この発明は、車両が曲路を走行する際において、ステアリングハンドルの操舵に連動して、左側の追加灯を点灯したり消灯したりし、または、右側の追加灯を点灯したり消灯したりする車両用照明装置(車両用照明システム)に関するものである。特に、この発明は、追加灯の調光消灯に改良を加えた制御装置を備える車両用照明装置に関するものである。なお、この明細書および特許請求の範囲において、「路面など」とは、路面およびその路面上の人(歩行者など)や物(ガードレールや他の車両や道路標識や建物など)などを言う。
AFS(Adaptive Front lighting System)のように、車両が曲路を走行する際において、ステアリングハンドルの操舵に連動して、左側の追加灯を点灯したり消灯したりし、または、右側の追加灯を点灯したり消灯したりする車両用照明装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、この車両用照明装置について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献1にそれぞれ対応する。この車両用照明装置は、車両の前部の左側、右側に配置された左追加点灯用灯具(5)、右追加点灯用灯具(4)と、ハンドル(ステアリングハンドル)の操作に基づき検出信号を出力するハンドル操舵角検出部(8)と、前記ハンドルの舵角が点灯開始判定基準舵角以上を超えると、前記左追加点灯用灯具(5)または前記右追加点灯用灯具(4)に点灯信号を出力し、また、前記ハンドルの舵角が消灯開始判定基準舵角未満になると、前記左追加点灯用灯具(5)または前記右追加点灯用灯具(4)に調光消灯信号を出力する演算制御部(7)と、を備えるものである。
以下、前記の車両用照明装置の作用について説明する。まず、演算制御部(7)は、ハンドル操舵角検出部(8)からの検出信号に基づいて、ハンドルの舵角が点灯開始判定基準舵角(たとえば、40°)以上を超えると、操舵方向側の左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)に点灯信号を出力して、左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)を点灯させる。また、演算制御部(7)は、ハンドル操舵角検出部(8)からの検出信号に基づいて、ハンドルの舵角が消灯開始判定基準舵角(たとえば、0°近傍)未満になると、操舵方向側の左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)に調光消灯信号を出力して、点灯状態の左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)を調光消灯させる。前記調光消灯は、点灯状態の左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)の光量を、所定の時間(たとえば、約1秒)をかけて、100%から徐々に減少させて0%にする、いわゆる、減光消灯である。前記調光消灯は、点灯状態の左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)が瞬時に消灯することによるドライバーへの違和感を解消することができる。
ここで、一般のドライバーは、たとえば、S字カーブなどの曲路(以下、単に曲路と称する)を走行する際に、ハンドルを切り戻した方向の曲路を見ている。ところが、前記の車両用照明装置は、調光消灯が開始してから所定の時間が経過するまでの間、左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)が完全消灯状態(光量が0%の状態)ではなく、調光消灯の状態(光量が100%から0%に徐々に減少している状態)であって点灯状態にある。このために、前記の車両用照明装置では、曲路を走行する際に、ドライバーがハンドルをある方向(たとえば、右方向)に切り戻したときに、ドライバーの視線(アイポイント)がハンドルを切り戻した方向の曲路に向いているのにも拘わらず、ハンドルの切り戻し方向と逆の方向側(たとえば、左側)の追加点灯用灯具が調光消灯の状態であって点灯状態にある。この結果、前記の車両用照明装置は、ドライバーの視線の移動タイミングと、調光消灯状態の左追加点灯用灯具(5)または右追加点灯用灯具(4)の完全消灯タイミングとが整合せず、ドライバーに違和感や煩わしさを与える場合がある。
なお、左側の追加灯、右側の追加灯を調光消灯させる車両用照明装置としては、前記の特許文献1の他にも、たとえば、特許文献2などに記載のものがある。
特開2003−159986号公報
特開2001−213227号公報
この発明が解決しようとする問題点は、ドライバーがハンドルをある方向に切り戻したときに、ドライバーの視線の移動タイミングと調光消灯状態の追加灯の完全消灯タイミングとが整合せずに、ドライバーに違和感や煩わしさを与える場合があるという点にある。
この発明は、ステアリングハンドルの操舵角が所定の強制完全消灯操舵角以下に達すると、調光消灯状態の追加灯に強制完全消灯信号を出力する制御装置を備える、ことを特徴とする。
この発明の車両用照明装置は、上記の課題を解決するための手段により、ドライバーがステアリングハンドルをある方向に切り戻してステアリングハンドルの操舵角が所定の強制完全消灯操舵角以下に達すると、調光消灯状態の追加灯が完全に消灯するので、ステアリングハンドルを切り戻した方向の曲路を見ているドライバーにとって違和感や煩わしさがない。このように、この発明の車両用照明装置は、ドライバーの視線の移動タイミングと調光消灯状態の追加灯の消灯タイミングとが整合して、ドライバーに違和感や煩わしさを与える場合がなく、交通安全に貢献することができる。
以下に、この発明にかかる車両用照明装置の実施例のうちの5例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜図5は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用照明装置の構成について説明する。この実施例1にかかる車両用照明装置は、図1に示すように、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rと、操舵角センサ2と、ヘッドランプスイッチ3と、制御装置6(制御回路部やECU・電子制御ユニット)と、を備える。
前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1Rは、図2に示すように、車両7の前部の左側、右側に追加装備されている。前記車両7の前部の左側、右側には、左側のヘッドランプ8L、右側のヘッドランプ8Rが装備されている。前記左側のヘッドランプ8Lおよび前記右側のヘッドランプ8Rは、図3に示すように、所定の配光パターンPで路面などを照明する。前記左側の追加灯1Lは、前記ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの左側に所定の配光パターンPLで路面などを照明する。前記右側の追加灯1Rは、前記ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの右側に所定の配光パターンPRで路面などを照明する。
前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1Rは、図1に示すように、前記制御装置6を介してイグニションスイッチ9、バッテリ10に接続されている。また、前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1Rは、光源として、たとえば、放電灯(いわゆる、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)など)、ハロゲンランプ、白熱ランプ、LEDなどを使用するものである。なお、図1においては、図示されていないが、前記左側のヘッドランプ8L、前記右側のヘッドランプ8Rも同様に、前記制御装置6を介してイグニションスイッチ9、バッテリ10に接続されている。
前記操舵角センサ2は、ステアリングハンドル(図示せず、ステアリングホイール、ハンドルなど同意語)の操舵角(舵角と同意語)および操舵方向を検出して、操舵角信号および操舵方向信号を前記制御装置6に出力するものである。すなわち、前記操舵角センサ2は、たとえば、車両7が曲路(左カーブの道路や右カーブの道路)を走行する場合に、また、車両7が交差路を左折したり右折したりする場合に、ドライバーが操舵するステアリングハンドルの操舵角(回転角)および操舵方向(回転方向)を検出して、操舵角信号および操舵方向信号を前記制御装置6に出力するものである。前記操舵角信号および前記操舵方向信号は、たとえば、車両に搭載されている前記操舵角センサ2および前記制御装置6がネットワーク化され、具体的な数値データとして得られる。具体的な数値データとしては、たとえば、ステアリングハンドルを右側に10°切ると、+10°の数値データ、一方、ステアリングハンドルを左側に10°切ると、−10°の数値データとして得られる。また、具体的な数値データとしては、たとえば、ステアリングハンドルを右側に10°切ると、「1000」のニュートラル数値に対して「990」の数値データ、一方、ステアリングハンドルを左側に10°切ると、「1000」のニュートラル数値に対して「1010」の数値データとして得られる。一方、前記操舵角信号および前記操舵方向信号は、たとえば、車両に搭載されている前記操舵角センサ2(たとえば、光学センサ)が前記制御装置6に出力する電気信号として得られる。
前記ヘッドランプスイッチ3は、ドライバーがON、OFFを操作して前記ヘッドランプ1Lおよび1Rを点灯、消灯させるものであって、ONのときON信号(たとえば、ハイレベル信号)を出力し、OFFのときOFF信号(たとえば、ローレベル信号)を前記制御装置6に出力するものである。
前記制御装置6は、前記操舵角センサ2、前記ヘッドランプスイッチ3がそれぞれ接続されている外部信号入力装置としてのインターフェイス回路11と、中央演算処理装置・CPU12(演算制御部)と、前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1Rがそれぞれ接続されている左側の追加灯のドライバー回路13L、右側の追加灯のドライバー回路13R(左側の追加灯の駆動部、右側の追加灯の駆動部)と、電源回路14とからなる。なお、前記左側の追加灯のドライバー回路13L、前記右側の追加灯のドライバー回路13Rとしては、たとえば、リレーや半導体スイッチ(FETやトランジスタなど)などを使用する。
前記制御装置6は、インターフェイス回路11に入力された前記操舵角センサ2の操舵角信号および操舵方向信号および角速度信号と、前記ヘッドランプスイッチ3のON信号、OFF信号とに基づいて、中央演算処理装置・CPU12において、前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1Rの点灯消灯処理の判断を行い、その判断結果に基づいて、前記左側の追加灯のドライバー回路13L、前記右側の追加灯のドライバー回路13Rを介して、前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1Rを点灯消灯処理するものである。前記制御装置6は、車両に搭載されているコンピュータ、たとえば、カーナビゲーション(ナビゲーションシステム)のコンピュータ、また、制御回路部やECU・電子制御ユニットのコンピュータなどを使用する。
前記インターフェイス回路11は、前記操舵角センサ2からの操舵角信号および操舵方向信号や前記ヘッドランプスイッチ3からのON信号、OFF信号などを入力し、この入力信号を前記中央演算処理装置・CPU12で扱える信号に処理し、この処理信号を前記中央演算処理装置・CPU12に出力する。
前記中央演算処理装置・CPU12は、前記インターフェイス回路11からの処理信号に基づいて、図5に示すフローチャートの工程を順次処理する。また、前記中央演算処理装置・CPU12は、図4に示す操舵角−点灯消灯特性に基づいて、点灯信号、調光消灯信号、強制完全消灯信号を前記左側の追加灯のドライバー回路13L、前記右側の追加灯のドライバー回路13Rに出力する。なお、前記中央演算処理装置・CPU12は、前記インターフェイス回路11と一体となすものもある。
前記左側の追加灯のドライバー回路13L、前記右側の追加灯のドライバー回路13Rは、前記中央演算処理装置・CPU12からの点灯信号、調光消灯信号、強制完全消灯信号に基づいて、前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1を点灯調光消灯強制完全消灯処理制御する。これにより、前記左側の追加灯1L、前記右側の追加灯1Rの点灯調光消灯強制完全消灯が制御される。
前記の図4は、ステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯との相対関係を示す説明図である。図4の上図は、ステアリングハンドルの操舵角(ステアリングハンドルの0°(中立位置、正面)に対して左側方向または右側方向の回転角度)の変化を経時的に示すグラフであって、縦軸に舵角(ステアリングハンドルの操舵角)をとり、横軸に時間をとる。また、図4の下図は、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯タイミングを経時的に示すグラフであって、縦軸に追加ランプ(左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯状態、消灯状態)をとり、横軸に時間をとる。
前記制御装置6(中央演算処理装置・CPU12)において、前記の図4に示すステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯との相対関係は、以下のとおりである。すなわち、車両7が曲路に進入してドライバーがステアリングハンドルを切り始めて、そのステアリングハンドルの操舵角が所定の点灯操舵角(以下、単に点灯操舵角と称する)以上に達すると(図4の上図中のt1を参照)、点灯信号がステアリングハンドルの操舵方向側の追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが点灯する(図4の下図中のt1の0%から100%を参照)。前記点灯操舵角は、車両7の走行速度(以下、車速と称する)に拘わらずに、一定でありかつ任意であるが、この例では、たとえば、40°とする。なお、前記点灯操舵角は、車速により異なるものであっても良い。この車速により異なる点灯操舵角は、任意である。なお、前記追加灯1L、1Rは、ほぼ直線に近い曲路、たとえば、曲線半径(車道の曲線部の中心線の曲線半径)が500m以上の曲路の場合には点灯しないほうが良い。このために、前記追加灯1L、1Rの点灯条件である前記点灯操舵角は、前記の曲路の条件に見合った操舵角とする。
また、曲路においてドライバーがステアリングハンドルを戻し始めて、そのステアリングハンドルの操舵角が所定の調光消灯操舵角(以下、調光消灯操舵角と称する)以下に達すると(図4の上図中のt2を参照)、調光消灯信号が点灯状態の前記追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが調光消灯を開始する(図4の下図中のt2の100%以下を参照)。前記調光消灯操舵角は、車速に拘わらずに、一定でありかつ任意であるが、この例では、たとえば、30°とする。なお、前記調光消灯操舵角は、車速により異なるものであっても良い。この車速により異なる調光消灯操舵角は、任意である。前記の減光消灯の調光制御は、たとえば、パルスワイド変調(PWM)方式や電圧制御方式を用いる(特許文献1、特許文献2など参照)。
さらに、ドライバーがステアリングハンドルを戻して、そのステアリングハンドルの操舵角が所定の強制完全消灯操舵角(以下、単に強制完全消灯操舵角と称する)以下に達すると(図4の上図中のt3を参照)、強制完全消灯信号が調光消灯状態の前記追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが強制的に完全に消灯する(図4の下図中のt3の0%を参照)。前記強制完全消灯操舵角は、車速に拘わらずに、一定でありかつ任意であるが、この例では、たとえば、20°とする。なお、前記強制完全消灯操舵角は、車速により異なるものであっても良い。この車速により異なる強制完全消灯操舵角は、任意である。
この実施例1にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例1にかかる車両用照明装置の作用について説明する。
まず、イグニションスイッチ9をONにする。すると、制御装置6において、電源が電源回路14から中央演算処理装置・CPU12に投入され、中央演算処理装置・CPU12は、作動する。すなわち、中央演算処理装置・CPU12は、図5に示すフローチャートの工程を順次処理する。以下、中央演算処理装置・CPU12の工程処理の手順(作用)を図5のフローチャートを参照して説明する。
中央演算処理装置・CPU12の作用をスタートさせると、操舵角センサ2は、ステアリングハンドルの操舵角および操舵方向を検出して、検出信号(操舵角信号および操舵方向信号)を制御装置6に出力し、一方、ヘッドランプスイッチ3は、ON信号またはOFF信号を制御装置6に出力する。中央演算処理装置・CPU12は、操舵角センサ2からの検出信号とヘッドランプスイッチ3からのON信号またはOFF信号とをインターフェイス回路11を介して入力する(操舵角、操舵方向検出 S1)。
つぎに、中央演算処理装置・CPU12は、ヘッドランプスイッチ3がONかOFFかを判断する(H/Lオン? S2)。ヘッドランプスイッチ3がOFFの場合、中央演算処理装置・CPU12は、消灯信号を左側の追加灯1Lのドライバー回路13L、右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力して左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rを消灯状態にし(左右追加ランプ消灯処理 S3)、その後(S1)に戻る。
前記の(S2)において、ヘッドランプスイッチ3がONの場合、中央演算処理装置・CPU12は、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが点灯しているか否かの状態を判断する(追加灯点灯? S4)。左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが点灯していない状態の場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達しているか否かを判断する(完全消灯舵角20°以下? S5)。ステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達していない場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達しているか否かを判断する(点灯舵角以上? S6)。ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達していない場合には、(S1)に戻る。
前記の(S6)において、ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達している場合(図4の上図中、t1を参照)、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵方向を判断する(右操舵? S7)。ステアリングハンドルの操舵方向が右側の場合、中央演算処理装置・CPU12は、点灯信号を右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力して右側の追加灯1Rを点灯状態(図4の下図中、t1の0%から100%を参照)にし(右追加ランプ点灯処理 S8)、その後(S1)に戻る。前記の(S7)において、ステアリングハンドルの操舵方向が左側の場合、中央演算処理装置・CPU12は、点灯信号を左側の追加灯1Lのドライバー回路13Lに出力して左側の追加灯1Lを点灯状態(同じく、図4の下図中、t1の0%から100%を参照)にし(左追加ランプ点灯処理 S9)、その後(S1)に戻る。
つぎに、前記の(S4)において、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが点灯している状態の場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵角が調光消灯操舵角以下に達しているか否かを判断する(消灯舵角以下? S10)。ステアリングハンドルの操舵角が調光消灯操舵角以下に達していない場合には、(S1)に戻る。
前記の(S10)において、ステアリングハンドルの操舵角が調光消灯操舵角以下に達している場合(図4の上図中、t2を参照)、中央演算処理装置・CPU12は、調光消灯信号を点灯状態の左側の追加灯1Lのドライバー回路13L、右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力し、点灯状態の左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rに調光消灯を開始させ(図4の下図中のt2の100%以下を参照)、かつ、この点灯状態の左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rを調光消灯状態にし(左右追加ランプ消灯処理 S11)、その後(S1)に戻る。
前記の(S5)において、ステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達している場合(図4の上図中、t3を参照)、中央演算処理装置・CPU12は、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが調光消灯状態か否かを判断する(調光消灯中? S12)。左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが調光消灯状態でない場合には、(S1)に戻る。
前記の(S12)において、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが調光消灯状態である場合、中央演算処理装置・CPU12は、強制完全消灯信号を調光消灯状態の左側の追加灯1Lのドライバー回路13L、右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力し、調光消灯状態の左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rを強制完全消灯状態(図4の下図中のt3の0%を参照)にし(左右追加ランプ消灯処理 S13)、その後(S1)に戻る。
この実施例1にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、この実施例1にかかる車両用照明装置の効果について説明する。
この実施例1にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用から明らかなように、たとえば、車両7が曲路を走行中に、ドライバーがステアリングハンドルをある方向に切り戻してステアリングハンドルの操舵角が所定の強制完全消灯操舵角以下に達すると、調光消灯状態の追加灯1L、1Rが完全に消灯するので、ステアリングハンドルを切り戻した方向の曲路を見ているドライバーにとって違和感や煩わしさがない。また、同様に、車両7が曲路を走行中に、ドライバーがステアリングハンドルを速く戻してステアリングハンドルの操舵角が所定の強制完全消灯操舵角以下に達すると、調光消灯状態の追加灯1L、1Rが完全に消灯するので、ステアリングハンドルを速く戻した方向の曲路を見ているドライバーにとって違和感や煩わしさがない。このように、この実施例1にかかる車両用照明装置は、ドライバーの視線の移動タイミングと調光消灯状態の追加灯1L、1Rの消灯タイミングとが整合して、ドライバーに違和感や煩わしさを与える場合がなく、交通安全に貢献することができる。
図6は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例2を示す。以下、この実施例2にかかる車両用照明装置について説明する。図中、図1〜図5と同符号は、同一のものを示す。
前記の図6は、ステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯との相対関係を示す説明図である。図6の上図は、ステアリングハンドルの操舵角(ステアリングハンドルの0°(中立位置、正面)に対して左側方向または右側方向の回転角度)の変化を経時的に示すグラフであって、縦軸に舵角(ステアリングハンドルの操舵角)をとり、横軸に時間をとる。また、図6の下図は、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯状態を経時的に示すグラフであって、縦軸に追加ランプ(左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯状態、消灯状態)をとり、横軸に時間をとる。
前記制御装置6(中央演算処理装置・CPU12)において、前記の図6に示すステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯との相対関係は、以下のとおりである。すなわち、車両7が曲路に進入してドライバーがステアリングハンドルを切り始めて、そのステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達する(図6の上図中のt1を参照)と、点灯信号がステアリングハンドルの操舵方向側の追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが点灯する(図6の下図中のt1のOFFからONを参照)。前記点灯操舵角は、前記の実施例1の点灯操舵角の場合と同様(40°)である。
また、曲路においてドライバーがステアリングハンドルを最大操舵角から所定の戻し操舵角以上戻すと、すなわち、ステアリングハンドルの戻し操舵角が最大操舵角から所定の調光消灯操舵角(以下、単に調光消灯操舵角と称する)以上に達する(図6の上図中のt2を参照)と、調光消灯信号が点灯状態の前記追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが調光消灯を開始する(図6の下図中のt2の100%以下を参照)。前記調光消灯操舵角は、車速に拘わらずに、一定でありかつ任意であるが、この例では、たとえば、20°とする。また、前記調光消灯操舵角は、車速により異なるものであっても良い。この車速により異なる調光消灯操舵角は、任意である。
さらに、ドライバーがステアリングハンドルを戻して、そのステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達する(図6の上図中のt3を参照)と、強制完全消灯信号が調光消灯状態の前記追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが強制的に完全に消灯する(図4の下図中のt3の0%を参照)。前記強制完全消灯操舵角は、前記の実施例1の強制完全消灯操舵角の場合と同様(20°)である。
この実施例2にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例2にかかる車両用照明装置の作用について説明する。なお、この実施例2にかかる車両用照明装置の作用は、前記の実施例1にかかる車両用照明装置の作用のうち、図5のS10の作用(工程処理の手順)が異なる。以下、この異なる作用について説明する。
すなわち、前記の図5の(S4)において、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが点灯状態の場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵方向が切り方向か戻し方向かを判断する。ステアリングハンドルの操舵方向が切り方向の場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵角の最大操舵角の値(以下、単に最大操舵角と称する)と読込操舵角の値(以下、単に読込操舵角と称する)とを比較する。読込操舵角の方が最大操舵角よりも大きい場合、中央演算処理装置・CPU12は、読込操舵角を最大操舵角として更新する。
そして、ステアリングハンドルの操舵方向が戻し方向の場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの戻し操舵角において、最大操舵角と読込操舵角との差が所定の消灯操舵角の値(以下、単に消灯操舵角と称する)よりも大きいか否かを判断する。最大操舵角と読込操舵角との差が消灯操舵角よりも大きい場合(図6の上図中、t2を参照)、中央演算処理装置・CPU12は、調光消灯信号を点灯状態の左側の追加灯1Lのドライバー回路13Lまたは右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力してその点灯状態の左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rに調光消灯を開始させ(図6の下図中のt2の100%以下を参照)、かつ、その左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rを調光消灯状態にする。ここで、最大操舵角と読込操舵角との差が消灯操舵角よりも小さい場合(図6の上図中、t1とt2との間を参照)、中央演算処理装置・CPU12は、(S1)に戻る。すなわち、左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rは、点灯状態にある。
以降、ステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達している場合(図6の上図中、t3を参照)は、前記の実施例1の場合と同様に、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが調光消灯状態か否かを判断して、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rが調光消灯状態である場合には、調光消灯状態の左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rを強制完全消灯状態(図6の下図中のt3の0%を参照)にする。
この実施例2にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1にかかる車両用照明装置の効果とほぼ同様の効果を達成することができる。
図7および図8は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例3を示す。以下、この実施例3にかかる車両用照明装置について説明する。図中、図1〜図6と同符号は、同一のものを示す。
図7において、符号5は車速センサである。前記車速センサ5は、車速を検出して車速信号を制御装置6に出力するものである。また、図8は、ステアリングハンドルの操舵角(ステアリングハンドルの0°(中立位置、正面)に対して左側方向または右側方向の回転角度)と、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯状態との相対関係を示す説明図であって、縦軸に追加ランプ(左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯状態、消灯状態)をとり、横軸に舵角(ステアリングハンドルの操舵角)をとる。
前記制御装置6(中央演算処理装置・CPU12)において、前記の図8に示すステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの点灯消灯との相対関係は、以下のとおりである。すなわち、車両7が曲路に進入してドライバーがステアリングハンドルを切り始めて、そのステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達すると、点灯信号がステアリングハンドルの操舵方向側の追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが点灯する(図8中のOFFからONへの↑を参照)。前記点灯操舵角は、車速に応じて異なり、車速が高速ほど小さい。前記車速に応じて異なる消灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合70°とし、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合50°とし、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合30°とする。
また、車両7が曲路を走行中においてドライバーがステアリングハンドルを戻し始めて、そのステアリングハンドルの操舵角が調光消灯操舵角以下に達すると、調光消灯信号が点灯状態の前記追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが調光消灯を開始する(図8中のONからの/を参照)。前記調光消灯操舵角は、車速に応じて異なり、車速が高速ほど小さい。前記車速に応じて異なる調光消灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合65°とし、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合45°とし、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合25°とする。
さらに、車両7が曲路を走行中においてドライバーがステアリングハンドルをさらに戻して、そのステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達すると、強制完全消灯信号が調光消灯状態の前記追加灯1L、1Rのドライバー回路13L、13Rに出力されてその追加灯1L、1Rが強制完全消灯する(図8中のONの途中からOFFへの↓を参照)。前記強制完全消灯操舵角は、車速に応じて異なり、車速が高速ほど小さい。前記車速に応じて異なる消灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合60°とし、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合40°とし、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合20°とする。
この実施例3にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例3にかかる車両用照明装置の作用について説明する。
まず、曲路に進入した車両7の車速が低速域(0〜40km/h)か、中速域(40〜60km/h)か、高速域(60km/h以上)か、が判断される。つぎに、各車速域において、ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達しているか否かが判断され、点灯操舵角以上に達していると、追加灯1L、1Rが点灯する(図8中のOFFからONへの↑を参照)。たとえば、車速が低速域(0〜40km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が70°以上になると、追加灯1L、1Rが点灯し(図8中の低速域のOFFからONへの↑を参照)、車速が中速域(40〜60km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が50°以上になると、追加灯1L、1Rが点灯し(図8中の中速域のOFFからONへの↑を参照)、車速が高速域(60km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が30°以上になると、追加灯1L、1Rが点灯する(図8中の高速域のOFFからONへの↑を参照)。
それから、各車速域において、ステアリングハンドルの操舵角が調光消灯操舵角以下に達しているか否かが判断され、調光消灯操舵角以下に達していると、点灯状態の追加灯1L、1Rが調光消灯を開始する(図8中のONからの/を参照)。たとえば、車速が低速域(0〜40km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が65°以下になると、点灯状態の追加灯1L、1Rが調光消灯を開始し(図8中の低速域のONからの/を参照)、車速が中速域(40〜60km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が45°以下になると、点灯状態の追加灯1L、1Rが調光消灯を開始し(図8中の中速域のONからの/を参照)、車速が高速域(60km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が25°以下になると、点灯状態の追加灯1L、1Rが調光消灯を開始する(図8中の高速域のONからの/を参照)。
さらに、各車速域において、ステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達しているか否かが判断され、強制完全消灯操舵角以下に達していると、調光消灯状態の追加灯1L、1Rが強制完全消灯する(図8中のONの途中からOFFへの↓を参照)。たとえば、車速が低速域(0〜40km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が60°以下になると、調光消灯状態の追加灯1L、1Rが強制完全消灯し(図8中の低速域のONの途中からOFFへの↓を参照)、車速が中速域(40〜60km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が40°以下になると、調光消灯状態の追加灯1L、1Rが強制完全消灯し(図8中の中速域のONの途中からOFFへの↓を参照)、車速が高速域(60km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が20°以下になると、調光消灯状態の追加灯1L、1Rが強制完全消灯する(図8中の高速域のONの途中からOFFへの↓を参照)。
この実施例3にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用から明らかなように、前記の実施例1、2にかかる車両用照明装置の効果と同様の効果を達成することができる。特に、この実施例3にかかる車両用照明装置は、車速が高速の場合、調光消灯操舵角および強制完全消灯操舵角が小さく、逆に、車速が低速の場合、調光消灯操舵角および強制完全消灯操舵角が大きい。このために、この実施例3にかかる車両用照明装置は、車速が低速の場合、曲路の後半でドライバーがステアリングハンドルを戻し始めると、点灯状態の追加灯1L、1Rが調光消灯しかつ強制完全消灯するので、曲路の後半でハンドルを戻し始めて曲路の終わった先を見ているドライバーにとって違和感や煩わしさがない。一方、車速が高速の場合、曲路のほぼ終わりでドライバーがステアリングハンドルをほぼ戻し終わるまでの間追加灯1L、1Rが点灯状態にあるので、高速走行上安全であり、しかも、ハンドルをほぼ戻し終わるまでの間、車両7の進行方向に沿って曲路を見ているドライバーにとって違和感や煩わしさがない。このように、この実施例3にかかる車両用照明装置は、ドライバーの視線の移動タイミングと追加灯1L、1Rの消灯タイミングとが整合して、ドライバーに違和感や煩わしさを与える場合がなく、交通安全に貢献することができる。
また、この実施例3にかかる車両用照明装置は、点灯操舵角が、車速に応じて異なり、車速が高速ほど小さい。このために、この実施例3にかかる車両用照明装置は、車速が低速の場合、曲路の前半でドライバーがステアリングハンドルをある程度切ると、追加灯1L、1Rが点灯するので、曲路の前半で車両の進行方向に沿って曲路を見始めているドライバーにとって違和感や煩わしさがない。一方、車速が高速の場合、曲路の始めでドライバーがステアリングハンドルを切り始めると、追加灯1L、1Rが点灯するので、高速走行上安全であり、しかも、曲路の始めで車両の進行方向に沿って曲路を見ているドライバーにとって違和感や煩わしさがない。このように、この実施例3にかかる車両用照明装置は、ドライバーの視線の移動タイミングと追加灯の点灯タイミングとが整合して、ドライバーに違和感や煩わしさを与える場合がなく、交通安全に貢献することができる。
なお、この実施例3にかかる車両用照明装置においては、点灯操舵角が車速に応じて異なるものである。ところが、この発明においては、点灯操舵角が車速に拘わらず一定の場合でも良い。また、この実施例3にかかる車両用照明装置においては、点灯操舵角と調光消灯操舵角および強制完全消灯操舵角とが車速により異なり、追加灯1L、1Rの点灯時の車速と追加灯1L、1Rの調光消灯時および強制完全消灯時の車速とが相互に対応している。すなわち、車速が低速域(または中速域、あるいは高速域)において追加灯1L、1Rが点灯すると、この点灯状態の追加灯1L、1Rは、車速が低速域(または中速域、あるいは高速域)における調光消灯操舵角の条件および強制完全消灯操舵角の条件により、調光消灯しかつ強制完全消灯する。
図9〜図12は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例4を示す。以下、この実施例3にかかる車両用照明装置について説明する。図中、図1〜図8と同符号は、同一のものを示す。
この実施例4にかかる車両用照明装置は、図9〜図12に示すように、左側の追加灯1L−1、1L−2、右側の追加灯1R−1、1R−2を車両7の前部の左側、右側にそれぞれ複数個、この例では、2個ずつ追加装備するものである(特許文献1、特開2000−238576号公報、特許文献2、など参照)。すなわち、第1左側の追加灯1L−1は、車両7の前部の左側の内側に装備され、第2左側の追加灯1L−2は、車両7の前部の左側の外側に装備され、第1右側の追加灯1R−1は、車両7の前部の右側の内側に装備され、第2右側の追加灯1R−2は、車両7の前部の左側の外側に装備されている。
前記第1左側の追加灯1L−1は、ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの左側に所定の配光パターンPL1で路面などを照明する。前記第2左側の追加灯1L−2は、ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの左側であって前記第1左側の追加灯1L−1の配光パターンPL1の外側に所定の配光パターンPL2で路面などを照明する。前記第1右側の追加灯1R−1は、前記ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの右側に所定の配光パターンPR1で路面などを照明する。前記第2右側の追加灯1R−2は、ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの右側であって前記第1右側の追加灯1R−1の配光パターンPR1の外側に所定の配光パターンPR2で路面などを照明する。
この実施例4にかかる車両用照明装置の制御装置6は、前記第1左側の追加灯1L−1、前記第2左側追加灯1L−2、前記第1右側の追加灯1R−1、前記第2右側追加灯1R−2がそれぞれ接続されている第1左側の追加灯のドライバー回路13L−1、第2左側の追加灯のドライバー回路13L−2、第1右側の追加灯のドライバー回路13R−1、第2右側の追加灯のドライバー回路13R−2を備えるものである。前記第1左側の追加灯のドライバー回路13L−1、前記第2左側の追加灯のドライバー回路13L−2、前記第1右側の追加灯のドライバー回路13R−1、前記第2右側の追加灯のドライバー回路13R−2は、イグニションスイッチ9を介してバッテリ10に、また、中央演算処理装置・CPU12に接続されている。
前記中央演算処理装置・CPU12は、前記インターフェイス回路11からの処理信号に基づいて、前記第1左側の追加灯1L−1、前記第2左側追加灯1L−2、前記第1右側の追加灯1R−1、前記第2右側追加灯1R−2の点灯消灯の工程を順次処理する。また、前記中央演算処理装置・CPU12は、図12に示す操舵角−点灯消灯特性に基づいて、点灯信号、消灯信号を前記第1左側の追加灯のドライバー回路13L−1、前記第2左側の追加灯のドライバー回路13L−2、前記第1右側の追加灯のドライバー回路13R−1、前記第2右側の追加灯のドライバー回路13R−2に出力する。
前記の図12は、ステアリングハンドルの操舵角(ステアリングハンドルの0°(中立位置、正面)に対して左側方向または右側方向の回転角度)と、第1左側の追加灯1L−1、第2左側の追加灯1L−2、第1右側の追加灯1R−1、第2右側の追加灯1R−2の点灯消灯状態との相対関係を示す説明図であって、縦軸に追加ランプ(第1左側の追加灯1L−1、第2左側の追加灯1L−2、第1右側の追加灯1R−1、第2右側の追加灯1R−2の点灯状態、消灯状態)をとり、横軸に舵角(ステアリングハンドルの操舵角)をとる。
前記の図12に示すステアリングハンドルの操舵角と第1左側の追加灯1L−1、第2左側の追加灯1L−2、第1右側の追加灯1R−1、第2右側の追加灯1R−2の点灯消灯との相対関係は、以下のとおりである。すなわち、車両7が曲路に進入してドライバーがステアリングハンドルを切り始めて、そのステアリングハンドルの操舵角が第1点灯操舵角以上に達すると、点灯信号がステアリングハンドルの操舵方向側の第1追加灯1L−1、1R−1のドライバー回路13L−1、13R−1に出力されてその第1追加灯1L−1、1R−1が点灯する(図12中の追加点灯ランプ1において、OFFからONへの↑を参照)。さらに、車両7が曲路を進んでドライバーがステアリングハンドルをさらに切って、そのステアリングハンドルの操舵角が第2点灯操舵角以上に達すると、点灯信号がステアリングハンドルの操舵方向側の第2追加灯1L−2、1R−2のドライバー回路13L−2、13R−2に出力されてその第2追加灯1L−2、1R−2が点灯する(図12中の追加点灯ランプ2において、OFFからONへの↑を参照)。前記第1点灯操舵角、第2点灯操舵角は、車速に応じて異なり、車速が高速ほど小さい。前記車速に応じて異なる第1点灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合70°とし、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合50°とし、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合30°とする。一方、前記車速に応じて異なる第2点灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜20km/h)の場合120°とし、車速が中速域(たとえば、20〜30km/h)の場合100°とし、車速が高速域(たとえば、30km/h以上)の場合80°とする。
また、曲路の後半においてドライバーがステアリングハンドルを戻し始めて、そのステアリングハンドルの操舵角が第2調光消灯操舵角以下に達すると、調光消灯信号が点灯状態の前記第2追加灯1L−2、1R−2のドライバー回路13L−2、13R−2に出力されてその第2追加灯1L−2、1R−2が調光消灯を開始する(図12中の追加点灯ランプ2において、ONからの/を参照)。さらに、曲路の終わりに近づいてドライバーがステアリングハンドルをさらに戻すと、そのステアリングハンドルの操舵角が第1消灯操舵角以下に達すると、消灯信号が点灯状態の前記第1追加灯1L−1、1R−1のドライバー回路13L−1、13R−1に出力されてその第1追加灯1L−1、1R−1が調光消灯を開始する(図12中の追加点灯ランプ1において、ONからの/を参照)。前記第1調光消灯操舵角および前記第2調光消灯操舵角は、車速に応じて異なり、車速が高速ほど小さい。前記車速に応じて異なる第2調光消灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜20km/h)の場合115°とし、車速が中速域(たとえば、20〜30km/h)の場合95°とし、車速が高速域(たとえば、30km/h以上)の場合75°とする。一方、前記車速に応じて異なる第1調光消灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合65°とし、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合45°とし、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合25°とする。
さらに、車両7が曲路を走行中においてドライバーがステアリングハンドルをさらに戻して、そのステアリングハンドルの操舵角が第2強制完全消灯操舵角以下に達すると、消灯信号が点灯状態の前記第2追加灯1L−2、1R−2のドライバー回路13L−2、13R−2に出力されてその第2追加灯1L−2、1R−2が強制完全消灯する(図12中の追加点灯ランプ2において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。さらに、曲路の終わりに近づいてドライバーがステアリングハンドルをさらに戻すと、そのステアリングハンドルの操舵角が第1強制完全消灯操舵角以下に達すると、消灯信号が点灯状態の前記第1追加灯1L−1、1R−1のドライバー回路13L−1、13R−1に出力されてその第1追加灯1L−1、1R−1が強制完全消灯する(図12中の追加点灯ランプ1において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。前記第1強制完全消灯操舵角および前記第2強制完全消灯操舵角は、車速に応じて異なり、車速が高速ほど小さい。前記車速に応じて異なる第2強制完全消灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜20km/h)の場合110°とし、車速が中速域(たとえば、20〜30km/h)の場合90°とし、車速が高速域(たとえば、30km/h以上)の場合70°とする。一方、前記車速に応じて異なる第1強制完全消灯操舵角は、任意であるが、たとえば、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合60°とし、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合40°とし、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合20°とする。
この実施例4にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について図12を参照して説明する。まず、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が低速域の第1点灯操舵角(70°)に達すると、第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が点灯する(図12中の低速域の追加点灯ランプ1において、OFFからONへの↑を参照)。また、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が中速域の第1点灯操舵角(50°)に達すると、第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が点灯する(図12中の中速域の追加点灯ランプ1において、OFFからONへの↑を参照)。さらに、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が高速域の第1点灯操舵角(30°)に達すると、第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が点灯する(図12中の高速域の追加点灯ランプ1において、OFFからONへの↑を参照)。
一方、車速が低速域(たとえば、0〜20km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が低速域の第2点灯操舵角(120°)に達すると、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が点灯する(図12中の低速域の追加点灯ランプ2において、OFFからONへの↑を参照)。また、車速が中速域(たとえば、20〜30km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が中速域の第2点灯操舵角(100°)に達すると、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が点灯する(図12中の中速域の追加点灯ランプ2において、OFFからONへの↑を参照)。さらに、車速が高速域(たとえば、30km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が高速域の第2点灯操舵角(80°)に達すると、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が点灯する(図12中の高速域の追加点灯ランプ1において、OFFからONへの↑を参照)。
それから、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が点灯状態において、車速が低速域(たとえば、0〜20km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が低速域の第2調光消灯操舵角(115°)に達すると、点灯状態の第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が調光消灯を開始する(図12中の低速域の追加点灯ランプ2において、ONからの/を参照)。また、車速が中速域(たとえば、20〜30km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が中速域の第2消灯操舵角(95°)に達すると、点灯状態の第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が調光消灯を開始する(図12中の中速域の追加点灯ランプ2において、ONからの/を参照)。さらに、車速が高速域(たとえば、30km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が高速域の第2消灯操舵角(75°)に達すると、点灯状態の第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が調光消灯を開始する(図12中の高速域の追加点灯ランプ2において、ONからの/を参照)。
一方、第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が点灯状態において、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が低速域の第1消灯操舵角(65°)に達すると、点灯状態の第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が調光消灯を開始する(図12中の低速域の追加点灯ランプ1において、ONからの/を参照)。また、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が中速域の第1消灯操舵角(45°)に達すると、点灯状態の第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が調光消灯を開始する(図12中の中速域の追加点灯ランプ1において、ONからの/を参照)。さらに、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が高速域の第1消灯操舵角(25°)に達すると、点灯状態の第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が調光消灯を開始する(図12中の高速域の追加点灯ランプ1において、ONからの/を参照)。
そして、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が調光消灯状態において、車速が低速域(たとえば、0〜20km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が低速域の第2強制完全消灯操舵角(110°)に達すると、調光消灯状態の第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が強制的に完全に消灯する(図12中の低速域の追加点灯ランプ2において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。また、車速が中速域(たとえば、20〜30km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が中速域の第2強制完全消灯操舵角(90°)に達すると、調光消灯状態の第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が強制的に完全に消灯する(図12中の中速域の追加点灯ランプ2において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。さらに、車速が高速域(たとえば、30km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が高速域の第2強制完全消灯操舵角(70°)に達すると、調光消灯状態の第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が強制的に完全に消灯する(図12中の高速域の追加点灯ランプ2において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。
一方、第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が調光消灯状態において、車速が低速域(たとえば、0〜40km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が低速域の第1強制完全消灯操舵角(60°)に達すると、調光消灯状態の第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が強制的に完全に消灯する(図12中の低速域の追加点灯ランプ1において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。また、車速が中速域(たとえば、40〜60km/h)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が中速域の第1強制完全消灯操舵角(40°)に達すると、調光消灯状態の第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が強制的に完全に消灯する(図12中の中速域の追加点灯ランプ1において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。さらに、車速が高速域(たとえば、60km/h以上)の場合、ステアリングハンドルの操舵角が高速域の第1消灯操舵角(20°)に達すると、調光消灯状態の第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が強制的に完全に消灯する(図12中の高速域の追加点灯ランプ1において、ONの途中からOFFへの↓を参照)。
なお、第1左側の追加灯1L−1または第1右側追加灯1R−1の点灯操舵角と、第2左側の追加灯1L−2または第2右側追加灯1R−2の点灯操舵角とを同一角度として、内側の第1左側の追加灯1L−1または第1右側追加灯1R−1と、外側の第2左側の追加灯1L−2または第2右側追加灯1R−2とが同時に点灯するように構成しても良い。また、第1左側の追加灯1L−1または第1右側追加灯1R−1の調光消灯操舵角と、第2左側の追加灯1L−2または第2右側追加灯1R−2の調光消灯操舵角とを同一角度として、内側の第1左側の追加灯1L−1または第1右側追加灯1R−1と、外側の第2左側の追加灯1L−2または第2右側追加灯1R−2とが同時に調光消灯を開始するように構成しても良い。さらに、第1左側の追加灯1L−1または第1右側追加灯1R−1の強制完全消灯操舵角と、第2左側の追加灯1L−2または第2右側追加灯1R−2の強制完全消灯操舵角とを同一角度として、内側の第1左側の追加灯1L−1または第1右側追加灯1R−1と、外側の第2左側の追加灯1L−2または第2右側追加灯1R−2とが同時に強制的に完全に消灯するように構成しても良い。
このように、この実施例4にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1、2、3にかかる車両用照明装置とほぼ同様の効果を達成することができる。特に、この実施例4にかかる車両用照明装置は、2個の左側の追加灯1L−1、1L−2と2個の右側の追加灯1R−1、1R−2を装備するものであるから、2個の左側の追加灯1L−1、1L−2と2個の右側の追加灯1R−1、1R−2の点灯消灯のバリエーション、および、2個の左側の追加灯1L−1、1L−2と2個の右側の追加灯1R−1、1R−2の配光パターンのバリエーションが増し、追加灯の点灯消灯の制御の自由度、および、配光設計の自由度が増して、ユーザーの多様の好みやニーズに対応することができる。
なお、この実施例4にかかる車両用照明装置においては、2個の左側の追加灯1L−1、1L−2と2個の右側の追加灯1R−1、1R−2を装備するものである。ところが、この発明においては、3個以上の左側の追加灯と3個以上の右側の追加灯を装備しても良い。また、この実施例4にかかる車両用照明装置においては、点灯操舵角が車速に応じて異なるものである。ところが、この発明においては、点灯操舵角が車速に拘わらず一定の場合でも良い。さらに、この実施例4にかかる車両用照明装置においては、前記の実施例3にかかる車両用照明装置と同様に、点灯操舵角と調光消灯操舵角および強制完全消灯操舵角とが車速により異なり、追加灯1L、1Rの点灯時の車速と追加灯1L、1Rの調光消灯時および強制完全消灯時の車速とが相互に対応している。
図13は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例5を示す。以下、この実施例5にかかる車両用照明装置について説明する。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。
この実施例5にかかる車両用照明装置は、図13に示すように、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rをそれぞれ揺動(スイブル)させるものである(特許文献1、特開2001−277936号公報、など参照)。すなわち、左側の追加灯1Lには、左側のモータ4Lの回転軸が取り付けられていて、左側の追加灯1Lは、左側のモータ4Lにより回転可能である。一方、右側の追加灯1Rには、右側のモータ4Rの回転軸が取り付けられていて、右側の追加灯1Rは、右側のモータ4Rにより回転可能である。
この実施例5にかかる車両用照明装置の制御装置6は、前記左側のモータ4L、前記右側のモータ4Rがそれぞれ接続されている左側のモータのドライバー回路15L、右側のモータのドライバー回路15Rを備えるものである。前記左側のモータのドライバー回路15L、前記右側のモータのドライバー回路15Rは、イグニションスイッチ9を介してバッテリ10に、また、中央演算処理装置・CPU12に接続されている。
この実施例5にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなるので、ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達すると、左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが点灯し、ステアリングハンドルの操舵角が調光消灯操舵角以下に達すると、点灯状態の左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが調光消灯を開始し、ステアリングハンドルの操舵角が強制完全消灯操舵角以下に達すると、調光消灯状態の左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが強制的に完全に消灯する。また、点灯操舵角以上において、ステアリングハンドルを切り方向に操舵すると、左側のモータ4Lまたは右側のモータ4Rが駆動して左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが内側から外側に所定の角度まで回転する。一方、ステアリングハンドルを戻し方向に操舵すると、左側のモータ4Lまたは右側のモータ4Rが逆駆動して左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが外側から内側に回転する。
このように、この実施例5にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1、2、3、4にかかる車両用照明装置とほぼ同様の効果を達成することができる。特に、この実施例5にかかる車両用照明装置は、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rをそれぞれ揺動(スイブル)させるものであるから、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの配光パターンのバリエーションが増し、配光設計の自由度が増して、ユーザーの多様の好みやニーズに対応することができる。
なお、この実施例5にかかる車両用照明装置においては、1個の左側の追加灯1Lと1個の右側の追加灯1Rと、1個の左側のモータ4Lと、1個の右側のモータ5Rとを装備するものである。ところが、この発明においては、2個以上の左側の追加灯と2個以上の右側の追加灯と2個以上の左側のモータと2個以上の右側のモータとを装備しても良い。
以下、前記の実施例1、2、3、4、5以外の例について説明する。前記の実施例1、2、3、4、5にかかる車両用照明装置においては、左側の追加灯1L、1L−1、1L−2または右側の追加灯1R、1R−1、1R−2が一気に点灯するものである。ところが、この発明においては、左側の追加灯1L、1L−1、1L−2または右側の追加灯1R、1R−1、1R−2が徐々に増光点灯(たとえば、0%〜100%点灯)するものであっても良い。前記の増光点灯の調光制御は、たとえば、パルスワイド変調(PWM)方式や電圧制御方式を用いる(特許文献1、特許文献2など参照)。
なお、前記の実施例1、2、3、4、5にかかる車両用照明装置においては、ヘッドランプスイッチ3がOFFのときに左側の追加灯1L、1L−1、1L−2または右側の追加灯1R、1R−1、1R−2の消灯処理が行われ、ヘッドランプスイッチ3がONのときに左側の追加灯1L、1L−1、1L−2または右側の追加灯1R、1R−1、1R−2の点灯消灯処理が行われるものである。ところが、この発明においては、ヘッドランプスイッチ3以外のスイッチ、たとえば、イグニションスイッチ9のON、OFF、または、アクセサリスイッチのON、OFF、または、追加灯専用のスイッチのON、OFFに基づいて、左側の追加灯1L、1L−1、1l−2または右側の追加灯1R、1R−1、1R−2の点灯消灯処理が行われるものであっても良い。
なお、前記の実施例1、3、4、5にかかる車両用照明装置は、ステアリングハンドルの操舵角が所定の調光消灯操舵角以下に達すると調光消灯が開始され、また、前記の実施例2にかかる車両用照明装置は、ステアリングハンドルの戻し操舵角が最大操舵角から所定の調光消灯操舵角以上に達すると調光消灯が開始されるものである。ところが、この発明においては、ステアリングハンドルの戻し時の角速度が所定値以上に達すると調光消灯が開始するものであっても良い。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例1を示す構成ブロック図である。
同じく、この実施例1にかかる車両用照明装置を搭載する車両の一部正面図である。
同じく、ヘッドランプの配光パターンと左側の追加灯の配光パターンと右側の追加灯の配光パターンとを示す平面説明図である。
同じく、ステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯または右側の追加灯の点灯消灯との相対関係を示す説明図である。
同じく、制御装置(中央演算処理装置・CPU)の作用(工程処理の手順)を示すフローチャートである。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例2を示すステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯または右側の追加灯の点灯消灯との相対関係の説明図である。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例3を示す構成ブロック図である。
同じく、ステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯または右側の追加灯の点灯消灯との相対関係を示す説明図である。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例4を示す構成ブロック図である。
同じく、この実施例2にかかる車両用照明装置を搭載する車両の一部正面図である。
同じく、ヘッドランプの配光パターンと第1左側の追加灯の配光パターンと第2左側の追加灯の配光パターンと第1右側の追加灯の配光パターンと第2右側の追加灯の配光パターンとを示す平面説明図である。
同じく、ステアリングハンドルの操舵角と左側の追加灯または右側の追加灯の点灯消灯との相対関係を示す説明図である。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例5を示す構成ブロック図である。
符号の説明
1L 左側の追加灯
1L−1 第1左側の追加灯
1L−2 第2左側の追加灯
1R 右側の追加灯
1R−1 第1右側の追加灯
1R−2 第2右側の追加灯
2 操舵角センサ(検出手段)
3 ヘッドランプスイッチ
4L 左側のモータ
4R 右側のモータ
5 車速センサ
6 制御装置
7 車両
8L 左側のヘッドランプ
8R 右側のヘッドランプ
9 イグニションスイッチ
10 バッテリー
11 インターフェイス回路
12 中央演算処理装置・CPU
13L 左側の追加灯のドライバー回路
13L−1 第1左側の追加灯のドライバー回路
13L−2 第2左側の追加灯のドライバー回路
13R 右側の追加灯のドライバー回路
13R−1 第1右側の追加灯のドライバー回路
13R−2 第2右側の追加灯のドライバー回路
14 電源回路
15L 左側のモータのドライバー回路
15R 右側のモータのドライバー回路
P ヘッドランプの所定の配光パターン
PL 左側の追加灯の所定の配光パターン
PR 右側の追加灯の所定の配光パターン
PL1 第1左側の追加灯の所定の配光パターン
PR1 第1右側の追加灯の所定の配光パターン
PL2 第2左側の追加灯の所定の配光パターン
PR2 第2右側の追加灯の所定の配光パターン