JPH0619518B2 - 良好な帯電防止性を有するハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

良好な帯電防止性を有するハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0619518B2
JPH0619518B2 JP61104371A JP10437186A JPH0619518B2 JP H0619518 B2 JPH0619518 B2 JP H0619518B2 JP 61104371 A JP61104371 A JP 61104371A JP 10437186 A JP10437186 A JP 10437186A JP H0619518 B2 JPH0619518 B2 JP H0619518B2
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    • G03C1/00Photosensitive materials
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、詳しくは良
好な帯電防止性と搬送ローラの汚染に因る濃度ムラのな
いハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
[発明の背景] ハロゲン化銀写真感光材料(以下写真感光材料と呼
ぶ。)は、一般に電気絶縁性を有する支持体および写真
構成層から成っているので写真感光材料の製造工程中な
らびに使用時に同種または異種物質の表面との間の接触
摩擦または剥離をうけることによって静電電荷が蓄積さ
れることが多い。この蓄積された静電電荷は多くの障害
を引き起すが、最も重大な障害は現像処理前に蓄積され
た静電電荷が放電することによって感光性乳剤層が感光
し、写真フィルムを現像処理した際に点状スポット又は
樹枝状や羽毛状の線斑を生ずることである。これがいわ
ゆるスタチックマークと呼ばれているもので写真フィル
ムの商品価値を著しく損ねる。例えば、医療用又は工業
用X−レイフィルム等に現われた場合には非常に危険な
判断につながってしまう。この現象は現像して初めて明
らかになるもので非常に厄介な問題の一つである。また
これらの蓄積された静電電荷はフィルム表面への塵埃が
付着したり、塗布が均一に行なえないなどの第2次的な
故障を誘起せしめる原因にもなる。
かかる静電電荷は、前述したように写真感光材料の製造
および使用時にしばしば蓄積され、例えば製造工程に於
いては写真フィルムとローラーとの接触摩擦あるいは写
真フィルムの巻取り、巻戻し工程中での支持体面と乳剤
面の分離等によって発生する。また仕上り製品に於いて
は、写真フィルムを巻取り切換えを行なった場合のベー
ス面と乳剤面との分離によって、またはX−レイフィル
ムの自動撮影機中での機械部分あるいは蛍光増感紙との
間の接触分離等が原因となって発生する。その他包装材
料との接触などでも発生する。かかる静電電荷の蓄積に
よって誘起される写真感光材料のスタチックマークは、
写真感光材料の感度の上昇および処理速度の増加によっ
て顕著となる。特に最近においては、写真感光材料の高
感度化および高速塗布、高速撮影、高速自動現像処理化
等の苛酷な取り扱いを受ける機会が多くなったことによ
って一層スタチックマークの発生が出易くなっている。
これらの静電気による障害をなくすためには写真感光材
料に帯電防止剤を添加することが好ましい。しかしなが
ら、写真感光材料に利用できる帯電防止剤としては、他
の分野で一般に用いられている帯電防止剤がそのまま使
用できる訳ではなく、写真感光材料に特有の種々の制約
を受ける。即ち写真感光材料に利用し得る帯電防止剤に
は帯電防止性能が優れていることの他に、写真感光材料
の膜物性、耐接着性に悪影響を与えないこと、写真感光
材料の現像処理液の汚染を早めないこと、搬送ローラー
の汚染によるフィルムの濃度ムラが生じないこと等々の
性能が要求され、写真感光材料へ帯電防止剤を適用する
ことには非常に多くの制約がある。
従来、写真感光材料に適用するための帯電防止剤とし
て、例えば種々の吸湿性物質や水溶性無機塩、ある種の
界面活性剤、ポリマー等の利用が試みられてきた。これ
らの中で帯電防止能の上で、ポリオキシエチレン単位を
有するノニオン界面活性剤が特に有効であることが判っ
ており、例えば、特開昭52-80023号、西ドイツ特許第1,
422,809号、同1,422,818号、オーストラリア特許第54,4
41号/1959等に記載のノニオン界面活性剤が知られてい
る。
しかしながら、これらのポリオキシエチレン単位を有す
るノニオン界面活性剤を、写真感光材料に適用すると、
帯電防止特性は向上するが、写真乳剤の感度、カブリ、
粒状性、シャープネス等の写真特性に悪影響を及ぼした
り、現像処理液の汚染を生じたり、ローラーへ付着物を
生じたりするという問題があった。
更に、特公昭51-9610号には、フェノールホルマリン縮
合物の酸化エチレン付加重合体を種々の塗布剤と併用し
てもその帯電防止性能に優れていることが記載されてい
る。しかしながら、当該特許の方法では、搬送ローラー
汚染や現像処理過程での汚染によるトラブルは解決され
ない。
又、特開昭53-29715号、同60-76741号には、特定のアニ
オン界面活性剤とポリオキシエチレン単位を有するノニ
オン界面活性剤を含有する写真感光材料が記載されてい
るが、前述の特許と同様に現像処理液汚染や搬送ローラ
ー汚染によるフィルム故障の改良は得られない。
さらに又、特開昭60-76742号、同60-80849号では含フッ
素化合物をポリオキシエチレン単位を有するノニオン系
界面活性剤と併用した技術が開示されている。
しかし、この方法によっても、帯電防止性能の向上は見
られるが、その処理過程で見られる諸問題、すなわち処
理液汚染や搬送ローラー汚染による濃度ムラの解決はい
まだ十分でない。
[発明の目的] したがって、本発明の目的は現像処理液や、ローラーの
汚染等を起さずに、かつ、減感等の写真特性に悪影響を
与えることなく良好な帯電防止性を有する写真感光材料
を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者等は、ハロゲン化銀写真感光材料の親水性コロ
イド層の硬膜度を向上することにより、良好な帯電性を
付与するために親水性コロイド層に含有されたノニオン
性界面活性剤に起因する現像処理液やローラーの汚染等
を防止することができることを見い出した。
更に、本発明者等は、ハロゲン化銀写真感光材料の親水
性コロイド層の硬膜度を向上するために、拡散しやすい
低分子硬膜剤の代わりに高分子硬膜剤を用いると、減感
等写真特性への悪影響を防止することができることを見
い出したものである。すなわち、高分子硬膜剤をハロゲ
ン化銀乳剤層以外の親水性コロイド層に加えることにす
れば、硬膜剤によるハロゲン化銀乳剤層の膨潤度の低下
を防止することができることを見い出したものである。
したがって、本発明の目的は、支持体上に少なくとも一
層の親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材
料において、前記親水性コロイド層の少なくとも一層
が、支持体からみて最も遠くに位置する非感光性層であ
って、ポリオキシエチレン単位を有するノニオン性界面
活性剤を含有し、かつ、親水性コロイドと反応する硬膜
基を同一分子中に少なくとも2個以上有する高分子硬膜
剤、叉は親水性コロイドの低分子硬膜剤と該低分子硬膜
剤と反応してその硬膜基を同一分子中に少なくとも2個
以上有する高分子硬膜剤を与えるポリマーにより硬膜さ
れているハロゲン化銀写真感光材料によって達成され
た。
本発明にかかるポリオキシエチレン単位を有するノニオ
ン性界面活性剤(以下ノニオン性界面活性剤と略す)に
ついて説明する。
本発明に好ましく用いられるノニオン性界面活性剤とし
ては、下記一般式[N−I]、[N−II]および[N−
III]で表わされる化合物を挙げることができる。
一般式〔N−I〕 一般式〔N−II〕 一般式〔N−III〕 上記一般式[N−I]において、Rは水素原子または
炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜24のアルキル
基、アルケニル基、もしくはアリール基を表わし、これ
らの基は置換基を有するものも含まれる。
で表わされるアルキル基の例としては、メチル基、
エチル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘ
キサデシル基、ドコシル基等が挙げられ、このうち、オ
クチル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基
等が好ましい例として挙げられる。
で表わされるアルキル基の置換基の例としては、ヒ
ドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチ
オ基等が挙げられる。
で表わされるアルケニル基は、炭素数1〜30のア
ルケニル基、好ましくは炭素数4〜24のアルケニル基
であり、具体的にはビニル基、アリル基、イソプロペニ
ル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等が挙げら
れる。
またRで表わされるアリール基としては、例えばフェ
ニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アリール基が置換基を有する場合の置換基の例としては
アルキル基、例えばブチル基、ペンチル基、オクチル
基、ノニル基、ウンデシル基、ペンタデシル基等が挙げ
られる。
アリール基は2個以上の置換基を有することができ、好
ましくは2個の置換基を有する場合であり、これらは同
じでも異なっていてもよく、また、相互の置換基の結合
位置は、例えば2個のときは、フェニル基については1
位、3位または4位が好ましく、さらに好ましくは1位
と3位にそれぞれ置換基を有する場合である。
Aは、二価の連結基を表わす。Aで表わされる連結基と
しては、例えば−O−、−S−、 (ここで、R12は水素原子または置換基を有するものも
含むアルキル基を表わし、lは1〜20の数を表わ
す。)等が挙げられる。
はエチレンオキサイドの平均付加モル数であって、
2〜50の数であり、好ましくは5〜30で数であり、
特に好ましくは7〜25の数である。
上記一般式[N−II]において、R及びRは水素原
子、アルキル基、アルコキシ基またはアシル基を表わ
す。
及びRで表わされるアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げら
れ、好ましくはオクチル基またはノニル基である。
及びRで表わされるアルコキシ基としては、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、オクトキシ基等が挙げら
れ、好ましくはオクトキシ基である。
及びRで表わされるアシル基としては、例えばブ
チリル基、イソブチリル基、バレリル基等が挙げられ、
好ましくはバレリル基である。
及びRは水素原子またはアルキル基を表わす。
及びRで表わされるアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、好まし
くはメチル基である。
mは2〜50の整数であり、好ましくは3ないし20の
整数である。
は前記nと同様の意味を表わす。
上記一般式[N−III]において、R及びRは水素
原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表わ
す。
及びRで表わされるアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げら
れ、好ましくはメチル基またはエチル基である。
及びRで表わされるアリール基としては、例えば
フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェ
ニル基である。
及びRで表わされる複素環基としては、例えばフ
リル基、チエニル基等が挙げられ、好ましくはフリル基
である。
及びR10はハロゲン原子またはアルキル基を表わ
す。
及びR10で表わされるハロゲン原子としては、例え
ばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、好ま
しくは塩素原子である。
及びR10で表わされるアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、
t−ペンチル基、t−ヘキシル基、t−ヘプチル基、t
−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オク
タデシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、
t−ヘキシル基、t−オクチル基またはノニル基であ
る。
は水素原子またはアルキル基(例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基等)等を表わすが、好ましくは水
素原子である。
11は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表わ
すが、好ましくは水素原子またはアルコキシ基、特に好
ましくは水素原子を表わす。
11で表わされるアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
11で表わされるアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、好まし
くはメトキシ基である。
及びnは同一でも異なってもよく、前記nと同
様の意味を表わす。好ましくは、nとnは同一であ
る。
これらの化合物は例えば米国特許第2,982,651号、同3,4
28,456号、同3,457,076号、同3,454,625号、同3,552,97
2号、同3,655,387号、特公昭51-9610号、特開昭53-2971
5号、同54-89626号、同58-203435号、同58-208743号、
堀口博著「新界面活性剤」(三共出版1975年)等に記載
されている。
次に本発明に好ましく用いられるノニオン性界面活性剤
の具体例を示す。
N−1 N−2 N−3 N−4 N−5 N−6 N−7 N−8 N−9 N−10 N−11 N−12 N−13 N−14 N−15 N−16 N−17 N−18 N−19 N−20 N−21 N−22 N−23 N−24 N−25 N−26 N−27 N−28 N−29 N−30 N−31 N−32 N−33 N−34 N−35 N−36 N−37 N−38 N−39 N−40 N−41 N−42 N−43 N−44 N−45 N−46 N−47 本発明において、親水性コロイド層とはハロゲン化銀乳
剤層、中間層、保護層等の層を含む意味である。したが
って、ノニオン性界面活性剤はこれらのどの層に含有さ
せてもよいが、好ましくはハロゲン化銀乳剤層と同じ側
の下塗り層、中間層、表面保護層、オーバーコート層、
あるいはハロゲン化銀乳剤層と反対側のバック層等が挙
げられ、これらのうち特に表面保護層、オーバーコート
層及びバック層等の表面層が好ましい。
本発明に用いられるノニオン性界面活性剤の使用量は、
使用する写真感光材料の形態、種類又は塗布方式等によ
って異なるが、一般には写真感光材料1m2当り1.0〜1,0
00mgでよく、特に0.5〜200mgが好ましい。
本発明に用いられるノニオン性界面活性剤は、親水性コ
ロイド水溶液へそのまま添加することができる。
本発明に用いられるノニオン性界面活性剤を含有する層
あるいは他の層に別の帯電防止剤を併用することもで
き、こうすることによってさらに好ましい帯電防止効果
を得ることができる。
本発明に係るノニオン性界面活性剤を他の帯電防止剤と
併用する場合には、ノニオン性界面活性剤1に対して他
の帯電防止剤を0.001〜1の割合で、好ましくはノニオ
ン性界面活性剤1に対して他の帯電防止剤を0.01〜0.8
の割合で用いればよい。
本発明に係るノニオン性界面活性剤と併用することがで
きる帯電防止剤としては、例えば特公昭47-9703号、同5
6-44411号、同48-43130号記載のフッ素系界面活性剤等
が挙げられる。本発明においては、これらフッ素系界面
活性剤と併用することが好ましい。
本発明の親水性コロイド層に用いられる高分子硬膜剤と
は、ゼラチン等の親水性コロイドと反応するための硬膜
基を同一分子中に少なくとも2個以上持つ、分子量(数
平均分子量)3000以上の化合物を意味する。
ここでゼラチンなどの親水性コロイドと反応するための
硬膜基としては、例えばアルデヒド基、エポキシ基、活
性ハライド基(ジクロロトリアジンなど)、活性ビニル
基、活性エステル基などが挙げられる。また、これらの
基は高分子硬膜剤の同一分子中に少なくとも2個あれば
よいが、好ましくは10〜5,000個である。また、高分子
硬膜剤の分子量としては、3,000以上であればよいが、
3,000〜50万程度のものが好ましく用いられる。
ゼラチン等の親水性コロイドと反応するための硬膜基を
有する高分子部分は、一般に親水性のものが好ましく用
いられるが、親水性のものではなくとも親水性コロイド
(例えばゼラチン)中に乳化分散(必要により有機溶剤
に溶かして分散する)することによって用いることもで
きる。
本発明に用いられる高分子硬膜剤としては、例えばジア
ルデヒド澱粉、ポリアクロレイン、米国特許第3,396,02
9号記載のアクロレイン共重合体のようなアルデヒド基
を有するポリマー、米国特許第3,623,878号記載のエポ
キシ基を有するポリマー、米国特許第3,362,827号、リ
サーチ・ディスクロージヤー誌17333(1978)などに記載
されているジクロロトリアジン基を有するポリマー、特
開昭56-66841号に記載されている活性エステル基を有す
るポリマー、特開昭56-142524号、米国特許第4,161,407
号、特開昭54-65033号、リサーチ・ディスクロージヤー
誌16725(1978)などに記載されている活性ビニル基、あ
るいはその前駆体となる基を有するポリマーなどが挙げ
られ、この中でも活性ビニル基、あるいはその前駆体と
なる基を有するポリマーが好ましく、とりわけ特開昭56
-142524号に記載されているような、長いスペーサーに
よって活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基がポ
リマー主鎖に結合されているようなポリマーが特に好ま
しい。
以下に、本発明において用いられる高分子硬膜剤の具体
例を示す。
HP−1 HP−2 HP−3 HP−4 HP−5 HP−6 HP−7 HP−8 HP−9 HP−10 HP−11 HP−12 HP−13 HP−14 HP−15 HP−16 HP−17 HP−18 HP−19 HP−20 HP−21 HP−22 HP−23 HP−24 HP−25 HP−26 HP−27 HP−28 また本発明において用いられる高分子硬膜剤は、前に述
べたポリマーのように、始めからゼラチン等の親水性コ
ロイドと反応するための硬膜基を同一分子中に少なくと
も2個以上持っているポリマーの他に、ゼラチン等の親
水性コロイドの硬膜剤とこれと反応して硬膜基を同一分
子中に少なくとも2個以上持つポリマーを与えるポリマ
ーとを使用して、塗布された親水性コロイド層中で高分
子硬膜剤を作るものを含む意味である。
親水性コロイド層中で高分子硬膜剤を作るために使用さ
れるゼラチン等の親水性コロイドの硬膜剤としては、低
分子硬膜剤、例えばティー・エイチ・ジェームス(T.
H.James)による「ザ・セオリー・ツー・ザ・フォト
グラフィック・プロセス(The Theory to the Photogra
phic Process)」、第4版、77頁〜84頁に記載され
ている低分子硬膜剤が使用され、その中でもビニルスル
ホン基あるいはトリアジン環を有する低分子硬膜剤が好
ましく、特に特開昭53-41221号、同60-225143号に記載
されている低分子硬膜剤が好ましい。
以下に本発明において用いられる高分子硬膜剤を与える
低分子硬膜剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されない。
H−1 (CH2=CHSO2CH2CONHCH)2- H−2 (CH2=CHSO2CH2CONHCH)2CH2 H−3 H−4 CH2=CH-SO2-CH=CH2 H−5 CH2=CH-SO2CH2OCH2-SO2-CH=CH2 H−6 CH2=CHSO2CH2CH2CH2SO2CH=CH2 H−7 H−8 OHC(CH2)3CHO H−9 ホルマリン H−10 H−11 H−12 H−13 H−14 CH2=CHSO2CH2CH2SO2CH=CH2H−15 H−16 H−17 H−18 H−19 H−20 H−21 また、親水性コロイド層中で本発明の高分子硬膜剤を作
るために使用されるポリマーとしては、ゼラチン等の親
水性コロイドの低分子硬膜剤と反応する求核性基を同一
分子中に少なくとも2個以上持つものであり、このよう
なものとしては、例えば英国特許第2,011,912号記載の
一級アミノ基を有するポリマー、特開昭56-4141号に記
載されているスルフィン酸基を有するポリマー、米国特
許第4,207,109号に記載されているフェノール性水酸基
を有するポリマー、米国特許第4,215,195号に記載され
ている活性メチレン基を有するポリマーなどが挙げられ
る。
以下に、本発明において用いられる本発明の高分子硬膜
剤を与えるために用いられるポリマーの具体例を示す
が、本発明はこれらに限定されない。
Q−1 Q−2 Q−3 Q−4 Q−5 Q−6 Q−7 Q−8 Q−9 以下に、本発明に使用される高分子硬膜剤の合成法を示
す。
合成例1 ポリ−N−[3−(ビニルスルホニル)プロ
ピオイル]アミノメチルアクリルアミド−コ−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(HP−
3) イ)モノマー:N−[3−(クロロエチルスルホニル)
プロピオイル]アミノメチルアクリルアミドの合成 2の反応容器に、蒸留水1,400ml、亜硫酸ナトリウム2
24g及び重炭酸水素ナトリウム220gを加え、攪拌しな
がら溶解させ、5℃に冷却して約1時間30分で260g
のクロロエタンスルホニルクロリドを滴下した。滴下終
了後、49%硫酸160gを加え、析出した結晶を濾過
し、それをさらに400mlの蒸留水で洗浄した。この濾液
と洗浄液とを3の反応容器に加え、246gのメチレン
ビスアクリルアミドを480mlの蒸留水と、1,480mlのエタ
ノールとに溶解したものを、5℃で約30分間で滴下し
た。反応試料を冷蔵庫中で5日間放置して反応を完結さ
せた後、析出した結晶を濾取し、これを冷却した800ml
の蒸留水で洗浄後、2,000mlの50%エタノール水溶液
から再結晶させて、210gの白色粉末を得た。収率は4
9%で、この化合物の融点は192℃以上(分解)であっ
た。
ロ)高分子硬膜剤:HP−3の合成 200mlの反応溶液に、上記イ)のモノマー5.65g、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ9.16
g、80mlの50%エタノール水溶液を加え、攪拌して
溶解させ、窒素ガスを通しながら80℃に昇温し、0.1
gの2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)を加え、さらに30分後に同じものを同量加え、
1時間、加熱、攪拌を続けた。その後10℃まで冷却し
て2.5gのトリエチルアミンを80mlのエタノールと混
合したものを加え、1時間、攪拌を続け、反応試料を1
のアセトンに加え、生成する沈澱を濾取し、真空乾燥
して12.4gの白色ポリマーを得た。収率は85%で、こ
のポリマーの極限粘度[η]は0.227で、ビニルスルホ
ン含量は0.95×10-3当量/gポリマーであった。
合成例2 ポリ−N−[2−(ビニルスルホニル)アセ
チル]アミノメチルアクリルアミド−コ−アクリルアミ
ド(HP−7) ハ)モノマー:N−[2−(クロロエチルスルホニル)
アセチル]アミノメチルアクリルアミドの合成 1の反応溶液に、メタノール720ml及びN−メチロー
ルアクリルアミド80.8gを加え、攪拌しながら室温下に
濃塩酸40mlを加え、16時間攪拌を続けた後、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル0.4gを加え、蒸留器でメタ
ノールを留去した。残った62.4gのオイルに、クロロエ
タンスルホニルアセタミド100g、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル0.32g及びp−トルエンスルホン酸0.22
gを加え、150℃に加熱して、生成するCHOHを留
去した。約15分で反応が完了し、残った結晶を250ml
の50%エタノール水溶液から再結晶して、61gの白
色粉末を得た。収率は42%であった。
ニ)高分子硬膜剤:HP−7の合成 3,000mlの反応容器に、上記ハ)のモノマー53.7g、ア
クリルアミド163.3g、メタノール1,955gを加え、攪拌
して溶解させ、窒素ガスを通しながら60℃に昇温し、
6.2gの2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)を加え、4時間加熱した後、室温まで冷却し
て、トリエチルアミン20.2gを加え、2時間攪拌し、沈
澱を濾取し、真空乾燥させて、194.3gの白色ポリマー
を得た。収率は92.7%で、このポリマーのビニルスルホ
ン含量は0.50×10-3当量/gポリマーであった。
合成例3 ポリ−ビニルベンゼンスルフィン酸カリウム
−コ−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
ソーダ(Q−1) 500mlの反応容器に、アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸ソーダ45.8g、ビニルベンゼンスルフィ
ン酸カリウム20.6g、エタノ−ル180ml及び蒸留水を加
え、攪拌しながら、75℃まで加熱し、[2,2′−ア
ゾビス−(2−アミン)プロパン]二塩酸塩0.82gを加
え、4時間加熱した後、室温まで放冷させて、エタノ−
ル72ml及び蒸留水278mlを加え、濾過して、無色透明
で粘性のある液体を得た。このポリマ−溶液の25℃に
おける粘度は3.25センチポイズ(cp)、固型分濃度は10.3
重量%、スルフィン酸含量は6.2×10-6当量/gであ
った。
他の高分子硬膜剤についても、前記の合成例もしくは前
述の特許明細書に記載された方法に基づいて容易に合成
することができる。また一部の高分子硬膜剤は市販もさ
れている。
本発明において用いる高分子硬膜剤の使用量は、目的に
応じて任意に選ぶことができる。通常は添加すべき親水
性コロイド層のゼラチン等の親水性コロイド100gに対
して、ゼラチン等の親水性コロイドと反応する官能基が
0.5×10-3当量から5×10-2当量までの範囲に相当
する高分子硬膜剤が使用される。特に好ましくは0.5×
10-3当量から2×10-2当量までの範囲である。
また本発明においては、高分子硬膜剤を単独で用いても
よく、また、特開昭51-78788号、同53-41221号、同60-2
25143号、米国特許第3,325,287号、同3,945,853号、特
開昭59-31944号、同55-736号、同55-98741号、同55-467
45号、同54-130930号等に記載の他の低分子硬膜剤ある
いは高分子硬膜剤と併用してもよい。しかし、本発明に
おいては併用することが好ましい。併用することのでき
る硬膜剤としては、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ
−1,3,5−トリアジンの如く反応性のハロゲン原子
を有する化合物、ジビニルスルホンの如き反応性のオレ
フィンを持つ化合物、イソシアナート類、アジリジン化
合物、エポキシ化合物、ムコクロル酸、クロム明バン、
アルデヒド類があり、具体的には前記H−1ないしH−
21に示される化合物を挙げることが出来る。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられるハロゲ
ン化銀乳剤には、ハロゲン化銀として臭化銀、沃臭化
銀、沃塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、および塩化銀等
の通常のハロゲン化銀乳剤に使用される任意のものを用
いることができるが特に臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀
であることが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子は、酸
性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得られたもの
でもよい。該粒子は一時に成長させてもよいし、種粒子
をつくった後成長させてもよい。種粒子をつくる方法と
成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
ハロゲン化銀乳剤はハロゲン化物イオンと銀イオンを同
時に混合しても、いずれか一方が存在する液中に、他方
を混合してもよい。また、ハロゲン化銀結晶の臨界成長
速度を考慮しつつ、ハロゲン化物イオンと銀イオンを混
合釜内のpH、pAgをコントロールしつつ逐次同時に添
加することにより生成させてもよい。この方法により、
結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀
粒子が得られる。ハロゲン化銀の形成の任意の工程でコ
ンバージョン法を用いて、粒子のハロゲン組成を変化さ
せてもよい。
ハロゲン化銀粒子の成長時にアンモニア、チオエーテ
ル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶剤を存在させる
ことができる。
ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程及び/又は成
長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウ
ム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジウム塩(錯塩
を含む)及び鉄塩(錯塩を含む)から選ばれる少なくと
も1種を用いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び/
又は粒子表面にこれらの金属元素を含有させることがで
き、また適当な還元的雰囲気におくことにより、粒子内
部及び/又は粒子表面に還元増感核を付与できる。
ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了後
に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、あるいは含有
させたままでもよい。該塩類を除去する場合には、リサ
ーチ・ディスクロジャー(Research Disclousure 以下
RDと略す)17643号II項に記載の方法に基づいて行う
ことができる。
ハロゲン化銀粒子は、粒子内において均一なハロゲン化
銀組成分布を有するものでも、粒子の内部と表面層とで
ハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒子であっても
よい。
ハロゲン化銀粒子は、潜像が主として表面に形成される
ような粒子であってもよく、また主として粒子内部に形
成されるような粒子でもよい。
ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のよう
な規則的な結晶形を持つものでもよいし、球状や板状の
ような変則的な結晶形を持つものでもよい。これらの粒
子において、{100}面と{111}面の比率は任意のもの
が使用できる。又、これらの結晶形の複合形を持つもの
でもよく、様々な結晶形の粒子が混合されてもよい。
ハロゲン化銀粒子のサイズとしては0.05〜30μ、好ま
しくは0.1〜20μのものを用いうる。
ハロゲン化銀乳剤は、いかなる粒子サイズ分布を持つも
のを用いても構わない。粒子サイズ分布の広い乳剤(多
分散乳剤と称する)を用いてもよいし、粒子サイズ分布
の狭い乳剤(単分散乳剤と称する。ここでいう単分散乳
剤とは、粒径の分布の標準偏差を平均粒径で割ったとき
に、その値が0.20以下のものをいう。ここで粒径は球状
のハロゲン化銀の場合はその直径を、球状以外の形状の
粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算したと
きの直径を示す。)を単独又は数種類混合してもよい。
又、多分散乳剤と単分散乳剤を混合して用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種以上のハロゲ
ン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感することがで
きる。即ち、硫黄増感法、セレン増感法、還元増感法、
金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法などを単
独で又は組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤は、写真業界において増感色素として
知られている色素を用いて、所望の波長域に光学的に増
感できる。増感色素は単独で用いてもよいが、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。増感色素とともにそれ自
身分光増感作用を持たない色素、あるいは可視光を実質
的に吸収しない化合物であって、増感色素の増感作用を
強める強色増感剤を乳剤中に含有させてもよい。
増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、
複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラ
ーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ステリル色素およ
びヘミオキサノール色素が用いられる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、
および複合メロシアニン色素である。
ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中、
あるいは写真処理中のカブリの防止、又は写真性能を安
定に保つことを目的として化学熟成中、化学熟成の終了
時、及び/又は化学熟成の終了後、ハロゲン化銀乳剤を
塗布するまでに、写真業界においてカブリ防止剤又は安
定剤として知られている化合物を加えることができる。
ハロゲン化銀乳剤のバインダー(保護コロイド)として
は、ゼラチンを用いるのが有利であるが、ゼラチン誘導
体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、それ以
外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるい
は共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コロ
イドも用いることができる。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又は他の親水性コ
ロイド層には柔軟性を高める目的で可塑剤を添加でき
る。好ましい可塑剤は、RD17643合のXII項のAに記載
の化合物である。
感光材料の写真乳剤層その他の親水性コロイド層には寸
度安定性の改良などを目的として、水不溶性又は難溶性
合成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有させること
ができる。
例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアル
キル(メタ)アクリレート、グリシジル(マタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例
えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン、ス
チレンなどの単独もしくは組合せ、又はこれらとアクリ
ル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキ
ル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等の組合
せを単量体成分とするポリマーを用いることができる。
感光材料の乳剤層には、発色現像処理において、芳香族
第1級アミン現像剤(例えばp−フェニレンジアミン誘
導体や、アミノフェノール誘導体など)の酸化体とカッ
プリング反応を行い色素を形成する色素形成カプラーが
用いられる。該色素形成カプラーは各々の乳剤層に対し
て乳剤層の感光スペクトル光を吸収する色素が形成され
るように選択されるのが普通であり、青感性乳剤層には
イエロー色素形成カプラーが、緑感性乳剤層にはマゼン
タ色素形成カプラーが、赤感性乳剤層にはシアン色素形
成カプラーが用いられる。しかしながら目的に応じて上
記組み合わせと異なった用い方でハロゲン化銀カラー写
真感光材料をつくってもよい。
これら色素形成カプラーは分子中にバラスト基と呼ばれ
るカプラーを非拡散化する、炭素数8以上の基を有する
ことが望ましい。又、これら色素形成カプラーは1分子
の色素が形成されるために4個の銀イオンが還元される
必要がある4当量性であっても、2個の銀イオンが還元
されるだけでよい2当量性のどちらでもよい。色素形成
カプラーには色補正の効果を有しているカラードカプラ
ー及び現像主薬の酸化体とのカップリングによって現像
抑制剤、現像促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化
銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カブリ剤、カブリ防止剤、化
学増感剤、分光増感剤、及び減感剤のような写真的に有
用なフラグメントを放出する化合物が包含される。これ
らの中、現像に伴って現像抑制剤を放出し、画像の鮮鋭
性や画像の粒状性を改良するカプラーはDIRカプラー
と呼ばれる。DIRカプラーに代えて、現像主薬の酸化
体とカップリング反応し無色の化合物を生成すると同時
に現像抑制剤を放出するDIR化合物を用いてもよい。
用いられるDIRカプラー及びDIR化合物には、カッ
プリング位に直接抑制剤が結合したものと、抑制剤が2
価基を介してカップリング位に結合しており、カップリ
ング反応により離脱した基内での分子内求核反応や、分
子内電子移動反応等により抑制剤が放出されるように結
合したもの(タイミングDIRカプラー、及びタイミン
グDIR化合物と称する)が含まれる。又、抑制剤も離
脱後拡散性のものとそれほど拡散性を有していないもの
を、用途により単独で又は併用して用いることができ
る。芳香族第1級アミン現像剤の酸化体とカップリング
反応を行うが、色素を形成しない無色カプラー(競合カ
プラーとも言う)を色素形成カプラート併用して用いる
こともできる。
イエロー色素形成カプラーとしては、公知のアシルアセ
トアニリド系カプラーを好ましく用いることができる。
これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド系及びピバロ
イルアセトアニリド系化合物は有利である。用い得る黄
色発色カプラーの具体例は、例えば米国特許第2,875,05
7号、同第3,265,506号、同第3,408,194号、同第3,551,1
55号、同第3,582,322号、同第3,725,072号,同第3,891,
445号、西独特許1,547,868号、西独出願公開2,219,917
号、同2,261,361号、同2,414,006号、英国特許第1,425,
020号、特公昭51-10783号、特開昭47-26133号、同48-73
147号、同50-6341号、同50-87650号、同50-123342号、
同50-130442号、同51-21827号、同51-102636号、同52-8
2424号、同52-115219号、同58-95346号等に記載された
ものである。
マゼンタ色素形成カプラーとしては、公知の5−ピラゾ
ロン系カプラー、ピラゾロンベンツイミダゾール系カプ
ラー、ピラゾロトリアゾール系カプラー、開鎖アシルア
セトニトリル系カプラー、インダゾロン系カプラー等を
用いることができる。用い得るマゼンタ発色カプラーの
具体例は、例えば米国特許第2,600,788号、同第2,983,6
08号、同第3,062,653号、同第3,127,269号、同第3,311,
476号、同第3,419,391号、同第3,519,429号、同第3,55
8,319号、同第3,582,322号、同第3,615,506号、同第3,8
34,908号、同第3,891,445号、西独特許1,810,464号、西
独特許出願(OLS)2,408,665号、同2,417,945号、同
2,418,959号、同2,424,467号、特公昭40-6031号、特開
昭49-74027号、同49-74028号、同49-129538号、同50-60
233号、同50-159336号、同51-20826号、同51-26541号、
同52-42121号、同52-58922号、同53-55122号、特願昭55
-110943号等に記載のものが挙げられる。
シアン色素形成カプラーとしては、フェノールまたはナ
フトール系カプラーが一般的に用いられる。用い得るシ
アン発色カプラーの具体例は例えば米国特許第2,423,73
0号、同第2,474,293号、同第2,801,171号、同第2,895,8
26号、同第3,476,563号、同第3,737,326号、同第3,758,
308号、同第3,893,044号明細書、特開昭47-37425号、同
50-10135号、同50-25228号、同50-112038号、同50-1174
22号、同50-130441号公報等に記載されているものや、
特開昭58-98731号公報に記載されているカプラーが好ま
しい。
ハロゲン化銀結晶表面に吸着させる必要のない色素形成
カプラー、カラードカプラー、DIRカプラー、DIR
化合物、画像安定剤、色カブリ防止剤、紫外線吸収剤、
蛍光増白剤等のうち、疏水性化合物は固体分散法、ラテ
ックス分散法、水中油滴型乳化分散法等、種々の方法を
用いることができ、これはカプラー等の疏水性化合物の
化学構造等に応じて適宜選択することができる。水中油
滴型乳化分散法は、カプラー等の疏水性添加物を分散さ
せる種々の方法が適用でき、通常、沸点約150℃以上の
高沸点有機溶媒に必要に応じて低沸点、及び又は水溶性
有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水
性バインダー中に界面活性剤を用いて攪はん器、ホモジ
ナイザー、コロイドミル、フロージットミキサー、超音
波装置等の分散手段を用いて、乳化分散した後、目的と
する親水性コロイド液中に添加すればよい。分散液又は
分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れても
よい。
高沸点溶媒としては現像主薬の酸化体と反応しないフェ
ノール誘導体、フタール酸アルキルエステル、リン酸エ
ステル、クエン酸エステル、安息香酸エステル、アルキ
ルアミド、脂肪酸エステル、トリメシン酸エステル等の
沸点150℃以上の有機溶媒が用いられる。
高沸点溶媒と共に、又はその代わりに低沸点又は水溶性
有機溶媒を使用できる。低沸点の実質的に水に不溶の有
機溶媒としてはエチルアセテート、プロピルアセテー
ト、ブチルアセテート、ブタノール、クロロホルム、四
塩化炭素、ニトロメタン、ニトロエタン、ベンゼン等が
ある。
色素形成カプラー、DIRカプラー、カラードカプラ
ー、DIR化合物、画像安定剤、色カブリ防止剤、紫外
線吸収剤、蛍光増白剤等がカルボン酸、スルフォン酸の
ごとき酸基を有する場合には、アルカリ性水溶液として
親水性コロイド中に導入することができる。
疏水性化合物を低沸点溶媒単独又は高沸点溶媒と併用し
た溶媒に溶かし、機械的又は超音波を用いて水中に分散
するときの分散助剤として、アニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界
面活性剤を用いることができる。
感光材料の乳剤層間(同一感色性層間及び/又は異なっ
た感色性層間)で、現像主薬の酸化体又は電子移動剤が
移動して色濁りが生じたり、鮮鋭性が劣化したり、粒状
性が目立つのを防止するために色カブリ防止剤を用いる
ことができる。
該色カブリ防止剤は乳剤層自身に含有させてもよいし、
中間層を隣接乳剤層間に設けて、該中間層に含有させて
もよい。
感光材料には、色素画像の劣化を防止する画像安定剤を
用いることができる。好ましく用いることのできる化合
物はRD17643号のVII項Jに記載のものである。
感光材料の保護層、中間層等の親水性コロイド層は、感
光材料の画像の紫外線による劣化を防止するために紫外
線吸収剤を含んでいてもよい。
感光材料の保存中のホルマリンによるマゼンタ色素形成
カプラー等の劣化を防止するために、感光材料にホルマ
リンスカベンジャーを用いることができる。
感光材料の親水性コロイド層に染料や紫外線吸収剤等を
含有させる場合に、それらはカチオン性ポリマー等の媒
染剤によって媒染されてもよい。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又はその他の親水
性コロイド層に現像促進剤、現像遅延剤等の現像性を変
化させる化合物や漂白促進剤を添加できる。現像促進剤
として好ましく用いることのできる化合物は、RD1764
3号のXXI項B〜D項記載の化合物であり、現像遅延剤
は、17643号のXXI項E項記載の化合物である。現像促
進、その他の目的で白黒現像主薬、及び/又はそのプレ
カーサーを用いてもよい。
写真感光材料の乳剤層は、感度上昇、コントラスト上
昇、又は現像促進の目的でポリアルキレンオキシド又は
そのエーテル、エステル、アミン等の誘導体、チオエー
テル化合物、チオモルフォリン類、4級アンモニウム化
合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、イミダゾール誘導
体等を含んでもよい。
感光材料には、白地の白さを強調するとともに白地部の
着色を目立たせない目的で蛍光増白剤を用いることがで
きる。蛍光増白剤として好ましく用いることのできる化
合物がRD17643号のV項に記載されている。
感光材料には、フィルター層、ハレーション防止層、イ
レジエーション防止層等の補助層を設けることができ
る。これらの層中及び/又は乳剤層中には現像処理中に
感光材料から流出するかもしくは漂白される染料が含有
させられてもよい。このような染料には、オキソノール
染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロシア
ニン染料、シアニン染料、アゾ染料等を挙げることがで
きる。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又はその他の親水
性コロイド層に感光材料の光沢の低減、加筆性の改良、
感光材料相互のくっつき防止等を目的としてマット剤を
添加できる。マット剤としては任意のものが用いられる
が、たとえば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化マ
グネシウム、二酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸
カルシウム、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体およ
びそれらエステル、ポリビニル樹脂、ポリカーボネート
ならびにスチレンの重合体およびその共重合体などがあ
げられる。マット剤の粒径は0.05μ〜10μのものが好
ましい。添加する量は1〜300mg/m2が好ましい。
感光材料には滑り摩擦を低減させるために滑剤を添加で
きる。
感光材料の写真乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層
には、塗布性改良、滑り性改良、乳剤分散、接着防止、
写真特性(現像促進、硬膜化、増感等)改良等を目的と
して、種々の界面活性剤を用いることができる。
本発明の感光材料に用いられる支持体には、α−オレフ
ィンポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン/ブテン共重合体)等をラミネートした紙、合
成紙等の可撓性反射支持体、酢酸セルロース、硝酸セル
ロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド等の半
合成又は合成高分子からなるフィルムや、これらのフィ
ルムに反射層を設けた可撓性支持体、ガラス、金属、陶
器などが含まれる。
感光材料は必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外
線照射、火焔処理等を施した後、直接に又は支持体表面
の接着性、帯電防止性、寸法安定性、耐摩耗性、硬さ、
ハレーション防止性、摩擦特性、及び/又はその他の特
性を向上するための1層以上の下塗層を介して塗布され
てもよい。
感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させる為に増粘
剤を用いてもよい。又、例えば硬膜剤の如く、反応性が
早いために予め塗布液中に添加すると塗布する前にゲル
化を起こすようなものについては、スタチックミキサー
等を用いて塗布直前に混合するのが好ましい。
塗布法としては、2種以上の層を同時に塗布することの
できるエクストルージョンコーティング及びカーテンコ
ーティングが特に有用であるが、目的によってはパケッ
ト塗布も用いられる。又、塗布速度は任意に選ぶことが
できる。
界面活性剤としては、特に限定しないが、例えばサポニ
ン等の天然界面活性剤、アルキレンオキシド系、グリセ
リン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤、高
級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ンその他の複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、
リン酸、硫酸エステル、リン酸エステル等の酸性基を含
むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸
類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類等
の両性界面活性剤を添加してもよい。また、同様の目的
の為に、フッ素系界面活性剤を使用することも可能であ
る。
本発明の感光材料を用いて色素画像を得るには露光後、
カラー写真処理を行う。カラー処理は、発色現像処理工
程、漂白処理工程、定着処理工程、水洗処理工程及び必
要に応じて安定化処理工程を行うが、漂白液を用いた処
理工程と定着液を用いた処理工程の代わりに、1浴漂白
定着液を用いて、漂白定着処理工程を行うこともできる
し、発色現像、漂白、定着を1浴中で行うことができる
1浴現像漂白定着処理液を用いたモノバス処理工程を行
うこともできる。
これらの処理工程に組み合わせて前硬膜処理工程、その
中和工程、停止定着処理工程、後硬膜処理工程等を行っ
てもよい。これら処理において発色現像処理工程の代わ
りに発色現像主薬、またはそのプレカーサーを材料中に
含有させておき現像処理をアクチベーター液で行うアク
チベーター処理工程を行ってもよいし、そのモノバス処
理にアクチベーター処理を適用することができる。これ
らの処理中、代表滴な処理を次に示す。(これらの処理
は最終工程として、水洗処理工程、水洗処理工程及び安
定化処理工程のいずれかを行う。) ・発色現像処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 ・発色現像処理工程−漂白定着処理工程 ・前硬膜処理工程−発色現像処理工程−停止定着処理 工程−水洗処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 水洗処理工程−後硬膜処理工程 ・発色現像処理工程−水洗処理工程−補足発色現像処 理工程−停止処理工程−漂白処理工程−定着処理工 程 ・アクチベーター処理工程−漂白定着処理工程 ・アクチベーター処理工程−漂白処理工程−定着処理 工程 ・モノバス処理工程 処理温度は通常、10℃〜65℃の範囲に選ばれるが、
65℃をこえる温度としてもよい。好ましくは25℃〜
45℃で処理される。
発色現像液は、一般に発色現像主薬を含むアルカリ性水
溶液からなる。発色現像主薬は芳香族第1級アミン発色
現像主薬であり、アミノフェノール系及びp−フェニレ
ンジアミン系誘導体が含まれる。これらの発色現像主薬
は有機酸及び無機酸の塩として用いることができ、例え
ば塩機酸、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、亜硫酸
塩、シュウ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等を用いること
ができる。
これらの化合物は一般に発色現像液1について約0.1
〜30gの濃度、更に好ましくは、発色現像液1につ
いて約1〜15gの濃度で使用する。0.1gよりも少な
い添加量では充分なる発色濃度が得られない。
上記アミノフェノール系現像剤としては例えば、o−ア
ミノフェノール、p−アミノフェノール、5−アミノ−
2−オキシ−トルエン、2−アミノ−3−オキシ−トル
エン、2−オキシ−3−アミノ−1,4−ジメチル−ベ
ンゼン等が含まれる。
特に有用な第1級芳香族アミン系発色現像剤はN,N′
−ジアルキル−p−フェニレンジアミン系化合物であ
り、アルキル基及びフェニル基は置換されていても、あ
るいは置換されていなくてもよい。その中でも特に有用
な化合物例としてはN−N′−ジメチル−p−フェニレ
ンジアミン塩酸塩、N−メチル−p−フェニレンジアミ
ン塩酸塩、N,N′−ジメチル−p−フェニレンジアミ
ン塩酸塩、2−アミノ−5−(N−エチル−N−ドデシ
ルアミノ)−トルエン、N−エチル−N−β−メタンス
ルホンアミドエチル−3−メチル−4−アミノアニリン
硫酸塩、N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ
アニリン、4−アミノ−3−メチル−N,N′−ジエチ
ルアニリン、4−アミノ−N−(2−メトキシエチル)
−N−エチル−3−メチルアニリン−p−トルエンスル
ホネート等を挙げることができる。
また、上記発色現像主薬は単独であるいは2種以上併用
して用いてもよい。更に又、上記発色現像主薬はカラー
写真材料中に内蔵されてもよい。この場合、ハロゲン化
銀カラー写真感光材料を発色現像液のかわりにアルカリ
液(アクチベーター液)で処理することも可能であり、
アルカリ液処理の後、直ちに漂白定着処理される。
本発明に用いる発色現像液は、現像液に通常用いられる
アルカリ剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、硫酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウムまたは硼砂
等を含むことができ、更に種々の添加剤、例えばベンジ
ルアルコール、ハロゲン化アルカリ金属、例えば、臭化
カリウム、又は塩化カリウム等、あるいは現像調節剤と
して例えばシトラジン酸等、保恒剤としてヒドロキシル
アミンまたは亜硫酸塩等を含有してもよい。さらに各種
消泡剤や界面活性剤を、またメタノール、ジメチルホル
ムアミドまたはジメチルスルホキシド等の有機溶剤等を
適宜含有せしめることができる。
本発明に用いる発色現像液のpHは通常7以上であり、好
ましくは約9〜13である。
また、本発明に用いられる発色現像液には必要に応じて
酸化防止剤としてジエチルヒドロキシアミン、テトロン
酸、テトロンイミド、2−アニリノエタノール、ジヒド
ロキシアセトン、芳香族第2アルコール、ヒドロキサム
酸、ベントースまたはヘキソース、ピロガロール−1,
3−ジメチルエーテル等が含有されていてもよい。
本発明に用いる発色現像液中には、金属イオン封鎖剤と
して、種々のキレート剤を併用することができる。例え
ば、該キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸、ジエ
チレントリアミノ五酢酸等のアミンポリカルボン酸、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸等の
有機ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)も
しくはエチレンジアミンテトラリン酸等のアミノポリホ
スホン酸、クエン酸もしくはグルコン酸等のオキシカル
ボン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボ
ン酸等のホスホノカルボン酸、トリポリリン酸もしくは
ヘキサメタリン酸等のポリリン酸等、ポリヒドロキシ化
合物等が挙げられる。
漂白処理工程は、前述したように定着処理工程と同時に
行われてもよく、個別に行われてもよい。漂白剤として
は有機酸の金属錯塩が用いられ、例えばポリカルボン
酸、アミノポリカルボン酸又は酸、クエン酸等の有機
酸で、鉄、コバルト、銅等の金属イオンを配位したもの
が用いられる。上記の有機酸のうちで最も好ましい有機
酸としては、ポリカルボン酸又はアミノポリカルボン酸
が挙げられる。これらの具体例としてはエチレンジアミ
ンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチ
レンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,
N′−トリ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、ニト
リロトリ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、イ
ミノジ酢酸、ジヒロキシエチルグリシンクエン酸(又は
酒石産)、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコ
ールエーテルジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテ
トラプロピオン酸、フェニレンジアミンテトラ酢酸等を
挙げることができる。
これらのポリカルボン酸はアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩もしくは水溶性アミン塩であってもよい。これらの
漂白剤は5〜450g/、より好ましくは20〜250g/
で使用する。
漂白液には前記の如き漂白剤以外に、必要に応じて保恒
剤として亜硫酸塩を含有する組成の液が適用される。
又、エチレンジアミンテトラ酢酸鉄(III)錯塩漂白剤
を含み、臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を多量に
添加した組成からなる漂白液であってもよい。前記ハロ
ゲン化物としては、臭化アンモニウムの他に塩化水素
酸、臭化水素酸、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化アンモ
ニウム等も使用することができる。
本発明に用いられる漂白液には、特開昭46-280号、特公
昭45-8506号、同46-556号、ベルギー特許第770,910号、
特公昭45-8836号、同53-9854号、特開昭54-71634号及び
同49-42349号等に記載されている種々の漂白促進剤を添
加することができる。
漂白液のpHは2.0以上で用いられるが、一般には4.0〜9.
5で使用され、望ましくは4.5〜8.0で使用され、最も好
ましくは5.0〜7.0である。
定着液は一般に用いられる組成のものを使用することが
できる。定着剤としては通常の定着処理に用いられるよ
うなハロゲン化銀と反応して水溶性の錯塩を形成する化
合物、例えば、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸アンモニウムの如きチオ硫酸塩、チオシア
ン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸
アンモニウムの如きチオシアン酸塩、チオ尿素、チオエ
ーテル等がその代表的なものである。これらの定着剤は
5g/以上、溶解できる範囲の量で使用するが、一般
には70〜250g/で使用する。尚、定着剤はその一
部を漂白槽中に含有することができるし、逆に漂白剤の
一部を定着槽中に含有することもできる。
尚、漂白液及び/又は定着液には硼酸、硼砂、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸、酢酸
ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種pH緩衝剤を単
独であるいは2種以上組み合わせて含有せしめることが
できる。さらに又、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは
界面活性剤を含有せしめることもできる。又、ヒドロキ
シルアミン、ヒドラジン、アルデヒド化合物の重亜硫酸
付加物等の保恒剤、アミノポリカルボン酸等の有機キレ
ート化剤あるいはニトロアルコール、硝酸塩等の安定
剤、水溶性アルミニウム塩の如き硬膜剤、メタノール、
ジメチルスルホアミド、ジメチルスルホキシド等の有機
溶媒等を適宜含有せしめることができる。
定着液のpHは3.0以上で用いられるが、一般には4.5〜1
0で使用され、望ましくは5〜9.5で使用され、最も好
ましくは6〜9である。
漂白定着液に使用される漂白剤として上記漂白処理工程
に記載した有機酸の金属錯塩を挙げることができ、好ま
しい化合物及び処理液における濃度も上記漂白処理工程
におけると同じである。
漂白定着液には前記の如き漂白剤以外にハロゲン化銀定
着剤を含有し、必要に応じて保恒剤として亜硫酸塩を含
有する組成の液が適用される。また、エチレンジアミン
四酢酸鉄(III)錯塩漂白剤と前記のハロゲン化銀定着
剤の他の臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を少量添
加した組成からなる漂白定着液、あるいは逆に臭化アン
モニウムの如きハロゲン化物を多量に添加した組成から
なる漂白定着液、さらにはエチレンジアミン四酢酸鉄
(III)錯塩漂白剤と多量の臭化アンモニウムの如きハ
ロゲン化物との組み合わせからなる組成の特殊な漂白定
着液等も用いる事ができる。前記ハロゲン化物として
は、臭化アンモニウムの他に塩化水素酸、臭化水素酸、
臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化ナ
トリウム、沃化カリウム、沃化アンモニウム等も使用す
ることができる。
漂白定着液に含有させることができるハロゲン化銀定着
剤として上記定着処理工程に記載した定着剤を挙げるこ
とができる。定着剤の濃度及び漂白定着液に含有させる
ことができるpH緩衝剤、その他の添加剤については上記
定着処理工程におけると同じである。
漂白定着液のpHは4.0以上で用いられるが、一般には5.0
〜9.5で使用され、望ましくは6.0〜8.5で使用され、最
も好ましくは6.5〜8.5である。
[発明の効果] 本発明のハロゲン化銀写真感光材料においては、親水性
コロイド層へ、帯電防止剤としてのノニオン性界面活性
剤を含有させたから、スタチックマークの発生等の静電
電荷の蓄積による障害は発生しない。
そして、本発明のハロゲン化銀写真感光材料において
は、ノニオン性界面活性剤の含有された親水性コロイド
層を高分子硬膜剤により硬膜させて硬膜度を大きくした
ので、ノニオン性界面活性剤の現像処理液への流出を抑
えることができる。したがって、本発明の写真感光材料
においては、帯電防止剤が現像処理液中に流出した場合
に生ずる現像処理液やローラーの汚染を防止することが
できる。
更に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料においては、
親水性コロイド層の硬膜度を向上するための硬膜剤とし
て、拡散しやすい低分子硬膜剤の代わりに、含有された
親水性コロイド層から拡散し難い高分子硬膜剤を用いる
こととした。したがって、高分子硬膜剤をハロゲン化銀
乳剤層以外の親水性コロイド層に加えることにすれば、
ハロゲン化銀乳剤層の膨潤度の低下を抑え減感等写真特
性への悪影響を防止することができる。
[発明の実施例] 以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は
この実施例に限定されるものではない。
実施例1 (1)試料の調整 下塗りを施した厚さ180μのポリエチレンテレフタレー
トフィルム支持体上に、下記組成のハロゲン化銀乳剤層
を塗布し、更にその上に下記組成の保護層を塗布し、乾
燥して白黒ハロゲン化銀感光材料を調整した。保護層に
は本発明にかかるノニオン性界面活性剤(N−4)及び
高分子硬膜剤(HP−2)、並びに低分子硬膜剤(H−
9)(2×10-3当量/100gゼラチン)を添加した。
(乳剤層) 厚さ:5μ 組成 ゼラチン 2.5g/m2 沃臭化銀(沃化銀1.5モル%) 5g/m2 1−フェニル−5−メルカプト テトラゾール 25mg/m2 (保護層) 厚さ:約1μ 組成及び塗布量 ゼラチン 0.9g/m2 2,6−ジクロル−6−ヒドロキシ− 1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ポリエチルアクリレート ラテックス 0.8g/m2 ノニオン性界面活性剤(N−4) 40mg/m2 本発明外の帯電防止剤 4mg/m2 ポリメチルメタクリレートマット剤 (平均粒径3μ) 37mg/m2 このようにして調整した本発明にかかる試料1のノニオ
ン性界面活性剤(N−4)及び高分子硬膜剤(HP−
2)を変える以外は全く同様にして、本発明にかかる試
料2〜12を調整し、更に、ノニオン性界面活性剤は添
加するが高分子硬膜剤は添加しない比較のための試料1
3及び14と、ノニオン性界面活性剤と高分子硬膜剤の
どちらも添加しない対照のための試料15を調整した。
(2)帯電防止能の判定法: 帯電防止能はスタチックマーク発生を測定することによ
ってきめた。このスタチックマーク発生試験は、ゴムシ
ート上に未露光感光材料のノニオン性界面活性剤を含む
表面を下向きにして、上からゴムローラーで圧着後、剥
離することによりスタチックマークを発生させるという
方法によった。
スタチックマーク発生試験は、25℃、25%RHで行
なった。なお、試料の試験片は調湿は前記条件で24時
間行なった。
スタチックマークの発生の程度を評価するために、各サ
ンプルを次の組成の現像液を用いて20℃で5分間現像
した。
現像液組成 N−メチル−p−アミノフェノール硫酸塩 4g 無水亜硫酸ソーダ 60g ハイドロキノン 10g 炭酸ソーダ(1水塩) 53g 臭化カリ 25g 水を加えて1とする。
スタチックマークの評価は次の5段階の基準に従った。
A:スタチックマークの発生が認められない。
B:スタチックマークが少し発生する。
C:スタチックマークが相当発生する。
D:スタチックマークが著しく発生する。
E:スタチックマークが全面に発生する。
(3)写真感度試験法: 前記試料をタングステンランプ光で露光したのち、下記
組成の現像液で現像(35℃、30秒)し、定着及び水
洗処理を行ない、写真特性を調べた。
現像液組成 温水 800ml テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 無水亜硫酸ナトリウム 50g ハイドロキノン 10g 炭酸ナトリウム(1水塩) 40g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.3g 臭化カリウム 2.0g 水を加えて全体を 1000ml (4)ローラー汚染度の測定 乳剤層および表面保護層を塗布した試料を30.5cm×17.1
cm角に裁断した。現像処理後の光学濃度が1.0になるよ
うに均一露光したのち、自動現像処理機(シリコーン製
搬送ローラーを有し、現像浴、定着浴及び水洗浴の3浴
よりなっている。)で連続的に50枚現像処理した。水
洗スクイズローラーを十分に乾燥させた後、51枚目の
サンプルの先端部に発生するスジ状の濃度ムラの出具合
を調べた。
ローラー汚染度の評価は次の4段階の基準に従った。
A:濃度ムラの発生が認められない。
B:濃度ムラが少し発生する。
C:濃度ムラが相当発生する。
D:濃度ムラが著しく発生する。
結果は表−1に示す。
上記表−1から明らかなように、ノニオン性界面活性剤
を添加していない試料15においては、スタチックマー
クが全面に発生する。ところが、本発明にかかるノニオ
ン性界面活性剤N−23またはN−31を添加した試料
13及び14においては、スタチックマークの発生は認
められない。しかしながら、試料13及び14において
は、搬送ローラー汚染による濃度ムラが相当発生してし
まう。これに対して、本発明のノニオン性界面活性剤及
び本発明の高分子硬膜剤の双方を添加してある本発明に
かかる試料1〜12においては、スタチックマークの発
生は認められず、かつ、搬送ローラー汚染による濃度ム
ラの発生も認められない。また、界面活性剤の添加によ
る写真感度の低下も認められないことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 秀夫 東京都日野市さくら町1番地 小西六写真 工業株式会社内 (72)発明者 大井 一郎 東京都日野市さくら町1番地 小西六写真 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−80846(JP,A) 特開 昭60−76742(JP,A) 特開 昭56−142524(JP,A) 特開 昭60−80839(JP,A) 特開 昭57−96067(JP,A) 特開 昭53−41221(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも一層の親水性コロイ
    ド層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、前記
    親水性コロイド層の少なくとも一層が、支持体からみて
    最も遠くに位置する非感光性層であって、ポリオキシエ
    チレン単位を有するノニオン性界面活性剤を含有し、か
    つ、(イ)親水性コロイドと反応する硬膜基を同一分子
    中に少なくとも2個以上有する高分子硬膜剤、叉は
    (ロ)親水性コロイドの低分子硬膜剤と該低分子硬膜剤
    と反応してその硬膜基を同一分子中に少なくとも2個以
    上有する高分子硬膜剤を与えるポリマーにより硬膜され
    ていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
JP61104371A 1986-05-06 1986-05-07 良好な帯電防止性を有するハロゲン化銀写真感光材料 Expired - Lifetime JPH0619518B2 (ja)

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