JPH1045410A - 抗菌性銀ゼオライトとその製造方法およびそれを混入した抗菌性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌性銀ゼオライトとその製造方法およびそれを混入した抗菌性樹脂組成物

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JPH1045410A
JPH1045410A JP20371496A JP20371496A JPH1045410A JP H1045410 A JPH1045410 A JP H1045410A JP 20371496 A JP20371496 A JP 20371496A JP 20371496 A JP20371496 A JP 20371496A JP H1045410 A JPH1045410 A JP H1045410A
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antibacterial
silver
ions
resin
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Ryuichi Suzuki
鈴木龍一
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の高い銀イオン主体の抗菌性金属イオ
ンを担持した場合において、紫外線に対する変色防止、
樹脂の練り込み時の加熱に対する変色防止のいずれにも
優れた効果を示す抗菌性銀ゼオライトを提供する。 【解決手段】 銀イオン主体の抗菌性金属イオンを担持
させたゼオライトの表面に、フッ素樹脂の皮膜を形成し
た抗菌性銀ゼオライト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変色を防止した抗
菌性銀ゼオライトとその製造方法、さらにこの抗菌性銀
ゼオライトを混入した抗菌性樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンなどの
金属イオンが強い抗菌性を有することが知られている。
そこで、近年、これらの抗菌性金属イオンをゼオライト
に担持させることにより、安全かつ広範囲の用途に使用
できる抗菌性セラミックスとして、抗菌性ゼオライトが
開発された。
【0003】抗菌性ゼオライトは、例えば樹脂に混入し
抗菌性樹脂組成物の状態で使用される。しかし、この抗
菌性樹脂組成物は日光などの紫外線で経時的に変色し、
商品価値が低下する問題がある。これは抗菌性樹脂組成
物から徐々に滲み出た抗菌性金属が、紫外線を受けて変
色することが原因である。
【0004】この問題を解決するために、特開昭63−
265809号では抗菌性金属イオンと共にアンモニウ
ムイオンを担持させた抗菌性ゼオライトが提案されてい
る。アンモニウムイオンは抗菌性金属の溶出を抑制する
ことから、変色を防止する効果を持つ。
【0005】しかし、抗菌性金属イオンと共にアンモニ
ウムイオンを担持させた場合、抗菌性金属として銀イオ
ンのみを使用すると熱安定性に欠け、樹脂組成物へ練り
込みの際に受ける加熱によって変色する。これは、練り
込み時に樹脂側に移行しやすい銀イオンが、加熱による
熱エネルギーで金属銀に還元されたことが原因と思われ
る。例えばポリプロピレン樹脂の練り込み時の加熱温度
240℃で薄茶色に変色する。
【0006】また、特開昭62−7747号では、シリ
コーン系コーティング剤で抗菌性ゼオライトを被覆し、
樹脂の成形性を改善することが提案がされている。この
シリコーン系コーティング剤はでゼオライトの持つ吸湿
性を低減させることで銀イオンの溶出が防止され、紫外
線に対する変色防止にも効果がある。しかし、この場合
も練り込み時の変色防止には効果がない。
【0007】このため、抗菌性金属イオンとして銀イオ
ンと共に、亜鉛、銅、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミ
ウム、クロム、コバルト、ニッケル、タリウムなどの抗
菌性金属イオンを共存させ、抗菌性ゼオライトの熱安定
性を高めることで、樹脂の練り込み時の変色を防止して
いる。その結果、実用に供されている抗菌性ゼオライト
は、特に亜鉛、銅イオンを大量に担持している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】銀イオンは、例え誤飲
しても胃酸と反応して不溶化され、吸収されずにそのま
ま排出されることから、飲用水の殺菌にも使用されてい
るほどに安全性が極めて高い。これに対し、銀イオン以
外の金属イオンの毒性は無視できないものがあり、特に
食品関係の食器やトレーなどとしては安全衛生上好まし
くない。
【0009】本発明は、安全性の高い銀イオン主体の抗
菌性金属イオンを担持した場合において、紫外線に対す
る変色防止、樹脂の練り込み時の加熱に対する変色防止
のいずれにも優れた効果を示す抗菌性銀ゼオライトを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、銀イオン主体
の抗菌性金属イオンを担持させたゼオライトの表面に、
フッ素樹脂の皮膜を形成したものである。
【0011】この抗菌性銀ゼオライトは、フッ素樹脂に
よる皮膜の形成で吸湿能を調節することで、銀の遊離・
溶出を抑制する。しかも、フッ素樹脂の皮膜の存在で樹
脂に練り込んだ際に銀ゼオライトの個々の結晶性粒子の
凝集性が少なく均一に分散するので、銀コロイドの生成
量が少なく銀コロイドのサイズも小さくなって、銀の活
性が抑制されて熱安定性を高め、変色防止の効果を発揮
する。
【0012】本発明の抗菌性銀ゼオライトの好ましい製
造方法は、銀イオンを含む抗菌性金属イオンをイオン交
換反応で置換担持させたゼオライトを、分散剤溶液中で
水溶性のフッ素樹脂と共に混合し、前記ゼオライトの表
面にフッ素樹脂の皮膜を形成するものである。ここで使
用する分散剤は、ゼオライトを均一に分散せしめ、フッ
素樹脂の皮膜の形成を容易にする効果をもつ。
【0013】また、本発明による抗菌性銀ゼオライト
は、銀イオンを含む抗菌性金属イオンと共にアンモニウ
ムイオンを担持させてもよい。これにより、アンモニウ
ムイオンがもつ銀イオンの溶出防止作用が付与される結
果、変色防止がさらに効果的なものとなる。
【0014】銀イオンを含む抗菌性金属イオンと共にア
ンモニウムイオンを担持させたゼオライトにフッ素樹脂
の皮膜を形成する場合は、アンモニウム塩系の分散剤溶
液中で水溶性のフッ素樹脂と共に混合するのが好まし
い。これは、アンモニウム塩系の分散剤のアンモニウム
イオンが変色防止効果を発揮すると共にイオン交換の際
に使用するカチオンと同じであるので、他のカチオンが
付着する恐れがないからである。
【0015】そして、以上のようにして得られる本発明
による抗菌性銀ゼオライトは、銀イオン主体の抗菌性イ
オンを担持させたにもかかわらず、樹脂の練り込み時に
おける変色防止、抗菌性樹脂組成物としての使用におけ
る変色防止のいずれにも効果的である。したがって、銀
イオン主体の安全性と変色防止に優れた商品価値が高い
抗菌性樹脂組成物を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の抗菌性銀ゼオライ
トをその製造方法を詳細に説明する。
【0017】ゼオライトは、結晶性アルミノケイ酸塩
で、その組成式はx( M2 ,M')O・Al23 ・yS
iO2 ・zH2 O(M,M’はそれぞれ1価,2価の金
属、x,y,zは各成分モル比)で示される。また、そ
の構造はSiO4 四面体を母体とし、Siとその一部を
Alで置換した四面体が酸素原子を介して三次元網目構
造を作り、その結合の仕方により特有の空洞や細孔を形
成している。
【0018】ゼオライトは天然に多量に産出する。ま
た、合成によって天然には産しない種類も製造できる。
そのため、約150種以上にも及ぶ。代表的なゼオライ
トを挙げると、天然品はモルデナイト、チャバサイト、
フォージャサイトなどがあり、合成品はA型ゼオライ
ト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、P型ゼオライト
などがある。
【0019】また、ゼオライトは4価のSi4+を中心と
するSiO4 四面体と、3価のAl3+を中心とするAl
4 四面体とが結合しているために電気的に負の電荷を
帯びたている。これを中和するために当量の陽イオンが
結合し、ゆえに陽イオン交換機能を発揮する。
【0020】本発明では天然品、合成品のいずれでも使
用できるが、天然品は白色度に劣るので、合成品が好ま
しい。
【0021】ゼオライトの合成方法は周知であり、本発
明で使用するゼオライトの合成法についても特に限定さ
れるものではなく、例えば次の方法で行うことができ
る。
【0022】水酸化アルミニウムと水酸化ナトリウムと
からアルミン酸ナトリウムを調整し、これと珪酸ナトリ
ウムとを混合して、高アルカリ溶液中(pH9〜12)
で60℃以下で反応せしめた後、70〜110℃で1〜
3時間攪拌し、熟成させながら結晶化する水熱合成反応
によって行う。結晶化後は、常法に従ってろ過、水洗お
よび乾燥を行いナトリウム置換A型合成ゼオライトを得
る。
【0023】A型合成ゼオライトは、その製造が他のゼ
オライト種に比べて比較的容易である。したがって、本
発明は経済性などの面から、このA型合成ゼオライトの
使用が好ましい。
【0024】本発明は、このゼオライトに抗菌性金属イ
オンあるいは抗菌性金属イオンとアンモニウムイオンを
イオン交換反応にて置換担持させる。抗菌性金属イオン
は安全性の面から銀イオンを主体にする。また、十分な
抗菌性を得るために、ゼオライト中に占める抗菌性金属
の割合は、内掛けで0.1〜5重量%が好ましい。ま
た、アンモニウムイオンを併用する場合、ゼオライト中
に占めるアンモニウムの割合は、内掛けで1〜5重量%
が好ましい。
【0025】イオン交換反応は、上記のイオンを含有す
る混合水溶液中にゼオライトを接触させて、ゼオライト
中のイオン交換可能な金属イオンの一部または全部を、
銀イオンあるいはアンモニウムイオンとで置換する。接
触は、例えば40〜80℃で、6〜14時間攪拌するこ
とによって行う。
【0026】なお、ゼオライト固相中に抗菌力を低下さ
せる銀の酸化物の生成を防止するために、水溶液のpH
を中性に調整するのが好ましい。こうすることで、抗菌
力の効果が最適条件で発揮できる。
【0027】一般の合成ゼオライトの溶媒分散物は、強
いアルカリ性を示す。このために、酸性水性液を添加す
る。酸性水性液は、無機酸およびまたは有機酸の水性液
で、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、リン酸など
の無機酸および蟻酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石
酸などの有機酸を用いることができる。
【0028】混合水溶液中の上記イオンは、通常、塩と
して供給される。銀イオンの例としては、硝酸銀、硫酸
銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸塩、ジアン
ミン銀硫酸塩などである。また、アンモニウムイオンの
例としては、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢
酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、チオ硫酸アン
モニウム、リン酸アンモニウムなどを挙げることができ
る。
【0029】イオン交換反応が終了したら、常法に従っ
て、ろ過、水洗および乾燥を行い抗菌性銀ゼオライトを
得る。
【0030】次いで、分散剤を添加した水溶液中に、上
記抗菌性銀ゼオライトを懸濁させる。この懸濁液中に、
水溶性のフッ素樹脂を混入攪拌することで、銀ゼオライ
トの表面にフッ素樹脂を被覆する。攪拌条件は、室温以
上の加温下で例えば30分以上、好ましくは1時間以上
行って抗菌性銀ゼオライトの皮膜を形成する。
【0031】分散剤は、ゼオライトを均一に分散せしめ
るためでフッ素樹脂の皮膜の形成を容易にする。その具
体例としては、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸
マグネシウム、ポリアクリル酸カルシウムなどである。
【0032】また、アンモニウム塩系分散剤を使用する
場合は、ポリアクリル酸アンモニウム塩、アクリル酸ア
ンモニウム塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩およびカ
ルボン酸アンモニウム塩などがある。アンモニウム塩系
分散剤は、カチオンとして、アンモニウムイオンを使用
しているので変色防止効果と他の金属イオンとイオン交
換反応を防ぐことができる。
【0033】分散剤の添加量は、ゼオライトに対する外
掛けで0.2〜1重量%程度が適量である。0.2重量
%未満では、分散剤としての効果がない。また、1重量
%を越えてもその効果に差異はみられない。
【0034】フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)樹脂、フッ化エチレンポリプロピ
レンコポリマー(FEP)樹脂、テトラフルオロエチレ
ン・パーフロロアルキルビニルエーテルコポリマー(P
FA)樹脂、テトラフルオロエチレン・エチレンコポリ
マー(ETFE)樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)樹脂などがある。
【0035】フッ素樹脂の添加量は、ゼオライトに対し
て外掛けで0.01〜5重量%程度が適量である。0.
01重量%未満では、変色を防止することができず好ま
しくない。また、5重量%を越えるとフッ素樹脂皮膜で
抗菌性金属による抗菌力が低下する。
【0036】上記の銀ゼオライト、フッ素樹脂および分
散剤よりなるの懸濁液は、後は常法に従って、ろ過およ
び乾燥を行い、抗菌性銀ゼオライトを得る。
【0037】抗菌性銀ゼオライトの樹脂への練り込み量
は該ゼオライトの物性、樹脂の種類やその用途などによ
って、例えば樹脂100重量部に対して好ましくは0.
1〜10重量部の範囲で任意に定める。また、マスター
バッチとして構成される樹脂組成物にあたっては70重
量部まで配合することができる。0.1重量部未満で
は、樹脂組成物の抗菌作用が実質的に得ることができず
好ましくない。また、上限は多くの場合、経済的理由か
ら制限されている。
【0038】ここで使用される樹脂の種類としては、特
に制限はなく広範囲のものを用いることができる。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレンで代表されるポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩素化ポリオレフィンの如き塩素系樹脂、ポリアミ
ド、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエステル、ポリ
スチレン、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリビニー
ルアルコール、ポリカーボネート、アクリル樹脂、フッ
素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラ
ストマー、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、レーヨン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩素化
ポリエチレン、キュプラ、アセテート、トリアセテー
ト、ビニリデン、天然及び合成ゴムなどの熱可塑性樹
脂、または、熱硬化性樹脂などを挙げることができる。
なお、これらの樹脂は、共重合体または、グラフトポリ
マー、または2種以上の混合樹脂であってもよい。
【0039】本発明により得られる抗菌性樹脂組成物
は、抗菌性金属が銀イオン主体のために安全性が高く、
食器、食品(肉、魚、野菜など)を載せるためのトレ
ー、食品包装材としての使用が特に好ましいが、これら
に限るものではなく、一般細菌、真菌、黴、藻などの微
生物の発生・増殖防止を必要とするあらゆる分野で利用
可能である。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例とその比較例を示す。
【0041】合成ゼオライトは、以下のようにして製造
した。
【0042】水酸化アルミニウム1120gを濃度7.
5Nの水酸化ナトリウム水溶液13リットルに加え80
℃で加熱溶解し、次いでその水溶液の液温を50℃に下
げて、これに3号珪酸ナトリウム(SiO2 :28.9
wt%、Na2 O:9.6wt%)2800gと水9リ
ットルを攪拌しながら加えた。その後、水溶液の液温を
90℃に加熱昇温し、90分間攪拌して水熱合成反応を
行った。反応終了後、この水溶液をろ過・水洗した。最
後に120℃で加熱乾燥し、合成A型ゼオライト240
0gを得た。
【0043】この合成A型ゼオライトは、化学成分(重
量%)がSiO2 :40.49、Al23 :37.8
4、Na2 O:21.52、CaO:0.10、Fe2
3:0.03、K2 O:0.02で、鉱物組成がNa2
O・Al23 ・1.85SiO2 ・5.1H2 O、
平均粒子径が2.1μmであった。
【0044】比較例1 合成A型ゼオライト1000gを水2リットルに分散さ
せて懸濁液を作り、濃硝酸でpHを7に調整した。次い
で、この懸濁液に濃度0.15mol/lの硝酸銀水溶
液3リットル加え、液温を70℃に加熱して8時間攪拌
し、イオン交換反応を行った。反応終了後、液体を、ろ
過、水洗し、さらに、120℃で加熱乾燥した。最後
に、乾燥品を軽くほぐして、抗菌性銀ゼオライトを得
た。
【0045】比較例2 合成A型ゼオライト1000gを水2リットルに分散さ
せて懸濁液を作り、濃硝酸でpHを7に調整した。次い
で、この懸濁液に濃度0.15mol/lの硝酸銀水溶
液1.5リットルと濃度4.0mol/lの硝酸アンモ
ニウム水溶液1.5リットルを加えて、液温を70℃に
加熱し8時間攪拌してイオン交換反応を行った。反応終
了後、液体を、ろ過、水洗し、さらに、120℃で加熱
乾燥した。最後に、乾燥品を軽くほぐして、抗菌性銀ゼ
オライトを得た。
【0046】実施例1〜3 ポリアクリル酸ナトリウム塩(固形分45重量%)の分
散剤0.8%水溶液1リットルに、比較例1で得た銀イ
オン担持のゼオライト500gを分散懸濁した後、これ
にフッ素樹脂系コーティング剤(三井・デュポンフロロ
ケミカル社製、30−J、固形分65wt%)を添加
し、室温で1時間攪拌した。攪拌後、この水溶液を、ろ
過し、120℃で加熱乾燥して、フッ素樹脂の皮膜を形
成した抗菌性銀ゼオライトを得た。
【0047】実施例4〜6 ポリアクリル酸アンモニウム塩(固形分45重量%)の
分散剤0.8%水溶液1リットルに、比較例2で得た銀
イオン担持のゼオライト500gを分散懸濁した後、こ
れにフッ素樹脂系コーティング剤(三井・デュポンフロ
ロケミカル社製、30−J、固形分65wt%)を添加
し、室温で1時間攪拌した。攪拌後、この水溶液を、ろ
過し、120℃で加熱乾燥して、フッ素樹脂の皮膜を形
成した抗菌性銀ゼオライトを得た。
【0048】比較例3 比較例1で得た銀ゼオライトにシリコーン樹脂系コーテ
ィング剤をもって被覆した抗菌性銀ゼオライトを得た。
【0049】表1に各例とその試験結果を示す。
【0050】
【表1】
【0051】耐変色性試験;各例で得た抗菌性銀ゼオラ
イト粉末を250℃×2時間加熱し、変色度を次ぎの評
点で評価した。変色なし…◎、やや変色…○、変色…
△、激しく変色…×。
【0052】抗菌性試験;MIC(最小発育阻止濃度)
を測定した。試験菌株には、エシェリヒア・コリ〔Es
cherichia coli〕IFO−12734
(大腸菌)を、また、培地にはミュラー・ヒントン・ブ
ロース〔Mueller Hinton Broth〕
BBLを使用した。
【0053】以下は、メラミン樹脂100重量部に各例
で得られた抗菌性銀ゼオライトを外掛けで1重量部を配
合して練り込んだ抗菌性樹脂組成物としての試験であ
る。
【0054】変色性試験;上記抗菌性樹脂組成物を17
0℃で加熱成形した成形体について、変色度を評価し
た。変色なし…◎、やや変色…○、変色…△、激しく変
色…×。
【0055】耐候性試験;紫外線による影響を計るため
に、上記抗菌性樹脂組成物成形体を直射日光が当たる屋
外に1ヶ月暴露し、変色度を同様に評価した。変色なし
…◎、やや変色…○、変色…△、激しく変色…×。
【0056】抗菌性試験;樹脂組成物成形体の抗菌力
を、滴下法(ドロップ法)により評価試験した。すなわ
ち、樹脂組成物成形体の表面に試験菌液を滴下し、25
℃で保存する。次いで、その樹脂組成物成形体上の菌液
中の生菌数を経時的(ここでは、0,6及び12時間
後)に測定した。試験菌株には、エシェリヒア・コリ
〔Escherichia coli〕IFO−127
34(大腸菌)を、また、培地には、ミュラー・ヒント
ン・ツー〔Mueller Hinton 2〕BBL
を使用した。
【0057】本発明実施例より得られた抗菌性銀ゼオラ
イトおよびそれを練り込んだ樹脂組成物は、いずれも耐
変色性および抗菌性ともに良好な値を示した。また、本
発明実施例のうち、実施例4〜6は特に耐変色性に優れ
ていた。これに対し比較例1,3いずれも変色が激し
い。また、比較例3は抗菌性にも劣る。比較例2は、抗
菌性銀ゼオライトの段階では変色が少ないが、樹脂組成
物としては変色した。
【0058】
【発明の効果】以上の実施例の結果が示すように、本発
明により得られる抗菌性銀ゼオライトは良好な抗菌性を
示すと共に、樹脂混入時の加熱あるいは経時的使用のい
ずれにおいても優れた変色防止効果を発揮する。しか
も、抗菌性金属イオンとして毒性のない銀イオンを主体
にしたことで安全性が高く、これを混入した抗菌性樹脂
組成物は、食器、トレー、食品包装材など幅広く応用す
ることができる。
【0059】その製造においては、水溶性のフッ素樹脂
を分散剤溶液中で混合することで銀ゼオライト粒子の凝
集が防止され、均一なフッ素樹脂皮膜を形成し、本発明
により得られる銀ゼオライトの抗菌効果がより一層発揮
される。また、前記の分散剤として特にアンモニウム塩
系の分散剤を使用した場合は、変色防止の効果がさらに
向上する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀イオン主体の抗菌性金属イオンを担持
    させたゼオライトの表面に、フッ素樹脂の皮膜を形成し
    た抗菌性銀ゼオライト。
  2. 【請求項2】 銀イオン主体の抗菌性金属イオンをイオ
    ン交換反応で置換担持させたゼオライトを、分散剤溶液
    中で水溶性のフッ素樹脂と共に混合し、前記ゼオライト
    の表面にフッ素樹脂の皮膜を形成する抗菌性銀ゼオライ
    トの製造方法。
  3. 【請求項3】 銀イオン主体の抗菌性金属イオンとアン
    モニウムイオンを担持させたゼオライトの表面に、フッ
    素樹脂の皮膜を形成した抗菌性銀ゼオライト。
  4. 【請求項4】 銀イオン主体の抗菌性金属イオンとアン
    モニウムイオンをイオン交換反応で置換担持させたゼオ
    ライトを、アンモニウム塩系の分散剤溶液中で、水溶性
    のフッ素樹脂と共に混合し、前記ゼオライトの表面にフ
    ッ素樹脂の皮膜を形成する抗菌性銀ゼオライトの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1または3の抗菌性銀ゼオライト
    を混入した抗菌性樹脂組成物。
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