JP3048892B2 - 脱臭機能を有する樹脂組成物 - Google Patents

脱臭機能を有する樹脂組成物

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JP3048892B2
JP3048892B2 JP7207552A JP20755295A JP3048892B2 JP 3048892 B2 JP3048892 B2 JP 3048892B2 JP 7207552 A JP7207552 A JP 7207552A JP 20755295 A JP20755295 A JP 20755295A JP 3048892 B2 JP3048892 B2 JP 3048892B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脱臭機能を有する樹脂組
成物に関し、更に詳しくは、悪臭物質に対して長期に亘
り優れた脱臭機能を発揮する樹脂組成物に関する。本発
明の樹脂組成物は生活空間を構成する壁材、床材、天井
材などはもとより、光がよく当たるカーテン、ブライン
ド、照明器具のカバーや反射板、自動車の内装などの物
品や臭気に敏感な食品関連の容器、包装材料までの広範
な分野において好適に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、脱臭剤といえば活性炭に代表
される吸着系脱臭剤が多用されているが、悪臭物質を物
理的に吸着除去する方式のため脱臭能力に限界があり、
短期使用に限られている。また、生活空間などの消臭に
はもっぱら芳香剤を使い、これにより悪臭物質をマスキ
ングすることにより対応されている。しかし、これらの
いずれの方法も短期の脱臭・消臭効果しか期待できず、
長期に亘って脱臭・消臭効果を発揮する脱臭剤が望まれ
ている。また、食品関連ではその容器や包装材料自体の
臭気や外部環境からの臭気が内容物へ移行し、食品の香
りや風味の変化や低下をもたらす。食品容器の脱臭及び
外部環境からの臭気移行の防止方法として、食品容器を
構成する合成樹脂に脱臭剤を配合する研究が行われてい
るが、吸着系脱臭剤を使用しているために、食品の長期
保存や劣悪な保存環境に対しては十分対応出来るとは言
い難い。更に、ここ数年、長期に亘る脱臭機能持続を目
的として、触媒系脱臭剤や人工酵素(Fe−フタロシア
ニン)などを使った脱臭製品が研究・開発されている
が、それぞれの特性によって加工方法が限定され、従っ
て脱臭製品の形態も限られているのが実情である。
【0003】以上を背景として、本発明者らは長期に亘
って脱臭機能を持つ触媒系脱臭剤を有機系樹脂に配合す
れば、脱臭製品として多岐にわたる応用が期待できると
考え、研究を行った。しかし、触媒系脱臭剤を配合した
有機系樹脂組成物は、触媒系脱臭剤の触媒作用によっ
て、加熱成型時やその後の経時変化で分解臭の発生や着
色などの悪影響が出るため、配合量を抑えなければ使用
出来ないという問題を有している。特に、触媒作用が強
く脱臭効果が大きいものほど上記の悪影響が顕著に現れ
る。また、触媒系脱臭剤は着色したものや有毒なものが
多く、その使用は自ら制限される。しかし、半導体系光
触媒には白色で無害なものがあり、特に光触媒力の大き
い酸化チタンが好適である。
【0004】酸化チタンについては、特公昭60−23
38号には、可溶性珪酸塩を用い、系のpHを塩基性側に
調節して多孔質コーティングし、隠蔽力、耐久性を向上
させる技術が記載され、また特開平5−294627号
には、有機溶媒中でSi,Al,Zrのアルコキシドを
浮遊状態にある平均粒子径0.1μm以下の酸化チタン
と接触させ、日焼け止め化粧料や自動車、家具等の紫外
線遮断保護膜に利用する技術が記載され、また特開平6
−227925号には、酸化銀等の抗菌剤にアルカリ金
属の珪酸塩水溶液を用いた界面反応法と金属アルコキシ
ドを用いた加水分解法による抗菌性無機カプセルが記載
され、更に特公平6−15407号には、Si−Hを有
するポリシロキサンが酸化チタン上で均一な被覆層を形
成し、化粧品、医薬品、包装材料、センサー等へ利用で
きることが記載されているが、有機系樹脂に配合して脱
臭機能を有する樹脂組成物とすることについては記載さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】各種有機材料に添加配
合したり塗工する場合、触媒系・吸着系脱臭剤は、無毒
で、かつ無色から白色のものが、後加工上及び用途にお
いて自由度があるので好ましい。しかし乍ら、例えば、
触媒系脱臭剤として酸化チタン光触媒を使用し、有機系
樹脂に1.0重量%以上配合した場合、加工時に樹脂の
分解臭の発生や着色が起ることが確認された。そのた
め、有機系樹脂の分解や着色の問題がなく、脱臭効果を
発揮できる酸化チタン光触媒の配合比率は精々0.01
〜1.0重量%未満にとどまり、長期に亘る脱臭効果は
期待できない。また、酸化チタン光触媒の配合比率を高
くしても、高濃度の臭気物質には即効性がない。上記の
如く、従来の脱臭剤や脱臭方法では長期に亘る脱臭機能
は未だ十分とは言い難く、多岐にわたる製品への応用を
図るためには更に脱臭力の増強が必要である。本発明は
かかる実情に鑑み、長期に亘って優れた脱臭機能を発揮
し、広範囲の製品に応用し得る樹脂組成物を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、前記課
題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、酸化チタン光
触媒に多孔質無機物をコーティングすることによって、
有機系樹脂へ配合した場合に、樹脂の分解や着色などの
悪影響を伴うことなく配合できることを見出し、本発明
を完成した。
【0007】即ち、本発明は、多孔質無機物で保護コー
ティングした、酸化チタン光触媒と無機系脱臭吸着剤と
の混合物を有機系樹脂に配合するか、又は多孔質無機物
で保護コーティングした酸化チタン光触媒と、無機系脱
臭吸着剤との混合物を有機系樹脂に配合したことを特徴
とする、脱臭機能を有する樹脂組成物を、また上記多孔
質無機物がシリカ及び/又はアルミナである、脱臭機能
を有する樹脂組成物を、更にまた、シリカ又はアルミナ
として、それぞれのゾル又はゾルとそれぞれのモノマー
との反応生成物を用いた脱臭機能を有する樹脂組成物
を、それぞれ内容とするものである。
【0008】
【作用】酸化チタン光触媒又は酸化チタン光触媒と無機
系脱臭吸着剤との混合物を多孔質無機物でコーティング
した場合の多孔質無機物コーティング層の機能は、酸化
チタン光触媒と有機系樹脂との接触を防止し、有機系樹
脂が分解されて異臭を発したり、着色するなどの悪影響
を受けるのを抑え、かつ悪臭物質を多孔質無機物コーテ
ィング層の細孔を通過させ、光によって活性化された酸
化チタン光触媒と接触させることによって分解・消臭す
るものである。また酸化チタン光触媒と混合され、多孔
質無機物でコーティングされた無機系脱臭吸着剤又は多
孔質無機物でコーティングされた酸化チタン光触媒と混
合された無機系脱臭吸着剤の機能は、悪臭物質を酸化チ
タン光触媒近傍で吸着することである。これにより、光
によって活性化された酸化チタン光触媒によって悪臭物
質を効率良く分解することができる。
【0009】
【実施例】本発明に用いられる酸化チタン光触媒とは、
太陽光や蛍光灯等の光エネルギーにより触媒作用が発現
し、通常の酸化チタンよりも強い酸化還元力を持つよう
に設計されたもので、ルチル型、アナターゼ型を問わず
使用できる。市販品としては、石原産業株式会社製の商
品名「タイペーク・STシリーズ」などが挙げられる。
また、この酸化チタン光触媒に金、白金、パラジウム、
銅、酸化ニッケルなどの金属及び金属酸化物を担持させ
ておき、光触媒機能を促進させてもよい。
【0010】本発明における多孔質無機物は、酸化チタ
ン光触媒を保護コーティングし、有機系樹脂への配合時
や成型加工時の外力によって破壊されない強度をもつこ
とが必要である。このような多孔質無機物としては、例
えばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ等が挙げられ
る。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0011】多孔質無機物コーィング層の孔径は5.0
〜1000Å程度が好ましく、特に100〜300Åが
好適である。孔径があまり大きいと、有機系樹脂が酸化
チタン光触媒に接触して分解され、異臭・着色が発生
し、逆に孔径が異臭分子径のオーダー以下であると、臭
気物質が酸化チタン光触媒に到達せず、該触媒により臭
気物質が分解されない。
【0012】本発明に用いられる無機系脱臭吸着剤と
は、物理的吸着剤、化学的吸着剤、物理化学的吸着剤な
どで、悪臭物質を吸着し脱臭効果を発揮するものを指
し、無色又は白色で無毒なものが好適である。このよう
な無機系脱臭吸着剤としては、ゼオライト(親水性・疎
水性)、活性白土、酸性白土、ハイドロタルサイト、セ
ピオライト、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、
シリカと酸化亜鉛の組成物、活性炭などが挙げられ、物
理的吸着剤としては、アブセンツ(ユニオン昭和株式会
社製商品名)などが、化学的吸着剤としてはシュークレ
ンズ(ラサ工業株式会社製商品名)やキョーワード(協
和化学工業株式会社製商品名)などが市販されている。
これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。ま
た、無機系脱臭吸着剤は悪臭物質に対する吸着能力がそ
れぞれ異なるため、一般的な悪臭(酢酸、アンモニア、
トリメチルアミン、アセトアルデヒド、硫化水素、メチ
ルメルカプタンなど)をすべて脱臭する場合には、特に
2種以上を組み合わせ使用するのが好ましい。
【0013】無機系脱臭吸着剤は、酸化チタン光触媒と
混合して多孔質無機物で保護コーティングし、有機系樹
脂に配合するか、または、多孔質無機物で保護コーティ
ングされた酸化チタン光触媒と併用して(以後、後添加
という)有機系樹脂に配合して使用される。無機系脱臭
吸着剤は即効性があり、高濃度の悪臭物質をいち早く吸
着脱臭するが、脱臭能力には限界があり持続性がない。
そこで、上記のように酸化チタン光触媒と無機系脱臭吸
着剤を併用すれば、酸化チタン光触媒は悪臭物質を長期
にわたり分解消臭化する能力を持つため、近傍にある無
機系脱臭吸着剤に吸着された悪臭物質をも分解し、その
結果、無機系脱臭吸着剤の脱臭能力が回復して、長期に
わたる即効性と持続性を合わせ持つことになる。
【0014】また、無機系脱臭吸着剤の中には触媒機能
を持ったものがあり、このような無機系脱臭吸着剤は有
機系樹脂に直接接触した場合に、分解臭の発生や着色が
起こり後添加できないため、上記した如く、酸化チタン
光触媒といっしょに多孔質無機物で保護コーティングす
るのが好ましい。例えば、無機系脱臭吸着剤として「ア
ブセンツ#3000」(疎水性ゼオライト;ユニオン昭
和株式会社製)を用いた場合には、アンモニアの様な塩
基性悪臭の吸着力が弱い。そのため、塩基性臭気をよく
吸着する「アブセンツ#1000」(疎水性ゼオライ
ト;ユニオン昭和株式会社製)の併用が好適であるが、
「アブセンツ#1000」は触媒機能が有るため、後添
加すると配合時や成形時に有機系樹脂を分解し、分解臭
の発生や着色を起こす。この「アブセンツ#1000」
などは、酸化チタン光触媒といっしょに多孔質無機物で
コーティングするのが良い。
【0015】有機系樹脂に配合する酸化チタン光触媒及
び無機系脱臭吸着剤の割合いは、必要とされる脱臭能力
(製品の使用場所などで決定される)や加工方法などに
よって適宜決定される。一般的に、有機系樹脂100重
量部に対して、酸化チタン光触媒は概ね0.1〜20.
0重量部、好ましくは1.3〜5.0重量部、無機系脱
臭吸着剤は概ね0.5〜20.0重量部、好ましくは
1.3〜10.0重量部になるよう配合するのが好適で
ある。
【0016】酸化チタン光触媒と無機系脱臭吸着剤の両
者を多孔質無機物でコーティングする方法としては、た
とえば酸化チタンを含むスラリーに可溶性ケイ酸塩ある
いは可溶性アルミニウム塩のアルカリ溶液を加えた後、
酸を添加することによりシリカあるいはアルミナを酸化
チタン上に沈澱させる方法、あるいは有機溶媒で希釈さ
れたSi、Al、Zrのアルコキシドを浮遊状態にある
酸化チタンと接触させる方法、ケイ酸アルカリを出発原
料としエマルジョンとした後、界面反応を利用するシリ
カマイクロカプセル法等が用いられる。
【0017】多孔質無機物コーティング法は上記したよ
うに種々の方法が使用できるが、本発明では無機物とし
てシリカ又はアルミナを選択し、その出発原料としては
容易に適当な孔径の多孔性膜が形成できるため、シリカ
ゾル、アルミナゾルあるいはその混合物を用いることが
できる。この場合、シリカゾル中のシリカ量又はアルミ
ナゾル中のアルミナ量に対して酸化物換算で0.1重量
%以上20重量%以下のシリカモノマー又はアルミナモ
ノマーを添加することにより、本発明の目的に好適な無
機物コーティング物を得ることができる。水系シリカゾ
ルを用いる場合、その液はいずれのpHでも酸化チタン
へのコーティングは可能であるが、酸化チタンの等電点
(5.5〜6.0)とシリカの等電点(2.0〜2.
5)の中間のpH=3〜5の間で反応させるのが両者の
静電気による吸着による良好なコーティングが期待でき
るので好ましい。また系のpHを酸性にすることは、モ
ノマーの重合時の触媒効果も期待できる。さらに酸性シ
リカゾルを使用した場合、塩基性シリカゾルに比べ粒径
の小さい、コーティングされた酸化チタンが得られ、そ
の結果、有機樹脂への均一な配合が可能となる。
【0018】シリカゾルの種類については水系に限定さ
れず有機溶剤系でもよく、後者の場合は例えば市販のオ
ルガノシリカゾルを用いた場合、水系シリカゾルと同様
の理由で液のpHは酸性が望ましい。この場合、併用する
モノマーの加水分解に必要な水は酸化チタン粒子表面の
吸着水から供給されることになり、その結果、反応は選
択的に酸化チタン表面でおこり、より効率的なコーティ
ングが期待できる。モノマーの添加効果については、シ
リカの場合シリカ粒子とシリカ粒子をつなぐ役目のみな
らず、シリカと酸化チタンの結合も期待でき、酸化チタ
ン表面に、より強固で強く接着したシリカコーティング
層を形成できる。モノマーの添加量については0.1重
量%未満ではその効果は認められず、20重量%を越え
ると粒子同士の融着、凝集が顕著になり微粒子を得る目
的には好ましくなく、また経済的にも不利である。シリ
カモノマーとしては、重合して(SiO2)となるもので
あればいずれでも良いが、反応速度の大きいテトラメト
キシシラン(TMOS), テトラエトキシシラン(TE
OS)が好ましく、これらは単独又は混合して用いられ
る。アルミナモノマーとしてはアルミニウムのアルコキ
シドが用いられるが、アルミニウムトリ-sec- ブトキシ
ド、アルミニウムトリ-tert-ブトキシドが好ましく、こ
れらは単独または混合して用いられる。
【0019】アルミナの場合もシリカと全く同様に、ア
ルミナゾルを酸化チタンとアルミナの等電点(9.0)
の間で処理するのが好ましく、モノマーとしてAlのア
ルコキシドが使用できる。酸化チタンをシリカゾルある
いはアルミナゾルとそれらのモノマーと反応させると
き、酸化チタンの分散を良くするためにポリカルボン酸
系等の分散剤を少量添加することは均一なコーティング
物を得るのに有効である。
【0020】得られた反応完了液を乾燥することにより
多孔性無機物でコーティングされた酸化チタン微粒子粉
末が得られるが、乾燥方法は粉砕工程を経ずに直接微粒
子を得るため、できるだけ熱のかからない凍結乾燥、ロ
ータリーエバポレーターによる真空乾燥、噴霧乾燥等が
望ましい。またt-ブチルアルコール、n-ブチルアルコー
ルを使用し加熱することにより粉末表面をブチルエステ
ル化することも微粒子を直接得るには効果的な方法であ
る。乾燥後の熱処理については、該処理により粉末の粒
径が大きくなり、粒子の融着が起こっていることが認め
られたが、熱処理は酸化チタン、無機系脱臭吸着剤への
強固で接着力の大きいコーティング層を得るためには必
要である。
【0021】本発明に用いられる有機系樹脂は、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、合成樹脂、天然樹脂を問わない
が、悪臭物質を、配合する酸化チタン光触媒の触媒機能
と無機系脱臭吸着剤の吸着機能により効率よく消臭する
ためには、悪臭物質を透過しうる樹脂を選択する必要が
ある。
【0022】具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、高
密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
などのエチレンモノマー単独重合体樹脂、エチレン−メ
タクリル酸共重合体樹脂、エチレン−無水マレイン酸共
重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などの
エチレン系共重合体樹脂やポリプロピレン系樹脂を含む
ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メタクリ
ル酸系樹脂、アクリル酸系樹脂、低ケン化度ポリビニル
アルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ジエ
ン系樹脂、マレイン酸系樹脂、フェノール系樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、アルキッド樹脂、フタル酸系樹脂、スチレン
−ブタジエン系樹脂、ブチル系樹脂、ポリクロロプレン
系樹脂、石油樹脂、乾性油(アマニ油、エノ油、キリ油
など)などが挙げられ、これは単独又は2種以上組み合
わせて用いられる。
【0023】本発明において、多孔質無機物でコーティ
ングされた酸化チタン光触媒の有機系樹脂への配合・成
型方法は多孔質無機物コーティング物が外力によって破
壊されないレベルで、公知の配合・成型方法が採用でき
る。例えば、有機系樹脂が熱可塑性樹脂の場合は溶融混
練法によって添加混合し、公知の成型法(インフレーシ
ョン加工、押出しラミネート加工、インジェクション加
工、ホットメルトコーティング加工、繊維紡糸加工な
ど)によって、目的の形態へ成型する。また、有機系樹
脂が熱硬化性樹脂で成型前の状態がモノマー液・オリゴ
マー液などの液状である場合や、該樹脂がエマルジョン
・ディスパージョン溶液であるときは、重合・架橋・加
熱・乾燥などによる硬化が始まる前に添加混合すればよ
く、ロールコーティング、スプレーコーティング、ディ
ッピング、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印
刷など公知の成型、塗工、印刷法が適用できる。
【0024】さらに、本発明の脱臭機能を有する樹脂組
成物に、脱臭能力を補う目的で、後添加によって有機酸
系やフラボノイド系などの有機系脱臭剤を添加してもか
まわないが、耐熱性に問題があるため加工法を考慮する
必要がある。また目的に応じて帯電防止剤、可塑剤、充
填剤、着色剤、抗菌剤、防汚剤などの配合を行ってもよ
い。多孔質無機物でコーティングされた酸化チタン光触
媒の有機系樹脂への配合比率は、必要とされる脱臭能力
や加工法等によって適宜決定される。
【0025】以上のように、本発明による脱臭機能を有
する樹脂組成物は多孔質無機物でコーティングされた酸
化チタン光触媒と無機系脱臭吸着剤が配合されているた
め、長期に亘って優れた脱臭機能を有し、色々な加工方
法や色々な形態に適用でき多岐に亘る応用が可能であ
る。
【0026】以下、実施例を示して本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0027】実施例1−1 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」(ア
ナターゼ型、粒子径=7nm;石原産業株式会社製)2
重量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#300
0」疎水性ゼオライト、平均粒径=3.3μm;ユニオ
ン昭和株式会社)2重量部にシリカゾルとして「スノー
テックス」(日産化学工業株式会社製)6.4重量部
(シリカとして)を添加しポットミルで100rpmで
1時間攪拌し反応させた。その反応液を噴霧乾燥機で乾
燥させた後、550℃で1時間熱処理し、シリカコーテ
ィングされた、酸化チタンと脱臭吸着剤の混合物を得
た。次に、この保護コーティング物10.4重量部に対
して、有機系樹脂として「ミラソン−206P」(低密
度ポリエチレン樹脂、密度=0.923g/cm、M
I=3.7g/10分;三井石油化学工業株式会社製)
90重量部とをドライブレンドした後、連続混練押出機
(KCK 120X2−65VEX;株式会社KCK
製)を用い、ベント部を減圧・脱気しながら、出口温度
180℃にて混練押出ししてペレット化し、脱臭機能を
有する樹脂組成物を得た。次に、この樹脂組成物のペレ
ットをTダイ押出ラミネータ機(スクリュー径=40m
mφ、L/D=22、Tダイ温度=330℃)に投入
し、上質紙(坪量=52.3g/m)上に厚さ20μ
mのフィルム状に押出して、ラミネート機により貼合
し、脱臭機能を有する低密度ポリエチレン樹脂(20μ
m)/上質紙の構成からなるラミネート紙を作製した。
【0028】実施例1−2 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」2重
量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#300
0」2重量部にシリカゾルとして「スノーテックス」
6.4重量部(シリカとして)を添加しポットミルで1
00rpmで15分攪拌後、テトラメトキシシラン0.
016重量部(シリカとして)を添加し、さらに1時間
攪拌し反応させた。その反応液を噴霧乾燥機で乾燥させ
た後、550℃で1時間熱処理し、シリカコーティング
された、酸化チタンと脱臭吸着剤の混合物を得た。次
に、この保護コーティング物10.416重量部に対し
て「ミラソン206P」90重量部とをドライブレンド
した後、前述の連続混練押出機を用いて、同様にして脱
臭機能を有する樹脂組成物を得た。次に、この樹脂配合
組成物を実施例1と同様にしてTダイ押出ラミネーター
を用いて、ラミネート紙を作製した。
【0029】実施例1−3 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」2重
量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#300
0」2重量部にシリカゾルとして「スノーテックス」
6.4重量部(シリカとして)を添加しポットミルで1
00rpmで15分攪拌後、テトラメトキシシラン0.
16重量部(シリカとして)を添加し、さらに1時間攪
拌し反応させた。その反応液を噴霧乾燥機で乾燥させた
後、550℃で1時間熱処理し、シリカコーティングさ
れた、酸化チタンと脱臭吸着剤の混合物を得た。次に、
この保護コーティング物10.56重量部に対して「ミ
ラソン206P」90重量部とをドライブレンドした
後、前述の連続混練押出機を用いて、同様にして脱臭機
能を有する樹脂組成物を得た。次に、この樹脂配合組成
物を実施例1と同様にしてTダイ押出ラミネーターを用
いて、ラミネート紙を作製した。ただし、ラミネート厚
さが20μmの時は膜ワレが生じたため、ラミネート厚
さを40μmにしてラミネート紙を作製した。
【0030】実施例1−4 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」2重
量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#300
0」2重量部にシリカゾルとして「スノーテックス」
6.4重量部(シリカとして)を添加しポットミルで1
00rpmで15分攪拌後、テトラメトキシシラン0.
8重量部(シリカとして)を添加し、さらに2時間攪拌
し反応させた。その反応液を噴霧乾燥機で乾燥させた
後、550℃で1時間熱処理し、シリカコーティングさ
れた、酸化チタンと脱臭吸着剤の混合物を得た。次に、
この保護コーティング物11.2重量部と有機系樹脂と
して「出光スチロール ET−60」(ハイインパクト
ポリスチレン樹脂、密度=1.05g/cm3 、MI=2
5g/10分;出光石油化学株式会社製)90重量部と
をドライブレンドした後、前述の連続混練押出機(出口
温度=200℃)にて混練ペレット化し、脱臭機能を有
する樹脂組成物を得た。このペレットをTダイ押出機
(スクリュー径=40mmφ、L/D=22、Tダイ温度
=250℃)に投入し、Tダイによりシート状に押出し
厚さ100μmのシートを作製した。
【0031】実施例1−5 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」2重
量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#300
0」2重量部にシリカゾルとして「スノーテックス」
6.4重量部(シリカとして)を添加しポットミルで1
00rpmで15分攪拌後、テトラメトキシシラン1.
6重量部(シリカとして)を添加し、さらに2時間攪拌
し反応させた。その反応液を噴霧乾燥機で乾燥させた
後、550℃で1時間熱処理し、シリカコーティングさ
れた、酸化チタンと脱臭吸着剤の混合物を得た。次に、
この保護コーティング物12重量部と「出光スチロール
ET−60」90重量部とをドライブレンドした後、
実施例1−4と同様の操作にて厚さ100μmのシート
状に成型した。
【0032】実施例2 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」2.
0重量部を実施例1−1に準拠してシリカゾル3.2重
量部を用いてシリカコーティングを行った。この保護コ
ーティング物5.2重量部と後添加の無機系脱臭吸着剤
として「アブセンツ#3000」2.0重量部とを混合
し、有機系樹脂として「ミラソン−68」(低密度ポリ
エチレン樹脂、密度=0.916g/cm3 、MI=23
g/10分、成型用銘柄;三井石油化学工業株式会社
製)90重量部とをドライブレンドした後、前述の連続
混練押出機(出口温度=170℃)にて混練ペレット化
し、脱臭機能を有する樹脂組成物を得た。次に、このペ
レットを射出成型機(型締圧力=80t、ノズル温度=
150℃、金型温度=30℃;名機製作所製)に投入
し、タテ100mm・ヨコ100mm・厚さ1mmの板状に成
型した。
【0033】実施例3 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」2重
量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#300
0」2重量部にアルミナゾルとして「アルミナゾル−5
20」(日産化学工業株式会社製)6.4重量部(アル
ミナとして)を添加しポットミルで100rpmで15
分攪拌後、アルミニウムトリ-sec- ブトキシド0.16
重量部(アルミナとして)を添加し、さらに2時間攪拌
し反応させた。その反応液を噴霧乾燥機で乾燥させた
後、550℃で1時間熱処理し、アルミナコーティング
された、酸化チタンと脱臭吸着剤の混合物を得た。この
保護コーティング物10.56重量部と有機系樹脂とし
て「エバフレックス P−1207」(エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル含有量=12重量%、
MI=12g/10分;三井デュポンポリケミカル株式
会社製)90重量部とを前述の連続混練押出機(出口温
度=170℃)を用い、混練・ペレット化し、脱臭機能
を有する樹脂組成物を得た。得られたペレットと「三菱
ポリプロ PY−240B」(ポリプロピレン樹脂、ホ
モポリマータイプ、密度=0.90g/cm3 、MI=
5.0g/10分;三菱油化株式会社製)のペレットと
を溶融押出紡糸機にそれぞれ投入し、脱臭機能を有する
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(鞘)/ポリプロピ
レン樹脂(芯)の芯鞘構造からなり太さ20デニールの
繊維を作製した。
【0034】実施例4 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」1.
5重量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#30
00」1.5重量部と「アブセンツ#1000」1.5
重量部、シリカゾルとして「スノーテックス」9.6重
量部(シリカとして)を添加しポットミルで100rp
mで15分攪拌後、テトラメトキシシラン0.24重量
部(シリカとして)を添加し、さらに2時間攪拌し反応
させた。その反応液を噴霧乾燥機で乾燥させた後、55
0℃で1時間熱処理し、シリカコーティングされた、酸
化チタンと脱臭吸着剤の混合物を得た。次に、この保護
コーティング物14.34重量部を「エスター・D11
7B」(化粧合板用不飽和ポリエステル樹脂、固形分=
35重量%;三井東圧化学株式会社製)300重量部に
添加し、攪拌混合した後、硬化剤として2−メチルエチ
ルケトンパーオキサイド1.0重量部を加え、さらに攪
拌混合した。この溶液を厚さ10mmの合板に流延し、ポ
リビニルアルコールフィルムを当てた後、均一な塗膜厚
さになる様にロールで押え、1晩放置して硬化させ、不
飽和ポリエステル表面処理層(60g/m2)/合板の構
成からなる脱臭機能を有する表面処理を施した合板を得
た。
【0035】実施例5 実施例4と同様にして、酸化チタン光触媒と無機系脱臭
吸着剤とを多孔質シリカで保護コーティングした。この
保護コーティング物14.34重量部と「ビニクロン4
000M」(ポリ塩化ビニル樹脂、平均重合度=105
0;三井東圧化学株式会社製)100重量部と可塑剤と
してジオクチルフタレート45重量部とを高速ミキサー
に投入し、5分間混合し、温度を100℃に上げ、混合
物を得た。この混合物を混練ロール(温度160℃)に
投入して混練均一化し、これをカレンダーロールに移し
シート状(厚さ2mm)に成型し、脱臭機能を有するポリ
塩化ビニル樹脂のシート成型物を得た。
【0036】実施例6 実施例4と同様に「タイペークST−01」と「アブセ
ンツ#3000」と「アブセンツ#1000」とを多孔
質シリカで保護コーティングし、この保護コーティング
物14.34重量部を「アサヒペン・水性エナメル
(白)」(家庭用塗料、主成分:アクリル樹脂、固形分
濃度=50重量%;アサヒペン社製)100重量部に投
入し、攪拌混合した後、ベニヤ板(厚さ=5mm)に塗布
・乾燥し、脱臭機能を有するペンキ皮膜(40g/m2
/ベニヤ板(5mm)の構成からなる、脱臭機能を有する
樹脂組成物の皮膜を形成した。
【0037】実施例7 「タイペークST−01」1.5重量部と「アブセンツ
#3000」1.5重量部及び「キョーワード700」
(シリカーアルミナ化合物、化学的吸着剤、平均粒径=
10μm;協和化学工業株式会社製)1.5重量部とを
実施例1−1に準拠してシリカゾル4.8重量部を用い
て多孔質シリカコーティングを行った。この保護コーテ
ィング物9.3重量部を「アサヒペン・水性エナメル
(白)」100重量部に投入し、実施例6と同様の操作
にてベニヤ板に脱臭機能を有する樹脂組成物の皮膜を形
成した。
【0038】実施例8 実施例3と同様にして作製した保護コーティング物1
0.56重量部を「ロックス・オレンジ色」(フレキソ
用インキ、固形分=35%;東洋インキ製造株式会社
製)40重量部に混合し、水の添加によって粘度調整を
した後、フレキソ印刷機(総武機械株式会社製)を用い
て、上質紙(坪量=50g/m2)に乾燥固形分が1g/
m2になる様に印刷を行い、乾燥後、脱臭機能を有する印
刷紙を得た。次に、上記保護コーティング物10.56
重量部を「ニューダイキュア−OL紅」(オフセット印
刷用、UV硬化インキ、主成分:アクリル系樹脂)75
重量部へ投入し、攪拌混合した後、ロールコーターにて
塗工量が1g/m2になる様に上質紙(坪量=50g/
m2)上にコーティングし、紫外線を照射し、インキを硬
化させ、脱臭機能を有する印刷紙を得た。
【0039】実施例9 酸化チタン光触媒として「タイペークST−01」1.
5重量部、無機系脱臭吸着剤として「アブセンツ#30
00」1.5重量部と「アブセンツ#1000」1.5
重量部、シリカゾルとして「スノーテックス」4.8重
量部(シリカとして)アルミナゾルとして「アルミナゾ
ル520」4.8重量部(アルミナとして)を添加しポ
ットミルで100rpmで15分攪拌後、テトラメトキ
シシラン0.24重量部(シリカとして)を添加し、さ
らに2時間攪拌し反応させる。その反応液を噴霧乾燥機
で乾燥させた後、550℃で1時間熱処理し、シリカア
ルミナコーティングされた、酸化チタンと脱臭吸着剤の
混合物を得た。この保護コーティング物14.34重量
部と「ミラソン206P」90重量部をドライブレンド
した後、実施例1−1の押出ラミネート加工において基
材を上質紙から2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹
脂フィルム(PETフィルムと略す、厚さ=38μm)
に変更し、ラミネーター工程中でウレタン系アンカーコ
ート剤を塗布し、ドライヤーにて乾燥した後、Tダイに
よる押出ラミネート(厚さ20μm)を行い、脱臭機能
を有する樹脂層20μm/アンカーコート剤/PETフ
ィルム38μmの構成からなる、脱臭機能を有する樹脂
フィルムのラミネート品を得た。
【0040】実施例10 実施例9で作製した多孔質シリカ保護コーティング物1
4.34重量部と有機系樹脂として「レクスロンF−3
1」(低密度ポリエチレン樹脂、密度=0.923g/
cm3 、MI=2.0g/10分、一般包装フィルム用銘
柄;日本石油化学株式会社製)100重量部とをドライ
ブレンドした後、前述の連続混練押出機(出口温度=2
00℃)にて混練ペレット化し、脱臭機能を有する樹脂
組成物を得た。次に、このペレットをインフレーション
フィルム成形機(スクリュー径65m/mφ;ダイスロ
金径=400m/m;トミー機械株式会社製)に投入
し、ダイス口金温度155℃にて押出して、厚さ40μ
mのフィルムを作製した。さらに、この多孔質シリカ保
護コーティング物14.34重量部と有機系樹脂として
「ハイゼックス7000F」(高密度ポリエチレン樹
脂、密度=0.956g/cm3 、MI=0.05g/1
0分、工業用フィルム銘柄;三井石油化学株式会社製)
100重量部とを上記と同様の操作により混練ペレット
化し、本発明における脱臭機能を有する樹脂組成物を得
た後、インフレーションフィルム成型機(ダイス口金温
度=190℃)を用いて、厚さ40μmのフィルムを作
製した。
【0041】実施例11 実施例9で作製した多孔質シリカ保護コーティング物1
4.34重量部と有機系樹脂として「ハイポールLA−
221」(ポリプロピレン樹脂、ホモポリマータイプ、
密度=0.91g/cm3 、MI=25g/10分;三井
石油化学工業株式会社製)90重量部とをドライブレン
ドした後、前述の連続混練押出機(出口温度=200
℃)にて混練押出してペレット化し、脱臭機能を有する
樹脂組成物を得た。次に、この樹脂組成物のペレットを
前述のTダイ押出ラミネート機(Tダイ温度=300
℃)に投入し、実施例1と同様の操作を行い、ラミネー
ト紙を作製した。
【0042】実施例12 実施例1−1で作製した保護コーティング物10.4重
量部と「サイビノールEK−1005」(アクリル系樹
脂エマルジョン、固形分=39%;サイデン化学株式会
社製)400重量部とを攪拌混合し、2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム(OPPと略す、厚さ=25μm)上に
マイヤーバーを使って乾燥後塗工量が10g/m2となる
様にコーティングを行い、ギヤオーブン乾燥機で乾燥皮
膜化し、脱臭機能を有するアクリル樹脂皮膜を設けたO
PPフィルムを得た。
【0043】実施例13 実施例1−1で作製した保護コーティング物10.4重
量部を「クリスボン3355」(合成皮革用ウレタン樹
脂、固形分=22%;大日本インキ化学工業株式会社
製)400重量部に投入し、攪拌混合し、これに「クリ
スボンNX」(イソシアネート系架橋剤、大日本インキ
化学工業株式会社製)を2重量部添加混合し、コーター
を用いて布地へ塗工し、乾燥、硬化させ脱臭機能を有す
るウレタン合成皮革(50g/m2)/布地の構成からな
る、脱臭機能を有する樹脂組成物の皮膜を形成した。
【0044】比較例1 実施例1−1において、酸化チタン光触媒の多孔質無機
物コーティングを行なわず、また「アブセンツ#300
0」の添加なしで、直接有機系樹脂へ配合し、同様の操
作にてラミネート紙を作製した。
【0045】比較例2 実施例1−1において、多孔質無機物コーティングの操
作を行なわず、酸化チタン光触媒「タイペークST−0
1」と無機系脱臭吸着剤「アブセンツ#3000」の混
合物を直接有機系樹脂へ配合し、同様の操作にてラミネ
ート紙を作製した。
【0046】比較例3 実施例1−2と同様にして、酸化チタン光触媒「タイペ
ークST−01」と無機系脱臭吸着剤「アブセンツ#3
000」とを多孔質シリカで保護コーティングした。こ
の保護コーティング物10.416重量部と「アブセン
ツ#1000」1.5重量部(後添加)とをドライブレ
ンドした後、実施例1−1と同様の操作にて混練ペレッ
ト化し、Tダイ押出ラミネーターを使ってラミネート紙
を作製した。
【0047】比較例4 実施例2と同様の操作にて酸化チタン光触媒「タイペー
クST−01」2.0重量部をシリカゾル3.2重量部
を使って保護コーティングし、後添加の無機系脱臭吸着
剤「アブセンツ#3000」を使用せずに、実施例2と
同様の操作にてインジェクション加工を行い、大きさ1
0cm×10cm、厚さ1mmの板を作製した。
【0048】実施例1〜13及び比較例1〜4で作成し
た各サンプルについて、以下の方法で脱臭能力の評価を
行った。 1.試料の調製 各サンプル及び悪臭臭気物質を表1で示した割合で試料
を調製し、胴径6cm×高さ8cmの秤量瓶に封入する。
【0049】2.脱臭即効性能評価法 上記1.の方法で調製した各サンプルを悪臭臭気物質封
入後1日目に臭気チェックを行い、臭気がないことを確
認する。その後、光を7日間照射する(昼間は日光、夜
間はブラックライトを使用)。7日後、この各サンプル
に表1で示した悪臭臭気物質を封入し、1日後に臭気チ
ェックを行い、臭気がなく、脱臭即効性があるか否かを
確認する。臭気が残っている場合は、光照射時間を長く
して確認する。更にこの各サンプルを同様の方法で6カ
月間繰り返し、6カ月後も脱臭即効性能を有するか否か
を確認する。
【0050】3.長期脱臭性能評価法 上記1.の方法で調製した各サンプルに光を7日間照射
する(昼間は日光、夜間はブラックライトを使用)。7
日後に臭気チェックを行い、臭気の有無を確認する。臭
気がなければ更に表1で示した量の悪臭物質を加え封入
し、7日間光を照射(昼間は日光、夜間はブラックライ
トを使用)した後、臭気チェックを行い脱臭性能を確認
する。この操作を6カ月間繰り返し長期脱臭性能を確認
する。上記、脱臭性能評価結果を表2〜4に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明の樹脂組成物は長
期に亘って優れた脱臭機能を発揮し、壁材、床材、天井
材等の建材や、カーテン、ブラインド、照明器具のカバ
ー、反射板等の内装品、自動車内装材、食品等用の容
器、包装材料等の広範な分野で有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 正博 大阪府大阪市住之江区安立4丁目13番18 号 五洋紙工株式会社内 (72)発明者 谷上 嘉規 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝 子株式会社内 (72)発明者 張 祖依 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝 子株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−218836(JP,A) 特開 平2−95436(JP,A) 特開 平9−3211(JP,A) 特開 平7−247119(JP,A) 国際公開94/15462(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質無機物でコーティングした、酸化
    チタン光触媒と無機系脱臭吸着剤との混合物を、有機系
    樹脂に配合したことを特徴とする、脱臭機能を有する樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 多孔質無機物でコーティングした酸化チ
    タン光触媒と、無機系脱臭吸着剤との混合物を有機系樹
    脂に配合したことを特徴とする、脱臭機能を有する樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 酸化チタン光触媒、無機系脱臭吸着剤及
    び有機系樹脂の配合割合が、有機系樹脂100重量部に
    対して、酸化チタン光触媒が0.1〜20.0重量部、
    無機系脱臭吸着剤が0.5〜20.0重量部である請求
    項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 多孔質無機物がシリカ及び/又はアルミ
    ナである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 シリカがシリカゾルである請求項4記載
    の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 シリカがシリカゾルとシリカモノマーと
    の反応生成物である請求項4記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 シリカモノマーがシリカゾル中のシリカ
    量に対して酸化物換算で0.1〜20重量%である請求
    項6記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 アルミナがアルミナゾルである請求項4
    記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 アルミナがアルミゾルとアルミナモノマ
    ーとの反応生成物である請求項4の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 アルミナモノマーがアルミナゾル中の
    アルミナ量に対して酸化物換算で0.1〜20重量%で
    ある請求項9記載の樹脂組成物。
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