JP2838237B2 - ラミネートチューブ容器 - Google Patents
ラミネートチューブ容器Info
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- JP2838237B2 JP2838237B2 JP3033076A JP3307691A JP2838237B2 JP 2838237 B2 JP2838237 B2 JP 2838237B2 JP 3033076 A JP3033076 A JP 3033076A JP 3307691 A JP3307691 A JP 3307691A JP 2838237 B2 JP2838237 B2 JP 2838237B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラミネートチューブ容器
に関する。さらに詳しくは、その内表面および(また
は)外表面が抗菌性を有するラミネートチューブ容器に
関する。
に関する。さらに詳しくは、その内表面および(また
は)外表面が抗菌性を有するラミネートチューブ容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりチューブ容器は、たとえば化粧
品用、医薬品用、食品用などの種々の用途に用いられて
いるが、そのようなチューブ容器内にとくに食物などを
保存するばあい、チューブ容器内では細菌やカビなどが
繁殖しないことが望ましい。
品用、医薬品用、食品用などの種々の用途に用いられて
いるが、そのようなチューブ容器内にとくに食物などを
保存するばあい、チューブ容器内では細菌やカビなどが
繁殖しないことが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食物などを
長時間チューブ容器内に保存したときでも、細菌やカビ
などの繁殖を防ぐことができるラミネートチューブ容器
を提供することを目的としている。
長時間チューブ容器内に保存したときでも、細菌やカビ
などの繁殖を防ぐことができるラミネートチューブ容器
を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、その内表面および
外表面のうち少なくとも一方に抗菌性ゼオライトを 100
00μm2 あたりに1〜11,000個含有した被膜層を設けた
ばあいには、意外なことに食物などを長時間容器内に保
存したときでも細菌やカビなどの繁殖を経済的に防ぐこ
とができることを初めて見出し、本発明を完成するに至
った。
技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、その内表面および
外表面のうち少なくとも一方に抗菌性ゼオライトを 100
00μm2 あたりに1〜11,000個含有した被膜層を設けた
ばあいには、意外なことに食物などを長時間容器内に保
存したときでも細菌やカビなどの繁殖を経済的に防ぐこ
とができることを初めて見出し、本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明はアルミ箔のバリア層6
を有し、抗菌剤として抗菌性ゼオライトを含有した被膜
層5をその内表面2および外表面3のうち少なくとも一
方に設けてなるラミネートチューブ容器に関する。
を有し、抗菌剤として抗菌性ゼオライトを含有した被膜
層5をその内表面2および外表面3のうち少なくとも一
方に設けてなるラミネートチューブ容器に関する。
【0006】
【作用】抗菌性ゼオライトを含有する被膜層は、その表
面に付着する細菌の繁殖を抑制し、内容物または使用者
が口をつけない部分などを清潔に維持する。
面に付着する細菌の繁殖を抑制し、内容物または使用者
が口をつけない部分などを清潔に維持する。
【0007】また抗菌性ゼオライトは人体に何ら影響が
なく、ラミネートチューブ容器から内容物を押し出すな
どの使用状態にも影響しない。
なく、ラミネートチューブ容器から内容物を押し出すな
どの使用状態にも影響しない。
【0008】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明のラミネー
トチューブ容器を説明する。
トチューブ容器を説明する。
【0009】図1は本発明のラミネートチューブ容器の
一実施例を示す一部切欠側面図、図2は図1の容器のa
部拡大断面図、図3は本発明のラミネートチューブ容器
の他の実施例を示す要部拡大断面図である。
一実施例を示す一部切欠側面図、図2は図1の容器のa
部拡大断面図、図3は本発明のラミネートチューブ容器
の他の実施例を示す要部拡大断面図である。
【0010】図1のラミネートチューブ容器1は容器を
構成するラミネートシート4の内表面2および外表面3
にそれぞれ抗菌性ゼオライトを含有した被膜層5を設け
たものである。
構成するラミネートシート4の内表面2および外表面3
にそれぞれ抗菌性ゼオライトを含有した被膜層5を設け
たものである。
【0011】なお図1の容器1において内表面2または
外表面3のいずれか一方にのみ被膜層5を設けてもよ
く、チューブ容器が使用される状態に応じて適宜変える
ことができる。
外表面3のいずれか一方にのみ被膜層5を設けてもよ
く、チューブ容器が使用される状態に応じて適宜変える
ことができる。
【0012】図1のラミネートシート4は、図2に示す
ようにアルミ箔6の内外面に合成樹脂層7、8を設けた
ものである。アルミ箔6はガスバリア性を有し、外側の
合成樹脂層8が表面の美麗さ、印刷性を向上させ、内側
の合成樹脂層7が内容物を保護する。
ようにアルミ箔6の内外面に合成樹脂層7、8を設けた
ものである。アルミ箔6はガスバリア性を有し、外側の
合成樹脂層8が表面の美麗さ、印刷性を向上させ、内側
の合成樹脂層7が内容物を保護する。
【0013】図3に示すラミネートチューブ容器では、
ラミネートシート4の内表面2に、抗菌性ゼオライト粒
子を含有する被膜層5と、その裏面にあらかじめラミネ
ートされた合成樹脂製の下地層5aとからなる抗菌シー
ト9を積層したものである。
ラミネートシート4の内表面2に、抗菌性ゼオライト粒
子を含有する被膜層5と、その裏面にあらかじめラミネ
ートされた合成樹脂製の下地層5aとからなる抗菌シー
ト9を積層したものである。
【0014】被膜層5は後述するように合成樹脂に抗菌
性ゼオライト粒子を混入したものであり、下地層5aは
被膜層5と同じ合成樹脂から形成したシートである。
性ゼオライト粒子を混入したものであり、下地層5aは
被膜層5と同じ合成樹脂から形成したシートである。
【0015】このように被膜層5にのみゼオライト粒子
を混入することにより、ゼオライト粒子を表面にのみ偏
在させて、経済的に、かつ有効な抗菌作用をうることが
できる。さらに「被膜層5+下地層5a」を1枚の抗菌
シート9とすることができるので、取り扱いが容易にな
るのである。
を混入することにより、ゼオライト粒子を表面にのみ偏
在させて、経済的に、かつ有効な抗菌作用をうることが
できる。さらに「被膜層5+下地層5a」を1枚の抗菌
シート9とすることができるので、取り扱いが容易にな
るのである。
【0016】前記ラミネートシート4においては、アル
ミ箔6の外表面に接着剤層10を介して外側の合成樹脂層
8が設けられ、内表面には接着剤層10および紙11を介し
て内側の合成樹脂層7が設けられている。
ミ箔6の外表面に接着剤層10を介して外側の合成樹脂層
8が設けられ、内表面には接着剤層10および紙11を介し
て内側の合成樹脂層7が設けられている。
【0017】前記抗菌性ゼオライトは、人体に対する安
全性がきわめて高く、長時間にわたり種々の細菌やカビ
に対してすぐれた抗菌効果を呈し、しかも約 550℃まで
安定であるという耐熱性をも有するものである。前記抗
菌性ゼオライトは、ゼオライト中のイオン交換可能なイ
オンの一部または全部を抗菌性金属イオンでイオン交換
したものである。
全性がきわめて高く、長時間にわたり種々の細菌やカビ
に対してすぐれた抗菌効果を呈し、しかも約 550℃まで
安定であるという耐熱性をも有するものである。前記抗
菌性ゼオライトは、ゼオライト中のイオン交換可能なイ
オンの一部または全部を抗菌性金属イオンでイオン交換
したものである。
【0018】前記ゼオライト中のイオン交換可能なイオ
ンとしては、たとえばナトリウムイオン、カルシウムイ
オン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン
などがあげられる。
ンとしては、たとえばナトリウムイオン、カルシウムイ
オン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン
などがあげられる。
【0019】前記抗菌性金属イオンの具体例としては、
たとえば銀、銅や亜鉛などの金属のイオンがあげられ
る。また、本発明に用いられる抗菌性ゼオライト中のイ
オン交換可能なイオンの一部は、アンモニウムイオンで
イオン交換されているものであってもよい。アンモニウ
ムイオンを含む抗菌性ゼオライトを含有する被膜層5
は、経時的に変色することが少ないのでとくに好ましい
ものである。
たとえば銀、銅や亜鉛などの金属のイオンがあげられ
る。また、本発明に用いられる抗菌性ゼオライト中のイ
オン交換可能なイオンの一部は、アンモニウムイオンで
イオン交換されているものであってもよい。アンモニウ
ムイオンを含む抗菌性ゼオライトを含有する被膜層5
は、経時的に変色することが少ないのでとくに好ましい
ものである。
【0020】抗菌性金属イオンとして銀イオンを用いる
ばあい、抗菌性ゼオライト中の銀イオンの含有率は 0.1
〜15%(重量%、以下同様)、なかんづく 0.1〜5%と
することが好ましい。また、抗菌性金属イオンとして銅
イオンまたは亜鉛イオンを用いるばあい、抗菌性ゼオラ
イト中の銅イオンまたは亜鉛イオンの含有率は 0.1〜8
%とすることが好ましい。前記抗菌性金属イオンの含有
率が前記範囲よりも小さいばあいには、抗菌力が小さく
なりすぎる傾向があり、また前記範囲を超えるばあい
は、抗菌効果は変わらないが経済的に不利になる傾向が
ある。
ばあい、抗菌性ゼオライト中の銀イオンの含有率は 0.1
〜15%(重量%、以下同様)、なかんづく 0.1〜5%と
することが好ましい。また、抗菌性金属イオンとして銅
イオンまたは亜鉛イオンを用いるばあい、抗菌性ゼオラ
イト中の銅イオンまたは亜鉛イオンの含有率は 0.1〜8
%とすることが好ましい。前記抗菌性金属イオンの含有
率が前記範囲よりも小さいばあいには、抗菌力が小さく
なりすぎる傾向があり、また前記範囲を超えるばあい
は、抗菌効果は変わらないが経済的に不利になる傾向が
ある。
【0021】また、抗菌性ゼオライト中にアンモニウム
イオンを含有させるばあいには、抗菌性ゼオライト中の
アンモニウムイオンの含有率は 0.5〜5%、好ましくは
0.5〜2%とすることが、抗菌性ゼオライトが変色する
のを有効に防止するという点から適切である。
イオンを含有させるばあいには、抗菌性ゼオライト中の
アンモニウムイオンの含有率は 0.5〜5%、好ましくは
0.5〜2%とすることが、抗菌性ゼオライトが変色する
のを有効に防止するという点から適切である。
【0022】本発明において抗菌性ゼオライトに用いら
れるゼオライトとしては、天然ゼオライトおよび合成ゼ
オライトのいずれも用いることができる。
れるゼオライトとしては、天然ゼオライトおよび合成ゼ
オライトのいずれも用いることができる。
【0023】前記ゼオライトは、一般に三次元骨格構造
を有するアルミノシリケートであり、一般式: XM2 /nO・Al2 O3 ・YSiO2・ZH2 O (式中、M はイオン交換可能なイオンを示し、通常は1
価または2価の金属イオン、n は金属イオンの原子価、
X およびY はそれぞれ金属酸化物、シリカのモル比率を
示し、Z は結晶水の数を示す)で表わされる化合物であ
る。かかるゼオライトの具体例としては、たとえばA型
ゼオライト、X 型ゼオライト、Y 型ゼオライトなどの合
成ゼオライト;モルデナイト、クリノプチロライト、チ
ャバサイト、エリオナイトなどの天然ゼオライトがあげ
られる。
を有するアルミノシリケートであり、一般式: XM2 /nO・Al2 O3 ・YSiO2・ZH2 O (式中、M はイオン交換可能なイオンを示し、通常は1
価または2価の金属イオン、n は金属イオンの原子価、
X およびY はそれぞれ金属酸化物、シリカのモル比率を
示し、Z は結晶水の数を示す)で表わされる化合物であ
る。かかるゼオライトの具体例としては、たとえばA型
ゼオライト、X 型ゼオライト、Y 型ゼオライトなどの合
成ゼオライト;モルデナイト、クリノプチロライト、チ
ャバサイト、エリオナイトなどの天然ゼオライトがあげ
られる。
【0024】これらの例示したゼオライトの SiO2 /Al
2 O3 モル比およびイオン交換容量は、A 型ゼオライト
がモル比 2.0、7ミリ当量/g、X 型ゼオライトがモル比
2.5、 6.4ミリ当量/g、Y 型ゼオライトがモル比 4.0、
5ミリ当量/g、モルデナイトがモル比10.0、 2.6ミリ当
量/g、クリノプチロライトがモル比10.0、 2.6ミリ当量
/g、チャバサイトがモル比 4.0、5ミリ当量/g、エリオ
ナイトがモル比 6.0、3.8ミリ当量/gであり、抗菌性金
属イオンでイオン交換するのに充分な容量を有してい
る。このうち被膜層を形成する樹脂との分散性が良く、
イオン交換反応のしやすい SiO2 /Al2 O3 モル比が
4.5以下のA 型ゼオライト、X 型ゼオライト、Y 型ゼオ
ライト、チャバサイトが好ましいが、これらに限定され
るものでない。
2 O3 モル比およびイオン交換容量は、A 型ゼオライト
がモル比 2.0、7ミリ当量/g、X 型ゼオライトがモル比
2.5、 6.4ミリ当量/g、Y 型ゼオライトがモル比 4.0、
5ミリ当量/g、モルデナイトがモル比10.0、 2.6ミリ当
量/g、クリノプチロライトがモル比10.0、 2.6ミリ当量
/g、チャバサイトがモル比 4.0、5ミリ当量/g、エリオ
ナイトがモル比 6.0、3.8ミリ当量/gであり、抗菌性金
属イオンでイオン交換するのに充分な容量を有してい
る。このうち被膜層を形成する樹脂との分散性が良く、
イオン交換反応のしやすい SiO2 /Al2 O3 モル比が
4.5以下のA 型ゼオライト、X 型ゼオライト、Y 型ゼオ
ライト、チャバサイトが好ましいが、これらに限定され
るものでない。
【0025】ゼオライトとしては、平均粒径が 0.5〜10
μm、好ましくは2〜3μmであり、最大粒径が25μm
以下、好ましくは10μm以下のものであることが、たと
えばスプレーなどに含有させたときの噴霧状態が良好で
あることから望ましい。
μm、好ましくは2〜3μmであり、最大粒径が25μm
以下、好ましくは10μm以下のものであることが、たと
えばスプレーなどに含有させたときの噴霧状態が良好で
あることから望ましい。
【0026】つぎに、本発明に用いられる抗菌性ゼオラ
イトの製法の一例を説明する。
イトの製法の一例を説明する。
【0027】抗菌性金属イオンを含む塩類の水溶液など
を予め調整し、これを用いて抗菌性金属イオン(銀イオ
ン、銅イオン、亜鉛イオン)および必要によりアンモニ
ウムイオンを含有させた混合水溶液にゼオライトを接触
させてゼオライト中のイオン交換可能なイオンと前記抗
菌性金属イオンとを置換させる。接触の際の条件は、温
度は10〜70℃、好ましくは40〜60℃、時間は3〜24時
間、好ましくは10〜24時間、方法はバッチ式または連続
式(たとえばカラム法など)である。なお、前記混合水
溶液のpHは、銀酸化物などがゼオライト表面または細孔
内へ析出するのを防止するために3〜10、好ましくは5
〜7に調整される。また、前記混合水溶液中の各イオン
は、通常いずれも塩のかたちで供給される。銀イオンは
たとえば硝酸銀、硫酸銀など、銅イオンはたとえば硝酸
銅(II)、硫酸銅など、亜鉛イオンはたとえば硝酸亜鉛(I
I)、硫酸亜鉛など、アンモニウムイオンはたとえば硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウムな
どの塩のかたちでそれぞれ供給される。
を予め調整し、これを用いて抗菌性金属イオン(銀イオ
ン、銅イオン、亜鉛イオン)および必要によりアンモニ
ウムイオンを含有させた混合水溶液にゼオライトを接触
させてゼオライト中のイオン交換可能なイオンと前記抗
菌性金属イオンとを置換させる。接触の際の条件は、温
度は10〜70℃、好ましくは40〜60℃、時間は3〜24時
間、好ましくは10〜24時間、方法はバッチ式または連続
式(たとえばカラム法など)である。なお、前記混合水
溶液のpHは、銀酸化物などがゼオライト表面または細孔
内へ析出するのを防止するために3〜10、好ましくは5
〜7に調整される。また、前記混合水溶液中の各イオン
は、通常いずれも塩のかたちで供給される。銀イオンは
たとえば硝酸銀、硫酸銀など、銅イオンはたとえば硝酸
銅(II)、硫酸銅など、亜鉛イオンはたとえば硝酸亜鉛(I
I)、硫酸亜鉛など、アンモニウムイオンはたとえば硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウムな
どの塩のかたちでそれぞれ供給される。
【0028】前記ゼオライト中の抗菌性金属イオンやア
ンモニウムイオンの含有率は、前記混合水溶液中の各イ
オン(塩)濃度を調節することによって適宜制御するこ
とができる。たとえばゼオライトに銀イオンおよびアン
モニウムイオンを含有させるばあいには、前記混合水溶
液中のアンモニウムイオン濃度を 0.85 〜 3.1mol/L、
銀イオン濃度を 0.002〜 0.15 mol/L とすることによっ
て目的とするアンモニウムイオンの含有率が 0.5〜5
%、銀イオンの含有率が 0.1〜5%であるゼオライトを
うることができる。また、ゼオライトに銅イオンおよび
亜鉛イオンを含有させるばあいには、前記混合水溶液中
の銅イオン濃度は 0.1〜 0.85 mol/L 、亜鉛イオン濃度
は 0.15 〜 1.2mol/L とすることによって、銅イオン含
有率が 0.1〜8%、亜鉛イオン含有率が 0.1〜8%であ
るゼオライトをうることができる。
ンモニウムイオンの含有率は、前記混合水溶液中の各イ
オン(塩)濃度を調節することによって適宜制御するこ
とができる。たとえばゼオライトに銀イオンおよびアン
モニウムイオンを含有させるばあいには、前記混合水溶
液中のアンモニウムイオン濃度を 0.85 〜 3.1mol/L、
銀イオン濃度を 0.002〜 0.15 mol/L とすることによっ
て目的とするアンモニウムイオンの含有率が 0.5〜5
%、銀イオンの含有率が 0.1〜5%であるゼオライトを
うることができる。また、ゼオライトに銅イオンおよび
亜鉛イオンを含有させるばあいには、前記混合水溶液中
の銅イオン濃度は 0.1〜 0.85 mol/L 、亜鉛イオン濃度
は 0.15 〜 1.2mol/L とすることによって、銅イオン含
有率が 0.1〜8%、亜鉛イオン含有率が 0.1〜8%であ
るゼオライトをうることができる。
【0029】本発明においては、前記のごとき混合水溶
液以外にも各抗菌性金属のイオンを単独で含有する水溶
液を用い、各水溶液とゼオライトを逐次接触させること
によってイオン交換することもできる。各水溶液中の各
イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオン濃度に準
じて定めることができる。イオン交換が終了したゼオラ
イトを、水または温水で充分に洗浄したのち、乾燥する
ことによって抗菌性ゼオライトがえられる。かかる乾燥
は、常圧にて 105〜 115℃、または減圧(1〜30torr)
下で70〜90℃で行うことが好ましい。
液以外にも各抗菌性金属のイオンを単独で含有する水溶
液を用い、各水溶液とゼオライトを逐次接触させること
によってイオン交換することもできる。各水溶液中の各
イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオン濃度に準
じて定めることができる。イオン交換が終了したゼオラ
イトを、水または温水で充分に洗浄したのち、乾燥する
ことによって抗菌性ゼオライトがえられる。かかる乾燥
は、常圧にて 105〜 115℃、または減圧(1〜30torr)
下で70〜90℃で行うことが好ましい。
【0030】本発明のラミネートチューブ容器に用いる
被膜層は種々の有機高分子化合物に抗菌性ゼオライトを
均一に分散したものであれば制限なく使用できる。使用
できる有機高分子化合物としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリアクリレート、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂などをあげることができる。
被膜層は種々の有機高分子化合物に抗菌性ゼオライトを
均一に分散したものであれば制限なく使用できる。使用
できる有機高分子化合物としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリアクリレート、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂などをあげることができる。
【0031】抗菌性ゼオライトが含有された被膜層をラ
ミネートチューブ容器の内表面2および(または)外表
面3に設ける方法としては、とくに限定はなく、共押し
出し加工や貼り合わせ加工などの方法で行われる。
ミネートチューブ容器の内表面2および(または)外表
面3に設ける方法としては、とくに限定はなく、共押し
出し加工や貼り合わせ加工などの方法で行われる。
【0032】本発明のラミネートチューブ容器1の内表
面2および(または)外表面3に設けられる被膜層中の
抗菌性ゼオライトの含有率は、ラミネートチューブ容器
の用途やラミネートチューブ容器の表面にもともと存在
している細菌の数などにより要求される抗菌性が異なる
ため一概に決定することはできない。しかし、試験結果
によれば、たとえば 300〜 500μmのポリエチレン樹脂
の層をアルミ箔からなるバリア層の両面に積層したラミ
ネートチューブ容器の内表面2および(または)外表面
3に、1〜5%の抗菌性ゼオライト50%含有高分子化合
物を、たとえばポリエチレン樹脂などの合成樹脂に混合
して、この被膜層5の厚さを5〜50μmとしたものを設
けたばあいに、目的とする抗菌効果がえられた。すなわ
ち、好ましくは、被膜層5の厚さが5〜50μmであれば
ラミネートチューブ容器の内表面2および(または)外
表面3に形成される被膜層5の表面にはゼオライト粒子
が露出するため充分な抗菌効果がえられると考えられ
る。
面2および(または)外表面3に設けられる被膜層中の
抗菌性ゼオライトの含有率は、ラミネートチューブ容器
の用途やラミネートチューブ容器の表面にもともと存在
している細菌の数などにより要求される抗菌性が異なる
ため一概に決定することはできない。しかし、試験結果
によれば、たとえば 300〜 500μmのポリエチレン樹脂
の層をアルミ箔からなるバリア層の両面に積層したラミ
ネートチューブ容器の内表面2および(または)外表面
3に、1〜5%の抗菌性ゼオライト50%含有高分子化合
物を、たとえばポリエチレン樹脂などの合成樹脂に混合
して、この被膜層5の厚さを5〜50μmとしたものを設
けたばあいに、目的とする抗菌効果がえられた。すなわ
ち、好ましくは、被膜層5の厚さが5〜50μmであれば
ラミネートチューブ容器の内表面2および(または)外
表面3に形成される被膜層5の表面にはゼオライト粒子
が露出するため充分な抗菌効果がえられると考えられ
る。
【0033】このような被膜層1に含有される抗菌性ゼ
オライトは1〜5%であることが好ましく、被膜層1の
100μm× 100μmあたりに分散している抗菌性ゼオラ
イト粒子の個数(以下、分散個数という)は、1〜11,0
00個、好ましくは12〜 9,500個に調整されること
が望ましい。なお、被膜層に含有する抗菌性ゼオライト
粒子の 10000μm2 あたりの個数は走査式電子顕
微鏡分析により計数してえた。かかる分散個数が前記範
囲未満のばあい、抗菌性が付与されず、また前記範囲を
超えるばあい抗菌性は向上するが、経済的に不利になる
傾向がある。
オライトは1〜5%であることが好ましく、被膜層1の
100μm× 100μmあたりに分散している抗菌性ゼオラ
イト粒子の個数(以下、分散個数という)は、1〜11,0
00個、好ましくは12〜 9,500個に調整されること
が望ましい。なお、被膜層に含有する抗菌性ゼオライト
粒子の 10000μm2 あたりの個数は走査式電子顕
微鏡分析により計数してえた。かかる分散個数が前記範
囲未満のばあい、抗菌性が付与されず、また前記範囲を
超えるばあい抗菌性は向上するが、経済的に不利になる
傾向がある。
【0034】さらに、被膜層1の厚さが、1μm未満で
あるばあい、成形上、均一な膜になり難い傾向があり、
また 200μmを超えるばあい、抗菌性ゼオライトが被膜
層1内に完全に埋もれてしまうことが多くなり、同様に
目的とする抗菌性がえられないことが判明した。
あるばあい、成形上、均一な膜になり難い傾向があり、
また 200μmを超えるばあい、抗菌性ゼオライトが被膜
層1内に完全に埋もれてしまうことが多くなり、同様に
目的とする抗菌性がえられないことが判明した。
【0035】つぎに、本発明のラミネートチューブ容器
の抗菌作用について、実施例および比較例に基づいて説
明する。
の抗菌作用について、実施例および比較例に基づいて説
明する。
【0036】試験試料 実施例1 図3に示すように、厚さ70μmの低密度ポリエチレンの
下地層5aと厚さ10μmの抗菌性ゼオライト(ZnO )を
含有する被膜層5とをラミネートして抗菌シートをえ
た。つぎに厚さ20μmの低密度ポリエチレンからなる内
側の樹脂層7、紙11、EAA からなる第1接着剤層10、厚
さ15μmのアルミ箔6、EAA からなる第2接着層9、厚
さ45μmの低密度ポリエチレンの外側の樹脂層8をその
順に積層してラミネートシート4を製造した。さらに前
記抗菌シートとラミネートシート4とを接着して全体と
して厚さ325 μmの原反を製造した。さらにその原反を
用いて外形27mm、長さ140mm のチューブ容器に成形して
実施例1のラミネートチューブをえた。
下地層5aと厚さ10μmの抗菌性ゼオライト(ZnO )を
含有する被膜層5とをラミネートして抗菌シートをえ
た。つぎに厚さ20μmの低密度ポリエチレンからなる内
側の樹脂層7、紙11、EAA からなる第1接着剤層10、厚
さ15μmのアルミ箔6、EAA からなる第2接着層9、厚
さ45μmの低密度ポリエチレンの外側の樹脂層8をその
順に積層してラミネートシート4を製造した。さらに前
記抗菌シートとラミネートシート4とを接着して全体と
して厚さ325 μmの原反を製造した。さらにその原反を
用いて外形27mm、長さ140mm のチューブ容器に成形して
実施例1のラミネートチューブをえた。
【0037】前記被膜層は抗菌性ゼオライトであるZeO
を1.39%含有しており、10,000μm2 当りのZeO 粒子の
個数は約80個であった。
を1.39%含有しており、10,000μm2 当りのZeO 粒子の
個数は約80個であった。
【0038】ZeO の含有量は、試料を秤量し、700 ℃で
1時間灰化し、その灰分を白金皿に移して硝酸- フッ酸
を加えて蒸発乾固し、その後硝酸を加えて溶解し、100m
l にメスアップし、原子吸光光度計にて測定した。
1時間灰化し、その灰分を白金皿に移して硝酸- フッ酸
を加えて蒸発乾固し、その後硝酸を加えて溶解し、100m
l にメスアップし、原子吸光光度計にて測定した。
【0039】比較例1 前記ラミネートシート4のみを用いて実施例1と同形状
の比較例1のラミネートチューブをえた。
の比較例1のラミネートチューブをえた。
【0040】試験条件 前記ラミネートチューブの一部を50mm×50mmの大きさに
切り出し、その内表面に菌液(105 個/ml)を1ml滴下
し、その直後、36℃に維持して1時間および18時間経過
後にそれぞれ滅菌済み生理食塩水で菌液を流し出した。
流し出した液について菌試験紙(一般細菌用および大腸
菌用)により菌数を測定した。
切り出し、その内表面に菌液(105 個/ml)を1ml滴下
し、その直後、36℃に維持して1時間および18時間経過
後にそれぞれ滅菌済み生理食塩水で菌液を流し出した。
流し出した液について菌試験紙(一般細菌用および大腸
菌用)により菌数を測定した。
【0041】試験結果 以上の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から明らかなように、比較例1
のラミネートチューブでは一定時間経過後は一般細菌も
大腸菌も増加しているのに対し、実施例1のラミネート
チューブでは100 %死滅していることがわかる。
のラミネートチューブでは一定時間経過後は一般細菌も
大腸菌も増加しているのに対し、実施例1のラミネート
チューブでは100 %死滅していることがわかる。
【0044】つぎに前記実施例1および比較例1のラミ
ネートチューブをそれぞれ50mm×50mmの大きさに切り出
し、その内表面(抗菌性ゼオライト加工面)に黒コウジ
カビ(Aspergillus niger )菌液(105 個/ml)を1ml
噴霧し、その直後から20℃に維持して18時間経過後に、
それぞれ滅菌済み生理食塩水で菌液を洗い出した。さら
に洗い出した液を、普通寒天培地に塗抹して、生菌数を
測定した。その結果を表2に示す。なお対照として、菌
液のみの試験も行なった。
ネートチューブをそれぞれ50mm×50mmの大きさに切り出
し、その内表面(抗菌性ゼオライト加工面)に黒コウジ
カビ(Aspergillus niger )菌液(105 個/ml)を1ml
噴霧し、その直後から20℃に維持して18時間経過後に、
それぞれ滅菌済み生理食塩水で菌液を洗い出した。さら
に洗い出した液を、普通寒天培地に塗抹して、生菌数を
測定した。その結果を表2に示す。なお対照として、菌
液のみの試験も行なった。
【0045】
【表2】
【0046】表2によれば、比較例1のチューブおよび
菌液のみではもとの菌数と同じか、かえって増している
のに対し、実施例1のラミネートチューブでは黒コウジ
カビが死滅していることがわかる。
菌液のみではもとの菌数と同じか、かえって増している
のに対し、実施例1のラミネートチューブでは黒コウジ
カビが死滅していることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明のラミネートチューブ容器は食物
などを長時間容器内に保存しても、細菌やカビなどの繁
殖を経済的に防ぐことができる。
などを長時間容器内に保存しても、細菌やカビなどの繁
殖を経済的に防ぐことができる。
【図1】本発明のラミネートチューブ容器の一実施例を
示す一部切欠側面図である。
示す一部切欠側面図である。
【図2】図1の容器のa部拡大断面図である。
【図3】本発明のラミネートチューブ容器の他の実施例
を示す要部拡大断面図である。
を示す要部拡大断面図である。
1 ラミネートチューブ容器 2 内表面 3 外表面 5 被膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小瀬川 正隆 大阪市淀川区加島一丁目52番49号 武内 プレス工業株式会社 大阪工場内 (72)発明者 田口 秀樹 大阪市淀川区加島一丁目52番49号 武内 プレス工業株式会社 大阪工場内 (56)参考文献 実開 平1−164116(JP,U) 実開 平1−103574(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 81/28 B65D 35/08 A61J 1/00 370
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミ箔のバリア層を有し、抗菌剤とし
て抗菌性ゼオライトを含有した被膜層をその内表面およ
び外表面のうち少なくとも一方に設けており、かつ、前
記被膜層が抗菌性ゼオライト粒子を 10000μm2 あたり
に1〜11,000個含有してなるラミネートチューブ容器。 - 【請求項2】 被膜層が抗菌性ゼオライトを1〜5重量
%含有する合成樹脂層である請求項1記載のラミネート
チューブ容器。 - 【請求項3】 抗菌性ゼオライトの SiO2 /Al2 O3 モ
ル比が 4.5以下である請求項1記載のラミネートチュー
ブ容器。 - 【請求項4】 抗菌性ゼオライトが平均粒径 0.5〜10μ
mの合成ゼオライトである請求項1記載のラミネートチ
ューブ容器。 - 【請求項5】 被膜層の膜厚が1〜 200μmである請求
項1記載のラミネートチューブ容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3033076A JP2838237B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | ラミネートチューブ容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3033076A JP2838237B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | ラミネートチューブ容器 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1312420A Division JP2783437B2 (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | チューブ容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04215983A JPH04215983A (ja) | 1992-08-06 |
JP2838237B2 true JP2838237B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=12376626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3033076A Expired - Fee Related JP2838237B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | ラミネートチューブ容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2838237B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5335353B2 (ja) * | 2008-10-03 | 2013-11-06 | 三洋電機株式会社 | 電池用包装容器および電池パッケージ |
BR112014021667B1 (pt) * | 2012-03-01 | 2020-09-24 | Maruho Co., Ltd. | Embalagem de produtos medicinais |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01103574U (ja) * | 1987-12-28 | 1989-07-13 | ||
JPH01164116U (ja) * | 1988-05-02 | 1989-11-16 |
-
1991
- 1991-02-27 JP JP3033076A patent/JP2838237B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04215983A (ja) | 1992-08-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |