JP3268402B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3268402B2
JP3268402B2 JP02559593A JP2559593A JP3268402B2 JP 3268402 B2 JP3268402 B2 JP 3268402B2 JP 02559593 A JP02559593 A JP 02559593A JP 2559593 A JP2559593 A JP 2559593A JP 3268402 B2 JP3268402 B2 JP 3268402B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関
し、詳しくは、帯電防止性とその持続性及び耐衝撃性の
優れた樹脂成形品を得るための熱可塑性樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、塩
化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂は、フィルム、袋体な
どとして包装材料や自動車部品などの材料に従来から汎
用されているが、これらの熱可塑性樹脂は一般に電気抵
抗が大きく、摩擦によって容易に帯電し、塵などを吸引
するという重大な欠点があった。
【0003】そこで近年、帯電防止剤を下記(イ)、
(ロ)のように使用して、熱可塑性樹脂からなる成形品
に帯電防止性の付与が試みられている。 (イ)帯電防止剤を成形品の表面に塗布したのち乾燥す
る。 (ロ)内部添加型帯電防止剤を樹脂中に練り込む。
【0004】前記(イ)の方法では、帯電防止剤として
界面活性剤溶液が用いられている。しかしながら、この
ような帯電防止剤は、洗浄により容易に除去されるた
め、恒久的な帯電防止性を付与することができないとい
う欠点がある。
【0005】前記(ロ)の方法では、内部添加型帯電防
止剤としてグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、アルキルジエタノールアミド、アルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルイミダゾールの
四級塩などが用いられている。これらの内部添加型帯電
防止剤を用いた場合には、表面の帯電防止剤が洗浄によ
り失なわれた場合であっても、その内部から新たな帯電
防止剤が順次ブリードするため、帯電防止性が比較的長
期間持続するという利点がある。
【0006】しかしながら、このような内部添加型帯電
防止剤を用いた場合には、洗浄後に帯電防止性が回復す
るまでに長時間を要し、また帯電防止剤が過度にブリー
ドした場合には、粘着性が生じ、かえって塵などが付着
しやすくなるという欠点があるほか、これらの帯電防止
剤は低分子量のものであるため、例えば高温での成形加
工時の熱により揮散するので、実質的な必要量以上の帯
電防止剤を添加する必要があるという不利益があり、ま
たその有効量を調整することが困難であった。
【0007】前記内部添加型帯電防止剤の上記欠点を解
消するものとして、近年、メトキシ基の20〜80モル
%がジエタノールアミン変性されたポリメチルメタクリ
レート(特開平1−170603号公報)、アルコキシ
ポリエチレングリコールメタクリレートのグラフト共重
合体(特公昭58−39860号公報)、スチレン−無
水マレイン酸共重合体をイミド変性したのち、四級化し
てカチオン化したポリマー(特公平1−29820号公
報)、末端がカルボキシル基のポリメチルメタクリレー
トをグリシジルメタクリレートで末端カルボキシル基を
メタクリロイル基に変換した高分子量単量体とアミノア
ルキルアクリル酸エステルまたはアクリルアミドとのく
し型共重合体およびその四級化カチオン変性品(特開昭
62−121717号公報)、ポリアルキレンオキサイ
ド鎖を含むポリエーテルエステルアミド(特公平4−5
691号公報)などの制電性官能基を有する高分子化合
物が提案されている。
【0008】しかしながら、前記高分子化合物は、いず
れも成形体の機械的特性、特に耐衝撃性を著しく劣化さ
せるという欠点を有していた。
【0009】[発明の目的]本発明は上記の実情に鑑み
てなされたものであって、その目的は、優れた帯電防止
性とその持続性(耐久性)並びに耐衝撃性を有する成形
体を得るための熱可塑性樹脂組成物を提供するところに
ある。
【0010】なお、耐衝撃性の劣化を防ぎつつ、優れた
帯電防止性を得る技術として、熱可塑性樹脂に、ポリア
ルキレンオキシドグリコール単位を有する高分子化合物
を配合する、という技術がある。
【0011】前記高分子化合物としては、ポリエーテル
エステルアミド(特開昭60−23435号、特公平4
−5691号、特公平4−28025号、特公平3−2
58850号、特開平4−15255号、特開平4−1
46947号)、ポリエーテルアミド(特開平3−25
8850号)、アルキレンオキシド−エピハロヒドリン
共重合体(特開昭63−314262)、ポリエーテル
アミドイミド(特開平3−26759号、特開平4−2
02256号)等が知られている。
【0012】上記高分子化合物を配合することにより、
確かに耐衝撃性等の機械的物性は改善されるが、充分な
帯電防止効果を得るためには相当量を配合しなければな
らず、経済的な不利を招いてしまい、別の提案が待たれ
ていた。
【0013】また本発明者らは、第四級アンモニウム塩
基含有アクリルアミド構造単位を有するポリエチレン共
重合体を提案している(特開平4−198308号公
報)。この共重合体を用いれば、得られる成形体は、確
かに帯電防止効果とその持続性に優れたものになり、強
伸性を呈するものにはなるが、耐衝撃性等の機械的物性
を改善するには至らなかった。
【0014】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、 [A]熱可塑性樹脂を100重量部、 [B]ポリアルキレンオキシドグリコールまたは両末端
がアミノ基に変性されたポリアルキレンオキシドグリコ
ールから誘導され、かつ10〜90重量%のポリエーテ
ル部分を有する下記(a)〜(e)よりなる群から選ば
れた少なくとも1種を2〜25重量部、 (a)ポリエーテルエステルアミド (b)ポリエーテルアミド (c)ポリエーテルエステル (d)ポリエーテルアミドイミド (e)ポリエーテルウレタン [C]下記構造単位が線状に配列してなる重量平均分子
量1,000〜50,000の(メタ)アクリルアミド
系共重合体および/または(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体を1〜25重量部含有してなる熱可塑性樹脂
組成物。
【0015】一般式:
【化4】 (式中、Rは水素原子またはメチル基)で表わされる
ポリオレフィン構造単位65〜99モル%、一般式:
【化5】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数
1〜18のアルキル基を示す)で表わされる(メタ)ア
クリレート構造単位0〜15モル%、及び一般式:
【化6】 (式中、Yは酸素原子またはNH、Rは水素原子また
はメチル基、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、R
およびRはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ールアルキル基または炭素数6〜12の脂環アルキル
基、Xはハロゲン原子、CHOSO又はC
SOを示す)で表わされる(メタ)アクリル酸エステ
ル構造単位または(メタ)アクリルアミド構造単位1〜
35モル%。
【0016】なお、上記構造単位は、規則的に配列して
いてもよいし、不規則に配列していてもよい。
【0017】または、前記[B]成分が、アルキレンオ
キシドの含有率が10〜90重量%であるアルキレンオ
キシド−エピハロヒドリン共重合体(f)である熱可塑
性樹脂組成物である。
【0018】[A]成分 本発明における[A]成分として用いる熱可塑性樹脂と
しては、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエ
ーテル等が例示できるが、これらのうち、ポリオレフィ
ン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂を使用す
ることが、本発明をより効果的に実施できるという利点
があり好ましい。
【0019】ここでポリオレフィン樹脂とは、ポリオレ
フィン類、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレ
ン−アクリルエステル共重合体などであり、これらの各
種ポリオレフィン及び共重合体のブレンドも含まれる。
なかでもポリオレフィン類を使用することが、本発明に
おいて[C]成分との相溶性が優れたものとなる、とい
う利点があり好ましい。
【0020】より詳細には、上記ポリオレフィン類は、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メ
チルペンテン−1、エチレンとα−オレフィンの共重合
体などであり、このようなポリオレフィン樹脂のうち、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレンが好ましく、その数平均分子
量としては通常5,000〜500,000のものが用
いられるが、好ましくは10,000〜200,000
のものが適合する。
【0021】また、ABS樹脂については、種類は特に
限定されず、グラフト法やポリマーブレンド法によるも
のが使用できる。また、AS樹脂(アクリロニトリル−
スチレン樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル−EP
DM−スチレン樹脂)等も使用可能であるが、どちらか
と言えば、ABS樹脂を使用することが好ましい。
【0022】ポリアミド樹脂についても特に限定され
ず、各種のものを使用することができ、脂肪族、芳香族
いずれのポリアミド樹脂であってもよい。分子量につい
ては特に制限はないが、得られる組成物の成形性や物性
を考慮すると数平均分子量としては、4,000〜5
0,000、好ましくは5,000〜30,000が適
合する。
【0023】このようなポリアミド樹脂は、様々な公知
の方法で製造することができる。例えば、三員環以上の
ラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸とジアミ
ン等の閉環(共)重合や(共)重縮合等によって製造す
ることができる。
【0024】上述のポリアミド樹脂としては、様々なも
のを充当することができるが、その具体例を挙げれば、
ナイロン6;ナイロン6−6;ナイロン6−10;ナイ
ロン11;ナイロン12;ナイロン6−12;ナイロン
4−6等の脂肪族ポリアミド、ナイロン6/6;ナイロ
ン6/6,10;ナイロン6/6,12等の脂肪族共重
合ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタル
アミド;ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミ
ド;キシレン基含有ポリアミド等の芳香族ポリアミドな
どがある。さらには、ポリエステルアミド、ポリエステ
ルエーテルアミドなどを挙げることができる。このうち
好ましいポリアミド樹脂はナイロン6;ナイロン6−6
である。
【0025】本発明の樹脂組成物では、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂またはそれらのブレンド系樹
脂を用いることができる。
【0026】上記ポリエステル樹脂とは、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)等、結合単位がエステルである樹脂のこと
である。
【0027】また、上記ポリカーボネート樹脂は、ビス
フェノールA等のビスフェノール類をホスゲン若しくは
炭酸エステル等で重縮合させて得られる樹脂である。
【0028】ポリスチレン樹脂としては、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレンの単独重合体ま
たは共重合体が挙げられ、例えば、汎用ポリスチレン
(GPPS)、高衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ス
チレン−マレイミド共重合体や、さらには、スチレン系
熱可塑性エラストマーであるスチレン−ブタジエン−ス
チレンのブロック共重合体の水素添加物(SEBS樹
脂)、スチレン−イソプレン−スチレンのブロック共重
合体の水素添加物(SEPS樹脂)あるいはSEP樹脂
を例示することができる。このような、ポリスチレン樹
脂のうち、汎用ポリスチレン(GPPS)、高衝撃性ポ
リスチレン(HIPS)が好ましく、その平均分子量と
しては、20,000〜300,000が好ましく、3
0,000〜200,000がさらに好ましい。
【0029】[B]成分 本発明の[B]成分に用いるポリアルキレンオキシドグ
リコールを10〜90重量%含有する高分子化合物は、
ポリアルキレンオキシドグリコールを必須成分として誘
導されるポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルア
ミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミドイミ
ド、ポリエーテルウレタンまたはアルキレンオキシドを
10〜90重量%含有するエピハロヒドリンとの共重合
体を指す。
【0030】これらのポリアルキレンオキシドグリコー
ル含有高分子化合物、アルキレンオキシド−エピハロヒ
ドリン共重合体は、ポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリウレタン、エピハロヒドリン共重合体を与え
る縮合性モノマーまたは付加重合性モノマーとポリアル
キレンオキシドグリコールを逐次または同時に共縮合ま
たは付加重合して得られるブロックまたはランダム高分
子であり、多くは次の[B−1]成分を必須として[B
−2]〜[B−7]の一種以上を反応させて得られる。
【0031】[B−1]ポリアルキレンオキシドグリコ
ール ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリ
エチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)
グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはラ
ンダム共重合体およびエチレンオキシドとテトラヒドロ
フランのブロックまたはランダム共重合体などが用いら
れる。
【0032】これらの中でも、制電性が優れる点で、特
にポリエチレングリコールが好ましく用いられる。
【0033】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの
数平均分子量は200〜10,000、好ましくは25
0〜8,000の範囲で用いられる。数平均分子量が2
00未満では、得られるポリエーテルエステルアミドの
機械的性質が劣り、数平均分子量が10,000を超え
る場合には、帯電防止性が不足するため好ましくない。
【0034】[B−2]ジカルボン酸成分 ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレ
ン−2,7−ジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸および5−
ソジウムスルホイソフタル酸のごとき芳香族ジカルボン
酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカ
ルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,
3−ジカルボキシメチルシクロヘキサン、1,4−ジカ
ルボキシメチルシクロヘキサンおよびジシクロヘキシル
−4,4´−ジカルボン酸のごとき脂環式ジカルボン
酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸およ
びドデカンジ酸(デカンジカルボン酸)のごとき脂肪族
ジカルボン酸等や、それらの混合物が挙げられる。
【0035】特にジカルボン酸としてテレフタル酸、イ
ソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、セ
バシン酸およびドデカンジ酸が重合性、色調および物性
の点から望ましい。
【0036】[B−3]脂肪族ジオール 脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、1,2−
または1,3−プロピレングリコール、1,2−、1,
3−、2,3または1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェ
ノールA、Sのエチレンオキシド付加物などおよびそれ
らの混合物が挙げられる。
【0037】この中で、エチレングリコール、1,2−
または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオールが重合性、色調および物性の点から好ましく用
いられる。
【0038】[B−4]ジアミン ジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミ
ン等が挙げられる。
【0039】さらに、上記のジアミン成分としては、ポ
リアルキレンオキシドグリコールにアクリロニトリルを
反応させ、さらに水素添加反応を行なうことにより、両
末端がアミノ基に変性されたポリエチレングリコールジ
アミンのようなものも使うことができる。
【0040】なお、このジアミンを使用する場合は、
[B−1]は、必ずしも本発明において使用する必要は
ない。
【0041】さらに、これらのジアミンは、前記[B−
2]のジカルボン酸成分と塩を形成したものでもよく、
ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩、ヘキサメチレ
ンジアミン−セバシン酸塩およびヘキサメチレンジアミ
ン−イソフタル酸塩などのジアミン−ジカルボン酸の塩
が用いられる。
【0042】さらには、実質上ジアミンとジカルボン酸
から得られるポリアミドを得るのと同じ効果を有する原
料として、ラクタムないしはα、ω−アミノカルボン酸
も使用可能である。具体的には、ω−アミノカプロン
酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω
−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸および11
−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの
アミノカルボン酸あるいはカプロラクタム、エナントラ
クタム、カプリルラクタムおよびラウロラクタムなどの
ラクタムである。
【0043】特にカプロラクタム、12−アミノドデカ
ン酸ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩が好ましく
用いられる。
【0044】[B−5]3価または4価の芳香族ポリカ
ルボン酸またはこれらの酸無水物 3価のトリカルボン酸として、具体的には、1,2,4
−トリメリット酸、1,2,5−ナフタレントリカルボ
ン酸、2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3
´,4−ジフェニルトリカルボン酸、ベンゾフェノン−
3,3´,4−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−
3,3´,4−トリカルボン酸、ジフェニルエーテル−
3,3´,4−トリカルボン酸などが挙げられる。
【0045】4価のテトラカルボン酸としては、具体的
に、ピロメリット酸、ジフェニル−2,2´,3,3´
−テトラカルボン酸、ベンゾフェノン−2,2´,3,
3´−テトラカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,2
´,3,3´−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル
−2,2´3,3´−テトラカルボン酸などが挙げられ
る。
【0046】これらの中で、特に、1,2,4−トリメ
リット酸、ピロメリット酸が物性上好ましい。
【0047】[B−6]ジイソシアネート エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、
ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメ
チルヘキサンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネ
ートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエ
チル)フマレート、ビス(2−イソシアネートエチル)
カーボネート、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添
MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチル
シクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビ
ス(2−イソシアネートエチル)、キシレンジイソシア
ネート、ジエチルベンゼンジイソシアネートである。
【0048】これらの中で、物性上、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添T
DIを使用することが好ましい。
【0049】[B−7]エピハロヒドリン エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨード
ヒドリンであり、エピクロルヒドリンが、帯電防止機能
上、特に好ましい。なお、エピハロヒドリンは、[B−
1]構成モノマーすなわち、アルキレンオキシド類と共
重合して用いられる。
【0050】本発明に用いる[B]成分の共重合体は、
前記[B−1]と、[B−2]〜[B−7]の一種以上
を公知の方法に従って反応させることによって得られ
る。例えば、 [B−1]、[B−2]と[B−4]によりポリエー
テルエステルアミド 末端ジアミンのポリアルキレンオキシドグリコールと
[B−2]によりポリエーテルアミド [B−1]、[B−2]と[B−3]によりポリエー
テルエステル [B−1]、[B−4]と[B−5]によりポリエー
テルアミドイミド [B−1]と[B−6]によりポリエーテルウレタン [B−1]構成モノマーと[B−7]によりポリアル
キレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体 が得られる。
【0051】上記[B]成分である共重合体中における
[B−1]の含量は10〜90重量%であり、好ましく
は40〜85%である。10重量%未満の場合、充分な
帯電防止効果が得られない。また90重量%を超える場
合、得られる成形体の機械的強度が劣る。
【0052】また、[B]成分である共重合体の分子量
(重量平均分子量)は、1,000〜200,000が
好ましく、5,000〜100,000がさらに好まし
い。分子量が1,000未満の場合、得られる成形体の
機械的物性が低下し、200,000を超える場合、組
成物の成形が困難になる。
【0053】[B]成分である共重合体中における繰り
返し単位に関しては特に限定はなく、[B−1]成分と
[B−2]〜[B−7]成分がランダムであってもよい
し、また予め[B−1]成分以外の上記成分を共重合さ
せている反応系に[B−1]成分を逐次添加してブロッ
ク共重合体としても良い。
【0054】[C]成分 本発明の[C]成分として用いる(メタ)アクリルアミ
ド系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
は、3つの構成単位(ポリオレフィン構造単位、(メ
タ)アクリレート構造単位、(メタ)アクリルアミド構
造単位または(メタ)アクリル酸エステル構造単位)が
線状に配列した重量平均分子量1,000〜50,00
0の共重合体である。
【0055】前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体または(メタ)アクリルアミド系共重合体中における
一般式:
【化7】 で表わされるポリオレフィン構造単位の割合は65〜9
9モル%である。
【0056】このポリオレフィン構造単位の割合が65
モル%未満である場合には、前記共重合体の軟化点が低
くなって熱可塑性樹脂に配合したとき、タックやベタツ
キに基づく粘着性が生じ、また99モル%を超える場合
には、前記共重合体の帯電防止性が小さくなりすぎる。
なお、本発明においては、前記ポリオレフィン構造単位
の割合は、軟化点および帯電防止性の釣り合いの点か
ら、85〜97モル%であることが特に好ましい。
【0057】前記ポリオレフィン構造単位において、R
は水素原子またはメチル基であるが、Rが水素原子
のものとメチル基のものとが混在していても構わない。
【0058】前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体または(メタ)アクリルアミド系共重合体中における
一般式:
【化8】 で表わされる(メタ)アクリレート構造単位の割合は0
〜15モル%である。
【0059】前記構造単位の割合が15モル%を超える
場合には、前記共重合体の軟化点が低くなって熱可塑性
樹脂に配合したとき、タックやベタツキに基づく粘着性
が生じるようになる。本発明において、前記構造単位が
含まれている場合には、帯電防止性が向上するので好ま
しい。なお、本発明においては、前記構造単位の割合
は、軟化点と帯電防止性との釣り合いの点から、1〜1
5モル%、とりわけ3〜7モル%であることが好まし
い。
【0060】前記アクリレート構造単位、メタクリレー
ト構造単位において、Rは水素原子またはメチル基で
ある。Rは炭素数1〜18のアルキル基である。かか
るRの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、n−オクチル基、n−ラウリル基、ステアリル基が
挙げられ、これらの基は1分子中に混在してもよい。な
お、これらの基の中では、メチル基およびエチル基は軟
化点を維持する上で特に好ましいものである。
【0061】前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体または(メタ)アクリルアミド系共重合体中における
一般式:
【化9】 で表わされる(メタ)アクリル酸エステル構造単位また
は(メタ)アクリルアミド構造単位の割合は1〜35モ
ル%である。
【0062】前記構造単位の割合が1モル%未満である
場合には、帯電防止性が小さくなりすぎ、また35モル
%を超える場合には、前記共重合体を熱可塑性樹脂に配
合したとき、吸湿性が生じるようになり、得られた成形
製品が着色を帯び、しかも帯電防止性の耐久性が損なわ
れる。なお、本発明においては、前記構造単位の割合
は、帯電防止性、その耐久性および吸湿性との釣り合い
の点から、3〜15モル%であることが特に好ましい。
【0063】前記構造単位において、Rは水素原子ま
たはメチル基である。Rは炭素数2〜8のアルキレン
基である。かかるRの具体例としては、たとえばエチ
レン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基、ネオペンチ
レン基などが挙げられ、これらの基は1分子中に混在し
ていてもよい。なお、これらの基の中では、製造の容易
性および経済性の面からエチレン基およびプロピレン基
が好ましく、特にプロピレン基が好ましい。
【0064】前記RおよびRはそれぞれ炭素数1〜
4のアルキル基である。かかるRおよびRの具体例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
が挙げられ、これらの基は1分子中に混在していてもよ
い。なお、これらの基の中では、帯電防止性付与の点か
らメチル基およびエチル基が好ましい。
【0065】前記Rは炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数6〜12のアリールアルキル基または炭素数6〜
12の脂環アルキル基である。かかるRの具体例とし
ては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−
オクチル基、n−ラウリル基などのアルキル基;ベンジ
ル基、4−メチルベンジル基などのアリールアルキル
基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などの
脂環アルキル基が挙げられ、これらの基は1分子中に混
在していてもよい。なお、前記Rとしては、耐熱性の
点から、直鎖状アルキル基およびアリールアルキル基が
好ましく、また帯電防止性付与の点から低級アルキル基
が好ましい。特に好ましいRとしては、メチル基およ
びエチル基が挙げられる。
【0066】前記Yは、酸素原子またはNHであり、酸
素原子の時、(メタ)アクリル酸エステル構造単位とな
り、NHの時、(メタ)アクリルアミド構造単位とな
る。
【0067】前記Xは、例えばCl、Br、Iなどのハ
ロゲン原子、CHOSOまたはCOSO
あり、これらは1分子中に混在していてもよい。なお、
これらの中では、帯電防止性の点からCl、CHOS
およびCOSOが好ましい。
【0068】前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体、(メタ)アクリルアミド系共重合体の重量平均分子
量は、1,000〜50,000である。ここでいう重
量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量の
ことであり、超高温GPC(絹川、高分子論文集、第4
4巻、2号、139〜141頁(1987年))に準じ
て測定することができる。この分子量が1,000未満
である場合には、分子量が小さくなりすぎて熱可塑性樹
脂に配合し、加熱したとき揮散するおそれがあり、また
50,000を超える場合には、溶融した時の粘度が大
きくなりすぎ、作業性が悪くなる。好ましい重量平均分
子量は3,000〜33,000である。
【0069】本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エ
ステル系共重合体、(メタ)アクリルアミド系共重合体
は特に限定はされないが、例えばα−オレフィンと(メ
タ)アクリル酸エステルを高圧重合法により共重合させ
て得られるポリオレフィン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体を、例えば特開昭60−79008号公報に
記載の方法により、加水分解と同時に熱減成して所望の
分子量とし、得られたポリオレフィン−(メタ)アクリ
ル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体をN,N−
ジアルキルアミノアルキルアミンまたはN,N−ジアル
キルアミノアルカノールで、アミド化またはエステル化
した後、四級化剤でカチオン変性することにより得られ
る。
【0070】上記[B]成分および[C]成分の配合割
合は、[A]成分100部に対し、[B]成分が2〜2
5部、[C]成分が1〜25部である。
【0071】[B]成分の配合割合が2部未満である
と、帯電防止効果、耐衝撃性の改良効果が小さく、20
部を超えると、帯電防止効果、耐衝撃性の改良効果は充
分であるが、他の物性、例えば熱変形温度を低下させ
る。[B]成分の特に好ましい範囲は3〜20部であ
る。
【0072】[C]成分の配合割合が1部未満である
と、帯電防止性が不充分であり、25部を超えると、不
経済的であり、かつ熱変形温度を低下させる。[C]成
分の特に好ましい範囲は3〜20部である。
【0073】なお、[C]成分においては、(メタ)ア
クリルアミド系共重合体と(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体を併用してもよい。
【0074】上記した[A]成分〜[C]成分の配合方
法は以下の通りである。一軸、または二軸押出し機、ま
たは加圧ニーダー等を用いて[A]成分、[B]成分お
よび[C]成分を加熱溶融下で混練することにより組成
物とする。あるいは、予め[A]成分〜[C]成分のう
ちの2成分を、なかんずく[B]成分及び[C]成分を
混合してマスターバッチにした後、これに残りの成分を
混合し、更に混練またはそのまま射出成形機等の成形機
にかけてもよい。
【0075】本発明の熱可塑性樹脂は、[B]成分と
[C]成分が相乗的に作用して優れた帯電防止性を発揮
し、しかも、[B]成分が衝撃などの応力緩和に働き、
これにより優れた耐衝撃性を発揮する。
【0076】
【実施例】本発明における[B]成分として使用する共
重合体を、以下のようにして製造した。
【0077】製造例1(ポリエーテルエステルアミド
[B−a]の製造) ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からあらかじめ調
製したナイロン6−6塩(AH塩)10部、数平均分子
量が600のポリエチレングリコール72.4部および
アジピン酸17.6部を酸化防止剤(商品名:イルガノ
ックス1098、チバガイギー(株)製)0.2部およ
び三酸化アンチモン触媒0.05部と共にヘリカルリボ
ン撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置換して24
0℃で40分間加熱撹拌して透明な均質溶液とした後、
260℃、0.5mmHg以下の条件で6時間重合し、
粘稠な無色透明な溶融ポリマーを得た。ポリマーを冷却
ベルト上にガット状に吐出し、ペレタイズすることによ
って、ペレット状のポリエーテルエステルアミド[B−
a](重量平均分子量85,000)を調製した。
【0078】製造例2(ポリエーテルアミド[B−b]
の製造) 数平均分子量4,000のポリエチレングリコールにア
クリロニトリルを反応させ、さらに水素添加反応を行な
うことにより、両末端がアミノ基であるポリエチレング
リコールジアミンを得た。これとテレフタル酸とを常法
により塩反応を行ない、ポリエチレングリコールジアン
モニウムテレフタレートの40%水溶液を得た。
【0079】濃縮缶に上記40%のポリエチレングリコ
ールジアンモニウムテレフタレート水溶液200部、カ
プロラクタム102部、40%ヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペート水溶液16部を投入した後、110℃
まで上昇し、80%濃度に濃縮した。
【0080】続いて重合缶に上記濃縮液を移行した。の
ち、N置換して120℃に上昇し、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリ(3,5−ジ−t−ブチル−
ヒドロキシベンジル)ベンゼンを10部添加した後、加
熱撹拌して245℃まで昇温した。245℃で10時間
重合し、粘稠で透明なポリマーを得た。
【0081】得られたポリマーを[B−a]と同様に
し、ペレット状のポリエーテルアミド[B−b](重量
平均分子量43,000)を調製した。
【0082】製造例3(ポリエーテルエステル[B−
c]の製造) テレフタル酸34.9部、1,4−ブタジオール32.
7部、数平均分子量2,000のポリエチレングリコー
ル56.3部、テトラブチルチタネート0.05部およ
び酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010、チバ
ガイギー(株)製)0.2部をエステル化反応缶に仕込
み、N雰囲気下220℃で2時間反応させた。
【0083】次いで、反応液を重合缶に移行した後、テ
トラブチルチタネート0.05部を添加し、250℃で
0.5mmHg以下の条件で3時間重合した。重合終了
後、[B−a]と同様にしてペレット状のポリエーテル
エステル[B−c](重量平均分子量65,000)を
調製した。
【0084】製造例4(ポリエーテルアミドイミドの
[B−d]の製造) かきまぜ機、窒素導入口および留去管を取付けた500
mlのセパラプルフラスコに、ポリオキシエチレングリ
コール(数平均分子量2010)144g、無水トリメ
リット酸13.7g、カプロラクタム68.2gおよび
ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノ
リン)(酸化防止剤、商品名:ノクラック224、大内
新興化学(株)製)0.4gを仕込み、100℃でかき
まぜながら30分間1Torr以下に減圧して脱水し
た。次いで、窒素を60ml/分で流しながら260℃
に昇温し、4時間重合を行なった後、同温度で徐々に減
圧にして未反応のカプロラクタムを系外に留去した。
【0085】次いで、テトラブチルチタネート0.4g
を添加し、1Torrに減圧して、7時間重合して淡黄
色透明のポリエーテルアミドイミド[B−d](重量平
均分子量54,000)を得た。
【0086】製造例5(ポリエーテルウレタン[B−
e]の製造) 数平均分子量1,200のポリエチレングリコール30
0gをヘリカルリボン撹拌翼を備えた反応容器に仕込
み、100℃、1mmHgで30分間減圧にし脱水し
た。
【0087】続いて、窒素気流下で同温度でイソホロン
ジイソシアネート53.3gを徐々に滴下した。発熱に
よる温度の上昇が150℃を超えないような速度で3時
間を要して滴下した。滴下終了後150℃で1時間撹拌
を続け、粘稠なポリエーテルウレタンポリマー[B−
e](重量平均分子量32,000)を得た。
【0088】製造例6(ポリエチレンオキシド−エピク
ロルヒドリン共重合体[B−f]の製造) 30リットルのオートクレーブに、トルエン/ヘプタン
(55/45重量比)10kg、エピクロルヒドリン
0.25kg、エチレンオキサイド0.5kgを仕込ん
だ後、内容物を撹拌しながら90℃に加熱し、還流させ
ながら圧力を2.5kg/cmに維持した。
【0089】触媒としてアセチルアセトン/トリエチル
アルミニウム=0.25(モル比)0.05kgを含む
トルエン3kgを反応温度が110℃を超えないよう段
階的に加えた。
【0090】触媒の添加終了後、エピクロルヒドリン/
エチレンオキシド(=20/80(重量比))混合モノ
マーを0.78kg/時の速度で4時間に亘り計量注入
した。なお、この間反応温度を110℃に保った。混合
モノマーの注入後110℃で更に1時間重合し冷却し
た。得られたスラリー状の重合物を30リットルの容器
に移し、次いで、イソプロパノール0.3kgを加え重
合を停止させた。
【0091】得られた重合物を濾過、ヘプタンにより2
回洗浄後、60℃で真空乾燥してポリエチレンオキシド
−エピクロルヒドリン共重合体[B−f]を得た。
【0092】分析の結果、共重合体中のエチレンオキシ
ド/エピクロルヒドリンの比率(重量比)=75/2
5、GPC測定による重量平均分子量72,000であ
った。
【0093】本発明における[C]成分として用いた
(メタ)アクリルアミド系共重合体、(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体は以下のようにして製造した。
【0094】製造例7(アクリルアミド系共重合体[C
−a]の製造) 温度計、撹拌機、滴下ロートおよびディーン・スターク
分水器を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、キシレ
ン400ml、エチレン−アクリル酸エチル−アクリル
酸共重合体(不規則に配列している。エチレン/アクリ
ル酸エチル/アクリル酸=93/3/4)150gおよ
びパラトルエンスルホン酸1.0gを仕込んだ。
【0095】次に、N,N−ジメチルアミノプロピルア
ミン21.1gを仕込み、オイルバスを用いて140℃
に加熱し、生成した水をキシレンとの共沸により連続的
に除去し、さらに、140℃で17時間反応し、水が生
成しなくなり水の共沸が認められなくなるまでアミド化
反応を継続した。
【0096】得られた反応物458gを80℃まで冷却
し、その反応混合物に滴下ロートからヨウ化メチル2
8.7gを1時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱
が認められたが、冷却することにより反応温度を90℃
に維持した。滴下終了後、100℃で4時間熟成反応を
行なった。このようにして得られた反応物を多量のメタ
ノール中へ投入し、生成した沈殿物を回収、乾燥してア
クリルアミド系共重合体(重量平均分子量19,40
0)を製造した。
【0097】製造例8(アクリル酸エステル系共重合体
[C−b]の製造) 温度計、撹拌機、滴下ロートおよびディーン・スターク
分水器を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、トルエ
ン400ml、エチレン−アクリル酸エチル−アクリル
酸共重合体(不規則に配列している。エチレン/アクリ
ル酸エチル/アクリル酸=93/3/4)150gおよ
びパラトルエンスルホン酸1.0gを仕込んだ。
【0098】次に、N,N−ジメチルアミノプロパノー
ル21.1gを仕込み、オイルバスを用いて110℃に
加熱し、生成した水をキシレンとの共沸により連続的に
除去し、さらに、110℃で5時間反応し、水が生成し
なくなり水の共沸が認められなくなるまでエステル化反
応を継続した。
【0099】得られた反応物460gを80℃まで冷却
し、その反応混合物に滴下ロートからヨウ化メチル2
8.7gを1時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱
が認められたが、冷却することにより反応温度を90℃
に維持した。滴下終了後、100℃で4時間熟成反応を
行なった。このようにして得られた反応物を多量のメタ
ノールの中へ投入し、生成した沈殿物を回収、乾燥して
アクリル酸エステル系共重合体(重量平均分子量18,
500)を製造した。
【0100】製造例9〜15([C−c]〜[C〜
i])の製造) 上記した製造例7[C−a]、製造例8[C−b]と同
様にして、(メタ)アクリルアミド系共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体([C−c]〜[C
〜i])を製造した。
【0101】[表1]に、上記製造例7〜15で得た
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、(メタ)アク
リルアミド系共重合体[C−a]〜[C−i]の各構造
単位におけるR〜R、X、Y、並びに各構造単位の
量をモル比で示す。
【0102】
【表1】
【0103】実施例1〜9および比較例1〜6 製造例1〜6で得た[B]成分、製造例7〜15で得た
[C]成分および下記[表2]に記載した熱可塑性樹脂
([A]成分)を、同表に記載した割合で配合し、二軸
押出し機(KRCニーダー、栗本鉄工所製)を用いて溶
融、混練してペレット化した。
【0104】次いで、得られたペレットを射出成形機
(Hipershot3000,新潟鉄工所製)を用い
て加工し、成形品を得た。
【0105】
【表2】
【0106】上記により得た成形品を用いて、帯電防
止性、その持続性および耐衝撃性を評価した。
【0107】帯電防止性の評価 帯電防止性の評価は、表面固有抵抗の測定により行っ
た。その表面固有抵抗の測定方法は、次の通りである。
すなわち、成形試験片を20℃、30%RH(相対湿
度)または20℃、60%RHの条件下に24時間放置
後、(株)川口電気製作所製、超絶縁系R−503型を
用いて表面固有抵抗値を測定した。結果を[表3]に記
載する。
【0108】帯電防止性の持続性の評価 帯電防止性の持続性の評価は以下の通りに行った。すな
わち、成形試験片を40℃のオーブン中で14日間エー
ジングした後に、その表面を洗剤としてママレモン(ラ
イオン(株)製)水溶液を用いて充分に洗浄後、イオン
交換水で充分にすすぎ、その後20℃、60%RHの雰
囲気中で24時間放置し、前記の方法で表面固有抵抗を
測定した。結果を[表3]に併記する。
【0109】耐衝撃性の評価 耐衝撃性の評価は、アイゾット衝撃強度の測定により行
なった(JIS K−7110に準拠)。結果を[表
3]に併記する。
【0110】
【表3】
【0111】[表3]から明らかなように、本発明の熱
可塑性樹脂組成物によって得られた成形品は優れた帯電
防止性を示し、この帯電防止性は洗浄によってもほとん
ど衰えない。また、耐衝撃性に関しては、比較例1、2
と実施例1、比較例3、4と実施例3、比較例5、6と
実施例8のアイゾット衝撃値を比較すればわかるよう
に、[B]成分の添加により大幅に向上している。
【0112】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物により、帯
電防止効果とその持続性および耐衝撃性がともに優れた
樹脂成形品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C08L 101/00 (C08L 101/00 23:26) 23:26) (56)参考文献 特開 平4−198308(JP,A) 特開 平3−258850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08F 8/32 C08F 8/44 C08F 210/02 C09K 3/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]熱可塑性樹脂を100重量部、 [B]ポリアルキレンオキシドグリコールまたは両末端
    がアミノ基に変性されたポリアルキレンオキシドグリコ
    ールから誘導され、かつ10〜90重量%のポリエーテ
    ル部分を有する下記(a)〜(e)よりなる群から選ば
    れた少なくとも1種を2〜25重量部、 (a)ポリエーテルエステルアミド (b)ポリエーテルアミド (c)ポリエーテルエステル (d)ポリエーテルアミドイミド (e)ポリエーテルウレタン [C]下記構造単位が線状に配列してなる重量平均分子
    量1,000〜50,000の(メタ)アクリルアミド
    系共重合体および/または(メタ)アクリル酸エステル
    系共重合体を1〜25重量部含有してなる熱可塑性樹脂
    組成物。一般式: 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基)で表わされる
    ポリオレフィン構造単位65〜99モル%、一般式: 【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数
    1〜18のアルキル基を示す)で表わされる(メタ)ア
    クリレート構造単位0〜15モル%、及び一般式: 【化3】 (式中、Yは酸素原子またはNH、Rは水素原子また
    はメチル基、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、R
    およびRはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R
    は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
    ールアルキル基または炭素数6〜12の脂環アルキル
    基、Xはハロゲン原子、CHOSO又はC
    SOを示す)で表わされる(メタ)アクリル酸エステ
    ル構造単位または(メタ)アクリルアミド構造単位1〜
    35モル%。
  2. 【請求項2】請求項1において、[B]成分である上記
    (a)〜(e)に代え、アルキレンオキシドの含有率が
    10〜90重量%であるアルキレンオキシド−エピハロ
    ヒドリン共重合体(f)を用いることを特徴とする熱可
    塑性樹脂組成物。
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