JPH0616027Y2 - ドア付き折畳式間仕切装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、折畳式間仕切の一端に、折畳みうるドアを連
設することにより、間仕切とドアを展開して、室内等を
仕切るようにし、かつドアの操作により、仕切られた両
室を往来しうるようにし、さらに、必要に応じて、間仕
切とドアを、側方に簡単に折畳みうるようにした装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、広い室内を折畳式間仕切で仕切って形成した両室
を往来するには、仕切った間仕切を若干開いて通路を形
成するか、または間仕切の一側端に、間仕切とは別体の
ドアを設けている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のアコーデオンカーテン型の折畳式間仕切装置によ
ると、通行のために、展開した間仕切における多数のパ
ネルのうちの一部を開こうとすると、他の全パネルがそ
れに連動して、平面視においてジグザグ状に折れ曲るの
で、一部を開いたときの間仕切全体の外観が見苦しく、
また操作も甚だ面倒である。

また、間仕切の一側端にドアを設けるためには、間仕切
とドアの境界に支柱が必要であり、間仕切を折畳んで広
い一室を形成した時、邪魔になるとともに見苦しい。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、多数のパネルを、側方１列に折畳み可能に蝶
着してなる間仕切を、支持枠の上部横桟に走行自在に吊
支した公知の折畳式間仕切装置の、遊端のパネルの下端
と支持枠の下部横桟との間に、展開した間仕切の遊端の
パネルを固定しうる固定装置を設け、かつ第１パネル
と、横幅が第１パネルの半分より若干広幅の第２パネル
の側端同士を蝶着してなるドアにおける、第１パネルの
上面中央と第２パネルの上面における第１、第２両パネ
ルの蝶着部より第１パネルの横幅の半分と等しい長さの
個所を、支持枠の上部横桟に、走行自在かつ垂直軸まわ
りに回動自在に吊支し、第２パネルの吊支部と間仕切の
遊端のパネルの上面遊端近くを、ドアと間仕切を展開し
た時には、ドアと間仕切の対向面同士が近接し、また、
ドアと間仕切を折畳んだ時には、ドアの第２パネルと間
仕切の遊端のパネルが近接して平行をなす様、連係板を
もって連係することにより、上述の課題の解決を図った
ものである。

〔作用〕

本考案の装置によると、折畳式ドアの第２パネルの吊支
部と、折畳式間仕切の遊端のパネルの要所が、連係板を
もって連係され、間仕切は、展開した状態で固定される
ので、ドアのみ折畳んで通路を形成することができる。

また、間仕切の固定を解除すれば、ドアと間仕切を、と
もに側方に折畳んで、邪魔物のない広い一室を形成する
ことができる。

連係板の長さおよび連係板と間仕切の遊端のパネルとの
枢着部の位置を適切に定めることにより、ドアと間仕切
を展開して広い一室を仕切った時に、ドアと間仕切の対
向する側端面同士を近接させることができる。

〔実施例〕

図面は、本考案の一実施例を示すもので、第１図におい
て(1)は方形の支持枠、(2)は折畳式間仕切、(3)は折畳
式ドアである。

支持枠(1)の上部横桟(1a)には、角筒状のハンガーレー
ル(4)が嵌設され、ハンガーレール(4)のその下面には、
全長にわたって案内溝(5)が形成されている。下部横桟
(1b)の上面にも案内溝(6)が形成され、支持枠(1)の左右
の両縦桟(1c)(1c)は、アングル状をなしている。

間仕切(2)は、縦長方形の等寸の多数の間仕切パネル(7)
を左右１列に並べて、対向する側端の上端同士と下端同
士をクロスヒンジ(8)をもって、各パネル(7)が重合して
折畳みうるように蝶着して形成されている。

各パネル(7)の上面中央には、連係ピン(9)が立設されそ
の上部には、ハンガーブロック(10)が枢設されている。
各パネル(7)の下面中央には、案内ピン(11)が垂設され
ている。

ハンガーブロック(10)は、その基枠(12)に、軸線が内外
方向を向く４個の走行ローラ(13)を枢設するとともに、
連係ピン(9)に、１個のガイドローラ(14)を枢設して形
成されている。

各パネル(7)は上記ハンガーレール(4)に、各ハンガーブ
ロック(10)の走行ローラ(13)を走行自在に嵌合するとと
もに、ガイドローラ(14)を案内溝(5)に転動自在に嵌合
することにより、側方走行自在に吊支され、各案内ピン
(11)が下部横桟(1b)の案内溝(6)に、側方移動自在に係
合して、間仕切(2)下部の内外方向の揺れは防止されて
いる。

基端（第１図右端）のパネル(7)の案内ピン のみは、他の案内ピン(11)より長寸であり、下部横桟(1
b)内に設けたストッパ(15)に、左面が当接することによ
り、基端のパネル(7)が、第１図に示す位置より左方に
移動するのを防止している。

遊端のパネル(7)の左下部内には、上下方向を向き、か
つパネル(7)の側面よりの操作により下降して、下端が
パネル(7)の下面とクロスヒンジ(8)を挿通する係止杆(1
6)が設けられている。

支持枠(1)の下部横桟(1b)内には、間仕切(2)を展開して
係止杆(16)を下降させると、その下端が係合して、間仕
切(2)を折畳み不能に固定する、有底円筒状の係止具(1
7)が設けられている。

ドア(3)は、間仕切(2)のパネル(7)と同形等寸の第１図
左方の第１パネル(18)と、横幅が第１パネル(18)の半分
より若干広幅の第１図右方の第２パネル(19)の、対向す
る側端の上端同士と下端同士を、クロスヒンジ(8)(8)を
もって蝶着して形成されている。

ドア(3)は、上記間仕切(2)と同様に、第１パネル(18)の
上面中央と、第２パネル(19)の上面における両パネル(1
8)(19)の蝶着部より第１パネル(18)の吊支部までと等間
隔の個所が、連係ピン(9)とハンガーブロック(10)によ
り、ハンガーレール(4)に走行自在に吊支され、第１パ
ネル(18)の下面中央より垂設した案内ピン(11)が下部横
桟(1b)の案内溝(6)に係合して、内外方向の揺れが防止
されている。

第２パネル(19)の連係ピン(9)と間仕切(2)の遊端のパネ
ル(7)の上面左部の要所は、連係板(20)をもって、間仕
切(2)とドア(3)をともに展開した時は、両パネル(19)
(7)が同一平面上に並んで、対向する側面同士が近接
し、また間仕切(2)とドア(3)をともに折畳んだ時は、両
パネル(19)(7)が互いに近接して、平行をなす様に連係
されている。

上述の装置によると、第１図と第２図および第10a図に
示すように、間仕切(2)とドア(3)が展開して、支持枠
(1)が閉ざされ、間仕切(2)が係止杆(16)により折畳み不
能に固定されている時、ドア(3)の第１パネル(18)の外
面（第２図と第10a図の下面）に設けた取手(21)の左部
を内方に押すか、あるいは図示を省略したが、第１パネ
ル(18)の内面に設けた埋込式取手を引けば、第８図と第
10b図に示すように、ドア(3)のみが間仕切(2)に近接し
て折り畳まれて、通路が形成される。

この状態で、第８図に示すように、間仕切(2)の左端と
ドア(3)の第２パネル(19)の間に生じた間隙(22)に手を
差し入れて、係止杆(16)を上昇させた後、取手(21)をさ
らに内右方に押せば、第10c図に示すように、間仕切(2)
は、各クロスヒンジ(8)においてく字形に屈曲しつつ、
第10d図に示すように、ドア(3)の第１、第２両パネル(1
8)(19)と間仕切(2)の各パネル(7)は、支持枠(1)の右端
に重合して折り畳まれる。

折り畳まれたドア(3)と間仕切(2)において、第10e図に
示すように、取手(21)を左方に引けば、上記案内ピン がストッパ(15)に当接するまで、ドア(3)と間仕切(2)が
左方に移動した後、第10c図に示す状態を経て、第10a図
に示す状態に展開して、支持枠(1)を閉じる。従って、
必要に応じ、展開の途中において、第10b図に示す状態
として、係止杆(16)を下降させれば、間仕切(2)を折畳
み不能に固定することができる。

上述の実施例においては、ドア(3)の第１パネル(18)
を、間仕切(2)のパネル(7)と等幅としたが、第１パネル
(18)の横幅は、使用個所や目的に対応して、適宜に定め
ることができる。この場合、第２パネル(19)の横幅も、
第１パネル(18)の横幅に対応して変更する必要がある。

〔考案の効果〕 本考案の装置によると、連係板をもって連係された折畳
式ドアと折畳式間仕切を、取手の簡単な操作で、両者の
間に隙間を生ずることなく、展開させて、広い室内を完
全に仕切ることができる。

また、展開した間仕切を折畳み不能に固定すれば、ドア
のみ取手の簡単な操作で、開閉することができる。この
時、間仕切は、動揺したり屈曲したりすることはなく、
見苦しくなることはない。

さらに、製作に際し、ドアの横幅を間仕切に関係なく、
任意に定めることができる。

間仕切の固定を解除すれば、取手の操作により、ドアと
間仕切をともに、各パネル同士を側方に重合させて、簡
単に折畳み、目障りになる邪魔物のない広い一室を形成
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の一実施例を示す正面図、 第２図は、展開時のドアと間仕切の一部の平面図、 第３図は、同じく中央縦断正面図、 第４図は、同じく下面図、 第５図は、第３図のＸ−Ｘ線拡大断面図、 第６図は、第１図のＡ部の一部切欠拡大図、 第７図は、第６図のＹ−Ｙ線断面図、 第８図は、ドア折畳時のドアと間仕切の一部の平面図、 第９図は、折畳中のドアと間仕切の平面図、 第10a図〜第10e図は、本考案装置の動作を略示する平面
図で、 第10a図は展開時を、 第10b図はドア折畳み時を、 第10c図は間仕切折畳み中を、 第10d図は折畳み終了時を、 第10e図は展開開始時を、それぞれ示す。 (1)……支持枠、(1a)……上部横桟 (1b)……下部横桟、(1c)……縦桟 (2)……間仕切、(3)……ドア (4)……ハンガーレール、(5)(6)……案内溝 (7)……パネル、(8)……クロスヒンジ (9)……連係ピン、(10)……ハンガーブロック (11)……案内ピン、(12)……基枠 (13)……走行ローラ、(14)……ガイドローラ (15)……ストッパ、(16)……係止杆 (17)……係止具、(18)……第１パネル (19)……第２パネル、(20)……連係板 (20)……取手、(21)……間隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右１列に並ぶ同形等寸の複数のパネルの
   側端同士を、各パネルを重合させて折畳みうるように蝶
   着してなる間仕切において、各パネル上面中央を、方形
   の支持枠の上部横桟に、走行自在かつ垂直軸まわりに回
   動自在に吊支するとともに、基端のパネルの下端と支持
   枠の下部横桟との間に、展開した間仕切の基端のパネル
   が、支持枠の縦桟より離間することを防止する離間防止
   装置を設け、遊端のパネルの下端と支持枠の下部横桟と
   の間に、展開した間仕切の遊端のパネルを固定しうる固
   定装置を設け、かつ第１パネルと、横幅が第１パネルの
   半分より若干広幅の第２パネルの側端同士を蝶着してな
   るドアにおける、第１パネルの上面中央と第２パネルの
   上面における第１、第２両パネルの蝶着部より第１パネ
   ルの横幅の半分と等しい長さの個所を、支持枠の上部横
   桟に、走行自在かつ垂直軸まわりに回動自在に吊支し、
   第２パネルの吊支部と間仕切の遊端のパネルの上面遊端
   近くを、ドアと間仕切を展開した時には、ドアと間仕切
   の対向面同士が近接し、また、ドアと間仕切を折畳んだ
   時には、ドアの第２パネルと間仕切の遊端のパネルが近
   接して平行をなす様、連係板をもって連係し、さらに、
   間仕切およびドアの下面要所と、支持枠の下部横桟との
   間に、横振れ防止のための係合部を設けてなるドア付き
   折畳式間仕切装置。