JP3931418B2 - 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム - Google Patents

光触媒含有層積層熱可塑性フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化チタンの持つ光酸化又は光触媒作用により消臭効果を付与した、長期間使用できる、耐久性及び耐擦傷性に優れた光触媒含有層を積層してなる熱可塑性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、臭気や香りに対する関心は益々高まってきており、これに対して、旧来からの活性炭や多孔性無機物等のような物理的吸着性物質や、化学反応によって臭気物質を無臭化又は低臭化する化学的消臭物質、又は芳香剤スプレー若しくは芳香剤ゲルによる消臭物質マスキング等が用いられている。しかし、これらはいずれも短期の消臭効果しか期待できないものであった。
【0003】
一方、長期にわたって効果の得られる脱臭・消臭剤として、最近、触媒系の脱臭・消臭剤や人工酵素が開発されているが、加工方法や使用形態において種々の制約を受けているのが実情である。
【0004】
特に、強い触媒作用を有する微粒子状の酸化チタン光触媒が消臭等の応用面において脚光を浴びているが、その触媒作用が強過ぎ、有機物質に配合して製品化したとき、期待する消臭等の効果とは別に、微粒子状の酸化チタン光触媒の配合されたその有機物質本体の分解や着色が起こってしまう。この理由から、有機物質中への微粒子状酸化チタン光触媒の配合は、通常0.001〜0.1重量%の範囲、多くとも1.0重量%までしか行なうことができない。従って、本来目的とする光触媒作用、即ち消臭等の効果も、自ずから限定されざるを得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実情に鑑み、消臭フィルムであって、長期にわたって消臭効果を維持し、フィルム表面に十分な硬度があって傷が付きにくく、かつ消臭等における即効性にも優れ、しかも消臭剤として配合された酸化チタンによる担体たる樹脂自体の分解・劣化の起こらない、耐久性の消臭フィルムを提供することを目的とする。なお本発明は、実施に際し用いる熱可塑性フィルム基材の厚みによる制限を受けず、従って、本明細書にいう「フィルム」は、その厚みを特に限定することを意図せず、比較的厚みのあるもの(一般に「シート」と呼ばれるもの)をも広く包含する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的の下に、本発明者らは、光触媒能のある酸化チタンを不活性な多孔質の無機材料で被覆してなる無機複合粒子を用い、これを特定の条件を満たすように、樹脂と混合して基材である熱可塑性フィルム上に積層することによって、迅速且つ長期にわたる優れた消臭効果を発揮し、しかも酸化チタンによる樹脂の劣化が防止された、十分な表面硬度を備えた消臭フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は、熱可塑性フィルム基材と該熱可塑性フィルム基材の少なくとも片面に積層された光触媒含有層とを含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性フィルムであって、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子を含んだ樹脂層よりなり、該光触媒含有層表面のJIS−K5400における鉛筆硬度がB以上であり、且つ、該光触媒含有層のJIS−B0601による表面粗さRaが0.05〜1.0μmであることを特徴とする、光触媒含有層積層熱可塑性フィルムを提供する。
【0008】
また本発明の光触媒含有層積層熱可塑性フィルムにおいて、特に好ましくは、光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子の平均粒径は、0.1μmから10.0μmである。
【0009】
このような構成になる本発明の光触媒含有層積層熱可塑性フィルムは、光触媒含有層と熱可塑性フィルムとの接着界面や光触媒含有層中のバインダーが酸化チタンの光触媒作用により破壊されて光触媒含有層が剥離・変色する等の不都合が起こらず、消臭性、耐候性、耐擦傷性をバランスよく満足し、酸化チタンの持つ光触媒作用による優れた消臭効果を発揮しつつ、長期使用に耐える耐久性を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明にいう「熱可塑性フィルム」は、有機高分子を溶融押出しして得たフィルム、また、更に必要に応じて縦方向又は横方向に1軸又は2軸延伸、熱固定して得られたフィルムであってよい。上記有機高分子からなるフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、空洞含有ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、空洞含有ポリエステル、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド等が挙げられる。また、これらの有機高分子は、他の有機高分子と共重合させたものや、ブレンドしたものであってもよい。
【0011】
更に、この有機高分子には、公知の添加剤、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤等が添加されてもよい。
【0012】
本発明で用いられる「光触媒酸化チタン」とは、酸化チタンの粒径を1〜50nm程度の微粒子とし、単位重量当たりの表面積を大きくして反応性を高めたもので、紫外線及び酸素と水の存在下に強い消臭作用、抗菌・殺菌作用をもたらすものである。更に、この光触媒酸化チタンに、金、白金、パラジウム、銅、酸化ニッケル等の金属及び金属酸化物を担持させておくことにより光触媒機能を促進させてもよい。
【0013】
本発明において、「多孔質無機不活性物質」は、光触媒酸化チタンの微粒子に多孔質の保護被覆を施すことにより「無機複合粒子」を構成している。このため、これに用いられる多孔質無機不活性物質は、形成された無機複合粒子が樹脂への配合時の外力によって破壊されないだけの強度を有する必要がある。更に、該多孔質無機不活性物質は、酸化チタンの光触媒作用に対してはそれ自身安定でなければならず、しかも、光触媒含有層の形成に用いる樹脂に対しては不活性でなければならない。このような多孔質無機物質としては、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ及び酸化亜鉛等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0014】
多孔質無機不活性物質からなる保護被覆層の有する孔径は、0.5〜100nm程度であることが好ましく、1〜30nmであることが更に好ましい。孔径があまり大きいと樹脂が酸化チタンに接触して分解されて異臭や着色の原因となり、逆に孔径が余りに小さいと、臭気物質の分子径がそれより大きい場合に当該臭気物質が酸化チタンまで到達せず、該触媒により分解することができなくなるためである。
【0015】
光触媒酸化チタンの微粒子に多孔質無機不活性物質で保護被覆を施してなる無機複合粒子の平均粒径は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることが更に好ましい。無機複合粒子の粒径が0.1μmより小さいと多孔質無機不活性物質による保護コーティング層が簿くなり過ぎて、光触媒含有層を構成する樹脂を光触媒酸化チタンの光触媒作用から保護することが困難となる場合がある。これに対し、無機複合粒子の粒径が10μmより大きいと光触媒含有層表面が粗くなり過ぎ、塗膜表面が過度に弱くなる場合がある。
【0016】
かかる無機複合粒子を含有する光触媒含有層は、その表面の粗さが、JIS−B0601における表面粗さRaで0.05〜1.0μmの範囲とするのが好ましく、0.1〜0.5μmの範囲とするのが更に好ましい。これは、次の理由によるものである。
【0017】
(1)光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆した無機複合粒子を含有する光触媒含有層表面のJlS−B0601における表面粗さRaが0.05μmより小さい場合には、光触媒含有層を形成する樹脂に前記無機複合粒子が実質上完全に埋没しており、該複合粒子が悪臭物質と接触する機会が減少して悪臭物質の分解効率が低下すること、更に、光触媒含有層の表面積が相対的に小さくなり該層の悪臭物質吸着量が減少するため、消臭能力が低下すること。
【0018】
(2)該無機複合粒子を含有する光触媒含有層表面のJlS−B0601における表面粗さRaが1.0μmより大きいと、該無機複合粒子が、小さな摩擦等により光触媒含有層から容易に脱落してしまい、且つ、使用に耐えうるだけの鉛筆硬度も得られないこと。
【0019】
本発明において、無機複合粒子を含有する光触媒含有層表面のJlS−K5400における鉛筆硬度は、B以上でなければならない。これは、鉛筆硬度がBを下回ると、表面素材として使用されたとき、擦傷などが容易につき、表面外観を著しく損なうこととなるためである。
【0020】
かかる光触媒含有層表面について、JlS−K5400における鉛筆硬度B以上を達成する手投としては、平均粒径が0.1μm〜10.0μmである光触媒酸化チタン微粒子に多孔質無機不活性物質で保護被覆を施した無機複合粒子を使用し、該光触媒含有層のコート厚みを該無機複合粒子の平均粒径の0.1倍以上、好ましくは0.5倍以上にすることがあげられる。また、該光触媒含有層の樹脂中に架橋剤を添加することが更に好ましい。
【0021】
本発明において、光触媒含有層を形成するには、光触媒含有層の形成に用いる樹脂溶液に前記無機複合粒子を混合してから熱可塑性樹脂フィルムに塗布する方法や、光触媒含有層の形成に用いる樹脂中に前記無機複合粒子を混合し分散させた後、溶融押出しする方法で、基材となる熱可塑性フィルムと同時に押出す共押出し法、基材フィルム上に別途押出しして積層する押出しラミネート法、予め製造したフィルムを各種ラミネート法で積層するドライラミネート法などいずれの方法を用いてもよい。しかし、前記無機複合粒子を含有する樹脂溶液を熱可塑性樹脂フィルムに塗布する方法が、材料選択の幅が広いことや光触媒含有の樹脂層を容易にかつ均−に形成しやすいこと等から、好ましい。
【0022】
前記無機複合粒子を含有する樹脂溶液を熱可塑性樹脂フィルムに塗布するには、一般的なロールコート法やダイコート法、バーコート法、ディップコート法等、任意の方法を選択してよい。塗布は、該フィルム製膜後に別工程として行なってもよく、また、該フィルム製膜工程内で塗布乾燥延伸を行うインラインコート法として行なってもよい。
【0023】
光触媒含有層を塗布法にて形成する場合、用いる樹脂は、有機溶剤や水に溶解あるいは水に分散する樹脂が好ましいがそれらに限定されない。ただし、塗布、乾燥における大気汚染の軽減や塗布設備の費用面、塗膜中の残留溶剤の問題等から、水溶性または水分散性の樹脂が好ましい。
【0024】
また塗布法に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れでもよい。ただし、該光触媒含有層表面のJlS−K5400における鉛筆硬度B以上を達成するためには、架橋剤として作用する樹脂その他の物質が含まれていることが更に好ましい。好ましい樹脂の代表例としては、下記の樹脂またはそれらの混合物や共重合物を挙げることができる。すなわち、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフイン系樹脂、フツ素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、各種グラフト樹脂等である。また電子線硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等を使用してもよい。
【0025】
本発明において、光触媒含有層に他の機能を付与するために各種添加剤や機能性樹脂を混合してもよい。例えば、帯電防止剤等の界面活性剤、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子や導電性ウィスカーやlTO微粒子、無機滑剤や有機潤滑剤、他の消臭剤、各種抗菌粒子、抗菌性を有する高分子、吸水性を有する高分子等をそれぞれの目的に応じて混合することができる。
【0026】
本発明における光触媒含有層の厚みは、該光触媒含有層表面のJlS−K5400における鉛筆硬度B以上が達成されていれば制限はない。通常0.01〜100μm程度であり、塗布法により形成した場合は0.1〜20μmであるのが好ましく、1〜10μmであるのが更に好ましい。即ち、厚みが0.1μmより薄いと、上記無機複合粒子の樹脂への定着性が不良になり該無機複合粒子の脱落等の問題が起こる。また、厚みが20μmを超える場合には、原料コストの上昇に見合うだけの消臭効果の向上がみられないので好ましくない。
【0027】
光触媒含有層を形成する組成物を溶融押出して積層する押出しラミネート法又は予め製膜した光触媒層を積層するドライラミネート法で形成した光触媒含有層の厚みは1〜100μm程度が望ましい。
【0028】
光触媒含有層を構成する無機複合粒子と樹脂との比率は、特に制限されないが、無機複合粒子/樹脂の重量比が20より大になると無機複合粒子と樹脂との定着性が不良になり、樹脂の種類によっては無機複合粒子の脱落等の問題が起こる。また、無機複合粒子/樹脂の重量比が1/10より小になると、透明性の良好な層が形成される一方、消臭能力は低くなる。この場合、光触媒含有層の厚みを増やすことにより対応することができる。このように、使用目的によって無機複合粒子/樹脂の重量比を適宜決めることができる。
【0029】
光触媒含有層には、更に、印刷層やガスバリアー性を有さない物質よりなる被覆層を設けてもよい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
【0031】
本発明で採用した測定評価法は下記の通りである。
(1)Ra測定
Raの測定は、JIS−B0601における表面粗さ測定に準じて行なった。
【0032】
(2)鉛筆硬度測定
鉛筆硬度の測定は、JIS−K5400における鉛筆引っかき試験に準じて行なった。
【0033】
(3)消臭能力評価
容量5000ccのテフロン製バッグ中に、下記の実施例及び比較例で得られたフィルムのA4サイズ試料を入れ、アンモニアを濃度100ppmになる様注入し、暗室内においてフィルム試料上での紫外線強度0.3mW/cm2になるようブラックライトにて照射し、24時間後のアンモニアの濃度を検知管により調べた。
【0034】
(4)接着性評価
実施例、比較例で得られたフィルムにつき、セロテープ剥離テストを行った。セロテープ剥離テストは、光触媒含有層面に2mm碁盤目を入れ、その部分にセロハンテープ(商品名RT−18:ニチバン(株)製)を均一に貼着した後180度方向に剥離し、光触媒含有層の剥離の有無を目視により調べた。
【0035】
<実施例1>
光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)1重量%に対し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)96重量%、およびメラミン系架橋剤(住友化学工業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)3重量%を加え塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋紡績(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)に塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の組成(重量%)は、無機複合粒子/ポリビニルアルコール/メラミン系架橋剤=7.7/73.8/18.5である。
【0036】
<比較例1>
光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子として、五洋紙工(株)製消臭剤「GYT」を分級して、平均粒径15μmの粒子を得た。その平均粒径15μmの粒子1重量%に対し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)96重量%、およびメラミン系架橋剤(住友化学工業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)3重量%を加え塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋紡績(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)に塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の組成(重量%)は無機複合粒子/ポリビニルアルコール/メラミン系架橋剤=7.7/73.8/18.5である。
【0037】
<比較例2>
光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工(株)製消臭剤「GYT」、平均拉径7μm)0.1重量%に対し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)96.9重量%、およびメラミン系架橋剤(住友化学工業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)3重量%を加え塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋紡績(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)に塗布、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の組成(重量%)は無機複合粒子/ポリビニルアルコール/メラミン系架橋剤=0.8/79.5/19.7である。
【0038】
<比較例3>
光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆した無機複合粒子(五洋紙工(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)10重量%に対し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)87重量%、およびメラミン系架橋剤(住友化学工業(株)製スミマール)3重量%を加え塗布剤とした。その塗布剤を、基材とした東洋紡績(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)に塗布、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み0.5μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の組成(重量%)は無機複合粒子/ポリビニルアルコール/メラミン系架橋剤=47.4/41.2/11.4である。
【0039】
(評価結果)
実施例1で得られた光触媒含有層積層フィルムについては、上記消臭力評価試験において、バッグ中のアンモニア濃度の著しい低下が見られ、24時間後には1ppm以下になっていた。また、基材に対する光触媒含有層の接着性は良好であり、コートした光触媒含有層は、セロテープ剥離試験では剥がれることがなかった。また光触媒含有層表面は十分な硬度を有し、爪で引っかいても傷は付かなかった。
【0040】
比較例1で得られた光触媒含有層積層フィルム(表面粗さRaが1.3μmであった。)では、上記消臭力評価試験において、アンモニア濃度の著しい減少が見られ、24時間後には1ppm以下になっていた。しかしながら、何れも基材に対する光触媒含有層の接着性が不良で、コートした光触媒含有層は、セロテープ剥離試験で剥離してしまい、また、爪で引っかくと簡単に基材から剥がれてしまった。
【0041】
比較例2で得られた光触媒含有層積層フィルム(表面粗さRaが0.02μmであった。)では、基材に対する光触媒含有層の接着性は良好であったものの、アンモニア濃度の満足な減少は見られなかった。
【0042】
比較例3で得られた光触媒含有層積層フィルム(表面粗さRaが1.8μmであった。)では、上記消臭力評価試験において、アンモニア濃度の著しい減少が見られ、24時間後には1ppm以下になっていた。しかしながら、何れも基材に対する光触媒含有層の接着性が不良で、コートした光触媒含有層は、セロテープ剥離試験で剥離してしまい、また、爪で引っかくと簡単に基材から剥がれてしまった。
【0043】
実施例及び各比較例についての評価結果を次の表1にまとめる。
【0044】
【表1】
Figure 0003931418
【0045】
【発明の効果】
以上の構成になる本発明により、酸化チタンの優れた消臭効果を発揮させながら、酸化チタンを保持する樹脂の破壊を防止し且つ十分な表面硬さを備えた、耐久性のある消臭シートが提供できる。

Claims (2)

  1. 熱可塑性フィルム基材と該熱可塑性フィルム基材の少なくとも片面に積層された光触媒含有層とを含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性フィルムであって、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子を含んだ樹脂層よりなり、該無機複合粒子の平均粒径が0.1〜10.0μmであり、該無機複合粒子/樹脂の重量比が0.1〜20であり、該光触媒含有層において、該熱可塑性フィルム基材を覆う樹脂の厚みが該無機複合粒子の平均粒径の少なくとも0.1倍であり、該光触媒含有層を構成する樹脂が架橋されており、該光触媒含有層表面のJIS−K5400における鉛筆硬度がB以上であり、且つ、該光触媒含有層のJIS−B0601による表面粗さRaが0.05〜1.0μmであることを特徴とする、光触媒含有層積層熱可塑性フィルム。
  2. 該熱可塑性フィルム基材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする、請求項の光触媒含有層積層熱可塑性フィルム。
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