JPH06239713A - 抗菌性ゼオライト及びその製造法 - Google Patents

抗菌性ゼオライト及びその製造法

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JPH06239713A
JPH06239713A JP4875593A JP4875593A JPH06239713A JP H06239713 A JPH06239713 A JP H06239713A JP 4875593 A JP4875593 A JP 4875593A JP 4875593 A JP4875593 A JP 4875593A JP H06239713 A JPH06239713 A JP H06239713A
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zeolite
antibacterial
aluminum
antimicrobial
aluminum hydroxide
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Takeo Tanimoto
健夫 谷本
Kazuhiko Nakajima
和彦 中島
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌性金属を担持する抗菌性ゼオライトの抗
菌力の向上 【構成】 抗菌性金属を担持するゼオライトにその水性
懸濁物中で水酸化アルミニウムを沈着させ、加熱乾燥す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性金属を担持する
抗菌性ゼオライトの抗菌性を改善する方法、及び得られ
た抗菌性ゼオライトに関する。
【0002】
【従来の技術】銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等が抗
菌性を有することは古くより知られており、例えば銀イ
オンは硝酸銀の溶液の形態で消毒剤や抗菌剤として広く
利用されてきた。しかしながら溶液状では取扱いの点で
不便があり、また用途の点でも限定される欠点がある。
こうした欠点を取り除くために、金属イオンをゼオライ
ト等の固体に保持させた製品が開発されてきた。例えば
フランス国特許出願第1061158号には、銅、亜
鉛、銀等で飽和されたゼオライトを20〜30重量%含
む船舶用塗料が記載されている。また、日本国特公昭6
3−54013号、特開昭63−260810号及び特
開昭63−270764号には、抗菌性のさらに改善さ
れたゼオライト組成物が記載されている。後者のゼオラ
イト組成物は、150m2 /g以上の比表面積と14以
下のSiO2 /Al2 3 モル比を有するゼオライト固
体粒子、及び該ゼオライトのイオン交換容量の約90%
以下の量にてゼオライトにイオン交換によって担持され
た抗菌性金属イオンより主として成り、ポリマー、繊維
等に混入して使用することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は抗菌性のさら
に改善されたゼオライト及びその製造法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の抗菌
性ゼオライトの表面に水酸化アルミニウムを沈着させ、
所望により更に加熱乾燥することによって、抗菌性が著
しく改善されることを見い出した。
【0005】すなわち、本発明は改善された抗菌性を有
する抗菌性ゼオライトの製造法において、抗菌性金属を
担持するゼオライトにその水性懸濁物中で水酸化アルミ
ニウムを沈着させることを特徴とする方法である。ある
いは、水酸化アルミニウムの沈着を先に行い、次に抗菌
性金属の担持を行う方法である。
【0006】上記に従い水酸化アルミニウムを沈着され
たゼオライトは好ましくは、更に加熱乾燥される。水酸
化アルミニウムは加熱によって容易に水を失って、酸化
アルミニウムとなり、ゼオライト表面に付着する。好ま
しくは、全重量に対して0.5〜30重量%、特に2〜
25重量%の酸化アルミニウム(又は対応する量の水酸
化アルミニウム)がゼオライト表面に存在する。
【0007】本発明に従う製品抗菌性ゼオライトにおい
ては、表面に酸化アルミニウム(又は水酸化アルミニウ
ム)の被覆があるにも拘らず、抗菌性が却って著しく向
上することは意外である。その理由は明瞭でないが、下
記の通りと推測される。すなわち、たとえば平衡水分率
22重量%の従来の抗菌性ゼオライトを本発明方法によ
って処理すると、平衡水分率は28%(分母は出発のゼ
オライト)へと大きくなった。酸化アルミニウムの被覆
を備えることによって、抗菌性ゼオライトの表面におけ
る水が増加し、従って、抗菌作用のために有効に働く抗
菌性金属のイオンの量が増大する又は抗菌作用が働きや
すくなるものと考えられる。
【0008】抗菌性金属を担持するゼオライト自体は公
知であり、ゼオライトへの抗菌性金属のイオン交換によ
って作ることができる。抗菌性金属としては、銀、銅、
亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、
コバルト、ニッケル、またはこれらの2種以上の組合せ
が挙げられる。好ましくは、銀、銅、亜鉛、またはこれ
らの組合せが用いられ、特に銀単独又は銀と銅又は亜鉛
の組合せが抗菌性に優れている。抗菌性ゼオライトを作
る方法は、たとえば特公昭63−54013号及び特公
平3−80814号に記載されている。
【0009】ゼオライトは一般に三次元的に発達した骨
格構造を有するアルミノシリケートであって、一般には
Al2 3 を基準にしてxM2/n O・Al2 3 ・yS
iO2 ・zH2 Oで表わされる。Mはイオン交換可能な
金属イオンを表わし、通常は1価〜2価の金属であり、
nはこの原子価に対応する。一方x及びyはそれぞれ金
属酸化物、シリカの係数、zは結晶水の数を表わしてい
る。ゼオライトは、その組成比及び細孔径、比表面積な
どの異なる多くの種類のものが知られている。
【0010】本発明で使用するゼオライト素材としては
天然または合成品の何れのゼオライトも使用可能であ
る。例えば天然のゼオライトとしてはアナルシン、チャ
バサイト、クリノプチロライト、エリオナイト、フォジ
ャサイト、モルデナイト、フィリップサイト等が挙げら
れる。合成ゼオライトの典型的なものとしてはA型ゼオ
ライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、モルデナイ
ト等が挙げられるが、これらの合成ゼオライトは本発明
のゼオライト素材として好適である。特に好ましいもの
は、合成のA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオ
ライト、及び合成又は天然のモルデナイトである。
【0011】ゼオライトの形状は粉末粒子状が好まし
く、粒子径は用途に応じて適宜選べばよい。厚みのある
成形体、例えば各種容器、パイプ、粒状体あるいは太デ
ニールの繊維等に本発明の殺菌性ゼオライトを混入して
使用する場合には粒子径は数ミクロン〜数10ミクロン
あるいは数100ミクロン以上でよく、一方細デニール
の繊維やフィルムに成形する場合は粒子径が小さい方が
好ましく、例えば衣料用繊維の場合は5ミクロン以下、
特に2ミクロン以下であることが望ましい。
【0012】金属はゼオライト固体粒子にイオン交換反
応により担持されていることが好ましい。イオン交換に
よらず単に金属化合物を吸着あるいは付着した場合に
は、最終製品の抗菌効果の持続性が不十分となるおそれ
がある。ゼオライト固体粒子のイオン交換容量未満、特
にその約90%以下の量の金属イオンでイオン交換する
のが好ましい。飽和以上にイオン交換したものでは、抗
菌効果及びその持続性の劣ることがある。
【0013】金属イオンを保持させる方法として各種の
ゼオライトをAg‐ゼオライトに転換する場合を例にと
り説明する。通常Ag‐ゼオライト転換に際しては硝酸
銀のような水溶性銀塩の溶液が使用されるが、これの濃
度及びpHに十分留意するのが好ましい。例えばA‐型又
はX‐型ゼオライト(ナトリウム‐型)をイオン交換反
応を利用して銀イオンを担持させる際、銀イオン濃度が
大であると(例えば1〜2M AgNO3 使用時は)イ
オン交換により銀イオンが固相のナトリウムイオンと置
換すると同時にゼオライト固相中に銀の酸化物等として
沈殿析出することがある。銀酸化物が析出すると抗菌力
は低下することが知られている。かかる沈澱の生成を防
止するために、銀溶液の濃度を希釈状態例えば0.3M
以下に保つか、又はイオン交換時に酸を添加して、溶液
のpHを酸性側に調節するのが好ましい。かかる濃度の硝
酸銀溶液を使用するか又は溶液のpHを酸性側に保つと、
抗菌力の効果が最適条件で発揮できる。しかし、本発明
は、この実施態様に限定されない。
【0014】同様にゼオライトをCu‐ゼオライトに転
換する場合にも、イオン交換に使用する銅塩の濃度及び
溶液のpHによっては、前述のAg‐ゼオライトと同様
な現象が起る。かかる沈着物のゼオライト相への析出を
防止するために、使用する水溶性銅液の濃度をより希釈
状態、例えば0.05M以下に保つか、またはpHを酸
性側に保つことが好ましい。かかる濃度の又はpHが酸
性側の硫酸銅溶液の使用には、抗菌効果が最適な状態で
発揮できる利点がある。
【0015】Zn‐ゼオライトへの転換に際しては、使
用する塩類が2〜3Mの付近では、ゼオライト上への沈
着物の生成はみられない。通常本発明で使用するZn‐
ゼオライトは上記濃度付近の塩類を使用することにより
容易に得られる。しかし、この場合でも、溶液のpHを
酸性側に調整することが好ましい。
【0016】上述のイオン交換反応をバッチ法で実施す
る際には、上述の濃度、又は酸性側のpHを有する塩類溶
液を用いてゼオライト素材を浸漬処理すればよい。ゼオ
ライト素材中への金属含有量を高めるためにはバッチ処
理の回数を増大すればよい。一方、上述の濃度、pHを有
する塩類溶液を用いてカラム法によりゼオライト素材を
処理する場合には、吸着塔にゼオライト素材を充填し、
これに塩類溶液を通過させれば容易に目的とする金属‐
ゼオライトが得られる。
【0017】上記の金属‐ゼオライト(無水ゼオライト
基準)中に占める金属の量は、銀については好ましくは
20重量%以下であり、特に0.001〜5重量%であ
る。銅及び亜鉛については、金属‐ゼオライト(無水ゼ
オライト基準)中に占める銅又は亜鉛の量は好ましくは
25重量%以下特に0.01〜15重量%である。銀、
銅、亜鉛及び他の金属イオンを併用することも出来る。
この場合、金属イオンの合計量は金属イオンの構成比に
より左右されるが、好ましくは金属‐ゼオライト(無水
ゼオライト基準)に対し25重量%以下、特に0.00
1〜15重量%程度である。
【0018】また、抗菌性金属以外の金属イオン、例え
ばナトリウム、カリウム、カルシウムあるいは他の金属
イオンが共存していても殺菌効果をさまたげることはな
いので、これらのイオンの残存又は共存は何らさしつか
えない。
【0019】イオン交換の後にゼオライトを通常、液か
ら分離し、洗浄する。分離は瀘過、デカンテーション等
任意の方法で行うことができる。洗浄処理法は任意であ
り、例えば少量の蒸留水により洗浄しても良い。洗浄後
のゼオライトに任意的に乾燥処理を施しても良い。乾燥
条件は常圧又は減圧下100〜500℃の温度で行うの
が好ましい。特に好ましい乾燥条件は減圧下100〜3
50℃である。乾燥を行わずに、次の工程に移してもよ
い。
【0020】抗菌性金属を担持させられたゼオライト
(以下では簡単のために抗菌性ゼオライトと言う)は、
次に水性分散媒、好ましくは水に懸濁された状態で、水
酸化アルミニウムを沈着される。水酸化アルミニウムは
水に不溶であり、しかし、pH4以下又はpH9.5以
上の酸性又はアルカリ性水には可溶である。従って、ア
ルミニウム塩の水溶液(強い酸性を示す)を用意し、抗
菌性ゼオライトの存在下で該水溶液のpHを4.5〜
8、好ましくは5.5〜7.0に調節する。すると、析
出してくる水酸化アルミニウムは、抗菌性ゼオライト上
に沈着する。好ましい態様においては、先ず抗菌性ゼオ
ライトを水に懸濁する。撹拌等の操作の容易さのために
5〜500g/lの濃度が好ましい。一般のゼオライト
(及び従って抗菌性ゼオライト)は、水に懸濁すると強
アルカリ性を示すので、かかる場合には酸を加えて、分
散液のpHを6〜7に調節しておくことが好ましい。少
量の有機溶媒、界面活性剤を加えることができる。次に
撹拌下に、アルミニウム塩の水溶液を加え、同時並行的
にアルカリ化合物水溶液を加えて懸濁液のpHを4.5
〜8、好ましくは5.5〜7.0の範囲に保持する。
【0021】アルミニウム塩としては、たとえば塩化ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、リ
ン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫
酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸ア
ルミニウムナトリウムなどを包含する各種無機アルミニ
ウム塩を用いることができる。あるいは、ギ酸アルミニ
ウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムエトキド、アル
ミニウムイソプロポキシド、乳酸アルミニウム、ラウリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウなどの有機
アルミニウム塩を用いることもできる。また、金属アル
ミニウム又は水酸化アルミニウムを塩酸、硝酸、硫酸で
溶解したものを用いることができる。
【0022】懸濁液のpHを調節するためのアルカリ化
合物としては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウムなどを用いることができ
るが、これらに限られない。
【0023】あるいは、水酸化アルミニウムをアルカリ
水溶液に溶解したものをアルミニウム源として用い、懸
濁液のpH調節のために無機又は有機の酸を用いること
もできる。
【0024】用いるアルミニウムの量は好ましくは、酸
化アルミニウムとして計算して、製品抗菌性ゼオライト
全重量に対して0.5〜30重量%、特に2〜25重量
%である。
【0025】水酸化アルミニウムの沈着は常温で行うこ
とができるが、好ましくは40℃以上、特に60〜80
℃に加熱することにより、特に良い結果が得られる。
【0026】本発明方法のより詳しい実施態様の一例を
述べる。抗菌性ゼオライトの水懸濁物(600g/13
00ml)を調製し、撹拌下に希硫酸を用いてpHを約
6に調節しながら60℃に昇温する。次に、硫酸アルミ
ニウム14〜18水和物10%水溶液1300g(Al
2 3 として製品抗菌性ゼオライトに対し3.5重量
%)及び水酸化ナトリウム10%水溶液を少量ずつ同時
に加え、pHを6.0±0.3の範囲を出ないようにす
る。30分間で添加を終了し、引き続き60℃、pH
6.0で1時間保持して熟成する。次に、濾過又はデカ
ンテーションによりゼオライトを液から分離する。ゼオ
ライト表面に沈着した水酸化アルミニウムは、この段階
では強固に付着していないので、強い洗浄は避けるのが
好ましい。次に、常圧又は減圧下あるいは不活性雰囲気
で100〜500℃、好ましくは減圧下で100〜40
0℃で乾燥する。水酸化アルミニウムは、300℃以上
で乾燥すると容易に水を失って酸化アルミニウムにな
り、強くゼオライト表面に固着するので、この温度以上
で乾燥することが好ましい。
【0027】上記とは逆の順で、先に水酸化アルミニウ
ムを沈着させ、任意的な乾燥工程の後に、抗菌性金属を
担持させることによっても、本発明の目的を達成するこ
とができる。
【0028】本発明方法に従い処理された抗菌性ゼオラ
イトは、該処理を施されなかった抗菌性ゼオライトに比
べて、格段に優れた抗菌性を示す。本発明に従う抗菌性
ゼオライトは、他の種々の金属イオンを含有する液体や
水中で使用すると、抗菌力が長期間持続される。このた
め、防藻等の用途、及び水系塗料への添加剤としての使
用に最適である。
【0029】本発明の抗菌性ゼオライト組成物は、抗菌
性の樹脂成形品(繊維を含め)、ペイントやコーティン
グ剤、タイル用目地剤、セメント構造物あるいは洗剤用
ビルダー等に広く応用できる。
【0030】また、本発明の抗菌性ゼオライト組成物は
ゼオライト本来の機能をも合わせ持っているので、抗菌
性とゼオライト本来の機能とを合わせて利用することが
可能である。例えばゼオライトの本来の機能である吸
湿、吸着効果と抗菌効果の複合効果を利用することがで
きる。
【0031】さらには他の機能性物質を併存させて、上
記効果と他の機能との複合機能を発揮せしめることも可
能である。他の機能性物質としては活性炭、シリカゲル
などがある。活性炭の場合は脱臭、吸着効果が、シリカ
ゲルの場合は吸湿効果が増強される。
【0032】次に、実施例により本発明をさらに説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0033】
【実施例1】A型ゼオライト(粒径2μ)600gを蒸
留水1300mlに分散させ、2N硝酸200mlを加
えた。この分散物に、硝酸銀24g(銀イオンの量はゼ
オライトに対して2.5重量g)を200mlの蒸留水
に溶かした溶液を徐々に添加した。更に2N硝酸を加え
て分散液のpHを5前後に調節しながら500rpmの
撹拌速度にて60℃、20時間撹拌した。次にブッフナ
ー濾過装置を用いて固液分離し、2N硝酸100mlを
蒸留水5000mlに加えたものを濾過装置上から注加
して、ゼオライトを洗浄した。以上により、銀イオンを
担持した抗菌性ゼオライトを得た。
【0034】該抗菌性ゼオライトを再び蒸留水1300
mlに500rpmの撹拌下で分散させ、2N硝酸を添
加して分散液のpHを5.5前後に保持しながら60℃
に昇温した。この温度で20重量%硫酸アルミニウム水
溶液(Al2 (SO4 3 ・16H2 Oとして計算)1
250ml及び10重量%の水酸化ナトリウム水溶液を
略同時に徐々に且つpH5.5〜6.0に保ちながら3
0分間かけて添加した。水酸化ナトリウム水溶液は約3
90ml要した。添加終了後更に60℃で1時間撹拌を
続けた。ブッフナー濾過装置により固液分離し、130
0mlの蒸留水を少しずつ注意深く注いで洗浄し、14
0℃で3時間乾燥し、塊を砕いた。なお、濾液にアルミ
ニウムはほとんど含まれていず、略すべてのアルミニウ
ムがゼオライト上に沈着した。
【0035】かくして得た本発明に従う抗菌性ゼオライ
トの抗菌性を評価した。抗菌性の評価は、菌に対する最
少阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentratio
n:MIC)を測定することによって行った。結果を表
1に示す。
【0036】
【比較例1】実施例1の前半で得た銀イオン担持の抗菌
性ゼオライトを140℃で3時間乾燥し、塊を砕いた。
抗菌性評価の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 表 1(MIC、ppm) 試料 大腸菌 クロカビ 実施例1 62 250 比較例1 250 500
【0038】
【実施例2】抗菌性金属を担持するゼオライトとして、
バクテキラーBM‐102B(商標、鐘紡株式会社)を
用いた。これは、平均粒径2μのA型ゼオライトに、銀
3.5重量%及び亜鉛6.0重量%をイオン交換により
担持させたものである。バクテキラーBM‐102B
200gをイオン交換水400mlに分散させた(pH
は9.7となった)。続いて500rpmの撹拌下で
0.5N硝酸水溶液を徐々に添加して分散スラリーのp
Hをほぼ6.0に調整しながら、温度を60℃に上げ
た。
【0039】次に、硝酸アルミニウム(Al(NO3
3 ・9H2 O)147gを200mlのイオン交換水に
溶解させた溶液を徐々に30分にわたって添加すると同
時に、スラリーのpHを6.0±0.5に保持する様に
5%水酸化アンモニウム溶液を約300ml添加した。
添加終了後温度を80℃に上昇させ、2時間保持した。
【0040】次いでブッフナー濾過し、400mlの水
で徐々に注意深く洗浄し、140℃で5時間乾燥した。
なお、濾液にアルミニウムはほとんど含まれていなかっ
た。該製品の抗菌性の評価結果を表2に示す。
【0041】比較例2として本発明の処理を施さなかっ
たバクテキラーBM‐102Bの抗菌性を評価し、結果
を表2に示す。
【0042】
【表2】 表 2(MIC、ppm) 試料 大腸菌 緑膿菌 ブドウ状球菌 実施例2 31 62 125 比較例2 125 125 250
【0043】
【発明の効果】本発明に従い、抗菌性金属を担持する抗
菌性ゼオライトの抗菌性が著しく高められた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改善された抗菌性を有する抗菌性ゼオラ
    イトの製造法において、抗菌性金属を担持するゼオライ
    トにその水性懸濁物中で水酸化アルミニウムを沈着させ
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 改善された抗菌性を有する抗菌性ゼオラ
    イトの製造法において、ゼオライトの水性懸濁物中でゼ
    オライトに水酸化アルミニウムを沈着させること、及び
    続いて該ゼオライトに抗菌性金属を担持させることを特
    徴とする方法。
  3. 【請求項3】抗菌性金属を担持するゼオライトの懸濁物
    中に、溶解したアルミニウム塩を含め、該懸濁物のpH
    を4.5〜8とすることにより水酸化アルミニウムを沈
    着させる請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 水酸化アルミニウムを沈着されたゼオラ
    イトを次に加熱乾燥する請求項1〜3のいずれか一つの
    方法。
  5. 【請求項5】 抗菌性金属を担持する抗菌性ゼオライト
    において、ゼオライト表面に酸化アルミニウムが付着し
    ていることを特徴とする抗菌性ゼオライト。
  6. 【請求項6】 酸化アルミニウムの量が全体に対して
    0.5〜30重量%である請求項4の抗菌性ゼオライ
    ト。
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