JPH0617214B2 - 超微粒子な窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents

超微粒子な窒化アルミニウム粉末の製造方法

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JPH0617214B2
JPH0617214B2 JP1344186A JP34418689A JPH0617214B2 JP H0617214 B2 JPH0617214 B2 JP H0617214B2 JP 1344186 A JP1344186 A JP 1344186A JP 34418689 A JP34418689 A JP 34418689A JP H0617214 B2 JPH0617214 B2 JP H0617214B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、窒化アルミニウム粉末の製造方法に関し、特
に平均粒子径が0.45μmとなる超微粒子な窒化アルミニ
ウム粉末体の製造方法に関する。
従来の技術 従来技術において、窒化アルミニウム粉末は加圧成形し
て焼結した場合、高熱伝導性と、良好な電気絶縁性と、
シリコン単結晶に近い熱膨張係数と、低い誘電率による
良好な信号伝送性等とを備えているので、IC(集積回
路),LSI(大規模集積回路),VLSI(超大規模
集積回路)の基板材料およびパッケージとして最適であ
る。
現在までの所、窒化アルミニウム粉末の主な製造方法と
しては下記の2方法が知られている。
第1の方法は金属直接窒化法と呼ばれ、金属アルミニウ
ム粉末を窒素またはアンモニア雰囲気において高温加熱
により窒化した後、得られた窒化物を粉砕するものであ
る。
第2の方法は炭素還元窒化法と呼ばれ、アルミナ(酸化
アルミニウム)およびカーボンブラックを窒素またはア
ンモニアの気流中において焼成させて得られた窒化物を
粉砕するものである。
また、日本国特許公開公報特開昭59-207814『窒化アル
ミニウム粉末』(出願人は徳山曹達株式会社)において
は、平均粒子径が2μm以下で94wt%以上の純度を備
えるとともに、粉砕過程を必要としない窒化アルミニウ
ム粉末が開示されている。この高純度微粉末は、常圧焼
結で十分なち密性がえられ、焼結条件によって透光性を
有する焼結体が得られるとするものである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述した第1の金属直接窒化法において
は、金属アルミニウムが原材料となるため、金属アルミ
ニウムを粉砕して窒化率を高める必要があったほか、生
成する窒化物の焼結性を向上させるため窒化物を粒子径
が数μmとなるまで粉砕する必要があった。従って、こ
の金属直接窒化法では、粉砕工程において金属または金
属化合物などの不純物が混入することを避けることがで
きなかった。また、窒化アルミニウム粉末に未反応の金
属アルミニウム不純物が残留するため、不純物が数wt%
以下の窒化アルミニウム粉末を製造することは非常に困
難であった。さらに、粉砕工程において十分に小さくて
均質な窒化アルミニウム粉末を得ることは難しく、かつ
粉砕により窒化アルミニウム粉末の表面が酸化すること
を避けることができなかったので、金属直接窒化法によ
り製造された窒化アルミニウム粉末には酸素含有量が2
〜5wt%またはそれ以上となるのが常であった。
第2の炭素還元窒化法は、窒化アルミニウムの粒子径が
割と均質なものとなるため、一般に第1の金属直接窒化
法より良い結果がえられると考えられているが、粒子径
が数μm以下のものを得るためには粉砕工程が必要であ
ったほか、未反応アルミナの含有量を十分に小さくする
ことが難しかった。
つまり、従来の金属直接窒化法,炭素還元窒化法にはそ
れぞれ欠点があって、十分に高純度の窒化アルミニウム
粉末をうることが難しく、このような窒化アルミニウム
粉末から合成される焼結体は黒色から灰色を呈して、高
純度な窒化アルミニウム粉末の焼結体にみられるという
透光性を有するものではなかった。
そして、上述の特開昭59-207814は、詳細にその特許明
細書を検討した場合、粉末体の平均粒子径がまだ十分に
小さいとは言えず、実施例に開示された製造過程におい
て窒素ガスの流量が3000cc/分と非常に大きなものとな
る欠点を有していた。
本発明は以上のような実情を背景としてなされたもの
で、平均粒子径が約0.45μmで、純度が少なくとも98.1
wt%、しかも製造過程において窒素ガスの流量が毎分10
0〜300ccとなるような超微粒子な窒化アルミニウム粉末
の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、窒化アルミニウム粉末を製
造する方法であって、 a.α−アルミナ微粉末とカーボンブラック微粉末と
に、高純度窒化アルミニウム微粉末を添加し、液体分散
媒を使用して十分に混合する時、アルミナとカーボンブ
ラックとの重量比を1.6:1から2.5:1の範囲とすると
ともに、高純度窒化アルミニウムの重量比を酸化アルミ
ニウムおよびカーボンブラックの合計重量の1wt%から
5wt%の範囲とする混合物を得る段階、および; b.上記混合物を十分かつ均一に混合して加圧により圧
成体とする段階、および; c.上記圧成体を窒素ガス流量100〜300ccの窒素雰囲気
において1550℃〜1650℃の高温で5〜7時間加熱して還
元窒化する段階、および; d.還元窒化された上記圧成体を取りだして600℃〜700
℃の温度で5〜7時間加熱してカーボンブラックを除去
する段階 の各段階を備えていると効果的である。
そして、前記段階aにおいて、前窒化アルミニウム微粉
末の純度を98.1wt%以上、平均粒子径を約0.6μm以下
とし、前記カーボンブラック微粉末の平均粒子径を約0.
18μm,非結晶質とし、前記アルミナとカーボンブラッ
クとの重量比を2.0:1とすると好都合である。
前記段階bにおいて、約1gの混合物に約2830kg/cm2
の圧力を加えて、直径約15mm,厚さ約3〜4mmの圧成
片として成形すると良好な結果が得られる。
前記段階cにおいて、還元窒化の温度を1600℃,加熱時
間を7時間,窒素ガス雰囲気を形成する窒素ガス流量を
200cc/分とすると便利である。
作用 本発明の作用を図面および参考写真に基づいて説明す
る。
上記のように構成された超微粒子な窒化アルミニウム粉
末の製造方法は、第1図に概要を示すが、その各段階に
おいて以下に述べる作用を有する。
〈1〉アルミナ/炭素重量比の条件 まず、本発明が採用する炭素還元窒化法の反応式は、 Al2O3(s)+3C(s)+N2(g)→2AlN(s)+3CO(g) … であるから、アルミナ/炭素=Al/Cの重量比
を計算した理論値は2.83となるが、実際の実験ではアル
ミナの完全な還元を促進するために、通常はカーボンブ
ラックを過量に混入するので、Al(g)またはAl
Oは還元されやすくなり、かつAlN合成の反応が、炭
素が存在する状況においてはAl(g)とN2(g)と間
の気相反応に極めて近似するものとなる。なお、反応式
中、(s)は固相を、(g)は気相を示す。
そこで、仮説的な反応式は、 2Al+N2(g)→2AlN(s) 2Al(g)(g)+2N2(g)+2C(s)→4AlN(s)+2
CO2(g) とすることができる。
そこで、本発明者はアルミナとカーボンブラックとの適
当な重量比を確定するために、一定重量のアルミナの中
に異なった重量のカーボンブラック粉末を混入した。つ
まり、その重量比(アルミナ/炭素)を(ア)1.6/
1,(イ)1.8/1,(ウ)2.0/1,(5)2.5/1お
よび(オ)2.83/1とに分けて、それぞれ1600℃と1550
℃との一定温度で7時間、窒素ガス流量が200cc/分の
雰囲気で反応を進行させて合成した粉末をSEM(走査
式電子顕微鏡)により観察した所、加熱温度1600℃の場
合、第19図(1)の参考写真のような結果となった。
なお、この重量比は計算しやすいようにC=1としてい
る。
この第19図において、(ア)1.6/1,(イ)1.8/
1,(ウ)2.0/1の場合、各写真から分るように、い
ずれも粒子径が1μm以下の球状に近い粉末体であり、
かつ各粒子の大きさがほぼ同じ直径である。(エ)2.5
/1の場合は、少数であるが粒子系が1μmをこえるも
のも見られ、(オ)2.83/1の場合、多数の1μmをこ
える粒子系を有する粉末体が分布しているのが確認でき
る。
また、X線回折パターンは第2図に示すような結果とな
っており、この第2図において図最下にある炭素Cの含
有量が最も少ない(オ)2.83/1では、相当に強いアル
ミナ(図中AOで表示)の回折線があり、(エ)2.5/
1ではアルミナの回折線があるというもの、その強度は
大幅に減少している。
さて、過量のカーボンブラックを混入することにより還
元反応を促進することができるが、カーボンブラックの
混入量が多ければ多いほど完全な反応を達成できるとは
限らず、第3図に示すように、最も好ましい重量比は16
00℃(図中▲で表示)の(ウ)2.0/1であることがわ
かる。また、カーボンブラックの混入量が少ない(エ)
2.5/1および(オ)2.8/1では完全還元反応の機械が
少ないが、カーボンブラックの混入量が多い(ア)1.6
/1および(イ)1.8/1においては反応完了後に残留
する未反応の炭素イオン量が多くて、空気中での炭素熱
処理時間が長くなり、炭素雰囲気に触れる時間が増大す
ることで、窒化アルミニウム表面層が酸化されてしまう
機械が多くなる。
第3図から分るように、加熱時間が1600℃に維持される
時(図中▲で表示)、(ア)1.6/1,(イ)1.8/1,
(ウ)2.0/1の窒化アルミニウム合成率はいずれも9
0wt%以上で、(エ)2.5/1の合成率は80wt%、
(オ)2.83/1の合成率はわずか71wt%となってい
る。従って、第19図の参考写真中の(エ)(オ)にあ
る粒子径の大きい粉末体は原料の高純度アルミナ粉末が
未還元のまま残留し、7時間におよぶ1600℃の加熱とい
う熱処理を経て、結晶成長したものと推測される。
〈2〉高純度AlN微粉末を添加剤とする時の条性 なお、本発明において原料となる窒化アルミニウム粉末
は純度が98.1wt%以上で、粒子径が約0.6μm,酸素含
有量が1wt%以下、金属不純物含有量が200ppm以下であ
るものが望ましいが、高純度窒化アルミニウム粉末を添
加する目的は窒化アルミニウムの合成に対してより多く
の核生成位置を提供することにより微小構造の細分化を
促進するためである。
そこで、このような高純度窒化アルミニウム粉末を添加
剤とする本発明の方法がどのような効果をもたらし、そ
の添加の重量比はどの範囲にあるかを証明するために、
本発明人は本発明にかかわる窒化アルミニウム粉末の製
造方法に基づき、アルミナ/炭素の重量比を前記(ウ)
2.0/1に混合した粉末を調合した後、(カ)〜(ケ)
の4組に分け、(カ)高純度窒化アルミニウム粉末を無
添加,(キ)添加1wt%,(ク)添加3wt%,(ケ)添
加5wt%とした。いずれにも約2830kg/cm2の圧力をか
けて圧成体とし、反応炉で1600℃の反応温度を7時間,
窒素ガス流量200cc/分を維持して反応を進行させて得
た各焼成体をSEM(走査式電子顕微鏡)で撮影した結
果は、第19図(2)の参考写真に示す通りとなった。
この参考写真を見るとわかるように、高純度窒化アルミ
ニウム粉末を添加剤とした時の効果が添加量の増加にと
もなって(カ)無添加から(ケ)添加5wt%へと合成さ
れる窒化アルミニウム粉末体の粒子径が約1μmから約
0.4μmへと縮小化していた。
第4図において、上記(カ)〜(ケ)のX線回折パター
ンを見ると、(カ)無添加にはアルミナの回折線(図中
AOで表示)が図の低い位置に多数存在し、(キ)添加
1wt%にはアルミナの回折線が僅かだけとなり、(ク)
添加3wt%には窒化アルミニウム粉末の回折線(図中A
Oで表示)のみ出現し、(ケ)添加5wt%にも窒化アル
ミニウム粉末の回折線のみ出現しているとともに、山の
低い回折線(AO)が消失していることから、単相の窒
化アルミニウムが合成されたことが示されている。
第5図において、図上側は上記(ケ)添加5wt%のX線
回折パターンを示し、図下側の(コ)は、上述の特開昭
59-207814に開示された窒化アルミニウム粉末をサンプ
ルとした場合のX線回折パターンを示している。本図か
らわかるように、本発明のサンプル(ケ)と(ク)と
は、ほぼ一致しているので、本発明にかかる窒化アルミ
ニウム粉末の純度が特開昭59-207814の窒化アルミニウ
ム粉末の純度98.1%を到達していることを証明してい
る。
〈3〉液体分散媒,混合設備の条件 本発明にかかわる方法において混合に使用する液体分散
媒は特別な限定はなく、一般に炭化水素基類,脂肪族化
合物およびその混合物に使用することができる。炭化水
素基類においては、石油エーテル,ヘキサン,ベンゼン
またはトルエン等を含み、脂肪族化合物としては、メタ
ノール,エタノールおよびイソプロピルアルコール等が
ある。
上記の混合は窒化アルミを加熱合成する時に不純物の原
因とならない材料で形成された設備によりおこなわれる
ことが望ましい。一般に混合は室温および大気圧のもと
で行われ、温度および気圧から好ましくない影響を受け
ることはない。公知の混合設備はいずれも採用できる
が、加熱してできる焼成体に不純物が残留しないもので
あることが望ましい。ボールミルは適当な混合設備であ
るが、ボールミルの内壁やボール等の材質は窒化アルミ
ニウム自体、または純度が少なくとも99.9wt%以上の高
純度アルミナで作られたものが、加熱後の窒化アルミニ
ウムに不純物が残留しないので好適である。又、原料粉
末と接触する混合設備の表面はプラスチック製またはプ
ラスチック被覆したものがよい。このプラスチックの材
質には制限がないが、ポリエチレン,ポリプロピレン,
ポリアミド,ポリエステルおよびポリウレタン等が使用
できる。しかし、プラスチックに各種の金属安定剤が使
用されているので、事前にチェックしておくことが必要
である。
〈4〉圧成圧力の条件 十分に混合されたアルミナ,カーボンブラックおよび添
加剤としての窒化アルミニウムは、本発明にかかわる方
法においては必ず圧成により圧成体としなけらばならな
い。この段階は他の一特徴であり、かつ重要な一段階で
ある。何故なら、粉末混合過程において、カーボンブラ
ックの平均粒子径が0.18μmでアルミナの平均粒子が0.
6μmよりも小さいので、十分な混合が行われた後には
アルミナ粉末体のまわりにカーボンブラックがコーティ
ングされた状態となるが、微細なカーボンブラック粉末
体が活性に富むので、圧成しないまま反応を進行させた
場合、下記する(一)(二)の不都合が発生するからで
ある。
(一)反応炉内部の高温を一定に保てる部分は限定さ
れ、しかも原料粉末の混合物が十分な反応を起こすこと
を期待するので、原料粉末の混合物を焼成ボード上にま
ばらに置く必要があり、圧力をかけて圧成体としない場
合には一度に反応炉に入れることのできる数量が非常に
限られてしまう。
(二)高活性のカーボンブラックとアルミナとの接触が
十分に緊密でないと、炭素はアルミナが還元される前に
COまたはCOとなって揮散してしまう。この酸素は
反応炉内部の反応気体が含む不純物としてのHO,O
および反応前の真空システムが通常0.8torrまでで十
分にクリーンにはなりえなくて不純物として残存してい
るOから供給されものである。
従って、圧成によりカーボンブラックとアルミナとを緊
密に接触させることで、温度の上昇にともない高活性か
つ非結晶のカーボンブラックがアルミナを還元してCO
が揮散するが、COが揮散した後の細孔により、サンプ
ルに多孔性物質に類似した構造を形成する。これらの細
孔は、極めて微小なものであるが、窒素分子が自由に出
入りするには十分であって、有効な還元を促進するもの
となる。
ここで、圧成圧力の違いにより還元反応にどのような影
響を与えるかを知るために、以下の比較実験を行った。
すなわち、比較例Aとして、アルミナ/カーボンブラッ
クの重量比が2.0/1である混合粉末1gを金型に充填
して1000kg/cm2から4000kg/cm2にわたる圧力をかけ
て、成形した後、窒素流量が200cc/分で1600℃を7時
間維持して合成したものと、比較例Bとして、アルミナ
/カーボンブラックの重量比が2.0/1である混合粉末
0.6gを同一の金型に充填して比較例Aと同一の条件
(但し窒素流量は20cc/分)で合成したものとを比較し
て、その結果を第6図に示した。
この第6図において、圧成圧力の高い比較例A(図中、
■で表示)、すなわち本発明の実施例が理想的なAlN
合成率を示したのに対して、圧成圧力が比較例Aより小
さくなる比較例B(図中、▲で表示)においては、20
%あまりの合成率しか示していないことがわかった。ま
た、圧成圧力が1000〜4000kg/cm2にある時は、比較例
Aおよび比較例Bの各AlN合成率は安定した水平状態
を示していて合成率の変化は大きくないが、圧力が約28
30kg/cm2のときに合成率が一番高くなっていた。
〈5〉アルミナ/炭素重量比および圧成圧力と二次酸化
との関係 次に、二次酸化の影響を調べるために、アルミナ/炭素
の重量比が2.83/1である理論例C(反応式のAlN
理論値が2.83であるため)と、同重量比が2.0/1であ
る比較例Dとをそれぞれ異なった混合物において、2830
kg/cm2の圧力,圧成直径15mm,窒素ガス流量が200cc
/分,1600℃で7時間の同一条件で熱処理して比較し
た。
第7図は、その結果を示すもので、圧成体の重量が0.1
gの時、理論例C(図中、●で示す重量比2.83/1のも
の)が約20%のAlN合成率を示したのに対し、比較
例D(図中、■で示す重量比2.0/1のもの)が約50
%のAlN合成率を示した。そして、圧成体の重量が0.
1gから1.0gへと増大するにつれてAlN合成率も、理
論例C(図中、●)が20%から70%へと、比較例D
(図中、■)が50%から95%へと、それぞれ増加し
ていた。
第8図は、圧成体の重量が0.3g,0.6g,0.8g,1.0g
の焼成体を取出してX線分析したもので、0.3g,0.6
g,0.8gのものにおいては、理論例C,比較例Dを通
じて、アルミナの回折線が見られるのに体し、1.0gで
は理論例C,比較例Dとも窒化アルミニウムだけの単相
であることを示した。
さて、これら各圧成体の反応過程において、窒化アルミ
ニウムの合成は圧成体の表面から進行し始め、圧成体の
内部からCOが揮散していくにつれて反応が内部へとお
よんでいくと考えられる。そして、温度が低下する過程
において、反応炉内部に残留した不純物としての酸素で
各圧成体の表面層に酸化作用を起こさせる。酸素厚は高
くないが、アルミナの薄膜層を形成するには十分であ
る。そして、アルミナのモル体積は15.58cm/モルで窒
化アルミニウムのモル体積は12.57cm/モルより大きい
ことにより、アルミナ薄膜層は保護膜層として作用し、
酸化現象がさらに内部へ向けて進行することを阻止する
ことになる。
従って、重量の異なる各圧成体の直径は15mmで同一で
あるから、各圧成体の表面積はそれぞれの厚さに正比例
していることとなり、ほぼ同一厚さのアルミナ薄膜層が
形成される時、重量が小さければ小さいほど一つの圧成
体中でアルミナ薄膜層が形成される時、重量が小さけれ
ば小さいほど一つの圧成体中でアルミナ薄膜層が占める
割合が大きくなることになる。例えば、比較例Dの0.1
g圧成体について言えば、厚さはわずか0.37mmとなる
が、比較例Dの1.0g圧成体になると厚さは3.24mmとな
るので、いずれもアルミナ薄膜層の厚さはほぼ同じであ
ることから、第7図に図示したように、前者(図中、
●)の反応後の純度は約50wt%だけとなり、後者(図
中、■)の純度は95wt%前後となっている。
〈6〉造粒過程の役割 粉末混合物を圧成体として形成しやすくするために、圧
成する前に造粒という一段階を設けた方が便利である
が、この発明においては造粒は不可欠な段階ではないの
で簡単に説明すると、例えば一次研磨した湿式混合粉末
1wt%のエチルセルロースを添加して結合剤とし、さら
に研磨した後に60メッシュ,80メッシュ,100メッ
シュでふるいにかけながら造粒し、造粒粉として形成す
る等が適当である。この造粒粉は所定の金型に充填し
て、普通は冷間加圧により圧成体とする。
〈7〉高温還元窒化に使用する焼成板の条件 そして、第9図に示したように、加圧成形された複数の
圧成体1は、反応炉2内部に入れられて1550〜1650℃の
高温で加熱されるが、炉内雰囲気は窒素ガス3であり、
その流量は100〜300cc/分とするのが適当である。ここ
で、特に注意すべきことは、本発明においては、各圧成
体1を多孔質アルミナボード4の上に載置して反応を進
行させることである。その多孔質アルミボナード4は、
全体に多数の連通孔を備えるとともに下部においても窒
素ガス3が流通できる構造であって、このような多孔質
アルミナボード4の上に各圧成体1を載置して反応を進
行させる時、好ましい結果がえられる。
〈8〉加熱温度条件の確定 本発明にかかわる方法の加熱温度条件を確定するため
に、本発明者は以下のような実験を行った。
比較例Eとして圧成体の重量が1gでアルミナ/炭素の
重量比が2.0/1のものを、理論例Fとして圧成体の重
量が1gでアルミナ/炭素の重量比が2.83/1のものを
それぞれ用意し、窒素ガス流が200cc/分の雰囲気で、温
度設定を1300℃から1650℃にわけて7時間ずつの焼成処
理時間において比較した。
第10図は、比較例E(2.0/1)による焼成体につい
て、温度別にX線回析パターンを見たもので、第11図
は理論例F(2.83/1)による焼成体について、温度別
にX線回析パターンを見たものである。
これら第10図と第11図において、温度1300℃では比
較例E,論理Fとも窒化アルミニウムの生成が始まった
ばかりであり、温度1400℃では窒化アルミニウム合成率
はまだ相当に低いことがわかった。温度1500℃および15
50℃は窒化アルミニウム合成率が大幅に増加し、温度16
00℃では合成率がピークとなり、温度1650℃では合成率
がわずかに下降していた。なお窒化アルミニウム合成率
は本発明の実施例である比較例Eが、理論例Fよりも良
かった。
第12図は、比較例Eおよび論理例Fについて温度別の
AlN合成率をこの実験結果に基づいて図示したもの
で、比較例E,論理例Fとも1300℃から1600℃へと加熱
温度が上昇するにつれてAlN合成率が向上し、論理例
F(図中▲で表示)では1600℃でAlN合成率がピーク
の約74wt%を示したのに対し、比較例E(図示■で表
示)では1600℃でAlN合成率がピークの約95wt%を
示した。1650℃では比較例E,論理例FともAlN合成
率が下降していた。
第19図(3)の参考写真は、この実験で比較例Eの各
焼成体を研磨して分散させた後のSEM像を示したもの
で、同図(サ)1300℃および(シ)1400℃では平均粒子
系が0.5μm以下のほぼ均一なAlN粉末体であり、
(ス)1500℃では平均粒子径が約0.5μm以下のほぼ均
一なAlN粉末体であり、(セ)1550℃および(ソ)16
00℃ではAlN粉末体の粒子径が大きくなっているが、
平均粒子径はなお1μm以下であった。(タ)1650℃で
はAIN粉末体の平均粒子が約1μmとなっていた。
従って、この実験から、加熱温度条件としては1600℃が
最適であり、加熱温度が1650℃になると反応合成率が低
下することがわかった。
〈9〉非結晶質カーボンブラック粉末使用の効果 この加熱温度が1650℃になると反応合成率が低下する事
実は、原料カーボンブラックがしだいに結晶化してアル
ミナに対する還元能力を低下させるために引き起こされ
ると思われる。つまり、もともと還元反応を促進する目
的で、グラファイトまたはカーボンに替えて、性質が液
態に近くて物質結合構造に単距離力がはたらく非結晶質
カーボンブラックを採用し、結合エネルギーが小さいこ
とを利用して少ないエネルギー量で結合の解除または結
合をおこなえるようにしていた。しかし、非結晶カーボ
ンブラックの結晶度は加熱温度が上昇に従い増大するこ
とは避けられない。
第13図は、熱処理温度と、非結晶質カーボンブラック
の結晶度との関係を示すX線回析図で、図中No.1は熱
処理しないもの、No.2は1570℃,No.3は1770℃,No.
4は1960℃,No.5は2500℃,No.6は3000℃でそれぞれ
熱処理した後、炭素結晶の回析線を見たもので、高温で
熱処理したものほどシャープな回析線を表しており、結
晶度が大きいことがわかる。つまり、加熱温度が1650℃
のときは結晶度が1600℃より大きいので、結合力が高ま
りアルミナに対する還元能力が弱まる結果、AlN合成
率が低下する。
〈10〉最適な焼成時間の条件 アルミナ/炭素の重量比が2.83/1であるものを理論例
G,同重量比が2.0/1であるものを比較例Hとし、1
gの圧成体を焼成温度1600℃,窒素ガス流量200cc/分
の条件で、1時間から12時間の6種類の焼成温度に分
けて比較した。
第14図は理論例Gの実験結果を示す図で、焼成時間が
3〜5時間のものがAlN合成率がよく、しかもアルミ
ナの回析線が弱いことがわかり、とくに焼成時間が5時
間の場合が良好であった。図より焼成時間が5時間を越
える場合、合成されるアルミナが増加するが、上述のよ
うにいったん形成されたアルミナ薄膜層は保護膜として
作用するのでアルミナ相の増加は緩やかであった。
第15図は比較例Hの実験結果を示す図で、理論例Gと
異なり、焼成時間が7時間の場合が良好であった。この
比較例Hでは5時間の場合、アルミナの回析線が確認で
きるが、7時間の場合、アルミナの回析線はほとんど堪
忍できず、ほぼ単一な窒化アルミニウムが合成されてい
ることを示した。焼成時間が7時間を越えると、アルミ
ナ相が再び出現し10時間,12時間と時間が長くなる
につれてアルミナ相が少しずつ成長していることがわか
った。この比較例Hでは炭素の混合量が相対的に多いの
で焼成5時間では未反応の炭素を残留して還元作用を継
続させCOとして揮散すると同時に窒素をアルミニウム
と化合させ、より完全な反応を実現することになる。
第19図(4)の参考写真は、比較例HについてSEM
像を示したので、焼成時間が同図(ナ)1時間の場合
は、粒子径の大きいものが少数存在するが、多くはほぼ
同一な外形で平均粒子径が0.2〜0.4μmの微粉末体であ
った。焼結時間が(ニ)3時間から(ハ)12時間で
は、外形においてはほぼ同一で、粒子径が焼結時間が長
くなるにつれて大きくなっているが、いずれもサブミク
ロンの範囲におさまっていた。
〈11〉最適な窒素ガス流量の条件 窒化アルミニウム合成過程において、窒素ガスを反応気
体とするため窒素ガス流量の大きさが重要なポイントの
一つとなる。そこで、比較例Kとしてアルミナ/炭素の
重量比が2.0/1の混合物を1886kg/cm2の圧力で円板形
に圧成した0.3gの圧成体と、比較例Lとして同じく2.0
/1の混合物で未圧成のままの造粒体とをそれぞれ焼結
温度1600℃,焼結時間7時間の条件で、異なった窒素ガ
ス流量(cc/分)において焼結して得た合成粉末のAI
N合成率を比較した。
第16図において、窒素ガス流量が20cc/分の時は比較
例L(図中△で表示)のみAlNが合成され、50cc/分
の時は比較例K(図中□で表示)でもAlNの合成が見
られた。窒素ガス流量(cc./分)が増大するにしたが
ってAlN合成率は増大し、窒素ガス流量(cc/分)が
200cc/分の時に比較例K,Lともピークとなって比較
例Kで合成率が約37wt%,比較例Lで合成率が約22
wt%を示し、窒素ガス流量が200cc/分を越えて300〜40
0cc/分となるとAlN合成率は緩やかに低下してい
た。
この実験結果は、温度差値と反応気体濃度との関係によ
りもたらされるものと考えられる。何故なら、反応式は Al2O3(s)+3C(s)+N2(g)=2AlN(s)+3CO(g) … であるから、窒素ガス流量が例えば20,30cc/分と
少なすぎる時は、反応炉内部において窒素ガス圧が不足
して、ル・シャトリエの法則により化学反応は反応式
の左方向へと進行して、第17図に示すように、アルミ
ナ相の回析線しか検出できない。そして、窒素ガス流量
が増大するにつれて、化学反応は反応式の右方向へ進
行する。同時に、窒素ガス流量の増大に比例して反応炉
内部の温度が低下し、窒素ガス流量が300〜400cc/分と
なった時には窒素ガス濃度の増加より温度低下の要素の
ほうが反応式に大きな影響を与えて、AlN合成率を
低下させるものと考えられる。
〈12〉炭素除去処理の必要性 窒素ガス雰囲気における還元窒化反応だけでは、余分な
カーボンブラックを除去できないので、常圧で5〜7時
間600〜700℃の熱処理温度により炭素除去を行う。
〈13〉反応メカニズムの推定 第18図において、本発明にかかわる窒化アルミニウム
粉末の製造方法の反応メカニズムはまだ十分には解明で
きないが、本発明人はこの反応メカニズムは図示のよう
に2段階で進行するものと考えている。つまり、上記圧
成体1(第9図を参照)においてアルミナ5をカーボン
ブラック6が緊密に包み込み、加熱7により窒素ガス8
雰囲気下で圧成体1表面のアルミナ5がカーボンブラッ
ク6と反応して一酸化炭素9を式散させると同時に、焼
成温度約1300℃で一部分が窒化アルミニウム10を合成
するが、一部分は一酸化炭素9とアルミニウム11とに
なる。焼成温度が約1500〜1550℃となると、圧成体1内
部の酸素がカーボンブラック6と反応して、一酸化炭素
9を揮散させ、一酸化炭素9が揮散した細孔から窒素ガ
ス8が進入して窒化アルミニウム10を合成すると推定
している。
つまり、反応式(I)(II)に分けて示すと下記のように
なると推定される。
(I) Al2O3(s)+2C(s)→Al2O2(g)+2CO(g) Al2O(g)+C(s)→Al(g)O+CO(g) 2Al(g)+N2(g)→2AlN(s) (II) Al2O3(s)+2C(s)→Al2O(g)+2CO(g) Al2O(g)+C(s)+N2(g)→2AlN(s)+CO(g) 実施例 以下、本発明にかかわる超微粒子な窒化アルミニウム粉
末の製造方法を一実施例につき図面および参考写真に基
づいて説明する。
第1図において、本実施例の段階aで使用する主要な原
料は下記の表1の通りである。
段階aにおいて、アルミナ/炭素の重量比が2.1/1と
なるように30gのα−アルミナ粉末とカーボンブラッ
ク粉末15gとを計量し、さらにアルミナおよびカーボ
ンブラックの合計重量の5wtg%にあたる窒化アルミニ
ウム粉末を添加剤として加えて、適量の高純度窒化アル
ミニウム製ボールと無水アルコールとをボールミルのプ
ラスチック質の円筒容器にいれ、ボールミルにより3時
間の湿式研磨をして粉末混合物をえる。
ここで、造粒段階a1として、上記粉末混合物に1wt%
のエチルセルロースを結合剤として加え、アルミナ製す
りばちで研磨して十分に混合させた後、60,80,10
0メッシュのふるい網にかけて造粒体とする。
段階bとして、上記造粒体1gを金型にいれて2830kgの
圧力で直径15mm,厚さ約3.24mmの圧成体とする。
段階cとして、上記圧成体を多孔質アルミナボードの上
に置いて、同様にパイプ状の反応炉の内部に入れて、0.
8torrまで真空化した後に99.9%の高純度窒素ガスの注
入することを3度くりかえして反応室を十分にクリーン
な窒素雰囲気とする。
そして、窒素ガス圧力を常圧に維持して、平均温度上昇
速度を8℃/分,窒素ガス流量200cc/分,反応温度160
0℃での加熱時間7時間という条件で還元窒化反応を進
行させる。
段階dとして、上記粉末混合物にはカーボンブラック微
粉末を理論値よりも多目に入れて還元窒化反応を促進す
るように構成しているので、箱型炉で常圧で空気を雰囲
気として600〜700℃の温度で5〜7時間加熱して、余分
なカーボンブラックを除去する炭素除去熱処理をおこな
う。
以上の段階a〜dおよび造粒段階を経て合成粉末体をS
EM像およびX線回析パターンにより分析した結果、第
19図(2)の参考写真のSEM像(ケ)添加5wt%に
おいて顕著に示されるように、平均粒子径が0.45μmの
ものが得られ、第4図と第5図とに示すように、X線回
析パターンが単一なAlN相を示すとともに、前記徳山
曹達株式会社製の純度98.1wt%のAlN微粉末と全く同
じパターンを形成して、本発明の製造方法にかかるAl
N微粉末が少なくとも98.1wt%の高純度であることを示
している。
そして、本発明の方法により製造された超微粒子な窒化
アルミニウム粉末を原料として焼結したAlN基板の熱
伝導率を日本真空株式会社製の熱伝導測定器TC−3000
H−NCで測定したところ、室温で64W/mk、それ
以上では109W/mkの熱伝導率を示した。
なお、上述のX線回析パターンは日本理学電気株式会社
製のX線回析値を、SEM像は走査式電子顕微鏡(JO
EL)をそれぞれ使用して得たものである。
発明の効果 本発明は、上記説明のように構成されているので、少な
くとも下記の効果を有する。
請求項1の製造方法においては、原料のアルミナ/カー
ボンブラックの重量比を1.6/1〜2.5/1とし、かつ適
量の高純度AlN微粉末を添加剤として加えて得た混合
物を圧成体として1550〜1600℃の高温で5〜7時間加熱
し、適当な炭素除去熱処理をすることで、平均粒子径が
1μm以下という超微粒子な窒化アルミニウム粉末を製
造することができる。また、焼成の雰囲気として使用す
る窒素ガス流量が100〜300cc/分の少量でよい。
請求項2〜11の製造方法においては、平均粒子径が0.
45μm以下で、純度が98.1wt%、少なくとも95wt%以
上の超微粒子な窒化アルミニウム粉末を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかわる製造方法の概略を示す説明
図、 第2図は異なったアルミナ/炭素の重量比を有する粉末
混合物を反応温度1600℃加熱時間7時間で反応させた後
のX線回析パターン図、 第3図は炭素含有量と窒化アルミニウム合成率との関係
を示す関係図、 第4図は高純度窒化アルミニウム粉末を添加剤として使
用した時に還元窒化反応にあたえる影響を示すX線回析
パターン図、 第5図は5重量%のAlNを添加した圧成体を反応炉に
おいて反応温度1600℃,加熱時間7時間,窒素ガス流量
200cc/分で反応させた本発明の反応粉末体と、日本の
徳山曹達株式会社製の高純度AlN粉末とを比較したX
線回析パターン図、 第6図は造粒体を乾式圧成体とする時の圧力と窒化アル
ミニウム合成率との関係を示す図、 第7図は圧成体を圧成する異なった圧力と窒化アルミニ
ウム合成率との関係を示す図、 第8図は異なった重量でアルミナ/炭素の重量比が2.0
/1である各圧成体を加熱反応させた後のX線回折パタ
ーン図、 第9図は本発明にかかわる圧成体を載置する多孔質アル
ミナボードを備えて窒素雰囲気において還元窒化する反
応炉内部の概略を示す説明図、 第10図は比較例(2.0/1)の異なった加熱温度に対
する合成反応状態を示すX線回析パターン図、 第11図は理論例(2.83/1)の異なった加熱温度に対
する合成反応状態を示すX線回析パターン図、 第12図は反応温度とAlN合成率との関係を示す図、 第13図は熱処理温度と炭素結晶の結晶度の関係を示す
図、 第14図は理論例(2.83/1)の異なった加熱温度に対
する合成反応状態を示すX線回析パターン図、 第15図は比較例(2.0/1)の異なった加熱温度に対
する合成反応状態を示すX線回析パターン図、 第16図は比較例(2.0/1)と窒素ガス流量との関係
を示す図、 第17図は比較例(2.0/1)の異なった窒素ガス流量
に対する合成反応状態を示すX線回析パターン図、 第18図は本発明の製造方法にかかわる反応メカニズム
を推定した説明図、

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム粉末を製造する炭素還元
    窒化法であって、 a.α−アルミナ微粉末とカーボンブラック微粉末と
    に、高純度の窒化アルミニウム微粉末を添加し、液体分
    散媒を使用して十分に混合する時、前記アルミナと前記
    カーボンブラックとの重量比を1.6:1から2.5:1の範
    囲とするとともに、高純度窒化アルミニウムの重量比を
    アルミナおよびカーボンブラックの合計重量の1wt%か
    ら5wt%の範囲とする混合物を得る段階、および; b.上記混合物を十分かつ均一に混合して加圧により圧
    成体とする段階、および; c.上記圧成体を窒素ガス流量100〜300cc/分の窒素雰
    囲気において1550℃〜1650℃の高温で5〜7時間加熱し
    て還元窒化する段階、および; d.還元窒化された上記圧成体を取りだして600℃〜700
    ℃の温度で5〜7時間加熱してカーボンブラックを除去
    する段階 の各段階を備えた超微粒子な窒化アルミニウム粉末の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記段階aが、前記窒化アルミニウム微粉
    末の純度を98.1wt%以上、平均粒子径を約0.6μm以下
    とするとともに、添加剤としてアルミナおよびカーボン
    ブラックの合計重量の5wt%を加えることを特徴とする
    請求項1記載の超微粒子な窒化アルミニウム粉末の製造
    方法。
  3. 【請求項3】前記段階aが、前記カーボンブラック微粉
    末を非結晶質とし、平均粒子径を約0.18μmとすること
    を特徴とする請求項1記載の超微粒子な窒化アルミニウ
    ム粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】前記段階aが、前記アルミナおよび前記カ
    ーボンブラックの重量比を2.0:1とすることを特徴と
    する請求項1記載の超微粒子な窒化アルミニウム粉末の
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記段階aおよび前記段階bが、その間に
    適当な造粒段階を設けることを特徴とする請求項1記載
    の超微粒子な窒化アルミニウム粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】前記段階gが、前記混合物を十分かつ均一
    に混合した後、約1gを取り、1000〜4000kgの圧成圧力
    により直径約15mm,厚さ約3〜4mmの薄い圧成片とし
    て成形されることを特徴とする請求項1記載の超微粒子
    な窒化アルミニウム粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】前記圧成圧力が、約2830kg/cm2であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の超微粒子な窒化アルミニ
    ウム粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】前記段階cが、前記温度を1600℃とするこ
    とを特徴とする請求項1記載の超微粒子な窒化アルミニ
    ウム粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】前記段階cが、前記窒素雰囲気を形成する
    ために注入する窒素ガス流量を毎分200ccとすることを
    特徴とする請求項1記載の超微粒子な窒化アルミニウム
    粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】前記段階cが前記圧成体を多孔質アルミ
    ナボードの上に載置して進行されることを特徴とする請
    求項1または6記載の超微粒子な窒化アルミニウム粉末
    の製造方法。
  11. 【請求項11】前記段階cが、前記還元窒化の加熱時間
    を7時間とすることを特徴とする請求項1記載の超微粒
    子な窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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