JP2009052323A - 内外双方向開閉自在の門扉 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車椅子使用者等が扉体を押開きして門扉の出入りができる内外双方向開閉自在の門扉を提供する。
【解決手段】 門柱1を,その正面を幅狭,背面を幅広の正背面異幅とし且つ幅方向両側双方の側面を等角度に拡開傾斜した幅方向に対称の台形状とし,門柱1背面の調整金具3aと扉体2の吊元框21のヒンジ金具3bを用いたヒンジ3によって門柱1に扉体2を吊支持する。ヒンジ3の軸心と吊元框21の内外方向中心線を同一線上に位置するようにし且つ門柱1の背面カバー4,端部框21の端部カバー5によってヒンジ3を被覆する。扉体2を拡開傾斜した側面に外側に扉体2を開けるスペースが形成され,背面カバー4によって内側の開閉角度が規制されるから,開閉角度を各95〜120度として,扉体2を内外双方向に押開き開閉することが可能となり,車椅子使用者等も扉体2を押すだけで門扉Aの出入りができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 門柱1を,その正面を幅狭,背面を幅広の正背面異幅とし且つ幅方向両側双方の側面を等角度に拡開傾斜した幅方向に対称の台形状とし,門柱1背面の調整金具3aと扉体2の吊元框21のヒンジ金具3bを用いたヒンジ3によって門柱1に扉体2を吊支持する。ヒンジ3の軸心と吊元框21の内外方向中心線を同一線上に位置するようにし且つ門柱1の背面カバー4,端部框21の端部カバー5によってヒンジ3を被覆する。扉体2を拡開傾斜した側面に外側に扉体2を開けるスペースが形成され,背面カバー4によって内側の開閉角度が規制されるから,開閉角度を各95〜120度として,扉体2を内外双方向に押開き開閉することが可能となり,車椅子使用者等も扉体2を押すだけで門扉Aの出入りができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は門扉に関し,特に内外双方から扉体を押圧してその開成をなし得るようにした内外双方向開閉自在の門扉に関する。
道路と敷地の出入用として設置使用される門扉は,片開き,両開きとも,一般に門柱にヒンジを介して扉体を吊支持したものとされており,このときヒンジは,例えば門柱の背面に添設固定する金具ケース,該金具ケースに幅方向突出幅調整自在に配置して背面側に屈曲したアーム及び該アームの先端に配置した軸を備えた調整金具と,吊元框に添設固定したベース,該ベースに配置した軸受を備えたヒンジ金具とによって形成したものとされ,この場合,その扉体は,内側に向けた開閉を常態とするものとされ,また,その開閉角度は一般に90度乃至それ以上とされている。
このように扉体を内側に90度乃至それ以上の角度に開閉するようにした門扉は長年に亘って使用されており,その構造上も問題はない。しかし乍ら,この場合,扉体は内側に向けて開閉するのを常態とするから,門扉の利用者が扉体を開成して出入りするには,道路に出るとき,例えば扉体の戸先乃至上框を手前に引くようにして内側に引き開きする一方,道路から入るとき,扉体を押すように押開きするとともに併せて扉体の閉成を行うことが必要である。このため,例えば門扉利用者が車椅子使用者や車椅子を押して出入する介助者であるとき,道路から入るときには錠を外して,そのまま扉体を押して扉体を開成して敷地内に入り,扉体戸先の回動範囲を通過した後に,扉体を押すように戻せば扉体は閉成して閉成位置で施錠されるから,特段の問題はないが,道路に出るときには,車椅子使用者は,錠を外して扉体戸先の回動範囲から外れた位置に車椅子を移動し,手を伸ばす等して扉体を手前に引いて扉体を開成するとともに手を伸ばしたまま扉体の戸先を手持する等して扉体を閉成しつつ道路に出るといった煩雑な動作を行う必要があり,また車椅子を押して出入する介助者は,車椅子を扉体戸先の回動範囲から外れた位置に一度置いて,錠を外して扉体を開成し,車椅子の位置に戻って車椅子を押して道路に出た後,再度車椅子を置いて,扉体の位置に戻り,扉体を手前に引いてその閉成を行った後に車椅子位置に戻るといった同じく煩雑な動作を行う必要がある。また身体障害者や高齢者にとっても,特に道路に出るに際して,扉体の開閉のために上記煩雑な動作を行うことは必ずしも容易であるとはいえず,従って門扉にはこのように一部の門扉利用者にとって使い勝手が悪いという問題点を残している。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって,その解決課題とするところは,車椅子使用者,介助者,身体障害者,高齢者等を含めて,扉体の開閉を可及的に容易になし得るようにすることによって,門扉利用者にとって使い勝手を良好とした内外双方向開閉自在の門扉を提供するにある。
上記課題に沿って本発明は,門柱を断面台形状として,正面を幅狭,背面を幅広,少なくとも吊元側の側面を外側に向けて拡開傾斜するとともに幅広背面にヒンジを介して且つ該ヒンジの軸心と扉体の吊元框の内外方向の中心線を同一線上に配置することによって,上記側面拡開傾斜による拡開スペースを利用して扉体を外側に向けて95〜120度の設定角度で開閉可能とし,また内側に向けた開閉の設定角度を該外側に向けた設定角度と同等乃至それ以上とすることによって扉体を内外双方向に押開き自在として,出入に際して門扉の開閉を,常に出入方向に扉体を押す動作によってなし得るようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,ヒンジを介して門柱の背面に扉体を内外方向開閉自在に吊支持した門扉であって,上記門柱の正面を幅狭,背面を幅広の正背面異幅とするとともに少なくとも吊元側一方の側面を外側に向けて拡開傾斜して門柱断面を台形状とし且つ上記扉体の吊元框の内外方向中心線を上記ヒンジの軸心と同一線上に配置して,該扉体の外側に向けた開閉角度95〜120度,内側に向けた開閉角度を該外側に向けた開閉角度と同等以上として該扉体を内外双方向に押開き開閉自在としてなることを特徴とする内外双方向開閉自在の門扉としたものである。
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,門柱の両側面を拡開傾斜することによって,門柱の扉体吊支持を,同一の門柱を用いていずれの側面においても可能として,該門柱を左右勝手自在のものとするように,これを,上記門柱の幅方向両側双方の側面を拡開傾斜して,上記台形状の門柱断面を幅方向に対称形状とすることによって該門柱を左右勝手自在としてなることを特徴とする請求項1に記載の内外双方向開閉自在の門扉としたものである。
請求項3及び4に記載の発明は,同じく上記に加えて,それぞれ軸金具を調整金具とすることによって門柱に対する扉体の吊支持調整を可能とするとともに軸受金具を吊元框から門柱側に突出してヒンジ軸にヒンジ軸受を被嵌するようにして,ヒンジの軸心と内外方向中心線を同一線上に配置するとともにヒンジと吊元框の位置関係を規制して,該軸心から吊元框を離隔するように配置して,幅厚の吊元框が門柱に近接することにより該吊元框のヒンジ側端部が門柱に当る可能性を解消して,扉体の吊支持を内外双方向の開閉を行うに適したものとするように,請求項3に記載の発明を,上記ヒンジを,門柱の幅広の背面に添設固定する金具ケース,該金具ケースに幅方向突出幅調整自在に配置したアーム及び該アームの先端に配置した軸又は軸受を備えた調整金具と,吊元框の門柱側端部の端部受座に添設固定したベース,該ベースの内外方向中央位置に起立した突出片及び該突出片の先端に配置した軸受又は軸を備えて平面T字状としたヒンジ金具とによって形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の内外双方向開閉自在の門扉とし,請求項4に記載の発明を,上記ヒンジを,門柱の幅広の背面に添設固定する金具ケース,該金具ケースに幅方向突出幅調整自在に配置したアーム及び該アームの先端に配置した軸又は軸受を備えた調整金具と,吊元框の門柱側に向けて突出形成した突出受座に添設固定したベース,該ベースの先端に配置した軸受又は軸を備えて平面倒二分又は四分音符状としたヒンジ金具とによって形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の内外双方向開閉自在の門扉としたものである。
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,内外押開きの開閉を行うために配置した門柱背面の調整金具及び門柱と扉体吊元框間のヒンジ金具がそれぞれ露出するのを防止し,外観を良好とするとともに児童等の悪戯誘発等を防止し得るものとするように,これを,上記門柱の幅広の背面に,上記調整金具の背面側を被覆する門柱の全長に及ぶ背面カバーを配置するとともに上記吊元框の端部にその正背面側でヒンジ金具を被覆する吊元框の全長に及ぶ端部カバーを配置してなることを特徴とする請求項3又は4に記載の内外双方向開閉自在の門扉としたものである。
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,門柱背面に対する調整金具の添設固定を,裏板を用いて調整金具側からの上下各2ヶ所のネジ止めによって行うとともに門柱の背面板部に透孔を,裏板に雌ネジをそれぞれ上下各3ヶ所配置することによって,単に調整金具を反転するだけで門柱の双方の側面に対する該調整金具のネジ止めを可能とし,門扉設置の作業性を可及的高度に確保し得るものとするように,これを,上記調整金具の金具ケースが上下同一位置にそれぞれ2ヶ所のネジ透孔を備え,その門柱背面に対する添設固定を,該各ネジ透孔からのネジを門柱背面の背面板部を介してその裏面に配置した裏板の雌ネジに螺入固定する上下各2ヶ所のネジ止め用とし且つ上記背面板部及び裏板に上下各3ヶ所の透孔及び雌ネジを配置し,その幅方向中央を共通使用し,幅方向左右一方を選択使用することによって金具ケース反転の添設固定を自在としてなることを特徴とする請求項3,4又は5に記載の内外双方向開閉自在の門扉としたものである。
本発明は,これらをそれぞれ発明の要旨として,上記課題解決の手段としたものである。
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,門柱を断面台形状として,正面を幅狭,背面を幅広,少なくとも吊元側の側面を外側に向けて拡開傾斜するとともに幅広背面にヒンジを介して且つ該ヒンジの軸心と扉体の吊元框の内外方向の中心線を同一線上に配置することによって,上記側面拡開傾斜による拡開スペースを利用して扉体を外側に向けて95〜120度の設定角度で開閉可能とし,また内側に向けた開閉の設定角度を該外側に向けた設定角度と同等乃至それ以上とすることによって扉体を内外双方向に押開き自在として,出入に際して門扉の開閉を,常に出入方向に扉体を押す動作によってなし得るようにして,車椅子使用者,介助者,身体障害者,高齢者等を含めて,扉体の開閉を可及的に容易になし得るようにすることによって,門扉利用者にとって使い勝手を良好とした内外双方向開閉自在の門扉を提供することができる。
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,門柱の両側面を拡開傾斜することによって,門柱の扉体吊支持を,同一の門柱を用いていずれの側面においても可能として,該門柱を左右勝手自在のものとすることができる。
請求項3及び4に記載の発明は,同じく上記に加えて,それぞれ軸金具を調整金具とすることによって門柱に対する扉体の吊支持調整を可能とするとともに軸受金具を吊元框から門柱側に突出してヒンジ軸にヒンジ軸受を被嵌するようにして,ヒンジの軸心と内外方向中心線を同一線上に配置するとともにヒンジと吊元框の位置関係を規制して,該軸心から吊元框を離隔するように配置して,幅厚の吊元框が門柱に近接することにより該吊元框のヒンジ側端部が門柱に当る可能性を解消して,扉体の吊支持を内外双方向の開閉を行うに適したものとすることができる。
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,内外押開きの開閉を行うために配置した門柱背面の調整金具及び門柱と扉体吊元框間のヒンジ金具がそれぞれ露出するのを防止し,外観を良好とするとともに児童等の悪戯誘発等を防止し得るものとすることができる。
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,門柱背面に対する調整金具の添設固定を,裏板を用いて調整金具側からの上下各2ヶ所のネジ止めによって行うとともに門柱の背面板部に透孔を,裏板に雌ネジをそれぞれ上下各3ヶ所配置することによって,単に調整金具を反転するだけで門柱の双方の側面に対する該調整金具のネジ止めを可能とし,門扉設置の作業性を可及的高度に確保し得るものとすることができる。
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1乃至図3において,Aは,ヒンジ3を介して門柱1の背面に扉体2を内外方向開閉自在に吊支持して,例えば内外両開き形態とした門扉であり,該門扉Aは,上記門柱1の正面を幅狭,背面を幅広の正背面異幅とするとともに少なくとも吊元側一方の側面を外側に向けて拡開傾斜して門柱断面を台形状とし且つ上記扉体2の吊元框21の内外方向中心線を上記ヒンジ3の軸心と同一線上に配置して,該扉体2の外側に向けた開閉角度95〜120度,内側に向けた開閉角度を該外側に向けた開閉角度と同等以上として該扉体2を内外双方向に押開き開閉自在とした内外双方向開閉自在の門扉としてある。
本例の門扉Aは,門柱1及び扉体2を,アルミ押出材を用いて構成したアルミ製のものとしてあり,開口の左右両側に一対の門柱1及び扉体2をそれぞれ同一構成としたものを用いて部材の共通化を図ったものとしてある。
本例の門柱1は,その幅方向両側双方の側面を等角度に拡開傾斜して,上記台形状の門柱断面を幅方向に対称形状とすることによって該門柱1を左右勝手自在としてあり,即ち本例にあって門柱1は,幅広の背面板11と,幅狭の正面板13と,上記幅広の背面板11端部から対向方向に向けた緩傾斜の連結板14を介して,該連結板14の端部と背面板11の端部とを結ぶ同一傾斜角度に拡開傾斜した両側の傾斜側面板15とを備えて,上記断面台形状をなす中空のものとしてあり,このとき該門柱1は,正面板13及び傾斜側面板15を含めてその外周面を垂直な平坦な面をなすものとしてある。本例にあって上記連結板14は,傾斜側面板15を配置したことによって,背面板11のやや幅方向内側から正面板13の端部に向けて傾斜したものとしてあり,このときその傾斜角度は,扉体2を外側に開成したとき,その開成の設定角度と平行な傾斜面を形成するように,これを,扉体2の開閉角度と同じく95〜120度,本例にあっては100度としてある。
本例の門柱1は,その断面形状を上記台形状の中空をなすものとすることによって,そのデザインを道路側の外側が幅狭となった独自のものとするとともに,矩形中空の断面形状を有する従来の門柱と同等程度にして,門柱1として必要且つ十分な断面性能を確保することが可能となる一方,本例にあっては幅方向に対称形状のものとしたことによって,左右いずれに扉体2の吊支持を行っても,常に高度な断面性能を維持して,該吊支持を安定且つ確実に行うものとすることができる。
扉体2は,例えば,吊元框21,戸先框及び上下の横框を框組するとともに該框組内に多数の縦小桟を配置した縦格子タイプのものとしてあり,本例にあって該扉体2は,例えば上下桟間に多数の縦小桟を起立配置した仕切パネルを框組内に装着することによって,これを形成してある。
門柱1には,それぞれ上下一対のヒンジ3を介して各扉体2を吊支持してあり,このとき本例のヒンジ3は,これを,門柱1の幅広の背面に添設固定する金具ケース31,該金具ケース31に幅方向突出幅調整自在に配置したアーム33及び該アーム33の先端に配置した軸又は軸受,本例にあっては軸34を備えた調整金具3aと,吊元框21の門柱側端部の端部受座22,即ち側面板に添設固定したベース35,該ベース35の内外方向中央位置に突出した突出片36及び該突出片36の先端に配置した軸受又は軸,本例にあっては軸受37を備えて平面T字状としたヒンジ金具3bとによって形成したものとしてあり,これによって軸受金具を吊元框から門柱側に突出してヒンジ軸にヒンジ軸受を被嵌するようにして,ヒンジの軸心と内外方向中心線を同一線上に配置するとともにヒンジと吊元框の位置関係を規制して,該軸心から吊元框を離隔するように配置して,幅厚の吊元框が門柱に近接することにより該吊元框のヒンジ側端部が門柱に当る可能性を解消して,扉体の吊支持を内外双方向の開閉を行うに適したものとしてある。
調整金具3aは,上記金具ケース31,アーム33及びその先端の軸34を含めて鋳造部品としてあり,このときアーム33はその後端に上記金具ケース31に,例えば遊嵌状に配置した嵌挿部を備えるとともに金具ケースの一側壁から該嵌挿部の後端に螺入したネジ32によってその進退を行うことによって,該アーム33の上記幅方向突出幅を調整自在としてあり,また該嵌挿部は,金具ケース31から該嵌挿部に対して直交するように配置した固定ネジ(図示省略)によってその揺動を防止するようにしてある。
本例の調整金具3aは,更にその金具ケース31が上下同一位置にそれぞれ2ヶ所のネジ透孔を備え,その門柱背面に対する添設固定を,該各ネジ透孔からのネジを門柱背面の背面板部を介してその裏面に配置した裏板の雌ネジに螺入固定する上下各2ヶ所のネジ止め用としてあり,このとき上記背面板部11及び裏板16に上下各3ヶ所の透孔12及び雌ネジ17を配置し,その幅方向中央を共通使用し,幅方向左右一方を選択使用することによって金具ケース31反転の添設固定を自在としてある。これにより金具ケース31を上下に反転し且つアーム33を左右に反転してアーム33の突出方向を幅方向に逆にして門柱1に固定使用し得るように左右勝手自在のものとしてあり,従って上記左右勝手自在とした,本例の門柱1のいずれにも該調整金具3aを共通に用いて,上記上下各3ヶ所のうち幅方向任意の2ヶ所の透孔12及びネジ17を用いてそのネジ固定をなし得るようにしてある。
ヒンジ金具3bは,例えばアルミ押出材を所定長さに切断し且つボルト孔を透設加工したものとしてあり,内外方向両端に透孔を有するベース35と,該ベース35の透孔間の内外方向中央位置に起立した突出片36と,該突出片36の先端に内外方向に膨出するように配置した軸受37とを備えて上記T字状のものとしてあり,該ヒンジ金具3bは,そのベース35を,本例にあって平面矩形断面に形成した吊元框21の上記端部受座22をなす側面板に,ヒンジ3の軸心と吊元框21の内外方向中心線に一致するように対接固定してある。該対接固定は,上記調整金具3bの門柱1へのネジ止めと同様に,ベース35を吊元框21側面に突き当て状に対接し,ベース35の上記透孔から挿入したネジ38を吊元框21側面の板部を貫通して,吊元框21の裏面に配置した裏板23の雌ネジに螺入固定して,これを行うものとしてある。
このとき本例の門扉Aにあって,上記門柱1の幅広の背面に,上記調整金具3aの背面側を被覆する門柱1の全長に及ぶ背面カバー4を配置するとともに上記吊元框21の端部にその正背面側でヒンジ金具3bを被覆する吊元框21の全長に及ぶ端部カバー5を配置してあり,これによって門柱1の背面に配置した調整金具3bの露出を防止するとともに上記T字状をなすことによって吊元框21の側面から軸受37が離隔するように吊元框21に配置したヒンジ金具3bの露出を防止し,これら門柱1と吊元框21間を外観よく被覆し,例えば調整金具3aやヒンジ金具3bを外したりする如き悪戯の誘発を防止するようにしてある。またこのとき調整金具3aを被覆する背面カバー4は,これを配置することによって,扉体2の内側への開閉角度を,上記門柱1による開閉角度の外側に向けた設定角度の規制に準じてこれと同等の95〜120度,本例にあっては100度に規制するように設定してあり,門柱1に対する内外方向の開閉角度を略同じ角度に規制することによって,門扉Aにおける表裏の差異を少なくして,該表裏の区別を可及的になくしたものとしてある。
本例にあって背面カバー4は,例えば幅方向に対称形状の断面コ字状乃至U字状にして調整金具3aのアーム33位置で切欠き乃至透孔を設けて,該アーム33を扉体2側に貫通するようにしたアルミ押出材によるものとしてあり,該背面カバー4は,門柱1の背面板11の長手方向,即ち上下方向に複数,例えばS字状に形成した上下端近傍の一対のブラケット(図示省略)にネジ固定してある。該ブラケットに対する固定は,その門柱1への設置状態で背面側に突出したブラケットの垂直突片に形成した雌ネジに背面カバー4からのネジを螺入固定することによって,これを行ってある。
このとき本例の背面カバー4は,その幅方向両側面を門柱1の背面板11に対して直交する平行面とするとともに背面板11からその背面側への突出幅をヒンジ金具3bの長さと同等乃至それ以下としてあり,これによって扉体2の開閉に際して吊元框21が該背面カバー4の内側に位置して該吊元框21が背面カバー4に衝接するのを防止するとともに扉体2を内側に上記95〜120度,本例にあって100度に開成したとき,ヒンジ金具3bとの間に小間隙を介して対面するようにし,例えば設定角度を幾分超えた開成によってもヒンジ金具3bが調整金具3aに直接に衝接することのないようにしてある。
吊元框21のヒンジ金具3bを被覆する端部カバー5は,例えば,内外に複数部材,本例にあってはヒンジ金具3bの突出片36に固定する内側カバー部材51と,該内側カバー部材51及び吊元框21に,例えばスライド乃至スナップイン配置する外側カバー部材52の2部材によって形成してあり,同じく先端に調整金具3aのアーム33位置で切欠き乃至透孔を設けて,該アーム33を門柱1側に貫通するようにしたアルミ押出材によるものとしてあり,本例にあって内側カバー部材51及び外側カバー部材52は,例えば吊元框21から軸受37の外周中央位置までの内側及び外側の各片側をそれぞれ分担被覆して,その先端を軸受37の内外方向中央位置の上下で相互に突合せ状としてその被覆を行うものとしてある。
これら2部材による端部カバー5は,その一方の,本例にあって内側カバー部材51の固定片をヒンジ金具3bの突出片36にネジ53固定して,該ヒンジ金具3bに先付する一方,その固定片の幅方向両端にスナップイン係止一方の係止条を配置し,該係止条に対して,外側カバー部材52の,突出片36位置で切欠きを設けて内側に突設した一対の脚片に同じく配置したスナップイン係止他方の係止条をスナップイン係止して,上記ヒンジ金具3bに先付けした内側カバー材51に外側カバー部材52を後付するとともに,その各吊元框21側後端に形成した係合突起を,ヒンジ金具3bにおけるベース35の内外両端に形成したL字状の段部と吊元框の側面板部間に形成した受溝に係合して,内側カバー部材51及び外側カバー部材52の後端を係合保持することによって,該内側カバー部材51と外側カバー部材52の端部カバー5によってヒンジ金具3bを被覆するように配置したものとしてある。
このように背面カバー4及び端部カバー5を配置したから,上記ヒンジ金具3bを吊元框21から門柱1側に突出配置して幅広のヒンジ3を形成したことにより門柱1と吊元框21間に幅広の空隙が形成されるところ,該空隙を閉塞して門柱1と扉体2が近接した外観を呈するものとなり,該扉体2を内外双方向に押開き開成するように構成しながら,従来の門扉におけると同様に扉体2の良好な納まりを確保したものとすることができる。
図中18は門柱の上端において門柱1とともに,下端において単独で背面カバー4の開口を閉塞するように配置した端部キャップ,24は同じく吊元框21の上下端において該吊元框21とともに端部カバー5の開口を閉塞するように配置した端部キャップを示す。
図4は,他の例のヒンジ金具3bを用いてヒンジ3を形成した場合を示すもので,本例にあって該ヒンジ金具3bは,これを,吊元框21の門柱1側に向けて突出形成した突出受座22に添設固定したベース35,該ベース35の先端に配置した軸受又は軸を備えて平面倒二分又は倒四分音符状,本例にあっては該ヒンジ金具3bが軸受37を備えることによって倒二分音符状に形成したものとして,上記平面T字状のヒンジ金具と同様に軸受金具を吊元框から門柱側に突出して,ヒンジの軸心と内外方向中心線の同一線上の配置及びヒンジと吊元框の位置関係の規制を行うものとしてある。このとき該ヒンジ金具3bとヒンジ3を形成する調整金具3aは,これをアーム33先端に軸34を備えた上記例のものと同一のものを用いてある。
本例の吊元框21は,その門柱側の外側面を,上記外側カバー部材52と同様の形状をなすものとして,該外側カバー部材52を吊元框21に一体に配置するとともに側面板の内外方向中間位置から門柱側に向けて突出受座22を突出形成して,その内側を開放した同じくアルミ押出材によるものとし,該内側には内側カバー部材51を配置し,上記吊元框21に一体配置の外側カバー部材52と該内側カバー部材51の端部カバー5でヒンジ金具3bを覆うようにしてある。
本例のヒンジ金具3bは,その上記ベース35を該突出受座22の内側面に対接して,ベース35からのネジ38を該突出受座22の透孔を介してその裏面に配置した裏板23の雌ネジに螺入固定するとともにその先端に膨出するように配置した軸受37がベース35の外側に位置するように配置することによって,該吊元框21の内外方向中心線がヒンジ3の軸心と同一線上に位置するようにしてある。
一方,上記端部カバー5の内側カバー部材51は,吊元框21における側面板の内側端部と該内側カバー部材51の吊元側端部にそれぞれスナップイン係止一方及び他方の係止条を配置してこれらをスナップイン係止して,吊元框21に片持ち状に固定するとともにその先端を軸受37の外周に沿って湾曲してその先端を上記吊元框21に一体配置の外側カバー部材52の先端と重合するように配置してあり,このときこれら内側カバー部材51及び外側カバー部材52の端部カバー5は,その断面形状乃至外観を上記例におけるものと略等しくするように形成してある。その余は上記例と変らないので同一符合を付して重複する説明を省略する。
以上のように形成した門扉Aは,その扉体を内外双方向いずれも押開き開閉して出入可能となり,車椅子使用者,介助者,身体障害者,高齢者等を含めて,扉体の開閉を可及的に容易になし得て,使い勝手を良好とするとともに納まり外観の良好な内外双方向開閉自在の門扉とすることができる。
図示した例は以上のとおりとしたが,扉体の外側に向けた開閉角度95〜120度とし,内側に向けた開閉角度を該外側に向けた開閉角度以上のものとすること,門柱の片側側面を拡開傾斜して,該拡開傾斜の側面側に扉体を吊支持するようにすること,調整金具に軸受を,ヒンジ金具に軸を配置してヒンジを形成すること,このときヒンジ金具を平面倒二分音符状のものとすること,端部カバーのベース受入用の切欠き乃至透孔の周縁及びその開口を閉塞する開口カバーを配置して,切欠き乃至透孔の加工による危険を回避するとともに端部カバーの開口を塞ぐようにすること等を含めて,本発明の実施に当って,門扉,門柱,扉体,必要に応じて用いる調整金具,ヒンジ金具,背面カバー,端部カバー等の各具体的形状,構造,材質,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
A 門扉
1 門柱
11 背面板
12 ネジ透孔
13 正面板
14 連結板
15 傾斜側面板
16 裏板
17 ネジ
18 端部キャップ
2 扉体
21 吊元框
22 端部受座
23 裏板
24 端部キャップ
3 ヒンジ
3a 調整金具
3b ヒンジ金具
31 金具ケース
32 ネジ
33 アーム
34 軸
35 ベース
36 突出片
37 軸受
38 ネジ
4 背面カバー
5 端部カバー
51 内側カバー部材
52 外側カバー部材
53 ネジ
1 門柱
11 背面板
12 ネジ透孔
13 正面板
14 連結板
15 傾斜側面板
16 裏板
17 ネジ
18 端部キャップ
2 扉体
21 吊元框
22 端部受座
23 裏板
24 端部キャップ
3 ヒンジ
3a 調整金具
3b ヒンジ金具
31 金具ケース
32 ネジ
33 アーム
34 軸
35 ベース
36 突出片
37 軸受
38 ネジ
4 背面カバー
5 端部カバー
51 内側カバー部材
52 外側カバー部材
53 ネジ
Claims (6)
- ヒンジを介して門柱の背面に扉体を内外方向開閉自在に吊支持した門扉であって,上記門柱の正面を幅狭,背面を幅広の正背面異幅とするとともに少なくとも吊元側一方の側面を外側に向けて拡開傾斜して門柱断面を台形状とし且つ上記扉体の吊元框の内外方向中心線を上記ヒンジの軸心と同一線上に配置して,該扉体の外側に向けた開閉角度95〜120度,内側に向けた開閉角度を該外側に向けた開閉角度と同等以上として該扉体を内外双方向に押開き開閉自在としてなることを特徴とする内外双方向開閉自在の門扉。
- 上記門柱の幅方向両側双方の側面を拡開傾斜して,上記台形状の門柱断面を幅方向に対称形状とすることによって該門柱を左右勝手自在としてなることを特徴とする請求項1に記載の内外双方向開閉自在の門扉。
- 上記ヒンジを,門柱の幅広の背面に添設固定する金具ケース,該金具ケースに幅方向突出幅調整自在に配置したアーム及び該アームの先端に配置した軸又は軸受を備えた調整金具と,吊元框の門柱側端部の端部受座に添設固定したベース,該ベースの内外方向中央位置に突出した突出片及び該突出片の先端に配置した軸受又は軸を備えて平面T字状としたヒンジ金具とによって形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の内外双方向開閉自在の門扉。
- 上記ヒンジを,門柱の幅広の背面に添設固定する金具ケース,該金具ケースに幅方向突出幅調整自在に配置したアーム及び該アームの先端に配置した軸又は軸受を備えた調整金具と,吊元框の門柱側に向けて突出形成した突出受座に添設固定したベース,該ベースの先端に配置した軸受又は軸を備えて平面倒二分又は四分音符状としたヒンジ金具とによって形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の内外双方向開閉自在の門扉。
- 上記門柱の幅広の背面に,上記調整金具の背面側を被覆する門柱の全長に及ぶ背面カバーを配置するとともに上記吊元框の端部にその正背面側でヒンジ金具を被覆する吊元框の全長に及ぶ端部カバーを配置してなることを特徴とする請求項3又は4に記載の内外双方向開閉自在の門扉。
- 上記調整金具の金具ケースが上下同一位置にそれぞれ2ヶ所のネジ透孔を備え,その門柱背面に対する添設固定を,該各ネジ透孔からのネジを門柱背面の背面板部を介してその裏面に配置した裏板の雌ネジに螺入固定する上下各2ヶ所のネジ止め用とし且つ上記背面板部及び裏板に上下各3ヶ所の透孔及び雌ネジを配置し,その幅方向中央を共通使用し,幅方向左右一方を選択使用することによって金具ケース反転の添設固定を自在としてなることを特徴とする請求項3,4又は5に記載の内外双方向開閉自在の門扉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007220995A JP2009052323A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | 内外双方向開閉自在の門扉 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007220995A JP2009052323A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | 内外双方向開閉自在の門扉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009052323A true JP2009052323A (ja) | 2009-03-12 |
Family
ID=40503625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007220995A Pending JP2009052323A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | 内外双方向開閉自在の門扉 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009052323A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010265698A (ja) * | 2009-05-15 | 2010-11-25 | Toyo Exterior Co Ltd | 内外双方向開閉自在の門扉 |
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CN114016861A (zh) * | 2021-09-18 | 2022-02-08 | 特斯联科技集团有限公司 | 写字楼智能安防门 |
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-
2007
- 2007-08-28 JP JP2007220995A patent/JP2009052323A/ja active Pending
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