JPH10279849A - 消臭性液状塗料組成物 - Google Patents

消臭性液状塗料組成物

Info

Publication number
JPH10279849A
JPH10279849A JP10089297A JP10089297A JPH10279849A JP H10279849 A JPH10279849 A JP H10279849A JP 10089297 A JP10089297 A JP 10089297A JP 10089297 A JP10089297 A JP 10089297A JP H10279849 A JPH10279849 A JP H10279849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deodorant
coating composition
gas
tetravalent metal
zirconium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10089297A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Hirukawa
敏郎 蛭川
Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP10089297A priority Critical patent/JPH10279849A/ja
Publication of JPH10279849A publication Critical patent/JPH10279849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】人体に対する安全性に優れ、消臭性に優れた消
臭性液状塗料組成物を提供する。 【解決手段】HZr2 (PO4 )3 ・H2 O、Na1.12Cu0.44 Zr
(PO4 2 ・H2O 等の四価金属燐酸塩、ハイドロタルサ
イト化合物又はその焼成物、水和酸化ジルコニウム又は
酸化ジルコニウム等の特定の消臭剤を含有する消臭性液
状塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の消臭剤を含
有する消臭性液状塗料組成物に関し、住宅や病院等の天
井や床等の内装、浴槽、トイレ及び台所等の各種住宅設
備、自動車の内装並びに電気製品等に利用される塗料と
して有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、快適な生活に対する要求は急激に
高まってきている。その1つとして消臭の機能が非常に
注目されており、住宅や病院等の天井や床等の内装、浴
槽、トイレ及び台所等の各種住宅設備、自動車の内装、
電気製品等に利用される塗料に消臭性を持たせる試みが
なされている。消臭剤として活性炭やゼオライトが古く
から知られており、芳香属第一級アミンを活性炭に添着
させたものや、活性炭のpH調整をしたもの等が提案さ
れている。また、鉄化合物とアスコルビン酸を組み合わ
せたものや、アミノ基やスルホン基を持つ高分子化合物
も消臭剤として知られている。しかし、これらは、人体
に対する安全性が充分確保されているとは言いがたいた
め、これらを塗料に多量には含有させられなかったり、
悪臭ガスに対する消臭性が充分でないため、得られる塗
膜は消臭性が不充分であるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に対す
る安全性に優れ、消臭性に優れた消臭性液状塗料組成物
を提供しようとするものである。
【0004】
〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であって、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c+4d=2e+3f)を満たす。〕
【0005】
〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であって、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c+4d=2e+3f)を満たす。〕
消臭剤ハ:ハイドロタルサイト化合物又はその焼成物、
水和酸化ジルコニウム、及び酸化ジルコニウムより選ば
れる少なくとも1種。
【0006】(消臭剤イ)消臭剤イは、上記一般式
〔1〕で表される水に対して不溶性又は難溶性の4価金
属リン酸塩であり、水素を有する化合物である。この消
臭剤イは、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びピ
リジン等のアミン類化合物並びにアンモニア等の塩基性
ガスに対して優れた消臭性を発揮するものである。上式
〔1〕におけるMの好ましい具体例として、ジルコニウ
ム、チタン、スズ、セリウム、ハフニウム等があり、ジ
ルコニウム、チタンがより好ましい。好ましい消臭剤イ
におけるa、b、c及びdの各係数は以下の数である。 a=1、b=1、c=1、d=1 a=1、b=2、c=0、d=3 a=2、b=1、c=0、d=2
【0007】a=1、b=1、c=1、d=1で示され
る4価金属リン酸塩は、平均粒径が1μm以下の非晶質
微粒子として得やすい化合物であり、a=1、b=2、
c=0、d=3で示される4価金属リン酸塩は、ナシコ
ン型結晶質化合物又は非晶質化合物であり、a=2、b
=1、c=0、d=2で示される4価金属リン酸塩は、
1水塩であるα型結晶、無水塩であるβ型結晶及び2水
塩であるγ型結晶等の層状構造を有する結晶質化合物又
は非晶質化合物である。特に好ましい上式〔1〕で表さ
れる4価金属リン酸塩は、結晶の層間距離が最も大き
く、消臭速度が大きいことから、a=2、b=1、c=
0、d=2の係数を有するγ型結晶である。
【0008】消臭剤イの好ましい具体例として以下の化
合物がある。 HTiO(PO4 ) HZrO(PO4 ) HZr2 (PO4 3 ・H2 O HTi2 (PO4 3 ・H2 O HSn2 (PO4 3 ・3H2 O H2 Zr(PO4 22 Ti(PO4 2 ・2H2 O H2 Sn(PO4 2 ・H2
【0009】(消臭剤ロ)消臭剤ロは、上記一般式
〔2〕で表される水に対して不溶性又は難溶性の4価金
属リン酸塩であり、1価金属及び/又は2価金属を有す
る化合物である。この消臭剤ロは、硫化水素やメチルメ
ルカプタン等の含硫黄系ガスや、酢酸、吉草酸、酪酸等
の低級脂肪酸に対して優れた消臭性を発揮するものであ
る。上式〔2〕におけるMの好ましい具体例として、ジ
ルコニウム、チタン、スズ、セリウム、ハフニウム等が
あり、ジルコニウム、チタンがより好ましい。消臭剤ロ
における1価又は2価の金属の好ましい具体例として、
リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、
鉄、亜鉛、ニッケル、マンガン及びコバルト等がある。
これらの中でも、ナトリウム、カリウム、銅、亜鉛及び
マンガンが好ましい。好ましい消臭剤ロにおけるa、
b、c、d、e及びfの各係数は以下の式を満たす数で
ある(但し、a,b及びcは0であっても良く、bとc
が共に0であることはない)。 a+b+c=1、d=1、e=1、f=1 a+b+c=1、d=2、e=0、f=3 a+b+c=2、d=1、e=0、f=2 上式〔2〕で表される4価金属リン酸塩は、上式〔1〕
で表される化合物の水素の一部又は全部を、1価又は2
価の金属で置換した構造を有する化合物であり、特に好
ましいものは、式(a+b+c=2、d=1、e=0、
f=2)を満たす係数(但し、a,b及びcは0であっ
ても良く、bとcが共に0であることはない)を有する
γ型の層状構造を有する結晶質化合物である。
【0010】上式〔1〕で表される4価金属リン酸塩は
陽イオン交換性を有しているので、消臭剤ロは、上式
〔1〕における水素とのイオン交換により、1価金属及
び/又は2価金属を上式〔1〕で表される4価金属リン
酸塩に容易に担持させることができ、具体的には上式
〔1〕で表される4価金属リン酸塩を、1価金属及び/
又は2価金属の塩または水酸化物を含有する水溶液と接
触させることにより容易に担持させることができる。2
種以上の金属を担持させる場合、2種以上の金属を含有
する水溶液を用いて一度のイオン交換により担持させて
も、或いは複数回のイオン交換により担持させてもかま
わない。尚、1価金属と2価金属を担持させる場合、最
初に1価金属を担持させた後に2価金属を担持させる
と、イオン交換を効率的に行うことができる。1価金属
及び/又は2価金属の担持量は、上式〔1〕で表される
4価金属リン酸塩のイオン交換容量内であれば、最大1
00%まで所望により自由に制御することができるが、
含硫黄系ガスや、低級脂肪酸等に対して十分な消臭性を
発揮させるためには、上記金属の担持量を、イオン交換
容量の25%(αリン酸ジルコニウムの場合、1.6ミ
リグラム当量/g)以上、より好ましくは50%(αリ
ン酸ジルコニウムの場合、3.2ミリグラム当量/g)
以上とするのが良い。一方、水素イオンを有する消臭剤
ロは塩基性ガスに対する消臭性を有しているので、含硫
黄系ガスや低級脂肪酸等と共に塩基性ガスを同時に消臭
することを希望する場合、金属担持量をイオン交換容量
の100%未満の範囲で適宜調整することもできる。
【0011】消臭剤イと消臭剤ロは、紫外線を照射する
ことにより悪臭ガス、特にアンモニアガス、脂肪族アミ
ンガス等の塩基性悪臭ガスに対する消臭能を再生する機
能を有している。即ち、消臭能がなくなるまで消臭剤を
一旦使用した後に、紫外線を照射して、消臭剤を再利用
したり、或いは紫外線の照射下で消臭を行うことによ
り、消臭剤の寿命を延長させることができる。紫外線照
射による消臭能の再生機能は、消臭剤ロよりも消臭剤イ
において強く発揮できる。これは、消臭剤イと消臭剤ロ
は光触媒機能を有しており、この光触媒機能を消臭剤イ
において消臭剤ロより強く発揮できるためと推定され
る。紫外線は太陽光や蛍光灯の光にも含まれているた
め、これらの光でも当然再生できる。
【0012】(消臭剤ハ)消臭剤ハは、ハイドロタルサ
イト化合物又はその焼成物、水和酸化ジルコニウム、及
び酸化ジルコニウムより選ばれる少なくとも1種であ
る。この消臭剤ハは、これらの化合物はホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類や酢酸、吉草
酸、酪酸等の低級脂肪酸に対して優れた消臭性を発揮す
るものである。
【0013】ハイドロタルサイト化合物は下記一般式
〔3〕で表わされるハイドロタルサイト構造を有する化
合物であり、最も好ましい化合物としてマグネシウム−
アルミニウムハイドロタルサイトがある。 M1 (1-x) 2 x (OH)2 n- (x/n) ・mH2 O 〔3〕 (M1 は2価の金属であり、M2 は3価の金属であり、
xは0より大きく0.5以下の数であり、An-は炭酸イ
オン、硫酸イオン等のn価の陰イオンであり、mは正数
である。)
【0014】ハイドロタルサイト焼成物は、ハイドロタ
ルサイト化合物を約500℃以上で焼成し、炭酸根や水
酸基が脱離することにより得られる化合物である。
【0015】水和酸化ジルコニウムは、結晶質及び非晶
質のいずれであっても良く、オキシ水酸化ジルコニウ
ム、水酸化ジルコニウム、含水酸化ジルコニウム及び酸
化ジルコニウム水和物と同義の化合物である。本発明に
おける水和酸化ジルコニウムは公知の化合物であり、特
にその製法は限定されない。好ましい製法として湿式法
があり、オキシ塩化ジルコニウム水溶液等のジルコニウ
ム含有水溶液を、水やアルカリ水溶液で加水分解するこ
とにより、容易に水和酸化ジルコニウムを得ることがで
きる。
【0016】酸化ジルコニウムは、結晶質及び非晶質の
いずれであっても良いが、高い消臭性を発揮させるには
非晶質が好ましい。本発明における酸化ジルコニウムと
しては、市販品をそのまま使用してもよく、又上記水和
酸化ジルコニウムを焼成した無水物を用いても良い。水
和酸化ジルコニウムを焼成して非晶質の酸化ジルコニウ
ムを得る際の好ましい焼成温度は150 ℃〜350 ℃であ
る。
【0017】上記の消臭剤イ、消臭剤ロ及び消臭剤ハの
中から2種以上を併用することにより、塩基性ガス、含
硫黄系ガス、アルデヒド類ガス及び低級脂肪酸ガス等の
種々のガスを同時に消臭することができる。2種以上の
消臭剤を併用する方法に制限はなく、1種の消臭剤を含
有する複数種の液状塗料組成物を調製し、これらを塗り
分けたり、2種以上の消臭剤を含有させた塗料を塗布す
ることができる。2種以上の消臭剤を併用する際の各消
臭剤の混合割合に特に制限はなく、消臭の対象とするガ
スの種類によって適宜混合比を調整すればよい。
【0018】本発明における消臭剤は、いずれも通常粉
体状で得られ、好ましい平均粒径は0.01〜20μm
であり、より好ましくは0.01〜10μであり、さら
に好ましくは0.01〜5μmである。平均粒径が0.
01μm未満では再凝集しやすく、取扱いが困難である
という問題があり好ましくない。また、20μmより大
きいと、塗料に均一に分散させにくい、塗料調製時又は
その後の保存時に沈降しやすい、塗膜表面の平滑性が損
なわれるといった問題があり好ましくない。
【0019】本発明の液状塗料組成物における消臭剤の
好ましい配合割合は、塗料を形成する成分やその塗料の
使用目的、使用環境、塗装対象等により適宜調整すれば
良く、例えば塗料自身の特性を損なわずに塗膜に消臭効
果を付与させるには、塗料固形分に対し、0.1〜10
重量%(以下単に%と略す)の割合が好ましく、本発明
の液状塗料組成物における樹脂分を消臭剤の結合剤とし
て使用し、塗布する対象に消臭剤を多量に付着させて消
臭性を発揮させたい場合、塗料固形分に対し10〜60
%の割合が好ましい。但し、消臭効果の長期持続性又は
速攻性等のより強力な効果を得たい場合は適宜配合割合
を増やすこともできる。
【0020】本発明における消臭剤は、200〜300
℃で加熱したり、紫外光に暴露しても、構造及び組成が
全く変化せず、又何等変色を起こさず、安定である。従
って、本発明の消臭性液状塗料組成物は、その製造時、
保存時、及び使用時において、消臭剤の劣化を防止する
ための温度制御及び遮光等の制約をうけることがない。
【0021】○塗料成分 塗料成分は、塗膜形成要素と塗膜形成助要素からなる。
塗膜形成要素は、塗膜の主体となる塗膜主要素の他、可
塑剤、硬化剤、乳化剤及び分散剤等の塗膜副要素並びに
顔料からなり、塗膜形成助要素は、溶剤又は希釈剤等か
らなる。
【0022】上記塗膜主要素に特に制限はなく、天然植
物油、天然樹脂、半合成樹脂及び合成樹脂のいずれであ
ってもよく、また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれ
であってもよい。好ましい油脂及び樹脂としては、例え
ばあまに油、しなきり油、大豆油等の乾性油又は半乾性
油、ロジン、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢
酸酪酸セルロース、ベンジルセルロース、ノボラック型
又はレゾール型のフェノール樹脂、アルキド樹脂、アミ
ノアルキド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、シリコー
ン樹脂、ホモポリマー型熱可塑性、コポリマー型熱可塑
性、変成型熱可塑性又は熱硬化性のフッ素樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、メラミ
ン樹脂及びポリ塩化ビニリデン樹脂等がある。
【0023】本発明の塗料組成物は液状であり、溶液型
及び分散型のいずれでもよく、溶媒も特に制限はなく、
親油性有機溶剤、親水性有機溶剤及び水のいずれでもよ
い。又、本発明の塗料組成物はいかなる機構により硬化
するタイプでもよく、具体的には酸化重合型、湿気硬化
型、加熱硬化型、触媒硬化型、紫外線硬化型、及びポリ
オール硬化型等がある。
【0024】○塗料の調製方法 本発明における消臭剤は、水に対して不溶性又は難溶性
であるため、その形成成分の溶出がなく、また有機溶剤
にも安定であるため、塗料組成物を極めて容易に調製す
ることができる。本発明の消臭性液状塗料組成物は、上
記消臭剤と塗料成分を、例えばボールミル、ロールミ
ル、ディスパーやミキサー等の一般的な混合装置を用い
て、常法により充分に分散、混合すればよい。
【0025】○塗布及び硬化方法 本発明の塗料組成物を塗布する方法には特に制限はな
く、塗膜形成要素の特性に応じて公知の方法に従って塗
布すればよい。又、本発明の塗料組成物を硬化する方法
も特に制限はなく、常温乾燥、加熱、紫外線、可視光又
は電子線等の光線を照射する方法等のいずれでもよく、
塗料組成物の硬化機構に応じて適宜公知の硬化手段を採
用することができる。
【0026】○適用対象 本発明の液状塗料組成物は、消臭性を必要とする種々の
分野で利用することができ、塗布する対象物は限定され
ない。具体的な適用対象の例としては、病院、学校、一
般住宅、食品工場等の建物、自動車、飛行機、電車等の
交通機関、浴室、トイレ又は台所の壁、天井、床等の住
宅設備、冷蔵庫、電話機、パソコン、テレビ、洗濯機や
電子レンジ等の電気製品等における木製、金属製、セラ
ミックス製或いはプラスチック製の物品の表面がある。
【0027】以下、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【実施例及び比較例】
(実施例1〜18及び比較例1〜4)本発明における特
定の消臭剤を所定の重量比で配合した各種の消臭剤
[A]〜[R](下記表1,2。表中における混合比は
重量比である。以下同じ。)、又は比較のための従来の
消臭剤[a]〜[d](下記表4)を、ウレタンエマル
ジョン塗料に、100重量部(以下単に部と略す)当た
り2.0部添加することにより消臭性液状塗料組成物を
得た。また、比較として消臭剤を添加しないものも調製
した(比較例5)。このようにして得た液状塗料組成物
を、アルミ板(5cm ×10cm)の全面に塗装後、加熱によ
り厚さ約10μmの塗膜を形成し、試料とした。
【0028】(実施例19〜25)本発明における特定
の消臭剤を所定の重量比で配合した各種の消臭剤[A]
〜[T](下記表3、実施例19〜25)、及び比較の
ための従来の消臭剤[a]〜[d](下記表4、比較例
6〜9)を、紫外線硬化型アクリル系塗料M−7100
(東亞合成株式会社製)に、100部当たり2.0部添
加することにより消臭性液状塗料組成物を得た。また、
比較として消臭剤を添加しないものも調製した(比較例
10)。このようにして得た液状塗料組成物を、亜鉛メ
ッキ鋼板(5cm ×10cm)の全面に塗装後、集光型高圧水
銀ランプにより紫外線を照射し、厚さ約10μmの塗膜を
形成し、試料とした。
【0029】
【表1】
【0030】*1)HDT:Al/Mgハイドロタルサ
イト化合物(以下、同じ)
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】*)クラレ株式会社製商品名:クラレコー
ル3GCー H
【0035】(消臭性試験)実施例及び比較例で得た各
試料について、下記表5に示した5種の各ガスに対する
消臭性を以下のようにして評価した。即ち、試料をテド
ラーバッグ(1リットル)に入れ密封し、ついでガスを注入
し、ガスを注入し終えた時から24時間後に、テドラー
バッグ中のガス濃度を検知管(ガステック株式会社製)
又はガスクロマトグラフィー(島津製作所株式会社製)
により測定した。尚、テドラーバッグにガスを注入した
時のガス初期濃度は下記表5の通りである。但し、ガス
発生源が液体である場合、約2時間放置して完全にガス
化した後に試料をガスと接触させた。ガス濃度の測定方
法は、ガスの種類によって適宜選択し、硫黄系悪臭ガス
はガスクロマトグラフィーを用い、その他のガスについ
ては、検知管を用いた。尚、測定機器の制限から、100p
pmを越える高濃度の場合は、測定可能な濃度に適宜希釈
してガスクロマトグラフィーを行い、得られた測定値を
希釈倍率に従って原濃度に換算した。上記のようにして
得られた消臭性試験の結果を下記表6〜10に示した
(表中にNDとあるのは検出限界以下であることを示
す)。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】上記表6の実施例1,2 及び上記表9 の実施
例19の結果から、消臭剤イを含有する塗料組成物はアン
モニア等の塩基性ガスに対する消臭性が優れていること
がわかる。上記表6の実施例3 〜6 及び上記表9の実施
例20〜22の結果から、消臭剤ロを含有する塗料組成物
は、硫化水素、メチルメルカプタン等の含硫黄系ガスに
対する消臭性が特に優れており、アンモニア等の塩基性
ガスに対しても優れた消臭性を有していることがわか
る。上記表6の実施例7 〜9 及び上記表9の実施例23の
結果から、消臭剤ハを含有させた塗料組成物は、アセト
アルデヒド等のアルデヒド類ガス及び酢酸等の低級脂肪
酸ガスに対する消臭性が優れていることがわかる。上記
表7の実施例10,11 の結果から、消臭剤イと消臭剤ロを
含有する塗料組成物は塩基性ガス、含硫黄系ガス及び低
級脂肪酸ガスに対する消臭性が優れていることがわか
る。上記表7の実施例12,13 の結果から、消臭剤イと消
臭剤ハを含有する塗料組成物は塩基性ガスと低級脂肪酸
ガスに対する消臭性が優れていることがわかる。上記表
7の実施例14,15 の結果から、消臭剤ロと消臭剤ハを含
有する塗料組成物は含硫黄系ガス、アルデヒド類ガス及
び低級脂肪酸ガスに対する消臭性が特に優れており、塩
基性ガスに対しても優れていることがわかる。上記表7
の実施例16〜18及び上記表9の実施例24,25 の結果か
ら、消臭剤イ、消臭剤ロ及び消臭剤ハを含有する塗料組
成物は、塩基性ガス、含硫黄系ガス、アルデヒド類ガス
及び低級脂肪酸ガスの多様な悪臭ガスに対する消臭性が
特に優れていることがわかる。
【0043】実施例1で得た試料を多量のアンモニアガ
スを充填した容器中に放置して、一旦消臭性をなくした
後に、試料に殺菌灯で紫外線を8日間照射して、上記の
試験方法と同様にしてアンモニアガスに対する消臭性試
験を行った所、上記表6の実施例1と同様に優れた消臭
性を発揮した。
【0044】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、水に対して不溶
性又は難溶性であり、人体に対する安全性に優れた消臭
剤を含有するものであり、本発明の塗料組成物を塗布し
た塗膜は、優れた消臭性を有する。即ち、消臭剤イを含
有する塗料組成物は、塩基性ガスに対する消臭性に優
れ、消臭剤ロを含有する塗料組成物は、含硫黄系ガスや
低級脂肪酸ガスに対する消臭性に優れ、消臭剤ハを含有
する塗料組成物は、アルデヒド類ガスや低級脂肪酸ガス
に対する消臭性に優れる。又、消臭剤イと消臭剤ロは、
紫外線の照射により塩基性ガスに対する消臭性を再生さ
せることができる。従って、本発明の塗料組成物は、各
種住宅設備、交通機関等又は電気製品の内装外装等に塗
布することにより、これらの表面に消臭性塗膜を形成す
ることできる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔1〕で示される水に対して不
    溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩を含有することを特
    徴とする消臭性液状塗料組成物。 Ha b c (PO4 d ・nH2 O 〔1〕 〔Mは4価金属であり、a、b、c及びdは式(a+4
    b=2c+3d)を満たす正数であり(但し、cは0で
    あっても良い)、nは0又は正数である。〕
  2. 【請求項2】下記一般式〔2〕で示される水に対して不
    溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩を含有することを特
    徴とする消臭性液状塗料組成物。 Ha b c d e (PO4 f ・nH2 O 〔2〕 〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価
    金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であっ
    て、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数
    であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c
    +4d=2e+3f)を満たす。〕
  3. 【請求項3】ハイドロタルサイト化合物又はその焼成
    物、水和酸化ジルコニウム、及び酸化ジルコニウムより
    選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする消
    臭性液状塗料組成物。
JP10089297A 1997-04-03 1997-04-03 消臭性液状塗料組成物 Pending JPH10279849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10089297A JPH10279849A (ja) 1997-04-03 1997-04-03 消臭性液状塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10089297A JPH10279849A (ja) 1997-04-03 1997-04-03 消臭性液状塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10279849A true JPH10279849A (ja) 1998-10-20

Family

ID=14285995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10089297A Pending JPH10279849A (ja) 1997-04-03 1997-04-03 消臭性液状塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10279849A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000191943A (ja) * 1998-10-19 2000-07-11 Nts:Kk 塗膜形成組成物及びその製造方法
JP2001302944A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Nts:Kk 塗膜形成組成物及びその製造方法並びにコーティング膜
JP2006181537A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Tomita Pharmaceutical Co Ltd ホルムアルデヒドガス処理剤及びホルムアルデヒドガス処理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000191943A (ja) * 1998-10-19 2000-07-11 Nts:Kk 塗膜形成組成物及びその製造方法
JP2001302944A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Nts:Kk 塗膜形成組成物及びその製造方法並びにコーティング膜
JP2006181537A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Tomita Pharmaceutical Co Ltd ホルムアルデヒドガス処理剤及びホルムアルデヒドガス処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI700104B (zh) 消臭劑及使用其之消臭性加工品、以及消臭劑及消臭性加工品之製造方法
KR20090097600A (ko) 환경친화형 수성 도료 조성물 및 그 제조 방법
KR102256087B1 (ko) 항균성 및 악취유발화합물 분해성을 가지는 조성물의 제조방법 및 그 방법을 이용하여 제조되는 조성물
JP2009013376A (ja) 内装用水性塗料
JP3048892B2 (ja) 脱臭機能を有する樹脂組成物
JPWO2003102096A1 (ja) 建築資材用の抗菌防汚塗料およびこれにより塗装された建築資材
EP2726557B1 (en) Surface treatment agent with high photocatalytic and sanitary effects
JP2000107275A (ja) 消臭組成物及びこれを用いた水性塗料組成物
EP0351467B1 (en) White colored deodorizer and process for producing the same
JP2007320977A (ja) キトサンパウダーおよび水性コーティング剤
JP2007130267A (ja) 管状酸化チタン粒子からなる消臭剤
JPH10279849A (ja) 消臭性液状塗料組成物
JP2000095979A (ja) 室内汚染対策用水性塗料
JP2009131756A (ja) 酸化チタン系消臭剤の製造方法
KR20090114497A (ko) 대나무 활성탄 페인트
JPH0614979A (ja) 抗菌性被覆組成物
JPH10279837A (ja) 消臭性粉体塗料組成物
JP2004300648A (ja) 機能性壁紙
JPH06263916A (ja) 抗菌剤及び抗菌性樹脂組成物
JPH0625561A (ja) 抗菌性粉体塗料組成物
WO2013122828A1 (en) Film with absorbing coating
KR101213353B1 (ko) 새집증후군 저감과 항균 및 항곰팡이 특성을 가지는 석회 도료 조성물
JP4415417B2 (ja) 消臭性接着剤組成物
KR20090121891A (ko) 건축 내장재의 코팅에 사용되는 항균성 양이온 교환 졸조성물 및 그 제조 방법
KR100938595B1 (ko) 친환경 폴리비닐아세테이트 수지를 사용한 발포벽지 조성물