JP3784520B2 - エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムおよび積層体 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムおよび積層体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚れに対し高度の耐性を有し、かつ生産性、取り扱い性に優れたフィルム、及び積層体、並びに内装材に関する。
【0002】
【従来技術】
エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、強度、耐薬品性に優れ、かつ、各種気体や有機化合物の多くを実質的に透過しない、また、静電気を帯びにくくほこりなどが付きにくいなどの優れた特性と、透明度が高く、しかも、外観にプラスチック特有の安っぽさが無く人間の感覚になじみやすいなど高度の審美性を持つ。そのため単体、あるいは他種材料と複合化し、各種積層体の耐久性、防汚性、審美性向上材として好んで用いられる。特に特公平4−56744、特公平6−49816、特開平6−297654などで述べられているようにポリ塩化ビニル(PVC)シートに対して複合化した場合、油性物質(油性マジック、口紅、植物油、たばこのヤニなど)などの汚染が起こらなくなるだけでなく、PVCが含む可塑剤の滲出を防止し、従来起こっていた、室内環境の汚染、隣接プラスチック類の破壊、あるいは外観の低下などを防止できることから多用されている。
【0003】
このように優れた特性を持つEVOHフィルムであるが、ごく1部の物質、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン糊などとは例外的に親和性が高く、1度付着するとその除去には多大な労力を必要とする。しかも、これらの物質は、自身が微生物等の栄養源となり変色する、あるいは周囲の埃、ゴミなどを粘着するなどし、美観を著しく低下させる場合がある。
【0004】
しかも、当該物質は、コストパフォーマンス、安全性、作業性に優れた材料であることから日常の事務作業、子供の工作、あるいは建築の内装作業などに広く用いられているため、これによるEVOHフィルムの汚染はしばしば発生している。
【0005】
この様なフィルムの汚染に対し、通常のプラスチックフィルムであれば、離型剤、例えばオレフィン類、シリコーンオイルなどを塗布することである程度の耐性を付与できることが知られている。
【0006】
しかしながら、EVOHフィルムにおいてはその高い極性に基づく優れた耐汚染性のために、通常の離型剤の付着を許さず、混練あるいは機械的な塗布に対しても表面ではじかれるため、離型剤による対応は不可能とされてきた。
【0007】
さらに、他の改良手法も見いだされておらず、現在可能な対策としては、当該物質を付着させないように注意するというはなはだ消極的な方法のみである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、あらゆる汚染に対し優れた抵抗性を持つEVOHフィルム、及びそれを用いた積層体、並びに内装材を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成すべく検討した結果、界面活性剤を塗布して用いた場合に、EVOHフィルム上ではじかれることなく、良好に付着させることができることがわかった。しかもこれにより、EVOHフィルムとポリビニルアルコール、デンプン糊らとの親和性が顕著に低下して、汚染に対する抵抗性が著しく向上し、同時に油性の汚れに対する抵抗性も格段に向上することが明らかになった。しかも従来エバールフィルムの欠点とされていたフィルムの膠着性もが著しく低下し、フィルムの生産性および取り扱い性も格段に向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明の目的は、エチレン含有量20〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィルムの表面に界面活性剤が塗布されてなるフィルムを提供することによって達成される。
【0011】
このとき、界面活性剤が、非極性基として下記(A)群から選ばれる少なくとも1つ以上の基を有し、極性基として下記(B)群から選ばれる少なくとも1つ以上の基を有することが好ましい。
(A)群;炭素数10以上の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ポリアルキルシロキサンからなる基。
(B)群;ポリアルキレングリコールからなる基、スルホン酸基またはその塩、カルボキシル基またはその塩 、ヒドロキシル基、アミノ基またはその塩。
【0012】
さらに、界面活性剤の非極性基がポリアルキルシロキサンからなる基であること、あるいは極性基がポリアルキレングリコールからなる基であることがより好適であり、界面活性剤がポリアルキルシロキサン−ポリアルキレングリコールブロック共重合体からなることが最適である。
【0013】
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体がそれ以外の熱可塑性樹脂または無機もしくは有機フィラーを1〜60重量%含むことが好適であり、このとき熱可塑性樹脂がカルボン酸変成ポリオレフィンであることがより好適である。
【0014】
可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩化ビニル系フィルムまたはシートと上記EVOHフィルムが、界面活性剤を塗布した面が最表面に配置されるように積層されてなる積層体は本発明の実施の好適な態様である。また、上記EVOHフィルムまたは積層体が、界面活性剤を塗布した面が最表面に配置されるように積層されてなる内装材も本発明の実施の好適な態様である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明に用いられるEVOHはエチレン含有量が20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%であり、ケン化度が90%以上、好ましくは95%以上のものである。エチレン含有量が20モル%未満では耐水性が低下し、水溶性の物質による汚染に対する抵抗性が低下するほか、加工性が低下し、内装材として用いる際の意匠性に制限を生じる。また、エチレン含有量が60モル%を超えるか、あるいはケン化度90%未満では耐油性が低下し、油性の物質による汚染が生じやすくなるほか、PVCやエラストマー類に積層する場合などに可塑剤の透過を許すようになるため好ましくない。
【0016】
EVOHの原料として用いられる脂肪酸ビニルとしては酢酸ビニルなど公知のもののいずれも用いられるが、酢酸ビニルが好適である。更に、本発明の効果を阻害しない範囲でプロピレン、N−ビニルピロリドンなど、エチレン、脂肪酸ビニル以外のコモノマー成分を用いることもできる。
【0017】
EVOHはエチレン含有率やケン化度や重合度の異なる2種以上のEVOHのブレンド物であっても良く、本発明の効果を阻害しない範囲でホウ酸、酸化防止剤、スリップ剤、抗菌剤、着色剤、消臭剤、紫外線吸収剤、滑剤などをブレンドしても良い。
【0018】
本発明のフィルムに用いられるEVOHは、EVOH以外の熱可塑性樹脂または無機もしくは有機フィラーを含むことが好ましい。かかるEVOH以外の熱可塑性樹脂または無機もしくは有機フィラーは、フィルムの膠着性の低下と、フィルムの外観(光沢度、透明度)の調整のためEVOHに配合される。
その配合量は必要とされる光沢、透明度に応じ任意に調節されるが、フィルム重量に対して1〜60重量%含むことが好ましい。特に内装材用途では、光沢度の面の要求から3重量%以上含むことが好ましく、10重量%以上含むことがより好ましく、15重量%以上含むことが最も高級感に優れた光沢度(艶消し面)が得られ好ましい。配合するものが熱可塑性樹脂である場合には、配合量が60重量%を超える場合、フィルムの耐汚染性、耐薬品性が低下するうえ、種類によっては積層が不可能となる場合もあるので好ましくない。また、配合するものが無機もしくは有機フィラーの場合には、配合量が60重量%を超える場合、著しくフィルム強度が低下するため好ましくない。
【0019】
EVOHに配合される熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、ポリオレフィン、PMMA、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。
なかでも、積層、意匠性付与のためのエンボス加工などの加工条件がEVOHに近いため、配合フィルムの加工性が最も優れることからポリオレフィン系樹脂が好ましく、中でもポリエチレン系樹脂が最適である。また、安定した分散性を示し、その結果生産条件によるフイルムの性能変化を起こしにくく、生産性に優れることから、ポリオレフィン系樹脂は無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸で変成されていることがより好ましく、カルボン酸変成ポリエチレンが最適なものとしてあげられる。
【0020】
EVOHに配合される無機もしくは有機フィラーは特に限定されるものではなく、無機フィラーとしては例えば、タルク、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、各種のウイスカー(チタン酸カリ、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、フライアッシュ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ゼオライト類などが挙げられる。また、有機フィラーとしては、例えば、熱硬化型アクリル樹脂、エポキシ樹脂などに代表される各種熱硬化樹脂の粉砕物、天然もしくは合成ゴムの粉砕物、各種コアシェル型ポリマー、メラミンなどの高融点の低分子化合物結晶などが挙げられる。
かかる有機もしくは無機フィラーの好適な平均粒径は0.1〜10μmであり、より好適には0.5〜5μmである。あまり微細であれば、膠着防止や光沢度改良効果が小さくなり、また、あまり大きなものは、フイルムの機械特性を低下させたり、製膜時に目詰まりによる生産性の低下を招くことがある。
【0021】
本発明におけるEVOHとEVOH以外の熱可塑性樹脂あるいは無機フィラーとは既知の方法で混合、フィルムとすることが可能である。たとえば、押出機に両成分を同時に供給、ブレンドと同時に、キャストあるいはインフレーション法によりフィルム化する方法、あらかじめ両者を混練、ペレット化した後に、別の押出機によりフィルム化する方法、あるいは両者を同時に押出機に供給、溶融混練した後に、目的とする基材上に直接溶融押し出しし、積層化する方法などが挙げられる。
【0022】
本発明のEVOHフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、比較的厚みの厚いシート状のものを排除するものではない。ただし、経済性、意匠性あるいは生産性等を考慮していわゆるフィルム状の薄いものが好ましい。具体的な厚さとしては3〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい厚さとして挙げられる。
【0023】
本発明のフィルムにおけるEVOHは高度に結晶化することでより高度のフィルム特性を示し好ましい。具体的には結晶化を示す指数である同フィルムの赤外線吸収スペクトルの1090cm-1に対する1140cm-1の吸光度比が0.65以上を示すことが好ましい。かかる結晶化を行う方法として、例えばEVOHのTg以上の温度での熱処理する方法があげられる。
【0024】
本発明で使用される界面活性剤は特に限定されるものではないが、具体的には非極性基として下記(A)群から選ばれる少なくとも1つ以上の基を有し、極性基として下記(B)群から選ばれる少なくとも1つ以上の基を有する界面活性剤を挙げることができる。
(A)群;炭素数10以上の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ポリアルキルシロキサンからなる基。
(B)群;ポリアルキレングリコールからなる基、スルホン酸基またはその塩、カルボキシル基またはその塩 、ヒドロキシル基、アミノ基またはその塩。
かかる界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコールとポリメチルシロキサンのブロック共重合体、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリグリセリンの部分ステアリン酸エステル、リノレン酸硫酸エステルナトリウム塩などが挙げられる。
【0025】
中でも、非極性基がポリアルキルシロキサンからなる基であることが好ましく、平均ケイ素原子数5以上であるポリアルキルシロキサンからなる基であることがより好ましい。また、極性基がポリアルキレングリコールからなる基であることも好ましく、アルキレングリコールユニット数の平均値が5以上であるポリアルキレングリコールからなる基であることがより好ましい。特に好ましい界面活性剤としてポリアルキルシロキサン−ポリアルキレングリコールブロック共重合体からなるものが挙げられ、ポリアルキルシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体が最適である。
かかる界面活性剤を使用することで、汚れ防止性、取り扱い性、生産性に優れたEVOHフィルムを得ることができる。
なお、これらの界面活性剤は、2種以上混合して使用することもできる。
【0026】
本発明における界面活性剤は塗布により用いることが肝要である。EVOHと混練した場合、たとえ表面に浮き出しが見られても、その分子配向が不適となるためか、汚染に対する抵抗性の向上効果を示さない。
【0027】
本発明における界面活性剤の塗布方法には特に制限はなく、既知の方法が適応できる。例えば、各種の有機もしくは無機溶媒に溶解してあるいは原液のまま、スプレーコート、グラビアロールによるコート、さらには刷毛などを用いて塗布する方法などを採用することができる。さらに、フィルム上に直接塗布してから積層化を行う以外にも、フィルムをあらかじめ積層化してから塗布しても良いし、内装材の形態にしておいてから、その表面に塗布することも可能である。
【0028】
本発明のフィルムは、可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩化ビニル系フィルムまたはシートと、界面活性剤を塗布した面が最表面に配置されるように積層されることが好ましい。かかる積層体の構成とすることで、可塑剤のブリードが抑制されると共に、ポリ塩化ビニル系フィルムの汚染に対する抵抗性、風合いなどが著しく改善され、壁紙などの内装材、家具表面の合成皮革などの用途に好ましく用いられる。
【0029】
また、本発明のEVOHフィルムあるいは上述のポリ塩化ビニルフィルムまたはシートと積層した積層体を、界面活性剤を塗布した面が最表面に配置されるように積層されてなる内装材も好適な実施態様である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例中で行った評価は以下の要領で行った。
【0031】
・糊剥離性試験
得られたEVOHフィルムあるいは熱ラミネートして得られた積層体に市販のデンプン糊(矢沢化学株式会社製 サンゲツベスト(TM))を重量の50%の水で希釈後塗布し、室温で乾燥し、糊の剥離の状態を見た。また、ポリビニルアルコール糊(ヤマト株式会社製 アラビックヤマト(TM))を塗布し、室温で乾燥し、糊の剥離の状態を見た。
糊剥離性は、下記の4段階で評価した。
◎:乾燥により自然に剥離する。
○:乾燥後摩擦する事で容易に剥離する。
△:乾燥後摩擦することで部分的に剥離可能。
×:剥離しない。
【0032】
・接着剤塗布前フィルム膠着性試験
巻き取ったEVOHフィルムについて、手で巻き出しを行い、フィルムの膠着性を官能評価した。
膠着性は、下記の4段階で評価した。
◎:全く膠着しない。
○:僅かに膠着感有り
△:膠着は有るが巻きだし可能
×:膠着が強く巻きだし困難
【0033】
・接着剤塗布フィルム膠着性試験
塩化ビニル成分を87モル%、酢酸ビニル成分を13モル%含む塩化ビニル共重合体100重量部と、ヘキサメチレンイソシアネート1.5重量部との塩化ビニル系共重合体組成物をメチルエチルケトン:トルエン=1:1の混合溶媒に固形分濃度20%となるよう溶解したものを、EVOHフィルムに2g/m2(固形分基準)となるように塗布、乾燥、巻き取りし、接着剤塗布フィルムとした。このフィルムを手で巻き出しし、接着剤塗布フィルムの膠着性を官能検査した。評価方法は接着剤塗布前フィルム膠着性試験の場合と同様である。
【0034】
・熱ラミネート性試験
接着剤塗布フィルム(上記膠着性試験で一度巻き取り、巻きだししたもの)を、PVCフィルム1、2及びJIS G3101の1種鋼板(0.1×15×200mm)に130℃で熱ラミネートを行い、フィルムの接着力をT型剥離試験により測定した。
【0035】
・汚れ防止試験
熱ラミネートして得られた積層体に、油性ペン(三菱鉛筆株式会社製三菱マーカー(TM))、クレヨン(サクラクレパス株式会社製 サクラクレヨンふとまき(TM) 赤)、口紅(株式会社資生堂 レシェンテ ルージュエクセレント(TM))を塗布し、24時間後に、油性ペンについてはシンナー(日本ペイント社製 ラッカー薄め液(TM))を、クレヨン及び口紅については中性洗剤(ライオン株式会社製 ママレモン(TM))をガーゼに付けて拭き取り、残った着色の濃さをJIS グレースケールにより評価した。
【0036】
参考例1(PVCシート1の作成)
ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤(フタール酸ジ−2−エチルヘキシル)50重量部、充填剤(炭酸カルシウム)50重量部、顔料(TiO2)20重量部の配合物を押出機により押し出し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0037】
参考例2(PVCシート2の作成)
ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤(フタール酸ジ−2−エチルヘキシル)50重量部、充填剤(炭酸カルシウム)50重量部、顔料(TiO2)20重量部および発泡剤(アゾジカルボンアミド)2部の配合物を押出機により押し出し、厚さ0.5mmのシートとしたのち発泡させ発泡PVCシートを得た。
【0038】
実施例1
EVOHフィルム(株式会社クラレ製 EVAL(TM) EF−E)の表面にポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体(NUCシリコーン(TM) L7002)の1%水溶液を10g/m2(溶液ベース)の割合で塗布、乾燥し、巻き取りし、界面活性剤塗布フィルムを得た。
【0039】
得られたフィルムおよび積層体について、糊剥離試験、膠着性試験、接着剤塗布フィルム膠着性試験、熱ラミネート性試験、汚れ防止試験をそれぞれ行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0040】
実施例2
EVOH(株式会社クラレ製 EVAL(TM) EC−E105)75重量%、および無水マレイン酸変成ポリエチレン(三菱化成株式会社製 MODIC−AP(TM) H511)を2軸押出機を用い混合押し出しし、厚さ15μmのフィルムとした。このフィルムを用いて実施例1のEVOHフィルムの代わりに用いた他は実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0041】
実施例3
無水マレイン酸変成ポリエチレンの代わりにポリブチレンテレフタレート(クラレ製 KS293F)を用いた他は実施例2と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0042】
実施例4
無水マレイン酸変成ポリエチレンの代わりにカオリン(森化成工業製 ポリフィル W(TM))を用いた他は実施例2と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0043】
実施例5
ポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体の代わりにアルキルスルホン酸ナトリウム(花王製 エレクトロストリパー(TM)PC)を用いた他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0044】
実施例6
ポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体の代わりにポリオキシエチレンラウリルエーテル(日本油脂株式会社製 ノニオン(TM) K−204)を用いた他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
比較例1
ポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体を塗布しない他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
【0046】
比較例2
実施例1で用いたEVOHフィルムの替わりに、EVOH98重量%、ポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体2重量%を押出し機に投入、混合押し出しして得た厚さ15μmのフィルムを用い、その表面にポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体を塗布しない以外は実施例1と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
【0047】
比較例3
ポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体にかえてステアリン酸ビスアミドエマルジョン(日本油脂株式会社製 アルフローH50ES(TM))を用いた他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
【0048】
比較例4
ポリシロキサン−ポリエチレングリコールブロック共重合体にかえてポリシロキサン(日本ユニカー社製 NUCシリコーンオイル(TM) L45(1000))を用いた他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
【0049】
このように、表面に界面活性剤を塗ったフィルムは、従来のEVOHフィルム、あるいはこれに界面活性剤を練り込んだもの、あるいは公知の離型剤(シリコーンオイル、ステアリン酸エチレンビスアミド等)を塗布したものに比べ、デンプン糊、PVOHなどに対する抵抗性が格段に向上するばかりか、膠着性や、他の汚染物質に対する抵抗性も向上し、さらに巻き取りの過程で塗布面と接着面が接触しても基材への接着強度には何ら影響しないなど著しく優れていることが分かる。
【0050】
実施例7
参考例1で作成したPVCシート1と同じ組成の樹脂組成物、変成ポリエチレン(三井石油化学工業株式会社製 ADMERR VF500)およびEVOH(株式会社クラレ製 EVAL(TM) EC−E105)を、共押し出し用押出機を用い、共押し出しにより、PVC層0.5mm、変成ポリエチレン層15μm、EVOH層15μmをこの順に積層してなる積層フィルムを作成し、実施例1と同様にしてEVOH面に界面活性剤をコートした後、糊剥離試験、及び汚れ防止試験を行った。結果を表3に示す。
【0051】
比較例5
参考例1で作成したフィルム単体について、糊剥離試験及び汚れ防止試験を行った。結果を表3に示す。
【0052】
実施例7、比較例5から、本発明のフィルム層は優れた汚れ防止性を有しており、またその特性は製造方法によらず発揮されることが分かる。
【0053】
【表1】
Figure 0003784520
【0054】
【表2】
Figure 0003784520
【0055】
【表3】
Figure 0003784520
【0056】
【発明の効果】
本発明のフィルムは、耐汚染性、耐膠着性に優れており、本発明のフィルムを積層することで耐汚染性に優れた内装材が得られる。

Claims (8)

  1. エチレン含有量20〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィルムの表面に、非極性基としてポリアルキルシロキサンからなる基を有する界面活性剤が塗布されてなるフィルム。
  2. 界面活性剤が、極性基として下記(B)群から選ばれる少なくとも1つ以上の基を有する請求項1記載のフィルム。
    (B)群;ポリアルキレングリコールからなる基、スルホン酸基またはその塩、カルボキシル基またはその塩 、ヒドロキシル基、アミノ基またはその塩。
  3. 極性基がポリアルキレングリコールからなる基である請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 界面活性剤がポリアルキルシロキサン−ポリアルキレングリコールブロック共重合体からなる請求項1〜のいずれかに記載のフィルム。
  5. エチレン−ビニルアルコール共重合体がそれ以外の熱可塑性樹脂または無機もしくは有機フィラーを1〜60重量%含む請求項1〜のいずれかに記載のフィルム。
  6. 熱可塑性樹脂がカルボン酸変成ポリオレフィンである請求項記載のフィルム。
  7. 可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩化ビニル系フィルムまたはシートと請求項1〜のいずれかに記載のフィルムが、界面活性剤を塗布した面が最表面に配置されるように積層されてなる積層体。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のフィルムまたは積層体が、界面活性剤を塗布した面が最表面に配置されるように積層されてなる内装材。
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