JPH05230301A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH05230301A
JPH05230301A JP3220592A JP3220592A JPH05230301A JP H05230301 A JPH05230301 A JP H05230301A JP 3220592 A JP3220592 A JP 3220592A JP 3220592 A JP3220592 A JP 3220592A JP H05230301 A JPH05230301 A JP H05230301A
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JP
Japan
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ethylene
weight
acid
ionomer resin
ion
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JP3220592A
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English (en)
Inventor
Seiji Tanaka
清治 田中
Kazumasa Chiba
一正 千葉
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオレフィン10〜99重量%とポリエー
テルエステルアミド90〜1重量%からなる樹脂混合物
100重量部に対して、エチレン系アイオノマー樹脂0.
1〜200重量部および (ポリ) スチレンスルホン酸化
合物0.01〜50重量部を配合した熱可塑性樹脂組成
物。 【効果】 この熱可塑性樹脂組成物は各成分の相溶性が
よく、特に永久帯電防止性にすぐれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関
し、特に永久帯電防止性を有するオレフィン系の熱可塑
性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンは、その優れた特性によ
って広範な分野で使用されている。これらの材料は材料
の持つ機械的強度に加え、帯電防止性を付与されればさ
らにその用途を拡大することができる。すなわち、静電
気による障害を防止したい複写機、各種防塵用部品など
への用途展開が可能となる。
【0003】ポリオレフィンの制電性を向上させる方法
として、特開昭58−118838号公報にはポリエー
テルエステルアミドを混合することが記載されている。
一方、特開平2−7335号公報には、熱可塑性樹脂
に、水酸基を有する水溶性熱可塑性重合体または多価ア
ルコール性化合物とポリスチレンスルホン酸塩との混合
物を配合してなる組成物が良好な帯電防止性を有するこ
とが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭5
8−118838号公報に記載されている制電性樹脂
は、絶乾時の帯電防止性が劣る欠点があり、十分満足で
きるものではない。一方、特開平2−7335号公報記
載の組成物は水溶性熱可塑性重合体または多価アルコー
ル性化合物を使用しているため耐水性に問題がある。
【0005】本発明は上記従来例における問題点の解消
を課題とするものであり、永久帯電防止性を有したオレ
フィン系の熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は (A) ポリオレフィン (B) ポリエーテルエステルアミド (C) エチレン系アイオノマー樹脂 および (D) 下記I式で示されるスチレンスルホン酸構造単位
を50重量%以上有するスチレンスルホン酸化合物 からなり、成分 (A) と成分 (B) の重量配合比 (A)
/ (B) が10〜99/90〜1であり、成分 (A) お
よび成分 (B)の合計100重量部に対して、成分
(C) の配合量が0.1〜200重量部、成分 (D) の配
合量が0.01〜50重量部である制電性樹脂組成物によ
って達成される。
【0007】 (ただし式中、Rは水素、アルキル基またはアリール基
を示し、Xは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属ま
たはアンモニウムを示し、nは1〜20,000の整数を
示す。)以下本発明を具体的に説明する。
【0008】本発明において用いることができる (A)
ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン
−1共重合体およびそれらの混合物が挙げられ、特にポ
リプロピレン、ポリエチレンが好ましく用いられる。
(A) ポリオレフィンの重合方法に関しては特に限定さ
れず、例えばプロピレンを溶剤中でチーグラーナッタ触
媒と接触させ室温〜80℃、3〜10kg/cm2で重合を
進める方法、エチレンを溶剤中でトリエチルアルミニウ
ム/四塩化チタン触媒と接触させ60〜80℃、常圧〜
8kg/cm2 で重合を進める方法などを利用することがで
きる。
【0009】本発明における(B)ポリエーテルエステ
ルアミドはポリアミド単位のハード成分とポリエーテル
エステル単位のソフト成分とからなるブロック共重合体
である。ポリエーテルエステルアミドのハード成分を構
成するモノマとしては炭素原子数6以上のアミノカルボ
ン酸あるいはラクタム、または炭素原子数6以上のジア
ミンとジカルボン酸の塩が好ましく、具体的にはω−ア
ミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカ
プリル酸、アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸お
よび11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸などのアミノカルボン酸、あるいはカプロラクタム、
エナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロラク
タムなどのラクタムおよびヘキサメチレンジアミン−ア
ジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸および
ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩などのジアミ
ン−ジカルボン酸の塩が挙げられ、特にカプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン
−アジピン酸塩が好ましく用いられる。
【0010】ポリエーテルエステルアミドのソフト成分
を構成するポリエーテルとしてはポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールが好ましく、具体的にはポリエチレン
グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコ
ール、(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサ
メチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体お
よびエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック
またはランダム共重合体などが挙げられる。これらの中
でも、制電性が優れる点で、特にポリエチレングリコー
ルが好ましく用いられる。また、ポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールの数平均分子量は200〜6,000、
特に250〜4,000の範囲のものが用いられ、数平均
分子量が200未満では得られるポリエーテルエステル
アミドの機械的性質が劣り、数平均分子量が6,000を
超える場合は、帯電防止性が不足するため好ましくな
い。またポリ (アルキレンオキシド) グリコールには本
発明の効果を損なわない範囲において一般式(II)で示
されるジオール化合物が共重合されていてもよい。
【0011】 (ただし式中、Arは炭素数6〜20の芳香族基および
脂環族基を示し、R1 およびR2 はエチレンオキシド基
またはプロピレンオキシド基を示し、mおよびnは各々
1〜15の整数を示す。) 上記一般式(II)で示されるジオール化合物には次式
(III)〜(V)で示される化合物およびそのハロゲン誘
導体などが含まれる。
【0012】
【0013】
【0014】 (ただし式中、R1 およびR2 はエチレンオキシド基ま
たはプロピレンオキシド基を示し、Yは共有結合、炭素
数1〜6のアルキレン基、アルキリデン基、シクロアル
キリデン基、アリールアルキリデン基、O、SO、SO
2 、CO、S、CF2、C(CF3)2 またはNHを示す。
また、mおよびnは各々1〜15の整数を示す。) 具体的には、好ましいジオール化合物としてはハイドロ
キノンのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオ
キシド付加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオキ
シド付加物およびそのブロック重合体等であり、特にビ
スフェノールAのエチレンオキシド付加物およびそのブ
ロック重合体が好ましい。
【0015】ポリエーテルエステルアミドのポリエーテ
ルとポリアミドをつなぐジカルボン酸としては炭素原子
数4〜20のジカルボン酸が好ましく、具体的にはテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジ
フェニル−4, 4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウム
のごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸および
ジシクロヘキシル−4, 4'−ジカルボン酸のごとき脂環
族ジカルボン酸およびコハク酸、シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸およびドデカンジ酸(デカンジカルボン
酸)のごとき脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、特に
テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ
酸が重合性、色調および物性の点から好ましく用いられ
る。
【0016】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
ジカルボン酸は理論上は1:1のモル比で反応するが使
用するジカルボン酸の種類により通常仕込比を変えて供
給される。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとジ
カルボン酸はポリエーテルエステルアミド中90〜10
重量%の範囲で用いられ、90重量%を超える場合はポ
リエーテルエステルアミドの機械的性質が劣り、10重
量%未満では帯電防止付与性が劣り好ましくない。
【0017】ポリエーテルエステルアミドの重合方法に
関しては特に限定されず、例えば(イ)(a)アミノカルボ
ン酸、ジカルボン酸/ジアミン塩、またはラクタムと
(c)ジカルボン酸を反応させて両末端がカルボン酸基の
ポリアミドプレポリマをつくり、これに (b)ポリ(アル
キレンオキシド)グリコールおよび/またはジオール化
合物を真空下に反応させる方法、(ロ)前記 (a)、
(b)、(c)の各化合物を反応槽に仕込み、水の存在下また
は非存在下に高温で加圧反応させることにより、カルボ
ン酸末端のポリアミドプレポリマを生成させ、その後常
圧または減圧下で重合を進める方法、および(ハ)前記
(a)、(b)、(c)の化合物を同時に反応槽に仕込み溶融混
合したのち高真空下で一挙に重合を進める方法などを利
用することができる。
【0018】また、重合触媒についても制限はなく、例
えば三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブ
チルスズオキシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタ
ネートなどのチタン系触媒、テトラブチルジルコネート
などのジルコネート系触媒などを1種または2種以上使
用することもできる。本発明で用いられる (C) エチレ
ン系アイオノマー樹脂は、エチレンとα、β−不飽和カ
ルボン酸誘導体との共重合体に原子価が1〜3の金属イ
オンを付加せしめたイオン性重合体である。ここでα、
β−不飽和カルボン酸誘導体の例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタアクリル酸メチ
ル、マレイン酸水素メチルなどが、また原子価1〜3の
金属イオンの代表例としてはNa+、K+、Mg++、Zn
++、Al+++ などが挙げられる。これらエチレン系アイ
オノマー樹脂としては一般に“サーリン”、“ハイラミ
ン”、なる商品名で市販されている各種グレードを用い
ることができる。
【0019】これらの中でも、金属イオンがZnイオン
であるエチレン系アイオノマー樹脂が、ポリエーテルエ
ステルアミドとポリオレフィンとの親和性を著しく改善
し、その結果本発明の樹脂組成物の機械的特性が優れる
点で好ましく用いられる。更に本発明の樹脂組成物の制
電性が改良される点で、金属イオンNaイオンであるエ
チレン系アイオノマー樹脂が特に好ましく用いられる。
【0020】またアイオノマー樹脂の金属イオンがNa
イオンと、さらに他の金属イオン例えばZnイオンなど
少なくとも2種の金属イオンを含むエチレン系アイオノ
マー樹脂、または金属イオンがNaイオンであるエチレ
ン系アイオノマー樹脂と金属イオンがNaイオン以外の
金属イオン例えばZnイオンなどのエチレン系アイオノ
マー樹脂との混合物は、本発明の樹脂組成物の機械的特
性と制電性の両特性が優れる点で特に好ましい。本発明
における (D) スチレンスルホン酸化合物としては、下
記 (I) 式で示されるスチレンスルホン酸構造単位を5
0重量%以上有する化合物である。
【0021】
【0022】(ただし式中、Rは水素、アルキル基、好
ましくはC1-4 のアルキル基、アリール基、好ましくは
フェニル基を示し、Xは水素、アルカリ金属、アルカリ
土類金属またはアンモニウムを示し、nは1〜20,00
0の整数を示す。) ポリオレフィン系樹脂との相溶性の点でnは1〜2,00
0が好ましく、さらに好ましくは3〜500である。そ
して、 (D) スチレンスルホン酸化合物としては、好ま
しくはスチレンスルホン酸構造単位を80重量%以上有
する化合物であり、更に好ましくは100重量%有す
る、すなわちスチレンスルホン酸化合物そのものであ
る。
【0023】具体的なスチレンスルホン酸化合物の例と
しては、スチレンスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン
酸ソーダオリゴマ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、ポ
リスチレンスルホン酸カリウム、ポリスチレンスルホン
酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム、ポ
リα−メチルスチレンスルホン酸ソーダなどが挙げられ
るがポリマーまたはオリゴマーの場合には、これらに他
の共重合可能な単量体を共重合した共重合体、オリゴマ
ーも含まれる。
【0024】共重合可能な単量体としては、スチレン、
α−メチルスチレン、o−エチルスチレンおよびo−p
−ジクロロスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル、エタアクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル系単量体、アクリル酸、メ
タアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸な
どの不飽和酸単量体、無水マレイン酸、無水フマル酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物およ
び不飽和酸の塩またはこれらの誘導体が挙げられる。好
ましい例としてスチレン、アクリロニトリル、メタアク
リル酸が挙げられる。この場合、スチレンの共重合量は
50重量%未満、好ましくは20重量%未満である。こ
こで、スチレンスルホン酸化合物としては、特にスチレ
ンスルホン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸アンモニ
ウムなどが好ましく用いられる。
【0025】スチレンスルホン酸化合物の製法に関して
は特に限定されず、例えば、ブロモエチルベンゼンスル
ホン酸の脱臭化水素反応により得たスチレンスルホン酸
モノマーをアルカリで中和する方法、これを加熱下で重
合する方法、また、ポリスチレンを溶媒中で、無水硫
酸、クロルスルホン酸などのスルホン化剤と反応して得
られるポリスチレンスルホン酸を、イオン性アルカリ金
属化合物、イオン性アルカリ土類金属化合物またはアン
モニウム化合物を用いて中和する方法など、通常公知の
方法を利用することができる。このとき、スルホン化を
50%以上にする必要がある。
【0026】本発明における(A)ポリオレフィンと
(B)ポリエーテルエステルアミドの配合割合は(A)
成分が99〜10重量%、好ましくは97〜20重量
%、特に好ましくは95〜60重量%、(B)成分が1
〜90重量%、好ましくは3〜80重量%、特に好まし
くは5〜40重量%である。(B)ポリエーテルエステ
ルアミドが1重量%未満では樹脂組成物の帯電防止性が
不足し、90重量%を超えると樹脂組成物が柔軟にな
り、機械的特性が劣るため好ましくない。
【0027】(C) エチレン系アイオノマー樹脂の添加
量は (A) ポリオレフィンと (B) ポリエーテルエステ
ルアミドの合計100重量部に対して、0.1〜200重
量部、好ましくは1〜50重量部、特に好ましくは3〜
20重量部である。エチレン系アイオノマー樹脂が0.1
重量部未満ではポリオレフィンとポリエーテルエステル
アミドとの配合状態を緊密にする分散助剤的効果が不足
し、200重量部を超えると組成物の剛性が低下するの
で好ましくない。 (D)スチレンスルホン酸化合物の添加量は(A)ポリ
オレフィンと(B)ポリエーテルエステルアミドの合計
100重量部に対して、0.01〜50重量部、好ましく
は0.05〜10重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部
である。スチレンスルホン酸化合物が0.01重量部未満
では制電性改良効果が不足し、50重量部を超えると組
成物の物性が低下するので好ましくない。
【0028】本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては
特に制限はなく、例えば(A)ポリオレフィンと(B)
ポリエーテルエステルアミド、(C)エチレン系アイオ
ノマー樹脂および (D) スチレンスルホン酸化合物の混
合物をバンバリーミキサー、ロール、エクストルーダー
などで溶融混練することによって製品化される。本発明
の樹脂組成物は本発明の目的を損なわない範囲で、他の
熱可塑性重合体、例えば塩化ビニル樹脂、ポリスチレ
ン、ハイインパクトポリスチレン、ABS、AES、A
AS、ACS、スチレン変性ポリフェニレンエーテル、
ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、PMMA、ポリ
フェニレンスルフィドなどを混合して、成形用樹脂とし
ての性能を改良することができる。また、スチレンスル
ホン酸金属塩以外のスルホン酸の金属塩やアニオン系、
カチオン系の界面活性剤などの帯電防止剤を添加して帯
電防止性を一層向上させることも可能であり、さらに必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種安定剤
や顔料、染料、滑剤、ガラス繊維、無機フィラー、導電
剤および可塑剤、難燃剤などを添加することもできる。
【0029】他方、ポリオレフィンとスチレンスルホン
酸化合物との親和性を高め、スチレンスルホン酸化合物
を均質に分散させることによって安定した制電性改良効
果を付与するには、オレフィンおよびビニル単量体から
なる共重合体、たとえばエチレン−プロピレン−スチレ
ンブロック共重合体を配合する方法が有効である。本発
明の樹脂組成物の成形法は特に限定されず、射出成形、
押出成形(チューブ、パイプ、シート、フイルム、ラミ
ネートなど)、ブロー成形(ダイレクトブロー、インジ
ェクションブロー、多層ブローなど)、真空成形、圧縮
成形などの成形加工法により各種の部品、製品にするこ
とができる。
【0030】更に、接着、ラベリング、印刷、塗装、ウ
エルディング、切削などの後加工処理を付与することも
できる。本発明の樹脂組成物は電気、電子、自動車等の
部品、包装用材料および飲料用化粧用等の容器として有
用であり、特にごみや静電気障害を嫌うオーディオカセ
ット、ビデオカセット、テレビ部品、クーラー用ファ
ン、扇風機用ファン、電気器のハウジング、複写機の用
紙収納ケース、電気掃除機のダクトケース、電気掃除機
のフレキシブルホース、ICカードケース、フロッピィ
ーディスク用ケースなどのケース類、インストルメント
パネルなどの自動車用内装材、ラミネート加工紙包装
材、電気、電子部品のフィルム包装材、化粧品用ブロー
ボトル、調味料用ブローボトル、チューブ状容器、カッ
プ状容器等の用途に適している。
【0031】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例および比較例を挙げて説明する。なお実施例中の
部数および%はそれぞれ重量部および重量%をしめす。 参考例 (1)(A):ポリオレフィンの調整 A−1:ポリプロピレン (ASTM D1238で測定
したMI 8g/10分)を使用した。 A−2:ポリプロピレン (ASTM D1238で測定
したMI 0.5g/10分) を使用した。 A−3:ポリプロピレン (エチレンを5重量%共重合し
た) (ASTM D1238で測定したMI 1.5g/1
0分) を使用した。 A−4:ポリエチレン (ASTM D1238で測定し
たMI 0.7g/10分)(ASTM D1505で測定し
たSG 0.95) を使用した。 A−5:ポリエチレン (ASTM D1238で測定し
たMI 1.9g/10分)(ASTM D1505で測定し
たSG 0.92) を使用した。
【0032】(2)(B):ポリエーテルエステルアミ
ドの調製 B−1:カプロラクタム50部、数平均分子量が1,00
0のポリエチレングリコール44.2部およびテレフタル
酸7.6部を“イルガノックス”1098(酸化防止剤)
0.2部および三酸化アンチモン触媒0.1部と共にヘリカ
ルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置換し
て260℃で60分間加熱攪拌して透明な均質溶液とし
た後、260℃、0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、
粘稠で透明なポリマを得た。ポリマを冷却ベルト上にガ
ット状に吐出し、ペレタイズすることによって、ペレッ
ト状のポリエーテルエステルアミド(B−1)を調製し
た。(B−1)中のポリエーテルエステル単位は45重
量%であった。 B−2:ナイロン6・6塩(AH塩)40部、ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物(“ニューポール”
BPE−20、三洋化成工業(株)製)6.3部、数平均
分子量1,000のポリエチレングリコール41.9部、ド
デカジオン酸14.3部を“イルガノックス”1098
0.2部、三酸化アンチモン0.02部と共にB−1で用い
た反応容器に仕込み、窒素置換して260℃で60分間
加熱攪拌して透明な均質溶液とした後、500mmHgに減
圧して反応容器気相部の水分を除去し、テトラブチルジ
ルコネート0.08部添加した。次いで260℃、0.5mm
Hg以下の条件で3時間30分重合し、粘稠で透明なポリ
マを得た。以降B−1と同一方法でポリエーテルエステ
ルアミド(B−2)を調製した。(B−2)中のポリエ
ーテルエステル単位は40重量%であった。 B−3:ω−アミノデカン酸30部、ドデカン酸14.2
部および数平均分子量1,000のポリエチレングリコー
ル58.6部を用いて、重合時間を3時間にした以外は
(B−1)と同じ方法でポリエーテルエステルアミド
(B−3)を調製した。(B−3)中のポリエーテルエ
ステル単位は60重量%であった。
【0033】(3)(C)エチレン系アイオノマー樹脂
の調製 C−1:金属イオンがZnイオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1702 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。 C−2:金属イオンがZnイオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1706 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。 C−3:金属イオンがNaイオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1605 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。 C−4:金属イオンがNaイオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1707 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。
【0034】(4)(D)スチレンスルホン酸化合物の
調製 D−1:スチレンスルホン酸ソーダを水に溶解し、触媒
として過硫酸カリウムを用いて50℃で加熱し、溶液重
合してポリスチレンスルホン酸ソーダ (D−1)を調製
した。 D−2:スチレンスルホン酸アンモニウムを用いて (D
−1) と同じ方法で、ポリスチレンスルホン酸アンモニ
ウム (D−2) を調製した。 実施例1〜9 参考例で調製した(A)ポリオレフィン、(B)ポリエ
ーテルエステルアミド(C) エチレン系アイオノマー樹
脂および(D)スチレンスルホン酸化合物を表1に示し
た配合比で混合し、ベント付40mmφ押出機で樹脂温度
220℃で溶融混練し、押出を行うことによってペレッ
トを製造した。
【0035】ついで射出成形機により、シリンダー温度
220℃、金型温度60℃で試験片を成形し、次の物性
を測定した。アイゾット衝撃強度:ASTM D256
−56Aに準じた。表面固有抵抗値:射出成形した厚さ
2mmの円板を用い、次の条件で測定した。 (1)成形直後、絶乾状態で測定した。 (2)成形直後、洗剤“ママレモン" (ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し続いて蒸留水で十分洗浄して
から表面の水分を取り除いた後、50%RH、23℃で
24時間調湿して測定した。 (3)成形後、50%RH、23℃中に200日間放置
した後、洗剤“ママレモン" 水溶液で洗浄し、続いて蒸
留水で十分洗浄してから表面の水分を取り除いた後、5
0%RH、23℃で24時間調湿して測定した。 層状剥離防止性:成形品を折り曲げ、および引張試験し
た試験片の破断面の観察により行い、◎:極めて良好、
○:良好、×:成形品が層状剥離を起こす、を判定基準
とした。
【0036】測定結果を表2に示した。 比較例1〜8 参考例で調製した(A)ポリオレフィン、(B)ポリエ
ーテルエステルアミド、 (C) エチレン系アイオノマー
樹脂および(D)スチレンスルホン酸化合物を表1に示
した配合比で実施例と同様の方法で溶融混練、成形して
物性を測定した。測定結果を表2に示した。
【0037】
【0038】 表2の結果から次のことが明らかである。本発明の樹脂
組成物(実施例1〜9)はいずれも成形品の外観が優
れ、かつ低い表面固有抵抗値と、優れた層状剥離防止性
を有している。しかも表面洗浄や経時変化によっても抵
抗値はほとんど変化せず、優れた永久帯電防止性を発揮
する。
【0039】一方、(B)ポリエーテルエステルアミド
の配合量が1重量部未満の場合 (比較例1) は帯電防止
性 (抵抗値) が劣り、 (B) ポリエーテルエステルアミ
ドが90重量部を越える場合 (比較例2) が成形品が柔
軟になり機械的特性が劣る。(C)エチレン系アイオノ
マー樹脂が0.1重量部未満の場合 (比較例3) は成形品
が層状剥離を起こすので好ましくない。 (C) エチレン
系アイオノマー樹脂が200重量部を越える場合 (比較
例4) は機械的特性が低下し好ましくない。
【0040】他方 (A) ポリオレフィンと (C) エチレ
ン系アイオノマー樹脂および (D)スチレンスルホン酸
化合物からなる樹脂成形品(比較例5)と、(A)ポリ
オレフィン、(B)ポリエーテルエステルアミドおよび
(C) エチレン系アイオノマー樹脂からなる樹脂成形品
(比較例6)においては、いずれも絶乾時の帯電防止性
が劣り、(B)ポリエーテルエステルアミドと(C)ス
チレンスルホン酸化合物の2成分の併用添加が必須であ
ることが明らかである。
【0041】(D)スチレンスルホン酸化合物が0.01
重量部未満の場合(比較例7)は制電性改良効果は不十
分で、とくに絶乾時の帯電防止性(抵抗値)が劣り望ま
しい樹脂組成物を得ることができない。(D)スチレン
スルホン酸化合物が50重量部を越える場合(比較例
8)は機械的特性が低下し好ましくない。
【0042】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は上述の構成をとる
ことにより、絶乾時における帯電防止性に優れ、かつ表
面洗浄や経時変化によっても帯電防止性がほとんど変化
しない永久制電性を発現する。さらに、エチレン系アイ
オノマー樹脂がポリオレフィンとポリエーテルエステル
アミドとの相溶化剤として働き、微分散状態でブレンド
されるため、永久制電性が発現し、また成形品の層状剥
離を防止する。また、エチレン系アイオノマー樹脂とポ
リエーテルエステルアミドの柔軟性が相乗的に作用し
て、耐衝撃性を向上させる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリオレフィン (B) ポリエーテルエステルアミド (C) エチレン系アイオノマー樹脂 および (D) 下記I式で示されるスチレンスルホン酸構造単位
    を50重量%以上有するスチレンスルホン酸化合物 からなり、成分 (A) と成分 (B) の重量配合比 (A)
    / (B) が10〜99/90〜1であり、成分 (A) お
    よび成分 (B)の合計100重量部に対して、成分
    (C) の配合量が0.1〜200重量部、成分 (D) の配
    合量が0.01〜50重量部である熱可塑性樹脂組成物。 (ただし式中、Rは水素、アルキル基またはアリール基
    を示し、Xは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属ま
    たはアンモニウムを示し、nは1〜20,000の整数を
    示す。)
  2. 【請求項2】 エチレン系アイオノマー樹脂の金属イオ
    ンがZnイオンである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 エチレン系アイオノマー樹脂の金属イオ
    ンがNaイオンである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 アイオノマー樹脂の金属イオンがNaイ
    オンと、さらに他の金属イオンとの少なくとも2種の金
    属イオンを含むエチレン系アイオノマー樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エチレン系アイオノマー樹脂が、Naイ
    オンを含むエチレン系アイオノマー樹脂とNaイオン以
    外の金属イオンを含むエチレン系アイオノマー樹脂との
    混合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999028384A1 (de) * 1997-12-03 1999-06-10 Bayer Aktiengesellschaft Polymerblend enthaltend polyolefine
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