JPH06158863A - コンクリート造架構の構築方法 - Google Patents

コンクリート造架構の構築方法

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JPH06158863A
JPH06158863A JP31007492A JP31007492A JPH06158863A JP H06158863 A JPH06158863 A JP H06158863A JP 31007492 A JP31007492 A JP 31007492A JP 31007492 A JP31007492 A JP 31007492A JP H06158863 A JPH06158863 A JP H06158863A
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Tomoyasu Kato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート造構造物の無支保工化と省力化
を図ると同時に、高層化に対応する。 【構成】 内部にコンクリートが充填される鋼管柱1
と、下端主筋21とスターラップ23の一部が埋設されて中
空,または中実断面形状に製作されたプレキャストコン
クリート製の梁部材2とから、もしくは鋼管柱1と、下
端主筋21と上端主筋22及びスターラップ23が埋設されて
中実断面形状に製作されたプレキャストコンクリート製
の梁部材2とからコンクリート造の架構を構築する方法
であり、柱及び梁の型枠を不要にし、現場での配筋量を
削減することにより無支保工化と省力化を図り、柱を鋼
管コンクリート造にし、その耐力を高めることにより高
層化に対応するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はプレキャストコンクリ
ート製の梁部材を用いて柱・梁の架構を構築する、コン
クリート造架構の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】コンクリ
ート造構造物の無支保工化と省力化を図る方法として出
願人はこれまで、柱を鋼管コンクリート造、梁をU形鋼
板を用いた鉄筋コンクリート造で構成する方法と、柱及
び梁を主筋を内蔵した中空断面形状のプレキャストコン
クリートで製作し、両プレキャストコンクリート部材を
組み立てて構成する方法を提案しており、前者は鋼管に
よってコンクリートが拘束されることにより柱の耐力が
高く、後者は柱及び梁の鉄筋の多くがプレキャスト部材
中に埋設されていることにより配筋の手間が大幅に削減
される等の特徴を持っている。
【0003】この発明は上記従来方法を基礎にしてなさ
れたもので、それぞれの利点を生かし、無支保工化や省
力化と同時に、建物の高層化を図る方法を提案しようと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では内部にコンク
リートが充填される鋼管柱と、下端主筋とスターラップ
が埋設された中空,または中実断面形状の、もしくは下
端主筋と上端主筋及びスターラップが埋設された中実断
面形状のプレキャストコンクリート製の梁部材とから架
構を構成することにより無支保工化や省力化に加え、高
層化への対応を図る。
【0005】前者の場合、プレキャストコンクリート内
に下端主筋とスターラップの一部が埋設され、下端主筋
が端面から突出し、スターラップの上部が天端から突出
する。この場合、鋼管柱を貫通し、そのフランジから梁
側へ突出した下端連結鉄筋に下端主筋が接続され、上端
主筋は鋼管柱を貫通し、鋼管柱を挟んで対向する梁部材
間に配筋され、梁部材の中間部位置でこれに連続する上
端主筋に接続される。
【0006】両主筋の配筋後、梁部材内部及び鋼管柱回
りの接合部と鋼管柱内部にコンクリートが打設される。
【0007】後者の場合は下端主筋と上端主筋が端面か
ら突出し、それぞれ鋼管柱を貫通し、フランジから梁側
へ突出した下端連結鉄筋と上端連結鉄筋に接続され、そ
の後に接合部と鋼管柱内部にコンクリートが打設され
る。
【0008】架構が鋼管柱とプレキャストコンクリート
製の梁部材から組み立てられることにより柱と梁の型枠
が不要となり、また梁鉄筋の多くが梁部材中に埋設され
ることにより現場での配筋量が削減され、無支保工化と
省力化が図られる。加えて柱が鋼管コンクリート造であ
ることによりその耐力が高まり、構造物の高層化に対応
する。
【0009】
【実施例】以下本発明を一実施例を示す図面に基づいて
説明する。
【0010】まず請求項1記載の発明を図1〜図5によ
り説明する。
【0011】この発明は内部にコンクリートが充填され
る鋼管柱1と、下端主筋21とスターラップ23の一部が埋
設され、中空,または中実断面形状に製作されたプレキ
ャストコンクリート製の梁部材2とから図10に示すよう
な柱・梁の架構を構築する方法である。
【0012】梁部材2は図3に示すようにプレキャスト
コンクリート20中に下端主筋21とスターラップ23が埋設
されてU形断面形状に、もしくは図4に示すように中実
の断面形状に製作される。スターラップ23の上部はスラ
ブコンクリートとの一体化のためプレキャストコンクリ
ート20の天端から上方へ突出し、下端主筋21は図1に示
すようにプレキャストコンクリート20の端面から柱側へ
突出する。
【0013】鋼管柱1のフランジ10の、梁の下端主筋21
と上端主筋22の位置には図2に示すように貫通孔11が明
けられ、下側の貫通孔11,11間には両端がフランジ10,
10から突出する下端連結鉄筋3が鋼管柱1を貫通して配
筋される。鋼管柱1の接合部位置の上下にはフランジ10
の面外剛性を補うリングスチフナ4,4が突設され、両
リングスチフナ4,4間には貫通孔11回りを補強し、梁
からのせん断力を鋼管柱1に伝達する、図1に示すよう
な縞付き鋼板等の補強鋼板5が重ね合わせられる。この
補強鋼板5の各貫通孔11の位置にも貫通孔51が明けられ
る。
【0014】梁部材2は図1,図2に示すように端面が
鋼管柱1のフランジ10から距離を隔てて架設され、フラ
ンジ10と補強鋼板5を貫通した下端連結鉄筋3に下端主
筋21が接続される。下端主筋21と下端連結鉄筋3との接
続はカプラー6を用いたねじ継手によって行われる。
【0015】上端主筋22は鋼管柱1を貫通し、鋼管柱1
を挟んで対向する梁部材2,2間に一方の梁部材2の中
間部位置から他方の梁部材2の中間部位置まで配筋さ
れ、これに連続する上端主筋22にカプラー6によって接
続される。
【0016】下端主筋21と上端主筋22の接続後、梁部材
2の端部から突出する下端主筋21と上端主筋22回りにス
ターラップ23が配筋され、鋼管柱1回りに接合部型枠が
設置されて梁部材2内部と接合部にコンクリートが打設
される。このとき並列する梁部材2,2間に図9に示す
ように型枠兼用床版等の床型枠7が架設され、スラブの
コンクリートも同時に打設される。鋼管柱1内部には必
要な柱の耐力に応じて強度の異なるコンクリートが分離
打設される。
【0017】図5は鋼管柱1を挟んだ梁部材2,2間に
下端主筋21と上端主筋22を共に二段に配筋し、梁間の引
張力の伝達効果を高めた場合の実施例を示したものであ
る。
【0018】この実施例で付加された上側の下端主筋21
と下側の上端主筋22は共に上側の上端主筋22と同様に鋼
管柱1を貫通して配筋され、各梁部材2,2内への必要
な定着長が確保されて切断される。
【0019】次に請求項2記載の発明を図6〜図9によ
り説明する。
【0020】この発明は鋼管柱1と、中実断面形状にプ
レキャスト化された梁部材2とから架構を構築する方法
である。
【0021】梁部材2は図8に示すようにプレキャスト
コンクリート20中に下端主筋21と上端主筋22及びスター
ラップ23が埋設されて製作される。スターラップ23はプ
レキャストコンクリート20内に完全に埋設され、下端主
筋21と上端主筋22の端部が図6,図7に示すようにプレ
キャストコンクリート20の端面から突出する。この発明
ではスターラップ23がプレキャストコンクリート20内に
完全に埋設されることから、プレキャストコンクリート
20内にはその天端から突出し、スラブコンクリートとの
一体性を確保するためのかんざし筋9が埋設される。
【0022】またこの発明では下端主筋21と上端主筋22
が共に梁部材2内に埋設されて配筋されることから、鋼
管柱1の、下端主筋21と上端主筋22の位置に両端がフラ
ンジ10,10から突出する下端連結鉄筋3と上端連結鉄筋
8が貫通して配筋され、それぞれ下端主筋21と上端主筋
22にカプラー6によって接続される。
【0023】下端主筋21と上端主筋22の接続後、前記発
明と同様に梁部材2から突出した下端主筋21と上端主筋
22回りにスターラップ23が配筋され、鋼管柱1回りに接
合部型枠が設置されて梁部材2内部と接合部にコンクリ
ートが打設される。このとき図9に示すように梁部材
2,2間に床型枠7が架設され、スラブのコンクリート
も打設される。鋼管柱1内部には別途、コンクリートが
打設される。
【0024】スラブ筋12は梁部材2の天端から突出する
かんざし筋9の下側に配筋され、またこのかんざし筋9
によって床型枠7の位置決めが行われる。
【0025】
【発明の効果】この発明は以上の通りであり、内部にコ
ンクリートが充填される鋼管柱と、下端主筋とスターラ
ップの一部が埋設された中空,または中実断面形状の、
もしくは下端主筋と上端主筋及びスターラップが埋設さ
れた中実断面形状のプレキャストコンクリート製の梁部
材とから架構を構成するものであるため柱と梁の型枠が
不要で、現場での配筋量が削減されると同時に、柱の耐
力が高められ、無支保工化や省力化が図られることに加
え、構造物の高層化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載発明の実施例を示した立面図であ
る。
【図2】図1の平面図である。
【図3】梁部材の製作例を示した断面図である。
【図4】梁部材の他の製作例を示した断面図である。
【図5】図1の他の実施例を示した立面図である。
【図6】請求項2記載発明の実施例を示した立面図であ
る。
【図7】図6の平面図である。
【図8】梁部材の製作例を示した断面図である。
【図9】梁部材上への床型枠の設置と配筋状態を示した
断面図である。
【図10】柱・梁の架構を示した立面図である。
【符号の説明】
1……鋼管柱、10……フランジ、11……貫通孔、2……
梁部材、20……プレキャストコンクリート、21……下端
主筋、22……上端主筋、23……スターラップ、3……下
端連結鉄筋、4……リングスチフナ、5……補強鋼板、
51……貫通孔、6……カプラー、7……床型枠、8……
上端連結鉄筋、9……かんざし筋、12……スラブ筋。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にコンクリートが充填される鋼管柱
    と、下端主筋とスターラップの一部が埋設され、下端主
    筋が端面から突出し、スターラップの上部が天端から突
    出して中空断面形状,もしくは中実断面形状に製作され
    たプレキャストコンクリート製の梁部材とから柱・梁の
    架構を構築する方法であり、鋼管柱間に梁部材を架設し
    た後、鋼管柱を貫通し、そのフランジから梁側へ突出し
    た下端連結鉄筋に下端主筋を接続するとともに、上端主
    筋を鋼管柱を貫通させ、鋼管柱を挟んで対向する梁部材
    間に配筋し、この上端主筋を梁部材の中間部位置でこれ
    に連続する上端主筋に接続した後、梁部材内部及び鋼管
    柱回りの接合部と鋼管柱内部にコンクリートを打設して
    1層分の架構を構築するコンクリート造架構の構築方
    法。
  2. 【請求項2】 内部にコンクリートが充填される鋼管柱
    と、下端主筋と上端主筋及びスターラップが埋設され、
    下端主筋と上端主筋が端面から突出して中実断面形状に
    製作されたプレキャストコンクリート製の梁部材とから
    柱・梁の架構を構築する方法であり、鋼管柱間に梁部材
    を架設した後、鋼管柱を貫通し、そのフランジから梁側
    へ突出した下端連結鉄筋と上端連結鉄筋にそれぞれ下端
    主筋と上端主筋を接続した後、鋼管柱回りの接合部と鋼
    管柱内部にコンクリートを打設して1層分の架構を構築
    するコンクリート造架構の構築方法。
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