孔質シート材料
層および/又は、非多孔質シート材料層は、繊維布帛よ
りなる補強層と積層結着され、被覆層を形成していても
よい。このような繊維布帛補強層を有する本発明の電磁
波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートは、高い
機械的強度を要求される用途、例えば、重包装材料、或
は重被覆材料として有用なものである。
【0028】アモルファス金属を前述のように薄い膜状
体とすると、その引裂き強さは殆んど0に等しい程低
く、低い負荷で容易に裂断する。またこのようなアモル
ファス金属の薄膜は引張強さにおいても比較的弱く、か
つ、強度のバラツキが大きい。例えば厚さ25μmのア
モルファス金属薄膜の引張り強さを、JIS−L−10
96(1979)、「一般織物試験方法」の6.12、
引張り強さ及び伸び率6.12.1(1)A法(ストリ
ップ法)に準拠し、幅:3cm、把み間隔:20cm、引張
りスピード:200mm/分での条件で測定すると、その
引張り強さは、65〜125kg/3cm、平均100kg/
3cm程度の比較的弱いものであり、また測定値にバラツ
キが大きい。また、アモルファス金属薄膜は、一般に幅
の狭いリボン状で提供されているので、これらを並列に
配列してシート状にすると、たとえ、これらをその対向
している側縁部で、半田により、或は接着剤で接着して
も、このシートの横方向の引張り強さは不十分であり、
しかもそのバラツキが大きいという問題がある。そこ
で、重包装用、重被覆用に使用される積層シート、或は
局部的に摩擦されたり、局部的に外力が作用する用途に
用いられる積層シートは、繊維布帛補強層により補強さ
れていることが好ましい。
【0029】この補強層の繊維布帛の引張り強さは、ア
モルファス金属薄膜層の引張り強さよりも高いことが好
ましい。このような補強層は、アモルファス金属薄膜層
の引張り強さを補強し、かつ、そのばらつきを少なくす
ることができる。
【0030】また、補強層用繊維布帛として破断伸度が
5%以下のものを用いると、芯層と補強層との伸長性の
差が小さくなり、従って、両者のS−S荷重曲線は近似
し、このため基層は、比較的大きな引張り強さを示すこ
とができる。また破断伸度がアモルファス金属薄膜のそ
れと等しいか、或は、5%以下の繊維シートを補強層と
して芯層と合体すると、芯層の形成に当り、アモルファ
ス金属リボンを並列に配置しただけでよく、半田によ
る、或は接着剤によるリボンの接着は必ずしも必要でな
くなる。このような接着目のないアモルファス金属薄膜
は、継ぎ目が目立たず良好な外観を示す。
【0031】このような繊維布帛を構成する繊維として
は130kg/mm2 以上の引張り強さと5%以下の破断伸
度を有するものが好ましい。このような性能を有する繊
維の種類に格別の限定はないが下記のものが例示され
る。
【0032】 引張り強さ 破断伸度 繊 維 (kg/mm2 (%) ガラス繊維 350〜600 3〜4 炭素繊維 200〜300 1.5〜0.5 スチール繊維 240 1.7 芳香族アラミド繊維 285 2.0〜5.0
【0033】これらの高強度繊維は、上記の効果を達成
するのに有効なものであるが、低伸度を有し、屈曲強度
の低いものである。従って、電磁波シールド性アモルフ
ァス金属薄膜積層シートの用途に耐屈曲性の高いことを
要求される場合は、上記高強度繊維に高伸度の、屈曲強
度の高い他の繊維を混用することが好ましい。このよう
な高伸度繊維の種類に格別の限定はないが、それらを例
示すれば下記の通りである。
【0034】 引張り強さ 破断伸度 繊 維 kg/mm2 (%) ポリエステル繊維 約115 約13 ポリアミド(ナイロン)繊維 約100 約19
【0035】また繊維布帛補強層の表面は、電磁波シー
ルド性アモルファス金属薄膜積層シートの用途に応じ
て、必要な平滑性、又は、滑り防止性、或は、所望の色
彩、模様などを有していてもよく、この補強層の上に、
上記特性を付与する処理を施してもよいし、或は、被覆
を施してもよい。
【0036】本発明の電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートにおいて、アモルファス金属薄膜層
は、少なくとも1層の発泡多孔質シート材料層で被覆さ
れており、この発泡多孔質シート材料層は、変形容易で
あり、かつ圧縮容易である。従って、例えば、この電磁
波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートを屈曲変
形させた場合、発泡多孔質シート材料層が容易に変形し
てアモルファス金属薄膜の伸長および折損を防止し、か
つ、容易に圧縮変形して、被覆又は包装すべき機器の形
状にフィットすることができる。
【0037】以下に本発明の電磁波シールド性アモルフ
ァス金属薄膜積層シートを実施例により更に説明する。
【0038】実施例1 アモルファス合金薄膜(Fe:81%,B:13.5
%,Si:3.5%,C:2%、商標:METGLAS
No. 2605SC、アライド社製、幅7.62cm、厚
さ25μmのリボン状体)を用いた。このアモルファス
合金薄膜リボンの13枚を、互に並列に配列し、それぞ
れの側縁端を1cmづつ重ね合わせ、接着することなくシ
ート状に形成した。
【0039】この幅広アモルファス合金シートの両面に
合成ゴム系接着剤(商標:SC 12N、ソニーケミカ
ル社製)を塗布し、その上に、実施例3記載のガラス繊
維寒冷紗KS−5207を貼着し、その上に上記接着剤
により発泡倍率40倍、気孔率97.5%、厚さ5mmの
ポリウレタンフォームを貼着した。
【0040】得られた電磁波シールド性アモルファス金
属薄膜積層シートは、40dB以上の電磁波シールド性を
示した。また、この電磁波シールド性アモルファス金属
薄膜積層シートは、ガラス繊維寒冷紗の伸長変形が極め
て小さいので、未接着金属薄膜リボンのスライドやスリ
ップがなく、また、その接合部の盛り上りも殆んど目立
たないようになっていた。この電磁波シールド性アモル
ファス金属薄膜積層シートは、良好な引張強度および引
裂強度を示し、取り扱いの容易なものであった。
【0041】実施例2 実施例1と同様の操作を行った。但し、実施例1に記載
されたものと同一のアモルファス合金薄膜11枚を並列
に配列し、その隣接する側縁部を半田で接合して広幅シ
ートを作成した。また、ガラス繊維寒冷紗を使用しなか
った。得られた電磁波シールド性アモルファス金属薄膜
積層シートは、40dB以上のすぐれた電磁波シールド効
果を示した。
【0042】実施例3 実施例2と同様の操作を行った。但し、ポリウレタンフ
ォームに、予じめ寒冷紗タイプのガラス繊維布帛(商
標:KS−5207、カネボウ硝子繊維社製、厚さ:
0.1mm、目付:38g/m2 、からみ織、経(7+
7)本/25.4mm、緯7本/25.4mm、繊維引張り
強さ350kg/mm2 、繊維破断伸度3%、布帛引張り強
さ、経緯両方向各々18,20kg/2.5cm、布帛破断
伸度、経緯両方向ともに3.0%)を貼着して得られた
複合シートをアモルファス金属薄膜に接合した。得られ
た電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートは
良好な電磁波シールド性、および変形柔軟性とともにす
ぐれた引張強度および引裂強度を有し、重包装材として
有用なものであった。
【0043】実施例4 実施例3と同様の操作を行った。但し、ガラス寒冷紗の
代りに、下記組織のポリエステルフィラメント平織粗
布: を用いた。この平織布帛は、厚さ:0.3mm、目付:4
0g/m2 、布帛引張り強さ:経、緯ともに25kg/3
cm、布帛破断伸度:経緯両方向ともに15%、繊維引張
り強さ:110kg/mm2 、繊維破断伸度:13%を有し
ていた。得られた電磁波シールド性アモルファス金属薄
膜積層シートは、良好な電磁波シールド性および変形柔
軟性とともに高い引張強度および引裂強度を有し、被覆
シート、又は包装シートとして取扱いの容易なものであ
った。上記電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層
シートの繊維布帛補強層上に、レザー様の表皮を貼着
し、アモルファス金属薄膜の裏面側にナイロントリコッ
トハーフを貼着したところ、レザー状外観を有する電磁
波シールド性キャビネット被覆用シートが得られた。
【0044】
【発明の効果】本発明の電磁波シールド性アモルファス
金属薄膜積層シートは、アモルファス金属薄膜層により
良好な電磁波シールド性を示すとともに、可撓性重合体
発泡多孔質シート材料層を含む被覆層をアモルファス金
属薄膜層に積層することによって、良好な柔軟性、圧縮
弾性およびそれに伴う緩衝性が得られた。本発明の電磁
波シールド性アモルファス金属薄膜積層シートは発泡多
孔質シート材料層が屈曲の際圧縮されて陥没しアモルフ
ァス金属薄膜層は大きな曲率で屈曲されることになり、
このような発泡多孔質シート材料層の緩衝作用によりア
モルファス金属薄膜が部分的に異常に伸長されて裂断、
折損したり或は弾性体の緩衝作用により鋭く折り曲げら
れて折れすじが発生したりすることがなく、被覆シート
として、或は、包装用シートとして、有用なものであ
る。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波シールド性アモルファス金属薄膜
    層と、このアモルファス金属薄膜層の少なくとも1面上
    に結着され、かつ、可撓性シート材料からなる被覆層と
    を含んでなり、前記アモルファス金属薄膜層が、複数枚
    のアモルファス金属薄膜リボンを互に並行に配列して形
    成されたものであり、かつ、前記被覆層の少なくとも1
    層が、0.5〜100mmの厚さを有する可撓性重合体発
    泡多孔質シート材料層を含んでいることを特徴とする、
    電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  2. 【請求項2】 前記アモルファス金属薄膜層の両面に可
    撓性シート材料からなる被覆層が結着され、この被覆層
    の少なくとも1層を形成する可撓性シート材料が可撓性
    重合体発泡多孔質シート材料層を含んでいる、請求項1
    に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記アモルファス金属薄膜層の1面上に
    結着された被覆層が可撓性重合体発泡多孔質シート材料
    層を含み、かつ、前記アモルファス金属薄膜層の他の1
    面上に結着された被覆層が可撓性重合体の非多孔質シー
    ト材料層を含む、請求項1に記載の電磁波シールド性ア
    モルファス金属薄膜積層シート。
  4. 【請求項4】 前記可撓性重合体発泡多孔質シート材料
    層を含む被覆層が、この発泡多孔質シート材料層に結着
    され、かつ、繊維布帛からなる補強層を有している、請
    求項1に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜
    積層シート。
  5. 【請求項5】 前記可撓性重合体非多孔質シート材料層
    を含む被覆層が、この非多孔質シート材料層に結着さ
    れ、かつ、繊維布帛からなる補強層を有している、請求
    項3に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積
    層シート。
  6. 【請求項6】 前記並列に配列された複数枚のアモルフ
    ァス金属薄膜リボンが、その互に隣接対向している側縁
    部において互に接着されている、請求項1に記載の電磁
    波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  7. 【請求項7】 前記アモルファス金属薄膜リボンの接着
    が半田によりなされている、請求項6に記載の電磁波シ
    ールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  8. 【請求項8】 前記アモルファス金属薄膜リボンの接着
    が導電性接着剤によりなされている、請求項6に記載の
    電磁波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  9. 【請求項9】 前記アモルファス金属薄膜が100μm
    以下の厚さを有する、請求項1に記載の電磁波シールド
    性アモルファス金属薄膜積層シート。
  10. 【請求項10】 前記アモルファス金属薄膜が70μm
    以下の厚さを有する、請求項9に記載の電磁波シールド
    性アモルファス金属薄膜積層シート。
  11. 【請求項11】 前記アモルファス金属薄膜がFeを主
    成分とし、これにB,Si,C,Co,NiおよびMo
    から選ばれた少なくとも1種が添加されたアモルファス
    金属からなる、請求項1に記載の電磁波シールド性アモ
    ルファス金属薄膜積層シート。
  12. 【請求項12】 前記可撓性重合体発泡多孔質材料層が
    50〜99%の気孔率を有する、請求項1に記載の電磁
    波シールド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  13. 【請求項13】 前記繊維布帛補強層が、前記アモルフ
    ァス金属薄膜層よりも高い引張り強さを有する、請求項
    4又は5に記載の電磁波シールド性アモルファス金属薄
    膜積層シート。
  14. 【請求項14】 前記繊維布帛補強層が、5%以下の破
    断伸度を有する、請求項4又は5に記載の電磁波シール
    ド性アモルファス金属薄膜積層シート。
  15. 【請求項15】 前記繊維布帛補強層が、130kg/mm
    2 以上の引張り強さと、5%以下の破断伸度を有する繊
    維を含んでいる、請求項4又は5に記載の電磁波シール
    ド性アモルファス金属薄膜積層シート。
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JPS63107197A (ja) * 1986-10-24 1988-05-12 平岡織染株式会社 電磁波シ−ルド性金属薄膜積層シ−ト

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