JP2969266B2 - 離型性に優れた帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

離型性に優れた帯電防止性樹脂組成物

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JP2969266B2
JP2969266B2 JP8017598A JP8017598A JP2969266B2 JP 2969266 B2 JP2969266 B2 JP 2969266B2 JP 8017598 A JP8017598 A JP 8017598A JP 8017598 A JP8017598 A JP 8017598A JP 2969266 B2 JP2969266 B2 JP 2969266B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型離型性等の成
形性に優れ、かつ、持続性に優れた帯電防止性を発揮す
る樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂等の熱可塑性樹脂からなる成形品は電気絶縁性が高
いために、成形品表面が静電気等により帯電する。これ
を改良する方法としてポリエーテルエステルアミドを添
加して帯電防止性を付与する方法が知られている(特開
昭63−39959号公報、特開平6−345927号
公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性樹脂にポリエーテルエステルアミドを配合した樹脂組
成物は、成形加工時の金型の形状が複雑である場合に
は、金型離型性が悪く連続成形に支障を生じたり、ある
いは、押出成形を行った場合には、ポリエーテルエステ
ルアミドと金属との密着性の良さからロール付着を起こ
す場合があり、その結果ロール汚れ、成形物の表面あれ
等の問題が起こり、安定した成形が困難となる問題があ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂および
ポリエーテルエステルアミドからなる樹脂組成物に特定
のシリコーンオイルを含有させることで、樹脂組成物の
帯電防止性を損なわずに優れた離型性が得られることを
見い出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)6
0〜97重量%と、両末端にカルボキシル基を有する数
平均分子量200〜5,000のポリアミド(b1)、
数平均分子量300〜5,000のビスフェノール類の
アルキレンオキシド付加物(b2)および/またはポリ
アルキレングリコール(b3)から誘導されるポリエー
テルエステルアミド(B)3〜40重量%とからなる樹
脂組成物100重量部あたり、水酸基、アミノ基、エポ
キシ基、カルボキシル基およびメルカプト基からなる群
より選ばれる少なくとも1種の基を有する有機変性シリ
コーンオイル(C)を0.05〜10重量部含有してな
ることを特徴とする離型性に優れた帯電防止性樹脂組成
物;ならびに、熱可塑性樹脂(A)60〜97重量%
と、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量20
0〜5,000のポリアミド(b1)、数平均分子量3
00〜5,000のビスフェノール類のアルキレンオキ
シド付加物(b2)および/またはポリアルキレングリ
コール(b3)から誘導されるポリエーテルエステルア
ミド(B)3〜40重量%とからなる樹脂組成物100
重量部あたり、ポリオキシアルキレン単位の含有量が1
0〜80重量%のポリオキシアルキレン変性シリコーン
オイル(C1)を0.05〜10重量部含有してなるこ
とを特徴とする離型性に優れた帯電防止性樹脂組成物で
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物において熱可
塑性樹脂(A)としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチ
レン/エチルアクリレート共重合樹脂(EEA)等のラ
ジカル重合法、チーグラー系触媒重合法、メタロセン系
触媒重合法等により得られるポリオレフィン系樹脂(A
1);ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のポリスチ
レン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂;スチレン、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル
およびブタジエンからなる群より選ばれる2種以上の単
量体の共重合体[スチレン/アクリロニトリル共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メ
チル/アクリロニトリル共重合体等);ポリカーボネー
ト樹脂;ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、
ポリエチレンアジペート等);ポリアミド樹脂(ナイロ
ン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン
6/66、ナイロン6/12等);ポリアセタール樹脂
(ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレ
ン/ポリオキシエチレンコポリマー等);熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂;フッ素樹脂;およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。該(A)の数平均分子量は通常2
0,000〜200,000またはそれ以上である。こ
れらのうち特に好ましいものはポリオレフィン系樹脂
(A1)である。
【0007】該ポリオレフィン系樹脂(A1)として
は、たとえば、プロピレンおよび/またはエチレンの
(共)重合体、プロピレンおよび/またはエチレンと他
のα−オレフィン(炭素数4〜12またはそれ以上のα
−オレフィン、たとえば1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、
1−ドデセン等)の1種以上との共重合体(ランダムま
たはブロック)等が挙げられる。
【0008】該(A1)のメルトフローレート(MF
R)は、通常0.5〜100、好ましくは1〜50であ
る。メルトフローレートは、JIS K6758(ポリ
プロピレン系樹脂の場合;温度230℃、荷重2.16
kgf、ポリエチレン系樹脂の場合;温度190℃、荷
重2.16kgf)に準拠して測定することができる。
【0009】特に(A1)を主体とする樹脂組成物にお
いては、該(A1)よりも結晶化温度が高い、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアセタール樹脂
から選ばれる少なくとも1種の樹脂(A2)を組み合わ
せることによって、より少量の後述のポリエーテルエス
テルアミド(B)の添加量で効果的な帯電防止性を付与
することができる。この場合の(A2)の使用量は(A
1)100重量部あたり、通常1〜20重量部、好まし
くは1〜15重量部である。1重量部未満では併用効果
が小さく、20重量部を越えるとポリオレフィン系樹脂
本来の物性を損ねる。
【0010】上記(A2)としては、前記ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアセタール樹脂か
ら選ばれるポリマー(数平均分子量10,000〜20
0,000またはそれ以上)およびこれらのオリゴマー
(数平均分子量1,000〜10,000未満)が使用
でき、特に好ましいものは、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12およびナイロン6/12から選ばれる
ポリアミドポリマーおよびオリゴマーである。
【0011】本発明の樹脂組成物中の(A)の量は、
(A)と後述するポリエーテルエステルアミドアミド
(B)の合計重量に基づいて通常60〜97重量%、好
ましくは70〜90重量%である。(A)の量が60重
量%未満では機械的強度が劣り、97重量%を超えると
帯電防止性が低下する。
【0012】本発明においてポリエーテルエステルアミ
ド(B)としては、たとえば特開昭63−39959号
公報および特開平6−287547号公報に記載のポリ
エーテルエステルアミドを挙げることができる。これら
のうち好ましいものは、両末端にカルボキシル基を有す
る数平均分子量200〜5,000のポリアミド(b
1)と数平均分子量300〜5,000のビスフェノー
ル類のアルキレンオキシド付加物(b2)および/また
はポリオキシアルキレングリコール(b3)とから誘導
されるポリエーテルエステルアミドであり、特に好まし
いものは(b1)と(b2)とから誘導されるポリエー
テルエステルアミドである。
【0013】(B)を構成するポリアミド(b1)は、
(1)炭素数6〜12またはそれ以上のラクタムの開環
重合体、(2)炭素数6〜12またはそれ以上のアミノ
カルボン酸の重縮合体もしくは(3)炭素数4〜20の
ジカルボン酸と炭素数6〜12またはそれ以上のジアミ
ンとの重縮合体であり、(1)のラクタムとしては、カ
プロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウ
ンデカノラクタム等が挙げられる。(2)のアミノカル
ボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエ
ナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン
酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。(3)の
ジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル
酸等が挙げられる。ジアミンとしては、ヘキサメチレン
ジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジ
アミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。上記ア
ミド形成性モノマーとして例示したものは2種以上を併
用してもよい。これらのうち好ましいものは、カプロラ
クタム、12−アミノドデカン酸およびアジピン酸−ヘ
キサメチレンジアミンであり、特に好ましいものはカプ
ロラクタムである。
【0014】該(b1)は、炭素数4〜20のジカルボ
ン酸の1種以上を分子量調整剤として使用し、これの存
在下に上記アミド形成性モノマーを常法により開環重合
あるいは重縮合させることによって得られる。該炭素数
4〜20のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂
肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘ
キシル−4,4−ジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸;3−スルホイソフタル酸ナトリウム、3−スルホイ
ソフタル酸カリウム等の3−スルホイソフタル酸アルカ
リ金属塩;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは脂肪族ジカルボン酸、
芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アル
カリ金属塩であり、特に好ましいものはアジピン酸、セ
バシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スル
ホイソフタル酸ナトリウムである。
【0015】該(b1)の数平均分子量は通常200〜
5,000、好ましくは500〜3,000である。数
平均分子量が200未満ではポリエーテルエステルアミ
ド自体の耐熱性が低下し、5,000を超えると反応性
が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多
大な時間を要する。
【0016】ビスフェノール類のアルキレンオキシド付
加物(b2)を構成するビスフェノール類としては、ビ
スフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−
2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS
(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが
挙げられ、これらのうち特に好ましいものはビスフェノ
ールAである。また、(b2)を構成するアルキレンオ
キシドとしては、アルキレン基の炭素数2〜4のアルキ
レンオキシド、たとえばエチレンオキシド、プロピレン
オキシド、1,2−、1,3−、2,3−もしくは1,
4−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の混合物
(ブロックまたはランダム付加)が挙げられる。これら
のうち特に好ましいものはエチレンオキシドである。
【0017】ポリアルキレングリコール(b3)として
は、アルキレン基の炭素数2〜4のポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコ
ール等が挙げられ、これらのうち好ましいものはポリエ
チレングリコールである。
【0018】上記(b2)および(b3)の数平均分子
量は、それぞれ通常300〜5,000、好ましくは
1,000〜3,000、更に好ましくは1,600〜
3,000である。数平均分子量が300未満では帯電
防止性が不十分となり、5,000を超えると反応性が
低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大
な時間を要する。
【0019】(B)を構成する(b2)および/または
(b3)は、前記(b1)と(b2)および/または
(b3)の合計重量に基づいて通常20〜80重量%の
範囲で用いられる。(b2)および/または(b3)の
量が20重量%未満ではの帯電防止性が劣り、80重量
%を超えると耐熱性が低下する。また、(b2)と(b
3)の比率は広範囲に変え得るが、重量比で(b2)/
(b3)が100/0〜5/95、特に100/0〜5
0/50が好ましい。
【0020】ポリエーテルエステルアミド(B)の製法
としては、下記製法または製法が例示されるが、特
に限定されるものではない。 製法:アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸を反
応させて(b1)を形成せしめ、これに(b2)および
/または(b3)を加えて、高温、減圧下で重合反応を
行う方法。 製法:アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸と
(b2)および/または(b3)を同時に反応槽に仕込
み、水の存在下または非存在下に、高温で加圧反応させ
ることによって中間体として(b1)を生成させ、その
後減圧下で(b1)と、(b2)および/または(b
3)との重合反応を行う方法。
【0021】本発明では、(b2)または(b3)の末
端基をアミノ化またはカルボキシ化し、カルボキシル基
またはアミノ基を末端に有するポリアミドと反応させて
もよい。
【0022】また、上記の重合反応には、通常、公知の
エステル化触媒が使用される。該触媒としては、三酸化
アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブチルスズオ
キシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタネートなど
のチタン系触媒、テトラブチルジルコネートなどのジル
コニウム系触媒、酢酸亜鉛などの酢酸金属塩系触媒など
が挙げられる。触媒の使用量は、(b1)と(b2)お
よび/または(b3)の合計重量に対して通常0.1〜
5重量%である。
【0023】(B)の還元粘度(ηSP/C、C=0.5
重量%、m−クレゾール溶媒、25℃)は特に制限はな
いが、通常0.5〜4、好ましくは0.6〜3である。
還元粘度が0.5未満では耐熱性が悪く、4を超えると
樹脂組成物としたときの成形性が低下する。
【0024】本発明の樹脂組成物中の(B)の量は、前
記(A)と(B)の合計重量に基づいて通常3〜40重
量%、好ましくは5〜30重量%である。(B)の量が
3重量%未満では帯電防止性が不十分であり、40重量
%を超えると機械的強度が低下することがある。
【0025】本発明における有機変性シリコーンオイル
(C)としては、ポリオキシアルキレン基、水酸基、ア
ミノ基、エポキシ基、カルボキシル基およびメルカプト
基から選ばれる少なくとも1種の変性基を分子末端およ
び/または側鎖に1個以上有する有機変性シリコーンオ
イルが挙げられる。具体的には、ポリオキシアルキレン
変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイ
ル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メルカ
プト変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが
挙げられる。該(C)の上記変性基1個あたりの分子量
は通常400〜7,000、好ましくは500〜3,0
00である。これらのうち特に好ましいものは、ポリオ
キシアルキレン変性シリコーンオイル(C1)である。
ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルを使用した
場合、離型性だけでなく、ポリオキシアルキレン基を有
していることにより、樹脂組成物の帯電防止性をさらに
向上させる効果がある。なお、変性基を有しない通常の
ジメチルポリシロキサン等のストレートシリコーンオイ
ルを使用した場合には、樹脂組成物からのブリードアウ
トがはげしく、離型効果が向上したとしても帯電防止性
が低下したり、成型物表面がべとついて著しく外観を損
ねる。
【0026】上記ポリオキシアルキレン変性シリコーン
オイル(C1)としては、例えばポリジメチルシロキサ
ンの側鎖または両末端にポリオキシアルキレン(オキシ
エチレンおよび/またはオキシプロピレン)基を導入し
た構造を有するものが挙げられ、好ましくは両末端ポリ
オキアルキレン変性ポリジメチルシロキサンであり、特
に好ましくは両末端ポリオキシエチレン変性ポリジメチ
ルシロキサンる。
【0027】上記両末端ポリオキシアルキレン変性ポリ
ジメチルシロキサン中のオキシアルキレン単位の含有量
は、通常10〜80重量%、好ましくは30〜60重量
%である。オキシアルキレン単位の含有量をこの範囲内
とすることでブリードアウトして樹脂成形物の外観を損
なうことなく優れた離型性を得ることが可能となる。
【0028】該両末端ポリオキシアルキレン変性ポリジ
メチルシロキサンの水酸基当量は、通常400〜3,0
00、好ましくは500〜2,000である。水酸基当
量を上記範囲内とすることで、樹脂成形物の表面に該
(C1)が適度に配向し、優れた離型性が得られる。
【0029】該(C)の粘度(20℃)は、通常30〜
8,000cStまたはそれ以上、好ましくは50〜
5,000cStである。粘度が該範囲内のものが樹脂
に混ざりやすいため樹脂組成物の成形性を阻害せず、か
つ、該(C)が樹脂成形物の表面へ適度に配向し優れた
離型効果を発揮する。
【0030】また、該(C)の溶解度パラメーター(以
下SP値と略記)としては7〜10の範囲にあるものが
好ましく、特にポリエーテルエステルアミド(B)のS
P値との差が0.3〜1の範囲にあることが好ましい。
(B)と(C)のSP値の差が0.3未満または1を越
えると樹脂組成物からブリードアウトし易く、離型効果
は向上しても帯電防止性が低下することがある。なお、
上記SP値はFedors法[Polym.Eng.S
ci.14(2),151〜154頁(1974)]に
よって求められる値である。
【0031】本発明の樹脂組成物中の(C)の量は、
(A)と(B)の合計100重量部あたり通常0.05
〜10重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。
(C)の量が0.05重量部未満では離型性が不十分で
あり、10重量部を超えると樹脂の機械的強度が低下す
ることがある。
【0032】本発明の樹脂組成物において、特に(B)
とポリオレフィン系樹脂(A1)との相溶性を向上させ
る目的で変性ポリオレフィン系相溶化剤(D)を使用し
てもよい。該(D)としては、α,β−不飽和カルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体化合物で変性したポ
リオレフィン、水酸基およびエポキシ基から選ばれる少
なくとも一種の官能基を有する変性ポリオレフィン等が
挙げられる。また上記変性に用いられるポリオレフィン
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン
共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、さらにはこれ
らに少量のジエンを含む共重合体などが挙げられる。該
(D)の数平均分子量は通常1,000〜30,000
またはそれ以上であり、(D)中の非オレフィン部分の
含量は通常0.5〜30重量%である。
【0033】変性ポリオレフィン系相溶化剤(D)の具
体例としては、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン/フマル酸共重合体、エチレン/アクリル
酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エ
チレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/
酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、無水マ
レイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリエチレ
ン、N−ヒドロキシマレインイミド変性ポリエチレン、
無水マレイン酸変性ポリプロピレン、N−ヒドロキシマ
レインイミド変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性
エチレン/プロピレン共重合体、アクリル酸変性エチレ
ン/プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン
/プロピレン/ジエンモノマー共重合体、アクリル酸変
性エチレン/プロピレン/ジエンモノマー共重合体、N
−ヒドロキシマレインイミド変性エチレン/プロピレン
/ジエンモノマー共重合体などが挙げられる。これらは
2種以上を併用してもよい。
【0034】該(D)の中で特に好ましいものは、下記
(D1)および(D2)から選ばれる1種以上の変性低
分子量ポリオレフィンである。 (D1);数平均分子量が800〜25,000であ
り、酸価が5〜150の変性低分子量ポリオレフィン (D2);数平均分子量が800〜28,000であ
り、酸価5〜150の変性低分子量ポリオレフィンの
(無水)カルボン酸単位の一部または全部がアルカノー
ルアミンおよび/または水酸基もしくはアミノ基含有ポ
リオキシアルキレン化合物で二次変性されてなる変性低
分子量ポリオレフィン
【0035】上記(D1)は、プロピレンおよび/また
はエチレンの重合法または高分子量のポリプロピレンお
よび/またはポリエチレンの熱減成法によって得られる
数平均分子量700〜20,000の低分子量ポリオレ
フィンに、α,β−不飽和カルボン酸および/またはそ
の無水物を必要により有機パーオキサイドの存在下、溶
液法または溶融法のいずれかの方法で反応させて変性す
ることによって得ることができる。変性のしやすさか
ら、熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィン
が好ましい。熱減成法による低分子量ポリオレフィン
は、例えば特開平3−62804号公報に記載の方法に
より得ることができる。
【0036】また、変性に使用するα,β−不飽和カル
ボン酸またはその無水物としては、(メタ)アクリル
酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン
酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらのうち好
ましいものは(無水)マレイン酸である。変性時に使用
するこれらの量は、低分子量ポリオレフィンの重量に基
づき通常1〜25重量%、好ましくは3〜20重量%で
ある。上記の方法によって得られる(D1)の数平均分
子量は、通常800〜25,000、好ましくは1,0
00〜20,000である。数平均分子量が800未満
では耐熱性が悪く、25,000を超えると相溶化剤と
しての効果が乏しくなり、樹脂組成物の機械特性が低下
する。また、(D1)の酸価は、通常5〜150、好ま
しくは10〜100である。酸価が5未満では相溶化剤
としての効果が乏しく、150を超えると色相が悪化す
るため、樹脂組成物の着色の原因となる。
【0037】上記(D2)は、前記(D1)の(無水)
カルボン酸単位の一部または全部をアルカノールアミン
および/または水酸基もしくはアミノ基含有ポリオキシ
アルキレン化合物で二次変性することによって得ること
ができる。上記アルカノールアミンとしては、例えばモ
ノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジ
エタノールアミンおよびジイソプロパノールアミンが挙
げられる。これらのうち特に好ましいものはモノエタノ
ールアミンである。ポリオキシアルキレン化合物として
は、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコー
ルのような両末端に水酸基を有する化合物、該水酸基を
アミノ基またはエポキシ基含有基で置換した化合物等が
挙げられる。更に、アルコール類(メタノール、エタノ
ール、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコー
ル、2−エチルヘキシルアルコール等)、フェノール類
(フェノール、アルキルフェノール、ナフトール、フェ
ニルフェノール、ベンジルフェノール等)等の活性水素
を有する化合物にアルキレンオキサイドが付加し、基本
的に片末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン化合
物等が挙げられる。これらポリオキシアルキレン化合物
の数平均分子量は、通常300〜5,000である。二
次変性率については特に限定はないが、(D1)の(無
水)カルボン酸単位の10〜100モル%が二次変性
(エステル化またはイミド化)されていることが好まし
い。(D2)の数平均分子量は、通常800〜28,0
00、好ましくは1,200〜25,000である。8
00未満では耐熱性が悪く、28,000を超えると相
溶化剤としての効果が乏しくなる。
【0038】上記で例示した変性低分子量ポリオレフィ
ン(D1)および(D2)は2種以上を併用してもよ
い。なお、分子中にカルボキシル基、水酸基およびポリ
オキシアルキレン基を全て有する変性低分子量ポリオレ
フィンを使用してもよい。
【0039】該(D)を用いる場合の樹脂組成物中の
(D)の量は、(A)と(B)の合計重量に対して通常
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜10重量%で
ある。(D)の量を上記範囲内とすることで相溶化効果
が充分発現され、相分離のない良好な機械的強度を有す
る成形物が得られる。
【0040】本発明の樹脂組成物は、公知の各種混合機
を用いて前記(A)、(B)、(C)および必要により
(D)の各成分を混練することによって得ることができ
る。混合機としては、例えば押し出し機、ブラベンダ
ー、ニーダーおよびバンバリーミキサーなどが挙げられ
る。
【0041】混練時の各成分の添加順序については特に
限定はないが、例えば、(A)〜(D)を一括ブレン
ドし混練する方法;(A)の一部と(B)〜(D)と
をブレンド、混練した後、残りの(A)を混練する方
法;(B)〜(D)を一括ブレンド、混練した後、こ
れと(A)とを混練する方法;等が挙げられる。これら
のうちおよびの方法はマスターバッチまたはマスタ
ーペレットと呼ばれる方法である。少量成分の分散が充
分に行われ永久帯電防止性と機械的強度に優れる樹脂組
成物が得られる点で、の方法が本発明の樹脂組成物の
製造法としては特に好ましい。
【0042】マスターバッチを経由して本発明の樹脂組
成物を得る方法としては、通常(A)0〜50重量部、
好ましくは5〜20重量部と、(B)3〜40重量部、
(C)0.001〜10重量部および必要により(D)
0.1〜10重量部をブレンド、混練してマスターバッ
チとし、このマスターバッチとさらに(A)の残量とを
ブレンド、混練する方法が例示できる。この方法は特
に、大量の(A)中に少量の(B)〜(D)を均一に分
散させる利点があり、本発明の樹脂組成物は該マスター
バッチを経由してなることがより好ましい。
【0043】また、本発明の樹脂組成物中に、帯電防止
性を更に向上させる目的で、アルカリ金属塩および/ま
たはアルカリ土類金属塩(E)を含有させてもよい。該
(E)としては、有機酸、無機酸、ハロゲン化物などの
アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩などがあり、
酢酸リチウム、酢酸カリウム、塩化リチウム、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシ
ウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウ
ム、過塩素酸カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウ
ム、チオシアン酸カリウムなどを挙げることができる。
これらのうち好ましいものは塩化ナトリウム、塩化カリ
ウムおよび酢酸カリウムである。
【0044】(E)の使用量は、(B)の重量に対して
通常0〜3重量%、好ましくは0.01〜2重量%であ
る。3重量%を超えると樹脂表面に析出し樹脂成形物の
外観を損ねることがある。
【0045】(E)を添加する方法については特に限定
はないが、組成物中への効果的な分散のさせ易さから、
ポリエーテルエステルアミド(B)中に予め分散させて
おくことが好ましい。また、(B)中へ該(E)を分散
させる場合、(B)の製造段階で添加し分散させておく
方法がさらに好ましい。
【0046】本発明の樹脂組成物に非イオン性、アニオ
ン性、カチオン性もしくは両性の界面活性剤(F)を含
有させ、帯電防止性をより一層向上させてもよい。上記
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレ
ンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加
物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポ
リプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等の
ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエ
チレンオキサイド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペン
タエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットおよびソ
ルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキル
エーテル、アルカノールアミン類の脂肪族アミド等の多
価アルコール型非イオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸のアルカリ
金属塩等のカルボン酸塩類、高級アルコール硫酸エステ
ル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エ
ステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
スルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸
塩類、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エス
テル塩類などが挙げられる。カチオン性界面活性剤とし
ては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級ア
ンモニウム塩類などが挙げられる。両性界面活性剤とし
ては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸
型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高
級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型
両性界面活性剤などがが挙げられる。これらは単独でも
2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいもの
はアニオン性界面活性剤であり、特に好ましいものはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、
パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類である。
【0047】(F)の使用量は、(A)、(B)、
(C)および(D)の合計重量に対して通常5重量%以
下、好ましくは3重量%以下である。
【0048】(F)を添加する方法についても特に限定
はないが、樹脂組成物中に効果的に分散させるために
は、(A)中または(B)中に予め分散させておくこと
が好ましい。
【0049】また、本発明の樹脂組成物には種々の用途
に応じ、該組成物の特性を阻害しない範囲で他の公知の
樹脂用添加剤を任意に添加することができる。該添加剤
としては、顔料、染料、充填剤、核剤、ガラス繊維、滑
剤、可塑剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等が挙
げられる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実
施例中の「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0051】[ポリエーテルエステルアミドの製造] 製造例1 3Lステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタ
ム105部、アジピン酸17.1部、「イルガノックス
1010」(酸化防止剤、チバガイキー社製)0.3部
および水7部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密
閉下4時間加熱攪拌し、両末端にカルボキシル基を有す
る酸価100のポリアミドオリゴマーを117部得た。
次に数平均分子量2,000のビスフェノールAエチレ
ンオキサイド付加物225部、酢酸ジルコニル0.5部
を加え、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5
時間重合し、粘稠なポリマ−を得た。このポリマ−をベ
ルト上にストランド状で取り出し、ペレタイズすること
によってポリエーテルエステルアミドを得た。このもの
の還元粘度(ηSP/C、m−クレゾール溶媒、25℃、
C=0.5重量%、以下同様)は2.10であった。こ
のポリエーテルエステルアミドを以下[B−1]と略記
する。
【0052】製造例2 3Lステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタ
ム83.5部、テレフタル酸16.5部、「イルガノッ
クス1010」0.3部および水6部を仕込み、窒素置
換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱攪拌し、両末端
にカルボキシル基を有する酸化112のポリアミドオリ
ゴマー96部を得た。次に数平均分子量2,000のビ
スフェノールAエチレンオキサイド付加物192部およ
び酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1mmH
g以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘稠なポリマー
を得た。以下、製造例1と同様な操作を行い、ポリエー
テルエステルアミドを得た。このものの還元粘度は2.
10であった。このポリエーテルエステルアミドを以下
[B−2]と略記する。
【0053】製造例3 3Lステンレス製オートクレーブに、12−アミノドデ
カン酸110部、アジピン酸16.3部、「イルガノッ
クス1010」0.3部および水7部を仕込み、窒素置
換後、220℃で加圧密閉下4時間加熱攪拌し、両末端
にカルボキシル基を有する酸化107のポリアミドオリ
ゴマー117部を得た。次に数平均分子量2,000の
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物225部お
よび酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1mm
Hg以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘稠なポリマ
ーを得た。以下、製造例1と同様な操作を行い、ポリエ
ーテルエステルアミドを得た。このものの還元粘度は
2.10であった。このポリエーテルエステルアミドを
以下[B−3]と略記する。
【0054】[変性低分子量ポリオレフィンの製造] 製造例4 熱減成法で得られた数平均分子量12,000、密度
0.89の低分子量ポリプロピレン95部と無水マレイ
ン酸5部を窒素下180℃で溶融し、ついでこれにジク
ミルパーオキサイド1.5部を溶かしたキシレン50%
溶液を15分かけて滴下し、その後1時間反応を行った
後、溶剤を留去して酸変性低分子量ポリプロピレンを得
た。このものの酸価は25.7、数平均分子量は15,
000であった。この変性物を以下[D−1]と略記す
る。
【0055】製造例5 製造例3で得られた[D−1]95部をキシレン100
部に窒素下120℃で溶解し、ついでこれにモノエタノ
ールアミン5部を15分かけて滴下し、その後1時間反
応を行った後、溶剤および未反応のモノエタノールアミ
ンを留去して水酸基を有する変性低分子量ポリプロピレ
ンを得た。このものの水酸基価は25.2であり、数平
均分子量は16,000であった。この変性物を以下
[D−2]と略記する。
【0056】製造例6 製造例3で得られた[D−1]95部とラウリルアルコ
ールのエチレンオキサイド24モル付加物50部を窒素
下180℃で溶融し、ついで10mmHgの減圧下5時
間エステル化反応を行って、目的としたポリオキシアル
キレン変性低分子量ポリプロピレンを得た。このものの
水酸基価は0.5であり、数平均分子量は18,000
であった。またNMRによる分析から、エステル化反応
が定量的に行えていることを確認した。この変性物を以
下[D−3]と略記する。
【0057】製造例7 熱減成法で得られた数平均分子量3,000、密度0.
93の低分子量ポリエチレン38部と無水マレイン酸2
部とキシレン60部とを、窒素ガス雰囲気下140℃
(キシレン還流下)で溶解し、ついでこれにジターシャ
リーブチルパーオキサイド0.3部を溶かしたキシレン
50%溶液を15分かけて滴下し、その後2時間反応を
行った後、溶剤を留去して酸変性低分子量ポリエチレン
を得た。このものの酸価は28.0、数平均分子量は
3,800であった。この変性物を以下[D−4]と略
記する。
【0058】[マスターバッチの調製] 製造例8 表1に示す割合の(A)〜(D)各成分をヘンシェルミ
キサーにて3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出
機にて、230℃([A−11]使用の場合)、200
℃([A−12]使用の場合)あるいは、160℃
([A−13]使用の場合)、100rpm、滞留時間
5分の条件で溶融混練しマスターバッチ(M−1)〜
(M−3)を得た。
【0059】
【表1】
【0060】(注) [A−11];ポリプロピレン〔商品名「ウベポリプロ
J609」、宇部興産(株)製〕 [A−12];ポリエチレン〔商品名「レクスロンJ6
9」、日本石油化学(株)製〕 [A−13];エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂〔商品
名「エバフレックスEV550」、三井・デュポンポリ
ケミカル(株)製〕 [A−14];アクリル樹脂〔商品名「アクリペットV
H」、三菱レーヨン(株)製〕 [A−21];ポリブチレンテレフタレート〔商品名
「ジュラネックス2000」、ポリプラスチックス
(株)製〕 [A−22];ナイロン6〔商品名「ウベナイロン10
13B」、宇部興産(株)製〕 [A−23];ナイロン12〔商品名「ウベナイロン3
024U」、宇部興産(株)製〕 [C−1] ;両末端ポリオキシエチレン変性シリコー
ンオイル〔商品名「SF8427」、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製〕、粘度320st.、水酸
基当量1,200、ポリオキシエチレン含量50% [C−2] ;側鎖アミノ変性シリコーンオイル〔商品
名「SF8417」、東レ・ダウコーニング・シリコー
ン(株)製〕、粘度1,200st.、アミノ基当量
1,800 [C−3] ;両末端アルコール変性シリコーンオイル
〔商品名「BY16−848」、東レ・ダウコーニング
・シリコーン(株)製〕、粘度55st.、水酸基当量
650
【0061】実施例1〜4 マスターバッチ(M−1)〜(M−3)および表2に示
す熱可塑性樹脂(C−1)を、それぞれ製造例8と同様
の条件で溶融混練し、本発明の樹脂組成物を得た。マス
ターバッチを経由した本発明の樹脂組成物の組成および
各成分の最終割合を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】実施例5〜12、比較例1〜3 表3に示す割合の(A)〜(D)各成分をヘンシェルミ
キサーにて3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出
機にて、230℃([A−11]使用の場合)、200
℃([A−12]使用の場合)、160℃([A−1
3]使用の場合)、あるいは220℃([A−14]使
用の場合)100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混
練し、本発明の樹脂組成物および比較の樹脂組成物を得
た。
【0064】
【表3】
【0065】(注) [C−4];ジメチルポリシロキサン〔商品名「SH2
00」、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製〕、粘度320st.、数平均分子量約10,000
【0066】性能試験 本発明の樹脂組成物および比較の樹脂組成物について、
射出成形機または、押し出し成型機を用いて試験片を作
成し、離型性、帯電防止性および樹脂物性を評価した。
射出成形の場合、シリンダー温度230℃([A−1
1]使用の場合)、200℃([A−12]使用の場
合)、160℃([A−13]使用の場合)、あるい
は、240℃([A−14]使用の場合)、金型温度5
0℃で試験片を作成した。押し出し成形の場合、シリン
ダー温度230℃([A−11]使用の場合)、200
℃([A−12]使用の場合)、160℃([A−1
3]使用の場合)、あるいは、220℃([A−14]
使用の場合)でシートを作成した。その結果を表4に示
す。なお、離型性、帯電防止性および樹脂物性の評価は
下記の方法により行った。 (1)離型性 :電卓テンキー型金型で射出成形し、20ショット目の 型抜けしやすさを評価した。 評価基準 ○;型抜けしやすい ×;型抜けしにくい シート成形開始から2時間後のロール面を観察するこ とによって評価した。 評価基準 ○;ロール付着物なし ×;ロール付着物あり (2)帯電防止性 :試験片成形後、23℃、湿度5
0%RH雰囲気下に48時間放置した後、表面固有抵抗
値を測定することによって行った。 (3)引張降伏点強度:ASTM D638に準拠。
【0067】
【表4】
【0068】表4から明らかなように、本発明の樹脂組
成物は、比較例1〜4に比べ、離型性、帯電防止性およ
び機械的特性が顕著に優れており、従来達し得なかった
優れた離型性および帯電防止性を有することを示してい
る。特に、実施例10と11の比較から、ポリオキシア
ルキレン変性シリコーンオイルを使用した場合、より優
れた帯電防止性が発現している。また、マスターバッチ
を経由してなる組成物(実施例1〜4)は、それに対応
するマスターバッチを経由しない組成物(実施例6、
9、10および11)より機械的特性が優れている。こ
れは、少量成分(帯電防止剤等)が均一に分散し性能発
現に寄与していることを示している。ポリオレフィンへ
の帯電防止性の付与については、実施例5と6の比較お
よび実施例7と8の比較から、ポリアミド等の樹脂を組
み合わせることにより明らかにより優れた帯電防止性の
付与が可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、従来技術では達
し得なかった、優れた永久帯電防止性を有し、しかも機
械的特性および離型性(成形性)にも優れるという効果
を有する。上記効果を奏することから本発明の帯電防止
性樹脂組成物は、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、
スラッシュ成形、回転成形、押し出し成形、ブロー成
形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレ
ーション法等)等の各種成形法で成形される家電・OA
機器、ゲーム機器、事務機器用のハウジング製品、各種
プラスチック容器、各種包材用フィルム、床材用シー
ト、人工芝、マット、自動車部品等の帯電防止性を必要
とする各種成形材料として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 77/00 C08L 77/00 83/00 83/00 83/12 83/12 C09K 3/16 109 C09K 3/16 109 (56)参考文献 特開 平7−10989(JP,A) 特開 平8−12755(JP,A) 特開 昭58−180555(JP,A) 特開 平9−279024(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)60〜97重量%
    と、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量20
    0〜5,000のポリアミド(b1)、数平均分子量3
    00〜5,000のビスフェノール類のアルキレンオキ
    シド付加物(b2)および/またはポリアルキレングリ
    コール(b3)から誘導されるポリエーテルエステルア
    ミド(B)3〜40重量%とからなる樹脂組成物100
    重量部あたり、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボ
    キシル基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少
    なくとも1種の基を有する有機変性シリコーンオイル
    (C)を0.05〜10重量部含有してなることを特徴
    とする離型性に優れた帯電防止性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)60〜97重量%
    と、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量20
    0〜5,000のポリアミド(b1)、数平均分子量3
    00〜5,000のビスフェノール類のアルキレンオキ
    シド付加物(b2)および/またはポリアルキレングリ
    コール(b3)から誘導されるポリエーテルエステルア
    ミド(B)3〜40重量%とからなる樹脂組成物100
    重量部あたり、ポリオキシアルキレン単位の含有量が1
    0〜80重量%のポリオキシアルキレン変性シリコーン
    オイル(C1)を0.05〜10重量部含有してなるこ
    とを特徴とする離型性に優れた帯電防止性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C1)が、400〜3,000の水酸
    基当量を有する両末端ポリオキシエチレン変性ポリジメ
    チルシロキサンである請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)が、ポリオレフィン系樹脂(A
    1)100重量部と、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
    脂およびポリアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1
    種の樹脂(A2)1〜20重量部との組み合わせからな
    る請求項1〜3のいずれか記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 さらに下記(D1)および(D2)から
    選ばれる少なくとも1種の変性ポリオレフィン系相溶化
    剤(D)を、(A)と(B)の合計重量に対して、0.
    1〜10重量%含有してなる請求項1〜4のいづれか記
    載の樹脂組成物。 (D1);低分子量ポリオレフィンをα,β−不飽和カ
    ルボン酸および/またはその無水物で変性してなる、数
    平均分子量が800〜25,000で酸価が5〜150
    の変性低分子量ポリオレフィン (D2);低分子量ポリオレフィンをα,β−不飽和カ
    ルボン酸および/またはその無水物で変性してなる酸価
    が5〜150の変性低分子量ポリオレフィンの(無水)
    カルボン酸単位の一部または全部をアルカノールアミン
    および/または水酸基もしくはアミノ基含有ポリオキシ
    アルキレン化合物で二次変性してなる、数平均分子量が
    800〜28,000の変性低分子量ポリオレフィン
  6. 【請求項6】 さらに下記(E)および/または(F)
    を含有してなる請求項1〜6のいずれか記載の樹脂組成
    物。 (E);アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金
    属塩 (F);界面活性剤
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