JPH0539387A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0539387A
JPH0539387A JP3194410A JP19441091A JPH0539387A JP H0539387 A JPH0539387 A JP H0539387A JP 3194410 A JP3194410 A JP 3194410A JP 19441091 A JP19441091 A JP 19441091A JP H0539387 A JPH0539387 A JP H0539387A
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Japan
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ethylene
acid
resin composition
weight
ionomer resin
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JP3194410A
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Seiji Tanaka
清治 田中
Kazumasa Chiba
一正 千葉
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A) ポリオレフィン、 (B) ポリエーテル
エステルアミドおよび (C) エチレン系アイオノマー樹
脂からなり、成分 (A) と成分 (B) の重量配合比
(A) / (B) が10〜99/90〜1であり、かつ成
分 (C) の配合量が、成分 (A) および成分 (B) の合
計100重量部に対して、0.1〜200重量部である熱
可塑性樹脂組成物。 【効果】 永久制電性を有し、成形品の層状剥離が起こ
らず、かつ耐衝撃性にすぐれた樹脂組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久帯電防止性を有し、
かつ耐衝撃性、成形加工性が優れ、かつ層状剥離 (千枚
めくれ) のない熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンは、その優れた特性によ
って広範な分野で使用されている。これらの材料は材料
の持つ機械的強度に加え、帯電防止性を付与されればさ
らにその用途を拡大することができる。すなわち、静電
気による障害を防止したい複写機、各種防塵用部品など
への用途展開が可能となる。
【0003】ポリオレフィンの制電性を向上させる方法
として、特開昭58−118838号公報にポリオレフ
ィンにポリエーテルエステルアミドを混合することによ
り、制電性を有するポリオレフィン系樹脂組成物が得ら
れることが記載されている。また、特開平1−1632
34号公報にはポリオレフィンとポリエーテルエステル
アミドおよびカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基お
よび置換アミノ基の少なくとも1種の官能基を含有する
変性オレフィン共重合体を混合することにより、優れた
機械物性と層状剥離防止性をそなえた永久制電性樹脂組
成物が得られることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭5
8−118838号公報による制電性樹脂組成物は、ポ
リエーテルエステルアミドとポリオレフィンとの親和性
が悪く、成形品が層状剥離を起こすため、実用に供しう
る組成物を得ることでできないという問題がある。
【0005】また特開平1−163234号公報による
制電性樹脂組成物は相溶化剤である第3成分が存在する
ため、ポリエーテルエステルアミドとポリオレフィンと
の親和性がかなり改善されているものの、相溶化剤とし
て用いられている変性オレフィン重合体がエチレン/プ
ロピレン系のコポリマタイプであるため、樹脂組成物の
剛性を低下させ、成形品の層状剥離防止性にも欠けるも
のであった。
【0006】本発明は、これら従来技術の問題点を解消
し、布拭や水洗などの環境によって帯電防止性が損なわ
れず、優れた層状剥離防止性と剛性を保持した熱可塑性
樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は (A) ポリオレフィン (B) ポリエーテルエステルアミド および (C) エチレン系アイオノマー樹脂 からなり、成分 (A) と成分 (B) の重量配合比 (A)
/ (B) が10〜99/90〜1であり、かつ成分
(C) の配合量が、成分 (A) および成分 (B) の合計
100重量部に対して、0.1〜200重量部である熱可
塑性樹脂組成物によって達成される。
【0008】以下本発明を具体的に説明する。本発明に
おいて用いることができる (A) ポリオレフィンとして
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン/プロピ
レン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体およびそ
れらの混合物が挙げられ、特にポリプロピレン、ポリエ
チレンが好ましく用いられる。
【0009】(A) ポリオレフィンの重合方法に関して
は特に限定されず、例えばプロピレンを溶剤中でチーグ
ラーナッタ触媒と接触させ室温〜80℃、3〜10kg/
cm2 で重合を進める方法、エチレンを溶剤中でトリエチ
ルアルミニウム/四塩化チタン触媒と接触させ60〜8
0℃、常圧〜8kg/cm2 で重合を進める方法などを利用
することができる。
【0010】本発明における(B)ポリエーテルエステ
ルアミドはポリアミド単位のハード成分とポリエーテル
エステル単位のソフト成分とからなるブロック共重合体
である。ポリエーテルエステルアミドのハード成分を構
成するモノマとしては炭素原子数6以上のアミノカルボ
ン酸あるいはラクタム、または炭素原子数6以上のジア
ミンとジカルボン酸の塩が好ましく、具体的にはω−ア
ミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカ
プリル酸、アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸お
よび11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸などのアミノカルボン酸、あるいはカプロラクタム、
エナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロラク
タムなどのラクタムおよびヘキサメチレンジアミン−ア
ジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸および
ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩などのジアミ
ン−ジカルボン酸の塩が挙げられ、特にカプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン
−アジピン酸塩が好ましく用いられる。
【0011】ポリエーテルエステルアミドのソフト成分
を構成するポリエーテルとしてはポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールが好ましく、具体的にはポリエチレン
グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコ
ール、(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサ
メチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体お
よびエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック
またはランダム共重合体などが挙げられる。これらの中
でも、制電性が優れる点で、特にポリエチレングリコー
ルが好ましく用いられる。また、ポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールの数平均分子量は200〜6000、
特に250〜4000の範囲のものが用いられ、数平均
分子量が200未満では得られるポリエーテルエステル
アミドの機械的性質が劣り、数平均分子量が6000を
超える場合は、帯電防止性が不足するため好ましくな
い。またポリ (アルキレンオキシド) グルコールには本
発明の効果を損なわない範囲において一般式(I)で示
されるジオール化合物が共重合されていてもよい。
【0012】
【0013】(ただし式中、Ar は炭素数6〜20の芳
香族基および脂環族基を示し、R1 およびR2 はエチレ
ンオキシド基またはプロピレンオキシド基を示し、mお
よびnは各々1〜15の整数を示す。)上記一般式
(I)で示されるジオール化合物には次式 (II) 〜(I
V)で示される化合物およびそのハロゲン誘導体などが
含まれる。
【0014】
【0015】(ただし式中、R1 およびR2 はエチレン
オキシド基またはプロピレンオキシド基を示し、Yは共
有結合、炭素数1〜6のアルキレン基、アルキリデン
基、シクロアルキリデン基、アリールアルキリデン基、
O、SO、SO2 、CO、S、CF2、C(CF3)2 また
はNHを示す。また、mおよびnは各々1〜15の整数
を示す。)具体的な、好ましいジオール化合物はハイド
ロキノンのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレン
オキシド付加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオ
キシド付加物およびそのブロック重合体等であり、特に
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびその
ブロック重合体が好ましい。
【0016】ポリエーテルエステルアミドのポリエーテ
ルとポリアミドをつなぐジカルボン酸としては炭素原子
数4〜20のジカルボン酸が好ましく、具体的にはテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジ
フェニル−4, 4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウム
のごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸および
ジシクロヘキシル−4, 4'−ジカルボン酸のごとき脂環
族ジカルボン酸およびコハク酸、シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸およびドデカンジ酸(デカンジカルボン
酸)のごとき脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、特に
テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ
酸が重合性、色調および物性の点から好ましく用いられ
る。
【0017】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
ジカルボン酸は理論上は1:1のモル比で反応するが使
用するジカルボン酸の種類により通常仕込比を変えて供
給される。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとジ
カルボン酸はポリエーテルエステルアミド中90〜10
重量%の範囲で用いられ、90重量%を超える場合はポ
リエーテルエステルアミドの機械的性質が劣り、10重
量%未満では帯電防止付与性が劣り好ましくない。
【0018】ポリエーテルエステルアミドの重合方法に
関しては特に限定されず、例えば(イ)(a)アミノカルボ
ン酸、ジカルボン酸/ジアミン塩、またはラクタムと
(c)ジカルボン酸を反応させて両末端がカルボン酸基の
ポリアミドプレポリマをつくり、これに (b)ポリ(アル
キレンオキシド)グリコールを真空下に反応させる方
法、(ロ)前記 (a)、(b)、(c)の各化合物を反応槽に仕
込み、水の存在下または非存在下に高温で加圧反応させ
ることにより、カルボン酸末端のポリアミドプレポリマ
を生成させ、その後常圧または減圧下で重合を進める方
法、および(ハ)前記 (a)、(b)、(c)の化合物を同時に
反応槽に仕込み溶融混合したのち高真空下で一挙に重合
を進める方法などを利用することができる。
【0019】また、重合触媒についても制限はなく、例
えば三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブ
チルスズオキシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタ
ネートなどのチタン系触媒、テトラブチルジルコネート
などのジルコネート系触媒などを1種または2種以上使
用することもできる。本発明で用いられる(C)エチレ
ン系アイオノマー樹脂は、エチレンとα、β−不飽和カ
ルボン酸誘導体との共重合体に原子価が1〜3の金属イ
オンを付加せしめたイオン性重合体である。ここでα、
β−不飽和カルボン酸誘導体の例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタアクリル酸メチ
ル、マレイン酸水素メチルなどが、また原子価1〜3の
金属イオンの代表例としてはNa+ 、K+、Mg++、Z
n++、Al+++ などが挙げられる。これらエチレン系アイ
オノマー樹脂としては一般に“サーリン" 、“ハイラミ
ン" 、なる商品名で市販されている各種グレードを用い
ることができる。
【0020】これらの中でも、金属イオンがZn イオン
であるエチレン系アイオノマー樹脂が、ポリエーテルエ
ステルアミドとポリオレフィンとの親和性を著しく改善
し、その結果本発明の樹脂組成物の機械的特性が優れる
点で好ましく用いられる。更に本発明の樹脂組成物の制
電性が改良される点で、金属イオンがNa イオンである
エチレン系アイオノマー樹脂が特に好ましく用いられ
る。
【0021】またアイオノマー樹脂の金属イオンがNa
イオンと、さらに他の金属イオン例えばZn イオンなど
少なくとも2種の金属イオンを含むエチレン系アイオノ
マー樹脂、または金属イオンがNa イオンであるエチレ
ン系アイオノマー樹脂と金属イオンがNa イオン以外の
金属イオン例えばZn イオンなどのエチレン系アイオノ
マー樹脂との混合物は、本発明の樹脂組成物の機械的特
性と制電性の両特性が優れる点で特に望ましい。
【0022】本発明における(A)ポリオレフィンと
(B)ポリエーテルエステルアミドの配合割合は(A)
成分が99〜10重量%、好ましくは97〜20重量
%、特に好ましくは95〜60重量%、 (B)成分が1〜90重量%、好ましくは3〜80重量
%、特に好ましくは5〜40重量%である。(B)ポリ
エーテルエステルアミドが1重量%未満では樹脂組成物
の帯電防止性が不足し、90重量%を超えると樹脂組成
物が柔軟になり、機械的特性が劣るため好ましくない。 (C)エチレン系アイオノマー樹脂の添加量は(A)ポ
リオレフィンと(B)ポリエーテルエステルアミドの合
計100重量部に対して、0.1〜200重量部、好まし
くは1〜50重量部、特に好ましくは3〜20重量部で
ある。エチレン系アイオノマー樹脂が0.1重量部未満で
はポリオレフィンとポリエーテルエステルアミドとの配
合状態を緊密にする分散助剤的効果が不足し、200重
量部を超えると組成物の剛性が低下するので好ましくな
い。
【0023】本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては
特に制限はなく、例えば(A)ポリオレフィンと(B)
ポリエーテルエステルアミドおよび(C)エチレン系ア
イオノマー樹脂の混合物をバンバリーミキサー、ロー
ル、エクストルーダーなどで溶融混練することによって
製品化される。本発明の樹脂組成物は本発明の目的を損
なわない範囲で、他の熱可塑性重合体、例えば塩化ビニ
ル樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、
ABS、AES、AAS、ACS、水素添加または水素
未添加のスチレン−ブタジエンブロック共重合体などの
エラストマ、PMMA、ポリアミド、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリフェニレンスルフィドなどを混合して、成
形用樹脂としての性能を改良することができる。また、
スルホン酸の金属塩やアニオン系、カチオン系の界面活
性剤などの帯電防止剤を添加して帯電防止性を一層向上
させることも可能であり、さらに必要に応じてオリゴマ
ーなど相溶化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種
安定剤や顔料、染料、滑剤、ガラス繊維、無機フィラ
ー、導電剤および可塑剤、難燃剤などを添加することも
できる。
【0024】本発明の樹脂組成物の成形法は特に限定さ
れず、射出成形、押出成形(チューブ、パイプ、シー
ト、フイルム、ラミネートなど)、ブロー成形(ダイレ
クトブロー、インジェクションブロー、多層ブローな
ど)、真空成形、圧縮成形などの成形加工法により各種
の部品、製品にすることができる。更に、接着、ラベリ
ング、印刷、塗装、ウエルディグ、切削などの後加工処
理を付与することもできる。
【0025】本発明の樹脂組成物は電気、電子、自動車
等の部品、包装用材料および飲料用化粧用等の容器とし
て有用であり、特にごみや静電気障害を嫌うオーディオ
カセット、ビデオカセット、テレビ部品、クーラー用フ
ァン、扇風機用ファン、電気器のハウジング、複写機の
用紙収納ケース、電気掃除機のダクトケース、電気掃除
機のフレキシブルホース、ICカードケース、フロッピ
ィーディスク用ケースなどのケース類、インストルメン
トパネルなどの自動車用内装材、ラミネート加工紙包装
材、電気、電子部品のフィルム包装材、化粧品用ブロー
ボトル、調味料用ブローボトル、チューブ状容器、カッ
プ状容器等の用途に適している。
【0026】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例および比較例を挙げて説明する。なお実施例中の
部数および%はそれぞれ重量部および重量%をしめす。 参考例 (1)(A):ポリオレフィンの調整 A−1:ポリプロピレン (ASTM D1238で測定
したMI8g/10分)を使用した。 A−2:ポリプロピレン (ASTM D1238で測定
したMI0.5g/10分) を使用した。 A−3:ポリプロピレン (エチレンを5重量%共重合し
た) (ASTM D1238で測定したMI 1.5g/1
0分) を使用した。 A−4:ポリエチレン (ASTM D1238で測定し
たMI 0.7g/10分)(ASTM D1505で測定し
たSG0.95) を使用した。 A−5:ポリエチレン (ASTM D1238で測定し
たMI 1.9g/10分)(ASTM D1505で測定し
たSG0.92) を使用した。 (2)(B):ポリエーテルエステルアミドの調製 B−1:カプロラクタム50部、数平均分子量が100
0のポリエチレングリコール44.2部およびテレフタル
酸7.6部を“イルガノックス”1098(酸化防止剤)
0.2部および三酸化アンチモン触媒0.1部と共にヘリカ
ルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置換し
て260℃で60分間加熱攪拌して透明な均質溶液とし
た後、260℃、0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、
粘稠で透明なポリマを得た。
【0027】ポリマを冷却ベルト上にガット状に吐出
し、ペレタイズすることによって、ペレット状のポリエ
ーテルエステルアミド(B−1)を調製した。(B−
1)中のポリエーテルエステル単位は45重量%であっ
た。 B−2:ナイロン6・6塩(AH塩)40部、ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物(“ニューボール”
BPE−20、三洋化成工業(株)製)6.3部、数平均
分子量1000のポリエチレングリコール41.9部、ド
デカジオン酸14.3部を“イルガノックス”1098
0.2部、三酸化アンチモン0.02部と共にB−1で用い
た反応容器に仕込み、窒素置換して260℃で60分間
加熱攪拌して透明な均質溶液とした後、500mmHgに減
圧して反応容器気相部の水分を除去し、テトラブチルジ
ルコネート0.08部添加した。次いで260℃、0.5mm
Hg以下の条件で3時間30分重合し、粘稠で透明なポリ
マを得た。以降B−1と同一方法でポリエーテルエステ
ルアミド(B−2)を調製した。(B−2)中のポリエ
ーテルエステル単位は40重量%であった。 B−3:ω−アミノデカン酸30部、ドデカン酸14.2
部および数平均分子量1000のポリエチレングリコー
ル58.6部を用いて、重合時間を3時間にした以外は
(B−1)と同じ方法でポリエーテルエステルアミド
(B−3)を調製した。(B−3)中のポリエーテルエ
ステル単位は60重量%であった。 (3)(C)エチレン系アイオノマー樹脂の調製 C−1:金属イオンがZn イオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1702 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。 C−2:金属イオンがZn イオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1706 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。 C−3:金属イオンがNa イオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1605 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。 C−4:金属イオンがNa イオンのエチレン系アイオノ
マー樹脂 ハイミラン1707 (三井デュポンポリケミ
カル (株) 製) を使用した。 実施例1〜9 参考例で調製した(A)ポリオレフィン、(B)ポリエ
ーテルエステルアミドおよび(C)エチレン系アイオノ
マー樹脂を表1に示した配合比で混合し、ベント付40
mmφ押出機で樹脂温度220℃で溶融混練、押出を行う
ことによってペレットを製造した。
【0028】ついで射出成形機により、シリンダー温度
220℃、金型温度40℃で試験片を成形し、次の物性
を測定した。 アイゾット衝撃強度:ASTM D256−56Aに準
じた。 表面固有抵抗値:射出成形した厚さ2mmの円板を用い、
次の条件で測定した。 (1)成形直後、洗剤“ママレモン"(ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し続いて蒸留水で十分洗浄して
から表面の水分を取り除いた後、50%RH、23℃で
24時間調湿して測定した。
【0029】(2)成形後、50%RH、23℃中に2
00日間放置した後、洗剤“ママレモン" 水溶液で洗浄
し、続いて蒸留水で十分洗浄してから表面の水分を取り
除いた後、50%RH、23℃で24時間調湿して測定
した。 層状剥離防止性:成形品を折り曲げ、および引張試験し
た試験片の破断面の観察により行い、◎:極めて良好、
○:良好、×:成形品が層状剥離を起こす、を判定基準
とした 。
【0030】測定結果を表2に示した。 比較例1〜4 参考例で調製した(A)ポリオレフィン、(B)ポリエ
ーテルエステルアミドおよび(C)エチレン系アイオノ
マー樹脂を表1に示した配合比で実施例と同様の方法で
溶融混練、成形して物性を測定した。測定結果を表2に
示した。
【0031】
【0032】
【0033】表2の結果から次のことが明らかである。
本発明の樹脂組成物(実施例1〜9)はいずれも成形品
の外観が優れ、かつ低い表面固有抵抗値と、優れた層状
剥離防止性を有している。しかも表面洗浄や経時変化に
よっても抵抗値はほとんど変化せず、優れた永久帯電防
止性を発揮する。 一方、(B)ポリエーテルエステルアミドの配合量が1
重量部未満の場合(比較例1)は帯電防止性(抵抗値)
が劣り、(B)ポリエーテルエステルアミドが90重量
部を越える場合(比較例2)が成形品が柔軟になり機械
的特性が劣る。
【0034】(C)エチレン系アイオノマー樹脂が0.1
重量部未満の場合(比較例3)は成形品が層状剥離を起
こすので好ましくない。(C)エチレン系アイオノマー
樹脂が200重量部を越える場合(比較例4)は機械的
特性が低下し好ましくない。
【0035】
【発明の効果】本発明の構成をとることにより、本発明
の熱可塑性樹脂組成物は次の効果を奏する。すなわち、
エチレン系アイオノマー樹脂がポリオレフィンとポリエ
ーテルエステルアミドとの相溶化剤として働き、微分散
状態でブレンドされるため、永久制電性が発現し、また
成形品の層状剥離を防止する。また、エチレン系アイオ
ノマー樹脂とポリエーテルエステルアミドの柔軟性が相
乗的に作用して、耐衝撃性を向上させる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:26)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリオレフィン (B) ポリエーテルエステルアミド および (C) エチレン系アイオノマー樹脂 からなり、成分 (A) と成分 (B) の重量配合比 (A)
    / (B) が10〜99/90〜1であり、かつ成分
    (C) の配合量が、成分 (A) および成分 (B) の合計
    100重量部に対して、0.1〜200重量部である熱可
    塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン系アイオノマー樹脂の金属イオ
    ンがZn イオンである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 エチレン系アイオノマー樹脂の金属イオ
    ンがNa イオンである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 エチレン系アイオノマー樹脂の金属イオ
    ンがNa イオンと、さらに他の金属イオンとの少なくと
    も2種の金属イオンを含むエチレン系アイオノマー樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 エチレン系アイオノマー樹脂が、Na イ
    オンを含むエチレン系アイオノマー樹脂とNa イオン以
    外の金属イオンを含むエチレン系アイオノマー樹脂との
    混合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
JP3194410A 1991-08-02 1991-08-02 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH0539387A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03167255A (ja) * 1989-11-27 1991-07-19 Showa Denko Kk 強化ポリアミド・ポリオレフィン樹脂組成物
JPH04270759A (ja) * 1991-01-14 1992-09-28 Showa Denko Kk ポリアミド・ポリオレフィン樹脂組成物

Patent Citations (2)

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