JPH10279837A - 消臭性粉体塗料組成物 - Google Patents

消臭性粉体塗料組成物

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JPH10279837A
JPH10279837A JP9100884A JP10088497A JPH10279837A JP H10279837 A JPH10279837 A JP H10279837A JP 9100884 A JP9100884 A JP 9100884A JP 10088497 A JP10088497 A JP 10088497A JP H10279837 A JPH10279837 A JP H10279837A
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Japan
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deodorant
metal
coating composition
zirconium oxide
powder coating
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JP9100884A
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English (en)
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Toshiro Hirukawa
敏郎 蛭川
Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人体に対する安全性に優れ、消臭性に優れた消
臭性粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】HZr2 (PO4 )3 ・H2 O、Na1.12Cu0.44 Zr
(PO4 2 ・H2O 等の四価金属燐酸塩、ハイドロタルサ
イト化合物又はその焼成物、水和酸化ジルコニウム又は
酸化ジルコニウム等の特定の消臭剤を含有する消臭性粉
体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の消臭剤を含
有する消臭性粉体塗料組成物に関し、消臭性を必要とす
る種々の金属製又はプラスチック製の物品の表面に消臭
性を付与することができる塗料組成物として有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、快適な生活に対する要求は急激に
高まってきている。その1つとして消臭の機能が非常に
注目されており、電気製品、住宅関連機材、自動車関連
機材等に消臭性能を持たせる試みがなされている。一
方、これらの物品の表面には粉体塗料により容易に塗膜
を形成できるので、粉体塗料中に消臭剤を含有させて塗
膜に消臭性を発揮させることが望まれている。消臭剤と
して活性炭やゼオライトが古くから知られており、芳香
属第一級アミンを活性炭に添着させたものや、活性炭の
pH調整をしたもの等が提案されている。また、鉄化合
物とアスコルビン酸を組み合わせたものや、アミノ基や
スルホン基を持つ高分子化合物も消臭剤として知られて
いる。しかし、これらは、人体に対する安全性が充分確
保されているとは言いがたいため、これらを塗料に多量
には含有させられなかったり、耐熱性が劣るため、粉体
塗料中に含有させたり、塗布する時に高温に加熱される
と消臭性がなくなったり、悪臭ガスに対する消臭性が充
分でないため、得られる塗膜は消臭性が不充分であると
いう問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に対す
る安全性に優れ、消臭性に優れた消臭性粉体塗料組成物
を提供しようとするものである。
【0004】
〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であって、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c+4d=2e+3f)を満たす。〕
【0005】
〔Mは4価金属であり、a、b、c及びdは式(a+4b=2c+3d)を満たす正数であり(但し、cは0であっても良い)、nは0又は正数である。〕
消臭剤ロ:下記一般式〔2〕で示される水に対して不溶
性又は難溶性の4価金属リン酸塩。 Ha b c d e (PO4 f ・nH2 O 〔2〕 〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価
金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であっ
て、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数
であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c
+4d=2e+3f)を満たす。〕 消臭剤ハ:ハイドロタルサイト化合物又はその焼成物、
水和酸化ジルコニウム、及び酸化ジルコニウムより選ば
れる少なくとも1種。
【0006】(消臭剤イ)消臭剤イは、上記一般式
〔1〕で表される水に対して不溶性又は難溶性の4価金
属リン酸塩であり、水素を有する化合物である。この消
臭剤イは、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びピ
リジン等のアミン類化合物並びにアンモニア等の塩基性
ガスに対して優れた消臭性を発揮するものである。上式
〔1〕におけるMの好ましい具体例として、ジルコニウ
ム、チタン、スズ、セリウム、ハフニウム等があり、ジ
ルコニウム、チタンがより好ましい。好ましい消臭剤イ
におけるa、b、c及びdの各係数は以下の数である。 a=1、b=1、c=1、d=1 a=1、b=2、c=0、d=3 a=2、b=1、c=0、d=2
【0007】a=1、b=1、c=1、d=1で示され
る4価金属リン酸塩は、平均粒径が1μm以下の非晶質
微粒子として得やすい化合物であり、a=1、b=2、
c=0、d=3で示される4価金属リン酸塩は、ナシコ
ン型結晶質化合物又は非晶質化合物であり、a=2、b
=1、c=0、d=2で示される4価金属リン酸塩は、
1水塩であるα型結晶、無水塩であるβ型結晶及び2水
塩であるγ型結晶等の層状構造を有する結晶質化合物又
は非晶質化合物である。特に好ましい上式〔1〕で表さ
れる4価金属リン酸塩は、結晶の層間距離が最も大き
く、消臭速度が大きいことから、a=2、b=1、c=
0、d=2の係数を有するγ型結晶である。
【0008】消臭剤イの好ましい具体例として以下の化
合物がある。 HTiO(PO4 ) HZrO(PO4 ) HZr2 (PO4 3 ・H2 O HTi2 (PO4 3 ・H2 O HSn2 (PO4 3 ・3H2 O H2 Zr(PO4 22 Ti(PO4 2 ・2H2 O H2 Sn(PO4 2 ・H2
【0009】(消臭剤ロ)消臭剤ロは、上記一般式
〔2〕で表される水に対して不溶性又は難溶性の4価金
属リン酸塩であり、1価金属及び/又は2価金属を有す
る化合物である。この消臭剤ロは、硫化水素やメチルメ
ルカプタン等の含硫黄系ガスや、酢酸、吉草酸、酪酸等
の低級脂肪酸に対して優れた消臭性を発揮するものであ
る。上式〔2〕におけるMの好ましい具体例として、ジ
ルコニウム、チタン、スズ、セリウム、ハフニウム等が
あり、ジルコニウム、チタンがより好ましい。消臭剤ロ
における1価又は2価の金属の好ましい具体例として、
リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、
鉄、亜鉛、ニッケル、マンガン及びコバルト等がある。
これらの中でも、ナトリウム、カリウム、銅、亜鉛及び
マンガンが好ましい。好ましい消臭剤ロにおけるa、
b、c、d、e及びfの各係数は以下の式を満たす数で
ある(但し、a,b及びcは0であっても良く、bとc
が共に0であることはない)。 a+b+c=1、d=1、e=1、f=1 a+b+c=1、d=2、e=0、f=3 a+b+c=2、d=1、e=0、f=2 上式〔2〕で表される4価金属リン酸塩は、上式〔1〕
で表される化合物の水素の一部又は全部を、1価又は2
価の金属で置換した構造を有する化合物であり、特に好
ましいものは、式(a+b+c=2、d=1、e=0、
f=2)を満たす係数(但し、a,b及びcは0であっ
ても良く、bとcが共に0であることはない)を有する
γ型の層状構造を有する結晶質化合物である。
【0010】上式〔1〕で表される4価金属リン酸塩は
陽イオン交換性を有しているので、消臭剤ロは、上式
〔1〕における水素とのイオン交換により、1価金属及
び/又は2価金属を上式〔1〕で表される4価金属リン
酸塩に容易に担持させることができ、具体的には上式
〔1〕で表される4価金属リン酸塩を、1価金属及び/
又は2価金属の塩または水酸化物を含有する水溶液と接
触させることにより容易に担持させることができる。
【0011】2種以上の金属を担持させる場合、2種以
上の金属を含有する水溶液を用いて一度のイオン交換に
より担持させても、或いは複数回のイオン交換により担
持させてもかまわない。尚、1価金属と2価金属を担持
させる場合、最初に1価金属を担持させた後に2価金属
を担持させると、イオン交換を効率的に行うことができ
る。
【0012】1価金属及び/又は2価金属の担持量は、
上式〔1〕で表される4価金属リン酸塩のイオン交換容
量内であれば、最大100%まで所望により自由に制御
することができるが、含硫黄系ガスや、低級脂肪酸等に
対して十分な消臭性を発揮させるためには、上記金属の
担持量を、イオン交換容量の25%(αリン酸ジルコニ
ウムの場合、1.6ミリグラム当量/g)以上、より好
ましくは50%(αリン酸ジルコニウムの場合、3.2
ミリグラム当量/g)以上とするのが良い。一方、水素
イオンを有する消臭剤ロは塩基性ガスに対する消臭性を
有しているので、含硫黄系ガスや低級脂肪酸等と共に塩
基性ガスを同時に消臭することを希望する場合、金属担
持量をイオン交換容量の100%未満の範囲で適宜調整
することもできる。
【0013】消臭剤イと消臭剤ロは、紫外線を照射する
ことにより悪臭ガス、特にアンモニアガス、脂肪族アミ
ンガス等の塩基性悪臭ガスに対する消臭能を再生する機
能を有している。即ち、消臭能がなくなるまで消臭剤を
一旦使用した後に、紫外線を照射して、消臭剤を再利用
したり、或いは紫外線の照射下で消臭を行うことによ
り、消臭剤の寿命を延長させることができる。紫外線照
射による消臭能の再生機能は、消臭剤ロよりも消臭剤イ
において強く発揮できる。これは、消臭剤イと消臭剤ロ
は光触媒機能を有しており、この光触媒機能を消臭剤イ
において消臭剤ロより強く発揮できるためと推定され
る。紫外線は太陽光や蛍光灯の光にも含まれているた
め、これらの光でも当然再生できる。
【0014】(消臭剤ハ)消臭剤ハは、ハイドロタルサ
イト化合物又はその焼成物、水和酸化ジルコニウム、及
び酸化ジルコニウムより選ばれる少なくとも1種であ
る。この消臭剤ハは、これらの化合物はホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類や酢酸、吉草
酸、酪酸等の低級脂肪酸に対して優れた消臭性を発揮す
るものである。
【0015】ハイドロタルサイト化合物は下記一般式
〔3〕で表わされるハイドロタルサイト構造を有する化
合物であり、最も好ましい化合物としてマグネシウム−
アルミニウムハイドロタルサイトがある。 M1 (1-x) 2 x (OH)2 n- (x/n) ・mH2 O 〔3〕 (M1 は2価の金属であり、M2 は3価の金属であり、
xは0より大きく0.5以下の数であり、An-は炭酸イ
オン、硫酸イオン等のn価の陰イオンであり、mは正数
である。)
【0016】ハイドロタルサイト焼成物は、ハイドロタ
ルサイト化合物を約500℃以上で焼成し、炭酸根や水
酸基が脱離することにより得られる化合物である。
【0017】水和酸化ジルコニウムは、結晶質及び非晶
質のいずれであっても良く、オキシ水酸化ジルコニウ
ム、水酸化ジルコニウム、含水酸化ジルコニウム及び酸
化ジルコニウム水和物と同義の化合物である。本発明に
おける水和酸化ジルコニウムは公知の化合物であり、特
にその製法は限定されない。好ましい製法として湿式法
があり、オキシ塩化ジルコニウム水溶液等のジルコニウ
ム含有水溶液を、水やアルカリ水溶液で加水分解するこ
とにより、容易に水和酸化ジルコニウムを得ることがで
きる。
【0018】酸化ジルコニウムは、結晶質及び非晶質の
いずれであっても良いが、高い消臭性を発揮させるには
非晶質が好ましい。本発明における酸化ジルコニウムと
しては、市販品をそのまま使用してもよく、又上記水和
酸化ジルコニウムを焼成した無水物を用いても良い。水
和酸化ジルコニウムを焼成して非晶質の酸化ジルコニウ
ムを得る際の好ましい焼成温度は150 ℃〜350 ℃であ
る。
【0019】上記の消臭剤イ、消臭剤ロ及び消臭剤ハの
中から2種以上を併用することにより、塩基性ガス、含
硫黄系ガス、アルデヒド類ガス及び低級脂肪酸ガス等の
種々のガスを同時に消臭することができる。2種以上の
消臭剤を併用する方法に制限はなく、1種の消臭剤を含
有する複数種の液状塗料組成物を調製し、これらを塗り
分けたり、2種以上の消臭剤を含有させた塗料を塗布す
ることができる。2種以上の消臭剤を併用する際の各消
臭剤の混合割合に特に制限はなく、消臭の対象とするガ
スの種類によって適宜混合比を調整すればよい。
【0020】本発明における消臭剤は、いずれも通常粉
体状で得られ、好ましい平均粒径は0.01〜20μm
であり、より好ましくは0.01〜10μであり、さら
に好ましくは0.01〜5μmである。平均粒径が0.
01μm未満では再凝集しやすく、取扱いが困難である
という問題があり好ましくない。また、20μmより大
きいと、塗料に均一に分散させにくい、塗料調製時又は
その後の保存時に沈降しやすい、塗膜表面の平滑性が損
なわれるといった問題があり好ましくない。
【0021】本発明における消臭剤イ、消臭剤ロ及び消
臭剤ハは、200〜300℃で加熱したり、紫外光に暴
露しても、構造及び組成が全く変化せず、又何等変色を
起こさず、安定である。従って、本発明の消臭性液状塗
料組成物は、その製造時、保存時、及び使用時におい
て、消臭剤の劣化を防止するための温度制御及び遮光等
の制約をうけることがない。
【0022】○塗料成分 塗料成分は、塗膜の主体となる塗膜主要素の他、可塑
剤、硬化剤、乳化剤、分散剤等の塗膜副要素並びに顔
料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、充填剤及び界
面活性剤等からなる。上記塗膜主要素に特に制限はな
く、粉体塗料用樹脂として用いることができるものであ
ればいずれであっても良い。樹脂の種類として、天然樹
脂、半合成樹脂及び合成樹脂のいずれであってもよく、
又熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであっても良
い。具体的な樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、セ
ルローズの酢酸及びプロピオン酸エステル、ポリプロピ
レン、ポリエステル、塩素化ポリエステル、ナイロン、
エポキシ及びアクリル等がある。
【0023】○消臭剤の配合割合 消臭剤の好ましい配合割合は、消臭性粉体塗料組成物1
00重量部(以下、単に部という)当たり0. 05〜5
0部であり、消臭効果及び経済性を考慮するとより好ま
しくは0.5〜10部である。
【0024】○粉体塗料組成物の製造方法 本発明の消臭性粉体塗料組成物は、上記消臭剤の1種以
上を粉体塗料用樹脂及びその他の所望成分を、用いる樹
脂の特性に合わせて適当な温度又は圧力で加熱及び加圧
又は減圧しながら混合、混入又は混練りの方法によって
容易に調製することができ、それらの具体的操作は常法
により行えば良い。又、本発明における消臭剤は充分な
耐熱性を有するため、加熱中に消臭剤の分解や消臭性の
劣化がなく、塗料組成物を極めて容易に調製することが
できる。
【0025】○塗装方法 本発明の消臭性粉体塗料組成物は、その消臭剤成分が化
学的および物理的に優れた安定性を有しているため、塗
装条件に特別な制限はなく、従来より知られている方法
はいずれも採用することができ、具体的には、以下の方
法がある。即ち、流動浸漬法、静電吹き付け法、静電流
浸法、静電カーテン塗装法、静電ディスク法及びインラ
イン静電流浸塗装法等である(1977年、株式会社総合塗
装技術センター発行、Dr.Emery P.Miller et.al 著、伊
藤孜等訳、「粉体塗装技術」)。
【0026】○適用対象 本発明の消臭性粉体塗料組成物は、消臭性を必要とする
種々の分野で利用することができ、適用対象の材質は、
金属製、セラミックス製又はプラスチックス製等の粉体
塗装が可能なものであれば制限はない。具体的な適用対
象の例としては、例えば一般家屋の浴室、台所、居室、
押入れ、醸造工場、食品工場、青果物貯蔵所、薬品倉
庫、製薬工場、化粧品工場、製紙工場、紡績工場、事務
所ビル、学校、病院、車両、船舶、洗濯機、冷蔵庫、皿
洗い機等の電気製品、食品加工装置等がある。以下、本
発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0027】
【実施例及び比較例】
(実施例1〜7及び比較例1〜2)本発明における特定
の消臭剤を所定の重量比で配合した各種の消臭剤[A]
〜[G](下記表1。表中における混合比は重量比であ
る。)、又は比較のための従来の消臭剤[a]、[b]
(下記表1、比較例1,2)を、ポリエステル樹脂パウ
ダー100重量部(以下、単に部と略す)に対して2.
0部となるように配合し、ヘンセルミキサーを用いて混
合することにより、消臭性粉体塗料組成物を得た。この
組成物を用いて、静電塗装法によりステンレス板(5cm
×10cm)の全面に厚さ約50μmの塗膜を形成し、消臭
性プレートを得た。尚、焼き付けは180℃で20分行
なった。また、比較として消臭剤を配合しない粉体塗料
組成物を調製し、これを塗布したプレートも作製した
(比較例3)。
【0028】
【表1】
【0029】*1)クラレ株式会社製商品名:クラレコ
ール3GCー H
【0030】(消臭性試験)実施例及び比較例で得た各
試料について、下記表2に示した5種の各ガスに対する
消臭性を以下のようにして評価した。即ち、試料をテド
ラーバッグ(1リットル)に入れ密封し、ついでガスを注入
し、ガスを注入し終えた時から24時間後に、テドラー
バッグ中のガス濃度を検知管(ガステック株式会社製)
又はガスクロマトグラフィー(島津製作所株式会社製)
により測定した。尚、テドラーバッグにガスを注入した
時のガス初期濃度は下記表2の通りである。但し、ガス
発生源が液体である場合、約2時間放置して完全にガス
化した後に試料をガスと接触させた。ガス濃度の測定方
法は、ガスの種類によって適宜選択し、硫黄系悪臭ガス
はガスクロマトグラフィーを用い、その他のガスについ
ては、検知管を用いた。尚、測定機器の制限から、100p
pmを越える高濃度の場合は、測定可能な濃度に適宜希釈
してガスクロマトグラフィーを行い、得られた測定値を
希釈倍率に従って原濃度に換算した。上記のようにして
得られた消臭性試験の結果を下記表3に示した(表中に
NDとあるのは検出限界以下であることを示す)。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】上記表3の結果から以下のことがわかる。
即ち、実施例1 の結果から、消臭剤イを含有する塗料組
成物はアンモニア等の塩基性ガスに対する消臭性が優れ
ていることがわかる。実施例2 〜4 の結果から、消臭剤
ロを含有する塗料組成物は、硫化水素、メチルメルカプ
タン等の含硫黄系ガスに対する消臭性が特に優れてお
り、アンモニア等の塩基性ガスに対しても優れた消臭性
を有していることがわかる。実施例5 の結果から、消臭
剤ハを含有させた塗料組成物は、アセトアルデヒド等の
アルデヒド類ガス及び酢酸等の低級脂肪酸ガスに対する
消臭性が優れていることがわかる。実施例6,7 の結果か
ら、消臭剤イ、消臭剤ロ及び消臭剤ハを含有する塗料組
成物は、塩基性ガス、含硫黄系ガス、アルデヒド類ガス
及び低級脂肪酸ガスの多様な悪臭ガスに対する消臭性が
特に優れていることがわかる。
【0034】実施例1で得た試料を多量のアンモニアガ
スを充填した容器中に放置して、一旦消臭性をなくした
後に、試料に殺菌灯で紫外線を8日間照射して、上記の
試験方法と同様にしてアンモニアガスに対する消臭性試
験を行った所、上記表3の実施例1と同様に優れた消臭
性を発揮した。
【0035】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、水に対して不溶
性又は難溶性であり、人体に対する安全性に優れた消臭
剤を含有するものであり、本発明の塗料組成物を塗布し
た塗膜は、優れた消臭性を有する。即ち、消臭剤イを含
有する塗料組成物は、塩基性ガスに対する消臭性に優
れ、消臭剤ロを含有する塗料組成物は、含硫黄系ガスや
低級脂肪酸ガスに対する消臭性に優れ、消臭剤ハを含有
する塗料組成物は、アルデヒド類ガスや低級脂肪酸ガス
に対する消臭性に優れる。又、消臭剤イと消臭剤ロは、
紫外線の照射により塩基性ガスに対する消臭性を再生さ
せることができる。従って、本発明の塗料組成物は、各
種住宅設備、交通機関等又は電気製品の内装外装等に塗
布することにより、これらの表面に消臭性塗膜を形成す
ることできる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔1〕で示される水に対して不
    溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩を含有することを特
    徴とする消臭性粉体塗料組成物。 Ha b c (PO4 d ・nH2 O 〔1〕 〔Mは4価金属であり、a、b、c及びdは式(a+4
    b=2c+3d)を満たす正数であり(但し、cは0で
    あっても良い)、nは0又は正数である。〕
  2. 【請求項2】下記一般式〔2〕で示される水に対して不
    溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩を含有することを特
    徴とする消臭性粉体塗料組成物。 Ha b c d e (PO4 f ・nH2 O 〔2〕 〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価
    金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であっ
    て、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数
    であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c
    +4d=2e+3f)を満たす。〕
  3. 【請求項3】ハイドロタルサイト化合物又はその焼成
    物、水和酸化ジルコニウム、及び酸化ジルコニウムより
    選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする消
    臭性粉体塗料組成物。
JP9100884A 1997-04-03 1997-04-03 消臭性粉体塗料組成物 Pending JPH10279837A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000191943A (ja) * 1998-10-19 2000-07-11 Nts:Kk 塗膜形成組成物及びその製造方法
JP2001302944A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Nts:Kk 塗膜形成組成物及びその製造方法並びにコーティング膜

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