JP2959212B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関
し、特に永久帯電防止性および耐薬品性を有し、比較的
安価で工業的に有用な熱可塑性樹脂に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合成高分子材料は、そのすぐれた特性に
よって広範な分野で使用されている。たとえば、スチレ
ン系樹脂は剛性、耐衝撃性、耐熱性に優れているので自
動車のインナーパネル、ビデオカセットケース等に用い
られ、ポリオレフィンは成形性に優れ、安価であるた
め、家電のハウジング、日用品に用いられているが、こ
れらの樹脂はいずれも帯電しやすいという欠点がある。
そこで、これら材料の持つ機械的強度に加え、帯電防止
性を付与されれば、さらにその用途を拡大することがで
きる。すなわち、静電気による障害を防止したい複写
機、テレビなどの電子・電気機械部品、各種防塵用部品
などへの用途展開が可能となる。
【0003】合成高分子材料の制電性を向上させる方法
としては、共役ジエンおよび/またはアクリル酸エステ
ルとアルキレンオキサイド基を有するビニル系単量体を
共重合して得られる親水性ゴム状重合体にビニル系単量
体又はビニリデン単量体をグラフト重合して得る方法
(特開昭55−362375号公報)などが有り、実用
制電性を達成している。
【0004】また、本発明の構成成分と類似のものとし
ては、特開昭60−170646号公報に、スチレン系
樹脂とポリアミドエラストマーを配合してなる組成物が
スチレン系樹脂の耐摩耗性を改良することが記載されて
いる。一方、特開昭63−97653号公報には、ポリ
アミドエラストマをスチレン系樹脂に0.01〜10μm
の粒子状に微分散することで層状剥離をなくし、かつ帯
電防止性を付与することが開示されている。
【0005】更に、特開平2−160855号公報に
は、スチレン系樹脂およびポリオレフィンからなる樹脂
組成物に芳香族ビニル共役ジエン系ブロック共重合体の
水素添加物を配合してなる組成物がスチレン系樹脂の機
械的強度を改良することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭55−36237号公報記載の親水性ゴム状重合
体をグラフト重合して得られた制電性樹脂は特殊な親水
性ゴム状重合体を使用しているため、その製造方法が煩
雑なこと、および得られる樹脂の機械的特性および耐薬
品性が劣る欠点があり、十分満足できるものではない。
【0007】また、特開昭60−170646号公報記
載の組成物は耐摩耗性の改良を目的としたものであるが
樹脂組成物の耐薬品性が劣る欠点がある。さらに、特開
昭63−97653号公報記載の組成物は帯電防止性に
は優れるものの、耐薬品性に問題があり、また、高価な
樹脂のみからなるのでコスト的に不利であるため工業的
には問題がある。
【0008】一方、特開平2−160855号公報記載
の組成物は機械的強度の改良を目的としたものであり、
帯電防止性が付与されていない。本発明は上記従来例に
おける問題点の解消を課題とするものであり、永久帯電
防止性およびすぐれた耐薬品性を有し、比較的安価で工
業的に有用な熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は (A)スチレン系熱可塑性樹脂 (B)ポリエーテルエステルアミド および (C)ポリオレフィン からなり、成分(A)と成分(B)の重量配合比(A)
/(B)が10〜99/90〜1であり、かつ成分
(C)の配合量が、成分(A)および成分(B)の合計
100重量部に対して、10〜200重量部である熱可
塑性樹脂組成物によって達成される。
【0010】以下本発明を具体的に説明する。本発明に
おける(A)スチレン系熱可塑性樹脂は、スチレン含量
50重量%以上のスチレン重合体または共重合体をい
う。具体的なスチレン系熱可塑性樹脂の例としてはポリ
スチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ゴム質重合体−アクリロ
ニトリル共重合体(ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹
脂、ACS樹脂)、スチレン変性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂などが挙げられ、これらは2種以上用いることも
できる。さらにスチレン系熱可塑性樹脂のスチレンの一
部はα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレンなどに置換可能である。
【0011】好ましいスチレン系熱可塑性樹脂として
は、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、ABS樹脂
である。本発明における(B)ポリエーテルエステルア
ミドはポリアミド単位のハード成分とポリエーテルエス
テル単位のソフト成分とからなるブロック共重合体であ
る。
【0012】ポリエーテルエステルアミドのハード成分
を構成するモノマとしては炭素原子数6以上のアミノカ
ルボン酸あるいはラクタム、または炭素原子数6以上の
ジアミンとジカルボン酸の塩が好ましく、具体的にはω
−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミ
ノカプリル酸、アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン
酸および11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸などのアミノカルボン酸、あるいはカプロラクタ
ム、エナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロ
ラタムなどのラクタムおよびヘキサメチレンジアミン−
アジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸およ
びヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩などのジア
ミン−ジカルボン酸の塩が挙げられ、特にカプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン
−アジピン酸塩が好ましく用いられる。
【0013】ポリエーテルエステルアミドのソフト成分
を構成するポリエーテルとしてはポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールが好ましく、具体的にはポリエチレン
グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコ
ール、(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサ
メチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体お
よびエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック
またはランダム共重合体などが挙げられる。これらの中
でも、制電性が優れる点で、特にポリエチレングリコー
ルが好ましく用いられる。また、ポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールの数平均分子量は200〜6000、
特に250〜4000の範囲のものが用いられ、数平均
分子量が200未満では得られるポリエーテルエステル
アミドの機械的性質が劣り、数平均分子量が6000を
超える場合は、帯電防止性が不足するため好ましくな
い。またポリ (アルキレンオキシド) グリコールには本
発明の効果を損なわない範囲において一般式(I)で示
されるジオール化合物が共重合されていてもよい。
【0014】
【0015】(ただし式中、Ar は炭素数6〜20の芳
香族基および脂環族基を示し、R1 およびR2 はエチレ
ンオキシド基またはプロピレンオキシド基を示し、mお
よびnは各々1〜15の整数を示す。)上記一般式(I
I)で示されるジオール化合物には次式 (II) 〜(IV)
で示される化合物およびそのハロゲン誘導体などが含ま
れる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】(ただし式中、R1 およびR2 はエチレン
オキシド基またはプロピレンオキシド基を示し、Yは共
有結合、炭素数1〜6のアルキレン基、アルキリデン
基、シクロアルキリデン基、アリールアルキリデン基、
O、SO、SO2 、CO、S、CF2、C(CF3)2 また
はNHを示す。また、mおよびnは各々1〜15の整数
を示す。)具体的には、好ましいジオール化合物として
はハイドロキノンのエチレンオキシド付加物、ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物、臭素化ビスフェノ
ールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールSの
エチレンオキシド付加物、ジヒドロキシナフタレンのエ
チレンオキシド付加物およびそのブロック重合体等であ
り、特にビスフェノールAのエチレンオキシド付加物お
よびそのブロック重合体が好ましい。
【0020】ポリエーテルエステルアミドのポリエーテ
ルとポリアミドをつなぐジカルボン酸としては炭素原子
数4〜20のジカルボン酸が好ましく、具体的にはテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジ
フェニル−4, 4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウム
のごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸および
ジシクロヘキシル−4, 4'−ジカルボン酸のごとき脂環
族ジカルボン酸およびコハク酸、シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸およびドデカンジ酸(デカンジカルボン
酸)のごとき脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、特に
テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ
酸が重合性、色調および物性の点から好ましく用いられ
る。
【0021】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
ジカルボン酸は理論上は1:1のモル比で反応するが使
用するジカルボン酸の種類により通常仕込比を変えて供
給される。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとジ
カルボン酸はポリエーテルエステルアミド中90〜10
重量%の範囲で用いられ、90重量%を超える場合はポ
リエーテルエステルアミドの機械的性質が劣り、10重
量%未満では得られる樹脂の帯電防止性が劣り好ましく
ない。
【0022】ポリエーテルエステルアミドの重合方法に
関しては特に限定されず、例えば(イ)(a)アミノカルボ
ン酸、ジカルボン酸/ジアミン塩、またはラクタムと
(c)ジカルボン酸を反応させて両末端がカルボン酸基の
ポリアミドプレポリマをつくり、これに (b)ポリ(アル
キレンオキシド)グリコールおよび/またはジオール化
合物を真空下に反応させる方法、(ロ)前記 (a)、
(b)、(c)の各化合物を反応槽に仕込み、水の存在下また
は非存在下に高温で加圧反応させることにより、カルボ
ン酸末端のポリアミドプレポリマを生成させ、その後常
圧または減圧下で重合を進める方法、および(ハ)前記
(a)、(b)、(c)の化合物を同時に反応槽に仕込み溶融混
合したのち高真空下で一挙に重合を進める方法などを利
用することができる。
【0023】また、重合触媒についても制限はなく、例
えば三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブ
チルスズオキシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタ
ネートなどのチタン系触媒、テトラブチルジルコネート
などのジルコネート系触媒などを1種または2種以上使
用することもできる。本発明において用いることのでき
る (C) ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン
/ブテン−1共重合体およびそれらの混合物が挙げら
れ、特にポリプロピレン、ポリエチレンが好ましく用い
られる。
【0024】(C) ポリオレフィンの重合方法に関して
は特に限定されず、例えばプロピレンを溶剤中でチーグ
ラーナッタ触媒と接触させ室温〜80℃、3〜10kg/
cm2 で重合を進める方法、エチレンを溶剤中でトリエチ
ルアルミニウム/四塩化チタン触媒と接触させ60〜8
0℃、常圧〜8kg/cm2 で重合を進める方法などを利用
することができる。
【0025】本発明における(A)スチレン系熱可塑性
樹脂と(B)ポリエーテルエステルアミドの配合割合は
(A)成分が99〜10重量%、好ましくは97〜20
重量%、特に好ましくは95〜60重量%、 (B)成分が1〜90重量%、好ましくは3〜80重量
%、特に好ましくは5〜40重量%である。(B)ポリ
エーテルエステルアミドが1重量%未満では樹脂組成物
の帯電防止性が不足し、90重量%を超えると樹脂組成
物が柔軟になり、機械的特性が劣るため好ましくない。 (C)ポリオレフィンの配合量は (A)スチレン系熱可
塑性樹脂および(B)ポリエーテルエステルアミドの合
計100重量部に対して、10〜200重量部、好まし
くは30〜150重量部、特に好ましくは50〜110
重量部である。ポリオレフィンが10重量部未満では組
成物の耐薬品性が不足し、200重量部を超えると寸法
安定性が低下するので好ましくない。
【0026】本発明の樹脂組成物の製造方法については
特に制限はなく、例えば(A)スチレン系熱可塑性樹
脂、(B)ポリエーテルエステルアミドおよび(C)ポ
リオレフィンの混合物をバンバリーミキサー、ロール、
エクストルーダーなどで溶融混練することによって製品
化される。本発明の樹脂組成物は本発明の目的を損なわ
ない範囲で、他の熱可塑性重合体、例えば塩化ビニル樹
脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンスルフィドなどを混合
して、成形用樹脂としての性能を改良することができ
る。また、スルホン酸の金属塩やアニオン系、カチオン
系の界面活性剤などの帯電防止剤を添加して帯電防止性
を一層向上させることも可能であり、さらに必要に応じ
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種安定剤や顔
料、染料、滑剤、ガラス繊維、無機フィラー、導電剤お
よび可塑剤、難燃剤などを添加することもできる。
【0027】本発明の組成物はスチレン系樹脂、アミド
系樹脂、オレフィン系樹脂という三様の樹脂が混在する
ため、これらが互いに親和性をもって均一に分散しない
ことにはこれを成形品としたとき、それぞれの樹脂が有
する特徴を発揮することができない。本発明の場合、ポ
リエーテルエステルアミドは樹脂組成物に帯電防止性を
付与することが最大の目的であるが、その他に、スチレ
ン系熱可塑性樹脂とポリオレフィンとの相溶性を向上さ
せる効果をも有している。
【0028】しかし、更に各成分同士の相溶性を向上さ
せるためには第4成分として次のような相溶化剤を用い
ることが好ましい。組成物中にスチレン系熱可塑性樹脂
の量が多い場合には、カルボキシル基、酸無水物基、エ
ポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、ポリアルキレン
オキシド基またはその誘導体から選ばれた少なくとも1
種の官能基を含有する変性ビニル系重合体が好ましい。
【0029】また、組成物中にポリオレフィンの量が多
い場合には、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基
およびヒドロキシル基を含有する単量体によって変性さ
れたポリオレフィンまたは数平均分子量が1,000〜2
0,000のポリオレフィンオリゴマーが好ましい。さら
に相溶性のみでなく、機械的特性を改良したい場合に
は、エチレン、プロピレンおよびビニル化合物からなる
共重合体、例えば、エチレン・プロピレン・スチレン系
ブロック共重合体、あるいはアクリロニトリル・EPP
M・スチレン共重合体が好ましい。
【0030】これらの相溶化剤は通常 (A), (B),
(C) 成分100重量部に対して1〜50重量部用いら
れる。本発明の樹脂組成物の成形法は特に限定されず、
射出成形、押出成形 (チューブ、パイプ、シート、フィ
ルム、ラミネートなど) 、ブロー成形 (ダイレクトブロ
ー、インジェクションブロー、多層ブローなど) 、真空
成形、圧縮成形などの成形加工法により各種の部品、製
品にすることができる。
【0031】更に、接着、ラベリング、印刷、塗装、ウ
ェルディング、切削などの後加工処理を付与することも
できる。本発明の樹脂組成物は電気、電子、自動車等の
部品、包装用材料および飲料用化粧用等の容器として有
用であり、特にごみや静電気障害を嫌うオーディオカセ
ット、ビデオカセット、テレビ部品、クーラー用ファ
ン、扇風機用ファン、電気器のハウジング、複写機の用
紙収納ケース、電気掃除機のダクトケース、ICカード
ケース、フロッピィーディスク用ケースなどのケース
類、インストルメントパネルなどの自動車用内装材、ラ
ミネート加工紙包装材、電気、電子部品のフィルム包装
材、シュリンクフィルム、化粧品用ブローボトル、調味
料用ブローボトル、チューブ状容器、カップ状容器等の
用途に適している。
【0032】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例および比較例を挙げて説明する。なお実施例中の
部数および%はそれぞれ重量部および重量%をしめす。 参考例 (1)(A):スチレン系熱可塑性樹脂の調製 A−1:スチレンモノマーを加熱し、塊状重合してポリ
スチレン(A−1)を調製した。 A−2:ジエンNF35A(旭化成(株)製)10部を
スチレン90部に溶解した後、塊状重合してグラフト重
合体(A−2)を調製した。 A−3:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25
μ、ゲル含率80%)20部(固形分換算)の存在下で
スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量
体混合物80部を乳化重合した。
【0033】得られたグラフト共重合体は硫酸で凝固
し、苛性ソーダで中和、洗浄、濾過、乾燥してパウダー
状のグラフト共重合体(A−3)を調製した。 A−4:A−3で使用したポリブタジエンラテックス1
0部(固定分換算)の存在下でメタアクリル酸メチル7
2%、スチレン24%、アクリロニトリル4%からなる
単量体混合物90部を乳化重合した後、A−3と同様に
してパウダー状のグラフト共重合体(A−4)を調製し
た。 (2)(B):ポリエーテルエステルアミドの調製 B−1:カプロラクタム50部、数平均分子量が100
0のポリエチレングリコール44.2部およびテレフタル
酸7.6部を“イルガノックス”1098(酸化防止剤)
0.2部および三酸化アンチモン触媒0.1部と共にヘリカ
ルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置換し
て260℃で60分間加熱攪拌して透明な均質溶液とし
た後、260℃、0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、
粘稠で透明なポリマを得た。
【0034】ポリマを冷却ベルト上にガット状に吐出
し、ペレタイズすることによって、ペレット状のポリエ
ーテルエステルアミド(B−1)を調製した。(B−
1)中のポリエーテルエステル単位は45重量%であっ
た。 B−2:ナイロン6・6塩(AH塩)40部、ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物(“ニューポール”
BPE−20、三洋化成工業(株)製)6.3部、数平均
分子量1000のポリエチレングリコール41.9部、ド
デカジオン酸14.3部を“イルガノックス”1098
0.2部、三酸化アンチモン0.02部と共にA−1で用い
た反応容器に仕込み、窒素置換して260℃で60分間
加熱攪拌して透明な均質溶液とした後、500mmHgに減
圧して反応容器気相部の水分を除去し、テトラブチルジ
ルコネート0.08部添加した。次いで260℃、0.5mm
Hg以下の条件で3時間30分重合し、粘稠で透明なポリ
マを得た。以降B−1と同一方法でポリエーテルエステ
ルアミド(B−2)を調製した。(B−2)中のポリエ
ーテルエステル単位は40重量%であった。 B−3:ω−アミノデカン酸30部、ドデカン酸14.2
部および数平均分子量1000のポリエチレングリコー
ル58.6部を用いて、重合時間を3時間にした以外は
(B−1)と同じ方法でポリエーテルエステルアミド
(B−3)を調製した。(B−3)中のポリエーテルエ
ステル単位は60重量%であった。
【0035】(3)(C)ポリオレフィンの調製 C−1:ポリプロピレン (ASTM D1238で測定
したMI8g/10分)を使用した。 C−2:ポリプロピレン (エチレンを5重量%共重合し
た) (ASTM D1238で測定したMI 1.5g/1
0分) を使用した。 C−3:ポリエチレン (ASTM D1238で測定し
たMI 0.7g/10分)(ASTM D1505で測定し
たSG0.95 ) を使用した。 実施例1〜6 参考例で調製した(A)スチレン系熱可塑性樹脂、
(B)ポリエーテルエステルアミドおよび(C)スチレ
ンスルホン酸化合物を表1に示した配合比で混合し、ベ
ント付40mmφ押出機で樹脂温度220℃で溶融混練、
押出を行うことによってペレットを製造した。
【0036】ついで射出成形機により、シリンダー温度
220℃、金型温度60℃で試験片を成形し、物性を測
定した。表面固有抵抗値は射出成形した厚さ2mmの円板
を用い、次の条件で測定した (1)成形直後、洗剤“ママレモン”(ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し続いて蒸留水で十分洗浄して
から表面の水分を取り除いた後、50%RH、23℃で
24時間調湿して測定した。 (2)成形後、50%HR、23℃中に200日間放置
した後、洗剤“ママレモン”(ライオン油脂(株)製)
水溶液で洗浄し、続いて蒸留水で十分洗浄してから表面
の水分を取り除いた後、50%RH、23℃で24時間
調湿して測定した。
【0037】耐薬品性は射出成型した厚さ3mmの角板を
用い、成型後フロンR123に24時間浸した後の状態
を、○:変化なし、△:やや膨潤している、×:溶解し
た、の3段階に分け、目視で評価した。測定結果を表2
に示した。 比較例1〜4 参考例で調製した(A)スチレン系熱可塑性樹脂、
(B)ポリエーテルエステルアミドおよび(C)ポリオ
レフィンを表1に示した配合比で実施例と同様の方法で
溶融混練、成形して物性を測定した。測定結果を表2に
示した。
【0038】
【0039】
【0040】表2の結果から次のことが明らかである。
本発明の樹脂組成物(実施例1〜6)はいずれも低い表
面固有抵抗値を有しており、かつ耐薬品性に優れてい
る。一方、(A)スチレン系熱可塑性樹脂と(B)ポリ
エーテルエステルアミドからなる樹脂成形品(比較例
1)では耐薬品性が劣ることが明らかである。また、
(A) スチレン系熱可塑性樹脂と (C) ポリオレフィン
からなる樹脂成形品 (比較例2) では帯電防止性が劣
る。
【0041】(B) ポリエーテルエステルアミドの配合
量が1重量部未満の場合 (比較例3) では帯電防止性が
不十分であり、 (B) ポリエーテルエステルアミドの配
合量が90重量部を超える場合 (比較例4) は成形品が
柔軟になり機械的特性が劣るので好ましくない。 (C)ポリオレフィンの配合量が10重量部未満の場合
(比較例5)は耐薬品性が不十分であり、(C)ポリオ
レフィンの配合量が200重量部を超える場合(比較例
6) は寸法安定性が低下し、帯電防止性も不十分である
ので好ましくない。
【0042】
【発明の効果】実施例にみられるように本発明によって
永久帯電防止性および耐薬品性を有し、比較的安価で工
業的に有用な熱可塑性樹脂組成物が得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−45550(JP,A) 特開 昭58−118838(JP,A) 特開 昭63−97653(JP,A) 特開 平1−163234(JP,A) 特開 平3−255161(JP,A) 特公 昭43−21961(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)スチレン系熱可塑性樹脂 (B)ポリエーテルエステルアミド および (C)ポリオレフィン からなり、成分 (A) と成分 (B) の重量配合比 (A)
    / (B) が10〜99/90〜1であり、かつ成分
    (C) の配合量が成分 (A) および成分 (B) の合計1
    00重量部に対して、10〜200重量部である熱可塑
    性樹脂組成物。
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