JPH0614979A - 抗菌性被覆組成物 - Google Patents

抗菌性被覆組成物

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JPH0614979A
JPH0614979A JP4196062A JP19606292A JPH0614979A JP H0614979 A JPH0614979 A JP H0614979A JP 4196062 A JP4196062 A JP 4196062A JP 19606292 A JP19606292 A JP 19606292A JP H0614979 A JPH0614979 A JP H0614979A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗菌剤を含有する抗菌性被覆組成物であって、
優れた抗菌性を有し且つ銀イオンによる変色が殆どない
被膜を形成することができる被覆組成物を提供する。 【構成】銀イオンを担持させた無機化合物からなる抗菌
剤及びメチルベンゾトリアゾール及びメチルベンゾトリ
アゾールのカリウム塩等の変色防止剤を含有することを
特徴とする抗菌性被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀イオンによる不測の
変色を起こさない抗菌性被膜を容易に形成することがで
きる被覆組成物に関する。本発明の被覆組成物は、種々
の方法で材料の表面に抗菌性被膜を形成することができ
るので、塗料としては勿論のこと、その材料の形状及び
使用目的に応じて、充填剤、含浸剤及び封止剤等とし
て、変色のない抗菌性被膜を形成する材料として有用で
ある。従って、本発明は、抗菌性を有し且つ変色のない
被膜の形成が要求される分野、例えば外壁、化粧板等の
建材;繊維;バケツ、ポット等の各種樹脂成形体及び紙
等の表面処理に特に有効に利用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】塗料、樹脂成型体、紙及びバインダー等
に含有させて抗菌性を発揮させることができる抗菌剤が
既に多数提案されており、中でも無機系抗菌剤は耐久性
に優れたものとして近年注目されている。大半の無機系
抗菌剤は、抗菌性を発揮させるために、銀イオンを種々
の方法で無機化合物に担持させたものであり、銀イオン
を担持させる無機化合物として、例えば活性炭、アパタ
イト、ゼオライト、各種リン酸塩等がある。しかし、銀
イオンを担持させた無機系抗菌剤(以下単に抗菌剤とい
う)を配合した塗料は、極微量ではあるが銀イオンが溶
出するため、塗料の色と抗菌剤の色からは予測できない
色(例えば茶褐色又はコーヒー色)に変色してしまうと
いう問題がある。このような銀イオンに起因する樹脂の
変色を防止する目的で、樹脂中に種々の安定剤を添加す
ることが提案されており、例えば銀イオンを担持した抗
菌性ゼオライトと樹脂からなる抗菌性樹脂組成物に配合
するものとして、ベンゾトリアゾール系化合物、オキザ
リックアシッドアニリド系化合物、サリチル酸系化合
物、ヒンダードアミン系化合物及びヒンダードフェノー
ル系化合物等が知られている(特開昭63−26595
8号)。樹脂と抗菌剤を混合して組成物を作製する際、
一般に、樹脂に溶媒等の液状物質を含有させると抗菌剤
に担持された銀イオンが溶出し易くなるため、組成物及
びその組成物を用いた成形体は変色する傾向が大きくな
り、塗料においては特にその傾向が顕著に現れることが
知られている。今までに抗菌剤と樹脂からなる組成物の
変色を防止するための安定剤が種々提案されているが、
これらの安定剤の使用によっては塗料の変色を充分に抑
止することができず、その改善が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗菌剤を含
有する抗菌性被覆組成物であって、優れた抗菌性を有し
且つ銀イオンによる変色が殆どない被膜を形成すること
ができる被覆組成物を提供することを課題とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の化合物か
らなる変色防止剤を被覆組成物中に配合することが極め
て有効であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、銀イオンを担持させた無機化合物
からなる抗菌剤及び下記一般式で表される変色防止剤を
含有することを特徴とする抗菌性被覆組成物である。
【0005】
【化2】 (上式におけるR1 は水素又は低級アルキル基であり、
2 は水素又はアルカリ金属である。)
【0006】以下本発明を詳細に説明する。 ○被覆基材 本発明における被覆基材は、被膜を形成するための主剤
となるものであり、有機系材料及び無機系材料のいずれ
でも良く、例えば有機系材料として樹脂があり、無機系
材料として金属酸化物ゾル等がある。
【0007】本発明における樹脂は、天然樹脂、半合成
樹脂及び合成樹脂のいずれであってもよく、また熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的
な樹脂としては、プラスチック及びゴムのいずれであっ
てもよく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩化
ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアセタ
ール、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、フッ素樹脂、
ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマ
ー、メラミン樹脂、ユリア樹脂、四ふっ化エチレン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂及びフェノール樹脂等のプラスチック;天然ゴム及
びシリコーンゴム、SBR(スチレン・ブタジエンゴ
ム)、CR(クロロプレンゴム)、EPM(エチレン・
プロピレンゴム)、FPM(フッ素ゴム)、NBR(ニ
トリルゴム)、CSM(クロルスルホン化ポリエチレン
ゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IR(合成天然ゴ
ム)、IIR(ブチルゴム)、ウレタンゴム及びアクリ
ルゴム等の合成ゴムがある。又、被覆基材として、分子
中にアクリロイル基等の光重合性を有する官能基を有す
る樹脂を使用することができ、具体的には例えばポリオ
ールポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレー
ト、ポリエポキシポリアクリレート及びポリウレタンア
クリレート等がある。
【0008】上記樹脂が、常温において固体状であった
り、高粘度であったりする場合には、塗布を容易にする
ため適宜これらの樹脂を溶解又は分散するための溶剤又
は分散剤を配合することができる。溶剤又は分散剤は、
親水性或いは親油性のいずれであっても良く、具体的に
は以下のものがある。即ち、親水性の溶剤又は分散剤の
例として、水、メチルアルコール、エチルアルコール、
エチレングリコール、グリセリン等のアルコール、アセ
トン等のケトン及びセロソルブ等があり、親油性の溶剤
又は分散剤の例として、ヘキサン、シクロペンタン等の
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油
エーテル等の芳香族炭化水素等がある。又、フタル酸ジ
メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ブチルベンゼン、
フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル
酸ジカプリル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ
オクチル、セバシン酸ジベンジル、リン酸トリフェニ
ル、リン酸トリオクチル、塩素化パラフィン、ヒマシ油
及び樟脳等の可塑性溶剤がある。
【0009】これらの溶剤又は分散剤の中で、本発明に
おける変色防止剤を溶解する特性を有するものは好まし
く、具体的にはメタノール、エチレングリコール、メチ
ルエチルケトン、10%苛性ソーダ水溶液、2N−塩酸
溶液及び水等は好ましい溶剤又は分散剤である。
【0010】本発明における金属酸化物ゾルは、有機金
属化合物の加水分解により生成した微粒子状物質であ
り、酸又はアルカリ触媒の存在下で縮重合により重合体
を形成する特性を有するものである。有機金属化合物の
好ましい具体例として、珪素、チタン、ジルコニウム等
の4価金属のアルコキシド或いはアセトアセトナート等
の化合物がある。金属酸化物ゾルは、一般に縮重合し易
いため、アルコール等の溶媒に分散させたものを使用す
ることが好ましい。
【0011】○抗菌剤 本発明における抗菌剤は、銀イオンを担持させた無機化
合物であれば特に制限はなく、銀イオンを担持させる無
機化合物として、例えば以下のものがある。即ち、活性
炭、活性アルミナ、シリカゲル等の無機系吸着剤、ゼオ
ライト、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコニウム、
リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化アンチモ
ン、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウム、ハイド
ロタルサイト等の無機イオン交換体がある。これらの無
機化合物に銀イオンを担持させる方法には特に制限はな
く、今までに知られた担持方法はいずれも採用でき、例
えば物理吸着又は化学吸着により担持させる方法、イオ
ン交換反応により担持させる方法、結合剤により担持さ
せる方法、銀化合物を無機化合物に打ち込むことにより
担持させる方法、蒸着、溶解析出反応、スパッタ等の薄
膜形成法により無機化合物の表面に銀化合物の薄層を形
成させることにより担持させる方法等がある。上記の無
機化合物の中で、無機イオン交換体は銀イオンを強固に
担持できることから好ましく、特に下記一般式〔1〕で
表されるリン酸ジルコニウム塩は好ましい化合物であ
る。 Aga1 b2 2(PO43・nH2O 〔1〕 (M1はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ
ン、アンモニウムイオンまたは水素イオンから選ばれる
少なくとも1種のイオンであり、M2はTi、Zr、S
n等の4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であ
り、a及びbはa+b=1を満たす正数である。) この化合物は空間群R3cに属する結晶性化合物であり、
各構成イオンが3次元網目状構造を形成するものであ
る。
【0012】上記一般式〔1〕のリン酸ジルコニウム塩
の具体例として、以下のものがある。 Ag0.005Li0.995Zr2(PO43 Ag0.01(NH40.99Zr2(PO43 Ag0.05Na0.95Zr2(PO43 Ag0.20.8Ti2(PO43 Ag0.10.9Zr2(PO43 Ag0.050.05Na0.90Zr2(PO43 Ag0.050.55Na0.40Zr2(PO43 上記一般式〔1〕のリン酸ジルコニウム塩で表される抗
菌剤は、溶媒等の液状物質を含有しない又はその含有割
合が極めて少ない、所謂乾式で樹脂と配合させた場合に
は、その樹脂組成物及びこれから得られる成形体は、液
体と接触させても、変色することは皆無であり、更に本
発明における変色防止剤を含有させれば、液状の被覆基
材又はこれと溶媒等を含有する被覆組成物とした場合に
おいても、該組成物及びこれから得られる被膜を殆ど変
色させない点で特に優れている。
【0013】このリン酸ジルコニウム塩を合成する方法
には、焼成法、湿式法、水熱法等があり、例えば湿式法
により合成する場合、以下のようにして容易に得ること
ができる。オキシ硝酸ジルコニウム及び硝酸ナトリウム
の水溶液を攪拌しながら、この中にシュウ酸を加え、さ
らにリン酸を加える。苛性ソーダ水溶液にて反応液のp
Hを3.5に調整し、78時間加熱還流後、沈澱物を濾
過、水洗、乾燥、粉砕し、網目状リン酸ジルコニウム
[NaZr2(PO43]を得る。これを適当な濃度で
銀イオンを含有する水溶液中に浸漬することにより、一
般式〔1〕で示される化合物を得る。
【0014】防かび、抗菌性及び防藻性を発揮させるに
は、一般式〔1〕におけるaの値は大きい方がよいが、
aの値が0.001以上であれば、充分に防かび、抗菌
性及び防藻性を発揮させることができる。aの値が0.
001未満であると、防かび、抗菌性及び防藻性を長時
間発揮させることが困難となる恐れがあることと、経済
性を考慮すると、aの値を0.01以上で0.5以下の値
とすることが好ましい。
【0015】抗菌剤の好ましい配合割合は、抗菌性被覆
組成物の固形分全量100重量部(以下、単に部とい
う)当たり0.05〜50部であり、抗菌効果及び経済
性を考慮すると、より好ましくは0.5〜10部であ
る。
【0016】○変色防止剤 本発明における変色防止剤は、下記一般式〔2〕で表さ
れる化合物である。
【0017】
【化3】 (上式におけるR1 は水素又は低級アルキル基であり、
2 は水素又はアルカリ金属である。)
【0018】上記一般式〔2〕におけるR1 は水素又は
低級アルキル基であり、低級アルキル基の具体例とし
て、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及び
ブチル等があり、これらの中で化合物の安定性が高いこ
とから、メチル基が特に好ましい。又、上記一般式
〔2〕におけるR2 は水素又はアルカリ金属であり、ア
ルカリ金属の具体例として、リチウム、ナトリウム、カ
リウム及びセシウム等がある。上記一般式〔2〕で表さ
れる化合物の好ましい具体的として、例えばメチルベン
ゾトリアゾール及びメチルベンゾトリアゾールのカリウ
ム塩等がある。ベンゾトリアゾール系化合物は樹脂の安
定剤として従来より知られていたが、本発明は、ベンゾ
トリアゾール系化合物の中でも特に上記の特定の化合物
を抗菌剤と共に被覆組成物中に配合すると、この被覆組
成物から得られる被膜において銀イオンによる変色が顕
著に抑制されることを見出したものであり、この事実は
極めて驚くべきことである。
【0019】変色防止剤の好ましい配合割合は、抗菌剤
100部当たり0.1〜100部、より好ましくは1〜
10部である。0.1部より少ないと、被膜の変色を充
分に抑止することができない恐れがあり、一方100部
より多く配合しても、変色防止効果の向上が殆どなく、
寧ろ被膜を形成するための有効成分を減少させる結果、
良質な被膜を形成することが困難となる恐れがある。
【0020】○その他の配合剤 本発明において、上記の成分以外に、所望により、従来
より使用されている紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡
剤、界面活性剤、発泡剤、充填剤及び難燃剤等を、本発
明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができ
る。
【0021】○製造方法 本発明の抗菌性被覆組成物は、用いる被覆基材の特性に
合わせて適当な温度及び圧力で調整し加熱及び加圧又は
減圧しながら、上記各種成分を混合、混入又は混練りす
ることによって容易に調製することができ、それらの具
体的操作は常法により行えば良い。なお、効率良く変色
を防止するには、変色防止剤を抗菌剤を配合する前に予
め被覆基材に配合することが好ましい。
【0022】○被覆方法 本発明の組成物を用いて被覆する方法には、特に制限は
なく、被覆基材及び被覆対象物の種類に応じて、従来よ
り知られている被覆方法を適宜採用して行うことができ
る。具体的には、刷毛塗り、タンポ塗り、吹きつけ塗
り、ホットスプレー塗り、エアレススプレー塗り、静電
塗り、ローラ塗り、カーテンフロー塗り、流し塗り、浸
し塗り、電着塗り、ころがし塗り、へら塗り、遠心力塗
り及びしごき塗り等の塗布方法、その他被覆対象物の形
状に応じてその表面に被膜を形成する方法として、被覆
対象物の割れ目、凹部等の表面を被覆する充填、被覆対
象物中の連続孔の表面或いは被覆対象物の外部表面を被
覆する含浸及び被覆対象物の全外部表面を被覆して外部
雰囲気と遮断する封止等の方法がある。上記各種の方法
により被覆した後、被膜を常温又は50〜130℃で乾
燥することにより、被覆対象物に密着し、実用的な機械
的強度を有する被膜を容易に形成することができる。
又、光硬化性を有する樹脂を被覆基材として使用した場
合には、紫外線等の活性エネルギー線を塗布部へ照射す
ることにより、短時間に被膜を形成することができる。
【0023】この様にして得られた抗菌性被覆組成物に
おいて、銀イオンは抗菌剤に化学的および物理的に極め
て安定に担持されているため、種々の溶媒又は分散媒等
の液状物質を含有させても、被覆組成物及び被膜の変色
は殆ど起こらない。その上、被覆組成物及びこれを塗布
した被膜は厳しい環境下においても長期間防かび、抗菌
性及び防藻性を有する。
【0024】○用途 本発明の抗菌性被覆組成物は、防かび、防藻及び抗菌性
を有し且つ変色のない被膜の形成が要求される分野、例
えば外壁、化粧板等の建材;繊維;バケツ、ポット等の
各種樹脂成形体及び紙等の表面処理に特に有効である。
具体的には、例えば以下の表面に抗菌性被膜を形成する
用途がある。即ち、壁紙、家屋の外装、病院の内壁、食
器棚の内装及び外装、プラスチック製食品用容器、まな
板、冷蔵庫、医療器具、各種包材、ブラシ類及び水周り
品、シーツ、タオル、おしぼり及びマスク等の繊維製
品、鞄、靴等の皮革製品、エアーフィルタ、水フィルタ
等の多孔体等である。
【0025】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
【実施例】
参考例1〔抗菌剤の調製〕 硫酸ジルコニウムの水溶液及びリン酸2水素アンモニウ
ムの水溶液をジルコニウムとリンの比が2:3になるよ
うに混合することにより沈澱物を生成させ、水酸化ナト
リウムの水溶液を用いてpHを2に調整したのち、水熱
状態下で150℃、24時間加熱することにより結晶質
リン酸ジルコニウムを得た。上記で得たリン酸塩系化合
物を硝酸銀の水溶液に添加し、室温で4時間攪拌した
後、十分に水洗し、乾燥、粉砕することにより抗菌剤を
得た。得られた抗菌剤は平均粒径が0.47μmである
白色粉末である。また、市販のゼオライトに同様に銀イ
オン交換を行った抗菌剤も調製した。上記で得た抗菌剤
を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1〔抗菌性被覆組成物の調製〕 塩化ビニルペーストを10部、DOPを6部、参考例1
で得た抗菌剤を0.5部及び各種変色防止剤を0.05
部配合し、これらを均一に混合することにより抗菌性被
覆組成物を得た。比較のため、抗菌剤と変色防止剤を配
合しないもの及び変色防止剤のみを配合しないものを同
様の方法によって調製した。このようにして得た抗菌性
被覆組成物及び比較試料の被覆組成物を表2に示す。
【0028】
【表2】 注) *1:メチルベンゾトリアゾール *2:チバガイギー社製商品名(下記化4の構造を有する
ヒンダードアミン系耐光性安定剤)
【0029】
【化4】
【0030】*3:チバガイギー社製商品名(下記化5の
構造を有するベンゾトリアゾール系耐光性安定剤)
【0031】
【化5】
【0032】実施例2〔抗菌性被覆組成物の調製〕 参考例1で得た抗菌剤を、塩化ビニルペーストを10
部、DOPを6部、参考例1で得た抗菌剤を0.5部及
び各種変色防止剤を0.05部、発泡剤(アゾジカーボ
ンアミド)を0.25部及び安定剤(旭電化株式会社製
商品名FL44)を0.25部配合し、これらを均一に
混合することにより抗菌性被覆組成物を得た。比較のた
め、抗菌剤と変色防止剤を配合しないもの及び変色防止
剤のみを配合しないものを同様の方法によって調製し
た。このようにして得た抗菌性被覆組成物及び比較試料
の被覆組成物を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】実施例3〔抗菌性被覆組成物の調製〕 参考例1で得た抗菌剤を、アクリルエマルジョンを10
部、参考例1で得た抗菌剤を0.5部及び各種変色防止
剤を0.05部配合し、これらを均一に混合することに
より抗菌性被覆組成物を得た。比較のため、抗菌剤と変
色防止剤を配合しないもの及び抗菌剤を配合し変色防止
剤を配合しないものを同様の方法によって調製した。こ
のようにして得た抗菌性被覆組成物及び比較試料の被覆
組成物を表4に示す。
【0035】
【表4】 注) *4:メチルベンゾトリアゾールのカリウム塩 *5:チバガイギー社製商品名(下記化6の構造を有する
ヒンダードフェノール系耐光性安定剤)
【0036】
【化6】 *6:チバガイギー社製商品名(下記化7の構造を有する
ヒドラジン系金属不活性剤)
【0037】
【化7】 *7:チバガイギー社製商品名(下記化8の構造を有する
リン系加工安定剤)
【0038】
【化8】
【0039】実施例4〔耐候性試験〕 実施例1及び実施例2で得た試料No.1〜21の被覆
組成物を白色ケント紙に一様に塗布したものを試験品と
した(「試料No.n」の被覆組成物を塗布して得た試
験品を「試験品No.n」とした。)。東洋精機製作所
(株)製強制劣化試験機UC−1を用いて耐候性を測定
した。UC−1の暴露条件は紫外線照射(60℃)と加
湿(40℃)を1時間ごとに交互に繰り返すもので、暴
露時間は4時間とした。暴露前後の色彩(L、a、b)
を日本電色工業(株)製色彩色差計SZ−Σ80を用い
て測定した。測定結果を表5、表6及び表7に示した。
【0040】
【表5】
【0041】上記表5からわかるように、被覆基材のみ
を配合し抗菌剤と変色防止剤を配合せず白色の試験品N
o. 1に比較して、抗菌剤のみを配合して変色防止剤を
配合していない試験品No. 2及び抗菌剤と共に従来の変
色防止剤を配合した試験品No.5は茶褐色に変色し、又
抗菌剤と共に従来の変色防止剤を配合した試験品No. 4
は黄褐色に変色したが、抗菌剤と共にメチルベンゾトリ
アゾールを配合した試験品No. 3は殆ど変色しなかっ
た。
【0042】
【表6】
【0043】上記表6からわかるように、被覆基材、発
泡剤及び安定剤のみを配合し、抗菌剤と変色防止剤を配
合しない白色の試験品No. 6に比較して、被覆基材、発
泡剤及び安定剤の他に抗菌剤のみを配合して変色防止剤
を配合していない試験品No.7は耐侯性試験前に既に茶
褐色に変色したのに対して、又抗菌剤と共にメチルベン
ゾトリアゾール又はこれと従来の変色防止剤を配合した
試験品No. 8〜10は、耐侯性試験前及び耐侯性試験後
のいずれにおいても殆ど変色しなかった。
【0044】
【表7】
【0045】上記表7からわかるように、被覆基材のみ
を配合し、抗菌剤と変色防止剤を配合しない白色の試験
品No. 11に比較して、被覆基材の他に抗菌剤のみを配
合して変色防止剤を配合していない試験品No. 12及び
No. 20は耐侯性試験前に既に茶褐色に変色し、耐侯性
試験後更に強く変色し、又抗菌剤と共に従来の変色防止
剤を配合した試験品No. 15〜19は、耐侯性試験前に
黄色に変色し、耐侯性試験後更に黄褐色に変色したのに
対して、抗菌剤と共にメチルベンゾトリアゾールのカリ
ウム塩を配合した試験品No. 13、No. 14及びNo. 2
1は耐侯性試験前及び耐侯性試験後のいずれにおいても
殆ど変色しなかった。
【0046】実施例4〔抗菌力試験〕 実施例1で得た試料No.1,2及び3の被覆組成物に
ついて、抗菌力試験を次のようにして行った。5cm×
5cmの白色ケント紙に各被覆組成物を塗装し、塗膜を
形成したものを試験紙とした。被検菌には大腸菌を用
い、白色ケント紙1枚当りの菌数が105個となるよう
に菌液を表面に一様に接種し、36℃で6時間保存した
後に菌数測定用培地(SCDLP液体培地)で試験紙片
上の生残菌を洗いだし、この洗液を試験液とした。試験
液について菌数測定用培地による混釈平板培養法(36
℃、2日間)により生菌数を測定して、試験紙1枚当り
の生菌数に換算した。測定結果を表8に示す。
【0047】
【表8】
【0048】表8からわかるように抗菌剤を含有する試
料No.2及び3は何れも優れた抗菌性を示した。又、
抗菌剤を含有する試料No.8,9,10,13,19
及び21について、同様にして抗菌力試験を行った結
果、生菌数はいずれも0であり、抗菌剤を含有する試料
はいずれも充分な抗菌性を有することを確認した。
【0049】
【発明の効果】本発明の抗菌性被覆組成物において、銀
イオンは化学的および物理的に優れた安定性を有してい
るため、種々の溶媒又は分散媒等の液状物質と接触させ
ても、被覆組成物及び被膜の変色は殆ど起こらない。そ
の上、被覆組成物及びこれを塗布した被膜は厳しい環境
下においても長期間防かび、抗菌性及び防藻性を有す
る。又、本発明の被覆組成物は種々の方法で材料の表面
に抗菌性被膜を形成することができるので、塗料として
は勿論のこと、その材料の形状及び使用目的に応じて、
変色のない抗菌性被膜を形成する材料として有用であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀イオンを担持させた無機化合物からなる
    抗菌剤及び下記一般式で表される変色防止剤を含有する
    ことを特徴とする抗菌性被覆組成物。 【化1】 (上式におけるR1 は水素又は低級アルキル基であり、
    2 は水素又はアルカリ金属である。)
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