JPH0615314B2 - 車両用ステアリング連動前照灯システム - Google Patents

車両用ステアリング連動前照灯システム

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JPH0615314B2
JPH0615314B2 JP17612989A JP17612989A JPH0615314B2 JP H0615314 B2 JPH0615314 B2 JP H0615314B2 JP 17612989 A JP17612989 A JP 17612989A JP 17612989 A JP17612989 A JP 17612989A JP H0615314 B2 JPH0615314 B2 JP H0615314B2
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angle
irradiation angle
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handle
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    • B60Q2300/12Steering parameters
    • B60Q2300/126Hysteresis behavior based on steering

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はステアリングハンドルの回転操作に対応して前
照灯の照射角を変更するようにした車両用ステアリング
連動前照灯システムに関するものである。
[従来の技術] 夜間における車両の走行は、車両前面に設置された前照
灯の照明により行われている。このような前照灯が車体
前面に固定装備されている場合には、車両の方向変換を
行った際に、運転者の見る方向(以下「注視点」とい
う)と前照灯の照射方向にずれが生じ、旋回時、特に急
なカーブ等においては予測進行方向の照明が不十分なも
のとなるという問題があった。
このような問題点に対処する手段として、従来自動車の
ハンドル操舵に連動させて前照灯の照射方向を変更する
システムが提案されている。更に、そのようなシステム
の改良として特開昭64−67440号公報「車両用コ
ーナリングランプシステム」が提案されている。この技
術は、曲路を走行する場合、曲路が終わる前に次の直進
路が見通せるため、運転者の視線は、曲路上にはなく、
遠方の直進路を向いている。この点に鑑み、ハンドルの
切り動作を行って、曲路を旋回し、直進操舵方向へのハ
ンドルの戻し動作を行う場合、ハドル操舵角に対する照
射方向可変特性の傾きを、ハンドルを切る場合の照射方
向可変特性の傾きよりも大とするようにしたものであ
る。
第6図は、このような従来装置におけるステアリングハ
ンドル切り角とランプ照射角との関係を示すグラフであ
り、横軸に点Pを中心として左右のステアリングハンド
ル回転角を示し、縦軸に同じく点Pを中心として左右の
ランプ照射角を示している。
例えば、ハンドルのニュートラル位置(P)からまず左
方向へハンドルを切る(ラインa)。そして、点Qにお
いてハンドル戻し動作を開始し、ニュートラル位置
(P)まで戻す(ラインb及びラインc)。このときの
ランプ照射角は、ハンドルの戻し動作時の方が傾く変化
特性が大きいので、ハンドルがニュートラル位置に戻る
前に点Sにおいて直進方向に戻っている。そして、ハン
ドルがニュートラル位置に戻るまでその直進方向を維持
している(ラインC)。そして、続いてステアリングハ
ンドルが右方向に切られ、そこでランプ照射角も右方向
に傾く(ラインd)。そして、点Uにおいて戻し動作が
開始されると上記ラインb及びラインcと同様の関係を
持ってハンドル切り角とランプ照射角がニュートラル位
置(P)まで戻る(ラインe及びラインf)。
これによって、曲路から直進路へ移行する場合に、曲路
の旋回が終了する前に直進路の照明を行うことができ、
運転者の見る方向をより良好に照射することができるも
のである。
ここで、ハンドルの「切り動作」は、ハンドルのニュー
トラル位置から遠ざかる方向への左右いずれかの回転動
作を意味し、「戻し動作」は、ハンドルのニュートラル
位置に近付く方向への左右いずれかの回転動作を意味す
る(以下、本願明細書において同様である)。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来の装置によれば、曲路を旋回して、直進路に進
入する場合、ハンドルが戻し動作によりニュートラル位
置に戻される前に、前照灯の照射角を先に直進方向に向
けることができる。しかしながら、曲路から反対方向に
連続して旋回する場合、すなわちS字コーナーの場合、
運転者は、最初のコーナーの終了前から反対方向へ早い
スピードへハンドルを切っている。例えば、左コーナー
から右コーナーに続くS字コーナーの場合、運転者は、
最初の左コーナーへの進入に際し、直進状態から徐々に
ステアリングハンドルを左へ切り込む。このとき、運転
者の注視点も同様に徐々に左方向へ移動していく。従っ
て、前照灯の照射領域と運転者の注視点とに一体感が得
られている。そして、左コーナーから右コーナーへ車両
が移る際には、運転者の注視点はすでに右コーナー入り
口にあり、ハンドルの速い速度での戻し動作が行われ、
ハンドルがニュートラル位置に戻ったときには、運転者
の注視点は、更に右コーナー方向に向けられている。し
かし、前照灯の照射角は、ステアリングハンドルがニュ
ートラル位置に戻る前に直進方向に戻るもののハンドル
がニュートラル位置を越えて右切り動作に入るまではラ
ンプ照射角は右方向に傾いていない。従って、上記従来
の技術では、S字コーナーの後半コーナーの旋回開始時
において前照灯の照射領域が運転者の注視点に追従せず
に良好な照明を行うことが出来ないという問題があっ
た。
発明の目的 本発明に係る車両用ステアリング連動前照灯システム
は、上記問題点を解決することを課題としてなされたも
のであり、その目的は、S字コーナーの後半のコーナー
の進入時における前照灯の照射をより良好なものとした
車両用ステアリング連動前照灯システムを提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明に係る車両用ステアリ
ング連動前照灯システムは、ステアリングハンドルの回
転角及び回転方向を検出し検出信号を出力するステアリ
ング角度センサと、前記ランプ照射角を機械的に変更す
る照射角変更手段と、ステアリングハンドルの回転角及
び回転方向毎に対応した目標ランプ照射角を記憶したマ
ップであって、前記目標ランプ照射角はステアリングハ
ンドルのニュートラル位置からハンドル切り動作を行っ
た後戻し動作を行う場合にハンドルがニュートラル位置
に達する前にランプ照射角を直進方向よりハンドル戻し
旋回方向に傾けた適切ランプ照射角を記憶した制御マッ
プと、を含み、S字コーナーの場合にはS字コーナー用
ランプ照射角を用い、その他の場合には通常の目標ラン
プ照射角を用いるため前記ステアリング角度センサから
の検出信号に基づきステアリングハンドルの操作状態を
演算し、前記戻し動作が所定速度以上の場合にS字コー
ナーであると判断し前記S字コーナー用ランプ照射角を
算出する演算部と、前記照射角変更手段が前照灯の照射
角を前記演算された適切ランプ照射角となるよう変更調
整するように照射角変更手段に対して制御信号を送る照
射角変更手段制御部と、を含むことを特徴とする。
[作用] 上記構成によれば、制御マップの記憶情報に基づき、ス
テアリングハンドルの操作に応じて予め設定されたラン
プ照射角を算出することができ、このランプ照射角によ
って前照灯照明を行うことができる。特に、本発明は、
S字コーナーにおいて、後半のコーナーの旋回の際に、
ステアリングハンドルが前半のコーナーの終了前から所
定速度よりも速い速度で戻し動作されるという点に鑑
み、このハンドル操作速度を検知することによって、S
字コーナーであることを認識し、このS字コーナーにお
けるランプ照射角を適切に変更調整するものである。す
なわち、演算部において、ステアリング角度センサから
の信号によりステアリングハンドルの操作状態を演算
し、ハンドル戻し動作が所定速度以上である場合に、制
御マップに記憶されたS字コーナー用のランプ照射角で
ある適切ランプ照射角を算出する。
この適切ランプ照射角は、ハンドル戻し動作において、
ハンドルがニュートラル位置に達する前にランプ照射角
を直進方向より、ハンドル戻し旋回方向に傾けた照射角
である。従って、この適切照射角となるように照射角変
更手段制御部によって照射角変更手段を駆動させること
によってS字コーナーの後半コーナー進入時における前
照灯照射を運転者の注視点により良好に追従させること
ができる。
ここでこの作用を上記第6図に基づいて示すと、左に切
られたハンドルを所定速度以上で戻し動作すると(ライ
ンb)、点Sにおいてランプ照射角が直進方向を向いた
時点で止まることなく、ハンドルがニュートラル位置ま
で戻るのを待たずに破線で示したラインd′に示すよう
にランプ照射角は右方向に傾く。そして、傾きの限界位
置に達した時点で停止し、その角度を維持する(ライン
c′)。そして、ハンドルの左方向への戻し動作によっ
てラインe及びラインfと同様の動作を行う。
[実施例] 以下、本発明に係る好適な実施例を図面に基づいて説明
する。
第1図は、本発明に係る車両用ステアリング連動前照灯
システムの全体構成を示すブロック図であり、その主要
構成は、ステアリング角度センサ10とこのステアリン
グ角度センサ10からの検出信号を受け、補助ヘッドラ
ンプの照射方向の調整を行う制御部20と補助ヘッドラ
ンプ(図示せず)の照射角を機械的動作により変更する
照射角変更手段30である。
ステアリング角度センサ10は、ステアリングハンドル
の回転量及び回転方向を検出するもので、検出信号を制
御部20に供給する。
制御部20の構成は、バッテリ32に接続され、制御部
20の各構成要素に所定電圧を印加する電源回路21、
制御部20の中枢部である中央処理部22、この中央処
理部22内に設けられたステアリング角度センサ10か
らの検出信号を受ける演算部23、後述するランプ照射
角変更特性を記憶した制御マップ24、補助ヘッドラン
プの照射角を適正な照射方向とするための制御信号を供
給する照射角変更手段制御部である右モータ駆動制御部
25及び左モータ駆動制御部26とから構成されてい
る。
補助ヘッドランプの照射角を調整する照射角変更手段3
0は、右補助ヘッドランプ用の照射角変更手段34と左
補助ヘッドランプ用の照射角変更手段35とから構成さ
れており、右及び左の各照射角変更手段34及び35
は、それぞれ反射器駆動モータ3a,35a及びポテン
ションメータ34b,35bとから構成されている。右
及び左のそれぞれの反射器駆動モータ34a及び35a
は、補助ヘッドランプ11及び12の反射器を駆動させ
反射方向を変更させるモータである。そして、右及び左
のポテンションメータ34b及び35bは、上記駆動さ
れた各反射器の位置角を検出し、演算部23に検出信号
を送るものである。
なお、本実施例はヘッドランプの代わり又は補助に使用
される補助ヘッドランプ11及び12の照射角を変更す
るようにしているが、本発明は、補助ヘッドランプの照
射方向を変更するものに限られるものではなく、ヘッド
ランプの照射角あるいは双方のランプの照射角を変更す
るように制御することも可能である。
また、図において補助ヘッドランプ用リレー13は、補
助ヘッドランプ11,12の点灯スイッチ14により制
御され、スイッチ14がオンされたときに励磁されオン
となり補助ヘッドランプ11及び12に電力供給を行う
と共に演算部23に点灯中であることを示す点灯信号を
供給する。
また、スイッチ15は、ステアリングハンドルが直進状
態の位置にあるときに信号を出力するステアリングのニ
ュートラル検出用のスイッチであり、ディジタル式セン
サを使用することも可能である。そして、このニュート
ラル検出スイッチ15は、上記ステアリング角度センサ
10が例えば抵抗式のアナログセンサ等のステアリング
ハンドルの絶対位置を検出できる装置であれば不要とさ
れるものである。次に、本実施例に用いたステアリング
角度センサ10の作用について説明する。
第2図は、ステアリング角度センサ10がステアリング
ハンドルの回転によって出力するパルス信号を示してお
り、出力されるパルス信号は、互いに1/4周期ずれた
パルス信号SSR1及びSSR2である。例えば、ステ
アリングハンドル位置がXの位置からXに回転する
と出力されるパルス信号は、SSR1−OFF、SSR
2−ONからSSR1−OFF、SSR2−OFFとな
る。従って、この出力パルス信号を検出することによっ
てステアリングハンドルが右に回転されたことを認識す
ることができる。
また、ステアリングハンドルがXの位置からXの位
置に回転した場合、出力されるパルス信号は、SSR1
−OFF、SSR2−ONからSSR1−ON、SSR
2−ONとなる。このパルス信号の変化により、ステア
リングハンドルが左方向に回転されたことを確認するこ
とができる。
さらに、ステアリングハンドルの回転量は、図示したよ
うにパルス信号の1/4周期を1ブロックとして検出す
ることができるので、位置ブロックを角度Yとすること
により、このブロック数を数えることによって検出する
ことができる。
そして、スイッチ15によってステアリングニュートラ
ル検出を行うことによって演算部23では、ステアリン
グハンドルのニュートラル位置からの回転方向及び回転
量を検出することができる。
次に、第3図のフローチャートに基づいて本実施例の動
作について説明する。
まず、ステップ1(S1)において電源投入後における
演算部23のメモリなどの初期化を行う。
次に、ステップ2(S2)において演算部23は、スイ
ッチ15からのステアリングニュートラル位置信号を読
み込む。そして、ステップ3(S3)において同じく演
算部23で補助ヘッドランプ11及び12が点灯中か否
かが判断される。ここで、非点灯であれば、ステップ4
(S4)において補助ヘッドランプの各反射器の向くべ
き角度Bχに0(直進方向を意味する)を入力する。
そして、ステップ5(S5)において、右ポテンショメ
ータ34b及び左ポテンショメータ35bの信号(C
及びC)を読み取る。そして、ステップ6(S6)に
おいて演算部23が現在の補助ヘッドランプ11及び1
2の各反射器角度B,Bをそれぞれ演算する。この
演算は、右ポテンショメータ34bと右側反射器角度の
演算係数Kと左ポテンショメータ35bと左側反射器
角度の演算係数Kにより上記読み取られた信号C
びCに基づいて行われる。
次に、ステップ7(S7)においてまず右側補助ヘッド
ランプ11の反射器の現在の角度とBRとその反射器の
向くべき角度Bχを比較する。そして、その値が異なる
場合には、ステップ8(S8)において右反射器駆動モ
ータ34aを駆動させ角度Bχに設定する。また、角度
とBχが一致する場合には、ステップ9(S9)に
おいて、右反射器駆動モータ34aは停止される。ここ
で、Bχ,Bについて右方向回転角を正とし、左方向
回転角を負としておくことによりB>Bχであれば、
右反射器は、右方向へ向き過ぎであるので、右反射器駆
動モータ34aにより左方向に駆動する。そして、B
<Bχであれば、逆に右方向に駆動させるようにする。
次に、ステップ10(S10)において、上記とS7と
同様に左側補助ヘッドランプ12の反射器の現在の角度
とその向くべき角度Bχとを比較する。そして、両
者が一致しない場合には、上記S8と同様にステップ1
1(S11)において左反射器駆動モータ35aを駆動
させる。そして、BとBχとが一致する場合には、上
記S9と同様にステップ12(S12)において左反射
器駆動モータ35aを停止させる。
以上のS4からS11までの動作によって、補助ヘッド
ランプ11及び12が非点灯中における各補助ヘッドラ
ンプ11,12の照射角Bχ=0への角度設定が行われ
る。
次に、S3において補助ヘッドランプ11,12が点灯
中である場合の動作について説明する。
まず、ステップ13(S13)において演算部23によ
りステアリング角度センサ10の出力信号の読込みが行
われる。
そして、ステップ14(S14)において、演算部23
で上記ステアリング角度センサ10からの信号及びスイ
ッチ15からの信号に基づいて、ステアリングハンドル
の現在ステアリング位置Aが計算される。
そして、ステップ15(S15)において演算部23が
制御マップ24の記憶情報に基づき設定される反射器角
度Bχを計算する。
このように補助ヘッドランプ11及び12の反射器の向
くべき角度Bχが算出されると、上記S5〜S12と同
様の動作が行われ、左右の反射器駆動モータ34a及び
35aの駆動により、補助ヘッドランプ11及び12の
照射角が適切な角度に調整される。
本発明は、このS15において、S字コーナー用ランプ
照射角の算出を行うことを特徴としている。すなわち、
制御マップ24にS字コーナーにおいて運転者の注視点
を良好に照明することができるような反射器角度Biを
記憶しておき、演算部23においてS字コーナーである
ことを検知して適切な反射器角度Bχを計算するもので
ある。
第4図には本実施例における制御マップ24に記憶され
ているステアリング位置(ハンドル回転角)(Ai)に
対応するランプ照射角、すなわち反射器振れ角(Bi)
の制御パターンが示されている。
図において、ラインL1及びL3は、それぞれステアリ
ングハンドルをニュートラル位置Pから通常のハンドル
切り動作を右方向及び左方向に行った場合の反射器振れ
角Biを示すラインである。すなわち、このラインL1
及びL3は、Bi=kl・Ai…にて示される(klは
所定の係数)。そして、このラインL1及びL3は、反
射器が追従して振れることのできるステアリングの限界
位置Aの範囲に限られる(|Ai|≦A)。この反
射器追従限界位置A0は、ステアリングハンドルの左右
方向で同一の角度とされている。(A=|AOR|=|
AOL|)。
次に、ラインL2及びL4は、それぞれ反射器追従限界
位置A0を右及び左に越えた場合のラインを示してい
る。すなわち、Bi=|Ai|/Ai・B0…(B0は
反射器の最大振れ角)にて表される。これらラインL2
及びL4の範囲は、反射器追従限界角A0をそれぞれ左
右に越える範囲であり(|Ai|≧A0)、このときの
反射器最大振れ角B0は、左右方向共通である(B
|BOR|=|BOL|)。
ラインL5及びL6は、反射器追従限界位置AOR及びA
OLからそれぞれハンドル戻し動作を行った場合の反射器
振れ角を示すラインである。すなわち、Bi=k2・A
i+Ai/|Ai|(B−k2・A)…(k2はハ
ンドル切り動作時よりも反射器の振れ角を大きく変更さ
せるように設定された係数である)にて表される。
L5−1はステアリング位置An−1のところでハンド
ル戻し動作を行った場合のラインを示している。このラ
インL5−1はラインL5と平行なラインで、Bi=k
2・Ai+(k1−k2)・An-1 で表される。そし
て、このラインL5−1の範囲は、k2−k1/k2・
An-1≦Ai≦An-1 の範囲、すなわちハンドル戻し動
作を開始したステアリング位置An-1 を上限とし、反射
器振れ角が0度、すなわち直進方向に向いた時点でのス
テアリング位置(点SでのAi)を下限とする範囲であ
る。
次のラインL3−1及びL4−1が本発明の特徴である
S字コーナー用の制御パターンである。
ラインL3−1は、上記ハンドル戻し動作によって反射
器振れ角Biが直進方向となったとき(点S)から更に
ハンドル戻し動作が行われ、更に、左方向へのハンドル
切り動作を行った場合の反射器振れ角を示すラインであ
る(このラインL3−1は、後述のようにラインL5−
1における戻し動作が所定の速度以上で行われた場合に
のみ用いられる制御ラインである)。このラインL3−
1はBi=k1・Ai−k1(k2−k1)/k2・A
n-1 にて表されるラインL3に平行なラインである。ス
テアリングハンドル位置におけるその範囲は、ラインL
5−1に従ったハンドル戻し動作によって、反射器振れ
角が直進方向となった点Sを上限とし、左側方向への反
射器最大振れ角BOLとなったときのステアリング位置
(図上点UのときのAi)を下限とする範囲であり、B
OL/k1≦Ai≦k2−k1/k2・An-1 にて表され
る。
ラインL4−1は、左側への反射器最大振れ角BOLに達
した後更にステアリングハンドルが左方向へ切られた場
合の反射器振れ角の設定ラインであり、Bi=BOLにて
表される。
制御マップ24は、このような各制御パターンを記憶し
ており、これに基づいてS字コーナーの場合を含めて各
走行中における目標ランプ照射角の算出が行われる。
以下、第3図に示すステップ15における適性ランプ照
射角(反射器角度)の算出について第5図に基づいて説
明する。なお、以下のステップ101(S101)〜ス
テップ120(S120)までの動作により、S15に
おける反射器角度の算出が行われる。
まず、S14においてステアリング位置Aが計算される
と、ステップ101(S101)において第4図に示し
た制御パターンのうちラインL1、L2、L3またはL
4に従って反射器振れ角(Bi)が設定されるようなハ
ンドル切り動作が行われているか否かが判断される。こ
れらのラインL1、L2、L3またはL4に従っている
場合には、フラグF1=0としこのフラグF1が0か否
かが判断される。
ここで、フラグF1=0の場合(Yesの場合)はステ
ップ102(S102)において、ステアリングハンド
ルの戻し動作が行われたか否かが判断される。この判断
は、今回のステアリング位置Aと前回のステアリング
位置An-1 とを比較することにより行う。すなわち、今
回のステアリング位置Aが前回のステアリング位置A
n-1 よりも小さい場合には、ハンドル回転角は、小さく
なっているので、戻し動作が行われていると判断され
る。
なお、ステアリング位置、すなわちハンドル回転角Ai
は左切り動作の方向を負としているため、角度比較は絶
対値を用いている。
ここで、ハンドルの戻し動作が行われている場合(Ye
sの場合)、ステップ103(S103)において、フ
ラグF1を1とし、次のステップ104(S104)に
おいてラインL5−1に基づきランプの照射角Bを計
算する。
次にステップ105(S105)において、ハンドル戻
し動作によってラインL5−1上のハンドル操作がX軸
を越えたか否かが、B/Bn-1 ≦0か否かの判断によ
って行われる。ここでX軸を越えていない場合(NOの
場合)には、ステップ120(S120)において算出
された反射器振れ角Bを設定すべきランプ照射角Bχ
(目標ランプ照射角)としてS5〜S12までの動作が
行われる。
また、S105においてX軸を越えたと判断されると、
ステップ106(S106)でステアリング戻し角速度
が所定の判定値ΔA0以上であるか否かが判断される。
本実施例では、この判定値ΔAは100゜/sec に設
定されている。すなわち、所定の時間内に所定の角度以
上ハンドルの戻し動作が行われているか否かが判断され
る。
ここで、判定値ΔA以下の場合には(NOの場合)、
ステップ107(S107)において、フラグF1を3
に設定し、ステップ108(S108)においてライン
L7に基づいて設定する反射器振れ角Bを0゜とす
る。すなわち、ゆっくりした動作でハンドル戻し動作を
行っている場合は、S字コーナーではなく、カーブの後
直進路が続くと判断され、従来と同じくステアリングハ
ンドルのニュートラル位置までランプ照射角は直進方向
に向けられる。
そして、ステップ109(S109)においてステアリ
ングハンドルの位置がニュートラル位置に達したか否か
が判断される。すなわち、A/An-1が負となればニ
ュートラル位置に達したと判断され(Yes)、ステッ
プ110(S110)においてフラグF1を0としライ
ンL1又はL3に基づいて反射器振れ角Biの算出が行
われる(後述のS117〜S119)。
そして、上記S109においてニュートラル位置に達し
ていない場合(NOの場合)には、S120においてラ
インL7に基づいて算出された反射器振れ角Bを設定
するランプ照射角Bχ(目標ランプ照射角)とする。
S106においてステアリング戻し角速度が判定値ΔA
0より大であると判断されるとステップ111(S11
1)にてフラグF1が2とされ、ステップ112(S1
12)においてラインL3−1に基づいて設定すべき反
射器振れ角Bが計算される。
この動作は、本発明の特徴的動作であり、ハンドル戻し
動作が所定の速度以上で行われている場合に、S字コー
ナーを旋回していると判断してラインL3−1によって
S字コーナー用ランプ照射角を算出するようにしたもの
である。
次に、ステップ113(S113)において反射振れ角
が反射器最大振れ角B0に達したか否かが判断され
る。達していない場合、(NOの場合)には、そのまま
ラインL3−1に基づいてランプ照射角が設定されるよ
うにS120に進み、また、反射器最大振れ角B0に達
している場合には、ステップ114(S114)におい
て設定される反射器振れ角Bは反射器最大振れ角B0
に維持されてS120に進む。
ここで、上記S101においてフラグF1が0でない場
合(NOの場合)にはステップ115(S115)にお
いてフラグF1が1であるか否かが判断される。1であ
る場合にはハンドル戻し動作が行われているので、S1
04以下の動作が行われ、フラグF1が1でない場合
(NOの場合)には、ステップ116(S116)にお
いてフラグF1が2であるか否かが判断される。
ここで、フラグF1=2はラインL3−1またはL4−
1の場合を意味しており、フラグF1が2の場合には、
上記S112に進み、ラインL3−1またはL4−1に
基づいて反射器振れ角が算出される。そして、フラグF
1が2でない場合には、フラグF1は3ということにな
り、上記S109以降の動作が行われる。
このように、S101、S115及びS116において
制御マップ24に記憶された制御パターンのいずのライ
ンに従っているかの判定が行われる。
次に、フラグF1=0の場合でS102においてハンド
ル戻し動作が行われていないと判断された時には、S1
17においてラインL1またはL3により設定すべき反
射器振れ角Bを計算する。
そして、ステップ118(S118)において反射器振
れ角Bが反射器最大振れ角B0に達したか否かが判断
され達していない場合には、ラインL1またはL3に基
づく反射器振れ角の算出を継続して行うためにS120
に進む。そして、反射器最大振れ角B0に達している場
合には、ステップ119(S119)において反射器振
れ角Bを反射器最大振れ角B0に継続して設定し、S
120に進む。
以上説明した、第3図のS15における選定すべきラン
プ照射角(反射器振れ角)Bχの算出は、ステアリング
角度センサ10からの信号及び制御マップ24の情報に
基づいて制御部20の演算部23が行う。
このように、本実施例によれば一方に切り動作されたハ
ンドルが所定の速度以上の速度で戻し動作された場合
に、S字コーナーでの旋回であると判断し、上記ライン
L3−1及びL4−1に基づくS字コーナー用ランプ照
射角を設定することができるものである。
すなわち、カーブの旋回後に直進路が連続する場合と異
なり、運転者の注視点が最初のコーナーを曲がり終える
前に後半の反対側コーナーに向けられるのに対応してス
テアリングハンドルがニュートラル位置に達する前にラ
ンプ照射角を次のコーナー方向に傾けるようにしたもの
である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る車両用ステアリング
連動前照灯システムによれば、ステアリングハンドルの
操作状態に対応して予め設定されたランプ照射角により
良好な前方照明を行うことができ、更にS字コーナーに
おける角旋回方向の照明の運転者の注視点に追従させる
ように良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の全体構成を示すブロック図、 第2図は実施例のステアリング角度センサの作用を示す
説明図、 第3図は実施例の基本的動作を示すフローチャート図、 第4図は実施例における制御マップが記憶している制御
パターンの一例を示すグラフ図、 第5図は実施例の特徴的動作部分を示すフローチャート
図、 第6図は、従来のランプ照射角制御パターンを示すグラ
フ図である。 10……ステアリング角度センサ 20……制御部 23……演算部 24……制御マップ 25,26……モータ駆動制御部 30……照射角変更手段 34a,35a……反射器駆動モータ 34b,35b……ポテンショメータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングハンドルの回転操作に対応し
    てヘッドランプの照射角を変更する車両用ステアリング
    連動前照灯システムにおいて、 ステアリングハンドルの回転角及び回転方向を検出し検
    出信号を出力するステアリング角度センサと、 前照灯の照射角を機械的に変更調整する照射角変更手段
    と、 ステアリングハンドルの回転角及び回転方向毎に対応し
    た目標ランプ照射角を記憶したマップであって、前記目
    標ランプ照射角はステアリングハンドルのニュートラル
    位置からハンドル切り動作を行った後戻し動作を行う場
    合にハンドルがニュートラル位置に達する前にランプ照
    射角を直進方向よりハンドル戻し旋回方向に傾けたS字
    コーナー用ランプ照射角を含む制御マップと、 前記ステアリング角度センサからの検出信号に基づきス
    テアリングハンドルの操作状態を演算し、前記戻し動作
    が所定速度以上の場合に前記制御マップに基づいて前記
    S字コーナー用ランプ照射角を算出する演算部と、 前記照射角変更手段が前照灯の照射角を前記演算された
    S字コーナー用ランプ照射角となるよう変更調整するよ
    うに照射角変更手段に対して制御信号を送る照射角変更
    手段制御部と、 を含むことを特徴とする車両用ステアリング連動前照灯
    システム。
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