JP2783426B2 - 金属製容器 - Google Patents

金属製容器

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属製容器に関する。さらに詳しくは、本発
明はその外表面に抗菌性を有する金属製容器に関する。
[従来の技術] 従来より、金属製容器は、たとえば缶詰、飲料用缶、
エアゾール缶、化粧品用のアルミチューブなどの種々の
用途に用いられているが、このような容器内に食物など
を保存する缶詰や飲料用缶などの容器内には細菌やカビ
などが繁殖しないことが望ましい。
しかしながら、食物などを長時間容器内に保存したと
きでも、細菌やカビなどの繁殖を防ぐことができる金属
製容器は未だえられていないのが現状である。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明者らは、前記従来技術に鑑みて鋭意研究
を重ねた結果、その外表面に抗菌性ゼオライトを含有し
た被膜を設けたばあいには、意外なことに食物などを長
時間容器内に保存したときでも細菌やカビなどの繁殖を
防ぐことができることを初めて見出し、本発明を完成す
るにいたった。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は抗菌剤として抗菌性ゼオライトを
含有した被膜をその外表面に設けており、かつ、前記被
膜が抗菌性ゼオライト粒子を10000μm2あたり1〜11000
個含有してなる金属製容器に関する。
[作用および実施例] 本発明の金属製容器は、抗菌剤として抗菌性ゼオライ
トが含有された被膜をその外表面に設けたものである。
前記被膜が設けられる金属製容器としては、本発明に
おいてはその種類および大きさにはとくに限定はなく、
たとえばブリキ製缶、アルミニウム製缶などの通常用い
られている金属製容器などを使用しうる。
前記抗菌性ゼオライトは、人体に対する安全性がきわ
めて高く、長時間にわたり種々の細菌やカビに対してす
ぐれた抗菌効果を呈し、しかも約550℃まで安定である
という耐熱性をも有するものである。前記抗菌性ゼオラ
イトは、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部
または全部を抗菌性金属イオンでイオン交換したもので
ある。
前記ゼオライト中のイオン交換可能なイオンとして
は、たとえばナトリウムイオン、カルシウムイオン、カ
リウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオンなどがあ
げられる。
前記抗菌性金属イオンの具体例としては、たとえば
銀、銅や亜鉛などの金属のイオンがあげられる。また、
本発明に用いられる抗菌性ゼオライト中のイオン交換可
能なイオンの一部は、アンモニウムイオンでイオン交換
されているものであってもよい。アンモニウムイオンを
含む抗菌性ゼオライトを含有する被膜は、経時的に変色
することが少ないのでとくに好ましいものである。
抗菌性金属イオンとして銀イオンを用いたばあい、抗
菌性ゼオライト中の銀イオンの含有率は0.1〜15%(重
量%、以下同様)、なかんづく0.1〜5%とすることが
好ましい。また、抗菌性金属イオンとして銅イオンまた
は亜鉛イオンを用いたばあい、抗菌性ゼオライト中の銅
イオンまたは亜鉛イオンの含有率は0.1〜8%とするこ
とが好ましい。前記抗菌性金属イオンの含有率が、前記
範囲よりも小さいばあいには、抗菌力が小さくなりすぎ
る傾向があり、また前記範囲をこえるばあいでも、抗菌
効果は変わらないが経済的に不利となる傾向がある。
また、抗菌性ゼオライト中にアンモニウムイオンを含
有させるばあいには、抗菌性ゼオライト中のアンモニウ
ムイオンの含有率は0.5〜5%、好ましくは0.5〜2%と
することが、抗菌性ゼオライトが変色するのを有効に防
止するという点から適切である。
本発明において抗菌性ゼオライトに用いられるゼオラ
イトとしては、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトの
いずれを用いることもできる。
前記ゼオライトは、一般に三次元骨格構造を有するア
ルミノシリケートであり、一般式: XM2/nO・Al2O3・YSiO2・ZH2O (式中、Mはイオン交換可能なイオンを示し、通常は1
価または2価の金属イオン、nは金属イオンの原子価、
XおよびYはそれぞれ金属酸化物、シリカのモル比率を
示し、Zは結晶水の数を示す)で表わされる化合物であ
る。かかるゼオライトの具体例としては、たとえばA型
ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライトなどの合
成ゼオライト;モルデナイト、クリノプチロライト、チ
ャバザイト、エリオナイトなどの天然ゼオライトがあげ
られる。
これらの例示したゼオライトのイオン交換容量は、A
型ゼオライトが7ミリ当量/g、X型ゼオライトが6.4ミ
リ当量/g、Y型ゼオライトが5ミリ当量/g、モルデナイ
トが2.6ミリ当量/g、クリノプチロライトが2.6ミリ当量
/g、チャバザイトが5ミリ当量/g、エリオナイトが3.8
ミリ当量/gであり、いずれもアンモニウムイオンおよび
抗菌性金属イオンでイオン交換するのに充分な容量を有
している。
天然ゼオライトとしては、その粒子径が通常100〜250
メッシュの比較的細かいものを使用するのが、被膜への
分散性がよいことから望ましい。
また、合成ゼオライトが用いられるばあいは、平均粒
径が0.5〜10μm、好ましくは2〜3μmであり、最大
粒径が10μm以下、好ましくは6μm以下のものである
ことが、たとえばスプレーなどに含有させたときの噴霧
状態が良好であることから望ましい。
本発明に用いられる抗菌性ゼオライトの製造法の一例
を以下に説明する。
抗菌性金属イオンを含む塩類の水溶液などをあらかじ
め調整し、これを用いて抗菌性金属イオン(銀イオン、
銅イオン、亜鉛イオン)および必要によりアンモニウム
イオンを含有させた混合水溶液にゼオライトを接触させ
てゼオライト中のイオン交換可能なイオンと前記抗菌性
金属イオンとを置換させる。接触の際の条件は、温度は
10〜70℃、好ましくは40〜60℃、時間は3〜24時間、好
ましくは10〜24時間、方法はバッチ式または連続式(た
とえばカラム法など)である。なお、前記混合水溶液の
pHは、銀酸化物などがゼオライト表面または細孔内へ析
出するのを防止するために3〜10、好ましくは5〜7に
調整される。また、前記混合水溶液中の各イオンは、通
常いずれも塩のかたちで供給される。銀イオンはたとえ
ば硝酸銀、硫酸銀など、銅イオンはたとえば硝酸銅(I
I)、硫酸銅など、亜鉛イオンはたとえば硝酸亜鉛(I
I)、硫酸亜鉛など、アンモニウムイオンはたとえば硝
酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム
などの塩のかたちでそれぞれ供給される。
前記ゼオライト中の抗菌性金属イオンやアンモニウム
イオンの含有率は、前記混合水溶液中の各イオン(塩)
濃度を調節することによって適宜制御することができ
る。たとえばゼオライトに銀イオンおよびアンモニウム
イオンを含有させるばあいには、前記混合水溶液中のア
ンモニウムイオン濃度を0.85〜3.1mol/、銀イオン濃
度を0.002〜0.15mol/とすることによって目的とする
アンモニウムイオンの含有率が0.5〜5%、銀イオンの
含有率が0.1〜5%であるゼオライトをうることができ
る。また、ゼオライトに銅イオンおよび亜鉛イオンを含
有させるばあいには、前記混合水溶液中の銅イオン濃度
は0.1〜0.85mol/、亜鉛イオン濃度は0.15〜1.2mol/
とすることによって、銅イオン含有率が0.1〜8%、亜
鉛イオン含有率が0.1〜8%であるゼオライトをうるこ
とができる。
本発明においては、前記のごとき混合水溶液以外にも
各抗菌性金属のイオンを単独で含有する水溶液を用い、
各水溶液とゼオライトを逐次接触させることによってイ
オン交換することもできる。各水溶液中の各イオンの濃
度は、前記混合水溶液中の各イオン濃度に準じて定める
ことができる。
イオン交換が終了したゼオライトを、水または温水で
充分に洗浄したのち乾燥することによって抗菌性ゼオラ
イトがえられる。かかる乾燥は、常圧にて105〜115℃、
または減圧(1〜30torr)下で70〜90℃で行なうことが
好ましい。
前記抗菌性ゼオライトを塗料などに含有させるには、
たとえばプロペラ撹拌器、ポットミルなどを用いて5〜
30℃で、5〜20分間混合する方法をとることができる
が、そのなかでも抗菌性ゼオライトの凝集を防止し、し
かも塗料への分散性を向上することができるという理由
でポットミルを用いて20℃にて約20分間混合する方法が
好ましい。
本発明において、前記抗菌性ゼオライトが含有される
被膜の種類にはとくに限定はないが、その具体例をあげ
れば、たとえばエポキシ樹脂系塗料、ビニル樹脂系塗
料、油性塗料、ラッカー、ワニス、アルキル樹脂系塗
料、アミノアルキド樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、
ウレタン樹脂系塗料、水系塗料、粉体系塗料、塩化ゴム
系塗料、フェノール系塗料、ポリアミドイミド樹脂系塗
料、シリコーン樹脂系塗料などの塗料を用いて形成され
た被膜があげられる。
抗菌性ゼオライトが含有された被膜を金属製容器の外
表面に設ける方法についてはとくに限定はなく、その一
例としては、たとえばロールコーター法、スプレー法な
どの通常の塗布方法などがあげられる。
本発明の金属製容器の外表面に設けられる被膜中の抗
菌性ゼオライトの含有率は、金属製容器の用途や、容器
の表面にもともと存在している細菌の数などにより要求
される抗菌性が異なるため一概に決定することはできな
いが、通常0.5〜50%、好ましくは1.0〜30%であること
が望ましく、とくに耐熱性がある金属製容器をえようと
すれば1.0〜5.0%であることがさらに望ましい。
かかる含有率が0.5%未満のばあい、金属製容器の外
表面に充分な抗菌性が付与されにくくなる傾向があり、
また50%をこえるばあい、塗料に含有させるばあいの分
散性がわるくなる傾向がある。
また、被膜の100μm×100μmあたりに分散している
抗菌性ゼオライト粒子の個数(以下、分散個数という)
は、1〜11000個、好ましくは12〜9500個に調整される
ことが望ましく、とくに耐熱性がある金属製容器をえよ
うとするばあいには12〜2100個であることがさらに望ま
しい。かかる分散個数が前記範囲未満のばあい、抗菌性
が付与されず、また前記範囲をこえるばあい抗菌性は向
上するが、経済的に不利になる傾向がある。
なお、前記被膜の厚さは、乾燥後において通常0.5〜3
00μm、なかんづく5〜10μmとなるように調整される
のが好ましい。かかる被膜の厚さは0.5μm未満である
ばあい、金属製容器の内容物の保護が充分でなくなる傾
向があり、また、300μmをこえるばあい、抗菌性ゼオ
ライトが塗膜内に完全に埋もれた部分が多くなり、目的
とする抗菌性がえられなくなる傾向がある。
かくしてえられる本発明の金属製容器は、その外表面
に設けられた被膜により長期間持続する抗菌性を有し、
しかも耐熱性にすぐれたものである。
つぎに本発明にかかわる金属製容器を実施例に基づい
てさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。
参考例(抗菌性ゼオライトの製造) 110℃で加熱乾燥したA型ゼオライト(Na2O・Al2O3:
1.9SiO2・XH2O(X=3〜5)、平均粒径1.5μm)粉末
1kgに水を加えて1.3のスラリーとし、撹拌して脱気
し、さらに適量の0.5N硝酸溶液と水とを加えてpHを5〜
7に調整し、全容量が1.8のスラリーとした。つぎ
に、イオン交換のため、NH4NO31.5mol/、AgNO30.10mo
l/、Zn(NO320.35mol/の混合水溶液3を調整
し、前記スラリー液に加え、このスラリー液を40〜60℃
で10〜24時間撹拌しつつイオン交換可能なナトリウムイ
オン、抗菌性金属イオンおよびアンモニウムイオンとの
平衡状態で保持した。イオン交換終了後、ゼオライト相
を濾過し、温水でゼオライト相中の過剰の銀イオンおよ
び亜鉛イオンがなくなるまで水洗した。つぎに、えられ
たゼオライトを110℃で通風式乾燥器にて加熱乾燥し、
抗菌性ゼオライトをえた。
かかる抗菌性ゼオライトの物性を測定したところ、以
下のような結果がえられた。
銀イオンの含有率:2.53% 亜鉛イオンの含有率:13.78% 強熱減量:5.5% 平均粒径:2.30μm pH:9.33(1%懸濁液) 真比重:2.168[−] 嵩比重:0.31[−] 実施例1〜16ならびに比較例1および2 エポキシ/フェノール樹脂塗料に参考例でえられた抗
菌性ゼオライト(商品名:ゼオミックAJ10D、(株)シ
ナネンニューセラミック製)をそれぞれ第1表に示す含
有率となるように含有させ、かかる塗料をプロペラ撹拌
器を用いて20℃で20分間混合し、抗菌性ゼオライト含有
塗料を作製した。この塗料を内表面が清浄されたアルミ
チューブ(直径:25.4cm、厚さ0.15mm)の内表面にエア
スプレー法で塗布し、ついで焼付け(温度:270℃、時
間:6分間)を施し、第1表に示す膜厚の被膜を形成させ
た。
被膜が形成されたアルミチューブについて被膜表面
を、走査式電子顕微鏡にて、1000倍の写真を撮影し、10
0μm×100μm当たりのゼオライトの分散個数をそれぞ
れ測定し、被膜のゼオライト含有率との関係を調べた。
その結果を膜厚が2.5〜5.0μmのものと膜厚が5.0〜10
μmのものについて第1図に示す。また、下記の方法に
したがって抗菌性試験、折り曲げテスト、クロスカット
テストおよびアセトン・アンモニア煮沸テストを行なっ
た。それらの結果を第1表に示す。なお、実施例1〜12
ならびに比較例1および2での抗菌性試験において被膜
の抗菌性ゼオライト含有率と大腸菌数との関係を第2図
に、被膜の抗菌性ゼオライト含有率と一般細菌数との関
係を第3図にそれぞれ示す。また、実施例1〜8ならび
に比較例1および2での抗菌性試験において、分散個数
と大腸菌数との関係を第4図に、分散個数と一般細菌数
との関係を第5図にそれぞれ示す。
(抗菌性試験) 被膜が形成されたアルミチューブを50×50mmにカット
したものを試験片とした。該試験片を紫外線で滅菌した
のち、大腸菌液(104〜106個/ml)1mlを表面に噴霧し、
37℃で24時間菌類を培養した。培養後、試験片の表面を
滅菌済生理食塩水100mlにて洗い流した。この生理食塩
水中に存在する大腸菌数および一般細菌数を、該生理食
塩水を10倍または100倍に希釈し、そのなかの1mlを寒天
培地にて37℃で48時間培養したのちのコロニーをカウン
トすることによって測定し、以下の判定基準に基づいて
抗菌性効果を評価した。
(判定基準) ◎:初期の菌数と比べて2桁以上菌数が減少してい
る。
○:初期の菌数と比べて1桁以上菌数が減少してい
る。
×:初期の菌数と比べて菌数の減少は1桁未満であ
る。
(折り曲げテスト) 被膜が形成されたアルミチューブを切り開いて板状に
して、180゜の折り曲げを1回行ない、折り曲げ部の塗
膜のクラック発生状態および剥離状態を調べ、以下の判
定基準に基づいて加工性を評価した。
(判定基準) ○:折り曲げ部の塗膜に異常が認められない。
×:折り曲げ部の塗膜に、クラックや剥離が認められ
た。
(クロスカットテスト) 被膜に、カッターナイフで、直交する縦横11本ずつの
平行線を1mmの間隔で切りこんで傷をつけ、その上か
ら、市販のセロハンテープをていねいに貼り付けたの
ち、テープを一気にはがし、以下の判定基準に基づいて
密着性を評価した。
(判定基準) ○:切り傷の交点と、正方形の一目一目にはがれが認
められない。
×:切り傷の交点と、正方形の一目一目に、少しでも
はがれが生じている。
(アセトン・アンモニア煮沸テスト) 工業用25%アンモニア水が、8%(体積基準)となる
ようにアセトン溶剤に混合した液へ、アルミチューブ片
(5cm×5cm)を入れ、30分間還流冷却しながら煮沸した
ときの塗膜を以下の判定基準に基づいて評価した。
(判定基準) ○:塗膜に異常が認められない。
×:塗膜にフクレや、剥離が発生した。
なお、参考のため、抗菌性ゼオライトを含有させなか
ったこと以外は上記と同様にして形成された被膜につい
ても上記と同様にして抗菌性試験、折り曲げテスト、ク
ロスカットテストおよびアセトン・アンモニア煮沸テス
トを対照実験として行なった。それらの結果を第1表に
示す。なお、抗菌性試験の結果は第2〜5図にも示す。
第1図より、被膜中のゼオライトの含有率が大きくな
ると分散個数が大きくなることから、ゼオライトの塗膜
への分散性がよいことがわかる。
第1表から明らかなように、抗菌性ゼオライトが含有
された被膜が設けられた実施例1〜14のアルミチューブ
は、抗菌性ゼオライトを含有していない被膜が設けられ
たものならびに比較例1および2でえられたものと比べ
てその内表面にすぐれた抗菌性を呈することがわかる。
また、折り曲げテストの結果より、塗装後に加工しう
る抗菌性を有する金属製容器をえようとすれば、被膜中
の抗菌性ゼオライトの含有率は0.5%以上、40%未満で
あることが好ましいことがわかる。
さらに、クロスカットテストの結果より、充分な密着
性のある抗菌性を有する金属製容器をえようとすれば、
被膜中の抗菌性ゼオライトの含有率は0.5%以上、50%
未満であることが好ましいことがわかる。
さらに、第1表のアセトン・アンモニア煮沸テストの
結果から、耐熱性を有する抗菌性のある金属製容器をえ
ようとすれば、被膜中の抗菌性ゼオライトの含有率は0.
5〜5.0%、分散個数は20〜100個であることが好ましい
ことがわかる。
実施例15および16 実施例1で用いたものと同じエポキシ/フェノール樹
脂塗料に実施例1で用いたものと同じ抗菌性ゼオライト
をそれぞれ0.11%(実施例15)0.22%(実施例16)含有
させ、これをポットミルにて室温で約20分間混合し、抗
菌性ゼオライト含有塗料を作製した。この塗料を電子顕
微鏡で観察した結果、抗菌性ゼオライトの分散性は良好
であった。
つぎに、この塗料を用いて実施例1と同様の方法でア
ルミチューブの内表面に被膜(厚さ:9.0〜11.0μm(実
施例15)、7.7〜9.3μm(実施例16))を形成させた。
形成された被膜について、実施例1と同様にして抗菌
性試験を行なった。その結果を第2表に示す。
第2表に示された結果より、内表面に抗菌性ゼオライ
トを含有する被膜が設けられた本発明にかかわる金属製
容器は、その内表面がすぐれた抗菌性を呈するものであ
ることがわかる。
[発明の効果] 本発明の金属製容器は、その外表面に人体に安全であ
る抗菌剤による抗菌性を有し、その外表面に長期間細菌
やカビなどが繁殖するのを防ぐという効果を呈するもの
である。したがって、本発明の金属製容器は、抗菌性が
要求されるたとえば缶詰、飲料用缶、エアゾール缶、化
粧品用のアルミチューブなどとして好適に使用しうるも
のである。
さらに、本発明の金属製容器は、その外表面が耐熱性
にすぐれていることにより、耐熱性容器として種々の用
途にも使用しうるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の各実施例および各比較例でえられた
金属製容器の被膜のゼオライト含有率と分散個数の関係
を示すグラフ、第2図は実施例1〜12、各比較例および
対照実験でえられた金属製容器の被膜のゼオライト含有
率と抗菌性試験後の被膜表面に存在する大腸菌数との関
係を示すグラフ、第3図は実施例1〜12、各比較例およ
び対照実験でえられた金属製容器の被膜におけるゼオラ
イト含有率と抗菌性試験後の被膜表面に存在する一般細
菌数との関係を示すグラフ、第4図は実施例1〜8、各
比較例および対照実験でえられた金属製容器の被膜にお
ける分散個数と抗菌性試験後の被膜表面に存在する大腸
菌数との関係を示すグラフ、第5図は実施例1〜8、各
比較例および対照実験でえられた金属製容器の被膜にお
ける分散個数と抗菌性試験後の被膜表面に存在する一般
細菌数との関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 宇津木 賢久 大阪府大阪市淀川区加島1丁目52番49号 武内プレス工業株式会社大阪工場内 (72)発明者 赤根 正一朗 大阪府大阪市淀川区加島1丁目52番49号 武内プレス工業株式会社大阪工場内 (56)参考文献 実開 平2−87732(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 81/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗菌剤として抗菌性ゼオライトを含有した
    被膜をその外表面に設けており、かつ、前記被膜が抗菌
    性ゼオライト粒子を10000μm2あたりに1〜11000個含有
    してなる金属製容器。
  2. 【請求項2】被膜が抗菌性ゼオライトを0.5〜50重量%
    含有したものである請求項1記載の金属製容器。
  3. 【請求項3】抗菌性ゼオライトが平均粒径0.5〜10μm
    の合成ゼオライトである請求項1記載の金属製容器。
  4. 【請求項4】被膜の膜厚が0.5〜300μmである請求項1
    記載の金属製容器。
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