JP3122739B2 - プレキャストのｒｃ柱とプレキャストのｒｃ梁とからなる架構 - Google Patents
プレキャストのｒｃ柱とプレキャストのｒｃ梁とからなる架構Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、プレキャストの鉄筋
コンクリート造（この明細書ではＲＣという）の柱とプ
レキャストのＲＣ梁とからなる架構に関する。
コンクリート造（この明細書ではＲＣという）の柱とプ
レキャストのＲＣ梁とからなる架構に関する。
【０００２】
【従来の技術】ＲＣ柱とプレキャストのＲＣ梁とからな
る架構の建築方法には、たとえば、次の（ａ）、（ｂ）
および（ｃ）のもの等がある。 （ａ）図１３および１４に示すように、柱型体１ｃはＲ
Ｃの角筒体で構成され、ＲＣ梁２は下梁主筋２ａと肋筋
とで補強され、肋筋の上方の部分２ｃが上方に突出し、
ＲＣ梁２の端部から突出する下梁主筋２ａの端部を曲
げ、Ｌ字形の連結部２ａ１が形成されている。複数の柱
形成位置に柱主筋１ａを建て、柱主筋１ａの周囲に帯筋
１ｂを配筋し、柱鉄筋１ａ、帯筋１ｂの周囲に柱型体１
ｃを建て、ＲＣ梁２の端部を柱型体１ａの上に載せ、各
ＲＣ梁２の下梁主筋２ａのＬ字状の連結部２ａ１を互い
に重ね、ＲＣ梁２の肋筋の突出部２ｃの角部の内側に上
梁主筋２ｂを通し、ＲＣ柱型体１ｃの内部、ＲＣ梁２の
端部で囲まれる空間内、及びＲＣ梁２の上側にコンクリ
ートを打設して、ＲＣ柱とプレキャストのＲＣ梁とから
なる架構を構築するもの。 （ｂ）図１５に示すように、プレキャストのＲＣ柱１は
柱主筋１ａ及び帯筋で補強され、ＲＣ柱１の柱主筋１ａ
の下端を連結スリーブ３に通し、この連結スリーブ３を
ＲＣ柱１の下端部に埋め込み、ＲＣ柱１の柱主筋１ａの
上部をＲＣ柱１のコンクリート部分の上面から上方に突
出させて連結部１ａ１とし、ＲＣ梁２は下梁主筋２ａと
肋筋とで補強し、肋筋の上部を上方に突出させて突出部
２ｃとし、ＲＣ梁２の端部から突出する下梁主筋２ａの
端部を曲げてＬ字状の連結部２ａ１とし、ＲＣ梁２の端
部に凹部２ｄを形成する。複数の柱形成位置にＲＣ柱１
を建て、ＲＣ梁１の端部をＲＣ柱１の上に載せ、各ＲＣ
梁２の下梁主筋２ａのＬ字状の連結部２ａ１を互いに重
ね、ＲＣ梁２の端部で囲まれる空間内に位置する柱主筋
１ａの連結部１ａ１の周囲に帯筋１ｂを配筋し、ＲＣ梁
２の肋筋の突出部２ｃの角部の内側に上梁主筋２ｂを通
し、ＲＣ柱１のコンクリート部分の上方のＲＣ梁２の端
部で囲まれる空間内及びＲＣ梁２の上側にコンクリート
を打設して、プレキャストのＲＣ柱１、プレキャストの
ＲＣ梁２等からなる架構を構築するもの。
る架構の建築方法には、たとえば、次の（ａ）、（ｂ）
および（ｃ）のもの等がある。 （ａ）図１３および１４に示すように、柱型体１ｃはＲ
Ｃの角筒体で構成され、ＲＣ梁２は下梁主筋２ａと肋筋
とで補強され、肋筋の上方の部分２ｃが上方に突出し、
ＲＣ梁２の端部から突出する下梁主筋２ａの端部を曲
げ、Ｌ字形の連結部２ａ１が形成されている。複数の柱
形成位置に柱主筋１ａを建て、柱主筋１ａの周囲に帯筋
１ｂを配筋し、柱鉄筋１ａ、帯筋１ｂの周囲に柱型体１
ｃを建て、ＲＣ梁２の端部を柱型体１ａの上に載せ、各
ＲＣ梁２の下梁主筋２ａのＬ字状の連結部２ａ１を互い
に重ね、ＲＣ梁２の肋筋の突出部２ｃの角部の内側に上
梁主筋２ｂを通し、ＲＣ柱型体１ｃの内部、ＲＣ梁２の
端部で囲まれる空間内、及びＲＣ梁２の上側にコンクリ
ートを打設して、ＲＣ柱とプレキャストのＲＣ梁とから
なる架構を構築するもの。 （ｂ）図１５に示すように、プレキャストのＲＣ柱１は
柱主筋１ａ及び帯筋で補強され、ＲＣ柱１の柱主筋１ａ
の下端を連結スリーブ３に通し、この連結スリーブ３を
ＲＣ柱１の下端部に埋め込み、ＲＣ柱１の柱主筋１ａの
上部をＲＣ柱１のコンクリート部分の上面から上方に突
出させて連結部１ａ１とし、ＲＣ梁２は下梁主筋２ａと
肋筋とで補強し、肋筋の上部を上方に突出させて突出部
２ｃとし、ＲＣ梁２の端部から突出する下梁主筋２ａの
端部を曲げてＬ字状の連結部２ａ１とし、ＲＣ梁２の端
部に凹部２ｄを形成する。複数の柱形成位置にＲＣ柱１
を建て、ＲＣ梁１の端部をＲＣ柱１の上に載せ、各ＲＣ
梁２の下梁主筋２ａのＬ字状の連結部２ａ１を互いに重
ね、ＲＣ梁２の端部で囲まれる空間内に位置する柱主筋
１ａの連結部１ａ１の周囲に帯筋１ｂを配筋し、ＲＣ梁
２の肋筋の突出部２ｃの角部の内側に上梁主筋２ｂを通
し、ＲＣ柱１のコンクリート部分の上方のＲＣ梁２の端
部で囲まれる空間内及びＲＣ梁２の上側にコンクリート
を打設して、プレキャストのＲＣ柱１、プレキャストの
ＲＣ梁２等からなる架構を構築するもの。
【０００３】（ｃ）図１６に示すように、プレキャスト
のＲＣ柱１は柱主筋１ａおよび帯筋で補強され、その上
端にキャピタル１ｄを備えており、その柱主筋１ａの下
端に嵌めた連結スリーブ３をＲＣ柱１の下端部に埋め込
み、ＲＣ柱１の柱主筋１ａの上部を柱１の上面から上方
に突出させて連結部１ａ１とし、ＲＣ梁２は下梁主筋２
ａ及び肋筋で補強し、肋筋の上方の部分を上方に突出さ
せて突出部２ｃとし、ＲＣ梁２の下梁主筋２ａの端部か
ら突出する部分を曲げてＵ字状の連結部２ａ１とし、Ｒ
Ｃ梁２の端部の上側に凸部２ｄを形成する。複数の柱形
成位置にＲＣ柱１を建て、ＲＣ梁１の端部をＲＣ柱１の
キャピタル１ｄの上側に載せ、各ＲＣ梁２の下梁主筋２
ａのＵ字状の連結部２ａ１のある部分を互いに重ね、Ｒ
Ｃ柱１の上側のＲＣ梁２の端部で囲まれる空間内に位置
する柱主筋１ａの連結部１ａ１の周囲に帯筋１ｂを配筋
し、ＲＣ梁２の肋筋の突出部２ｃの角部の内側に上梁主
筋２ｂを通し、前記空間内の下梁主筋１ａの連結鉄部２
ａ１とこれに対向する上梁主筋２ｂの周囲に肋筋２ｅを
配筋し、ＲＣ柱１のコンクリート部分の上方のＲＣ梁２
の端部で囲まれる空間内及びＲＣ梁２の上側にコンクリ
ートを打設して、プレキャストのＲＣ柱１、プレキャス
トのＲＣ梁２等とからなる架構を構築するもの。
のＲＣ柱１は柱主筋１ａおよび帯筋で補強され、その上
端にキャピタル１ｄを備えており、その柱主筋１ａの下
端に嵌めた連結スリーブ３をＲＣ柱１の下端部に埋め込
み、ＲＣ柱１の柱主筋１ａの上部を柱１の上面から上方
に突出させて連結部１ａ１とし、ＲＣ梁２は下梁主筋２
ａ及び肋筋で補強し、肋筋の上方の部分を上方に突出さ
せて突出部２ｃとし、ＲＣ梁２の下梁主筋２ａの端部か
ら突出する部分を曲げてＵ字状の連結部２ａ１とし、Ｒ
Ｃ梁２の端部の上側に凸部２ｄを形成する。複数の柱形
成位置にＲＣ柱１を建て、ＲＣ梁１の端部をＲＣ柱１の
キャピタル１ｄの上側に載せ、各ＲＣ梁２の下梁主筋２
ａのＵ字状の連結部２ａ１のある部分を互いに重ね、Ｒ
Ｃ柱１の上側のＲＣ梁２の端部で囲まれる空間内に位置
する柱主筋１ａの連結部１ａ１の周囲に帯筋１ｂを配筋
し、ＲＣ梁２の肋筋の突出部２ｃの角部の内側に上梁主
筋２ｂを通し、前記空間内の下梁主筋１ａの連結鉄部２
ａ１とこれに対向する上梁主筋２ｂの周囲に肋筋２ｅを
配筋し、ＲＣ柱１のコンクリート部分の上方のＲＣ梁２
の端部で囲まれる空間内及びＲＣ梁２の上側にコンクリ
ートを打設して、プレキャストのＲＣ柱１、プレキャス
トのＲＣ梁２等とからなる架構を構築するもの。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上述の（ａ）ないし
（ｃ）の方法においては、高変形能を確保するため、曲
げ降伏しない部材の中央部、或いは柱・梁接合部で柱、
梁等のプレキャスト部材の接合を行っている。そのた
め、柱・梁接合部に柱及び梁の鉄筋が集まり、配筋作業
等が難しくなり、かつ施工性が悪くなっている。また、
梁の端部の構成、柱の上端の部分の構成、定着のための
鉄筋の構成等に複雑な工夫が必要で、柱及び梁が高価な
ものになり、且つ現場での柱と梁の接合作業の施工性が
悪い欠点がある。さらに、柱と梁とを現場打ちのコンク
リートで接合するため、それらの接合が湿式接合に限定
され、エネルギー吸収能力も小さい欠点がある。この発
明の解決しようとする課題は、上記の（ａ）ないし
（ｃ）等の従来技術の欠点を有しないプレキャストのＲ
Ｃ柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構を提供する
こと、換言すると、ＲＣ柱およびＲＣ梁の製作が容易
で、ＲＣ柱とＲＣ梁との接合作業が容易で、高い変形性
能及びエネルギー吸収能力を備えたプレキャストのＲＣ
柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構を提供するこ
とにある。
（ｃ）の方法においては、高変形能を確保するため、曲
げ降伏しない部材の中央部、或いは柱・梁接合部で柱、
梁等のプレキャスト部材の接合を行っている。そのた
め、柱・梁接合部に柱及び梁の鉄筋が集まり、配筋作業
等が難しくなり、かつ施工性が悪くなっている。また、
梁の端部の構成、柱の上端の部分の構成、定着のための
鉄筋の構成等に複雑な工夫が必要で、柱及び梁が高価な
ものになり、且つ現場での柱と梁の接合作業の施工性が
悪い欠点がある。さらに、柱と梁とを現場打ちのコンク
リートで接合するため、それらの接合が湿式接合に限定
され、エネルギー吸収能力も小さい欠点がある。この発
明の解決しようとする課題は、上記の（ａ）ないし
（ｃ）等の従来技術の欠点を有しないプレキャストのＲ
Ｃ柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構を提供する
こと、換言すると、ＲＣ柱およびＲＣ梁の製作が容易
で、ＲＣ柱とＲＣ梁との接合作業が容易で、高い変形性
能及びエネルギー吸収能力を備えたプレキャストのＲＣ
柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構を提供するこ
とにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】プレキャストのＲＣ柱１
１とプレキャストのＲＣ梁１２とからなる架構１０にお
いて、地震時に曲げ降伏する部分は、図１に示すよう
に、梁１２の端部であり、また、プレキャストのＲＣ柱
及びＲＣ梁を製作する上では、それらを単部材として製
作するのが簡便であり、ＲＣ柱及びＲＣ梁を単部材とす
れば、鉄骨造の架構と同様に、現場での組み立てが容易
になる。そのためには、ＲＣ柱１１の上方の部分でな
く、図２に示すように、ＲＣ柱１１の側方の部分で連結
金物１３等を介してＲＣ梁１２を接合する必要がある。
この発明のプレキャストのＲＣ柱とプレキャストのＲＣ
梁とからなる架構は、ＲＣ梁が多数本の梁主筋等を埋設
してプレキャストにより製作され、前記各梁主筋の端部
がＲＣ梁のコンクリート部分の長手方向の端面から突出
するようにされ、ＲＣ柱が多数本の柱主筋、前記梁主筋
と同じ鉄筋の多数本の接合用梁主筋等を埋設してプレキ
ャストにより製作され、前記各接合用梁主筋がＲＣ柱を
建てたときに水平になるように配置されてＲＣ柱の梁接
合部のコンクリート部分の前記ＲＣ梁の各梁主筋の端部
に対応する各位置の側面からそれぞれ突出するようにさ
れ、連結金物が純鉄製の棒状体として製作され、複数の
柱設置位置にそれぞれＲＣ柱が建てられ、各ＲＣ柱の側
方の接合部の各接合用梁主筋の端部とＲＣ梁の端部の接
合部の梁主筋の端部とが対向するようにＲＣ梁が配置さ
れ、ＲＣ柱の側方の接合部の側面から突出した各接合用
梁主筋の端部に連結金物を構成する純鉄製の棒状体の一
方の端部分がそれぞれ適宜の固着手段にて固着され、各
純鉄製の棒状体の他方の端部分がＲＣ梁の柱接合部の端
面から突出した梁主筋の端部にそれぞれ適宜の固着手段
にて固着され、各梁主筋の端部、各接合用梁主筋の端部
及び連結金物を構成する純鉄製の棒状体のまわりに現場
打ちのコンクリート層が形成され、ＲＣ柱とＲＣ梁との
接合部が、地震力等が作用した場合の前記純鉄製の棒状
体の高い変形性能及び高いエネルギー吸収能力によるエ
ネルギー吸収機能を有していることを特徴とするもので
ある。上記の発明のように、梁主筋を埋込金物とする
と、その構成が簡単になる。純鉄製の連結金物は、棒状
体で構成し、その長手方向の中心に梁主筋の端部を嵌挿
する貫通孔又は盲孔を形成する。なお、上記固着手段と
しては、例えば、螺合、溶接、圧着、接着等の手段が使
用できる。
１とプレキャストのＲＣ梁１２とからなる架構１０にお
いて、地震時に曲げ降伏する部分は、図１に示すよう
に、梁１２の端部であり、また、プレキャストのＲＣ柱
及びＲＣ梁を製作する上では、それらを単部材として製
作するのが簡便であり、ＲＣ柱及びＲＣ梁を単部材とす
れば、鉄骨造の架構と同様に、現場での組み立てが容易
になる。そのためには、ＲＣ柱１１の上方の部分でな
く、図２に示すように、ＲＣ柱１１の側方の部分で連結
金物１３等を介してＲＣ梁１２を接合する必要がある。
この発明のプレキャストのＲＣ柱とプレキャストのＲＣ
梁とからなる架構は、ＲＣ梁が多数本の梁主筋等を埋設
してプレキャストにより製作され、前記各梁主筋の端部
がＲＣ梁のコンクリート部分の長手方向の端面から突出
するようにされ、ＲＣ柱が多数本の柱主筋、前記梁主筋
と同じ鉄筋の多数本の接合用梁主筋等を埋設してプレキ
ャストにより製作され、前記各接合用梁主筋がＲＣ柱を
建てたときに水平になるように配置されてＲＣ柱の梁接
合部のコンクリート部分の前記ＲＣ梁の各梁主筋の端部
に対応する各位置の側面からそれぞれ突出するようにさ
れ、連結金物が純鉄製の棒状体として製作され、複数の
柱設置位置にそれぞれＲＣ柱が建てられ、各ＲＣ柱の側
方の接合部の各接合用梁主筋の端部とＲＣ梁の端部の接
合部の梁主筋の端部とが対向するようにＲＣ梁が配置さ
れ、ＲＣ柱の側方の接合部の側面から突出した各接合用
梁主筋の端部に連結金物を構成する純鉄製の棒状体の一
方の端部分がそれぞれ適宜の固着手段にて固着され、各
純鉄製の棒状体の他方の端部分がＲＣ梁の柱接合部の端
面から突出した梁主筋の端部にそれぞれ適宜の固着手段
にて固着され、各梁主筋の端部、各接合用梁主筋の端部
及び連結金物を構成する純鉄製の棒状体のまわりに現場
打ちのコンクリート層が形成され、ＲＣ柱とＲＣ梁との
接合部が、地震力等が作用した場合の前記純鉄製の棒状
体の高い変形性能及び高いエネルギー吸収能力によるエ
ネルギー吸収機能を有していることを特徴とするもので
ある。上記の発明のように、梁主筋を埋込金物とする
と、その構成が簡単になる。純鉄製の連結金物は、棒状
体で構成し、その長手方向の中心に梁主筋の端部を嵌挿
する貫通孔又は盲孔を形成する。なお、上記固着手段と
しては、例えば、螺合、溶接、圧着、接着等の手段が使
用できる。
【０００６】また、この発明の他の形態であるプレキャ
ストのＲＣ柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構
は、連結金物は純鉄製の短いＨ形断面の部材で構成さ
れ、そのウェブの一方の側の部分が切除された形状にさ
れ、切除された側のウェブの端縁に定着金物が溶接等に
より固着され、そのウェブの部分に多数のボルト孔が穿
設されており、ＲＣ梁はその長手方向の端部に少なくと
も前記連結金物のウェブが切除された部分のフランジ部
及び定着金物を埋設してプレキャストにより製作され、
ＲＣ短梁部のあるＲＣ柱はそのＲＣ短梁部の梁接合部に
少なくとも前記連結金物のウェブが切除された部分のフ
ランジ部及び定着用金物を埋設してプレキャストにより
製作され、複数の柱設置位置にそれぞれＲＣ柱が建てら
れ、各ＲＣ柱のＲＣ短梁部の端面から突出する連結金物
とＲＣ梁の端部の端面から突出する連結金物とが対向す
るように配置され、対向する連結金物のウェブ部が添え
板とボルト・ナットとを使ってボルト接合され、かつ対
向する連結金物のフランジ部が互いに溶接等により接合
されていることを特徴とするものである。必要に応じ
て、各連結金物及び添え板の周囲を耐火材で覆う。連結
金物を構成する純鉄（ＥＦＥ鋼）として、降伏点が１２
００Ｋｇ／ｃｍ２程度、引張強度が２２００Ｋｇ／ｃｍ
２程度、最終伸びが５０％以上で、圧縮・引張の塑性性
状が安定しているものを使用する。そうすると、接合部
にエネルギー吸収能力を付与することができる。
ストのＲＣ柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構
は、連結金物は純鉄製の短いＨ形断面の部材で構成さ
れ、そのウェブの一方の側の部分が切除された形状にさ
れ、切除された側のウェブの端縁に定着金物が溶接等に
より固着され、そのウェブの部分に多数のボルト孔が穿
設されており、ＲＣ梁はその長手方向の端部に少なくと
も前記連結金物のウェブが切除された部分のフランジ部
及び定着金物を埋設してプレキャストにより製作され、
ＲＣ短梁部のあるＲＣ柱はそのＲＣ短梁部の梁接合部に
少なくとも前記連結金物のウェブが切除された部分のフ
ランジ部及び定着用金物を埋設してプレキャストにより
製作され、複数の柱設置位置にそれぞれＲＣ柱が建てら
れ、各ＲＣ柱のＲＣ短梁部の端面から突出する連結金物
とＲＣ梁の端部の端面から突出する連結金物とが対向す
るように配置され、対向する連結金物のウェブ部が添え
板とボルト・ナットとを使ってボルト接合され、かつ対
向する連結金物のフランジ部が互いに溶接等により接合
されていることを特徴とするものである。必要に応じ
て、各連結金物及び添え板の周囲を耐火材で覆う。連結
金物を構成する純鉄（ＥＦＥ鋼）として、降伏点が１２
００Ｋｇ／ｃｍ２程度、引張強度が２２００Ｋｇ／ｃｍ
２程度、最終伸びが５０％以上で、圧縮・引張の塑性性
状が安定しているものを使用する。そうすると、接合部
にエネルギー吸収能力を付与することができる。
【０００７】
【実施例】実施例１は、図３ないし図５に示され、ＲＣ
柱１１とＲＣ梁１２とを連結金物１３を介して連結し、
連結金物１３等の周囲にコンクリートを打設する例であ
る。ＲＣ柱１１は、横断面形状が四角形、円形等で、そ
の所定位置に柱主筋１１ａ、帯筋等が配され、その梁接
合位置にＲＣ梁１２の下側及び上側の梁主筋１２ａに対
応させて接合用梁主筋１２ｂが配され、その長さが少な
くとも階高寸法以上の長さになるように、プレキャスト
して製作されている。接合用梁主筋１２ｂは、梁主筋１
２ａと同じ鉄筋を所定長さに切断して造られ、柱１１を
建てた際に水平になるように配され、その両端の部分１
２ｂ１は柱１１のコンクリートＣ部分の周面から所定長
さだけ突出させてある。なお、ＲＣ柱１１の上端部及び
下端部には柱と柱とを連結する連結手段が設けられてい
る。この連結手段としては、例えば、ＲＣ柱１１の柱主
筋１１ａの下端を図示されていない連結スリーブに通
し、この連結スリーブをＲＣ柱１１の下端部に埋め込
み、且つＲＣ柱１１の柱主筋１１ａの上部をＲＣ柱１１
のコンクリート部分の上面から上方に突出させて連結鉄
筋とするものを使用する。ＲＣ梁１２は、横断面形状が
矩形で、その所定位置に下側及び上側の梁主筋１２ａ並
びに肋筋等が配され、その長さが柱と柱の間の寸法より
も短くなるように、プレキャストして製作されている。
梁主筋１２ａの端部１２ａ１はコンクリートＣ部分の端
面から所定長さだけ突出させてある。連結金物１３は、
降伏点が１２００Ｋｇ／ｃｍ２程度、引張強度が２２０
０Ｋｇ／ｃｍ２程度、最終伸びが５０％以上で、圧縮・
引張の塑性性状が安定している純鉄（ＥＦＥ鋼）で、梁
主筋１２ａ、１２ｂの横断面積の２倍以上の横断面積の
棒状体で構成し、その両側の部分に梁主筋１２ａ、１２
ｂの端部１２ａ１、１２ｂ１を嵌挿する貫通孔又は盲孔
１３ａが形成されている。
柱１１とＲＣ梁１２とを連結金物１３を介して連結し、
連結金物１３等の周囲にコンクリートを打設する例であ
る。ＲＣ柱１１は、横断面形状が四角形、円形等で、そ
の所定位置に柱主筋１１ａ、帯筋等が配され、その梁接
合位置にＲＣ梁１２の下側及び上側の梁主筋１２ａに対
応させて接合用梁主筋１２ｂが配され、その長さが少な
くとも階高寸法以上の長さになるように、プレキャスト
して製作されている。接合用梁主筋１２ｂは、梁主筋１
２ａと同じ鉄筋を所定長さに切断して造られ、柱１１を
建てた際に水平になるように配され、その両端の部分１
２ｂ１は柱１１のコンクリートＣ部分の周面から所定長
さだけ突出させてある。なお、ＲＣ柱１１の上端部及び
下端部には柱と柱とを連結する連結手段が設けられてい
る。この連結手段としては、例えば、ＲＣ柱１１の柱主
筋１１ａの下端を図示されていない連結スリーブに通
し、この連結スリーブをＲＣ柱１１の下端部に埋め込
み、且つＲＣ柱１１の柱主筋１１ａの上部をＲＣ柱１１
のコンクリート部分の上面から上方に突出させて連結鉄
筋とするものを使用する。ＲＣ梁１２は、横断面形状が
矩形で、その所定位置に下側及び上側の梁主筋１２ａ並
びに肋筋等が配され、その長さが柱と柱の間の寸法より
も短くなるように、プレキャストして製作されている。
梁主筋１２ａの端部１２ａ１はコンクリートＣ部分の端
面から所定長さだけ突出させてある。連結金物１３は、
降伏点が１２００Ｋｇ／ｃｍ２程度、引張強度が２２０
０Ｋｇ／ｃｍ２程度、最終伸びが５０％以上で、圧縮・
引張の塑性性状が安定している純鉄（ＥＦＥ鋼）で、梁
主筋１２ａ、１２ｂの横断面積の２倍以上の横断面積の
棒状体で構成し、その両側の部分に梁主筋１２ａ、１２
ｂの端部１２ａ１、１２ｂ１を嵌挿する貫通孔又は盲孔
１３ａが形成されている。
【０００８】複数の柱設置位置にそれぞれＲＣ柱１１を
建て、図４に示すように、ＲＣ梁１２を適宜の揚重装置
５を使って吊り揚げ、所定位置に吊り揚げたＲＣ梁１２
を適宜の支保工６で支持し、純鉄製の棒状体からなる連
結金物１３の一方の側の盲孔１３ａをＲＣ柱１１の柱に
通した接合用梁主筋の端部１２ｂ１に嵌め、連結金物１
３の他方の側の盲孔１３ａをＲＣ梁１２の梁主筋の端部
１２ａ１に嵌め、連結金物１３と梁主筋１２ａ及び接合
用梁主筋１２ｂの端部１２ａ１、１２ｂ１とを固着手段
で固着する。この固着手段としては、螺合、溶接、圧
着、接着等の適宜の固着手段が使用できる。ＲＣ梁１２
の梁主筋１２ａと柱に通した接合用の梁主筋１２ｂとを
連結金物１３を介して固着してから、それらの梁主筋の
端部１２ａ１、１２ｂ１及び連結金物１３の下側、前側
及び後側に型枠１４を配し、必要に応じて、梁主筋の端
部１２ａ１、１２ｂ１及び連結金物１３のまわりに肋筋
を配し、型枠１４内にコンクリートＣ１を打設する。打
設したコンクリートの硬化により、柱１１と梁１２とを
接合し、架構１０を完成する。なお、架構１０のＲＣ梁
１２の上側にプレキャスト床板等を載置し、適宜の固着
手段を使ってＲＣ梁１２等に取り付ける。実施例１によ
ると、梁１２の梁主筋１２ａと柱に通した接合用梁主筋
１２ｂとを連結金物１３を介して固着し、それらの梁主
筋の端部１２ａ１、接合用梁主筋の端部１２ｂ１及び連
結金物１３のまわりに型枠１４を配し、型枠１４内にコ
ンクリートＣ１を打設するだけで、ＲＣ柱１１とＲＣ梁
１２とを接合できるから、その接合に格別の熟練を必要
とせず、接合作業の施工性が向上する。また、棒状体の
連結金物１３が純鉄で構成してあるから、連結金物１３
にエネルギー吸収能力が付与され、架構１０はエネルギ
ー吸収効果が期待できる。
建て、図４に示すように、ＲＣ梁１２を適宜の揚重装置
５を使って吊り揚げ、所定位置に吊り揚げたＲＣ梁１２
を適宜の支保工６で支持し、純鉄製の棒状体からなる連
結金物１３の一方の側の盲孔１３ａをＲＣ柱１１の柱に
通した接合用梁主筋の端部１２ｂ１に嵌め、連結金物１
３の他方の側の盲孔１３ａをＲＣ梁１２の梁主筋の端部
１２ａ１に嵌め、連結金物１３と梁主筋１２ａ及び接合
用梁主筋１２ｂの端部１２ａ１、１２ｂ１とを固着手段
で固着する。この固着手段としては、螺合、溶接、圧
着、接着等の適宜の固着手段が使用できる。ＲＣ梁１２
の梁主筋１２ａと柱に通した接合用の梁主筋１２ｂとを
連結金物１３を介して固着してから、それらの梁主筋の
端部１２ａ１、１２ｂ１及び連結金物１３の下側、前側
及び後側に型枠１４を配し、必要に応じて、梁主筋の端
部１２ａ１、１２ｂ１及び連結金物１３のまわりに肋筋
を配し、型枠１４内にコンクリートＣ１を打設する。打
設したコンクリートの硬化により、柱１１と梁１２とを
接合し、架構１０を完成する。なお、架構１０のＲＣ梁
１２の上側にプレキャスト床板等を載置し、適宜の固着
手段を使ってＲＣ梁１２等に取り付ける。実施例１によ
ると、梁１２の梁主筋１２ａと柱に通した接合用梁主筋
１２ｂとを連結金物１３を介して固着し、それらの梁主
筋の端部１２ａ１、接合用梁主筋の端部１２ｂ１及び連
結金物１３のまわりに型枠１４を配し、型枠１４内にコ
ンクリートＣ１を打設するだけで、ＲＣ柱１１とＲＣ梁
１２とを接合できるから、その接合に格別の熟練を必要
とせず、接合作業の施工性が向上する。また、棒状体の
連結金物１３が純鉄で構成してあるから、連結金物１３
にエネルギー吸収能力が付与され、架構１０はエネルギ
ー吸収効果が期待できる。
【０００９】実施例２は、図６ないし図１２に示され、
プレキャストのＲＣ柱２１とプレキャストのＲＣ梁２３
とを、それらに突設した連結金物２４Ａ、２４Ｂを使っ
て連結し、架構２０を建築する例である。ＲＣ柱２１
は、プレキャストして製作され、横断面形状が四角形、
円形等で、その梁接位置に短いＲＣ短梁２２があり、少
なくとも階高寸法以上の長さを有している。ＲＣ柱２１
の所定位置に柱主筋、帯筋等が配され、ＲＣ短梁２２に
は、柱に通した接合用梁主筋２２ａが配され、この梁主
筋２２ａは長いＲＣ梁２３の下側及び上側の梁主筋２３
ａに対応させてある。接合用梁主筋２２ａは、長いＲＣ
梁２３の梁主筋２３ａと同じ鉄筋を所定長さに切断して
造られ、柱２１を建てた際に水平になるように配され、
その両端の部分２２ａ１は図６及び図７に示す連結金物
２４Ｂのフランジ部２４ａに溶接等により固着してあ
る。なお、ＲＣ柱２１の上端部及び下端部に、柱と柱と
を連結する連結手段が設けられ、この連結手段として
は、例えば、ＲＣ柱２１の柱主筋の下端に図示されてい
ない連結スリーに通し、この連結スリーブをＲＣ柱２１
の下端部に埋め込み、且つＲＣ柱２１の柱主筋の上部を
ＲＣ柱２１のコンクリート部分の上面から上方に突出さ
せて連結鉄筋とするものを使用する。
プレキャストのＲＣ柱２１とプレキャストのＲＣ梁２３
とを、それらに突設した連結金物２４Ａ、２４Ｂを使っ
て連結し、架構２０を建築する例である。ＲＣ柱２１
は、プレキャストして製作され、横断面形状が四角形、
円形等で、その梁接位置に短いＲＣ短梁２２があり、少
なくとも階高寸法以上の長さを有している。ＲＣ柱２１
の所定位置に柱主筋、帯筋等が配され、ＲＣ短梁２２に
は、柱に通した接合用梁主筋２２ａが配され、この梁主
筋２２ａは長いＲＣ梁２３の下側及び上側の梁主筋２３
ａに対応させてある。接合用梁主筋２２ａは、長いＲＣ
梁２３の梁主筋２３ａと同じ鉄筋を所定長さに切断して
造られ、柱２１を建てた際に水平になるように配され、
その両端の部分２２ａ１は図６及び図７に示す連結金物
２４Ｂのフランジ部２４ａに溶接等により固着してあ
る。なお、ＲＣ柱２１の上端部及び下端部に、柱と柱と
を連結する連結手段が設けられ、この連結手段として
は、例えば、ＲＣ柱２１の柱主筋の下端に図示されてい
ない連結スリーに通し、この連結スリーブをＲＣ柱２１
の下端部に埋め込み、且つＲＣ柱２１の柱主筋の上部を
ＲＣ柱２１のコンクリート部分の上面から上方に突出さ
せて連結鉄筋とするものを使用する。
【００１０】長いＲＣ梁２３は、プレキャストして製作
され、横断面形状が矩形で、その所定位置に下側及び上
側の梁主筋２３ａ、肋筋等が配され、その長さが柱と柱
の間の寸法から短梁２２の長さの２倍を減じた値よりも
短くしてある。上側及び下側の梁主筋２３ａの端部２３
ａ１は、図６及び図７に示す連結金物２４Ｂのフランジ
部２４ａに溶接により固着されている。連結金物２４Ａ
及び連結金物２４Ｂは、図６及び図７に示すように、同
形で、実施例１の棒状体からなる連結金物１３と同様の
純鉄で構成する。純鉄製のＨ形断面の素材を短く切断し
た部材２４のウェブ２４ｂの一方の側の部分を切除し、
切除した側のウェブの端縁２４ｂ１に頭部に膨出部２４
ｃ１のあるスタッド２４ｃの基端部を溶接し、そのウェ
ブ２４ｂの部分に多数のボルト孔２４ｄを穿設して形成
されている。なお、連結金物２４Ａ、２４Ｂは、少なく
とも、ウェブ２４ｂを切除した部分のフランジ２４ａ１
及びスタッド２４ｃがＲＣ短梁２２又はＲＣ梁２３のコ
ンクリートＣ中に埋め込まれるように、ＲＣ短梁２２の
あるＲＣ柱２１及びＲＣ梁２３をプレキャストする。
され、横断面形状が矩形で、その所定位置に下側及び上
側の梁主筋２３ａ、肋筋等が配され、その長さが柱と柱
の間の寸法から短梁２２の長さの２倍を減じた値よりも
短くしてある。上側及び下側の梁主筋２３ａの端部２３
ａ１は、図６及び図７に示す連結金物２４Ｂのフランジ
部２４ａに溶接により固着されている。連結金物２４Ａ
及び連結金物２４Ｂは、図６及び図７に示すように、同
形で、実施例１の棒状体からなる連結金物１３と同様の
純鉄で構成する。純鉄製のＨ形断面の素材を短く切断し
た部材２４のウェブ２４ｂの一方の側の部分を切除し、
切除した側のウェブの端縁２４ｂ１に頭部に膨出部２４
ｃ１のあるスタッド２４ｃの基端部を溶接し、そのウェ
ブ２４ｂの部分に多数のボルト孔２４ｄを穿設して形成
されている。なお、連結金物２４Ａ、２４Ｂは、少なく
とも、ウェブ２４ｂを切除した部分のフランジ２４ａ１
及びスタッド２４ｃがＲＣ短梁２２又はＲＣ梁２３のコ
ンクリートＣ中に埋め込まれるように、ＲＣ短梁２２の
あるＲＣ柱２１及びＲＣ梁２３をプレキャストする。
【００１１】複数の柱設置位置にそれぞれＲＣ柱２１を
建て、図１０に示すように、ＲＣ梁２３を適宜の揚重装
置５を使って吊り揚げて、所定位置に位置させて、ＲＣ
柱２１のＲＣ短梁２２のＨ形断面の短い部材からなる連
結金物２４ＡとＲＣ梁２３のＨ形断面の短い部材からな
る連結金物２４Ｂとを対向させ、連結金物２４Ａ、２４
Ｂのウェブ２４ｂの両側に鋼製の添え板２５を当て、添
え板２５のボルト孔及び連結金物２４Ａ、２４Ｂのウェ
ブ２４ｂのボルト孔２４ｄにボルトを通して、ＲＣ短梁
２２とＲＣ梁２３とをボルト・ナットｂ・ｎによりボル
ト接合する。ＲＣ短梁２２とＲＣ梁２３とをボルト接合
してから、連結金物２４Ａのフランジ部２４ａの端縁と
連結金物２４Ｂのフランジ部２４ａの端縁とを突合せ溶
接ｗ等により接合し、必要に応じて、連結金物２４Ａ、
２４Ｂ及び添え板２５の周囲を耐火材２６で覆う。ＲＣ
柱２１とＲＣ梁２３とからなる架構２０を建造してか
ら、プレキャスト床板２７を適宜の揚重手段５を使って
吊り揚げ、ＲＣ梁２３の上に載置し、適宜の固着手段を
使ってＲＣ梁２３等に取り付ける。実施例２によると、
ＲＣ柱２１とＲＣ梁２３とを、ＲＣ柱２１のＲＣ短梁２
２の端縁から突出する連結金物２４Ａと、ＲＣ梁２３の
端縁から突出する連結金物２４Ｂとを添え板２５及びボ
ルト・ナットｂ・ｎを使ってボルト接合するだけでよい
から、鉄骨柱と鉄骨梁の接合と同様に、格別の熟練を要
せずに、容易に接合することができ、接合作業の施工性
が向上する。また、連結金物２４Ａ、２４Ｂが純鉄で構
成してあるから、連結金物２４Ａ、２４Ｂにエネルギー
吸収能力を付与することができ、架構２０に地震力等が
作用した場合に、エネルギー吸収効果が期待できる。
建て、図１０に示すように、ＲＣ梁２３を適宜の揚重装
置５を使って吊り揚げて、所定位置に位置させて、ＲＣ
柱２１のＲＣ短梁２２のＨ形断面の短い部材からなる連
結金物２４ＡとＲＣ梁２３のＨ形断面の短い部材からな
る連結金物２４Ｂとを対向させ、連結金物２４Ａ、２４
Ｂのウェブ２４ｂの両側に鋼製の添え板２５を当て、添
え板２５のボルト孔及び連結金物２４Ａ、２４Ｂのウェ
ブ２４ｂのボルト孔２４ｄにボルトを通して、ＲＣ短梁
２２とＲＣ梁２３とをボルト・ナットｂ・ｎによりボル
ト接合する。ＲＣ短梁２２とＲＣ梁２３とをボルト接合
してから、連結金物２４Ａのフランジ部２４ａの端縁と
連結金物２４Ｂのフランジ部２４ａの端縁とを突合せ溶
接ｗ等により接合し、必要に応じて、連結金物２４Ａ、
２４Ｂ及び添え板２５の周囲を耐火材２６で覆う。ＲＣ
柱２１とＲＣ梁２３とからなる架構２０を建造してか
ら、プレキャスト床板２７を適宜の揚重手段５を使って
吊り揚げ、ＲＣ梁２３の上に載置し、適宜の固着手段を
使ってＲＣ梁２３等に取り付ける。実施例２によると、
ＲＣ柱２１とＲＣ梁２３とを、ＲＣ柱２１のＲＣ短梁２
２の端縁から突出する連結金物２４Ａと、ＲＣ梁２３の
端縁から突出する連結金物２４Ｂとを添え板２５及びボ
ルト・ナットｂ・ｎを使ってボルト接合するだけでよい
から、鉄骨柱と鉄骨梁の接合と同様に、格別の熟練を要
せずに、容易に接合することができ、接合作業の施工性
が向上する。また、連結金物２４Ａ、２４Ｂが純鉄で構
成してあるから、連結金物２４Ａ、２４Ｂにエネルギー
吸収能力を付与することができ、架構２０に地震力等が
作用した場合に、エネルギー吸収効果が期待できる。
【００１２】
【発明の作用効果】この発明は、特許請求の範囲の欄の
請求項に記載した構成を備えることにより、次の（イ）
ないし（ハ）の作用効果を奏する。 （イ）請求項１に係る発明のプレキャストのＲＣ柱とプ
レキャストのＲＣ梁とからなる架構は、ＲＣ梁が多数本
の梁主筋等を埋設してプレキャストにより製作され、前
記各梁主筋の端部がＲＣ梁のコンクリート部分の長手方
向の端面から突出するようにされ、ＲＣ柱が多数本の柱
主筋、前記梁主筋と同じ鉄筋の多数本の接合用梁主筋等
を埋設してプレキャストにより製作され、前記各接合用
梁主筋がＲＣ柱を建てたときに水平になるように配置さ
れてＲＣ柱の梁接合部のコンクリート部分の前記ＲＣ梁
の各梁主筋の端部に対応する各位置の側面からそれぞれ
突出するようにされ、連結金物が純鉄製の棒状体として
製作され、複数の柱設置位置にそれぞれＲＣ柱が建てら
れ、各ＲＣ柱の側方の接合部の各接合用梁主筋の端部と
ＲＣ梁の端部の接合部の梁主筋の端部とが対向するよう
にＲＣ梁が配置され、ＲＣ柱の側方の接合部の側面から
突出した各接合用梁主筋の端部に連結金物を構成する純
鉄製の棒状体の一方の端部分がそれぞれ適宜の固着手段
にて固着され、各純鉄製の棒状体の他方の端部分がＲＣ
梁の端部の接合部の端面から突出した梁主筋の端部にそ
れぞれ適宜の固着手段にて固着され、各梁主筋の端部、
各接合用梁主筋の端部及び連結金物を構成する純鉄製の
棒状体のまわりに現場打ちのコンクリート層が形成さ
れ、ＲＣ柱とＲＣ梁との接合部が、地震力等が作用した
場合の前記純鉄製の棒状体の高い変形性能及び高いエネ
ルギー吸収能力によるエネル ギー吸収機能を有している
から、次の〜の作用効果を奏する。 連結金物を
構成する純鉄製の棒状体の高い変形性能及び高いエネル
ギー吸収能力により、架構に地震力等が作用した場合
に、架構のＲＣ柱とＲＣ梁との接合部にエネルギー吸収
効果を期待することができる。 従来技術のようにプ
レキャストのＲＣ柱の上方の接合部にＲＣ柱の柱主筋、
ＲＣ梁の梁主筋、接合用梁主筋等が集まることがないか
ら、接合作業に格別の熟練を要せず、施工性が向上す
る。 請求項１に係る発明のようにすると、ＲＣ梁の
各梁主筋の端部とＲＣ柱の各接合用梁主筋の端部とを連
結金物を構成する純鉄製の棒状体を介して連結し、かつ
各梁主筋の端部、各接合用梁主筋の端部及び連結金物の
まわりに現場打ちのコンクリート層を形成するだけで、
ＲＣ柱とＲＣ梁とを接合できるから、接合作業が簡単に
なり、施工性が向上する。 （ロ）請求項２に係る発明のプレキャストのＲＣ柱とプ
レキャストのＲＣ梁とからなる架構は、連結金物は純鉄
製の短いＨ形断面の部材で構成され、そのウェブの一方
の側の部分が切除された形状にされ、切除された側のウ
ェブの端縁に定着金物が溶接等により固着され、そのウ
ェブの部分に多数のボルト孔が穿設されており、ＲＣ梁
はその長手方向の端部に少なくとも前記連結金物のウェ
ブが切除された部分のフランジ部及び定着金物を埋設し
てプレキャストにより製作され、ＲＣ短梁部のあるＲＣ
柱はそのＲＣ短梁部の梁接合部に少なくとも前記連結金
物のウェブが切除された部分のフランジ部及び定着用金
物を埋設してプレキャストにより製作され、複数の柱設
置位置にそれぞれＲＣ柱が建てられ、ＲＣ柱のＲＣ短梁
部の端面から突出する連結金物とＲＣ梁の端部の端面か
ら突出する連結金物とが対向するように配置され、対向
する連結金物のウェブ部が添え板とボルト・ナットとを
使ってボルト接合され、かつ対向する連結金物のフラン
ジ部が互いに溶接等により接合されているから、純鉄製
のＨ形断面の連結金物の高い変形性能及び高いエネルギ
ー吸収能力により、架構に地震力等が作用した場合に、
架構のＲＣ柱のＲＣ短梁とＲＣ梁との接合部にエネルギ
ー吸収効果を期待することができる。 また、請求項２に
係る発明のようにすると、鉄骨柱と鉄骨梁とからなる架
構の建築方法と全く同じ手順で、ＲＣ柱にＲＣ梁を接合
することができ、接合作業の施工性が大幅に向上する。（ハ）請求項３に係る発明のようにすると、前記（ロ）
の効果と同じ作用効果を奏し得るだけでなく、梁主筋及
び接合用梁主筋が埋込金物として働き、連結金物の定着
がより確実になり、構成も簡単で、ＲＣ柱及びＲＣ梁の
コストを低減させることがで、接合作業等も容易にな
る。
請求項に記載した構成を備えることにより、次の（イ）
ないし（ハ）の作用効果を奏する。 （イ）請求項１に係る発明のプレキャストのＲＣ柱とプ
レキャストのＲＣ梁とからなる架構は、ＲＣ梁が多数本
の梁主筋等を埋設してプレキャストにより製作され、前
記各梁主筋の端部がＲＣ梁のコンクリート部分の長手方
向の端面から突出するようにされ、ＲＣ柱が多数本の柱
主筋、前記梁主筋と同じ鉄筋の多数本の接合用梁主筋等
を埋設してプレキャストにより製作され、前記各接合用
梁主筋がＲＣ柱を建てたときに水平になるように配置さ
れてＲＣ柱の梁接合部のコンクリート部分の前記ＲＣ梁
の各梁主筋の端部に対応する各位置の側面からそれぞれ
突出するようにされ、連結金物が純鉄製の棒状体として
製作され、複数の柱設置位置にそれぞれＲＣ柱が建てら
れ、各ＲＣ柱の側方の接合部の各接合用梁主筋の端部と
ＲＣ梁の端部の接合部の梁主筋の端部とが対向するよう
にＲＣ梁が配置され、ＲＣ柱の側方の接合部の側面から
突出した各接合用梁主筋の端部に連結金物を構成する純
鉄製の棒状体の一方の端部分がそれぞれ適宜の固着手段
にて固着され、各純鉄製の棒状体の他方の端部分がＲＣ
梁の端部の接合部の端面から突出した梁主筋の端部にそ
れぞれ適宜の固着手段にて固着され、各梁主筋の端部、
各接合用梁主筋の端部及び連結金物を構成する純鉄製の
棒状体のまわりに現場打ちのコンクリート層が形成さ
れ、ＲＣ柱とＲＣ梁との接合部が、地震力等が作用した
場合の前記純鉄製の棒状体の高い変形性能及び高いエネ
ルギー吸収能力によるエネル ギー吸収機能を有している
から、次の〜の作用効果を奏する。 連結金物を
構成する純鉄製の棒状体の高い変形性能及び高いエネル
ギー吸収能力により、架構に地震力等が作用した場合
に、架構のＲＣ柱とＲＣ梁との接合部にエネルギー吸収
効果を期待することができる。 従来技術のようにプ
レキャストのＲＣ柱の上方の接合部にＲＣ柱の柱主筋、
ＲＣ梁の梁主筋、接合用梁主筋等が集まることがないか
ら、接合作業に格別の熟練を要せず、施工性が向上す
る。 請求項１に係る発明のようにすると、ＲＣ梁の
各梁主筋の端部とＲＣ柱の各接合用梁主筋の端部とを連
結金物を構成する純鉄製の棒状体を介して連結し、かつ
各梁主筋の端部、各接合用梁主筋の端部及び連結金物の
まわりに現場打ちのコンクリート層を形成するだけで、
ＲＣ柱とＲＣ梁とを接合できるから、接合作業が簡単に
なり、施工性が向上する。 （ロ）請求項２に係る発明のプレキャストのＲＣ柱とプ
レキャストのＲＣ梁とからなる架構は、連結金物は純鉄
製の短いＨ形断面の部材で構成され、そのウェブの一方
の側の部分が切除された形状にされ、切除された側のウ
ェブの端縁に定着金物が溶接等により固着され、そのウ
ェブの部分に多数のボルト孔が穿設されており、ＲＣ梁
はその長手方向の端部に少なくとも前記連結金物のウェ
ブが切除された部分のフランジ部及び定着金物を埋設し
てプレキャストにより製作され、ＲＣ短梁部のあるＲＣ
柱はそのＲＣ短梁部の梁接合部に少なくとも前記連結金
物のウェブが切除された部分のフランジ部及び定着用金
物を埋設してプレキャストにより製作され、複数の柱設
置位置にそれぞれＲＣ柱が建てられ、ＲＣ柱のＲＣ短梁
部の端面から突出する連結金物とＲＣ梁の端部の端面か
ら突出する連結金物とが対向するように配置され、対向
する連結金物のウェブ部が添え板とボルト・ナットとを
使ってボルト接合され、かつ対向する連結金物のフラン
ジ部が互いに溶接等により接合されているから、純鉄製
のＨ形断面の連結金物の高い変形性能及び高いエネルギ
ー吸収能力により、架構に地震力等が作用した場合に、
架構のＲＣ柱のＲＣ短梁とＲＣ梁との接合部にエネルギ
ー吸収効果を期待することができる。 また、請求項２に
係る発明のようにすると、鉄骨柱と鉄骨梁とからなる架
構の建築方法と全く同じ手順で、ＲＣ柱にＲＣ梁を接合
することができ、接合作業の施工性が大幅に向上する。（ハ）請求項３に係る発明のようにすると、前記（ロ）
の効果と同じ作用効果を奏し得るだけでなく、梁主筋及
び接合用梁主筋が埋込金物として働き、連結金物の定着
がより確実になり、構成も簡単で、ＲＣ柱及びＲＣ梁の
コストを低減させることがで、接合作業等も容易にな
る。
【図１】ＲＣ柱とＲＣ梁とからなる架構の概要を示す正
面図
面図
【図２】図１に示す架構のＲＣ柱とＲＣ梁の連結部の概
要を示す正面図
要を示す正面図
【図３】実施例１のプレキャストのＲＣ柱とプレキャス
トのＲＣ梁との連結部の構成を連結金物を縦断して示す
正面図
トのＲＣ梁との連結部の構成を連結金物を縦断して示す
正面図
【図４】実施例１のＲＣ柱とＲＣ梁との組み付け時の状
態を示す正面図
態を示す正面図
【図５】実施例１のＲＣ柱にＲＣ梁を組み付けた状態を
型枠を断面して示す正面図
型枠を断面して示す正面図
【図６】実施例２のＲＣ柱及びＲＣ梁に取り付ける連結
金物の構成を示す正面図
金物の構成を示す正面図
【図７】図６の示す連結金物の側面図
【図８】実施例２のプレキャストのＲＣ梁の端部よりの
部分を縦断して示す正面図
部分を縦断して示す正面図
【図９】実施例２のプレキャストのＲＣ柱の仕口部をそ
のＲＣ短梁の部分の一部を断面して示す正面図
のＲＣ短梁の部分の一部を断面して示す正面図
【図１０】実施例２のＲＣ柱へのＲＣ梁の組み付け時の
状態を示す正面図
状態を示す正面図
【図１１】実施例２のＲＣ柱とＲＣ梁とからなる架構へ
のプレキャスト床板の取付時の状態を示す正面図
のプレキャスト床板の取付時の状態を示す正面図
【図１２】実施例２のプレキャストのＲＣ柱、ＲＣ梁及
び床板からなる架構の接合部の要部を縦断して示す正面
図
び床板からなる架構の接合部の要部を縦断して示す正面
図
【図１３】従来のＲＣ柱とＲＣ梁とからなる架構の接合
部の配筋状態等を示す正面図
部の配筋状態等を示す正面図
【図１４】図１３の平面図
【図１５】従来の他のＲＣ柱とＲＣ梁とからなる架構の
接合部の配筋状態等を示す正面図
接合部の配筋状態等を示す正面図
【図１６】従来の他のＲＣ柱とＲＣ梁とからなる架構の
接合部の配筋状態等を示す正面図
接合部の配筋状態等を示す正面図
５ 揚重手段 ６ 支保工 １０ 架構 １１ ＲＣ柱 １２ ＲＣ梁 １２ａ 梁主筋 １２ａ１ 端部 １２ｂ 接合用梁主筋 １２ｂ１ 端部 １３ 連結金物 １３ａ 盲孔 １４ 型枠 ２０ 架構 ２１ ＲＣ柱 ２２ ＲＣ短梁 ２２ａ 接合用梁主筋 ２２ａ１ 端部 ２３ ＲＣ梁 ２３ａ 梁主筋 ２３ａ１ 端部 ２４Ａ 連結金物 ２４Ｂ 連結金物 ２４ａ フランジ ２４ｂ ウェブ ２４ｃ スタッド ２４ｄ ボルト孔 ２５ 添え板 ２６ 耐火材 ２７ プレキャスト床板 ｂ・ｎ ボルト・ナット Ｃ コンクリート Ｃ１ コンクリート
フロントページの続き (72)発明者 中山 信雄 東京都中央区銀座八丁目21番１号 株式 会社竹中工務店 東京本店内 (72)発明者 岡本 晴彦 大阪府南河内郡美原町木材通三丁目１番 ８号 株式会社竹中工務店 技術研究所 大阪支所内 (56)参考文献 特開 平４−16653（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−4822（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−130401（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) E04B 1/21
Claims (3)
- 【請求項１】ＲＣ梁が多数本の梁主筋等を埋設してプレ
キャストにより製作され、前記各梁主筋の端部がＲＣ梁
のコンクリート部分の長手方向の端面から突出するよう
にされ、ＲＣ柱が多数本の柱主筋、前記梁主筋と同じ鉄
筋の多数本の接合用梁主筋等を埋設してプレキャストに
より製作され、前記各接合用梁主筋がＲＣ柱を建てたと
きに水平になるように配置されてＲＣ柱の梁接合部のコ
ンクリート部分の前記ＲＣ梁の各梁主筋の端部に対応す
る各位置の側面からそれぞれ突出するようにされ、連結
金物が純鉄製の棒状体として製作され、複数の柱設置位
置にそれぞれＲＣ柱が建てられ、各ＲＣ柱の側方の接合
部の各接合用梁主筋の端部とＲＣ梁の端部の接合部の梁
主筋の端部とが対向するようにＲＣ梁が配置され、ＲＣ
柱の側方の接合部の側面から突出した各接合用梁主筋の
端部に連結金物を構成する純鉄製の棒状体の一方の端部
分がそれぞれ適宜の固着手段にて固着され、各純鉄製の
棒状体の他方の端部分がＲＣ梁の柱接合部の端面から突
出した梁主筋の端部にそれぞれ適宜の固着手段にて固着
され、各梁主筋の端部、各接合用梁主筋の端部及び連結
金物を構成する純鉄製の棒状体のまわりに現場打ちのコ
ンクリート層が形成され、ＲＣ柱とＲＣ梁との接合部
が、地震力等が作用した場合の前記純鉄製の棒状体の高
い変形性能及び高いエネルギー吸収能力によるエネルギ
ー吸収機能を有していることを特徴とするプレキャスト
のＲＣ柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構。 - 【請求項２】連結金物は純鉄製の短いＨ形断面の部材で
構成され、そのウェブの一方の側の部分が切除された形
状にされ、切除された側のウェブの端縁に定着金物が溶
接等により固着され、そのウェブの部分に多数のボルト
孔が穿設されており、ＲＣ梁はその長手方向の端部に少
なくとも前記連結金物のウェブが切除された部分のフラ
ンジ部及び定着金物を埋設してプレキャストにより製作
され、ＲＣ短梁部のあるＲＣ柱はそのＲＣ短梁部の梁接
合部に少なくとも前記連結金物のウェブが切除された部
分のフランジ部及び定着用金物を埋設してプレキャスト
により製作され、複数の柱設置位置にそれぞれＲＣ柱が
建てられ、ＲＣ柱のＲＣ 短梁部の端面から突出する連結
金物とＲＣ梁の端部の端面から突出する連結金物とが対
向するように配置され、対向する連結金物のウェブ部が
添え板とボルト・ナットとを使ってボルト接合され、か
つ対向する連結金物のフランジ部が互いに溶接等により
接合されていることを特徴とするプレキャストのＲＣ柱
とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構。 - 【請求項３】連結金物は純鉄製の短いＨ形断面の部材で
構成され、そのウェブの一方の側の部分が切除された形
状にされ、切除された側のウェブの端縁に定着金物が溶
接等により固着され、そのウェブの部分に多数のボルト
孔が穿設されており、ＲＣ梁はその端部の柱接合部に多
数本の梁主筋に連結された前記連結金物の少なくともウ
ェブが切除された部分のフランジ部及び定着金物を埋設
してプレキャストにより製作され、ＲＣ短梁部のあるＲ
Ｃ柱はそのＲＣ短梁部の梁接合部に多数本の接合用梁主
筋に連結された前記連結金物の少なくともウェブが切除
された部分のフランジ部及び定着用金物を埋設してプレ
キャストにより製作され、複数の柱設置位置にそれぞれ
ＲＣ柱が建てられ、ＲＣ柱のＲＣ短梁部の端面から突出
する連結金物とＲＣ梁の端部の端面から突出する連結金
物とが対向するように配置され、対向する連結金物のウ
ェブ部が添え板とボルト・ナットとを使ってボルト接合
され、かつ対向する連結金物のフランジ部が互いに溶接
等により接合されていることを特徴とするプレキャスト
のＲＣ柱とプレキャストのＲＣ梁とからなる架構。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04269735A JP3122739B2 (ja) | 1992-09-12 | 1992-09-12 | プレキャストのｒｃ柱とプレキャストのｒｃ梁とからなる架構 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04269735A JP3122739B2 (ja) | 1992-09-12 | 1992-09-12 | プレキャストのｒｃ柱とプレキャストのｒｃ梁とからなる架構 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0693656A JPH0693656A (ja) | 1994-04-05 |
| JP3122739B2 true JP3122739B2 (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=17476437
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04269735A Expired - Fee Related JP3122739B2 (ja) | 1992-09-12 | 1992-09-12 | プレキャストのｒｃ柱とプレキャストのｒｃ梁とからなる架構 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3122739B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-12 JP JP04269735A patent/JP3122739B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0693656A (ja) | 1994-04-05 |
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