JPH0620809Y2 - 切欠壁パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はビルディング等の屋内に設けられるプレファブ
式ルームの壁パネルに関する。

（従来の技術） 従来、ビルディング等の屋内にプレファブ式トイレのよ
うなプレファブルームを設けるにあたっては、ビルディ
ング内にある程度組みあがった中間組付部材を搬入し、
組み立てている。つまりビルディング内の床面にトイレ
ルームのベースフレームが敷設され、このベースフレー
ム上にあらかじめ製作していた複数の壁パネルを巡らせ
て周壁を構成し、次いで配管、ダクト類が取り付けられ
る。この際配管類の配設は極力一ケ所に纏められ、これ
を覆う箱型の構造体が形成される。この箱型の構造体
は、側面に該配管類を通す通路孔を形成し、その側面の
一端は側壁の一部に接して構成するとともに、この側壁
に接した場所の配管類は、側壁を貫通して室外に導かれ
る。その後この構造体にはトイレ、洗面器具等の必要な
設備が取り付けられ、前面及び上面が装われるという施
行手順がふまれる。

（考案が解決しようとする課題） しかし従来の場合、壁パネルによって一旦周壁を構成し
ても、配管類を室外に導くため組付現場で通路孔を設け
る手段が必要となっていた。すなわち、壁パネルの形状
は矩形が基本となっており、その大きさ等には数種のサ
イズがあるものの配管類の通路のように比較的小さなス
ペースの空間を周壁の一部に設ける場合は、この空間を
残して周壁を構成することができず、あらかじめ製作し
ていた壁パネルから通路孔の部分を切取って組み付ける
必要があった。

（課題を解決するための手段） かかる課題に鑑み本考案は、配管類の通路孔を側面に形
成する箱型の構造体の側面に接して配設される壁パネル
において、長さの異なる縦框と、この縦框間の架設する
長さの異なる横框と、この横框の中間に架設する中間補
強材とで前記構造体の側面形状に対応する形状を切欠い
て構成した枠体と、この枠体に取付けたパネルとから形
成した。

（作用） 組立時、この切欠壁パネルの切欠部を構造体の側面に符
合させることにより、必然的に通路孔が確保される。

（実施例） 本考案の切欠壁パネルの実施例について添付した図面に
基づき説明する。

第１図はプレファブ式トイレ内の構造を示す斜視図、第
２図は側壁の一部を示す斜視図、第３図は本考案の切欠
壁パネルの正面図である。

プレファブ式トイレはビルディング等の屋内に設けら
れ、床面１に敷設されたベースフレーム２がアンカーボ
ルト等によって固定されるとこの上に壁パネルが組み付
けられて周壁３を構成する。次いで給排水等のための配
管、通気管、脱臭ダクト等の配管類４が配設されると、
これら配管類４まわりに構造体５が設けられ、この構造
体５は床面１から立上り、箱型に形成される。又この構
造体５は配管類４に沿って後面を周壁３に接して延設さ
れ、配管類４が室外に出ようとする場所ではその側面も
側壁に接している。その後、この構造体５の上面及び前
面はタイル或は塩ビ鋼板等の表面材で覆われ、洗面具、
便器等の背部に一般に設けられるカウンター部として構
成されることとなる。

一方周壁３を構成する壁パネル６は第２図に示すように
中間組付部材として事前に製作されており、通常は第２
図の右方例に示すように左右端の縦框６ａ，６ａと上下
端の横框６ｂ，６ｂで矩形に形成され、適宜中間補強材
６ｃを配して枠体となし、その前面に基板６ｄを介して
表面材６ｅを貼着して形成している。又前記構造体５の
側面が取り付けられる切欠壁パネル７は第２図の左方例
に示すように、従来の形状の壁パネル６の一角から該構
造体５の側面に対応する形状が切り取られた形状とし、
この切欠壁パネル７の縦框を直線用結合金具８ａ及び角
隅用結合金具８ｂで結合することにより隣接する壁パネ
ルと連結している。この際切欠部が前記構造体５の側面
形状に一致しているため配管類４の通路孔がそのまま確
保されることとなる。

この切欠壁パネル７の構造は第３図Ａに示すように、上
端から下端まで通して配置される左方の縦框７ａと中間
部で段差をもって配置される右方の二本の縦框７ｂ，７
ｃと上下の長さの異なる横框７ｄ，７ｅと中間補強材７
ｆ，７ｆ…とで枠体を構成し、略中央より下半分の片側
側端部を矩形に切り取った形状としている。この切欠部
の幅Ｗは前記構造体５の側面形状の幅と一致させ、高さ
Ｈは同側面形状の高さと一致させている。又各框及び中
間補強材は亜鉛メッキ鋼板等から形成し、下框のみは断
面矩形の中空状フレーム構造とし、他の部材は一側面に
開放溝を持った中空状フレーム構造にしてそれぞれの接
合部を溶接して形成している。

このように構成した枠体を塩ビ鋼板の表面材で装った実
施例は第３図Ｂに示すとおりであり、枠体の表面に石コ
ウボードの基板を貼り付けその表面に塩ビ鋼板を貼着し
ている。第３図Ｃはタイル張りの例を示し、この場合は
枠体の表面にケイカル板の基板を貼り付けその表面にタ
イルを貼着している。

尚表面材は以上の実施例に限られることはないことはい
うまでもない。

（考案の効果） 本考案は以上のように、プレファブ式ルームにおいて配
管類の通路孔を設けるためそれまで必要としていた特別
な手順、手段を不要とし、いわば通路孔までユニット化
したともいうべき切欠壁パネルを中間組付部材として準
備しておくことにより、組付時の施行手順が更に簡便化
された。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレファブ式トイレの組付構造を示す斜視図、
第２図は側壁部の斜視図、第３図は本考案の切欠壁パネ
ルでＡはフレーム構造、Ｂは塩ビ鋼板を表面材とした場
合の実施例、Ｃはタイルを表面材とした場合の実施例を
示す。 尚図面中、１は床面、２はベースフレーム、３は周壁、
４は配管類、５は構造体、６は壁パネル、７は切欠壁パ
ネル、８は結合金具、Ｗは切欠部の幅、Ｈは切欠部の高
さを示す。

フロントページの続き (72)考案者 竹内 英文 神奈川県茅ケ崎市本村２丁目８番１号 東 陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (56)参考文献 実開 昭63−117815（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】配管類の通路孔を側面に形成する箱型の構
   造体の側面に接して配設される壁パネルにおいて、長さ
   の異なる縦框と、この縦框間に架設する長さの異なる横
   框と、この横框の中間に架設する中間補強材とで前記構
   造体の側面形状に対応する形状を切欠いて構成した枠体
   と、この枠体に取付けたパネルとから成ることを特徴と
   する切欠壁パネル。