JPH06212079A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06212079A
JPH06212079A JP481493A JP481493A JPH06212079A JP H06212079 A JPH06212079 A JP H06212079A JP 481493 A JP481493 A JP 481493A JP 481493 A JP481493 A JP 481493A JP H06212079 A JPH06212079 A JP H06212079A
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resin
group
thermoplastic resin
resin composition
structural unit
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JP481493A
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English (en)
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Hideyuki Sumi
英行 角
Yutaka Nakayama
豊 中山
Hiroshi Hotta
寛史 堀田
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)熱可塑性樹脂、とりわけポリオレフィ
ン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂100部に対し、(B)(メ
タ)アクリルアミド系共重合体を3〜30部配合した。 【効果】 本発明により、帯電防止効果とその持続性、
および耐熱性の優れた樹脂成形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関
し、詳しくは、帯電防止性とその持続性及び熱的特性に
優れた樹脂成形品を得るための熱可塑性樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、塩
化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂は、フィルム、袋体
などとして包装材料や自動車部品などの材料に従来から
汎用されているが、これらの熱可塑性樹脂は一般に電気
抵抗が大きく、摩擦によって容易に帯電し、塵などを吸
引するという重大な欠点があった。
【0003】そこで近年、帯電防止剤を下記(イ)、
(ロ)のように使用して、熱可塑性樹脂からなる成形品
に帯電防止性の付与が試みられている。 (イ)帯電防止剤を樹脂表面に塗布したのち乾燥する。 (ロ)内部添加型帯電防止剤を樹脂中に練り込む。
【0004】前記(イ)の方法では、帯電防止剤として
界面活性剤溶液が用いられている。しかしながら、この
ような帯電防止剤は、洗浄により容易に除去されるた
め、恒久的な帯電防止性を付与することができないとい
う欠点がある。
【0005】前記(ロ)の方法では、内部添加型帯電防
止剤としてグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、アルキルジエタノールアミド、アルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルイミダゾールの
四級塩などが用いられている。これらの内部添加型帯電
防止剤を用いた場合には、表面の帯電防止剤が洗浄によ
り失なわれた場合であっても、その内部から新たな帯電
防止剤が順次ブリードするため、帯電防止性が比較的長
期間持続するという利点がある。
【0006】しかしながら、このような内部添加型帯電
防止剤を用いた場合には、洗浄後に帯電防止性が回復す
るまでに長時間を要し、また帯電防止剤が過度にブリー
ドした場合には、粘着性が生じ、かえって塵などが付着
しやすくなるという欠点があるほか、これらの帯電防止
剤は低分子量のものであるため、たとえば高温での成形
加工時の熱により揮散するので、実質的な必要量以上の
帯電防止剤を添加する必要があるという不利益があり、
その有効量を調整することが困難であった。
【0007】前記内部添加型帯電防止剤の上記欠点を解
消するものとして、近年、メトキシ基の20〜80モル
%がジエタノールアミン変性されたポリメチルメタクリ
レート(特開平1−170603号公報)、アルコキシ
ポリエチレングリコールメタクリレートのグラフト共重
合体(特公昭58−39860号公報)、スチレン−無
水マレイン酸共重合体をイミド変性したのち、四級化し
てカチオン化したポリマー(特公平1−29820号公
報)、末端がカルボキシル基のポリメチルメタクリレー
トをグリシジルメタクリレートで末端カルボキシル基を
メタクリロイル基に変換した高分子量単量体とアミノア
ルキルアクリル酸エステルまたはアクリルアミドとのく
し型共重合体およびその四級化カチオン変性品(特開昭
62−121717号公報)、ポリアルキレンオキサイ
ド鎖を含むポリエーテルエステルアミド(特公平4−5
691号公報)などの制電性官能基を有する高分子化合
物が提案されている。しかしながら、前記高分子化合物
は、いずれも強伸度などの樹脂の物性の低下を招き、し
かも帯電防止性、およびその持続性が不充分であるなど
の欠点があった。
【0008】さらに、エチレン単位40〜90重量%と
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド60
〜10重量%の共重合体を成形したのち、無機酸塩に浸
漬して導電性樹脂成形体を得る試みもなされている(特
開昭64−54041号公報)。しかし、この方法は、
浸漬という付加的工程が必要であり、実用上問題があっ
た。
【0009】以上のような制電性官能基を有する高分子
化合物の欠点を解決すべく、本発明者らは、第四級アン
モニウム塩基含有アクリルアミド構造単位を有するポリ
エチレン共重合体を提案している(特開平4−1983
08号公報)。この共重合体を用いると、確かに帯電防
止効果とその持続性に優れたものになり、またフイルム
に成形した場合にあっては強伸度に優れたものになり、
上記した問題点におけるかなりの部分は解決されるもの
の、射出成形等により成形品にした場合、熱変形温度な
どの熱的特性に問題が生じ、成形加工品に適用しようと
する際に支障をきたした。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】この発明は、この
ような従来の問題点に着目してなされたものである。す
なわち、優れた帯電防止性と熱的特性を有する本発明の
熱可塑性樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂100重量
部(以下、単に「部」という)と、(B)下記の構造単
位が線状に配列してなる重量平均分子量1,000〜5
0,000の(メタ)アクリルアミド系共重合体3〜3
0部とを含有してなるものである。
【0011】一般式:
【化4】 (式中、Rは水素原子またはメチル基)で表わされる
ポリオレフィン構造単位65〜99モル%、 一般式:
【化5】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数
1〜12のアルキル基を示す)で表わされるアクリレー
ト構造単位および/またはメタクリレート構造単位0〜
15モル%、及び 一般式:
【化6】 (式中、Rは水素原子またはメチル基で、前記R
、Rの全てが水素原子であってはならず、少なく
とも1種がメチル基、Rは炭素数2〜8のアルキレン
基、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜1
2のアリールアルキル基または炭素数6〜12の脂環ア
ルキル基、Xはハロゲン原子、CHOSOまたはC
OSOを示す)で表わされるアクリルアミド構
造単位および/またはメタクリルアミド構造単位1〜3
5モル%。
【0012】なお、上記構造単位は、規則的に配列して
いてもよいし、不規則に配列していてもよい。
【0013】成分(A) 本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル等が例示できる
が、これらのうち、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート
樹脂を使用することが、本発明をより効果的に実施でき
る、という利点があり好ましい。
【0014】ここでポリオレフィン樹脂とは、ポリオレ
フィン類、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレ
ン−アクリルエステル共重合体などであり、これらの各
種ポリオレフィン及び共重合体のブレンドも含まれる。
なかでもポリオレフィン類を使用することが、本発明に
おいて(B)成分との相溶性が優れたものとなる、とい
う利点があり好ましい。
【0015】より詳細には、上記ポリオレフィン類は、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メ
チルペンテン−1、エチレンとα−オレフィンの共重合
体などであり、このようなポリオレフィン樹脂のうち、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレンが好ましく、その数平均分子
量としては通常5,000〜500,000のものが用
いられるが、好ましくは10,000〜200,000
のものが適合する。
【0016】また、ABS樹脂については、種類は特に
限定されず、グラフト法やポリマーブレンド法によるも
のが使用できる。また、AS樹脂(アクリロニトリル−
スチレン樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル−EP
DM−スチレン樹脂)等も使用可能であるが、好ましい
のは、ABS樹脂である。
【0017】ポリアミド樹脂についても特に限定され
ず、各種のものを使用することができ、脂肪族、芳香族
いずれのポリアミド樹脂であってもよい。分子量につい
ては特に制限はないが、得られる組成物の成形性や物性
を考慮すると数平均分子量としては、4,000〜5
0,000、好ましくは5,000〜30,000が適
合する。
【0018】このようなポリアミド樹脂は、様々な公知
の方法で製造することができる。例えば、三員環以上の
ラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸とジアミ
ン等の閉環(共)重合や(共)重縮合等によって製造す
ることができる。
【0019】上述のポリアミド樹脂としては、様々なも
のを充当することができるが、その具体例を挙げれば、
ナイロン6;ナイロン6−6;ナイロン6−10;ナイ
ロン11;ナイロン12;ナイロン6−12;ナイロン
4−6等の脂肪族ポリアミド、ナイロン6/6;ナイロ
ン6/6,10;ナイロン6/6,12等の脂肪族共重
合ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタル
アミド;ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミ
ド;キシレン基含有ポリアミド等の芳香族ポリアミドな
どがある。さらには、ポリエステルアミド、ポリエステ
ルエーテルアミドなどを挙げることができる。このうち
好ましいポリアミド樹脂はナイロン6;ナイロン6−6
である。
【0020】本発明の樹脂組成物では、マトリックス樹
脂としてポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂また
はそれらのブレンド系樹脂を用いることができる。上記
ポリエステル樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)な
ど、結合単位がエステルである樹脂のことである。
【0021】また、上記ポリカーボネート樹脂は、ビス
フェノールA等のビスフェノール類をホスゲン若しくは
炭酸エステル等で重縮合させて得られる樹脂である。
【0022】成分(B) 本発明の成分(B)として用いる(メタ)アクリルアミ
ド系共重合体は、前記したように、3つの構成単位(ポ
リオレフィン構造単位、アクリレート構造単位および/
またはメタクリレート構造単位、アクリルアミド構造単
位および/またはメタクリルアミド構造単位)が線状に
配列した重量平均分子量1,000〜50,000の共
重合体である。
【0023】前記(メタ)アクリルアミド系共重合体中
における一般式:
【化7】 で表わされるポリオレフィン構造単位の割合は65〜9
9モル%である。このポリオレフィン構造単位の割合が
65モル%未満である場合には、前記(メタ)アクリル
アミド系共重合体の軟化点が低くなって熱可塑性樹脂に
配合したとき、タックやベタツキに基づく粘着性が生
じ、また99モル%を超える場合には、前記(メタ)ア
クリルアミド系共重合体の帯電防止性が小さくなりすぎ
る。なお、本発明においては、前記ポリオレフィン構造
単位の割合は、軟化点および帯電防止性の釣り合いの点
から、85〜97モル%であることが特に好ましい。
【0024】前記(メタ)アクリルアミド系共重合体中
における一般式:
【化8】 で表わされるアクリレート構造単位および/またはメタ
クリレート構造単位の割合は0〜15モル%である。前
記構造単位の割合が15モル%を超える場合には、前記
(メタ)アクリルアミド系共重合体の軟化点が低くなっ
て熱可塑性樹脂に配合したとき、タックやベタツキに基
づく粘着性が生じるようになり、耐熱性も損なうおそれ
がある。本発明において、前記構造単位が含まれている
場合には、帯電防止性が向上するので好ましい。なお、
本発明においては、前記構造単位の割合は、軟化点と耐
熱性と帯電防止性との釣り合いの点から、1〜15モル
%、とりわけ3〜7モル%であることが好ましい。
【0025】前記アクリレート構造単位、メタクリレー
ト構造単位において、Rは炭素数1〜12のアルキル
基である。かかるRの具体例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、n−オクチル基、n−ラウリル基が
挙げられ、これらの基は1分子中に混在してもよい。な
お、これらの基の中では、メチル基およびエチル基は軟
化点を維持する上で特に好ましいものである。
【0026】前記(メタ)アクリルアミド系共重合体中
における一般式:
【化9】 で表わされるアクリルアミド構造単位および/またはメ
タクリルアミド構造単位の割合は1〜35モル%であ
る。前記構造単位の割合が1モル%未満である場合に
は、帯電防止性が小さくなりすぎ、また35モル%を超
える場合には、前記(メタ)アクリルアミド系共重合体
を熱可塑性樹脂に配合したとき、吸湿性が生じるように
なり、帯電防止効果の耐久性を損なうおそれがある。な
お、本発明においては、前記構造単位の割合は、帯電防
止性、吸湿性および耐久性の釣り合いの点から、3〜1
5モル%であることが特に好ましい。
【0027】前記アクリルアミド構造単位、メタクリル
アミド構造単位において、Rは炭素数2〜8のアルキ
レン基である。かかるRの具体例としては、たとえば
エチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基、ネオペ
ンチレン基などが挙げられ、これらの基は1分子中に混
在していてもよい。なお、これらの基の中では、製造の
容易性および経済性の面からエチレン基およびプロピレ
ン基が好ましく、特にプロピレン基が好ましい。
【0028】前記RおよびRはそれぞれ炭素数1〜
4のアルキル基である。かかるRおよびRの具体例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
が挙げられ、これらの基は1分子中に混在していてもよ
い。なお、これらの基の中では、帯電防止性付与の点か
らメチル基およびエチル基が好ましい。
【0029】前記Rは炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数6〜12のアリールアルキル基または炭素数6〜
12の脂環アルキル基である。かかるRの具体例とし
ては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−
オクチル基、n−ラウリル基などのアルキル基;ベンジ
ル基、4−メチルベンジル基などのアリールアルキル
基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などの
脂環アルキル基が挙げられ、これらの基は1分子中に混
在していてもよい。なお、前記Rとしては、耐熱性の
点から、直鎖状アルキル基およびアリールアルキル基が
好ましく、また帯電防止性付与の点から低級アルキル基
が好ましい。特に好ましいRとしては、メチル基およ
びエチル基が挙げられる。
【0030】前記R、R、Rは上述したごとく、
各々独立に水素原子またはメチル基を表わすが、本発明
ではR、R、Rのすべてが同時に水素原子であっ
てはならず、少なくとも一種がメチル基であることが必
要である。
【0031】前記メチル基の含量としては、R
、Rの合計量に対し、20%以上であることが好
ましく、30%以上であることがさらに好ましい。20
%未満の場合、得られる熱可塑性樹脂成形体の熱変形温
度を低下させるので好ましくない。
【0032】また、前記メチル基は、3つの構造単位、
すなわちポリオレフィン構造単位、アクリレートまたは
メタクリレート構造単位、アクリルアミドまたはメタク
リルアミド構造単位に分散していてもよいし、偏在して
いてもよい。
【0033】前記Xは、例えばCl、Br、Iなどのハ
ロゲン原子、CHOSOまたはCOSO
あり、これらは1分子中に混在していてもよい。なお、
これらの中では、帯電防止性の点からCl、CHOS
およびCOSOが好ましい。
【0034】前記(メタ)アクリルアミド系共重合体の
重量平均分子量は、1,000〜50,000である。
ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量
平均分子量のことであり、超高温GPC(絹川、高分子
論文集、第44巻、2号、139〜141頁(1987
年))に準じて測定することができる。この分子量が
1,000未満である場合には、分子量が小さくなりす
ぎて熱可塑性樹脂に配合し、加熱したとき揮散するおそ
れがあり、また50,000を超える場合には、溶融し
た時の粘度が大きくなりすぎ、作業性が悪くなる。好ま
しい重量平均分子量は3,000〜33,000であ
る。
【0035】本発明に用いられる(メタ)アクリルアミ
ド系共重合体は、特に限定はされないが、例えばエチレ
ンまたはプロピレンとアクリル酸エステルまたはメタク
リル酸エステルを高圧重合法により共重合させて得られ
るポリオレフィン−アクリル酸エステルまたはポリオレ
フィン−メタクリル酸エステル共重合体を、例えば特開
昭60−79008号公報に記載の方法により、加水分
解と同時に熱減成して所望の分子量とし、得られたポリ
オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)ア
クリル酸共重合体をN,N−ジアルキルアミノアルキル
アミンでアミド化した後、四級化剤でカチオン変性する
ことにより得られる。
【0036】上記、成分(B)の配合割合は、成分
(A)100部に対し、3〜30部である。成分(B)
が3部未満であると帯電防止性が不充分であり、30部
を超えると、不経済的であり、かつ熱変形温度を低下さ
せる。成分(B)の特に好ましい範囲は5〜20部であ
る。
【0037】上記した成分(A)、(B)の配合方法は
以下の通りである。一軸、または二軸押出し機、または
加圧ニーダー等を用いて成分(A)、(B)を加熱溶融
下で混練することにより組成物とする。あるいは、予め
成分(A)の少量と成分(B)の全量とを混合してマス
ターバッチにした後、これに残りの(A)成分を混合
し、更に混練またはそのまま射出成形機等の成形機にか
けてもよい。
【0038】
【実施例】(メタ)アクリルアミド系共重合体(B成
分)の具体的な製造例を以下に示す(特開平4−198
307号公報参照)。
【0039】製造例1 温度計、撹拌機、滴下ロートおよびディーン・スターク
分水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレ
ン400ml、プロピレン−アクリル酸エチル−アクリ
ル酸共重合体(線状に不規則に配列、プロピレン/アク
リル酸エチル/アクリル酸=93/3/4)150gお
よびパラトルエンスルホン酸1.0gを仕込んだ。
【0040】次に、N,N−ジメチルアミノプロピルア
ミン16.2gを仕込み、オイルバスを用いて140℃
に加熱し、生成した水をキシレンとの共沸により連続的
に除去し、さらに、140℃で17時間反応し、水が生
成しなくなり水の共沸が認められなくなるまでアミド化
反応を継続した。
【0041】得られた反応物453gを100℃まで冷
却し、その反応混合物に滴下ロートからヨウ化メチル2
2.0gを1時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱
が認められたが、冷却することにより反応温度を95℃
に維持した。滴下終了後、100℃で4時間熟成反応を
行なった。このようにして得られた反応物を多量のメタ
ノール中へ投入し、生成した沈殿物を回収、乾燥して白
色のアクリルアミド系共重合体(B成分)を得た。この
アクリルアミド系共重合体の重量平均分子量を測定した
ところ、31,500であった。
【0042】製造例2〜14 製造例1と同様に、特開平4−198307号公報に記
載の方法に従い、表1の製造例2〜14に示す(メタ)
アクリルアミド系共重合体(B成分)を調製した。
【0043】[表1]、[表2]に製造例1〜14の
(メタ)アクリルアミド系共重合体の各構造単位におけ
るR〜RおよびX、ならびに各構造単位の量をモ
ル比で示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】実施例1〜9および比較例1〜6 製造例1〜14で得られた(メタ)アクリルアミド系共
重合体30部、及び下記[表3]に成分(A)として記
載した熱可塑性樹脂70部を二軸押出し機(KRCニー
ダー、栗本鉄工所製)を用いて溶融、混練して成分
(B)を30%含有するマスターバッチを得た。
【0047】次いで、前記した熱可塑性樹脂(成分
(A))と上記マスターバッチを所定量配合して、射出
成形機(Hipershot3000,新潟鉄工所製)
を用いて加工し、成形品を得た。
【0048】
【表3】
【0049】上記により得られた成形品を用いて、帯
電防止性、その持続性、および耐熱性を評価した。
【0050】帯電防止性の評価 帯電防止性の評価は、表面固有抵抗の測定により行っ
た。その表面固有抵抗の測定方法は、次の通りである。
すなわち、成形試験片を20℃、30%RH(相対湿
度)または20℃、60%RHの条件下に24時間放置
後、(株)川口電気製作所製、超絶縁系R−503型を
用いて表面固有抵抗値を測定した。結果を[表4]に記
載する。
【0051】帯電防止性の持続性の評価 帯電防止性の持続性の評価は以下の通りに行った。すな
わち、成形試験片を40℃のオーブン中で14日間エー
ジングした後に、その表面を洗剤としてママレモン(ラ
イオン(株)製)水溶液を用いて充分に洗浄後、イオン
交換水で充分にすすぎ、その後20℃、60%RHの雰
囲気中で24時間放置し、前記の方法で表面固有抵抗を
測定した。結果を[表4]に併記する。
【0052】耐熱性の評価 耐熱性の評価は、熱変形温度の測定により行った(JI
S K−7207に準拠。なお、実施例2及び実施例4
は荷重4.5kgf/cmで行ない、それ以外は荷重1
8.6kgf/cmで行なった)。結果を[表4]に併
記する。
【0053】
【表4】
【0054】[表4]から明らかなように、本発明の熱
可塑性樹脂組成物により得られた成形品は優れた帯電防
止性を示し、しかもこの帯電防止性は洗浄によってもほ
とんど衰えない。また、その耐熱性に関しては、比較例
1と実施例1、比較例2と実施例3、比較例3と実施例
8の熱変形温度を比較すれば明らかなように大幅に向上
する。
【0055】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物により、帯
電防止効果とその持続性、および耐熱性の優れた樹脂成
形品が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂100重量部と(B)
    下記構造単位が線状に配列してなる重量平均分子量1,
    000〜50,000の(メタ)アクリルアミド系共重
    合体3〜30重量部とを含有してなる熱可塑性樹脂組成
    物。 一般式: 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基)で表わされる
    ポリオレフィン構造単位65〜99モル%、 一般式: 【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数
    1〜12のアルキル基を示す)で表わされるアクリレー
    ト構造単位および/またはメタクリレート構造単位0〜
    15モル%、及び 一般式: 【化3】 (式中、Rは水素原子またはメチル基で、前記R
    、Rの全てが水素原子であってはならず、少なく
    とも1種がメチル基、Rは炭素数2〜8のアルキレン
    基、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
    基、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜1
    2のアリールアルキル基または炭素数6〜12の脂環ア
    ルキル基、Xはハロゲン原子、CHOSOまたはC
    OSOを示す)で表わされるアクリルアミド構
    造単位および/またはメタクリルアミド構造単位1〜3
    5モル%。
  2. 【請求項2】請求項1において、熱可塑性樹脂がポリオ
    レフィン類である樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1において、熱可塑性樹脂がABS
    樹脂である樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1において、熱可塑性樹脂がポリア
    ミド樹脂である樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1において、熱可塑性樹脂がポリエ
    ステル樹脂および/またはポリカーボネート樹脂である
    樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0931145A (ja) * 1995-07-13 1997-02-04 Kuraray Co Ltd ブロック共重合体および樹脂組成物
WO2007032170A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 帯電防止防眩フィルム

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