JPH11198293A - 光触媒含有層積層熱可塑性フィルム - Google Patents

光触媒含有層積層熱可塑性フィルム

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JPH11198293A
JPH11198293A JP10017798A JP1779898A JPH11198293A JP H11198293 A JPH11198293 A JP H11198293A JP 10017798 A JP10017798 A JP 10017798A JP 1779898 A JP1779898 A JP 1779898A JP H11198293 A JPH11198293 A JP H11198293A
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慎司 鈴木
Yoshiaki Takegawa
善紀 武川
Juji Konagaya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって消臭効果を維持し表面に傷が
つきにくく、しかも消臭剤による担体自体の分解・劣化
の起こらない、耐久性の消臭フィルムを提供すること。 【解決手段】 熱可塑性フィルム基材と該熱可塑性フィ
ルム基材の少なくとも片面に積層された光触媒含有層と
を含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性フィルムであっ
て、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタンを多孔質無機
不活性物質で被覆してなる無機複合粒子を含んだ樹脂層
よりなり、該光触媒含有層表面のJIS−K5400に
おける鉛筆硬度がB以上であり、且つ、該光触媒含有層
のJIS−B0601による表面粗さRaが0.05〜
1.0μmであることを特徴とする、光触媒含有層積層
熱可塑性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタンの持つ
光酸化又は光触媒作用により消臭効果を付与した、長期
間使用できる、耐久性及び耐擦傷性に優れた光触媒含有
層を積層してなる熱可塑性フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、臭気や香りに対する関心は益々高
まってきており、これに対して、旧来からの活性炭や多
孔性無機物等のような物理的吸着性物質や、化学反応に
よって臭気物質を無臭化又は低臭化する化学的消臭物
質、又は芳香剤スプレー若しくは芳香剤ゲルによる消臭
物質マスキング等が用いられている。しかし、これらは
いずれも短期の消臭効果しか期待できないものであっ
た。
【0003】一方、長期にわたって効果の得られる脱臭
・消臭剤として、最近、触媒系の脱臭・消臭剤や人工酵
素が開発されているが、加工方法や使用形態において種
々の制約を受けているのが実情である。
【0004】特に、強い触媒作用を有する微粒子状の酸
化チタン光触媒が消臭等の応用面において脚光を浴びて
いるが、その触媒作用が強過ぎ、有機物質に配合して製
品化したとき、期待する消臭等の効果とは別に、微粒子
状の酸化チタン光触媒の配合されたその有機物質本体の
分解や着色が起こってしまう。この理由から、有機物質
中への微粒子状酸化チタン光触媒の配合は、通常0.0
01〜0.1重量%の範囲、多くとも1.0重量%まで
しか行なうことができない。従って、本来目的とする光
触媒作用、即ち消臭等の効果も、自ずから限定されざる
を得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
に鑑み、消臭フィルムであって、長期にわたって消臭効
果を維持し、フィルム表面に十分な硬度があって傷が付
きにくく、かつ消臭等における即効性にも優れ、しかも
消臭剤として配合された酸化チタンによる担体たる樹脂
自体の分解・劣化の起こらない、耐久性の消臭フィルム
を提供することを目的とする。なお本発明は、実施に際
し用いる熱可塑性フィルム基材の厚みによる制限を受け
ず、従って、本明細書にいう「フィルム」は、その厚み
を特に限定することを意図せず、比較的厚みのあるもの
(一般に「シート」と呼ばれるもの)をも広く包含す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的の下に、本発
明者らは、光触媒能のある酸化チタンを不活性な多孔質
の無機材料で被覆してなる無機複合粒子を用い、これを
特定の条件を満たすように、樹脂と混合して基材である
熱可塑性フィルム上に積層することによって、迅速且つ
長期にわたる優れた消臭効果を発揮し、しかも酸化チタ
ンによる樹脂の劣化が防止された、十分な表面硬度を備
えた消臭フィルムが得られることを見出し、本発明を完
成させた。
【0007】即ち、本発明は、熱可塑性フィルム基材と
該熱可塑性フィルム基材の少なくとも片面に積層された
光触媒含有層とを含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性
フィルムであって、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタ
ンを多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子
を含んだ樹脂層よりなり、該光触媒含有層表面のJIS
−K5400における鉛筆硬度がB以上であり、且つ、
該光触媒含有層のJIS−B0601による表面粗さR
aが0.05〜1.0μmであることを特徴とする、光
触媒含有層積層熱可塑性フィルムを提供する。
【0008】また本発明の光触媒含有層積層熱可塑性フ
ィルムにおいて、特に好ましくは、光触媒酸化チタンを
多孔質無機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子の平
均粒径は、0.1μmから10.0μmである。
【0009】このような構成になる本発明の光触媒含有
層積層熱可塑性フィルムは、光触媒含有層と熱可塑性フ
ィルムとの接着界面や光触媒含有層中のバインダーが酸
化チタンの光触媒作用により破壊されて光触媒含有層が
剥離・変色する等の不都合が起こらず、消臭性、耐候
性、耐擦傷性をバランスよく満足し、酸化チタンの持つ
光触媒作用による優れた消臭効果を発揮しつつ、長期使
用に耐える耐久性を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にいう「熱可塑性フィル
ム」は、有機高分子を溶融押出しして得たフィルム、ま
た、更に必要に応じて縦方向又は横方向に1軸又は2軸
延伸、熱固定して得られたフィルムであってよい。上記
有機高分子からなるフィルムとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、空洞含有ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、空洞含有ポリエステ
ル、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド等が挙げられる。ま
た、これらの有機高分子は、他の有機高分子と共重合さ
せたものや、ブレンドしたものであってもよい。
【0011】更に、この有機高分子には、公知の添加
剤、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、
着色剤等が添加されてもよい。
【0012】本発明で用いられる「光触媒酸化チタン」
とは、酸化チタンの粒径を1〜50nm程度の微粒子と
し、単位重量当たりの表面積を大きくして反応性を高め
たもので、紫外線及び酸素と水の存在下に強い消臭作
用、抗菌・殺菌作用をもたらすものである。更に、この
光触媒酸化チタンに、金、白金、パラジウム、銅、酸化
ニッケル等の金属及び金属酸化物を担持させておくこと
により光触媒機能を促進させてもよい。
【0013】本発明において、「多孔質無機不活性物
質」は、光触媒酸化チタンの微粒子に多孔質の保護被覆
を施すことにより「無機複合粒子」を構成している。こ
のため、これに用いられる多孔質無機不活性物質は、形
成された無機複合粒子が樹脂への配合時の外力によって
破壊されないだけの強度を有する必要がある。更に、該
多孔質無機不活性物質は、酸化チタンの光触媒作用に対
してはそれ自身安定でなければならず、しかも、光触媒
含有層の形成に用いる樹脂に対しては不活性でなければ
ならない。このような多孔質無機物質としては、シリ
カ、アルミナ、シリカ-アルミナ及び酸化亜鉛等が挙げ
られる。これらは単独で、又は2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0014】多孔質無機不活性物質からなる保護被覆層
の有する孔径は、0.5〜100nm程度であることが
好ましく、1〜30nmであることが更に好ましい。孔
径があまり大きいと樹脂が酸化チタンに接触して分解さ
れて異臭や着色の原因となり、逆に孔径が余りに小さい
と、臭気物質の分子径がそれより大きい場合に当該臭気
物質が酸化チタンまで到達せず、該触媒により分解する
ことができなくなるためである。
【0015】光触媒酸化チタンの微粒子に多孔質無機不
活性物質で保護被覆を施してなる無機複合粒子の平均粒
径は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5
〜5μmであることが更に好ましい。無機複合粒子の粒
径が0.1μmより小さいと多孔質無機不活性物質によ
る保護コーティング層が簿くなり過ぎて、光触媒含有層
を構成する樹脂を光触媒酸化チタンの光触媒作用から保
護することが困難となる場合がある。これに対し、無機
複合粒子の粒径が10μmより大きいと光触媒含有層表
面が粗くなり過ぎ、塗膜表面が過度に弱くなる場合があ
る。
【0016】かかる無機複合粒子を含有する光触媒含有
層は、その表面の粗さが、JIS−B0601における
表面粗さRaで0.05〜1.0μmの範囲とするのが
好ましく、0.1〜0.5μmの範囲とするのが更に好
ましい。これは、次の理由によるものである。
【0017】(1)光触媒酸化チタンを多孔質無機不活
性物質で被覆した無機複合粒子を含有する光触媒含有層
表面のJlS−B0601における表面粗さRaが0.
05μmより小さい場合には、光触媒含有層を形成する
樹脂に前記無機複合粒子が実質上完全に埋没しており、
該複合粒子が悪臭物質と接触する機会が減少して悪臭物
質の分解効率が低下すること、更に、光触媒含有層の表
面積が相対的に小さくなり該層の悪臭物質吸着量が減少
するため、消臭能力が低下すること。
【0018】(2)該無機複合粒子を含有する光触媒含
有層表面のJlS−B0601における表面粗さRaが
1.0μmより大きいと、該無機複合粒子が、小さな摩
擦等により光触媒含有層から容易に脱落してしまい、且
つ、使用に耐えうるだけの鉛筆硬度も得られないこと。
【0019】本発明において、無機複合粒子を含有する
光触媒含有層表面のJlS−K5400における鉛筆硬
度は、B以上でなければならない。これは、鉛筆硬度が
Bを下回ると、表面素材として使用されたとき、擦傷な
どが容易につき、表面外観を著しく損なうこととなるた
めである。
【0020】かかる光触媒含有層表面について、JlS
−K5400における鉛筆硬度B以上を達成する手投と
しては、平均粒径が0.1μm〜10.0μmである光
触媒酸化チタン微粒子に多孔質無機不活性物質で保護被
覆を施した無機複合粒子を使用し、該光触媒含有層のコ
ート厚みを該無機複合粒子の平均粒径の0.1倍以上、
好ましくは0.5倍以上にすることがあげられる。ま
た、該光触媒含有層の樹脂中に架橋剤を添加することが
更に好ましい。
【0021】本発明において、光触媒含有層を形成する
には、光触媒含有層の形成に用いる樹脂溶液に前記無機
複合粒子を混合してから熱可塑性樹脂フィルムに塗布す
る方法や、光触媒含有層の形成に用いる樹脂中に前記無
機複合粒子を混合し分散させた後、溶融押出しする方法
で、基材となる熱可塑性フィルムと同時に押出す共押出
し法、基材フィルム上に別途押出しして積層する押出し
ラミネート法、予め製造したフィルムを各種ラミネート
法で積層するドライラミネート法などいずれの方法を用
いてもよい。しかし、前記無機複合粒子を含有する樹脂
溶液を熱可塑性樹脂フィルムに塗布する方法が、材料選
択の幅が広いことや光触媒含有の樹脂層を容易にかつ均
−に形成しやすいこと等から、好ましい。
【0022】前記無機複合粒子を含有する樹脂溶液を熱
可塑性樹脂フィルムに塗布するには、一般的なロールコ
ート法やダイコート法、バーコート法、ディップコート
法等、任意の方法を選択してよい。塗布は、該フィルム
製膜後に別工程として行なってもよく、また、該フィル
ム製膜工程内で塗布乾燥延伸を行うインラインコート法
として行なってもよい。
【0023】光触媒含有層を塗布法にて形成する場合、
用いる樹脂は、有機溶剤や水に溶解あるいは水に分散す
る樹脂が好ましいがそれらに限定されない。ただし、塗
布、乾燥における大気汚染の軽減や塗布設備の費用面、
塗膜中の残留溶剤の問題等から、水溶性または水分散性
の樹脂が好ましい。
【0024】また塗布法に用いる樹脂は、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂の何れでもよい。ただし、該光触媒含
有層表面のJlS−K5400における鉛筆硬度B以上
を達成するためには、架橋剤として作用する樹脂その他
の物質が含まれていることが更に好ましい。好ましい樹
脂の代表例としては、下記の樹脂またはそれらの混合物
や共重合物を挙げることができる。すなわち、アクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフ
イン系樹脂、フツ素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系樹
脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、シ
リコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、各種グラフト樹脂
等である。また電子線硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等を使
用してもよい。
【0025】本発明において、光触媒含有層に他の機能
を付与するために各種添加剤や機能性樹脂を混合しても
よい。例えば、帯電防止剤等の界面活性剤、ポリアニリ
ン、ポリピロール等の導電性高分子や導電性ウィスカー
やlTO微粒子、無機滑剤や有機潤滑剤、他の消臭剤、
各種抗菌粒子、抗菌性を有する高分子、吸水性を有する
高分子等をそれぞれの目的に応じて混合することができ
る。
【0026】本発明における光触媒含有層の厚みは、該
光触媒含有層表面のJlS−K5400における鉛筆硬
度B以上が達成されていれば制限はない。通常0.01
〜100μm程度であり、塗布法により形成した場合は
0.1〜20μmであるのが好ましく、1〜10μmで
あるのが更に好ましい。即ち、厚みが0.1μmより薄
いと、上記無機複合粒子の樹脂への定着性が不良になり
該無機複合粒子の脱落等の問題が起こる。また、厚みが
20μmを超える場合には、原料コストの上昇に見合う
だけの消臭効果の向上がみられないので好ましくない。
【0027】光触媒含有層を形成する組成物を溶融押出
して積層する押出しラミネート法又は予め製膜した光触
媒層を積層するドライラミネート法で形成した光触媒含
有層の厚みは1〜100μm程度が望ましい。
【0028】光触媒含有層を構成する無機複合粒子と樹
脂との比率は、特に制限されないが、無機複合粒子/樹
脂の重量比が20より大になると無機複合粒子と樹脂と
の定着性が不良になり、樹脂の種類によっては無機複合
粒子の脱落等の問題が起こる。また、無機複合粒子/樹
脂の重量比が1/10より小になると、透明性の良好な
層が形成される一方、消臭能力は低くなる。この場合、
光触媒含有層の厚みを増やすことにより対応することが
できる。このように、使用目的によって無機複合粒子/
樹脂の重量比を適宜決めることができる。
【0029】光触媒含有層には、更に、印刷層やガスバ
リアー性を有さない物質よりなる被覆層を設けてもよ
い。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明は当該実施例に限定される
ものではない。
【0031】本発明で採用した測定評価法は下記の通り
である。 (1)Ra測定 Raの測定は、JIS−B0601における表面粗さ測
定に準じて行なった。
【0032】(2)鉛筆硬度測定 鉛筆硬度の測定は、JIS−K5400における鉛筆引
っかき試験に準じて行なった。
【0033】(3)消臭能力評価 容量5000ccのテフロン製バッグ中に、下記の実施
例及び比較例で得られたフィルムのA4サイズ試料を入
れ、アンモニアを濃度100ppmになる様注入し、暗
室内においてフィルム試料上での紫外線強度0.3mW
/cm2になるようブラックライトにて照射し、24時
間後のアンモニアの濃度を検知管により調べた。
【0034】(4)接着性評価 実施例、比較例で得られたフィルムにつき、セロテープ
剥離テストを行った。セロテープ剥離テストは、光触媒
含有層面に2mm碁盤目を入れ、その部分にセロハンテ
ープ(商品名RT−18:ニチバン(株)製)を均一に
貼着した後180度方向に剥離し、光触媒含有層の剥離
の有無を目視により調べた。
【0035】<実施例1>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)1重量%
に対し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製
PVA−105を水に溶解し10重量%に調整したも
の)96重量%、およびメラミン系架橋剤(住友化学工
業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)3重量
%を加え塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋紡
績(株)製PETフィルムE5100(100μm厚)
に塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5μm
の光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有層の
組成(重量%)は、無機複合粒子/ポリビニルアルコー
ル/メラミン系架橋剤=7.7/73.8/18.5で
ある。
【0036】<比較例1>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子として、五洋
紙工(株)製消臭剤「GYT」を分級して、平均粒径1
5μmの粒子を得た。その平均粒径15μmの粒子1重
量%に対し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラ
レ製PVA−105を水に溶解し10重量%に調整した
もの)96重量%、およびメラミン系架橋剤(住友化学
工業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)3重
量%を加え塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした東洋
紡績(株)製PETフィルムE5100(100μm
厚)に塗布し、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5
μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有
層の組成(重量%)は無機複合粒子/ポリビニルアルコ
ール/メラミン系架橋剤=7.7/73.8/18.5
である。
【0037】<比較例2>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆してなる無機複合粒子(五洋紙工
(株)製消臭剤「GYT」、平均拉径7μm)0.1重
量%に対し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラ
レ製PVA−105を水に溶解し10重量%に調整した
もの)96.9重量%、およびメラミン系架橋剤(住友
化学工業(株)製「スミマール」、固形分80重量%)
3重量%を加え塗布剤とした。該塗布剤を、基材とした
東洋紡績(株)製PETフィルムE5100(100μ
m厚)に塗布、150℃にて3分間乾燥し、塗布厚み5
μmの光触媒含有層積層フィルムを得た。該光触媒含有
層の組成(重量%)は無機複合粒子/ポリビニルアルコ
ール/メラミン系架橋剤=0.8/79.5/19.7
である。
【0038】<比較例3>光触媒酸化チタンを多孔質無
機不活性物質で被覆した無機複合粒子(五洋紙工(株)
製消臭剤「GYT」、平均粒径7μm)10重量%に対
し、ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製PV
A−105を水に溶解し10重量%に調整したもの)8
7重量%、およびメラミン系架橋剤(住友化学工業
(株)製スミマール)3重量%を加え塗布剤とした。そ
の塗布剤を、基材とした東洋紡績(株)製PETフィル
ムE5100(100μm厚)に塗布、150℃にて3
分間乾燥し、塗布厚み0.5μmの光触媒含有層積層フ
ィルムを得た。該光触媒含有層の組成(重量%)は無機
複合粒子/ポリビニルアルコール/メラミン系架橋剤=
47.4/41.2/11.4である。
【0039】(評価結果)実施例1で得られた光触媒含
有層積層フィルムについては、上記消臭力評価試験にお
いて、バッグ中のアンモニア濃度の著しい低下が見ら
れ、24時間後には1ppm以下になっていた。また、
基材に対する光触媒含有層の接着性は良好であり、コー
トした光触媒含有層は、セロテープ剥離試験では剥がれ
ることがなかった。また光触媒含有層表面は十分な硬度
を有し、爪で引っかいても傷は付かなかった。
【0040】比較例1で得られた光触媒含有層積層フィ
ルム(表面粗さRaが1.3μmであった。)では、上
記消臭力評価試験において、アンモニア濃度の著しい減
少が見られ、24時間後には1ppm以下になってい
た。しかしながら、何れも基材に対する光触媒含有層の
接着性が不良で、コートした光触媒含有層は、セロテー
プ剥離試験で剥離してしまい、また、爪で引っかくと簡
単に基材から剥がれてしまった。
【0041】比較例2で得られた光触媒含有層積層フィ
ルム(表面粗さRaが0.02μmであった。)では、
基材に対する光触媒含有層の接着性は良好であったもの
の、アンモニア濃度の満足な減少は見られなかった。
【0042】比較例3で得られた光触媒含有層積層フィ
ルム(表面粗さRaが1.8μmであった。)では、上
記消臭力評価試験において、アンモニア濃度の著しい減
少が見られ、24時間後には1ppm以下になってい
た。しかしながら、何れも基材に対する光触媒含有層の
接着性が不良で、コートした光触媒含有層は、セロテー
プ剥離試験で剥離してしまい、また、爪で引っかくと簡
単に基材から剥がれてしまった。
【0043】実施例及び各比較例についての評価結果を
次の表1にまとめる。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】以上の構成になる本発明により、酸化チ
タンの優れた消臭効果を発揮させながら、酸化チタンを
保持する樹脂の破壊を防止し且つ十分な表面硬さを備え
た、耐久性のある消臭シートが提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性フィルム基材と該熱可塑性フィル
    ム基材の少なくとも片面に積層された光触媒含有層とを
    含んでなる光触媒含有層積層熱可塑性フィルムであっ
    て、該光触媒含有層が、光触媒酸化チタンを多孔質無機
    不活性物質で被覆してなる無機複合粒子を含んだ樹脂層
    よりなり、該光触媒含有層表面のJIS−K5400に
    おける鉛筆硬度がB以上であり、且つ、該光触媒含有層
    のJIS−B0601による表面粗さRaが0.05〜
    1.0μmであることを特徴とする、光触媒含有層積層
    熱可塑性フィルム。
  2. 【請求項2】該無機複合粒子の平均粒径が0.1〜1
    0.0μmであることを特徴とする、請求項1の光触媒
    含有層積層熱可塑性フィルム。
  3. 【請求項3】該光触媒含有層において、該熱可塑性フィ
    ルム基材を覆う樹脂の厚みが該無機複合粒子の平均粒径
    の少なくとも0.1倍である、請求項1又は2の光触媒
    含有層積層熱可塑性フィルム。
  4. 【請求項4】該光触媒含有層を構成する樹脂が架橋され
    ていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかの光
    触媒含有層積層熱可塑性フィルム。
  5. 【請求項5】該光触媒含有層において、該無機複合粒子
    /樹脂の重量比が、0.1〜20である、請求項1乃至
    4の何れかの光触媒含有層積層熱可塑性フィルム。
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