JPH1158624A - 光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板 - Google Patents

光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板

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JPH1158624A
JPH1158624A JP22722597A JP22722597A JPH1158624A JP H1158624 A JPH1158624 A JP H1158624A JP 22722597 A JP22722597 A JP 22722597A JP 22722597 A JP22722597 A JP 22722597A JP H1158624 A JPH1158624 A JP H1158624A
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JP
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photocatalyst
thermoplastic resin
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JP22722597A
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Shinji Suzuki
慎司 鈴木
Akito Hamano
明人 濱野
Juji Konagaya
重次 小長谷
Chikao Morishige
地加男 森重
Masayoshi Sato
昌由 佐藤
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒含有層と熱可塑性樹脂フィルムとの接
着界面において光触媒作用により熱可塑性樹脂フィルム
側が破壊されて接着力が低下したり、光触媒含有層が剥
離したりするようなことがなく、消臭性、耐候性、意匠
性をバランスよく満足する被覆金属用光触媒含有層積層
熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光
触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆した無機複合粒
子を含有する光触媒含有層を積層し、熱可塑性樹脂フィ
ルムの他方の面に接着層を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒含有層積層
熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板、特に、酸化チタ
ンの持つ光触媒作用による酸化・消臭効果を付与し、長
期使用に耐える耐久性を有した被覆金属用光触媒含有積
層熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板に合成樹脂を被覆した被覆
金属板は防錆性等が期待される一般工業用途に広く使用
されており、特に鋼板等の金属板に印刷層等を有する塩
化ビニル樹脂を被覆した化粧金属板は、建材類、家庭電
化製品、乗り物類等用として広く用いられている。
【0003】しかし、塩化ビニル樹脂を被覆した化粧金
属板は、使用時間の経過とともに表面の塩化ビニル樹脂
層が紫外線や熱、水分等の影響により劣化したり、塩化
ビニル樹脂中の可塑剤の揮発により表面特性が著しく低
下することや、甚だしい変色を呈する等の欠点を有して
いる。さらに、消臭性がないため、消臭性が要求される
用途では使用できない。
【0004】塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム
に消臭性を付与する方法としては、チタニアゾル等のゾ
ルゲル法による無機薄膜中に光触媒酸化チタンを含有す
る方法が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光触媒含有
層を積層した熱可塑性樹脂フィルムは、基材の熱可塑性
樹脂フィルム上に直接、酸化チタンを含有した層、特に
チタニアゾル等、光触媒含有層を積層すると、光触媒含
有層と熱可塑性樹脂フィルムとの接着界面において光触
媒作用により熱可塑性樹脂フィルム側が破壊され、接着
力が低下し、ついには光触媒含有層が剥離し、長期使用
に耐えられないという問題があった。また、樹脂フィル
ム中に光触媒酸化チタンを直接混合、分散させる方法で
は、フッ素樹脂等一部の樹脂を除き、樹脂フィルム自体
が光触媒反応による分解を起こし、光触媒を含有する樹
脂フィルムの長期使用による劣化が起こる。
【0006】本発明は、上記従来の光触媒含有層積層熱
可塑性樹脂フィルム及び積層金属板の有する問題点を解
決し、光触媒含有層と熱可塑性樹脂フィルムとの接着界
面において光触媒作用により熱可塑性樹脂フィルム側が
破壊されて接着力が低下したり、光触媒含有層が剥離し
たりするようなことがなく、消臭性、耐候性、意匠性を
バランスよく満足する光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フ
ィルム及び積層金属板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム
は、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光触媒酸化チ
タンを無機不活性物質で被覆した無機複合粒子を含有す
る光触媒含有層を積層し、熱可塑性樹脂フィルムの他方
の面に接着層を設けたことを特徴とする。
【0008】ここで、無機不活性物質とは光触媒含有層
を形成する樹脂に対して不活性な無機物質を意味する。
【0009】上記の構成からなる本発明の光触媒含有層
積層熱可塑性樹脂フィルムは、光触媒含有層と熱可塑性
樹脂フィルムとの接着界面において光触媒作用により熱
可塑性樹脂フィルム側が破壊されて接着力が低下した
り、光触媒含有層が剥離したりするようなことがなく、
消臭性、耐候性、意匠性をバランスよく満足し、酸化チ
タンの持つ光還元触媒作用による酸化・消臭の効果を発
揮し、長期使用に耐える耐久性を有し、かつ、他の層、
特に被覆金属層との接着性に優れている。
【0010】また、本発明の光触媒含有層積層熱可塑性
樹脂フィルム積層金属板は、熱可塑性樹脂フィルムの一
方の面に、光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆し
た無機複合粒子を含有する光触媒含有層を積層し、熱可
塑性樹脂フィルムの他方の面に接着層を介して金属板を
設けたことを特徴とする光触媒含有層積層熱可塑性樹脂
フィルム積層金属板。
【0011】上記の構成からなる本発明の光触媒含有層
積層熱可塑性樹脂フィルム積層金属板は、光触媒含有層
と熱可塑性樹脂フィルムとの接着界面の接着力が低下し
たり、光触媒含有層が剥離したりするようなことがな
く、消臭性、耐候性、意匠性をバランスよく満足し、酸
化チタンの持つ光還元触媒作用による酸化・消臭の効果
を発揮し、金属層と積層した状態で長期使用に耐える耐
久性を有する。
【0012】また、本発明の好適な実施態様としては、
熱可塑性樹脂フィルムと接着層との間に印刷層を設ける
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光触媒含有層積層
熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板の実施の形態を説
明する。
【0014】本発明でいう熱可塑性樹脂フィルムとは有
機高分子を溶融押し出して得たフィルム、また、さらに
必要に応じて縦方向又は幅方向に1軸又は2軸延伸、冷
却、熱固定して得たフィルムである。上記有機高分子か
らなるフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、空洞含有ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、空洞含有ポリエステル、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ンポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリア
ミドイミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニ
レンオキサイド等のフィルムが挙げられる。また、これ
らの有機高分子は異なる単量体を共重合した物や、有機
高分子同士をブレンドした物でも良い。
【0015】さらにこの有機高分子には公知の添加剤、
例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色
剤などが添加されていても良い。
【0016】本発明で用いられる、無機不活性物質とは
光触媒含有層を形成する樹脂に対して不活性な無機物質
であり、光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆した
無機複合粒子とは、多孔質シリカ等光触媒含有層を形成
する樹脂に不活性な無機物質で酸化チタンを被覆し、酸
化チタンに樹脂が直接接触して樹脂が分解することを防
ぎ、臭気等の低分子物を吸着、分解するようにした粒子
である。具体例としては酸化チタンを多孔質シリカで被
覆し、さらに吸着効果を付与する為にゼオライトと複合
した五洋紙工(株)製の消臭剤GYT等が挙げられる。
【0017】光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆
した無機複合粒子を含有する光触媒含有層を形成する手
段としては、光触媒含有層を形成する樹脂溶液に無機複
合粒子を混合してから塗布する方法や上記樹脂中に混
合、分散後溶融押出しする方法で基材となる熱可塑性樹
脂フィルムと同時に押し出す共押し出し法、基材フィル
ム上に別途押し出しして積層する押し出しラミネート
法、予め製造したフィルムを各種ラミネート法で積層す
るドライラミネート法などいずれの方法でもよい。しか
し、熱可塑性樹脂フィルムに樹脂溶液を塗布する方法が
材料選択の種類が多いことや樹脂層を容易に且つ、均一
に形成しやすいこと等から好ましい。
【0018】光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆
した無機複合粒子を含有した光触媒含有層を熱可塑性樹
脂フィルムに塗布する方法としては、一般的なロールコ
ート法やダイコート法、バーコート法、ディップコート
法等任意に選択できる。光触媒酸化チタンを無機不活性
物質で被覆した無機複合粒子を含有した樹脂を熱可塑性
樹脂フィルムに塗布する場合、該フィルム製膜後の別工
程で塗布しても良いし、該フィルム製膜工程内で塗布乾
燥後延伸を行うインラインコート法で塗布してもよい。
【0019】光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆
した無機複合粒子を含有する光触媒含有層を塗布法にて
形成する場合に用いる樹脂は、有機溶剤や水に溶解ある
いは分散する樹脂が好ましいがそれらに限定されない。
熱可塑性、熱硬化性樹脂の何れでも用いることができる
が、代表例としては下記の樹脂又はそれらの混合物、共
重合物を挙げることができる。即ち、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹
脂、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系樹脂、スチレ
ン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、各種グラフト樹脂等が挙げら
れる。また電子線硬化や紫外線硬化樹脂等を使用しても
よい。しかし塗膜強度、接着性に優れ、環境に対する影
響、衛生性等汎用性の観点からポリエステル系樹脂を使
用するのが最も好ましい。また塗布、乾燥における大気
汚染の軽減や塗布設備の費用面、塗膜中の残留溶剤の問
題等から水溶性又は水分散性ポリエステル系樹脂を用い
るのがさらに好ましい。
【0020】水溶性又は水分散性ポリエステル系樹脂は
種々の組成、製造法が存在するが塗膜強度や接着性等の
要求特性が実用上問題なければ特に制限はなく、さらに
他の樹脂や添加剤を加えて使用することも問題ない。
【0021】光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆
した無機複合粒子を含有した光触媒含有層に他の機能を
付与するために各種添加剤や機能性樹脂を混合してもよ
い。例えば光触媒含有層の強度を高めるため各種架橋剤
を反応させても良く、帯電防止剤等の界面活性剤、ポリ
アニリン、ポリピロール等の導電性高分子や導電性ウィ
スカー、ITO微粒子、無機滑剤、有機潤滑剤、他の消
臭剤、各種抗菌粒子、抗菌性を有する高分子、吸水性を
有する高分子等をそれぞれの目的に応じて混合すること
ができる。
【0022】光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆
した無機複合粒子を含有する光触媒含有層の厚みは特に
制限は無いが通常0.01〜100μm程度であり、塗
布法により形成した場合は0.01〜20μm程度が望
ましい。これらの厚みが0.01μmより薄いと、上記
無機複合粒子の樹脂への定着性が不良になり無機複合粒
子の脱落等の問題が起こる。光触媒含有層を形成する組
成物を溶融押し出しして積層する押し出しラミネート法
又は予め成膜した光触媒含有層を積層するドライラミネ
ート法で形成した光触媒含有層の厚みは1〜100μm
程度が望ましい。
【0023】光触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆
した無機複合粒子と光触媒含有層を形成する樹脂との比
率は特に制限されないが、無機複合粒子/樹脂の重量比
が20/1より大になると無機複合粒子と樹脂との定着
性が不良になり、樹脂の種類によっては無機複合粒子の
脱落等の問題が起こる。また、無機複合粒子/樹脂の重
量比が1/10より小になると、透明性の良好な層が形
成されるが消臭能力は低くなる。この場合、光触媒含有
層の厚みを大きくすることにより対応することができ
る。このように、使用目的によって無機複合粒子/樹脂
の重量比を決めることができる。
【0024】本発明においては、熱可塑性樹脂フィルム
の一方の面は光触媒含有層であり、他方の面は接着層で
ある。接着層を形成する接着剤は一般に用いられるもの
を広く使用することができるが、例えば、ポリウレタン
系、フェノール系、フラン系、尿素系、メラミン系、ポ
リエステル系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性
樹脂、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及
びその部分加水分解物、エチレン−アクリル酸共重合
体、アクリル系樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、ブ
タジエン−アクリロニトリルゴム、ネオプレン、その他
のゴム誘導体、その他ニカワ、カゼイン、天然樹脂、ア
ラビアゴム等の1種又は2種以上を主成分とする接着剤
をあげることができる。これらの接着剤はそれぞれの特
性を生かして、前記の、光触媒含有層を熱可塑性樹脂フ
ィルムに積層する方法に準じて任意に積層することがで
きる。本発明における接着層の厚みは特に制限はないが
通常0.01〜100μm程度であり、好ましくは0.
1〜20μm程度である。
【0025】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの一
方の面には印刷層を設けることが好ましい。この印刷層
は、熱可塑性樹脂フィルムと金属板との間の接合面に設
けることが好ましい。また、熱可塑性樹脂フィルムと金
属板との間の接着層との関係では、印刷層は熱可塑性樹
脂フィルムと接着層の間に設けることが好ましい。
【0026】本発明において形成する場合の印刷層の印
刷インキに用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂フィルム
に対して接着性を有するものでなければならない。例え
ばアクリル系樹脂、ゴム系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレ
タン系樹脂、アミノ系樹脂もしくはポリエステル系樹脂
の1種あるいは2種以上を含むものであることが好まし
い。印刷インキに添加する顔料としては、通常インキの
顔料として使用されている無機顔料、有機顔料、金属の
粉末の1種又は2種以上を用いることができる。
【0027】本発明でいう金属板とは鋼、鉄、アルミニ
ウム、ブリキ、ステンレス等といった一般の金属の板状
体をいう。
【0028】熱可塑性樹脂フィルムの金属板への積層は
片面であっても両面であってもどちらでもよい。両面に
積層する場合は同時に積層しても逐次で積層してもよ
い。
【0029】上記熱可塑性樹脂フィルムを積層した金属
板は、表面がマット調であり金属板からの反射光が乱反
射され優れた意匠性をもつ。
【0030】本発明においては、熱可塑性樹脂フィルム
としてポリ塩化ビニルフィルムを用い、光触媒酸化チタ
ンを無機不活性物質で被覆した無機複合粒子を含有する
光触媒含有層の反対面に接着剤を介して金属板に貼り合
わせて得られる積層金属板は耐久性が優れたものであっ
て、特に好ましい具体例の一つである。
【0031】なお、本発明において熱可塑性樹脂フィル
ムとして用いるのが好ましいポリ塩化ビニルフィルムと
しては、従来から化粧金属板に用いられているポリ塩化
ビニルフィルムを用いることができ、例えばポリ塩化ビ
ニル、或いは塩化ビニルと共重合しうる他のモノマー
(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等)と塩化
ビニルとの共重合体等からなるフィルムを例示できる。
り、さらに、上記熱可塑性樹脂フィルムを積層した金属
板は、表面がマット調であり金属板からの反射光が乱反
射され優れた意匠性をもつ。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するがこれらに限定されるものではない。なお、本
発明で採用した測定評価法は下記の通りである。
【0033】(1)消臭力評価 容量5000ccのテフロン製バック中に、実施例、比
較例で得られた積層金属板のA4サイズ試料を入れ、ア
ンモニアを濃度100ppmになるよう注入し、暗室内
でフィルム試料上での紫外線強度0.3mw/cm2
なるようブラックライトにて照射し、24時間後のアン
モニアの濃度変化を検知管により調べた。
【0034】(2)耐候性評価 実施例、比較例で得られた積層金属板を暗室内で金属板
試料上での紫外線強度0.3mw/cm2になるようブ
ラックライトにて1000時間照射した。各サンプルに
ついて色差測定及びセロテープ剥離テストを行った。 ・色差測定:カラーb値をフィルムの黄変の度合いのメ
ジャーとした。 ・セロテープ剥離テスト:光触媒含有層面に2mm碁盤
目を入れ、その部分にセロハンテープ商品名RT−18
(ニチバン(株)製)を均一に貼着した後180度方向
に剥離し、光触媒含有層の剥離の有無を目視により調べ
た。
【0035】(実施例1)光触媒酸化チタン含有複合無
機粒子(五洋紙工(株)製:消臭剤「GYT」)100
部を用い、これに対し、共重合組成がテレフタル酸/イ
ソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//エ
チレングリコール/ネオペンチルグリコール=48/4
8/4//40/60の共重合ポリエステル50部をブ
チルセロソルブ10部、イソプロピルアルコール500
部、水500部に分散した水分散ポリエステル樹脂を加
え塗布剤とした。この塗布剤を、熱可塑性樹脂フィルム
としての東洋紡績(株)製2軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルムE5100(100μm厚)に塗布
し、150℃1分乾燥後塗布厚み0.5μmの光触媒含
有層積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0036】(実施例2)実施例1において用いた2軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの替わりに東
洋紡績(株)製の空洞含有ポリエステルフィルム:クリ
スパー(100μm厚)を使用した以外、実施例1と同
様にして光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルムを得
た。
【0037】(比較例1)光触媒酸化チタン含有複合無
機粒子(五洋紙工(株)製GYT)の替わりに石原テク
ノ(株)製光触媒酸化チタン「ST−01」を使用した
こと以外、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
【0038】(比較例2)不活性無機微粒子を全く添加
しない以外、実施例1と同様にして積層フィルムを得
た。
【0039】(比較例3)厚さ100μmのポリ塩化ビ
ニルフィルムを用いた。
【0040】上記実施例1〜2、比較例1〜3で得られ
た計5種類のフィルムをポリエステル系接着剤を用い
て、約200℃に加熱した板厚0.5mmのアルミ板の
片面に貼り合わせ、冷却して光触媒含有層積層熱可塑性
樹脂フィルムを得た。
【0041】実施例1及び2で得られたフィルムを積層
した積層金属板は、消臭力評価でアンモニアの濃度減少
が見られ、24時間後1ppm以下になった。また、接
着性評価で長時間光を照射した後の接着性は良好で、色
の変化も少なかった。
【0042】比較例1で得られたフィルムを積層した積
層金属板は、アンモニアの濃度減少が見られ、24時間
後1ppm以下になった。しかし、長時間照射した後に
接着性の大幅な低下が見られ、また、フィルムが黄変し
た。
【0043】比較例2で得られたフィルムを積層した積
層金属板は、アンモニアの濃度減少は見られなかった。
光を長時間照射した後の接着性は良好で、色の変化も少
なかった。
【0044】比較例3で得られたフィルムを積層した積
層金属板は、アンモニアの濃度減少は見られなかった。
光を長時間照射した後の接着性は良好であったが、フィ
ルムが黄変した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の光触媒含有層積層熱可塑性樹脂
フィルム及び積層金属板によれば、光触媒含有層と熱可
塑性樹脂フィルムとの接着界面において光触媒作用によ
り熱可塑性樹脂フィルム側が破壊されて接着力が低下し
たり、光触媒含有層が剥離したりするようなことがな
く、消臭性、耐候性、意匠性をバランスよく満足し、酸
化チタンの持つ光還元触媒作用による酸化・消臭の効果
を発揮し、長期使用に耐える耐久性を有し、かつ、他の
層、特に被覆金属層との接着性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森重 地加男 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐藤 昌由 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光
    触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆した無機複合粒
    子を含有する光触媒含有層を積層し、熱可塑性樹脂フィ
    ルムの他方の面に接着層を設けたことを特徴とする光触
    媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光
    触媒酸化チタンを無機不活性物質で被覆した無機複合粒
    子を含有する光触媒含有層を積層し、熱可塑性樹脂フィ
    ルムの他方の面に接着層を介して金属板を設けたことを
    特徴とする光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム積層
    金属板。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルムと接着層との間に
    印刷層を設けたことを特徴とする請求項1記載の光触媒
    含有層積層熱可塑性樹脂フィルム又は請求項2記載の光
    触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム積層金属板。
JP22722597A 1997-08-08 1997-08-08 光触媒含有層積層熱可塑性樹脂フィルム及び積層金属板 Pending JPH1158624A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001105535A (ja) * 1999-10-13 2001-04-17 Hiraoka & Co Ltd 変退色防止性に優れた着色シート
JP2002036418A (ja) * 2000-07-24 2002-02-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光触媒機能を有するフィルム素材
JP2003181998A (ja) * 2002-09-24 2003-07-03 Hiraoka & Co Ltd 変退色防止性に優れた着色シート

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