JP2546409B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2546409B2 JP11950090A JP11950090A JP2546409B2 JP 2546409 B2 JP2546409 B2 JP 2546409B2 JP 11950090 A JP11950090 A JP 11950090A JP 11950090 A JP11950090 A JP 11950090A JP 2546409 B2 JP2546409 B2 JP 2546409B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は永久帯電防止性を有し、かつ耐衝撃性、剛性
および成形加工性が優れ、かつ層状剥離(千枚めくれ)
のない樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術] ポリオレフィンは、その優れた特性によって広範な分
野で使用されている。これらの材料は材料の持つ機械的
強度に加え、帯電防止性を付与されればさらにその用途
を拡大することができる。すなわち、静電気による障害
を防止したい複写機、各種防塵用部品などへの用途展開
が可能となる。
ポリオレフィンの制電性を向上させる方法としては、
特開昭58−118838号公報はポリエーテルエステルアミド
とポリオレフィンの混合により、制電性を有する樹脂が
得られることを提案している。
また、特開平1−163234号公報はポリエーテルエステ
ルアミドとポリオレフィンおよびカルボキシル基、エポ
キシ基、アミノ基および置換アミノ基の少なくとも1種
の官能基を含有する変性オレフィン重合体の混合により
優れた機械物性と層状剥離防止性をそなえた永久制電性
樹脂組成物が得られることを提案している。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら特開昭58−118838号公報による制電性樹
脂は、ポリエーテルエステルアミドとポリオレフィンと
の親和性が極めて悪く、成形品が層状剥離を起し、実用
に供することができる組成物を得ることができない。
また特開平−163234号公報による制電性樹脂は、酸無
水物などをグラフト重合した変性ポリオレフィンを配合
することによって、ポリエーテルエステルアミドとポリ
オレフィンとの親和性がかなり改善されているものの、
変性ポリオレフィンの分子量が高いために成形品の層状
剥離防止性に欠点があり、十分満足のいくものではな
い。
よって本発明は、布拭や水洗などの環境によって帯電
防止性が損なわれず、優れた層状剥離防止性と剛性を保
持した制電性樹脂組成物を提供することを課題とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するためには、特定のポリエーテルエ
ステルアミドと不飽和のカルボン酸又はその無水物をグ
ラフト重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフ
ィンオリゴマーを配合すること、およびこの樹脂組成物
とポリオレフィンを配合することが重要であることを見
出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (A)(a)炭素原子数6以上のアミノカルボン酸ある
いはラクタム、または炭素数6以上のジアミンとジカル
ボン酸の塩、 (b)数平均分子量200〜6000のポリ(アルキレンオキ
シド)グリコール、および (c)炭素原子数4〜20のジカルボン酸を共重合したポ
リエーテルエステル単位が10〜90重量%であるポリエー
テルエステルアミド1〜99重量% (B)不飽和カルボン酸又は、その無水物をグラフト重
合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオリ
ゴマー99〜1重量% からなる熱可塑性樹脂組成物、および この樹脂組成物に(C)ポリオレフィンを配合し、全組
成物中の (A)ポリエーテルエステルアミドを1〜40重量%、 (B)不飽和カルボン酸又は、その無水物をグラフト重
合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオリ
ゴマーを0.1〜40重量% とした熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
以下本発明を具体的に説明する。
本発明における(A)ポリエーテルエステルアミドの
構成成分である(a)炭素原子数6以上のアミノカルボ
ン酸あるいはラクタム、または炭素原子数6以上のジア
ミンとジカルボン酸の塩としてはω−アミノカプロン
酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω
−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸および11−
アミノウンデカン酸、12−アミノデドカン酸などのアミ
ノカルボン酸あるいはカプロラクタム、エナントラクタ
ム、カプリルラクタムおよびラウロラクタムなどのラク
タムおよびヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩、ヘ
キサメチレンジアミン−セバシン酸塩およびヘキサメチ
レンジアミン−イソフタル酸塩などのジアミン−ジカル
ボン酸の塩が用いられ、特にカプロラクタム、12−アミ
ノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩
が好ましく用いられる。
(A)ポリエーテルエステルアミドの構成成分である
(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとして
は、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレン
オキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、
エチレンオキシドとポリピレンオキシドのブロックまた
はランダム共重合体およびエチレンオシドとテトラヒド
ロフランのブロックまたはランダム共重合体などが用い
られる。これらの中でも、制電性が優れる点で、特にポ
リエチレングリコールが好ましく用いられる。ポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコールの数平均分子量は200〜
6,000、特に250〜4,000の範囲で用いられ、数平均分子
量が200未満では得られるポリエーテルエステルアミド
の機械的性質が劣り、数平均分子量が6,000を超える場
合は、帯電防止性が不足するため好ましくない。
また本発明の効果を損なわない範囲内において、一般
式(I)で示されるジオール化合物を共重合することが
できる。
HR1 mO−Ar−OR2 nH …(I) (ただし式中、Arは炭素数6〜20の芳香族基および脂環
族基を示し、R1およびR2はエチレンオキシド基またはプ
ロピレンオキシド基を示し、mおよびnは各々1〜15の
整数を示す。) 上記一般式(I)で示されるジオール化合物には次式
(II)〜(IV)で示される化合物およびそのハロゲン誘
導体などが含まれる。
(ただし、式中、R1およびR2はエチレンオキシド基また
はプロピレンオキシド基を示し、Yは共有結合、炭素数
1〜6のアルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキ
リデン基、アリールアルキリデン基、O、SO、SO2、C
O、S、CF2、C(CF3またはNHを示す。また、mお
よびnは各々1〜15の整数を示す。) 具体的には、好ましいジオール化合物としてはハイド
ロキノンのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物、臭素化ビスフエノールAの
エチレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレン
オキシド付加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオ
キシド付加物およびそのブロック重合体等であり、特に
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびその
ブロック重合体が好ましい。
一般式(I)で示されるジオール化合物の量について
は特に制限はないが、(c)と共重合にして得られたポ
リエーテルエステル単位で0〜60重量%の範囲であると
好ましい。
(A)ポリエーテルエステルアミドの構成成分である
(c)炭素原子数4〜20のジカルボン酸としてはテレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−
ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフ
ェニル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジ
カルボン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムの
ごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸およびジ
シクロヘキシル−4,4′−ジカルボン酸のごとき脂環族
ジカルボン酸およびコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、
セバシン酸およびドデカンジ酸(デカンジカルボン酸)
のごとき脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、特にテレ
フタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ酸が
重合性、色調および物性の点から好ましく用いられる。
(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコールおよび
/またはジオール化合物と(c)ジカルボン酸は反応上
は1:1のモル比で反応するが、使用するジカルボン酸の
種類により通常仕込比を変えて供給される。
ポリエーテルエステルの構成成分である(b)ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールおよび/またはジオ
ール化合物と(c)ジカルボン酸はポリエーテルエステ
ルアミドの構成単位で、90〜10重量%の範囲で用いら
れ、90重量%を超える場合はポリエーテルエステルアミ
ドの機械的性質が劣り、10重量%未満では得られる樹脂
の帯電防止性が劣り好ましくない。
(A)ポリエーテルエステルアミドの重合方法に関し
ては特に限定されず、例えば (イ)(a)アミノカルボン酸またはラクタムと(c)
ジカルボン酸を反応させて両末端がカルボン酸基のポリ
アミドプレポリマをつくり、これに(b)ポリ(アルキ
レンオキシド)グリコールおよび/またはジオール化合
物を真空下に反応させる方法、 (ロ)前記(a)、(b)、(c)の各化合物を反応槽
に仕込み、水の存在下または非存在下に高温で加圧反応
させることにより、カルボン酸末端のポリアミドプレポ
リマを生成させ、その後常圧または減圧下で重合を進め
る方法、および (ハ)前記(a)、(b)、(c)の化合物を同時に反
応槽に仕込み溶融混合したのち高真空下で一挙に重合を
進める方法 などを利用することができる。
また、重合溶媒についても制限はなく、例えば三酸化
アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブチルスズオ
キシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタネートなど
のチタン系触媒、テトラブチルジルコネートなどのジル
コネート系触媒などを1種または2種以上使用すること
もできる。
本発明において用いる(B)ポリオレフィンオリゴマ
ーは数平均分子量1000〜20000の低分子量ポリオレフィ
ンに不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト重合
したオレフィン系オリゴマーである。
グラフト成分の量は不飽和カルボン酸のモノマー換算
でポリオレフィンオリゴマーに対して0.05〜10重量%が
好ましく、更に好ましくは1〜10重量%である。
低分子量ポリオレフィン中に不飽和カルボン酸または
その無水物を導入する方法は、公知のグラフト重合法を
用いることができる。不飽和カルボン酸またはその無水
物の例としてはアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン
酸、フタル酸およびその無水物を挙げることができる
が、中でも無水マレイン酸が望ましい。
低分子量ポリオレフィンの重合に用いられるオレフィ
ンとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−1またはこ
れらの混合物などが挙げられるが、中でもエチレン、プ
ロピレンが好ましく用いられる。
本発明で用いる(B)不飽和カルボン酸又はその無水
物をグラフト重合したポリオレフィンオリゴマーのGPC
法による数平均分子量は1000〜20000であることが必要
であり、好ましくは (イ)ポリエチレンオリゴマーの場合、1000〜5000 (ロ)ポリプロピレンオリゴマーの場合、2000〜12000 である。ポリオレフィンオリゴマーの数平均分子量が10
00以下では変色、発臭を起し易く、20000以上では層状
剥離防止性が劣り好ましくない。
更に本発明で用いる(B)不飽和カルボン酸またはそ
の無水物をグラフト重合したポリオレフィンオリゴマー
は次の物性を有することが好ましい。
(1)BL型粘度計による測定において (イ)ポリエチレンオリゴマーの場合、140℃における
溶融粘度が40000cps以下、好ましくは30000cps以下であ
ること。
(ロ)ポリプロピレンオリゴマーの場合、160℃におけ
る溶融粘度が10000cps以下、好ましくは1000〜7000cps
であること。
(2)差動熱量計(DSC)による測定において (イ)ポリエチレンオリゴマーの場合、125℃以下、好
ましくは95〜120℃、 (ロ)ポリプロピレンオリゴマーの場合、160℃以下、
好ましくは125〜155℃に吸熱ピークが認められること。
該ポリオレフィンオリゴマーはポリエーテルエステル
アミドおよびポリオレフィンより融点が低く、かつ極め
て低い溶融粘性を有する。
その結果、本発明の樹脂組成物を溶融混練法で製造す
るとき、ポリオレフィンオリゴマーが最も早く溶融し、
未溶融のポリエーテルエステルアミド、ポリオレフィン
の両成分に有効かつ均質に分散コーティングされること
により、ポリオレフィンオリゴマーの相溶化効果が最大
限に発現される。
低分子量ポリオレフィンの製造法についても特に制限
はなく、変性チーグラー系触媒を用いる配位アニオン重
合法、有機パーオキサイドと連鎖移動剤を用いるラジカ
ル重合法などの公知のオレフィンの重合法や、高分子量
ポリオレフィンの熱分解あるいは酸化分解による公知の
方法を用いることができる。
本発明において用いることができる(C)ポリオレフ
ィンとしては、一般に市販されているポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレ
ン/ブテン−1共重合体およびそれらの混合物が挙げら
れ、特にポリプロピレン、ポリエチレンが好ましく用い
られる。
(C)ポリオレフィンの重合方法に関しては特に限定
されず、例えばプロピレンを溶剤中でチーグラーナッタ
触媒と接触させ室温〜80℃、3〜10kg/cm2で重合を進め
る方法、エチレンを溶剤中でトリエチルアルミニウム/
四塩化チタン触媒と接触させ60〜80℃、常圧〜8kg/cm2
で重合を進める方法などを利用することができる。
かくして得られた重合体は、 (1)(A)ポリエーテルエステルアミドが1〜99重量
%、好ましくは15〜97重量%、 (B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト重
合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオリ
ゴマーが99〜1重量%、好ましくは3〜85重量%、 となるように配合する。
(A)ポリエーテルエステルアミドが1重量%未満で
は帯電防止性が不足し、99重量%を超えると成形作業性
が悪化する。また、(B)不飽和カルボン酸またはその
無水物をグラフト重合した数平均分子量1000〜20000の
ポリオレフィンオリゴマーが1重量%未満では、例えば
この(A)成分と(B)成分とからなる樹脂組成物を
(C)成分に配合して帯電防止性に優れた組成物を得、
これを成形するとき成形品の層状剥離防止性が不足し、
99重量%を超えると帯電防止性が劣る。
(2)また上記(1)の樹脂組成物と(C)ポリオレフ
ィンを配合し、全組成物中の(A)ポリエーテルエステ
ルアミドが1〜40重量%で、(B)不飽和カルボン酸ま
たはその無水物をグラフト重合した数平均分子量1000〜
20000のポリオレフィンオリゴマーが0.1〜40重量%にな
るように配合する。
このとき、(A)ポリエーテルエステルアミドが1重
量%未満では樹脂組成物の帯電防止性が不足し、40重量
%を超える場合樹脂組成物が柔軟になり機械的性質が劣
る。
一方、(B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグ
ラフト重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフ
ィンオリゴマーが0.1重量%未満では成形品が層状剥離
を起こすため使用できず、40重量%を超える場合、機械
的性質が劣る。
(C)ポリオレフィンが20重量%未満の場合、樹脂組
成物が柔軟になり機械的性質が劣り、99重量%を超える
場合は帯電防止性が劣る。
本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限は
なく、例えば (A)ポリエーテルエステルアミドと(B)不飽和カ
ルボン酸またはその無水物をグラフト重合した数平均分
子量1000〜20000のポリオレフィンオリゴマーを混合す
る方法、 (A)ポリエーテルエステルアミド、(B)不飽和カ
ルボン酸またはその無水物をグラフト重合した数平均分
子量1000〜20000のポリオレフィンオリゴマーおよび
(C)ポリオレフィンを同時に混合する方法、 (A)ポリエーテルエステルアミドと(B)不飽和カ
ルボン酸またはその無水物をグラフト重合した数平均分
子量1000〜20000のポリオレフィンオリゴマーを予め混
合し、これに(C)ポリオレフィンを混合する方法のい
ずれでもよく、混練手段としてはバンバリーミキサー、
ロール、エクストルーダーなどで溶融混練することによ
って製品化される。
また、別の方法として(A)ポリエーテルエステルア
ミドと(B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラ
フト重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィ
ンオリゴマーからなる樹脂組成物ペレットと(C)ポリ
オレフィンのペレットをブレンドすることによっても製
品化できる。
特に後者のペレットブレンド法は経済的で合理的な製
造方法である。
本発明の樹脂組成物は本発明の樹脂組成物と相溶性の
ある他の熱可塑性重合体、例えばポリアミド、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニ
ル樹脂、ポリグルタルイミド、水素添加および/または
水素未添加のスチレン−ブタジエンブロック共重合体な
どのエラストマ、ポリスチレン、ハイインパクトポリス
チレン、ABS、AES、AAS、ACS、スチレン変性ポリフェニ
レンエーテルなどを混合して、成形用樹脂としての性能
を改良することができる。
また、スルホン酸の金属塩やアニオン系、カチオン
系、非イオン系の界面活性剤などの帯電防止剤を添加し
て帯電防止性を一層向上させることも可能であり、さら
に必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種安
定剤や顔料、染料、滑剤、可塑剤、ガラス繊維、無機フ
ィラー、難燃剤、導電剤などを添加することもできる。
[実施例] 本発明をさらに具体的に説明するために、以下、実施
例および比較例を挙げて説明する。なお、最終的に得ら
れた樹脂組成物は射出成形法によって成形されたのち、
下記の試験法により諸物性を測定した。
アイゾット衝撃強度: ASTM D256−56A 曲げ弾性率:ASTM D790 表面固有抵抗値:2mmt×40mmφ円盤を用い、室温23℃、
湿度50%RH雰囲気下で測定した。測定には東亜電波工業
(株)製の超絶縁抵抗計SM−10型を用いた。
成形品の層状剥離防止性は成形品を折り曲げ、および
引張試験した試験片の破断面の観察により行い、◎:極
めて良好、○:良好、×:成形品が層状剥離を起こす、
を判定基準とした。
また、実施例中の部数および%は、それぞれ重量部お
よび重量%を示す。
参考例 (1)(A)ポリエーテルエステルアミドの調製A−1:
カプロラクタム50部、数平均分子量が1000のポリエチレ
ングリコール44.2部およびテレフタル酸7.6部を“イル
ガノックス"1098(酸化防止剤)0.2部および三酸化アン
チモン触媒0.1部と共にヘリカルリボン撹拌翼を備えた
反応容器に仕込み、窒素置換して260℃で60分間加熱撹
拌して透明な均質溶液とした後、260℃、0.5mmHg以下の
条件で4時間重合し、粘ちょうで透明なポリマを得た。
ポリマを冷却ベルト上にガット状に吐出し、ペレタイ
ズすることによって、ペレット状のポリエーテルエステ
ルアミド(A−1)を調製した。(A−1)中のポリエ
ーテルエステル単位は45重量%であった。
A−2:ナイロン6・6塩(AH塩)40部、ビスフェノール
Aのエチレンオキシド付加物(ニューポール BPE−2
0、三洋化成工業(株)製)6.3部、数平均分子量1000の
ポリエチレングリコール41.9部、ドデカジオン酸14.3部
を“イルガノックス"1098 0.2部、三酸化アンチモン0.
02部と共にA−1に用いた反応容器に仕込み、窒素置換
して260℃で60分間加熱撹拌して透明な均質溶液とした
後、500mmHgに減圧して反応容器気相部の水分を除去
し、テトラブチルジルコネート0.08部添加した。次いで
260℃、0.5mmHg以下の条件で3時間30分重合し、粘ちよ
うで透明なポリマを得た。以降A−1と同一方法でポリ
エーテルエステルアミド(A−2)を調製した。
(A−2)中のポリエーテルエステル単位は40重量%で
あった。
(2)(B)ポリオレフィンオリゴマーの調製 B−1:アイソタクチックポリプロピレンを分解して得た
低分子量ポリプロピレンを無水マレイン酸でグラフトし
たポリプロピレンオリゴマーを使用した。
BL型粘度計による160℃の溶融粘度は5000cps、GPC法
による数平均分子量は12000であった。また、差動熱量
計(DSC)による測定では150℃に吸熱ピークが観察さ
れ、赤外法で定量したところ5重量%の無水マレイン酸
がグラフトされていた。
B−2:B−1と同じ低分子量ポリプロピレンを無水マレ
イン酸でグラフトしたポリプロピレンオリゴマーを使用
した。
BL型粘度計による溶融粘度は1900cps/160℃、GPC法に
よる数平均分子量は4000、差動熱量計による吸熱ピーク
は143℃、赤外法による無水マレイン酸グラフト量は10
重量%であった。
B−3:ポリエチレンを分解して得た低分子量ポリエチレ
ンを無水マレイン酸でグラフトしたポリエチレンオリゴ
マーを使用した。
BL型粘度計による140℃の溶融粘度は25000cps、GPC法
による数平均分子量は2000であった。また、差動熱量計
(DSC)による測定では103℃に吸熱ピークが観察され、
赤外法で定量したところ5重量%の無水マレイン酸がグ
ラフトされていた。
B−4:ポリプロピレンを無水マレイン酸でグラフト変性
した酸無水物変性ポリプロピレンを使用した。
メルトインデックスから求めた数平均分子量は約1000
00、フローテスターによる220℃の溶融粘度は4800pois
e、差動熱量計(DSC)による測定では165℃に吸熱ピー
クが観察され、赤外法で定量したところ1.1重量%の無
水マレイン酸がグラフトされていた。
B−5:ポリエチレンを無水マレイン酸でグラフト変性し
た酸無水物変性ポリエチレンを使用した。
メルトインデックスから求めた数平均分子量は約4000
0、フローテスターによる190℃の溶融粘度は7000pois
e、ASTM D1505で測定した密度は0.92であり、差動熱量
計(DSC)による測定では111℃に吸熱ピークが観察さ
れ、赤外法で定量したところ1.5重量%の無水マレイン
酸がグラフトされていた。
(3)(C)ポリオレフィンの調製 C−1:ポリプロピレン(ASTM D1238で測定したMI8g/10
分)を使用した。
C−2:ポリプロピレン(ASTM D1238で測定したMI0.5g/1
0分)を使用した。
C−3:ポリプロピレン(エチレンを5重量%共重合し
た)(ASTM D1238で測定したMI1.5g/10分)を使用し
た。
C−4:ポリエチレン(ASTM D1238で測定したMI0.7g/10
分)(ASTM D1505で測定したSG0.95)を使用した。
C−5:ポリエチレン(ASTM D1238で測定したMI1.9g/10
分)(ASTM D1505で測定したSG0.92)を使用した。
実施例1〜8 参考例で調整した(A)ポリエーテルエステルアミド
と(B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト
重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオ
リゴマーを表1に示した配合比で混合し、ベント付40mm
押出機で樹脂温度230℃で溶融混練、押出を行うことに
よってペレットを製造した。
次いで射出成形機により、シリンダー温度230℃、金
型温度60℃で試験片を成形し、物性を測定した。
表面固有抵抗値は、射出成形した厚さ2mmの円板を用
いて測定した。
比較例1〜2 参考例で調整した(A)ポリエーテルエステルアミド
と(B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト
重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオ
リゴマーを表1に示した配合比で混合し、実施例と同様
の方法で溶融混練し、押出成形して物性を推定した。
測定結果を表1に示した。
表1の結果から次のことが明らかである。本発明の樹
脂組成物(実施例1〜8)は、いずれも低い表面固有抵
抗値と、優れた層状剥離防止性を有している。
該樹脂組成物をポリプロピレン、ポリエチレン、およ
びこれらの共重合体に混合すると、 (A)ポリエーテルエステルアミドと(C)ポリオレフ
ィンとの相溶性を高め、優れた制電性と好ましい機械物
性を付与する。
一方、(A)ポリエーテルエステルアミドが1重量%
未満の場合(比較例1)は帯電防止性が劣り、99重量%
を超える場合(比較例2)は成形加工性が劣り好ましく
ない。
(B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト
重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオ
リゴマーが1重量%未満の場合(比較例2)は表1では
いいがこの組成物とポリオレフィン(C)との混合物の
成形品が層状剥離を起す(表2の比較例10参照)ので好
ましくない。不飽和カルボン酸またはその無水物をグラ
フト重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィ
ンオリゴマー(B)が99重量%を超える場合(比較例
1)は、帯電防止性が劣り好ましくない。
実施例9〜15 表2に示した(最終)樹脂組成となるように実施例1
〜6で得た本発明の樹脂組成物ペレットと参考例で調整
した(C)ポリオレフィンのペレットをブレンドした。
実施例1と同様の条件で射出成形し、各物性を測定し
た。表面固有抵抗値は射出成形した厚さ2mmの円盤を用
い、次の条件で測定した。
(1)成形直後、洗剤“ママレモン”(ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し、続いて蒸留水で十分洗浄し
てから表面の水分を取除いた後、50%RH、23℃で24時間
調湿して測定した。
(2)成形後、50%RH、23℃中に200日間放置した後、
洗剤“ママレモン”水溶液で洗浄し、続いて蒸留水で十
分洗浄してから表面の水分を取除いた後、50%RH、23℃
で24時間調湿して測定した。
測定結果を表2に示した。
実施例16〜19 参考例で調整した(A)ポリエーテルエステルアミ
ド、(B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフ
ト重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィン
オリゴマー、(C)ポリオレフィンを表2に示した配合
比で混合し、実施例1と同様の方法で溶融混練し、押出
成形して各物性を測定した。
測定結果を表2に示した。
比較例3〜10 参考例で調整した(A)ポリエーテルエステルアミ
ド、(B)不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフ
ト重合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィン
オリゴマー、(C)ポリオレフィンを表2に示した配合
比で混合し、実施例と同様の方法で溶融混練し、押出成
形して各物性を測定した。
測定結果を表2に示した。
表2の結果から次のことが明らかである。本発明の樹
脂組成物(実施例9〜19)はいずれも衝撃強度、曲げ弾
性率に代表される機械的性質、成形加工性が均衡して優
れ、かつ低い表面固有抵抗値を有している。しかも表面
洗浄や経時変化によっても抵抗値はほとんど変化せず、
優れた永久帯電防止性を発揮する。
すなわち本発明の樹脂組成物は優れた機械的性質と成
形加工性、層状剥離防止性および永久帯電防止性を兼備
する。
一方ポリエーテルエステルアミド(A)が1重量%未
満の場合(比較例3)は帯電防止性が劣り、ポリエーテ
ルエステルアミド(A)が40重量%を超える場合(比較
例4)は曲げ弾性率が劣る。
不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト重合し
た数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオリゴマ
ー(B)が0.1重量%未満の場合(比較例9、10)は、
成形品が層状剥離を起すので好ましくない。不飽和カル
ボン酸またはその無水物をグラフト重合した数平均分子
量1000〜20000のポリオレフィンオリゴマー(B)が40
重量%を超える場合(比較例8)は衝撃強さが劣り好ま
しくない。
ポリオレフィン(C)が20重量%未満の場合(比較例
5)は曲げ弾性率が劣り好ましくない。ポリオレフィン
(C)が98重量%を超える場合(比較例3)は帯電防止
性が劣り好ましくない。
通常のポリオレフィンが、酸無水物グラフト変性され
た酸無水物変性ポリオレフィンの場合(比較例6、7)
は、樹脂組成物の層状剥離防性が劣り好ましくない。
[発明の効果] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は特定の(A)、(B)
あるいは更に(C)を特定量配合しているため永久帯電
防止性、耐衝撃性等の機械的特性および成形加工性がと
もに優れ、かつ層状剥離のない成形品が得られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)炭素原子数6以上のアミノカ
    ルボン酸あるいはラクタム、または炭素数6以上のジア
    ミンとジカルボン酸の塩、 (b)数平均分子量200〜6000のポリ(アルキレンオキ
    シド)グリコール、および (c)炭素原子数4〜20のジカルボン酸を共重合したポ
    リエーテルエステル単位が10〜90重量%であるポリエー
    テルエステルアミド1〜99重量% (B)不飽和カルボン酸又は、その無水物をグラフト重
    合した数平均分子量1000〜20000のポリオレフィンオリ
    ゴマー99〜1重量% からなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の樹脂組成物と(C)ポ
    リオレフィンを配合し、全組成物中の(A)ポリエーテ
    ルエステルアミドが1〜40重量%で、かつ(B)不飽和
    カルボン酸又はその無水物をグラフト重合したポリオレ
    フィンオリゴマーが0.1〜40重量%になるようにしたこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
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