この発明は、車両の情報のうち少なくとも1つの情報に基づいて、左側の追加灯や右側の追加灯を調光点灯したり消灯したりする車両用照明装置(車両用照明システム)に関するものである。特に、この発明は、調光点灯の時間や点灯率をステアリングハンドルの角速度により変える車両用照明装置に関するものである。なお、この明細書において、「路面など」とは、路面およびその路面上の人(歩行者など)や物(ガードレールや他の車両や道路標識や建物など)などを言う。
AFS(Adaptive Front lighting System)のように、車両の少なくとも1つの情報に基づいて、追加灯を調光点灯したり消灯したりする車両用照明装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用照明装置について説明する。従来の車両用照明装置は、制御装置により、車両の少なくとも1つの情報に基づいて、左側の追加灯や右側の追加灯を調光点灯すなわち徐々に点灯したり消灯したりするものである。また、従来の車両用照明装置は、調光点灯する際に、最初に所定の点灯率(たとえば、50%)まで点灯してから後に徐々に点灯率を高めて所定時間に100%まで点灯するものである。このように、従来の車両用照明装置は、追加灯を調光点灯したりするので、自車のドライバーや同乗者および周辺の車両のドライバーや同乗者また歩行者などに違和感を与えるようなことがない。また、従来の車両用照明装置は、最初に所定の点灯率まで点灯してから100%まで点灯するので、調光点灯時間を短くして、できる限り迅速に100%点灯することができる。
ところが、従来の車両用照明装置は、最初に所定の点灯率まで点灯してから100%まで点灯するものであるから、ステアリングハンドルの角速度に関わらずに調光点灯時間や最初の所定の点灯率が一定である。このために、従来の車両用照明装置は、調光点灯時間を長く設定したり最初の所定の点灯率を低く設定したりすると、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には車両の進行方向において十分な光が得られずに視認性に影響があり、一方、調光点灯時間を短く設定したり最初の所定の点灯率を高く設定したりすると、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合には急に点灯した感じがあり違和感や煩わしさを与える虞があるなどの課題がある。
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用照明装置では視認性に影響がありあるいは違和感や煩わしさを与える虞があるという点にある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、1個または複数個の左側の追加灯や1個または複数個の右側の追加灯を点灯率0%から100%まで調光点灯させる際に、点灯率0%から100%までの調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が速いほど短く変える、ことを特徴とする。
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、1個または複数個の左側の追加灯や1個または複数個の右側の追加灯を最初に所定の点灯率まで点灯させてから100%まで調光点灯させる際に、最初の所定の点灯率から100%の点灯率までの調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が速いほど短く変える、ことを特徴とする。
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、1個または複数個の左側の追加灯や1個または複数個の右側の追加灯を最初に所定の点灯率まで点灯させてから100%まで調光点灯させる際に、その最初の所定の点灯率をステアリングハンドルの角速度が速いほど高く変える、ことを特徴とする。
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には1個または複数個の左側の追加灯や1個または複数個の右側の追加灯を瞬時に点灯する、ことを特徴とする。
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用照明装置は、点灯率0%から100%までの調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が速いほど短く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には車両の進行方向において十分な光が得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。一方、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用照明装置は、点灯率0%から100%までの調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が遅いほど長く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合には緩やかに点灯して違和感や煩わしさを与える虞がない。
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用照明装置は、最初の所定の点灯率から100%の点灯率までの調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が速いほど短く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には車両の進行方向において十分な光が得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。一方、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用照明装置は、最初の所定の点灯率から100%の点灯率までの調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が遅いほど長く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合には緩やかに点灯して違和感や煩わしさを与える虞がない。
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用照明装置は、最初の所定の点灯率をステアリングハンドルの角速度が速いほど高く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には車両の進行方向において十分な光が得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。一方、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用照明装置は、最初の所定の点灯率をステアリングハンドルの角速度が遅いほど低く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合には緩やかに点灯して違和感や煩わしさを与える虞がない。
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用照明装置は、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には1個または複数個の左側の追加灯や1個または複数個の右側の追加灯を瞬時に点灯するので、車両の進行方向において十分な光が瞬時にかつ確実に得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。
以下に、この発明にかかる車両用照明装置の実施例のうちの4例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜図6は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用照明装置の構成について説明する。この実施例1にかかる車両用照明装置は、図1に示すように、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rと、操舵角センサ2と、ヘッドランプスイッチ3と、車速センサ5と、方向指示検出部16と、制御装置6(制御回路部やECU・電子制御ユニット)と、を備える。前記操舵角センサ2と、前記ヘッドランプスイッチ3と、前記方向指示検出部16とは、車両の情報を検出して情報信号を出力する車両情報検出部を構成するものである。なお、前記車速センサ5も、車両の情報を検出して情報信号を出力する車両情報検出部を構成するものである。
前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rは、図2に示すように、車両7の前部の左側右側にそれぞれ追加装備されている。前記車両7の前部の左側右側には、左側のヘッドランプ8L右側のヘッドランプ8Rがそれぞれ装備されている。前記左側のヘッドランプ8Lおよび前記右側のヘッドランプ8Rは、図3に示すように、所定の配光パターンPで路面などを照明する。前記左側の追加灯1Lは、前記ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの左側に所定の配光パターンPLで路面などを照明する。前記右側の追加灯1Rは、前記ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの右側に所定の配光パターンPRで路面などを照明する。
前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rは、図1に示すように、前記制御装置6を介してイグニションスイッチ9バッテリ10に接続されている。また、前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rは、光源として、たとえば、LEDなどの半導体型光源を1個または複数個使用するものである。なお、光源としては、LEDなどの半導体型光源の他に、たとえば、放電灯(いわゆる、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)など)、ハロゲンランプ、白熱ランプなどを使用してもよい。なお、図1においては、図示されていないが、前記左側のヘッドランプ8L前記右側のヘッドランプ8Rは、同様に、前記制御装置6を介してイグニションスイッチ9バッテリ10に接続されている。
前記操舵角センサ2は、ステアリングハンドル(図示せず、ステアリングホイール、ハンドルなど同意語)の操舵角(舵角と同意語)および操舵方向および角速度を検出して、操舵角信号および操舵方向信号および角速度信号を前記制御装置6に出力するものである。すなわち、前記操舵角センサ2は、たとえば、車両7が曲路(左カーブの道路や右カーブの道路)を走行する場合に、また、車両7が交差路を左折したり右折したりする場合に、ドライバーが操舵するステアリングハンドルの操舵角(回転角)および操舵方向(回転方向)および角速度(回転速度)を検出して、操舵角信号および操舵方向信号および角速度信号を前記制御装置6に出力するものである。前記操舵角信号および前記操舵方向信号は、たとえば、車両に搭載されている前記操舵角センサ2および前記制御装置6がネットワーク化され、具体的な数値データとして得られる。具体的な数値データとしては、たとえば、ステアリングハンドルを右側に10°切ると、+10°の数値データ、一方、ステアリングハンドルを左側に10°切ると、−10°の数値データとして得られる。また、具体的な数値データとしては、たとえば、ステアリングハンドルを右側に10°切ると、「1000」のニュートラル数値に対して「990」の数値データ、一方、ステアリングハンドルを左側に10°切ると、「1000」のニュートラル数値に対して「1010」の数値データとして得られる。一方、前記操舵角信号および前記操舵方向信号は、たとえば、車両に搭載されている前記操舵角センサ2(たとえば、光学センサ)が前記制御装置6に出力する電気信号として得られる。
前記ヘッドランプスイッチ3は、ドライバーがONあるいはOFFを操作して前記ヘッドランプ8Lおよび8Rを点灯消灯させるものであって、ONのとき前記ヘッドランプ8Lおよび8Rが点灯してON信号(たとえば、ハイレベル信号)を出力し、OFFのとき前記ヘッドランプ8Lおよび8Rが消灯してOFF信号(たとえば、ローレベル信号)を前記制御装置6に出力するものである。前記車速センサ5は、車速を検出して車速信号を前記制御装置6に出力するものである。前記方向指示検出部16は、方向指示の操作を検出して方向指示信号を前記制御装置6に出力するものである。前記方向指示検出部16は、たとえば、左側のウインカスイッチと右側のウインカスイッチとから構成されている。前記左側のウインカスイッチ前記右側のウインカスイッチは、この例では、交差点などを左折右折するときにドライバーがON操作し、また、交差点などを左折右折した後にステアリングハンドルが所定角度以上戻った時点で自動的にOFFするものである。また、前記左側のウインカスイッチ前記右側のウインカスイッチは、ONのときON信号(たとえば、ハイレベル信号)を前記制御装置6に出力し、OFFのときOFF信号(たとえば、ローレベル信号)を前記制御装置6に出力するものである。さらに、前記左側のウインカスイッチ前記右側のウインカスイッチがONのときには、左側ターンシグナルランプ(図示せず)右側ターンシグナルランプ(図示せず)が点滅点灯し、前記左側のウインカスイッチ前記右側のウインカスイッチがOFFのときには、左側ターンシグナルランプ右側ターンシグナルランプが消灯する。
前記制御装置6は、前記操舵角センサ2、前記ヘッドランプスイッチ3、前記車速センサ5、前記方向指示検出部16がそれぞれ接続されている外部信号入力装置としてのインターフェイス回路11と、中央演算処理装置・CPU12(演算制御部)と、前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rがそれぞれ接続されている左側の追加灯のドライバー回路13L右側の追加灯のドライバー回路13R(左側の追加灯の駆動部(ドライバー部)右側の追加灯の駆動部(ドライバー部))と、電源回路14と、からなる。なお、前記左側の追加灯のドライバー回路13L前記右側の追加灯のドライバー回路13Rとしては、たとえば、リレーや半導体スイッチ(FETやトランジスタなど)などを使用する。
前記制御装置6は、インターフェイス回路11に入力された前記操舵角センサ2の操舵角信号および操舵方向信号および角速度信号と、前記ヘッドランプスイッチ3のON信号OFF信号と、前記車速センサ5の車速信号と、前記方向指示検出部16の方向指示信号と、に基づいて、中央演算処理装置・CPU12において、前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rの点灯消灯処理の判断を行い、その判断結果に基づいて、前記左側の追加灯のドライバー回路13L前記右側の追加灯のドライバー回路13Rを介して、前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rを点灯消灯処理するものである。前記制御装置6は、たとえば、AFS専用のECU・電子制御ユニットなどを使用する。
前記インターフェイス回路11は、前記操舵角センサ2からの操舵角信号および操舵方向信号および角速度信号、前記ヘッドランプスイッチ3からのON信号OFF信号、前記車速センサ5からの車速信号、前記方向指示検出部16からの方向指示信号などを入力し、この入力信号を前記中央演算処理装置・CPU12で扱える信号に処理し、この処理信号を前記中央演算処理装置・CPU12に出力する。
前記中央演算処理装置・CPU12は、前記インターフェイス回路11からの処理信号に基づいて、図6に示すフローチャートの工程を順次処理する。また、前記中央演算処理装置・CPU12は、図4および図5に示す特性に基づいて、調光点灯信号調光消灯信号(もしくは消灯信号)を前記左側の追加灯のドライバー回路13L前記右側の追加灯のドライバー回路13Rに出力する。なお、前記中央演算処理装置・CPU12は、前記インターフェイス回路11と一体となすものもある。
前記左側の追加灯のドライバー回路13L前記右側の追加灯のドライバー回路13Rは、前記中央演算処理装置・CPU12からの調光点灯信号調光消灯信号に基づいて、前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rを調光点灯調光消灯(もしくは消灯)処理制御する。これにより、前記左側の追加灯1L前記右側の追加灯1Rの調光点灯調光消灯が制御される。
前記の図4は、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯(増光点灯)時間とステアリングハンドルの角速度との相対関係を示す説明図である。図4において、縦軸に調光点灯時間(sec)をとり、横軸にステアリング角速度(°/sec)、すなわち、ステアリングハンドルの角速度をとる。前記制御装置6(中央演算処理装置・CPU12)において、前記の図4に示す左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間とステアリングハンドルの角速度との相対関係は、以下のとおりである。すなわち、ステアリングハンドルの角速度が0〜10(°/sec)の場合、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が1.0(sec)である。また、ステアリングハンドルの角速度が90(°/sec)以上の場合、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が0(sec)、すなわち、瞬時点灯である。そして、ステアリングハンドルの角速度が10〜90(°/sec)の場合、図4の実線に示すように、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が1.0〜0(sec)とリニアに変化する(直線的に連続的に変わる)。なお、ステアリングハンドルの角速度が10〜90(°/sec)の場合、図4の点線に示すように、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が階段的(段階的)に変わるものでもよい。すなわち、ステアリングハンドルの角速度が10〜30(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が1.0(sec)であり、ステアリングハンドルの角速度が30〜50(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が0.75(sec)であり、ステアリングハンドルの角速度が50〜70(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が0.5(sec)であり、ステアリングハンドルの角速度が70〜90(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯時間が0.25(sec)である。
前記の図5は、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯の状態を示す説明図である。図5において、縦軸に点灯率(%)をとり、横軸に時間tをとる。前記制御装置6(中央演算処理装置・CPU12)において、前記の図5に示す左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯は、以下のとおりである。すなわち、点灯条件(たとえば、ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上になる場合やウインカスイッチがONになる場合など)となると、左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rは、ステアリングハンドルの角速度に応じて、点灯率0%(T1参照)から点灯率100%(T1、T2、T3参照)まで瞬時に(一気に)点灯したりあるいは徐々に増大して点灯したりする。前記の調光点灯時間は、前記の図4に示すように、ステアリングハンドルの角速度に応じて変わる。ステアリングハンドルの角速度が90(°/sec)以上の場合、図5の実線に示すように、点灯率0%(T1参照)から点灯率100%(T1参照)まで瞬時に(一気に)点灯する。また、ステアリングハンドルの角速度が比較的速い場合、図5の実線に示すように、点灯率0%(T1参照)から点灯率100%(T2参照)まで比較的短い時間で徐々に増大して点灯する。さらに、ステアリングハンドルの角速度が比較的遅い場合、図5の実線に示すように、点灯率0%(T1参照)から点灯率100%(T3参照)まで比較的長い時間で徐々に増大して点灯する。前記の調光点灯調光消灯の調光制御は、たとえば、パルスワイド変調(PWM)方式や電圧制御方式を用いる(特開2001−213227号、特開2003−159986号公報など参照)。なお、左側の追加灯1Lの点灯操舵角と右側の追加灯1Rの点灯操舵角とは、同じであっても異なっていてもよい。また、左側の追加灯1Lの消灯操舵角と右側の追加灯1Rの消灯操舵角とは、同じであっても異なっていてもよい。
この実施例1にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例1にかかる車両用照明装置の作用について説明する。
まず、イグニションスイッチ9をONにする。すると、制御装置6において、電源が電源回路14から中央演算処理装置・CPU12に投入され、中央演算処理装置・CPU12は、作動する。すなわち、中央演算処理装置・CPU12は、図6に示すフローチャートの工程を順次処理する。以下、中央演算処理装置・CPU12の工程処理の手順(作用)を図6のフローチャートを参照して説明する。
中央演算処理装置・CPU12の作用をスタートさせると、操舵角センサ2は、ステアリングハンドルの操舵角および操舵方向を検出して、検出信号(操舵角信号および操舵方向信号)を制御装置6に出力し、ヘッドランプスイッチ3は、ON信号またはOFF信号を制御装置6に出力し、車速センサ5は、車速を検出して車速信号を制御装置6に出力し、方向指示検出部16は、方向指示の操作を検出して方向指示信号を制御装置6に出力する。中央演算処理装置・CPU12は、操舵角センサ2からの検出信号と、ヘッドランプスイッチ3からのON信号またはOFF信号と、車速センサ5からの車速信号と、方向指示検出部16からの方向指示信号と、をインターフェイス回路11を介して入力する(ステアリング操舵角、方向指示検出 S1)。
つぎに、中央演算処理装置・CPU12は、ヘッドランプスイッチ3がONかOFFかを判断する(H/Lオン? S2)。ヘッドランプスイッチ3がOFFの場合、中央演算処理装置・CPU12は、調光消灯信号を左側の追加灯1Lのドライバー回路13L右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力して左側の追加灯1L右側の追加灯1Rを消灯状態にし(左右追加ランプ消灯処理 S3)、その後(S1)に戻る。
前記の(S2)において、ヘッドランプスイッチ3がONの場合、中央演算処理装置・CPU12は、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rが点灯状態か否かを判断する(追加ランプ点灯? S4)。左側の追加灯1L右側の追加灯1Rが点灯状態でない場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵角が所定の点灯操舵角以上であるか否か、または、ウインカスイッチがONであるか否かを判断する(所定点灯舵角以上?又はターンオン? S5)。ステアリングハンドルの操舵角が所定の点灯操舵角以上でない場合、または、ウインカスイッチがOFFである場合には、(S1)に戻る。
前記の(S5)において、ステアリングハンドルの操舵角が所定の点灯操舵角以上である場合、または、ウインカスイッチがONである場合、中央演算処理装置・CPU12は、図4の特性に基づいて、ステアリングハンドルの角速度に応じた調光点灯時間を設定する(ステアリング角速度に応じた調光点灯時間を設定 S6)。つぎに、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの角速度に応じた調光点灯時間が設定された調光点灯信号を左側の追加灯1Lのドライバー回路13Lまたは右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力して左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rをステアリングハンドルの角速度に応じた調光点灯時間で調光点灯する(図5のT1、T2、T3を参照。左右追加ランプ調光点灯処理 S7)。その後(S1)に戻る。
左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが点灯され、前記の(S4)において、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rが点灯状態である場合、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの操舵角が所定の消灯操舵角以下であるか否か、または、ウインカスイッチがOFFであるか否かを判断する(所定舵角以下?又はターンオフ? S8)。
前記の(S8)において、ステアリングハンドルの操舵角が所定の消灯操舵角以下である場合、または、ウインカスイッチがOFFである場合、中央演算処理装置・CPU12は、調光消灯信号を左側の追加灯1Lのドライバー回路13Lまたは右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力して左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rを調光消灯する(左右追加ランプ調光消灯処理 S9)。その後(S1)に戻る。前記の(S8)において、ステアリングハンドルの操舵角が所定の消灯操舵角以下でない場合、または、ウインカスイッチがONである場合、中央演算処理装置・CPU12は、(S1)に戻る。
この実施例1にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、この実施例1にかかる車両用照明装置の効果について説明する。
この実施例1にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用から明らかなように、調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が速いほど短く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には車両7の進行方向において十分な光が得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。一方、この実施例1にかかる車両用照明装置は、調光点灯時間をステアリングハンドルの角速度が遅いほど長く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合には緩やかに点灯して違和感や煩わしさを与える虞がない。すなわち、ステアリングハンドルの角速度が速い場合、車両7が急曲路(カーブ)や交差点を走行(左折や右折)するので、交通安全上車両7の進行方向の先を速く十分に明るく照明して視認性を確保する必要性がある。一方、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合、車両7が緩やかな曲路(カーブ)を走行するので、車両7の進行方向の先をある程度の時間である程度の明るさで照明すれば十分に視認性を確保することができ、速く十分に明るく照明する必要性がなく、逆に違和感や煩わしさを与えないようにするほうが好ましい。
また、この実施例1にかかる車両用照明装置は、ステアリングハンドルの角速度が速い場合(たとえば、90(°/sec)以上の場合)には左側の追加灯1Lや右側の追加灯1Rを瞬時に(一気に)点灯するので、車両7の進行方向において十分な光が瞬時にかつ確実に得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。
さらに、この実施例1にかかる車両用照明装置は、左側の追加灯1Lや右側の追加灯1Rの光源がLEDなどの半導体型光源を使用するので、省電力化すなわち消費電力を少なくすることができ、しかも、左側の追加灯1Lや右側の追加灯1Rを小型化することができ、その上、左側の追加灯1Lや右側の追加灯1Rのデザインの多様化や豊富化することができる。
さらにまた、この実施例1にかかる車両用照明装置は、左側の追加灯1Lや右側の追加灯1Rを調光点灯調光消灯するので、自車のドライバーや同乗者および周辺の車両のドライバーや同乗者また歩行者などに違和感を与えるようなことがない。また、この実施例1にかかる車両用照明装置のように、左側の追加灯1Lや右側の追加灯1Rの光源としてLEDなどの半導体型光源を使用することにより、調光点灯制御および調光消灯制御が簡単でかつ確実であるから最適である。光源がLEDなどの半導体型光源の場合におけるパルスワイド変調(PWM)方式の調光点灯制御および調光消灯制御は、たとえば、周波数500Hz、デューディー比間隔0.01%、調光点灯時間約0.2秒〜約0.4秒で100%点灯、および、調光消灯時間約0.5秒〜約1.5秒で0%消灯する。なお、ハロゲンバルブの場合におけるパルスワイド変調(PWM)方式の調光点灯制御および調光消灯制御は、たとえば、周波数100Hz、デューディー比間隔0.1%、調光点灯時間約0.2秒〜約0.4秒で100%点灯、および、調光消灯時間約0.5秒〜約1.5秒で0%消灯する。
以下、この実施例1の変形例について説明する。すなわち、この実施例1の変形例は、図5の二点鎖線に示すように、最初に所定の点灯率(この例では、50%)まで点灯させてから100%まで調光点灯させるものであって、前記所定の点灯率から100%の点灯率までの点灯時間をステアリングハンドルの角速度が速いほど短く変えるものである。すなわち、ステアリングハンドルの角速度が比較的速い場合、点灯率50%(T1参照)から点灯率100%(T2参照)まで比較的短い時間で徐々に増大して点灯する。一方、ステアリングハンドルの角速度が比較的遅い場合、点灯率50%(T1参照)から点灯率100%(T3参照)まで比較的長い時間で徐々に増大して点灯する。
この実施例1の変形例は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1のものとほぼ同様の作用効果を達成することができる。すなわち、この実施例1の変形例は、所定の点灯率から100%の点灯率までの点灯時間をステアリングハンドルの角速度が速いほど短く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には車両7の進行方向において十分な光が得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。一方、この実施例1の変形例は、所定の点灯率から100%の点灯率までの点灯時間をステアリングハンドルの角速度が遅いほど長く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合には緩やかに点灯して違和感や煩わしさを与える虞がない。
図7〜図9は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例2を示す。以下、この実施例2にかかる車両用照明装置について説明する。図中、図1〜図6と同符号は、同一のものを示す。
この実施例2にかかる車両用照明装置は、制御装置6により、図7および図8の特性に基づいて、左側の追加灯1Lや右側の追加灯1Rを最初に所定の点灯率まで点灯させてから100%まで調光点灯するものであって、前記最初の所定の点灯率をステアリングハンドルの角速度が速いほど高く変えるものである。
前記の図7は、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯(増光点灯)の最初の点灯率とステアリングハンドルの角速度との相対関係を示す説明図である。図7において、縦軸に最初の点灯率(%)をとり、横軸にステアリング角速度(°/sec)、すなわち、ステアリングハンドルの角速度をとる。前記制御装置6(中央演算処理装置・CPU12)において、前記の図7に示す左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率とステアリングハンドルの角速度との相対関係は、以下のとおりである。すなわち、ステアリングハンドルの角速度が0〜10(°/sec)の場合、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率が10(%)である。また、ステアリングハンドルの角速度が100(°/sec)以上の場合、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率が100(%)、すなわち、瞬時点灯である。そして、ステアリングハンドルの角速度が10〜100(°/sec)の場合、図7の実線に示すように、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率が10〜100(%)とリニアに変化する(直線的に連続的に変わる)。なお、ステアリングハンドルの角速度が10〜100(°/sec)の場合、図7の点線に示すように、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率が階段的(段階的)に変わるものでもよい。すなわち、ステアリングハンドルの角速度が10〜30(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率が10(%)であり、ステアリングハンドルの角速度が30〜50(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率が30(%)であり、ステアリングハンドルの角速度が50〜70(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最初の点灯率が50(%)であり、ステアリングハンドルの角速度が70〜100(°/sec)の場合左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの最小の点灯率が70(%)である。
前記の図8は、左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯の状態を示す説明図である。図8において、縦軸に点灯率(%)をとり、横軸に時間tをとる。前記制御装置6(中央演算処理装置・CPU12)において、前記の図8に示す左側の追加灯1L右側の追加灯1Rの調光点灯は、以下のとおりである。すなわち、点灯条件(たとえば、ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上になる場合やウインカスイッチがONになる場合など)となると、左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rは、ステアリングハンドルの角速度に応じた最初の点灯率で点灯して(T4参照)、それから点灯率100%(T6参照)まで徐々に増大して点灯する。前記の最初の点灯率は、前記の図8の実線に示すように、ステアリングハンドルの角速度に応じて変わる。ステアリングハンドルの角速度が比較的速い場合、たとえば、70〜100(km/h)の場合、最初の点灯率が比較的高く、たとえば、70%であり、点灯率70%(T4参照)から点灯率100%(T6参照)まで徐々に増大して点灯する。また、ステアリングハンドルの角速度が比較的遅い場合、たとえば、0〜30(km/h)の場合、最初の点灯率が比較的低く、たとえば、10%であり、点灯率10%(T4参照)から点灯率100%(T6参照)まで徐々に増大して点灯する。
前記の図8の実線においては、高い最初の点灯率から点灯率100%までの調光点灯時間(図8のT4からT6までの時間)と、低い最初の点灯率から点灯率100%までの調光点灯時間(図8のT4からT6までの時間)とは、ほぼ同時間である。ところが、前記の図8の二点鎖線に示すように、高い最初の点灯率から点灯率100%までの調光点灯時間(図8のT4からT5までの時間)を、低い最初の点灯率から点灯率100%までの調光点灯時間(図8のT4からT6までの時間)よりも短くしてもよい。
この実施例2にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例2にかかる車両用照明装置の作用について図9のフローチャートを参照して説明する。
この実施例2にかかる車両用照明装置の作用についての図9のフローチャートは、前記の実施例1にかかる車両用照明装置の作用についての図6のフローチャートの大部分とが同じである。なお、図6と図9中の同符号は、同じ処理工程を示すものである。
すなわち、工程(S1)から工程(S5)までと、工程(S4)から工程(S8)を経て工程(S9)までとは、同じ処理工程である。そして、前記の(S5)において、ステアリングハンドルの操舵角が所定の点灯操舵角以上である場合、または、ウインカスイッチがONである場合、中央演算処理装置・CPU12は、図7の特性に基づいて、ステアリングハンドルの角速度に応じた最初の調光点灯率を設定する(ステアリング角速度に応じた最初の調光点灯率を設定 S60)。つぎに、中央演算処理装置・CPU12は、ステアリングハンドルの角速度に応じた最初の調光点灯率が設定された調光点灯信号を左側の追加灯1Lのドライバー回路13Lまたは右側の追加灯1Rのドライバー回路13Rに出力して左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rをステアリングハンドルの角速度に応じた最初の調光点灯率で点灯し(図8のT4を参照)、それから点灯率100%まで徐々に増大して点灯する(図8のT5、T6を参照。左右追加ランプ調光点灯処理 S70)。その後(S1)に戻る。
この実施例2にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1にかかる車両用照明装置の効果とほぼ同様の効果を達成することができる。すなわち、この実施例2にかかる車両用照明装置は、最初の所定の点灯率をステアリングハンドルの角速度が速いほど高く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が速い場合には車両7の進行方向において十分な光が得られ、視認性が十分に確保され、交通安全に貢献することができる。一方、この実施例2にかかる車両用照明装置は、最初の所定の点灯率をステアリングハンドルの角速度が遅いほど低く変えることができるので、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合には緩やかに点灯して違和感や煩わしさを与える虞がない。すなわち、ステアリングハンドルの角速度が速い場合、車両7が急曲路(カーブ)や交差点を走行(左折や右折)するので、交通安全上車両7の進行方向の先を速く十分に明るく照明して視認性を確保する必要性がある。一方、ステアリングハンドルの角速度が遅い場合、車両7が緩やかな曲路(カーブ)を走行するので、車両7の進行方向の先をある程度の時間である程度の明るさで照明すれば十分に視認性を確保することができ、速く十分に明るく照明する必要性がなく、逆に違和感や煩わしさを与えないようにするほうが好ましい。
図10〜図12は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例3を示す。以下、この実施例3にかかる車両用照明装置について説明する。図中、図1〜図9と同符号は、同一のものを示す。
この実施例3にかかる車両用照明装置は、図10〜図12に示すように、左側の追加灯1L−1、1L−2、右側の追加灯1R−1、1R−2を車両7の前部の左側、右側にそれぞれ複数個、この例では、2個ずつ追加装備するものである(特開2000−238576号公報、特開2001−213227号公報、特開2003−159986号公報、など参照)。すなわち、第1左側の追加灯1L−1は、車両7の前部の左側の内側に装備され、第2左側の追加灯1L−2は、車両7の前部の左側の外側に装備され、第1右側の追加灯1R−1は、車両7の前部の右側の内側に装備され、第2右側の追加灯1R−2は、車両7の前部の左側の外側に装備されている。
前記第1左側の追加灯1L−1は、ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの左側に所定の配光パターンPL1で路面などを照明する。前記第2左側の追加灯1L−2は、ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの左側であって前記第1左側の追加灯1L−1の配光パターンPL1の外側に所定の配光パターンPL2で路面などを照明する。前記第1右側の追加灯1R−1は、前記ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの右側に所定の配光パターンPR1で路面などを照明する。前記第2右側の追加灯1R−2は、ヘッドランプ8Lおよび8Rの配光パターンPの右側であって前記第1右側の追加灯1R−1の配光パターンPR1の外側に所定の配光パターンPR2で路面などを照明する。このように、前記第1左側の追加灯1L−1および前記第1右側の追加灯1R−1は、緩カーブ照射用の追加灯であり、前記第2左側の追加灯1L−2および前記第2右側の追加灯1R−2は、急カーブ照射用の追加灯である。
この実施例3にかかる車両用照明装置の制御装置6は、前記第1左側の追加灯1L−1前記第2左側追加灯1L−2前記第1右側の追加灯1R−1前記第2右側追加灯1R−2がそれぞれ接続されている第1左側の追加灯のドライバー回路13L−1第2左側の追加灯のドライバー回路13L−2第1右側の追加灯のドライバー回路13R−1第2右側の追加灯のドライバー回路13R−2を備えるものである。前記第1左側の追加灯のドライバー回路13L−1前記第2左側の追加灯のドライバー回路13L−2前記第1右側の追加灯のドライバー回路13R−1前記第2右側の追加灯のドライバー回路13R−2は、イグニションスイッチ9を介してバッテリ10に、また、中央演算処理装置・CPU12に接続されている。
前記中央演算処理装置・CPU12は、前記インターフェイス回路11からの処理信号に基づいて、前記第1左側の追加灯1L−1前記第2左側追加灯1L−2前記第1右側の追加灯1R−1前記第2右側追加灯1R−2の点灯消灯の工程を所定のアルゴリズムに基づいて順次処理する。
たとえば、ウインカスイッチを第1ONとすると、第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が点灯し、ウインカスイッチを第2ONとすると、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が点灯し、ウインカスイッチをOFFとすると、点灯状態の第1左側の追加灯1L−1第2左側の追加灯1L−2または第1右側の追加灯1R−1第2右側の追加灯1R−2が消灯する。または、ステアリングハンドルを所定の第1点灯操舵角(たとえば、50°)以上に操舵すると、第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が点灯し、ステアリングハンドルを所定の第2点灯操舵角(たとえば、160°)以上に操舵すると、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が点灯し、ステアリングハンドルを所定の消灯操舵角(たとえば、20°)以下に操舵すると、点灯状態の第1左側の追加灯1L−1第2左側の追加灯1L−2または第1右側の追加灯1R−1第2右側の追加灯1R−2が消灯する。なお、第1左側の追加灯1L−1第2左側の追加灯1L−2の点灯操舵角と第1右側の追加灯1R−1第2右側の追加灯1R−2の点灯操舵角とは、50°、160°と同じであるが、左右異なっていてもよい。また、第1左側の追加灯1L−1第2左側の追加灯1L−2の消灯操舵角と第1右側の追加灯1R−1第2右側の追加灯1R−2の消灯操舵角とは、20°と同じであるが、左右異なっていてもよい。
この実施例3にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1、2にかかる車両用照明装置とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
特に、この実施例3にかかる車両用照明装置は、車両7が緩いカーブを走行すると、緩カーブ照射用追加灯としての第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が緩いカーブ領域(図12のPL1またはPR1)を照射して照明する。また、車両7が急カーブを走行すると、急カーブ照射用追加灯としての第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が急カーブ領域(図12のPL2またはPR2)を照射して照明し、あるいは、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が急カーブ領域を照射して照明しまた第1左側の追加灯1L−1または第1右側の追加灯1R−1が緩いカーブ領域を照射して照明する。さらに、車両7が交差点を走行すると、第2左側の追加灯1L−2または第2右側の追加灯1R−2が交差点の進行方向の領域を照射して照明する。このように、この実施例2にかかる車両用照明装置は、車両のカーブ走行や交差点走行などの走行状況に応じて、緩いカーブ領域、急カーブ領域、交差点の進行方向の領域を照射して照明することができ、交通安全に貢献することができる。
図13は、この発明にかかる車両用照明装置の実施例4を示す。以下、この実施例4にかかる車両用照明装置について説明する。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。
この実施例4にかかる車両用照明装置は、図13に示すように、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rをそれぞれ揺動(スイブル)させるものである(特開2001−277936号公報、特開2003−159986号公報、など参照)。すなわち、左側の追加灯1Lには、左側のモータ4Lの回転軸が取り付けられていて、左側の追加灯1Lは、左側のモータ4Lにより回転可能である。一方、右側の追加灯1Rには、右側のモータ4Rの回転軸が取り付けられていて、右側の追加灯1Rは、右側のモータ4Rにより回転可能である。
この実施例4にかかる車両用照明装置の制御装置6は、前記左側のモータ4L、前記右側のモータ4Rがそれぞれ接続されている左側のモータのドライバー回路15L、右側のモータのドライバー回路15Rを備えるものである。前記左側のモータのドライバー回路15L、前記右側のモータのドライバー回路15Rは、イグニションスイッチ9を介してバッテリ10に、また、中央演算処理装置・CPU12に接続されている。
この実施例4にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成からなるので、ステアリングハンドルの操舵角が点灯操舵角以上に達すると、左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが点灯し、ステアリングハンドルの操舵角が消灯操舵角以下に達すると、点灯状態の左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが消灯する。また、点灯操舵角以上において、ステアリングハンドルを切り方向に操舵すると、左側のモータ4Lまたは右側のモータ4Rが駆動して左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが内側から外側に所定の角度まで回転する。一方、ステアリングハンドルを戻し方向に操舵すると、左側のモータ4Lまたは右側のモータ4Rが逆駆動して左側の追加灯1Lまたは右側の追加灯1Rが外側から内側に回転する。
このように、この実施例4にかかる車両用照明装置は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1、2、3にかかる車両用照明装置とほぼ同様の効果を達成することができる。特に、この実施例4にかかる車両用照明装置は、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rをそれぞれ揺動(スイブル)させるものであるから、左側の追加灯1L、右側の追加灯1Rの配光パターンのバリエーションが増し、配光設計の自由度が増して、ユーザーの多様の好みやニーズに対応することができる。
以下、前記の実施例1、2、3、4以外の例について説明する。前記の実施例1、2、3、4においては、左側の追加灯1L、1L−1、1L−2または右側の追加灯1R、1R−1、1R−2が1台または2台である。ところが、この発明においては、左側の追加灯または右側の追加灯が3台以上でもよい。
また、前記の実施例1、2、3、4においては、左側の追加灯1L、1L−1、1L−2または右側の追加灯1R、1R−1、1R−2を調光消灯するものである。ところが、この発明においては、瞬時に(一気に)消灯するものでもよい。
さらに、前記の実施例3においては、車両7の内側に位置する第1左側の追加灯1L−1と第1右側の追加灯1R−1とが緩カーブ領域を照明し、車両7の外側に位置する第2左側の追加灯1L−2と第2右側の追加灯1R−2とが急カーブ領域を照明するものである。ところが、この発明においては、その逆に、車両の内側に位置する追加灯が急カーブ領域を照明し、車両の外側に位置する追加灯が緩カーブ領域を照明するものでもよい。
さらにまた、前記の実施例4においては、1個の左側の追加灯1Lと1個の右側の追加灯1Rと、1個の左側のモータ4Lと1個の右側のモータ5Rとを装備するものである。ところが、この発明においては、2個以上の左側の追加灯と2個以上の右側の追加灯と2個以上の左側のモータと2個以上の右側のモータとを装備してもよい。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例1を示す構成ブロック図である。
同じく、この実施例1にかかる車両用照明装置を搭載する車両の一部正面図である。
同じく、ヘッドランプの配光パターンと左側の追加灯の配光パターンと右側の追加灯の配光パターンとを示す平面説明図である。
同じく、調光点灯時間とステアリングハンドルの角速度との相対関係を示す説明図である。
同じく、左側の追加灯または右側の追加灯の調光点灯調光消灯を示す説明図である。
同じく、制御装置(中央演算処理装置・CPU)の作用(工程処理の手順)を示すフローチャートである。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例2を示す最初の点灯率とステアリ ングハンドルの角速度との相対関係を示す説明図である。
同じく、左側の追加灯または右側の追加灯の調光点灯調光消灯を示す説明図である。
同じく、制御装置(中央演算処理装置・CPU)の作用(工程処理の手順)を示すフローチャートである。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例3を示す構成ブロック図である。
同じく、この実施例3にかかる車両用照明装置を搭載する車両の一部正面図である。
同じく、ヘッドランプの配光パターンと左側の追加灯の配光パターンと右側の追加灯の配光パターンとを示す平面説明図である。
この発明にかかる車両用照明装置の実施例4を示す構成ブロック図である。
符号の説明
1L 左側の追加灯
1L−1 第1左側の追加灯
1L−2 第2左側の追加灯
1R 右側の追加灯
1R−1 第1右側の追加灯
1R−2 第2右側の追加灯
2 操舵角センサ(検出手段)
3 ヘッドランプスイッチ
4L 左側のモータ
4R 右側のモータ
5 車速センサ
6 制御装置
7 車両
8L 左側のヘッドランプ
8R 右側のヘッドランプ
9 イグニションスイッチ
10 バッテリ
11 インターフェイス回路
12 中央演算処理装置・CPU
13L 左側の追加灯のドライバー回路
13L−1 第1左側の追加灯のドライバー回路
13L−2 第2左側の追加灯のドライバー回路
13R 右側の追加灯のドライバー回路
13R−1 第1右側の追加灯のドライバー回路
13R−2 第2右側の追加灯のドライバー回路
14 電源回路
15L 左側のモータのドライバー回路
15R 右側のモータのドライバー回路
16 方向指示検出部
P ヘッドランプの所定の配光パターン
PL 左側の追加灯の所定の配光パターン
PR 右側の追加灯の所定の配光パターン
PL1 第1左側の追加灯の所定の配光パターン
PR1 第1右側の追加灯の所定の配光パターン
PL2 第2左側の追加灯の所定の配光パターン
PR2 第2右側の追加灯の所定の配光パターン